JP2006272267A - マイクロ化学装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ流路内の気体を除去し、マイクロ流路内において均一な反応を行い、所望の生成物を得る。
【解決手段】2種類の原料流体A、Bを、それぞれの流体供給路34A、34Bを通して、等価直径が1mm以下である1本のマイクロ流路32に合流させて反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置30の運転方法において、運転開始前に、マイクロ流路32へ原料流体A、Bのいずれか一よりも表面張力が小さい置換流体を一以上流通させて、マイクロ流路32内の気体を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ化学装置の運転方法に係り、特に、等価直径が1mm以下の微細なマイクロ流路内において複数の原料流体を用いて、反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置の運転方法に関する。
マイクロリアクターと一般に称されているマイクロ化学装置は、直径数μm〜数百μmのマイクロ空間内の現象を利用した化学反応・物質生産の為の混合・分離等の単位操作又は反応操作を行うものである。このマイクロリアクターは、マイクロ空間内では反応流体の流れが層流になるという現象を利用して、積極的に反応界面を広く長く形成することにより、流体間の反応や混合の高効率化又は高速化ができる革新技術として、近年注目されている。このマイクロリアクターとして、エッチング等の微細加工技術で形成された微細流路を利用した薬液等の精密な反応・混合システムが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、薄片状流型マイクロリアクターが開示されている。このマイクロリアクターは、2種類の液体の反応を行うマイクロ流路と、マイクロ流路に2種類の液体を合流させる2本の液体供給路とからなるY字型液体流路が形成された構造のものである。このマイクロリアクターは、液体供給路の流入口からそれぞれ2種類の溶液を流入させ、マイクロ流路で合流させることにより、溶液を反応又は混合をさせるものである。そして、マイクロ流路での反応効率を上げるため、マイクロ流路近傍の壁面をレーザー照射できるように薄肉にされている。
また、特許文献2には、円筒流状型マイクロリアクターが開示されている。このマイクロリアクターは、蓋部材とプレートと受け部材を積層した構造のものである。このマイクロリアクターは、蓋部材の流入口から3種類の溶液を流入させ、プレートに形成される同芯円状に層流化するマイクロ流路内を流通させ、受け部材に形成された混合流路内で3液を同時に反応又は混合させる構造となっている。これにより、2種類以上の流体の混合又は反応が可能な構造となっている。
特開2004−126686号公報 特開2004−344877号公報
しかしながら、このようなマイクロ化学装置は、連続的なフロー系で運転されるが、運転開始時には、マイクロ流路内には気泡又は気体が残留している場合が多い。図13は従来のY字型流路1を示す概念図である。図13に示すように、この気泡2が残留した状態で原料流体を、Y字型流路1内に直接流通させた場合、マイクロ流路の内壁面の材質に対し、この原料流体の濡れ性が悪いと、マイクロ空間では表面張力の影響が大きいため、気泡はマイクロ流路内の流路分岐部や隅部に残留しやすい。この気泡2が流路3を塞ぐことにより、原料流体又は生成物が流路3内で均一に供給又は排出されない。
また、この気泡により流路3の幅が変わるため、流路3内での原料流体の混合比もばらつき、所望の生成物が得られにくいといった問題がある。
また、運転開始時又は終了時において、2種類以上の原料溶液の流入又は停止のタイミングが所定の範囲から外れた場合、これらの溶液の混合比が変化し、マイクロ流路内で凝集や析出が発生する。このため、前述と同様に所望の生成物が得られにくいといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マイクロ流路内の気体を除去し、マイクロ流路内において均一な反応を行い、所望の生成物を得ることが可能なマイクロ化学装置の運転方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、複数種類の原料流体をそれぞれの流体供給路を通して、等価直径が1mm以下である1本のマイクロ流路に合流させて反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置の運転方法において、運転開始前に、前記マイクロ流路へ前記原料流体のいずれか一よりも濡れ性が良い、すなわち表面張力が小さい置換流体を一以上流通させて、前記マイクロ流路内の気体を除去することを特徴とするマイクロ化学装置の運転方法を提供する。
本発明によれば、運転開始前に、置換流体がマイクロ流路の内壁面全体に濡れるため、置換流体の流動性が良くなり、マイクロ流路の内壁面に付着した気体を除去しやすくなる。したがって、定常運転時に、マイクロ流路内に残留する気体によって、原料流体間の反応又は混合が阻害されない。
前述した濡れ性は、気泡又は気体、及びマイクロ流路の内壁面の材質との相互関係によるが、本発明において、前記置換流体の表面張力が、1〜100mN/mであることが好ましい。また、1〜75mN/mがより好ましく、1〜30mN/mがさらに好ましい。この範囲の表面張力であれば、置換流体が迅速にマイクロ流路の内壁面全体に濡れ、流動性が向上する。したがって、マイクロ流路の内壁面に付着した気体が、マイクロ流路外へ迅速に除去される。
また本発明において、運転開始前に、前記原料流体のいずれか一よりも表面張力が小さい第一の置換流体を流通させる第一のステップと、前記マイクロ流路に前記第一の置換流体よりも表面張力が大きい第二の置換流体を流通させる第二のステップと、前記マイクロ流路に前記原料流体を含む第三の置換流体又は前記原料流体を流通させる第三のステップと、からなることが好ましい。
このように、まず、表面張力が小さい置換流体がマイクロ流路の内壁に濡れ渡り、流動することによって、気体がマイクロ流路外へ迅速に除去される。さらに、その後、置換流体が原料流体に近い流体へ段階的に置換されることにより、マイクロ流路内の置換流体が洗い流され、定常運転における原料流体の流通や反応が阻害されることを防ぐことができる。
また本発明において、運転開始前に、前記マイクロ流路に前記置換流体を流通させるステップと、前記置換流体の流通を停止させるステップとを、交互に一回以上繰り返すことが好ましい。また、交互に1回以上繰り返す操作は、連続であっても不連続であっても良く、連続の場合には結果的に脈流を起こすような操作であってもよい。
このように、置換流体の流通が停止させることにより、置換流体をマイクロ流路の隅々にまで拡散させ、行き渡らせることができる。その後、再び置換流体を流通させることにより、置換流体の流動の力で気体をマイクロ流路外へ除去することができる。
また本発明において、前記置換流体を前記マイクロ流路の一端側から流入させるステップと、前記置換流体を前記マイクロ流路の他端側から流入させるステップと、を備えることが好ましい。この方法により、マイクロ流路内の分岐流路部や隅部などの場所に滞留する気体近傍の、置換流体の流れが複雑に変化する。したがって、気体が流動しやすくなり、マイクロ流路外へ除去される。
また本発明において、前記マイクロ流路内の気体を除去する際に、気体が除去可能な角度に前記マイクロ化学装置を傾斜させることが好ましい。このように、傾斜したマイクロ流路内において、流体の比重よりも軽い気体が、重力方向とは逆方向にマイクロ流路内を上昇する。したがって、マイクロ流路内の気体が、除去されやすい。
また本発明は、複数種類の原料流体をそれぞれの流体供給路を通して、等価直径が1mm以下である1本のマイクロ流路に合流させて反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置の運転方法において、運転開始時に一以上の第一の原料流体を流通させる第一のステップと、前記第一のステップから所定時間経過後、前記第一の原料流体以外の第二の原料流体を流通させる第二のステップと、からなることを特徴とするマイクロ化学装置の運転方法を提供する。
本発明によれば、運転開始時に、マイクロ流路内の生成物濃度が急激に増加しないため、マイクロ流路内での析出・凝集を抑制することができる。
また本発明において、前記第一のステップにおける前記第一の原料流体が二以上ある場合、前記第一の原料流体が相互に凝集又は析出をしない流体であることが好ましい。
このように、二以上の複数の原料流体を反応又は混合を開始する場合において、同時に流通させる原料流体が、相互に反応することによる析出や凝集を発生させない。したがって、マイクロ流路の目詰まりが抑制される。
また本発明において、運転終了時に、一以上の前記第二の原料流体の流通を停止させる第三のステップと、前記第三のステップから所定時間経過後、前記第二の原料流体以外の一以上の前記第一の原料流体の流通を停止させる第四のステップと、からなることが好ましい。また本発明において、前記第四のステップにおける前記第二の原料流体が二以上ある場合、前記第二の原料流体が相互に凝集又は析出をしない流体であることが好ましい。このように、二以上の複数の原料流体の反応又は混合を終了する場合において、最後に、同時に停止させる原料流体が、相互に反応することによる析出や凝集を発生させない。したがって、マイクロ流路の目詰まりが抑制される。
また本発明において、前記マイクロ流路の下流に切替手段を設け、該切替手段により前記マイクロ流路を廃棄物回収部又は生成物回収部に連通させるマイクロ化学装置において、運転開始後、前記マイクロ流路における反応操作又は単位操作により得られた生成物を廃棄物回収部へ連通させる廃棄モードで所定時間運転した後、前記切替手段を作動させ、前記生成物を生成物回収部へ連通させる生成物回収モードで運転することが好ましい。
このように、運転開始直後から所定時間の間は、マイクロ流路内の反応又は混合が均一でなく不安定であるため、所望の物性から外れた廃棄物が廃棄される。また、運転開始直後から所定時間経過後は、マイクロ流路内の反応又は混合状態が均一で安定になるため、所望の物性の使用可能物が回収される。したがって、生成物回収部には、所望の物性の使用可能物のみが回収される。
また本発明において、前記生成物回収モードでの運転の後、前記廃棄モードで運転することが好ましい。このように、運転終了時に得られる、所望の物性から外れた生成物が、切替手段により廃棄される。したがって、所望の物性から外れた生成物が生成物回収部へ混入することを、抑制することができる。
また本発明において、運転開始後、前記マイクロ流路における反応操作又は単位操作により得られた生成物が廃棄物か使用可能物かを判定し、前記切替手段を作動させ、前記廃棄物回収部又は前記生成物回収部へ前記マイクロ流路を連通させることが好ましい。
このように、運転開始後に、マイクロ流路内で反応又は混合した生成物の物性を、検知手段が使用可能物かどうかを判定する。そして、使用可能物であると判定した際に、切替手段が生成物回収部へ連通するよう作動する。したがって、精度が高い所望の物性の使用可能物を回収することができる。
また本発明において、運転開始後、前記マイクロ流路で反応操作又は単位操作により得られた生成物が廃棄物か使用可能物かを判定する際に、所定時間継続して使用可能物であると判定した時に前記切替手段を作動させ、前記廃棄物回収部又は前記生成物回収部へ前記マイクロ流路を連通させることが好ましい。
このように、運転開始後に、マイクロ流路内で反応又は混合して得られた生成物の物性を、検知手段が所定時間の間継続して使用可能物かどうかを判定する。そして、所定時間の間、継続して使用可能物であると判定した際、切替手段が生成物回収部へ連通するよう作動する。したがって、より精度が高い所望の物性の使用可能物を、回収することができる。
また本発明において、前記単位操作が、混合、分離、分級、濾過、加熱、冷却、熱交換、抽出、晶析、溶解、蒸発、蒸留、吸収、吸着を含み、前記反応操作が、無機物質や有機物質を対象としたイオン反応、酸化還元反応、電解反応、硝化反応、燃焼反応、燃成反応、焙焼反応、ハロゲン化反応、スルホン化反応、アルキル化反応、エステル化反応、醗酵反応、熱反応、触媒反応、ラジカル反応、重合反応を含むことが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、マイクロ流路内の気体が除去でき、マイクロ流路内において均一な反応が行え、これにより所望の生成物を得ることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係るマイクロ化学装置の運転方法の好ましい実施形態について詳説する。
図1は、本発明に係るマイクロ化学装置の運転方法が適用されるマイクロ化学装置システム100を示し、図2、3はマイクロ化学装置システム100の主要部であるマイクロ化学装置本体30を示す。このうち、図2は、斜視図であり、図3(A)は平面図であり、図3(B)は図3(A)のF−F’線断面図である。マイクロ化学装置システム100は、2種類の原料流体を薄片状流型マイクロ化学装置のマイクロ流路で、混合又は反応させて生成物を回収するためのシステムである。マイクロ化学装置システム100は、マイクロ流路を備えたマイクロ化学装置本体30と、原料流体貯蔵部10A、10Bと、置換流体貯蔵部12と、生成物回収部14と、廃棄物回収部16と、これらを連結する配管18、20、22、24、26、28と、から構成される。
まず、マイクロ化学装置本体30の詳細について説明する。図2に示すように、薄片状流型のマイクロ化学装置本体30には、2種類の原料流体の反応を行うマイクロ流路32と、マイクロ流路32に2種類の原料流体を合流させる2本の流体供給路34A、34Bと、からなるY字型液体流路が形成されている。また、2本の流体供給路34A、34Bの上流端には、2種類の原料流体をそれぞれ導入させる流入口36、37が形成されている。また、マイクロ流路32の下流端には、反応により得られる生成物を流出させる流出口38が形成されている。マイクロ化学装置システム100においては、それぞれ流入口36、37、流出口38に配管18、20、22が連結されている。
マイクロ流路32は断面が円形の微小流路である。マイクロ流路32断面の等価直径は、1mm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。なお、断面形状は、円形以外に矩形、台形、半円形などが採用できる。
マイクロ化学装置本体30を構成する部材の材質としては、強度が高く、腐食防止性があり、原料流体の流動性を高くするものが好ましい。例えば、金属(鉄、アルミ、ステンレス鋼、チタン、その他の各種金属)、樹脂(フッ素樹脂、アクリル樹脂等)、ガラス(石英等)、セラミックス(シリコン等)などが好ましく使用できる。
マイクロ化学装置本体30を製作するには、微細加工技術が適用される。図3のマイクロ化学装置本体30は、マイクロ流路32、流体供給路34A、34B、流入口36、37、流出口38が形成された本体部材31の上に、平板状の蓋部材33を被せて接合させて製作される。適用可能な微細加工技術としては、例えば次のようなものがある。
(1)X線リソグラフィと電気めっきを組み合わせたLIGA技術
(2)EPON SU8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法
(3)機械的マイクロ切削加工
(4)Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法
(5)Hot Emboss加工法
(6)光造形法
(7)レーザー加工法
(8)イオンビーム加工法
本体部材31と蓋部材33との接合方法は、高温加熱による材料の変質や変形によるY字型流路の破壊を伴わず、寸法精度を保った精密な方法が望ましく、製作材料との関係から固相接合(例えば圧接接合や拡散接合等)や液相接合(例えば、溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等)を選択することが好ましい。例えば、材料にシリコンを使用する場合にシリコン同士を接合するシリコン直接接合や、ガラス同士を接合する融接、シリコンとガラスを接合する陽極接合、金属同士を接合する拡散接合等が挙げられる。セラミックスの接合については、金属のようなメカニカルなシール技術以外の接合技術が必要であり、アルミナに対してglass solderなる接合剤をスクリーン印刷で、80μm程度の膜厚に印刷し、圧力をかけずに440〜500℃で熱処理する方法がある。また、新しい技術として、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、HF(フッ化水素)水溶液を用いた接合等がある。
本発明に使用される原料流体とは、生成物を得るために必要な流体であり、液体、気体、液体中に固体微粒子等が分散された固液混合物、液体中に気体が溶解せずに分散した気液混合物等を指す。また、流体が2種類以上ある場合、流体の種類、化学組成、表面張力、比重、粘度等が異なる場合のみならず、例えば、温度、気液比や、固液比などの状態が異なる場合も、原料流体に含まれる。
本発明に使用される置換流体とは、表面張力が原料流体のいずれか1つよりも小さい流体であり、この流体をマイクロ流路32に流通させることにより流路内の気体を除去する。例えば、界面活性剤や市販の中性洗剤、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼンやアセトン等、が挙げられる。さらに、流体の種類を変えるだけでなく、温度を上昇させることでも表面張力を小さくすることも可能である。置換流体の表面張力としては、1〜100mN/mであることが好ましく、1〜75mN/mの範囲がより好ましく、1〜30mN/mの範囲がさらに好ましい。
図1のマイクロ化学装置システム100において、原料流体貯蔵部10A、10Bはいずれもマイクロ化学装置本体30で反応させるために必要な原料流体を貯蔵するものである。また、置換流体貯蔵部12は、反応させるための運転開始前のマイクロ流路32内の気体を、除去するために使用する置換流体を貯蔵するものである。また生成物回収部14は、マイクロ化学装置本体30から排出される生成物を回収するものである。また、廃棄物回収部16は、マイクロ化学装置本体30から排出される廃棄物を回収するものである。
また、原料流体貯蔵部10A、10Bとマイクロ化学装置本体30の流入口36、37との間を、それぞれ連結するよう配管18、20が設けられている。また、マイクロ化学装置本体30の流出口22と生成物回収部14との間を連結するよう、配管22が設けられている。
この配管18、20は、原料流体貯蔵部10A、10Bから原料流体A、Bをそれぞれマイクロ化学装置本体30に供給するべく、それぞれ図示しない流体供給手段(ポンプ等)を介して、マイクロ化学装置本体30の流入口36、37へと連結されている。また、配管22は、マイクロ化学装置本体30から得られた生成物を生成物回収部14に供給するべく、生成物回収部14へと連結されている。
また、この流体供給手段は、マイクロ化学装置本体30よりも上流側の各配管又は下流側の各配管いずれか一方に配置されてもよい。流体供給手段の具体的な例としては、ポンプがあげられるが、流体を送る駆動機能を有するものであれば、他の供給手段でもよい。
さらに、図1の点線で示すように、置換流体貯蔵部12と配管18との間を接続するよう配管24が設けられている。同様に、置換流体貯蔵部12と配管20との間を接続するよう配管26が設けられている。そして、配管22と廃棄物回収部16との間を接続するよう配管28が設けられている。
この配管18と配管24の合流点において、原料流体Aを原料流体貯蔵部10Aから図示しない流体供給手段を介して、マイクロ化学装置本体30の流入口36へ連結させる流路と、置換流体を置換流体貯蔵部12から、図示しない流体供給手段を介して、マイクロ化学装置本体30の流入口36へ連結させる流路とに、切替え可能な図示しない切替手段が配置されている。同様に、配管20と配管26の合流点においても、図示しない切替手段が設けられている。また、配管22と配管28の合流点において、マイクロ化学装置本体30の流出口38から生成物を生成物回収部14へ排出する流路と、マイクロ化学装置本体30の流出口38から生成物を廃棄物回収部16へ排出する流路と、に切替え可能な図示しない切替手段が、配置されている。また、この切替手段は、いずれか一方の流路を閉じるだけでなく、両流路とも閉じることもできる。
このような切替手段の具体的な手段としては、バルブやダンパ、電磁弁等が挙げられるが、流路を切り変える機能を有するものであれば、他の切替手段でもよい。
また、マイクロ流路32内の気体が除去されやすいように傾斜させるべく、マイクロ化学装置本体30に図示しない回転駆動手段が設けられている。回転駆動手段の具体的な例としては、モーターなどが挙げられるが、回転駆動機能を有するものであれば他の駆動手段でもよい。
次に、マイクロ化学装置システムの運転方法について説明する。最初に、マイクロ化学装置システム100の基本的な運転方法について説明する。
図1のマイクロ化学装置システムにおける運転方法として、まず、原料流体A、Bを、原料流体貯蔵部10A、10Bから、それぞれ図示しない流体供給手段により供給する。その後、マイクロ化学装置本体30の流入口36、37にそれぞれ接続するよう、図示しない切替手段により流路を選択する。流入口36、37から流入した原料流体A、Bは、それぞれ流体供給路34A、34Bを流通した後、マイクロ流路32で合流する。そして、マイクロ流路32で反応又は混合した後、流出口38から流出される。流出された流体は、切替手段を介して、生成物回収部14(又は次工程)、又は廃棄物回収部16へ接続する流路を選択することができる。
流路を切り替えるタイミングについては、後述する。また、図示しない回転駆動手段により、マイクロ化学装置本体30をマイクロ流路32内の気泡を排出しやすい角度に傾斜させることができる。これは、一定時間ごとに傾斜させてもよいし、検知手段等により気泡を検知した際に、排出しやすい角度へ傾斜させてもよい。また、気体をマイクロ流路32から排出させた後、生成物を流通させやすい角度にマイクロ化学装置本体30を傾斜させるが、気体を排出させた角度のままでもよい。
次に、本発明に係るマイクロ化学装置の運転方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図4〜8は、本発明の薄片状流型のマイクロ化学装置システム100における、原料流体が2種類(原料流体A、B)の場合の運転方法を示す図である。このうち、図7は置換流体を流通させる運転のタイミング、及び2種類の原料流体を流通させる運転方法を、タイムチャートで示したものである。なお、各図において、図1〜3と同一の符号を示す部分は、同一の物又は機能を有するものとする。
本発明における第一の実施形態について説明する。この実施形態は、図4の薄片状流型マイクロ化学装置本体30において、原料流体のいずれか1つよりも表面張力が小さい置換流体を流通させ、マイクロ流路32内の気体を除去する方法である。まず、図4(A)に示すように、最初に表面張力が最小である置換流体Cを、流体供給路34A、34Bよりマイクロ流路32に流通させる。その後、図4(B)に示すように前記置換流体Cよりも表面張力が大きい置換流体Dを、流体供給路34A、34Bよりマイクロ流路32に流通させる。そして、図4(C)に示すように、最終段階で原料流体A若しくはBの溶媒、又は原料流体A若しくはBを含む置換流体E、又は原料流体A若しくはBを、流体供給路34A、34Bよりマイクロ流路32に流通させる。このように、段階的に表面張力が大きい置換流体を流通させることにより、定常運転時の反応を阻害する気体を流路内から除去することができる。また、この方法により、マイクロ流路32内の気体だけでなく、マイクロ流路32内に残留する不純物(置換流体、原料流体以外の物)も除去することができる。その後、原料流体A、Bを流体供給路34A、34Bよりマイクロ流路32に流通させ、単位操作又は反応操作を行う運転を開始させる。
本発明における第二の実施形態について説明する。この実施形態は、図5の薄片状流型のマイクロ化学装置本体30において、運転開始前に置換流体をマイクロ流路32に流通させる方向を変えることにより、マイクロ流路32内の気体を除去する方法である。まず、原料流体のいずれか1つよりも表面張力が小さい置換流体Cを、図5(A)に示すように流体供給路34A、34Bの流入口36、37から流通させる運転を行う。次いで、図5(B)に示すように、図5(A)とは逆方向に、マイクロ流路32の流出口38から置換流体Cをマイクロ流路32に流通させる運転を行う。これにより、置換流体Cを一方向に流通させるだけでは除去しにくい箇所に溜まった気体を効率よく除去することができる。その後、原料流体A、Bを流体供給路34A、34Bよりマイクロ流路32に流通させ、単位操作又は反応操作を行う運転を開始させる。
本発明における第三の実施形態について説明する。この実施形態は、図6の薄片状流型のマイクロ化学装置本体30において、原料流体が2種類(原料流体A、B)の場合の運転開始時及び終了時に工夫を加える方法である。運転開始時は、図6(A)に示す運転開始前の状態から、図6(B)に示すように、流体供給路34Bよりマイクロ流路32にまず原料流体Bを一定時間安定に流通させた後、図6(C)に示すように、流体供給路34Aから、もう一方の原料流体Aの流通を開始させる(運転1)。これにより、マイクロ流路32における生成物の濃度が急激に増加することで発生する、生成物による目詰まりを抑制することができる。また、流通させるタイミングのずれに伴う混合比のばらつき等で発生する凝集や析出も抑制することができる。
また、運転終了時は、運転開始時とは逆の手段を行う。すなわち、図6(C)の定常運転状態から図6(B)に示すように、まず原料流体Aを停止させた後、図6(A)に示すように原料流体Bを停止させる(運転2)。これにより、生成物がマイクロ流路32内に残留せず、最後に流通を停止させる原料流体Bによって排出される。したがって、マイクロ流路32内の汚損を低減することができる。
また、本発明における第三の実施形態の変形例について説明する。図7は原料流体を流通させる際のタイミングを示すタイムチャートである。図7に示すように、運転開始前は、置換流体Cを流入口36、37よりマイクロ流路32へ一定時間流通させる(順流)。その後、置換流体Cを流出口38よりマイクロ流路32へ一定時間流通させる(逆流)。さらにその後、置換流体Cをマイクロ流路32へ順流で一定時間流通させる。このように、置換流体Cをマイクロ流路32へ流通させる方向を、一定時間毎に逆方向にすることにより、流路内に滞留しやすい箇所にある気体を除去することができる。
さらに、運転開始時は、原料流体Bからマイクロ流路32への流通を開始し、次いで所定時間経過後、原料流体Aのマイクロ流路32への流通を開始する。そして、定常運転を経た後、運転終了時は、まず原料流体Aのマイクロ流路32への流通を停止させ、次いで原料流体Bの流通を停止させる。これにより、マイクロ流路32内における生成物による目詰まりを抑制することができる。
本発明における第四の実施形態について説明する。この実施形態は、図8の薄片状流型のマイクロ化学装置本体30のマイクロ流路32の流出口38付近において、運転開始時又は終了時に、生成物回収(又は次工程へ供給)モード又は廃棄物回収モードに切り替える方法である。
運転開始時は、図8(A)に示すように、原料流体Aを流通させはじめて所定時間経過するまでは、流出口38を、廃棄物回収部16に導入する配管28に接続し、マイクロ流路32から排出される流体を廃棄するモードで運転する。その後、図8(B)に示すように、流出口38を、切替手段により生成物回収部14に導入する配管22に接続させ、マイクロ流路32から排出される流体を生成物として回収する(または次工程に供給する)モードで運転する(運転3)。
運転終了直後は、図8(B)に示すように、流出口38を、生成物回収部14に導入する配管22に接続させ、マイクロ流路32から排出される流体を生成物として回収する(又は次工程へ供給する)。その後、図8(A)に示すように、流出口38を、切替手段により廃棄物回収部16に導入する配管28に接続し、マイクロ流路32から排出される流体を廃棄する(運転4)。これにより、生成物回収部(又は次工程)に、所望の生成物以外の物性を有する廃棄物が混入するのを抑制することができる。
また、このマイクロ流路32から排出される流体の物性を、図示しない検知手段で判定し、その物性が所定時間、安定して所定の範囲内であるかどうかを判定し、所定の範囲であれば、生成物回収部14へ導入する配管22に接続し、所定の範囲外であれば、廃棄物回収部16へ導入する配管28に接続することも可能である。
次に、図2、3とは異なるマイクロ化学装置の形態について説明する。
図9(A)、(B)は、薄片状流型マイクロ化学装置本体30とは別の実施形態である、円筒状流型マイクロ化学装置本体40の斜視図であり、図10は、円筒状流型マイクロ化学装置本体40を構成するプレートのマイクロ流路付近の断面図であり、図11は、円筒状流型マイクロ化学装置本体40を構成するプレートの流出側を示す部分斜視図であり、図12は、円筒状流型マイクロ化学装置本体40を構成するプレートのリブ形状を示す部分斜視図である。
図9(A)、(B)に示すように、マイクロ化学装置本体40は、3液を同芯円状に層流化して同時に混合させることにより反応させる装置である。マイクロ化学装置本体40は、プレート42と、プレート42の上流側及び下流側にそれぞれ配置されてプレート42を挟持する蓋部材44及び受け部材46と、で構成される。蓋部材44とプレート42は、蓋部材44の凸部71と凹部73とを接続させることにより、組み立てられる。同様に、受け部材46と、プレート42と、蓋部材44とを貫通するよう、それぞれにねじ穴70、72、74が形成されている。これらのねじ穴72、74、76を、ねじ70が貫通して一体化されることにより、円筒状流型マイクロ化学装置本体40が形成される。
蓋部材44の上流側には、3本の流入用の配管48A、48B、48Cがそれぞれ着脱自在に取付けられるコネクタ40A、40B、40Cが設けられ、3種類の原料流体A、B、Cが流入される。プレート42には、配管48A、48B、48Cから、それぞれ流出する流体を同芯円状に層流化するマイクロ流路が形成されている。受け部材46には、マイクロ流路54から流出した3液を同時に混合又は反応させて混合流体(生成物)とする混合流路58が形成されており、また同様に、受け部材46の下流側にも、コネクタに着脱自在に取付けられた流出用のチューブが設けられ、生成物Dが排出される。
蓋部材44には、配管48A、48B、48Cからの流体がそれぞれ流入する蓋部材貫通孔44A、44B、44Cが形成されている。
図10、11に示すように、プレート42の中央には、蓋部材貫通孔44Aに連通するプレート貫通孔42Aが形成され、プレート貫通孔42Aの内径はプレート貫通孔42A内を流体が層流となって流れるように(すなわち、レイノルズ数が2320以下になるように)決められている。また、蓋部材貫通孔44Aとプレート貫通孔42Aとは径が同じにされており、蓋部材貫通孔44Aとプレート貫通孔42Aとの間に段差が生じないようにされている。
また、プレート42には、プレート貫通孔42Aの周囲にスリット状に形成されたスリット円筒状貫通孔42Bと、スリット円筒状貫通孔42B及び蓋部材貫通孔44Bに連通する径方向流路43Bと、が形成され、径方向流路43Bの流路断面積はボトルネックとならないように設定されている。
さらに、プレート42には、スリット円筒状貫通孔42Bの周囲に形成された厚肉短円筒状凹部42Cと、蓋部材貫通孔44Cに連通する外層用貫通孔41Cと、外層用貫通孔41C及び厚肉短円筒状凹部42Cに連通する径方向流路43Cと、が形成されている。径方向流路43Cは、径方向流路43Bと略対称位置に形成されており、また径方向流路43Cの流路断面積はボトルネックとならないように設定されている。
プレート貫通孔42Aとスリット円筒状貫通孔42Bとは、薄厚短円筒状の内側隔壁板部62で区分けされており、スリット円筒状貫通孔42Bと厚肉短円筒状凹部42Cとは、薄厚短円筒状の中側隔壁板部64で区分けされている。
プレート42は、厚肉短円筒状凹部42Cの底部を形成すると共にスリット円筒状貫通孔42Bの外周側の流路壁を形成している流路壁形成部66を有しており、中側隔壁板部64は流路壁形成部66の最も内側から流出方向に沿って延び出している。
プレート42の一辺の長さLは、厚肉短円筒状凹部42Cの外径Dの1.5倍よりも長くされている。プレート42は、2枚の板部材をそれぞれ加工した上で貼り合わせてもよいし、一枚の板状部材を削り込んで製作してもよい。
図10に示すように、受け部材46には前述の混合流路58が形成されており、厚肉短円筒状凹部42C、スリット円筒状貫通孔42B、及びプレート貫通孔42Aからそれぞれ流出する流体が混合流路58で混合して反応するようになっている。また、受け部材46の上流側には、円筒状流型マイクロ化学装置40の組立て時に厚肉短円筒状凹部42Cに挿入され、中側隔壁板部64との間でスリットリング状の外層流路45Cを形成するリング状の隆起部47が形成されている。
図12に示すように、スリット円筒状貫通孔42Bには、内側隔壁板部64と流路壁形成部66とに連続し流出方向に沿っている複数個のリブ68が配設されている。このリブ68は、径方向流路43B、43Cが形成されている空間部分を避けて、互いの間隔がほぼ均等になるように配設されている。また、スリット円筒状貫通孔42Bの流出口近くでは、流体を円管状に層流で流出させるために、リブ68が設けられていない。
以上のような構成により、外層流路45C、スリット円筒状貫通孔42B、及びプレート貫通孔42Aのそれぞれを流れる流体は、同一方向でしかも層流で流れる。
寸法の一例としては、図10に示すように、プレート貫通孔42Aの径dが500μm、スリット円筒状貫通孔42Bの流路幅(隙間)Wが100μm、プレート42の厚みTが600μm、リブ68の肉厚t(図12参照)が100μmである。3液を同芯円状の層流としてプレート42から流出させるためには、レイノルズ数が臨界レイノルズ数(円管の場合2320)以下であれば、上記の寸法を変更しても構わない。
なお、反応させたい物質の拡散速度が、通常、あまり大きくないため、プレート貫通孔42A、スリット円筒状貫通孔42B、及び厚肉短円筒状凹部42Cの径が大きいほど長い反応時間を要する。このため、これらの径が1mm以下であることが好ましい。また、加工上での制約や、流す流体の流動抵抗と収量との関係などを考慮し、これらの径は1μm以上であることがより好ましい。
またマイクロ化学装置の材質については、薄片状流型マイクロ化学装置本体30と同様である。
次に、本発明における第一又は第三の実施形態を、円筒状流型マイクロ化学装置本体40に適用した運転方法について説明する。
まず、図9(A)、(B)において、運転開始前に、蓋部材44の上流側にある3本の流入用の配管48A、48B、48Cより、置換流体を、それぞれプレート42内において同芯円状に層流化するマイクロ流路54及び混合流路58へ流通させる。これにより、原料流体よりも表面張力が小さい置換流体が、混合流路58の内壁全体に濡れ、置換流体の流動性が良くなるため、混合流路58内の気体を除去しやすくなる。
次に、図9(A)、(B)において、運転開始時に、蓋部材44の上流側にある流入用の配管48Aより、原料流体Aをマイクロ流路54内のプレート貫通孔42Aに流通させる。その後、所定時間経過後、流入用の配管48Bより、原料流体Bをマイクロ流路54内の円筒状貫通孔Bへ流通させる。さらに、所定時間経過後、流入用の配管48Cより、原料流体Cをマイクロ流路54内の厚肉短円筒状凹部42Cに流通させる。そして、マイクロ流路54内で層流化した3液が、混合流路58内で均一に混合又は反応し、生成物Dを得る。このような運転方法により、受け部材46に形成されている混合流路58内で生成物の濃度が急激に増加することなく、生成物による混合流路58の目詰まりが抑制することができる。
また、本発明における第一、第三の実施形態以外にも、運転開始前に置換流体をマイクロ流路54又は混合流路58に流通させる方向を適宜変える方法、表面張力の異なる置換流体を段階的に複数回マイクロ流路54又は混合流路58に流通させる方法、脈流で置換流体をマイクロ流路54又は混合流路58に流通させる方法、円筒状流型マイクロ化学装置本体40を傾斜させる方法、等を適用することにより、マイクロ流路54又は混合流路58から気体を除去することができる。また、運転開始時又は終了時に、生成物回収(又は次工程へ供給)モード又は廃棄物回収モードに切り替える方法、検知手段で生成物の物性を判定し、切替手段を制御する方法、等を適用することにより、生成物回収部(又は次工程)に回収する生成物に所望の物性範囲から外れた廃棄物が混入するのを、抑制することができる。
以下に、本発明に係るマイクロ化学装置の運転方法が適用される例として、単分散性に優れた顔料微粒子分散液を、薄片状流型マイクロ化学装置本体30で合成する場合について述べる。まず、原料溶液となる溶液P、Qの作製方法について説明する。
顔料微粒子分散液の合成は、有機顔料を溶解した溶液Pと、水性媒体Qと、それらのうち少なくとも一方の液に分散剤を含有させ、この2液P、Qを接触させて有機顔料を析出させて行う。この有機顔料を溶解した溶液Pと、水性媒体Qとを接触させる方法として、本発明では、図1に示すマイクロ化学装置システム100を用いることとする。
溶液Pに含まれる有機顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、またはイソインドリノン系顔料を挙げることができる。
キナクリドン系顔料の例としては、無置換キナクリドン、2、9−ジメチルキナクリドン、4、11−ジクロロキナクリドン等の無置換または置換キナクリドン、およびそれらの固溶体を含む。
また、有機顔料は色相的に限定されるものではなく、マゼンタ顔料、イエロー顔料、またはシアン顔料を使用することができる。有機顔料は、詳しくは、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンまたはイソビオラントロン系顔料またはそれらの混合物などのマゼンタ顔料、イエロー顔料、またはシアン顔料である。
更に詳しくは、例えば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.bangou71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン系顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン系顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221 (C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合系顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン系顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、もしくは15(C.I.番号74160)等のフタロシアニン系顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール系顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ系顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくは、C.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン系顔料である。
有機顔料を溶解して溶液Pを作製する方法においては、強い溶解力を持ち、水混和性がある溶媒を用いることが好ましく、例えば、硫酸を用いる方法等が挙げられる。また、有機顔料がキナクリドン系顔料である場合は、溶媒は、非プロトン系極性有機溶剤、水、そして苛性アルカリの混合物であることが好ましい。
非プロトン系極性有機溶剤は、具体的には、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、テトラメチル尿素などが挙げられる。この溶媒の使用量は、キナクリドン系顔料に対し5〜20倍量が適当である。非プロトン系極性有機溶剤と水との比率(有機溶剤/水)は、97/3〜70/30の重量比で使用するのが好ましい。苛性アルカリは、キナクリドン系顔料1モルに対して1.5モル以上含有するのが好ましく、2〜3モル比含有するのがより好ましい。
水性媒体Qは、水もしくは水と水性溶剤との混合物である。混合物の場合は、水を容積%として50%以上含有するのが好ましく、80%以上含有するのがより好ましい。水性溶剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましく使用できる。
具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等に代表される多価アルコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の複素環類;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物;その他尿素誘導体が挙げられる。
分散剤は、(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細な顔料粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ、作用を有するものである。このような分散剤として、アニオン性、カチオン性、両イオン性およびノニオン性界面活性剤、高分子、または極性置換基を導入した顔料誘導体などを使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、具体的な例として、アシルメチルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、具体的な例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子としては、具体的な例として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、セルロース誘導体等が挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム等の天然高分子類も使用することができる。
分散剤の配合量は、顔料100質量部に対して0.1〜250質量部の範囲であることが好ましく、1〜100質量部の範囲がより好ましい。
以上のように、有機顔料を溶解した溶液Pと、水性媒体Qと、それらのうち少なくとも一方の液に分散剤を含有させ、この2液P、Qを薄片状流型マイクロ化学装置本体30内で接触させて、顔料微粒子分散液を得ることができる。
次に、本発明における第一又は第三の実施形態を適用し、薄片状流型マイクロ化学装置本体30において、顔料微粒子分散液を合成する方法について説明する。
ジメチルスルホキシド13.5g、水1.5g、および苛性カリ0.75gを混合し、室温下で攪拌を行いながら、ジメチルキナクリドン顔料1.5gを加えた。室温で攪拌を続けると、液は徐々に青紫色化し、スラリー状から濃青紫色の溶液に変化した。約1.5時間攪拌を続けたのち、4号(孔径2.7μm)のガラスフィルターにて吸引濾過を行い、微量に残存する不純物などを取り除いて、ジメチルキナクリドン溶液を得た。これを溶液Pとする。次に、分散剤としてオレイルメチルタウリンナトリウム塩0.75gと水90cmを混合した。これを溶液Qとする。
(実施例1)
本発明における第一、三の実施形態を適用した運転方法により、薄片状流型マイクロ化学装置本体30内の気体を除去した後、顔料粒子分散溶液を合成した。まず、溶液P、Qを接触させる運転を開始する前に、マイクロ流路32内に、置換流体としてメタノールを、1mL/分の流量で10分間流通させたところ、マイクロ流路32内の残留していた気体が完全に除去されていることが目視により確認できた。
その後、充分に攪拌された溶液Qを、マイクロ化学装置本体30の流入口37に流通させ始めて1分後、溶液Pをマイクロ化学装置本体30の流入口36から流通させた。このマイクロ流路32内で2液を接触させている時、目視により析出や凝集は発生しないことを確認することができ、均一な分散液が継続して得られた。
(実施例2)
本発明における、運転開始前に、表面張力が小さい流体を脈流によりマイクロ流路に流通させる方法を適用し、薄片状流型マイクロ化学装置本体30内の気体を除去した。まず溶液P、Qを接触させる運転を開始する前に、マイクロ化学装置本体30の流入口36、37より、置換流体としてメタノールを、1mL/分の流量で1分間流通させた後、流通を停止させた(工程1)。次に、マイクロ化学装置本体30の流出口38より、置換流体としてメタノールを、1mL/分の流量で1分間流通させた後、流通を停止させた(工程2)。さらに、その後工程1を再度行ったところ、マイクロ流路32内の残留していた気体が完全に除去されていることが目視により確認することができた。
次に、本発明における第三の実施形態を適用した運転方法により、薄片状流型マイクロ化学装置本体30で顔料粒子分散溶液を合成した。まず、充分に攪拌された溶液Qを、マイクロ化学装置本体30の流入口37に流通させ始めて1分後、溶液Pをマイクロ化学装置本体30の流入口36から流通させた。このマイクロ流路32内で2液を接触させている時、析出や凝集は発生せず、均一な分散液が継続して得られた。
(比較例)
溶液P、Qを接触させる運転を開始する前に、薄片状流型マイクロ化学装置本体30のマイクロ流路32内に気体が残留した状態のまま、溶液P、Qの2液を同時にマイクロ化学装置本体30の流入口36、37に流通させた。その結果、マイクロ流路32内の気体が流路の一部を塞ぎ、溶液P、Qをスムーズに流通させることができなかった。さらに、2液を同時に流通させたことにより、マイクロ流路内に析出や凝集が発生し、目詰まりが起こったため、運転の継続が不可能であった。
以上のように、本発明に係るマイクロ化学装置の運転方法を行うことにより、マイクロ流路内の均一な反応を継続させることができる。
本発明が適用されるマイクロ化学装置システムを示す図である。 本発明が適用される薄片状流型マイクロ化学装置を示す斜視図である。 本発明が適用される薄片状流型マイクロ化学装置を示す上面図、及び断面図である。 本実施の形態における運転方法を示す図である。 本実施の形態における他の運転方法を示す図である。 本実施の形態におけるさらに他の運転方法を示す図である。 本実施の形態における運転状態のタイミングを示す図である。 本実施の形態におけるさらに他の運転方法を示す図である。 本実施の他の形態のマイクロ化学装置システムを示す斜視図である。 本実施の他の形態のマイクロ化学装置システムにおける、マイクロ流路の断面図である。 本実施の他の形態のマイクロ化学装置システムにおける、マイクロ流路流出側の部分斜視図である。 本実施の他の形態のマイクロ化学装置システムにおける、プレートのリブ形状を示す部分斜視図である。 運転開始前に、薄片状流型マイクロ化学装置のマイクロ流路内に気泡が溜まった従来例の図である。
符号の説明
10A、10B…原料流体貯蔵部、12…置換流体貯蔵部、14…生成物回収部、16…廃棄物回収部、18、20、22、24、26、28…配管、30…薄片状流型マイクロ化学装置本体、31…本体部材、32…マイクロ流路、33…蓋部材、34A、34B…流体供給路、36、37…流入口、38…流出口、40…円筒状流型マイクロ化学装置本体、42…プレート、42A…プレート貫通孔、42B…円筒状貫通孔、42C…厚肉短円筒状凹部、44…蓋部材、44A、44B、44C…蓋部材貫通孔、45C…外層流路、46…受け部材、48A、48B、48C…配管、54…マイクロ流路(円筒状流型)、58…混合流路

Claims (16)

  1. 複数種類の原料流体をそれぞれの流体供給路を通して、等価直径が1mm以下である1本のマイクロ流路に合流させて反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置の運転方法において、
    運転開始前に、前記マイクロ流路へ前記原料流体のいずれか一よりも表面張力が小さい置換流体を一以上流通させて、前記マイクロ流路内の気体を除去することを特徴とするマイクロ化学装置の運転方法。
  2. 前記置換流体の表面張力が、1〜100mN/mである請求項1に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  3. 運転開始前に、前記原料流体のいずれか一よりも表面張力が小さい第一の置換流体を流通させる第一のステップと、前記マイクロ流路に前記第一の置換流体よりも表面張力が大きい第二の置換流体を流通させる第二のステップと、前記マイクロ流路に前記原料流体を含む第三の置換流体又は前記原料流体を流通させる第三のステップと、からなる請求項1に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  4. 運転開始前に、前記マイクロ流路に前記置換流体を流通させるステップと、前記置換流体の流通を停止させるステップとを、交互に一回以上繰り返す請求項1に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  5. 前記置換流体を前記マイクロ流路の一端側から流入させるステップと、前記置換流体を前記マイクロ流路の他端側から流入させるステップと、を備えた請求項1に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  6. 前記マイクロ流路内の気体を除去する際に、気体が除去可能な角度に前記マイクロ化学装置を傾斜させる請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  7. 複数種類の原料流体をそれぞれの流体供給路を通して、等価直径が1mm以下である1本のマイクロ流路に合流させて反応操作又は単位操作を行うマイクロ化学装置の運転方法において、
    運転開始時に一以上の第一の原料流体を流通させる第一のステップと、前記第一のステップから所定時間経過後、前記第一の原料流体以外の第二の原料流体を流通させる第二のステップと、からなることを特徴とするマイクロ化学装置の運転方法。
  8. 前記第一のステップにおける前記第一の原料流体が二以上ある場合、前記第一の原料流体が相互に凝集又は析出をしない流体である請求項7に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  9. 運転終了時に、一以上の前記第二の原料流体の流通を停止させる第三のステップと、前記第三のステップから所定時間経過後、前記第二の原料流体以外の一以上の前記第一の原料流体の流通を停止させる第四のステップと、からなる請求項7に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  10. 前記第四のステップにおける前記第二の原料流体が二以上ある場合、前記第二の原料流体が相互に凝集又は析出をしない流体である請求項9に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  11. 前記マイクロ流路の下流に切替手段を設け、該切替手段により前記マイクロ流路を廃棄物回収部又は生成物回収部に連通させるマイクロ化学装置において、
    運転開始後、前記マイクロ流路における反応操作又は単位操作により得られた生成物を廃棄物回収部へ連通させる廃棄モードで所定時間運転した後、前記切替手段を作動させ、前記生成物を生成物回収部へ連通させる生成物回収モードで運転する請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  12. 前記生成物回収モードでの運転の後、前記廃棄モードで運転する請求項11に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  13. 運転開始後、前記マイクロ流路における反応操作又は単位操作により得られた生成物が廃棄物か使用可能物かを判定し、前記切替手段を作動させ、前記廃棄物回収部又は前記生成物回収部へ前記マイクロ流路を連通させる請求項11に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  14. 運転開始後、前記マイクロ流路で反応操作又は単位操作により得られた生成物が廃棄物か使用可能物かを判定する際に、所定時間継続して使用可能物であると判定した時に前記切替手段を作動させ、前記廃棄物回収部又は前記生成物回収部へ前記マイクロ流路を連通させる請求項13に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  15. 前記単位操作が、混合、分離、分級、濾過、加熱、冷却、熱交換、抽出、晶析、溶解、蒸発、蒸留、吸収、吸着を含み、前記反応操作が、無機物質や有機物質を対象としたイオン反応、酸化還元反応、電解反応、硝化反応、燃焼反応、燃成反応、焙焼反応、ハロゲン化反応、スルホン化反応、アルキル化反応、エステル化反応、醗酵反応、熱反応、触媒反応、ラジカル反応、重合反応を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載のマイクロ化学装置の運転方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のマイクロ化学装置の運転方法を用いた顔料の製造方法。
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