JP2006272614A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録動作初期にインクの不吐出や着弾よれが生じることを抑え、記録ヘッドによる記録動作のスループットを向上させる。
【解決手段】 記録ヘッドは、インクを吐出する複数の吐出口H2504,H2505と、複数の吐出口のそれぞれに対応して設けられた複数の電気熱変換素子(不図示)と、複数の吐出口に連通し、複数の電気熱変換素子のそれぞれに対応して設けられた複数のインク流路H2501,H2502と、複数のインク流路にインクを供給する共通液室H1102とを有している。複数のインク流路には、大径吐出口H2504に連通した第1インク流路H2501と小径吐出口H2505に連通した第2インク流路H2502とが含まれ、第1及び第2インク流路H2501,H2502は互いに隣り合うように交互に配置されている。第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とは第3インク流路H2503を介して互いに連通している。
【選択図】 図11A

Description

本発明は、インク等の液体を吐出口から吐出することで液滴を形成して記録動作を行う記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドに関する。
なお、本発明のインクジェット記録ヘッドは、一般的なプリント装置のほか、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、更には各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができる。
インクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速な記録と様々な記録媒体に対して記録することが可能であって、記録における騒音が殆ど生じないと言った特徴を持つ。このようなことから、インクジェット記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ等の記録機構を担う装置として、広く採用されている。
このようなインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドにおける代表的なインク吐出方式としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させるものなどが知られている。
電気熱変換素子を用いたインクジェット記録ヘッドは、電気熱変換素子を記録液室内に設け、これに記録信号となる電気パルスを供給して発熱させることによりインクに熱エネルギーを与え、そのときの記録液の相変化により生じる記録液の発泡時(沸騰時)の気泡圧力を利用して、微小な吐出口から微小なインク滴を吐出させて、記録媒体に対し記録を行うものであり、一般に、インク滴を吐出するためのインクジェット記録ノズルと、このノズルにインクを供給する供給系とを有している。
近年では、インクジェット記録装置は高解像度化しており、特に画質を形成する為に使用するインクジェット記録ヘッドにおいても、個々の液滴を吐出する吐出口配列の解像度が高解像度化し、更に画像を形成する吐出インク滴の大きさも5plや2plと小液滴化する傾向にある。
更に階調性に富んだ画像の実現のために、インクジェット記録ヘッドにおいては同一色で異なるインク滴サイズを吐出させることが行われている。例えば、特許文献1に開示されているように、インクを供給するインク供給口(共通液室)を挟んで、比較的大きなインク滴を吐出する複数の大径吐出口列と、比較的小さなインク滴を吐出する複数の小径吐出口列とを形成し、大径吐出口及び小径吐出口からそれぞれ大小のインク滴を吐出することによって記録媒体上にインクの大ドット及び小ドットを形成することが行われている(図14参照)。さらに、大径吐出口と小径吐出口とを交互に配置させて、大ドット及び小ドットの形成を低コストで可能にする構成も考案されている(図15参照)。
また、耐光性や耐水性等の耐候性を向上させるために、顔料インクが使用されることもある。
インクは時間が経つと水分が蒸発して粘度が高くなるため、記録ヘッドを記録動作を行わずに長い時間放置したり、また記録動作を行う場合でも長い時間使用されないノズルがあったりする場合などは、いざ記録動作を行おうとしたときに、不吐出や着弾よれ等の吐出不良を生じさせてしまうことがある(特許文献2参照)。特に、吐出口の口径が小さくなるほど、そのような吐出不良が顕著に表れる傾向がある。そのため、記録動作前に予備吐出を行ったり(特許文献3参照)、温度調節を行って記録ヘッドを暖めたりして(特許文献4参照)、正常に記録動作が行われるようにしている。
特開2003−311965号公報 特開平9−226125号公報 特開2003−312025号公報 特開2002−240252号公報
近年ではこのように小液滴化のために吐出口の口径を小さくする傾向があるため、粘度が高くなったインクを使用した場合には、記録動作初期にインクの不吐出や着弾よれがより顕著に生じる傾向にある。そのため、記録動作前に予備吐出を行ったり、温度調節を行って記録ヘッドを暖めたりすることを、それらの程度を高めて行わなければならず、予備吐出用に消費されるインク量が増えたり、記録動作開始までの時間が長くなってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、粘度が高くなったインクを比較的小径の吐出口から吐出する場合でも、記録動作初期にインクの不吐出や着弾よれが生じることを抑え、また、予備吐出用に消費されるインク量や記録動作開始までの時間を少なくすることができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出する複数の吐出口と、該複数の吐出口のそれぞれに対応して設けられ、該複数の吐出口から前記インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数の記録素子と、前記複数の吐出口に連通し、前記複数の記録素子のそれぞれに対応して設けられた複数のインク流路と、該複数のインク流路に前記インクを供給する共通液室とを有し、前記複数の吐出口に連通した前記複数のインク流路は、比較的大径の吐出口に連通した第1インク流路と比較的小径の吐出口に連通した第2インク流路とを含んでおり、前記第1インク流路と前記第2インク流路とが互いに隣り合うように交互に配置されているインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第1インク流路と前記第2インク流路とを互いに連通させる第3インク流路をさらに有していることを特徴とする。
上記本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、粘度が高くなったインクを比較的小径の吐出口から吐出する場合でも、記録動作初期にインクの不吐出や着弾よれが生じることを抑え、また、予備吐出用に消費されるインク量や記録動作開始までの時間を少なくすることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜6は本発明が実施もしくは適用される好適なヘッドカートリッジ、記録ヘッド、インクタンクのそれぞれの構成及びそれぞれの関係を説明する図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素の説明を行う。
本実施形態の記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)H1001は、図1(a)および図1(b)の斜視図からわかるように、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素であり、記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、記録ヘッドH1001に着脱自在に設けられたインクタンクH1900(H1901〜H1904)とで構成されている。
記録ヘッドH1001は、インクタンクH1900から供給されるインク(記録液)を、記録情報に応じて吐出口から吐出する。この記録ヘッドカートリッジH1000は、インクジェット記録装置本体に備えられているキャリッジ(不図示)に対して着脱可能となっている。
それぞれ、インクタンクH1901はブラックのインク用、インクタンクH1902はシアンのインク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク用、インクタンクH1904はイエローのインク用のインクタンクである。インクタンクH1901,H1902,H1903,H1904のそれぞれが記録ヘッドH1001のシールゴムH1800側に対して着脱自在であり、このようにそれぞれのインクタンクが交換可能となっていることにより、インクジェット記録装置によって各色毎に異なる消費量に応じて各色のインクタンクを個別に交換することができる。
次に、記録ヘッドH1001を構成しているそれぞれの構成要素毎に順を追ってさらに詳しく説明する。
(1)記録ヘッド
記録ヘッドH1001は、電気信号に応じてインクに対して膜沸騰を生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行う、バブルジェット(登録商標)方式のサイドシューター型の記録ヘッドである。
記録ヘッドH1001は、図2の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1002とインク供給ユニットH1003とタンクホルダーH2000で構成されている。さらに、記録素子ユニットH1002は、図3の分解斜視図に示すように、第1の記録素子基板H1100、第2の記録素子基板H1101、第1のプレート(第1の支持部材)H1200、電気配線テープH1300、電気コンタクト基板H2200、第2のプレート(第2の支持部材)H1400で構成されており、またインク供給ユニットH1003は、インク供給部材H1500、流路形成部材H1600、ジョイントシール部材H2300、フィルターH1700、シールゴムH1800で構成されている。
(1−1)記録素子ユニット
図4は第1の記録素子基板H1100の構成を説明する部分分解斜視図である。
第1の記録素子基板H1100は厚さ0.5〜1mmのSi基板H1110の片面に、インクを吐出するための複数の記録素子(電気熱変換素子)H1103と、各電気熱変換素子H1103に電力を供給するAl等の電気配線が、成膜技術により形成されている。そして、この電気熱変換素子H1103に対応する複数のインク流路と複数の吐出口H1107とがフォトリソグラフィ技術により形成されるとともに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口(共通液室)H1102が反対側の面(裏面)に開口するように形成されている。また、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200(図3参照)に接着によって固定されており、これにより共通液室H1102が形成されている。
ここで図3を参照すると、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着によって固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線テープH1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるように保持されている。この電気配線テープH1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取る外部信号入力端子H1301とを有し、この外部信号入力端子H1301は、インク供給部材H1500の背面側に位置決めされて固定されている。
図4を参照すると、共通液室H1102は、Siの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの方法で形成されている。すなわち、Si基板H1110がウェハー面方向に<100>、厚さ方向に<111>の結晶方位を持つ場合、アルカリ系(KOH、TMAH、ヒドラジン等)による異方性エッチングで、約54.7度の角度でエッチングを進行させる。これにより所望の深さにエッチングを行い、長溝状の貫通口からなる共通液室H1102を形成する。共通液室H1102を挟んで両側に電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されている。
電気熱変換素子H1103に電力を供給するAl等の電気配線(不図示)は、成膜技術により形成されている。さらに、電気配線に電力を供給する電極H1104が電気熱変換素子H1103の両外側に配列されており、電極H1104にはAu等のバンプH1105が熱超音波圧着法で形成されている。そして、Si基板H1110上には、電気熱変換素子H1103に対応したインク流路を形成するためのインク流路壁H1106と吐出口H1107とが樹脂材料でフォトリソグラフィ技術により形成され、吐出口群H1108が形成されている。電気熱変換素子H1103に対向して吐出口H1107が設けられているため、共通液室H1102から供給されたインクは電気熱変換素子H1103の発熱作用により発生した気泡により吐出口H1107から吐出される。
図5は第2の記録素子基板H1101の構成を説明する部分分解斜視図である。
第2の記録素子基板H1101は3色のインクを吐出させるための記録素子基板であり、3個の共通液室H1102が並列して形成されており、それぞれの共通液室H1102を挟んだ両側に電気熱変換素子H1103と吐出口H1107が形成されている。この共通液室H1102は3つとは限らず、同じ3色のインクが用いられるものである場合に、イエローインク用の共通液室H1102を真中にしてその両側にマゼンタインク用の共通液室H1102とシアンインク用の共通液室H1102が対向する5つの構成であってもよい。
第1の記録素子基板H1100と同じように、Si基板H1110に共通液室H1102や電気熱変換素子H1103、電気配線(不図示)、電極H1104などが形成されており、その上に樹脂材料でフォトリソグラフィ技術によりインク流路壁H1106やインク吐出口H1107が形成されている。そして、第1の記録素子基板H1100と同様に、電気配線に電力を供給する電極H1104にはAu等のバンプH1105が形成されている。
次に、第1のプレートH1200(図3等参照)は、例えば厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al23)材料で形成されている。なお、第1のプレートH1200の材料はアルミナに限られず、記録素子基板H1100の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつ、記録素子基板H1100の材料の熱伝導率と同等もしくは同等以上の熱伝導率を有する材料で作られてもよい。第1のプレートH1200の材料は、例えば、シリコーン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうちのいずれかであってもよい。
第1のプレートH1200には、第1の記録素子基板H1100にブラックのインクを供給するインク供給口H1201と、第2の記録素子基板H1101にシアン、マゼンタ、イエローのインクを供給するインク供給口H1201とが形成されており、各記録素子基板H1100,H101のインク供給口H1102が第1のプレートH1200のインク供給口H1201にそれぞれ対応している。第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101とは、それぞれ第1のプレートH1200に対して位置精度よく接着固定されている。その接着に用いられる第1の接着剤は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性のあるものが望ましい。その第1の接着剤は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤であり、図7に示す第1の接着層H1202の厚みは50μm以下であることが望ましい。
図3および図7を参照すると、電気配線テープH1300は、インクを吐出させるための電気信号を第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101に印加するものである。この電気配線テープH1300は、それぞれの記録素子基板H1100,H1101を組み込むための複数の開口部H1,H2と、それぞれの記録素子基板H1100,H1101の電極H1104に対応する電極端子H1302と、この電気配線テープH1300の端部に位置し、記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有する電気コンタクト基板H2200と電気的接続を行うための電極端子部(不図示)とを有しており、この電極端子部と電極リードH1302とは連続した銅箔の配線パターンでつながっている。この電気配線テープH1300は、例えば、配線が2層構造を成し、表層がレジストフィルムによって覆われているフレキシブル配線基板からなる。
この場合、電気コンタクト基板H2200の外部信号入力端子H1301の裏面側(外面側)には補強版が接着され、平面性の向上が図られている。補強版としては、例えば0.5〜2mmのガラスエポキシ、アルミニウム等の耐熱性を有する材料が使用される。電気配線テープH1300と第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101とは、それぞれ電気的に接続されており、その接続手法としては、例えば、記録素子基板の電極H1104上のバンプH1105と、電気配線テープH1300の電極リードH1302とを、熱超音波圧着法により電気的に接合することが可能である。
第2のプレートH1400は、例えば、厚さ0.5〜1mmの一枚の板状部材であり、例えばアルミナ(Al23)等のセラミックや、Al、SUSなどの金属材料で形成されている。ただし、第2のプレートH1400の材料は、これらに限定されるものではなく、記録素子基板H1100,H1101および第1のプレートH1200と同等の線膨張率を有し、かつそれらの熱伝導率と同等以上の熱伝導率を有する材料であってもよい。第2のプレートH1400は、第1のプレートH1200に接着固定された第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101の外形寸法よりも大きな開口部をそれぞれ有している。また、第2のプレートH1400の裏面は第1のプレートH1200に第2の接着層H1203によって接着され、第2のプレートH1400の表面には電気配線テープH1300の裏面が第3の接着層H1306によって固定される。
第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101と電気配線テープH1300との電気接続部分は、第1の封止剤(不図示)および第2の封止剤(不図示)によって封止されており、これにより電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護している。
第1の封止剤は、主に電気配線テープの電極端子H1302と記録素子基板のバンプH1105との接続部の裏面側および記録素子基板の外周部分を封止し、第2の封止剤はその接続部の表側を封止している。さらに、記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有する電気コンタクト基板H2200が、電気配線テープH1300の端部に異方性導電フィルム等を用いて熱圧着されて電気的に接続されている。そして、電気配線テープH1300は、第2のプレートH1400に接着されるとともに、第1のプレートH1200および第2のプレートH1400の一側面に沿って折り曲げられ、第1のプレートH1200の側面に第3の接着層H1306によって接着される。
第2の接着層H1203には、粘度が低く、第1のプレートH1200上に薄く第2の接着層H1203を形成し得るとともに、耐インク性を有する接着剤を用いることが好ましい。また、第3の接着層H1306には、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした厚さ100μm以下の熱硬化接着剤を用いることが好ましい。
(1−2)インク供給ユニット
図3を参照すると、インク供給部材H1500は、例えば、樹脂成形によって形成されている。その樹脂材料には、形状的剛性を向上させるためにガラスフィラーを5〜40%混入した樹脂材料を使用することが望ましい。
図3および図6に示すように、インクタンクH1900を着脱自在に保持するインク供給部材H1500は、インクタンクH1900から記録素子ユニットH1002にインクを導くインク供給ユニットH1003の一構成部品であり、流路形成部材H1600が超音波溶着されて、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に至るインク流路H1501が形成されている。
インクタンクH1900と係合するジョイント部H1520には、外部からのゴミの進入を防ぐフィルターH1700が溶着によって接合されており、さらに、ジョイント部H1520からのインクの蒸発を防止するためにシールゴムH1800が装着されている。
また、インク供給部材H1500は、着脱自在のインクタンクH1900を保持する機能も有しており、インクタンクH1900の爪H1910が係合される穴H1503を有している。
さらに、インク供給部材H1500には、記録ヘッドカートリッジをヘッドセットレバーによりキャリッジに装着固定するための係合部、キャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1509、Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1510、およびZ方向(インク吐出方向)の突き当て部H1511が形成されている。さらには、インク供給部材H1500には、記録ヘッドカートリッジH1000をインクジェット記録装置本体のキャリッジに装着位置に案内するための装着ガイドH1601が取り付けられる。また、インク供給部材H1500は、記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H2200を位置決め固定する端子固定部H1512を有し、端子固定部H1512およびその周囲には複数のリブが設けられ、端子固定部H1512を有する面の剛性を高めている。
(1−3)記録ヘッドユニットとインク供給ユニットとの結合
図2に示したように、記録ヘッドH1001は、記録素子ユニットH1002をインク供給ユニットH1003に結合し、さらにこれをタンクホルダーH2000と結合することによって完成する。これらの結合は以下のように行われる。
記録素子ユニットH1002のインク連通口(第1のプレートH1200のインク供給口H1201)とインク供給ユニットH1003のインク連通口(流路形成部材H1600のインク連通口H1602)とを、インクが漏れないように互いに連通させるために、ジョイントシール部材H2300を介してそれぞれの部材を互いに圧着させるようにしてビスH2400で固定する。
この時、記録素子ユニットH1002はインク供給ユニットH1003のX方向、Y方向、Z方向の基準位置(各突き当て部H1509,H1510,H1511)に対して正確に位置決めされ固定される。
記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H2200はインク供給部材H1500の一側面に、端子位置決めピンH1515(2ヶ所)と端子位置決め穴H1309(2ヶ所)により位置決めされ、固定される。その固定は、例えば、インク供給部材H1500に設けられた端子位置決めピンH1515をかしめることによって行われるが、その他の固定手段を用いて固定してもよい。図10に、これらを結合した状態を示す。
さらに、インク供給部材H1500のタンクホルダーとの結合穴及び結合部をタンクホルダーH2000に嵌合させて結合させることにより、記録ヘッドH1001が完成する。
このように、インク供給部材H1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、記録素子基板H1100,H1101、第1のプレートH1200、配線基板H1300、第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001が構成されている。その完成図を図9に示す。
(2)記録ヘッドカートリッジの説明
図1(a),(b)を参照して、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する記録ヘッドH1001に対するインクタンクH1901,H1902,H1903,H1904の装着を説明する。
なお、各インクタンクH1901,H1902,H1903,H1904の内部にはそれぞれ異なる色のインクが収容されている。また、図6に示すように、それぞれのインクタンクには、インクタンク内のインクを記録ヘッドH1001に供給するためのインク連通口H1907が形成されている。
例えば、ブラックインクを収容したインクタンクH1901が記録ヘッドH1001に装着されると、インクタンクH1901のインク連通口H1907が記録ヘッドH1001のジョイント部H1520に設けられたフィルターH1700に圧接され、インクタンクH1901内のブラックインクがインク連通口H1907から記録ヘッドH1001のインク流路H1501を介して第1のプレートH1200を通り、第1の記録素子基板H1100に供給される。そして、電気熱変換素子H1103と吐出口H1107のある発泡室に供給されたインクは、電気熱変換素子H1103に与えられる熱エネルギーによって記録媒体である記録用紙に向けて吐出口H1107から吐出される。
図7は記録素子ユニットH1002の要部分解模式断面図であり、図10は記録素子ユニットH1002の要部模式断面図である。図7に示すように、電気配線テープH1300はボンディング部周辺が3層構造になっており、表側にポリイミドのベースフィルムH1300a、中間に銅箔H1300b、裏側にソルダーレジストH1300cが配置されている。
この電気配線テープH1300には、第1の記録素子基板H1100が挿入される開口部H1と、第2の記録素子基板H1101が挿入される開口部H2とが形成され、記録素子基板H1100,H1101のバンプH1005に接続される電極リードH1302が金メッキされた状態で露出している。
記録素子ユニットH1002を作製する際には、まず、第2のプレートH1400を第2の接着層H1203によって第1のプレートH1200に接着する。第2の接着層H1203の厚さは、第1の記録素子基板H1100および第2の記録素子基板H1101と電気配線テープH1300とを平面的に電気接続できるようにするため、0.06mm以下に抑えることが好ましい。なお、第1のプレートH1200への第2のプレートH1400の接着は、第1のプレートH1200に対して記録素子基板H1100,H1101を接着する前でもした後でもかまわない。
次に、第1のプレートH1200に第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101を接着する第1の接着層H1202を塗布した後、記録素子基板H1100,H1101を記録液を吐出する複数の電気熱変換素子H1103またはそれぞれの吐出口H1107の配線面方向の相対位置関係を合わせて押圧固定する。
その後、第2のプレートH1400上に電気配線テープH1300を接着する第3の接着層H1306を塗布し、第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101の電極H1104と電気配線テープH1300の電極リードH1302との位置合わせをした後、第2のプレートH1400上に電気配線テープH1300を押圧固定する。そして、記録素子基板の電極H1104上のバンプH1105と電気配線テープH1300の電極リードH1302とを一箇所ずつ熱超音波圧着法によって電気的に接合する。このようにして、記録素子ユニットH1002が作製される(図7A参照)。
(3)本実施形態の特徴的な構成の説明
以下、本実施形態の特徴的な構成について、詳しく説明する。
図11Aは本発明の一実施形態に係る記録ヘッドH1001の吐出口形成面を示す平面図である。なお、図中における破線は、記録ヘッドH1001の内部のインク流路等を示している。
図11Aに示すように、記録ヘッドH1001には、大径吐出口H2504に連通する第1インク流路H2501と、小径吐出口H2505に連通する第2インク流路H2502と、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502との間を連通させる第3インク流路H2503と、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とに連通している共通液室H1102とを有している。
大径吐出口H2504に連通する第1インク流路H2501と小径吐出口H2505に連通する第2インク流路H2502とは、共通液室H1102の両側にその延長方向に沿って隣り合うように交互に配列されている。共通液室H1102の一方の側に配列されたインク流路H2501,H2502は第1のインク流路列を成し、共通液室H1102の他方の側に配列されたインク流路H2501,H2502は第2のインク流路列を成している。第1のインク流路列と第2のインク流路列とでは、図11Aに示す共通液室H1102の延長方向に対して垂直に交わる方向に関して、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とが交互に互い違いに配置されている。各インク流路列において、大径吐出口H2504と小径吐出口H2505とは互いのピッチが600dpi(dot per inch)に交互に配置されている。大径吐出口H2504だけに着目するとそのピッチは300dpiであり、同様に小径吐出口H2505だけに着目するとそのピッチは300dpiである。
このように大径吐出口H2504と小径吐出口H2505とが混在する構成の記録ヘッドH1001では、通常の記録動作を行う場合、大径吐出口H2504から吐出される大液滴の方が小径吐出口H2505から吐出され小液滴よりも多く、小液滴は大液滴に比べて吐出される頻度が少ない。また、小径吐出口H2505は吐出口径が小さいため、吐出口近傍でインク中の溶媒である水分が蒸発して増粘した場合、その増粘により最初の数ドットが正常に吐出しないという現象(以下、「発一性」という。)が大径吐出口H2504に比べて顕著に起こりやすい。このように、大径吐出口H2504に比べて発一性が悪い小径吐出口H2505は、更なる小液滴化を図るために吐出口径を更に小さくしたり、長時間放置されて溶媒が蒸発して粘度が高くなったインクを吐出したりする場合に、更に悪化する傾向がある。
次に、図11Aに示した本実施形態の構成が、このような発一性をどのようにして改善しているのかについて説明する。
図11Aに示す記録ヘッドH1001では、共通液室H1102から供給されたインクは、第1インク流路H2501および第2インク流路H2502にそれぞれ充填される。そして、各インク流路内の電気熱変換素子H1103(図4,5参照)が駆動させられると、大径吐出口H2504および小径吐出口H2505からそれぞれ大小のインク滴が吐出される。
ここで、大径吐出口H2504から大液滴が吐出された場合、吐出されたインク液の量だけ第1インク流路H2501にインクが再び供給(リフィル)される。そのインクの多くは共通液室H1102から供給されるが、本実施形態では第1インク流路H2501がその両隣の第2インク流路H2502に第3インク流路H2503を介して連通しているため、リフィルされるインクの一部はその両隣の第2インク流路H2502からも第3インク流路H2503を通って第1インク流路H2501に供給される。これにより、小径吐出口H2505自身がインク滴を吐出しなくても、その隣の大径吐出口H2504からインク滴が吐出されると、第2インク流路H2502内にインクの流れが生じる。特に、第2インク流路H2502の両側に第1インク流路H2501を配置することで、少なくともどちらか一方の第1インク流路H2501の大径吐出口H2504からインク滴が吐出されれば、第2インク流路H2502内にインクの流れが生じる。
このように第2インク流路H2502内にインクの流れが生じさせることにより、小径吐出口H2505から長時間にわたってインク滴が吐出されない場合であっても、第2インク流路H2502内のインクの溶媒が蒸発して粘度が高くなることを抑えることができるので、小径吐出口H2505の発一性を改善することが可能である。さらに、更なる小液滴化を図るために小径吐出口H2505の吐出口径を更に小さくした場合であっても発一性が悪化することを防ぐことができる。
第3インク流路H2503は、第1インク流路H2501側よりも第2インク流路H2502側の方が断面積が大きく、第1インク流路H2501側に向かって断面積が徐々に小さくなるようなテーパー形状を有している。このように第1インク流路H2501側の第3インク流路H2503の断面積を小さくすることで、インク滴を吐出させるために第1インク流路H2501内に気泡を発泡させた際に生じた振動(圧力波)が、第3インク流路H2503を通って第2インク流路H2502に伝わりにくくなる。逆に、第3インク流路H2503の第2インク流路H2502側の断面積は大きくなっているので、インクは第2インク流路H2502から第3インク流路H2503を通って第1インク流路H2501内へスムーズに流入する。これに伴って共通液室H1102から第2インク流路H2502内にインクが供給されるため、第2インク流路H2502内にインクの流れが生じる。
図12は、図11Aに示した構成の記録ヘッドH1001における第1インク流路H2501、第2インク流路H2502、および第3インク流路H2503の流路幅を示す図である。図中、W1は第2インク流路H2502の流路幅を示しており、本実施形態ではその流路幅は28μmである。また、W2は第1インク流路H2501の流路幅を示しており、本実施形態ではその流路幅は32μmである。W3は第3インク流路H2503の流路幅を示しており、ここではその詳細な寸法は明記していないが、その流路幅は第1及び第2インク流路H2501,H2502のどちらよりも狭く、かつ第1インク流路H2501側より第2インク流路H2502側の方が広くなるように設定されている。なお、各インク流路の高さはいずれも14μmである。
前述したように、大径吐出口H2504から大液滴が吐出された場合、第1インク流路H2501へのインクのリフィルは、共通液室H1102から供給されるインクに加えて、その両隣の第2インク流路H2502から第3インク流路H2503を通って供給されるインクによって行われる。
また、本実施形態の構成では、第2インク流路H2502及び第3インク流路H2503の流路幅が第1インク流路H2501の流路幅より狭く、第2インク流路H2502と第3インク流路H2503との流路長さの和が第1インク流路H2501の流路長さよりも長くなっているため、第2インク流路H2502と第3インク流路H2503との流抵抗の和は第1インク流路H2501の流抵抗よりも大きくなっている。このように流抵抗差を設けることにより、第1インク流路H2501内で気泡を発泡させたときに生じる圧力が第3インク流路H2503側にはほとんど逃げないため、本実施形態のように第1インク流路H2501が第3インク流路H2503を介して第2インク流路H2502に連通している構成であっても、大径吐出口H2504からのインク滴の吐出に特段の影響は生じない。
図11Bは図11Aに示した記録ヘッドの一変形例を示す図である。図11Bに示すように第3インク流路H2503が共通液室H1102の延長方向に対して平行でなく斜めに傾いている構成では、第3インク流路H2503の長さは図11Aの構成に比べて長くなる。このような構成とする場合には、第3インク流路H2503の流路幅を図11Aに示す第3インク流路H2503よりも広くすることで、第3インク流路H2503の流抵抗を図11Aに示す構成と同等にすることができる。これにより、図11Bに示す構成においても、図11Aに示す構成と同等に、第1インク流路H2501へのリフィル時に第2インク流路H2502から第3インク流路H2503を介して第1インク流路H2501内にインクが供給されるため、第2インク流路H2502内にインクの流れを生じさせることができる。
再び図11Aを参照すると、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とは、共通液室H1102を間に挟んで互いに対向している。第1のインク流路列における第1インク流路H2501同士の間隔および第2インク流路H2502同士の間隔はそれぞれ300dpiであり、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502との間隔は600dpiとなっている。第1のインク流路列および第2のインク流路列における、共通液室H1102を間に挟んで互いに対向する吐出口H2504,H2505同士の位置関係は、第1のインク流路列の第1インク流路H2501の大径吐出口H2504の中心と、共通液室H1102を間に挟んでそれに対向する第2のインク流路列の第2インク流路H2502の小径吐出口H2504の中心とが、インク流路列の配列方向に対して直交する方向に同一直線上に配置された関係にあり、第1のインク流路列と第2のインク流路列とでは大径吐出口H2504と小径吐出口H2505とが互い違いにずれている。つまり、第1インク流路列は、共通液室H1102を間に挟んで平行に並んだ第2インク流路列に対して、インク流路列の配列方向に対して垂直な方向において互いの第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とが対向するように配置されている。吐出口H2504,H2505をこのような配置にすることにより、記録装置内で記録ヘッドH1001を搭載したキャリッジ(不図示)を図11Aのインク流路列の配列方向に直交する方向に走査させた場合に、大径吐出口H2504および小径吐出口H2505共に600dpiの解像度でインク滴を吐出させることができる。
なお、本実施形態では、各インク流路列において、第1インク流路H2501同士および第2インク流路H2502同士を300dpiの間隔で配置し、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とを600dpiの間隔で配置したが、これらの間隔をさらに狭く設定して記録ヘッドH1001の記録解像度を更に向上させることも可能である。
また、図11Aおよび図11Bに示した構成では、大径吐出口H2504と小径吐出口H2505とが各インク流路列の配列方向において交互に配置され、大径吐出口H2504と小径吐出口H2505とはそれぞれの中心が各インク流路列の配列方向において同一直線上に配置されているが、図11Cに示す他の変形例のように、各インク流路列の配列方向において、大径吐出口H2504のみからなる配列と小径吐出口H2505のみからなる配列とが互いにずれている構成としてもよい。
このように、各インク流路列の配列方向において大径吐出口H2504のみからなる配列と小径吐出口H2505のみからなる配列とが互いにずれている構成では、大径吐出口H2504と小径吐出口H2505の各々からインク液を吐出する際に生じる振動が第3インク流路H2503を通って互いに隣接するインク流路の吐出口付近に直接伝わりにくくなるため、インク滴の吐出動作をより安定して行うことが可能になる。
この構成では、第3インク流路H2503の第2インク流路H2502との連通部は、第2インク流路H2502の延長方向における小径吐出口H2505と同じ位置かそれよりも共通液室H1102から離れた位置に位置している。これにより、上述したように第1インク流路H2501内にインクがリフィルされる際に、第2インク流路H2502内の小径吐出口H2505付近のインクが第3インク流路H2503を通って第1インク流路H2501内に供給されることとなる。なお、第3インク流路H2503の第1インク流路H2501との連通部は、図11Aに示すように第1インク流路H2501の延長方向において大径吐出口H2504よりも共通液室H1102から離れた位置に位置していてもよく、あるいは、図11Bに示すように第1インク流路H2501の延長方向における大径吐出口H2504と同じ位置に位置していてもよい。
図13Aは図11Aに示した記録ヘッドの変形例を示す図であり、図13Bは図11Bに示した記録ヘッドの変形例を示す図であり、図13Cは図11Cに示した記録ヘッドの変形例を示す図である。図13A〜図13Cに示す各変形例では、図11A〜図11Cに示した構成と異なり、各第2インク流路H2502は所定の一方の側に隣接する第1インク流路H2501にのみ第3インク流路H2503を介して連通した構成になっている。図13A〜図13Cに示す各変形例のその他の構成は、図11A〜図11Cに示した対応する各構成と同様である。
図13A〜図13Cに示す各変形例においても、第2インク流路H2502が第3インク流路H2503を介して連通した第1インク流路H2501の大径吐出口H2504からインク滴が吐出された際には、その第2インク流路H2502内のインクが第3インク流路H2503を通って第1インク流路H2501内にリフィルされるため、第2インク流路H2502の小径吐出口H2505から長時間にわたってインクが吐出されないような場合であっても、第2インク流路H2502内のインクが増粘して発一性が損なわれるのを抑えることができる。
以上のような本実施形態の構成によれば、小径吐出口H2505から長時間にわたってインクが吐出されないような場合であっても、比較的頻繁に使用される大径吐出口H2504からインク滴が吐出された後に第1インク流路H2501内にインクのリフィルが行われる際に、第2インク流路H2502内のインクが第3インク流路H2503を通って第1インク流路H2501内に供給される。その結果、第2インク流路H2502内にインクの流れが生じることから、第2インク流路H2502内に充填されたインクをフレッシュな状態に維持することができるため、小径吐出口H2505からインク滴を吐出する際の発一性が良好になる。そのため、記録ヘッドの記録動作前に予備吐出を行ったり、記録ヘッドを加熱保温したりする必要がなくなるので、記録ヘッドによる記録動作のスループットを向上させることができる。
なお、記録ヘッドH1001の大径吐出口H2504に対応して配置された記録素子(本実施形態では、図4,5に示した電気熱変換素子H1103)と、小径吐出口H2505に対応して配置された記録素子とが、それらに接続された信号線の一部が共通化されているなどの理由で同時に駆動されないような構成となっている場合(すなわち、記録ヘッドH1001が大径吐出口H2504のみからの吐出モードと小径吐出口H2505のみからの吐出モードしか有していない構成の場合)であっても、本実施形態の構成によれば、第1インク流路H2501と第2インク流路H2502とが第3インク流路H2503を介して連通しているので、仮に第2インク流路H2502の入口(共通液室H1102側の端部)がゴミなどで詰まったとしても、第1インク流路H2501及び第3インク流路H2503を介して第2インク流路H2502内にインクを供給することが可能であり、小径吐出口H2505からインク滴を吐出することができる。このことは、上述した駆動方法を採用する記録ヘッドの信頼性を向上させることができることを意味している。
本実施形態の構成では、第1及び第2インク流路H2501,H2502の共通液室H1102側の端部にフィルタを設けてもよく、それらのフィルタの径は各インク流路に設けられた吐出口H2504,H2505の径と同じかそれよりも若干小さくすることが好ましい。この場合、第2インク流路H2502に設けられるフィルタの径は第1インク流路H2501に設けられるフィルタの径に比べて小さくなるため、その大きさによってはフィルタを通じた第2インク流路H2502へのリフィル速度が遅くなる恐れがある。しかし、たとえ第2インク流路H2502の端部からのリフィル速度が遅くなったとしても、第1インク流路H2501及び第3インク流路H2503を介しても第2インク流路H2502内にインクが供給されるので、その影響を僅かに抑えることが可能である。
本発明の一実施形態における記録ヘッドカートリッジを示す斜視図である。 図1に示した記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 図2に示した記録ヘッドを更に細かく分解した状態を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態における記録素子基板の構成を、一部を切り欠いた状態で示す斜視図である。 本発明の一実施形態における他の記録素子基板の構成を、一部を切り欠いた状態で示す斜視図である。 本発明の一実施形態における記録ヘッドカートリッジの要部断面図である。 本発明の一実施形態における記録素子ユニットの要部を分解した状態で模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態における記録素子ユニットの要部を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態における記録素子ユニットとインク供給ユニットとを組み立てた状態で示す斜視図である。 本発明の一実施形態における記録ヘッドの底面側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態における記録素子ユニットの要部の拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの吐出口形成面を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの変形例の吐出口形成面を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの他の変形例の吐出口形成面を示す平面図である。 図11Aに示した構成の記録ヘッドにおける第1インク流路、第2インク流路、および第3インク流路の流路幅を示す図である。 図11Aに示した記録ヘッドの変形例の吐出口形成面を示す平面図である。 図11Bに示した記録ヘッドの変形例の吐出口形成面を示す平面図である。 図11Cに示した記録ヘッドの変形例の吐出口形成面を示す平面図である。 従来の記録ヘッドの吐出口形成面を示す平面図である。 従来の他の記録ヘッドの吐出口形成面を示す平面図である。
符号の説明
H1102 共通液室
H1103 電気熱変換素子
H2501 第1インク流路
H2502 第2インク流路
H2503 第3インク流路
H2504 大径吐出口
H2505 小径吐出口

Claims (7)

  1. インクを吐出する複数の吐出口と、該複数の吐出口のそれぞれに対応して設けられ、該複数の吐出口から前記インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数の記録素子と、前記複数の吐出口に連通し、前記複数の記録素子のそれぞれに対応して設けられた複数のインク流路と、該複数のインク流路に前記インクを供給する共通液室とを有し、
    前記複数のインク流路には比較的大径の吐出口に連通した第1インク流路と比較的小径の吐出口に連通した第2インク流路とが含まれており、前記第1インク流路と前記第2インク流路とが互いに隣り合うように交互に配置されているインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記第1インク流路と前記第2インク流路とを互いに連通させる第3インク流路をさらに有していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記第1インク流路と前記第2インク流路は、前記共通液室を間に挟んで前記共通液室の両側に平行に並んだインク流路列を成しており、
    一方の前記インク流路列は、前記共通液室を間に挟んで平行に並んだ他方の前記インク流路列に対して、前記インク流路列の配列方向に対して垂直な方向において互いの前記第1インク流路と前記第2インク流路とが対向するように配置されている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記第1および第2インク流路はそれぞれ前記インク流路列の配列方向に対して垂直な方向に延びており、
    前記第3インク流路の前記第2インク流路との連通部は、前記第2インク流路の延長方向における前記比較的小径の吐出口と同じ位置かそれよりも前記共通液室から離れた位置に位置している、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記第2インク流路と前記第3インク流路との流抵抗の和が前記第1インク流路の流抵抗より大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記第3インク流路は、前記第2インク流路との連通部から前記第1インク流路との連通部に向かって断面積が徐々に小さくなる形状を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記第2インク流路は、前記第2インク流路の両側に隣接する前記第1インク流路に前記第3インク流路を介して連通している、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記第2インク流路は、前記第2インク流路の所定の一方の側に隣接する前記第1インク流路に前記第3インク流路を介して連通している、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
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