JP2006264742A - 発泡容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラリー氷から海水のみを排出して板状氷塊を生成可能な発泡容器において、海水の排出効率を高めつつ、魚輸送時における外部からの空気の侵入を抑制する。
【解決手段】発泡容器1の底面2に、魚体収容部4と連通する複数個の水落とし孔6と、水落とし孔6及び容器外部と連通する扁平状のトンネル部7とを設ける。小片氷と海水から成るスラリー氷が投入されたとき、海水のみが水落とし孔6に速やかに落とし込まれることにより、海水の水温が凝固点の近傍まで低下する前に海水が小片氷と分離される。これにより、水落とし孔6及びトンネル部7の凍結による閉塞が遅延され、より大量の海水を排出できるようになり、魚体収容部4に残ったスラリー氷が硬く締まり、保冷性の高い板状氷塊が得られる。また、扁平状のトンネル部7によって、魚体の輸送時における融水が水滴8となってトンネル部7に溜まり、トンネル部7を遮蔽する。
【選択図】図2

Description

本発明は、鮮魚の輸送、特に寒冷地を産地とする鮮魚の輸送に適した発泡容器に関するものである。
従来から、鮮魚の輸送にあたっては、軽量で保冷性に優れた樹脂発泡体から成る発泡容器が広く用いられている。このような発泡容器に鮮魚を収容する際には、保冷材として容器内に小片氷が投入される。そして、鮮魚の輸送時に容器内の小片氷が溶解することにより生ずる融水によって魚体の表面が変色することを防止するために、発泡容器の底部には融水を排出する排出孔が設けられている。ところが、この排出孔を介して容器外部から侵入した空気が小片氷相互間の隙間に流入することによって小片氷の融解が進み、保冷効果が低下するという問題があった。そこで、作業現場においては、容器の内面に沿った形状の板状氷塊を生成し、この通気性の少ない一体的な板状氷塊によって、長時間に亘る保冷効果を維持できるようにすることが検討されている。
図9は、容器の内面に沿った形状の通気性の少ない板状氷塊を生成する手順を示している。この手順は、例えば、冬期の気温が0゜C以下に低下する寒冷地等において実施するのが通気性の少ない板状氷塊を生成する上で最も望ましいが、夏期においても実施することができる。まず、図9(a)に示すように、小片氷51と海水52とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷53が発泡容器50内に所定の水位まで投入される。すると、図9(b)に示すように、スラリー氷53のうちの液状の海水52が容器底部の排出孔55から発泡容器50の外部に排出されてスラリー氷53が締まり、数分経過後、図9(c)に示すように、小片氷51の周辺の海水が凍り、容器内面に沿った形状の通気性の少ない板状氷塊56が生成される。
ところが、図9に示したような発泡容器50においては、スラリー氷53のうちの海水52を速やかに排出しなければ、排出孔55の内部で海水52が凍り始めて排水が不十分となる。その結果、容器内の板状氷塊56が、ある程度の硬さまでしか締まらず、保冷剤としての機能を十分に発揮できないという問題がある。このような問題は、排出孔55の開口面積を増やすことにより解決可能ではあるが、その副作用として、容器外部の空気が排出孔55から内部に侵入し易くなり、板状氷塊56が溶け易くなるという問題が新たに生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、板状氷塊を生成する際の海水の排出効率を高めつつ、魚輸送時における外部からの空気の侵入を抑制して、保冷能力を高めることができる発泡容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、魚体を収容する魚体収容部と、この魚体収容部と容器外部とを連通させて該魚体収容部内の水を容器外部に排出する排出孔とを備え、魚体収容部に投入された雪又は小片氷と、水とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷のうち、水を排出孔から排出することにより、該魚体収容部に魚体保冷用の板状氷塊を生成する発泡容器において、排出孔は、魚体収容部の内底面に設けられ、該魚体収容部の底部に溜まった水を落とし込むための水落とし孔と、この水落とし孔と容器側面の外部を連通させるために容器底面に設けられたトンネル部とを有し、魚体収容部に投入された水を可及的速やかに排出しつつ、トンネル部に溜まった水滴によって該トンネル部を遮蔽し、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されているものである。
請求項2の発明は、魚体を収容する魚体収容部と、この魚体収容部と容器外部とを連通させて該魚体収容部内の水を容器外部に排出するための排出孔とを備え、魚体収容部に投入された雪又は小片氷と、水とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷のうち、水を排出孔から排出することにより、該魚体収容部に魚体保冷用の板状氷塊を生成する発泡容器において、魚体収容部は、水を排出孔に導くために、該排出孔と連通される排水溝を内底面に有し、魚体収容部に投入された水を可及的速やかに排出し得るように構成されているものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の発泡容器において、排出孔は、魚体収容部のそれぞれの側壁に設けられ、排水溝と連通される第1の連通部と、容器外部と連通される第2の連通部とを有し、第1の連通部は、少なくとも一部がその高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成され、第2の連通部は、少なくとも一部が第1の連通部とは段違いに、かつ該一部の高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成され、第1の連通部及び第2の連通部に溜まった水滴によって該第1の連通部及び第2の連通部を遮蔽し、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されているものである。
請求項4の発明は、請求項2に記載の発泡容器において、魚体収容部の側壁の上端から下端に亘って該側壁を貫通するように、かつ排出孔と連通されるように設けられた竪穴とをさらに備え、魚体を収容した後、複数段積重ねたとき、互いに連結された竪穴によって狭小で細長い管状通路を形成して、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されているものである。
請求項1の発明によれば、魚体収容部の底面に設けられた水落とし孔とトンネル部とを有する排出孔によって魚体収容部と容器側面の外部とが連通されているので、板状氷塊の生成時において魚体収容部の内底面に溜まった水のみが速やかに水落とし孔に落とし込まれ、トンネル部を通って容器外部に排出される。このとき、水温が凝固点の近傍まで低下する前に水が水落とし孔に落とし込まれて小片氷等と分離されるので、排出孔の凍結による閉塞が遅延され、より大量の水を排出することができる。その結果、魚体収容部に残ったスラリー氷が硬く締まり、魚体収容部に保冷性の高い板状氷塊を生成することができる。また、トンネル部が狭小で空気が侵入し難いことによって、鮮魚の輸送時に板状氷塊が融解することにより生じた融水が水滴となってトンネル部に溜まり、該トンネル部を遮蔽する。これにより、容器外部から魚体収容部への空気の侵入を抑制することができ、板状氷塊の融解を遅延させて発泡容器の保冷能力を高めることができる。
請求項2の発明によれば、魚体収容部の内底面に排出孔と連通される排水溝が形成されているので、板状氷塊の生成時において魚体収容部の底面に溜まった水のみが速やかに排水溝に落とし込まれ、排出孔を通って容器外部に排出される。このとき、水温が凝固点の近傍まで低下する前に水が排水溝に落とし込まれて小片氷等と分離されるので、排出孔の凍結による閉塞が遅延され、より大量の水を排出することができる。その結果、魚体収容部に残ったスラリー氷が硬く締まり、魚体収容部に保冷性の高い板状氷塊を生成することができる。
請求項3の発明によれば、排出孔を構成する第1の連通部及び第2の連通部は少なくとも一部が扁平状に形成されているので、板状氷塊が融解することにより生じた融水が水滴となって当該部分に溜まって当該部分を遮蔽する。しかも、第2の連通部の一部は第1の連通部と段違いに形成されているので、第2の連通部から侵入した空気がそのまま直線的に第1の連通部に流入できなくなる。これにより、容器外部から魚体収容部への空気の侵入を抑制することができ、鮮魚の輸送時に板状氷塊の融解を遅延させて発泡容器の保冷能力を高めることができる。
請求項4の発明によれば、魚体を収容した後、発泡容器を複数段積重ねることによって連結された竪穴によって狭小で細長く、空気が侵入し難い管状通路が形成される。これにより、特に上段に積重ねられた発泡容器において、容器外部から魚体収容部への空気の侵入を抑制することができ、鮮魚の輸送時に板状氷塊の融解を遅延させて発泡容器の保冷能力を高めることができる。
(実施形態1)
本発明を実施するための最良の実施形態による発泡容器について図面を参照して説明する。図1は、発泡容器の構造を示している。発泡容器1は、スケトウダラ等の魚体を板状氷塊56(図9(c)参照)と共に収容して輸送等するための容器であって、底面2と底面2の周縁から上方に起立された側壁3等によって構成されている。底面2及び側壁3によって囲まれた空間が魚体を収容するための魚体収容部4となる。底面2には、魚体収容部4と容器外部を連通させて、魚体収容部4内の水を容器外部に排出する排出孔5が設けられている。なお、底面2と側壁3の交差部分はフィレット状に形成されている。
魚体収容部4には、雪又は小片氷51と、海洋深層水等の海水52とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷53が投入され、スラリー氷53のうち海水52を排出孔5から排出することにより、魚体収容部4に魚体保冷用の板状氷塊56が生成される(図9参照)。発泡容器1は、冬期の気温が0゜C以下に低下する寒冷地等において使用される。まず、図9(a)に示すように、小片氷51と海水52とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷53が発泡容器50内に所定の水位まで投入される。すると、図9(b)に示すように、スラリー氷53のうちの液状の海水52が容器底部の排出孔55から発泡容器50の外部に排出されてスラリー氷53が締まり、数分経過後、図9(c)に示すように、小片氷51の周辺の海水が凍り、容器内面に沿った形状の通気性の少ない板状氷塊56が生成される。
排出孔5は、魚体収容部4の底面2の内側に複数個設けられた水落とし孔6と、底面2に設けられ、発泡容器1の短手方向に延出されたトンネル部7とを有している。水落とし孔6は、4行4列のマトリクス状に適宜間隔を空けて配置されており、魚体収容部4の底面2に溜まった海水52又は融水をトンネル部7に落とし込む。水落とし孔6の内径は、板状氷塊を生成するときに、小片氷51が落ち込まないような程度に設定されている。トンネル部7は、水落とし孔6から落とし込まれた海水52又は融水を容器外部に排出するために、水落とし孔6と容器側面の外部を連通させる。トンネル部7は、図1(a)に示すように、空気が侵入し難いように狭小に形成され、また図1(b)に示すように、その高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成されている。このように狭小なトンネル部7によっても、板状氷塊を生成する際に速やかに海水52のみを排水できるように、水落とし孔6及びトンネル部7は、適宜間隔を空けて多数設けられている。
図2は、水落とし孔6及びトンネル部7の周辺の断面を拡大して示している。鮮魚の輸送時に板状氷塊が融解することにより生じた融水は、水落とし孔6からトンネル部7に落とし込まれ、表面張力によって水滴8となってトンネル部に溜まる。このとき、トンネル部7が扁平状に形成されているので、トンネル部7が幾つかの要所で水滴8によって遮蔽され、これにより容器外部からの空気の侵入が抑制される。
本実施形態のトンネル部7を有する発泡容器(トンネル構造)1の板状氷塊生成時における排水能力を検証するために行った実験の結果を以下の表1に示す。
Figure 2006264742
上記表1は、標準構造及びトンネル構造の発泡容器1に、それぞれ所定のスラリー氷を投入した後の容器重量(容器+スラリー氷)の推移を示している。本実験においては、標準構造の容器として、図9に示した形状の発泡容器50の隅部に、排出孔55と連通される竪穴22(図6参照)を追加した構造の容器を用いた。条件(i)では、スラリー氷として踏み固められてない状態の雪(5リットル)に冷水を混合して合計で5.5kgとしたもの、条件(ii)では、スラリー氷として上記状態の雪(10リットル)に冷水を混合して合計で8kgとしたものを投入した。このように、2つの条件で実験を行ったのは、含水率(条件(i)の方が含水率が高く、条件(ii)の方が低い)の変動がそれぞれの容器の排水能力に及ぼす影響を考慮したためである。なお、スラリー氷を投入後、略2分程度で排出孔が氷で詰まり排水されなくなるため、2分以降の容器重量は測定していない。
表1において、短時間で容器重量が軽くなる傾向の大きい容器が、板状氷塊56の生成時に海水52を排出する能力に優れているといえる。本実験からも明らかなように、標準構造の発泡容器では、排水能力が不足しているために、水を十分に排出する前から排出孔55等が氷で詰まり、条件(i)において2分が経過するまでに、5.5−4.0=1.5kgの水しか排出されなかった。一方、トンネル構造の発泡容器1では、水落とし孔6及びトンネル部7が詰まり始める前から、容器内の水が勢いよく排出され、1分経過時点においては5.5−3.3=2.2kgもの水が排出され、その排出能力の高さが確認できる。さらに、1分経過後においても、水落とし孔6及びトンネル部7が氷で詰まるまで小量ながらも排出され、その結果、2分間で5.5−3.0=2.5kgもの排水が確認できる。以上は、条件(i)における実験結果であるが、条件(ii)における実験結果も同様の傾向が確認できる。
このように、本実施形態の発泡容器1によれば、魚体収容部4の底面2に設けられた水落とし孔6とトンネル部7とを有する排出孔5によって魚体収容部4と容器側面の外部とが連通されているので、板状氷塊56の生成時において魚体収容部4に投入された海水52が水落とし孔6に落とし込まれ、トンネル部7を通って容器外部に排出される。このとき、水落とし孔6が底面2の全体に適宜間隔を空けて設けられているので、容器全体で液状の海水52のみが速やかに落とし込まれ、海水52の水温が凝固点の近傍まで低下する前に海水52が小片氷51等と分離される。これにより、水落とし孔6及びトンネル部7の凍結による閉塞が遅延され、より大量の海水52を速やかに排出することができる。その結果、魚体収容部4に残ったスラリー氷53が硬く締まり、魚体収容部4に保冷性の高い板状氷塊56を生成することができる。また、トンネル部7が扁平状に形成されていることによって、魚体の輸送時において板状氷塊56が融解することにより生じた融水が水滴8となってトンネル部7に溜まり、トンネル部7を遮蔽する。これにより、容器外部から魚体収容部4への空気の侵入を抑制することができ、板状氷塊56の融解を遅延させて容器の保冷能力を高めることができる。なお、発泡容器1は、トンネル部7が底面2に設けられているため、容器の底面2の強度が不足しがちとなる。この場合においては、底面2の肉厚を厚く形成することにより容器の強度を十分に確保できる。
(実施形態2)
図3は、本発明の別の実施形態による発泡容器の構造を示している。発泡容器10は、魚体収容部4内の水を容器外部に排出するための排出孔5を備えている点は上記発泡容器1と同様であるが、排出孔5の具体的な構成、及び底面2の内側に排水溝11が形成されている点で発泡容器1とは異なっている。
排水溝11は、板状氷塊56の生成時においてスラリー氷53のうち海水52のみを排出孔に導くために、底面2の内側に適宜間隔を空けて格子状に形成されている。なお、本実施形態における排水溝11の深さ寸法は、約5mm以下、幅寸法も約5mm以下であり、小片氷51が落ち込まないような寸法に設計されている。
図4は、発泡容器10の排水溝11及び排出孔5の周辺の断面を拡大して示している。また、図5は、蓋部材19を間に介在させながら、発泡容器10を積重ねた状態を拡大して示している。排水溝11の両端部は、底面がさらに5mm程度落とし込まれ、排出孔5と連通されている。排出孔5は、側壁3の下部に設けられており、排水溝11と連通される第1の連通部12と、容器外部と連通される第2の連通部13とを有している。第1の連通部12のうち、底面2の内側と側壁3の内側が交差する隅部分には、狭小部14が設けられている。狭小部14は、その高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成されている。一方、第2の連通部13は、容器外部への開口部15が第1の連通部12とは段違いに、かつ蓋部材19の上方に積重ねられた発泡容器10の開口部15の高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成されている。
このように、発泡容器10によれば、魚体収容部4の底面2に排出孔5と連通される排水溝11が形成されているので、板状氷塊56の生成時において魚体収容部4に溜まった海水52のみが速やかに排水溝11に落とし込まれ、排出孔5を通って容器外部に排出される。このとき、海水52の水温が凝固点の近傍まで低下する前に海水52が排水溝11に落とし込まれて、小片氷51等と分離されるので、排出孔5の凍結による閉塞が遅延され、より大量の海水52を排出することができる。その結果、魚体収容部4に残ったスラリー氷が硬く締まり、魚体収容部4に保冷性の高い板状氷塊56を生成することができる。また、排出孔5を構成する第1の連通部12の狭小部14及び第2の連通部13の開口部15が扁平状に形成されているので、板状氷塊56が融解することにより生じた融水の水滴8が狭小部14及び開口部15の近傍に溜まって当該部分を遮蔽する。しかも、第2の連通部13の開口部15は第1の連通部12の狭小部14と段違いに形成されているので、開口部15から侵入した空気がそのまま直線的に狭小部14を通過できなくなる。これにより、容器外部から魚体収容部4への空気の侵入を抑制することができ、板状氷塊56の融解を遅延させて容器の保冷能力を高めることができる。
(実施形態3)
図6は、本発明のさらに別の実施形態による発泡容器の構造を示している。発泡容器20は、魚体収容部4内の水を落とし込む排水溝21と、排水溝21に落とし込まれた水を容器外部に排出するための排出孔5を備えている点は上記発泡容器10と同様であるが、排出孔5の個数、配列、形状及び側壁3の隅部に排出孔5に連通する竪穴22が形成されている点で発泡容器10とは異なっている。
図7は、発泡容器20の排出孔5及び竪穴22の周辺部を拡大して示している。また、図8は、蓋部材29を間に介在させながら、発泡容器20を積重ねた状態を拡大して示している。排出孔5は、底面2の4隅において、竪穴22に連通するように形成されている。竪穴22は、魚体収容部4の側壁3の上端から下端に亘って側壁3を貫通するように形成されており、発泡容器20を複数段積重ねたとき、上段の容器の竪穴22と下段の容器の竪穴22が互いに連通する。これにより、上段の容器から排出された水を竪穴22を通過させることにより、下段の容器の底部まで落とし込むことができる。また、互いに連結された竪穴22によって、狭小で細長く空気が侵入し難い管状通路23が形成される。
本実施形態の排水溝21を有する発泡容器(排水溝付構造)20の板状氷塊生成時における排水能力を検証するために行った実験の結果を以下の表2に示す。
Figure 2006264742
上記表2は、標準構造及び排水溝付構造の発泡容器20に、表1に示した実験と同様に、それぞれ所定のスラリー氷を投入した後の容器重量(容器+スラリー氷)の推移を示している。本実験からも明らかなように、排水溝付構造の発泡容器20では、条件(i)において、2分が経過するまでに5.5−3.6=1.9kgの水が排出され、トンネル構造を有する発泡容器1(表1参照)には及ばないものの、標準構造よりも排水能力が高められていることが確認できる。また、水温が凝固点近傍まで低下する前に、排水溝21の全体に速やかに落とし込まれて、雪と分離された水が、排出孔5に向かって流出するため、4隅の竪穴22及び排出孔5の閉塞が遅延され、1分経過後の排水効率の低下が発泡容器1よりも少ないことも確認できる。以上は、条件(i)における実験結果であるが、条件(ii)における実験結果も同様の傾向が確認できる。
以上のように、発泡容器20によれば、魚体収容部4の底面2に排水溝21が形成されているので、板状氷塊56の生成時において魚体収容部4に溜まった海水52のみが速やかに排水溝21に落とし込まれ、排出孔5及び竪穴22を通って容器外部に排出される。このとき、海水52の水温が凝固点の近傍まで低下する前に海水52が排水溝21に落とし込まれて、小片氷51等と分離されるので、竪穴22及び排出孔5の凍結による閉塞が遅延され、より大量の海水52を排出することができる。その結果、魚体収容部4に残ったスラリー氷53が硬く締まり、魚体収容部4に保冷性の高い板状氷塊56を生成することができる。また、魚体を収容した後、発泡容器20を複数段積重ねることによって連結された竪穴22によって狭小で細長く、空気が侵入し難い管状通路23が形成される。これにより、特に上段に積重ねられた発泡容器20において、容器外部から魚体収容部4への空気の侵入を抑制することができ、板状氷塊56の融解を遅延させて容器の保冷能力を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能であり、例えば、発泡容器1において、水落とし孔6及びトンネル部7の形状や個数は、図1及び図2に示したものに限られることなく、任意に設定することができる。例えば、トンネル部7の断面形状に関しては、図1(b)に示されるような扁平な角断面形状が最も望ましいが、発泡容器1を成形するための金型の製造コストを考慮すれば、円形断面であってもよい。狭小で細長いトンネル部7によって容器外部からの空気の侵入を抑制する効果の高いトンネル構造を有する発泡容器1においては、このような円形断面のトンネル部7であっても容器外部からの空気の侵入を十分に抑制することができる。また、図1(a)において、トンネル部7は、発泡容器1の左右両端を連通するように形成されていてもよい。さらにまた、発泡容器1の左右両側のトンネル部7が互いに連通されない構造においては、左右両側の水落とし孔6及びトンネル部7が、平面視で段違いに配列されていてもよい。
また、発泡容器10において、排水溝11及び排出孔5の形状や個数は、図3乃至図5に示したものに限られることなく、任意に設定することができる。また、発泡容器20において、排水溝21の形状や個数及び排出孔5の形状は、図6乃至図8に示したものに限られることなく、任意に設定することができる。また、スラリー氷53を生成する際に、雪又は小片氷51に混合される水には、例えば、海洋深層水等の海水52を適用するのが最も望ましいが、これに限られることなく、水道水であってもよい。
なお、発泡容器1、10及び20は、冬期の気温が0゜C以下に低下する寒冷地等において使用されるのが通気性の少ない板状氷塊を生成する上で最も望ましいが、夏期においても使用可能である。この場合においても、小片氷51の周辺の海水が凍ることにより各小片氷51間の隙間が小さくなり、通常の小片氷51のみを充填した状態より通気性の少ない板状氷塊を生成することができる。
(a)は本発明の一実施形態による発泡容器の平面図、(b)は同側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図。 同発泡容器の排出孔及びその近傍を拡大して示した断面図。 (a)は本発明の別の実施形態による発泡容器の平面図、(b)は同側面図、(c)は(a)におけるB−B線断面図。 同発泡容器の排出孔及びその近傍を拡大して示した断面図。 同発泡容器を蓋部材を介して積重ねたときの排出孔及びその近傍を拡大して示した断面図。 (a)は本発明のさらに別の実施形態による発泡容器の平面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図。 同発泡容器の排出孔、竪穴及びその近傍を拡大して示した断面図。 同発泡容器を蓋部材を介して積重ねたときの排出孔、竪穴及びその近傍を拡大して示した断面図。 (a)乃至(c)は、従来の発泡容器にスラリー氷を投入して、板状氷塊を生成する手順を示した断面図。
符号の説明
1 発泡容器
2 底面
3 側壁
4 魚体収容部
5 排出孔
6 水落とし孔
7 トンネル部
8 水滴
10 発泡容器
11 排水溝
12 第1の連通部
13 第2の連通部
20 発泡容器
21 排水溝
22 竪穴
23 管状通路
51 小片氷
52 海水
53 スラリー氷
56 板状氷塊

Claims (4)

  1. 魚体を収容する魚体収容部と、この魚体収容部と容器外部とを連通させて該魚体収容部内の水を容器外部に排出する排出孔とを備え、
    前記魚体収容部に投入された雪又は小片氷と、水とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷のうち、水を前記排出孔から排出することにより、該魚体収容部に魚体保冷用の板状氷塊を生成する発泡容器において、
    前記排出孔は、前記魚体収容部の内底面に設けられ、該魚体収容部の底部に溜まった水を落とし込むための水落とし孔と、この水落とし孔と容器側面の外部を連通させるために容器底面に設けられたトンネル部とを有し、
    前記魚体収容部に投入された水を可及的速やかに排出しつつ、前記トンネル部に溜まった水滴によって該トンネル部を遮蔽し、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されていることを特徴とする発泡容器。
  2. 魚体を収容する魚体収容部と、この魚体収容部と容器外部とを連通させて該魚体収容部内の水を容器外部に排出するための排出孔とを備え、
    前記魚体収容部に投入された雪又は小片氷と、水とを混合して成るシャーベット状のスラリー氷のうち、水を前記排出孔から排出することにより、該魚体収容部に魚体保冷用の板状氷塊を生成する発泡容器において、
    前記魚体収容部は、水を前記排出孔に導くために、該排出孔と連通される排水溝を内底面に有し、
    前記魚体収容部に投入された水を可及的速やかに排出し得るように構成されていることを特徴とする発泡容器。
  3. 前記排出孔は、前記魚体収容部のそれぞれの側壁に設けられ、前記排水溝と連通される第1の連通部と、容器外部と連通される第2の連通部とを有し、前記第1の連通部は、少なくとも一部がその高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成され、前記第2の連通部は、少なくとも一部が前記第1の連通部とは段違いに、かつ該一部の高さ寸法が幅寸法よりも小さくなるように扁平状に形成され、
    前記第1の連通部及び第2の連通部に溜まった水滴によって該第1の連通部及び第2の連通部を遮蔽し、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の発泡容器。
  4. 前記魚体収容部の側壁の上端から下端に亘って該側壁を貫通するように、かつ前記排出孔と連通されるように設けられた竪穴とをさらに備え、
    魚体を収容した後、複数段積重ねたとき、互いに連結された竪穴によって狭小で細長い管状通路を形成して、容器外部から該魚体収容部への空気の侵入を抑制し得るように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の発泡容器。
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