JP2006263564A - 液体吐出用ノズル及びそれを用いたフラックス塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体の吐出確認が精度よく容易に行なえる液体吐出用ノズルと、それを用いることによって吐出確認のために液状フラックスを多量に消費したり、吐出確認できずに多量の不良品を発生させたりすることなく、製造コストの上昇を抑制できるフラックス塗布装置を提供する。
【解決手段】 ノズル3には、超音波ホーン41の先端面で霧化され吐出する霧状フラックスF’の吐出方向において、開口部51から所定距離離間して温度測定部80が設けられている。この温度測定部80は、軸線と直交する受け面81aの中心部に測定位置Mが形成された温度センサ81と、温度センサ81の受け面とは反対側に配置されたヒータ82とを有している。温度センサ81の受け面81aは、霧状フラックスF’中のアルコール成分が蒸発する際の気化熱によって冷やされ、指示温度(測定温度)が急激に低下する。これによって、霧状フラックスF’の吐出確認が行なわれる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ノズル3には、超音波ホーン41の先端面で霧化され吐出する霧状フラックスF’の吐出方向において、開口部51から所定距離離間して温度測定部80が設けられている。この温度測定部80は、軸線と直交する受け面81aの中心部に測定位置Mが形成された温度センサ81と、温度センサ81の受け面とは反対側に配置されたヒータ82とを有している。温度センサ81の受け面81aは、霧状フラックスF’中のアルコール成分が蒸発する際の気化熱によって冷やされ、指示温度(測定温度)が急激に低下する。これによって、霧状フラックスF’の吐出確認が行なわれる。
【選択図】 図1
Description
この発明は液体吐出用ノズル及びフラックス塗布装置(フラクサあるいはフラクサ装置ともいう)に関する。
例えば、プリント配線基板の半田付け工程の前工程で用いられるフラックス塗布装置において、液状のフラックスを霧化する霧化器をフラックス塗布用ノズルに備えたものがある。このような霧化式フラクサとして、従来より基板全面に霧状フラックスを噴霧する全面噴霧タイプ(特許文献1参照)が多用されてきた。そして、最近では、超音波振動式霧化器を用いて、多数の塗布位置の各々へ所定量の霧状フラックスをスポット状(ドット状)に塗布する局所塗布タイプも開発されている。
この超音波式局所塗布フラクサ用ノズルでは、図7に示すように、図示しないポンプ等から供給された所定量の液状フラックスFが、霧化部140に備えられる超音波ホーン141の先端面で霧化され、基板の半田付け位置Sにスポット状に塗布される。このとき、霧化された霧状フラックスF’を超音波ホーン141の先端面から半田付け位置Sへスムーズに移行させるために、霧状フラックスF’を取り巻く形でカバー部150の先端開口部151から加圧空気Gを噴出させている。この加圧空気Gは、カバー部150の内部(カバー部150と超音波ホーン141との間)に形成されたエアチャージ室160に、エア供給継手171を介して外部から送り込まれており、エアチャージ室160と開口部151とは連通している。
近年、回路の高集積度化がますます顕著となり、図7に示す超音波式フラクサ用ノズルにおいても、霧化部140を軸線方向に貫通して液状フラックスFを超音波ホーン141の先端面に供給する貫通孔140aの孔径が小さくなっている(例えば0.1mm程度)。このような貫通孔140aの小径化に伴って、液状フラックスFあるいは霧状フラックスF’が貫通孔140aの先端開口で詰まりを生じやすくなり、半田付け位置Sにフラックス塗布がなされないことによる不良品発生率が上昇(歩留りが低下)するおそれがある。このような事態を回避するには、従来では図5に示すように、精密はかり200のはかり台201に設定した測定位置Mにおいて霧状フラックスF’を下向きに吐出させ、これを受けて秤量するしか方法がなかった。
しかしこのような方法では、1回あたりの吐出量が1ml以下(時には100μl以下)といった微量のフラックスを秤量するには、高価なはかりを用いかつ周囲環境を一定にして精密に測定しなければならない。さらに、微量ではあっても落下する霧状フラックスF’を受ける形で重量を測定するため、落下の衝撃(重力加速度)が測定精度に影響を及ぼすおそれもある。
そのため、実際のフラックス塗布及び半田付け工程においては、基板へのフラックス塗布開始に先立って、半田付け位置(塗布位置)とは異なる場所で、塗布ミスを確実に防止できる回数分(例えば10回)だけ予備吐出操作を行なうのが一般的であった。したがって、予備吐出操作回数を多めに設定しておく場合には、予備吐出操作で消費されるフラックス量が増大し、製造コストが上昇する一因となる。一方、予備吐出操作回数を少なめに設定しておく場合には、半田付け位置にフラックスが塗布されないことによる不良品発生率の上昇(歩留りの低下)を招くことになる。
本発明の課題は、液体の吐出確認が精度よく容易に行なえる液体吐出用ノズルと、それを用いることによって吐出確認のために液状フラックスを多量に消費したり、吐出確認できずに多量の不良品を発生させたりすることなく、製造コストの上昇を抑制できるフラックス塗布装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出用ノズルは、
アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする。
アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の液体吐出用ノズルは、
アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に超音波振動の印加により霧化させて吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
霧状となった前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した霧状の液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記霧状の液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする。
アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に超音波振動の印加により霧化させて吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
霧状となった前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した霧状の液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記霧状の液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする。
これらの液体吐出用ノズルによれば、揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱に着目して液体の吐出確認を行なうものであるから、予備吐出操作1回ごとに吐出確認が行なえる。このように、吐出確認が精度よく容易に行なえるので、吐出用の液体を無駄に消費することがない。しかも、吐出された液体又はその周囲の大気と接触して温度変化を測定する温度測定部(温度センサ)を設けるだけの簡素な構成ですむ。なお、ここで言う「吐出確認」には吐出有無の確認(検出)と吐出量過不足の確認(検出)とを含む。
例えば、液状のフラックスを例にとると、アルコール成分が全体の約97%を占める場合もあり、アルコール成分はフラックスが吐出してから数秒間(例えば2〜3秒間)のうちに蒸発して、その気化熱によって周囲の温度を下げるように作用する。そこで、温度センサによってこの間の温度変化を測定すれば、予備吐出操作1回ごとにフラックスが吐出されたか否かを確認できる。また、温度変化の度合い(大小)により、フラックスの吐出量が設定値に達しているか否かを検定することも可能となる。
なお、温度測定部に用いることのできる温度センサとして、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等の接触式センサがある。
そして、温度測定部の近傍には、液体中の揮発成分の蒸発を促進するための加熱手段を設けてもよい。揮発成分の割合が相対的に低い液体や常温で揮発しにくい液体の場合でも、加熱手段で蒸発を促進することによって、より短時間で吐出確認が行なえるようになる。なお、加熱手段には、通電による発熱を利用するもの、燃焼や化学反応による発生熱を利用するもの、高温体からの輻射熱を利用するもの等が用いられる。
次に、上記課題を解決するために、本発明のフラックス塗布装置は、
上記した液体吐出用ノズルと、
液体として半田付け位置に塗布すべき液状のフラックスを貯留する貯留部と、
その貯留部からフラックスを吸引して収納し所定量毎に吐出してノズルに供給するシリンジポンプとを備え、
貯留部のフラックスがシリンジポンプ内に収納され、そのシリンジポンプ内のフラックスが吐出してノズルに供給され、そのシリンジポンプから供給されたフラックスがノズルの開口部から吐出して、半田付け位置にスポット状に塗布されることを特徴とする。
上記した液体吐出用ノズルと、
液体として半田付け位置に塗布すべき液状のフラックスを貯留する貯留部と、
その貯留部からフラックスを吸引して収納し所定量毎に吐出してノズルに供給するシリンジポンプとを備え、
貯留部のフラックスがシリンジポンプ内に収納され、そのシリンジポンプ内のフラックスが吐出してノズルに供給され、そのシリンジポンプから供給されたフラックスがノズルの開口部から吐出して、半田付け位置にスポット状に塗布されることを特徴とする。
このように、上記した液体吐出用ノズルをフラックス塗布用ノズルとして用い、フラックス塗布装置に適用することによって、予備吐出操作1回ごとに吐出確認が精度よく容易に行なえるので、液状フラックスを無駄に消費することがない。したがって、吐出確認のために液状フラックスを多量に消費したり、吐出確認できずに多量の不良品を発生させたりすることなく、製造コストの上昇を抑制できる。また、予備吐出操作(吐出確認)は、例えばワーク交換等の段取り換えと並行処理できるので、作業工程上の時間ロスをほとんど生じない。
このようなフラックス塗布装置において、温度測定部が、半田付け位置を含む作業エリアとは離れて位置する検査エリア内に配置されていると、ノズルを検査エリア内の測定位置に移動させ、温度測定部にて開口部からのフラックスの吐出を検出した後作業エリア内の半田付け位置に戻り、開口部からフラックスを塗布することができる。このように、フラックスの吐出確認を半田付け位置(すなわちワークの塗布位置)に代わる検査エリア内の測定位置で行なうことによって、半田付け位置(塗布位置)ひいては作業エリアの配置を制限したり、作業工程を複雑化したりすることがない。しかも、フラックスの吐出確認は上記したようにワーク交換と同時に並行して行なえるので、無駄時間の発生を防ぐことができる。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るフラックス塗布用ノズルを用いた制御構成の一例を示す説明図である。図1に示すように、フラックス塗布用ノズル3(液体吐出用ノズル)は、後述するシリンジポンプユニット1(図2参照)等から供給された所定量(例えば1回あたり100μl)のアルコール入り液状フラックスF(液体)を先端面で霧化する軸状の霧化部40と、霧化部40を中心として半径方向に所定距離離間してその周囲を取り巻く筒状のカバー部50と、霧化部40とカバー部50との間に形成される環状の空間であるエアチャージ室60(圧力室)とを備えている。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るフラックス塗布用ノズルを用いた制御構成の一例を示す説明図である。図1に示すように、フラックス塗布用ノズル3(液体吐出用ノズル)は、後述するシリンジポンプユニット1(図2参照)等から供給された所定量(例えば1回あたり100μl)のアルコール入り液状フラックスF(液体)を先端面で霧化する軸状の霧化部40と、霧化部40を中心として半径方向に所定距離離間してその周囲を取り巻く筒状のカバー部50と、霧化部40とカバー部50との間に形成される環状の空間であるエアチャージ室60(圧力室)とを備えている。
霧化部40には、先端に向かうにつれて縮径し、少なくとも軸線方向(上下方向)に微小振動(例えば振幅2μm)する超音波ホーン41(超音波振動部)が備えられ、超音波ホーン41の先端面で液状フラックスFの霧化が行なわれる。この超音波ホーン41は、ダンパ等の緩衝部材(図示せず)を介して支持部42に保持されている。また、支持部42は、その外周面に形成されたねじ部42aによってカバー部50に螺合されている。したがって、フラックス供給継手43(液体供給口)から供給された液状フラックスFは、霧化部40を軸線方向(上下方向)に貫通形成された貫通孔40aを通り、超音波ホーン41の先端面で微小振動を受けて霧化され、霧状のフラックスF’が軸線方向に吐出する。
カバー部50の一端側(下端側)には、超音波ホーン41(霧化部40)の先端面を外部に突出させるための開口部51が形成されている。この開口部51の下方において、霧化部40を貫通する貫通孔40aの出口側(下端側)が開口している。また、開口部51とエアチャージ室60とは連通している。
エアチャージ室60には、コンプレッサ75(図示せず)等で加圧された空気G(加圧気体)が供給されている。この加圧空気Gは、超音波ホーン41(霧化部40)の先端面で霧化され吐出する霧状フラックスF’を取り巻く形で開口部51から噴出する。なお、符号71は、加圧空気Gをエアチャージ室60に導入するために、カバー部50の周面にねじ止めされるエア供給継手(気体供給口)である。
ノズル3には、超音波ホーン41の先端面で霧化され吐出する霧状フラックスF’の吐出方向(軸線方向)において、開口部51から所定距離離間して温度測定部80が設けられている。この温度測定部80は、軸線と交差(直交)する受け面81a(対向面)の中心部に測定位置Mが形成された温度センサ81(例えば測温抵抗体、サーミスタ、熱電対)と、温度センサ81の受け面とは反対側(裏側)に配置されたヒータ82(加熱手段;例えば電熱式ヒータ)とを有している。
制御部90は、ノズル3からの吐出確認及びノズル3の移動制御を司るために、CPU92,RAM93,ROM94,入出力インターフェース91,95等を有し、これらが送受信可能に接続されたマイクロコンピュータにより構成されている。CPU92は、ROM94から読み込んだ制御プログラムに基づいてノズル3からの吐出確認等を実行する。RAM93はそのプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
温度センサ81による温度検出信号(測定データ)が、入力インターフェース91を介して制御部90へ入力されている。一方、制御部90からの制御信号が、出力インターフェース95を介してノズル移動アクチュエータ96(例えばエアシリンダ)と警報装置97とに出力されている。
次に、図2に示すフローチャートと図3のグラフを用いて、霧状フラックスF’の吐出確認等を行なう際の手順を説明する。まず、S1にてノズル3の軸線を温度測定部80(温度センサ81)の測定位置Mに一致させ、霧状フラックスF’を軸線方向(下向き)に吐出させる。このとき、霧状フラックスF’が超音波ホーン41の先端面から温度センサ81の受け面81aへ移行しやすくするために、吐出する霧状フラックスF’を取り巻く形で、加圧空気Gが開口部51から噴出される。そして、S2にてタイマのカウントを開始するとともに、第一回の温度測定(測定値T1)を行なう。そして、温度センサ81の受け面81aに霧状フラックスF’が到達(付着)し、霧状フラックスF’中のアルコール成分が蒸発するに要する時間が経過したとき、すなわち受け面81aでの気化完了までの設定時間(例えば1〜3秒間)が経過したとき(S3でYES;図3のΔt)、S4にて第二回の温度測定(測定値T2)を行なう。
次に、S5にて両測定値の温度差T1−T2とアルコール成分の蒸発による温度差ΔT(推定閾値)とを比較する。前者が後者以上であれば(S5でYES;図3参照)、吐出正常と判断し、エアシリンダ96(図1参照)を作動させてノズル3をフラックス塗布等の作業エリアに移動させる(図4参照)。
このときの状況を図3により説明すると、温度センサ81の受け面81aは、霧状フラックスF’中のアルコール成分が蒸発する際の気化熱によって冷やされ、設定時間Δtが経過するまでに指示温度(測定温度)が急激に低下している。
図2に戻り、前者が後者未満であれば(S5でNO)、吐出異常(詰まり発生)と判断し、警報装置97を移動させる。
このようにして、霧状フラックスF’の吐出確認、すなわち開口部51からの霧状フラックスF’の吐出有無の検出(又は吐出量過不足の検出)が行なわれる。なお、温度測定部80側に吹き付けられる加圧空気Gの噴出流によって受け面81aが冷却されて誤作動しないように、受け面81aでの気化完了までの設定時間Δt(例えば1〜3秒間)よりも、加圧空気Gの噴出時間を短く(例えば0.1〜0.5秒間)しておくことが望ましい。
また、ヒータ82を併用しながら温度センサ81で温度測定を行なう場合でも、以上の説明と同様にして吐出確認等を行なえばよい。ただし、ヒータ82による加熱効果により、気化完了までの設定時間は相対的に短縮されてΔt’となる。また、霧状フラックスF’中のアルコール成分の蒸発(気化)が活発化するため、温度差の閾値は相対的に大きくなってΔT’に設定される。このように、ヒータ82を用いることによって、揮発成分の割合が相対的に低いフラックスや常温で揮発しにくいフラックスの場合でも蒸発(気化)が促進されて、より短時間で吐出確認が行なえる。
図4は、図1のフラックス塗布用ノズルを用いたフラックス塗布装置の一例を示す配管図である。図4のフラックス塗布装置100は、図1で説明したフラックス塗布用ノズル3と、プリント配線基板W(ワーク)の半田付け位置Sに塗布する液状のフラックスF(液体)を貯留する貯留タンク2(貯留部)と、貯留タンク2からシリンジポンプ10内に収納したフラックスFを所定量毎に吐出してノズル3に供給するシリンジポンプユニット1とを備えている。
シリンジポンプユニット1は、液状のフラックスFが収納されるシリンジポンプ10と、可逆式電動モータ20(駆動源;例えばステッピングモータ)と、モータ20からの駆動力をシリンジポンプ10へ動力伝達する伝動機構30とを備えている。
シリンジポンプ10は、フラックスFを吐出又は吸引する開口部11aが一端側に形成されたシリンダ11と、そのシリンダ11の他端側から摺動可能に挿入されたピストン12とを有している。モータ20は、シリンジポンプ10のピストン12を軸線方向に直線的に移動させて、開口部11aからフラックスFを所定量毎に吐出又は吸引させる。また、伝動機構30において、カップリング21を介してモータ20と接続されたボールねじ39(ねじ部材)がピストン12と平行状に配置されている。そして、ボールねじ39の雌ねじ部材39aは、ピストン12の基端部と連結され、かつそのピストン12と平行状に配置された直線状のガイド39bに摺動可能に着座している。
シリンダ11の開口部11aからノズル3に至る管路及び貯留タンク2からシリンダ11の開口部11aに至る管路には、4ポート2位置型の電磁切換弁101が介装されている。また、雌ねじ部材39aの移動範囲を規定するリミットスイッチ102A,102Bの検知信号に基づいて、電磁切換弁101(のソレノイド)及びモータ20に作動制御信号が発せられる。
図4では、電磁切換弁101がシリンダ11の開口部11aとノズル3とを連通させる位置(a位置)にあり、貯留タンク2からシリンダ11の開口部11aに至る管路は閉じられている。この状態で、モータ20が一方向(例えば反時計回り)に回転すると、ピストン12が上向きに移動して開口部11aから一定量毎にシリンダ11内のフラックスFを吐出する。そのフラックスFは電磁切換弁101を介してノズル3に供給され、液状フラックスF(又は上記した霧状フラックスF’)がプリント配線基板Wの半田付け位置Sに塗布される。
雌ねじ部材39aがリミットスイッチ102Bに当接すると、その検知信号に基づいて、電磁切換弁101が貯留タンク2とシリンダ11の開口部11aとを連通させる位置(b位置)に切り換えられ、シリンダ11の開口部11aからノズル3に至る管路は閉じられる。同時に、モータ20の回転も逆方向(例えば時計回り)に切り換わり、ピストン12は下向きに移動し、電磁切換弁101を介して貯留タンク2からフラックスFを汲み上げて、開口部11aから一定量毎にフラックスFを吸引しシリンダ11内に収納する。
そして、雌ねじ部材39aがリミットスイッチ102Aに当接すると、再び図4の工程を繰り返す。以下同様にして、開口部11aからのフラックスFの吐出と吸引とが、フラックス塗布装置100を長時間停止させることなく継続的に行なわれる。
なお、これらの各工程を通じ、貯留タンク2を密閉状にして加圧気体(例えば加圧空気)を導入し、フラックスFの液面に与圧をかけておくことが望ましい。これによって、吸引工程で、シリンジポンプ10による貯留タンク2からの汲み上げが容易になり、気泡の混入頻度も低下する。
次に、ワーク(プリント配線基板W)に対するフラックス塗布が終了し、次のワークとの交換が行なわれるとき、図5に拡大して示すように、ノズル3は、半田付け位置S(塗布位置)を含む作業エリアから離れて位置する検査エリア内の測定位置Mに移動する。この検査エリアには図1とほぼ同様の温度測定部80が配置され、温度センサ81は測定皿83に載置されている。
検査エリア内では、図2,図3の説明と同様にして、霧状フラックスF’の吐出確認が行なわれる。吐出正常と確認されると、エアシリンダ96(図1参照)の作動によって(図2のS6)、ノズル3は再び作業エリア内の半田付け位置S(塗布位置)に戻り、次のワークに対するフラックス塗布工程を開始する。
ところで、ワーク交換時間(通常5秒間以上)よりも受け面81aでの気化完了までの設定時間Δt(図3参照;例えば1〜3秒間)の方が短くなるように設定すれば、ワーク交換毎に検査エリア内でノズル3の吐出確認を行なっても、無駄時間を生じにくい。
図5のようにノズル3を移動させる代わりに、図6に示す態様を採用してもよい。図6では、ノズル3を固定配置するとともに、温度センサ81、ヒータ82、測定皿83をユニット化し、そのユニット化された検査ユニット800を検査位置と退避位置との間で移動させている。この例では、ノズル3は、検査ユニット800が退避位置にあるときフラックス塗布工程を実行し、検査ユニット800が検査位置にあるとき吐出検査工程を実行することになる。
なお、以上の実施例では、液体吐出用ノズルをフラックス塗布用ノズル3としてフラックス塗布装置100に適用する場合のみについて説明したが、液体吐出用ノズルをその他の液体にも適用することができる。また、温度センサ81は、図1や図5のように直接霧状フラックスF’に接触する形態で用いられる他、図5の測定皿83に埋め込んだり、測定皿83の下面(裏面)に貼り付けたりする非接触形態で用いてもよい。
1 シリンジポンプユニット
2 貯留タンク(貯留部)
3 フラックス塗布用ノズル(液体吐出用ノズル)
10A,10B シリンジポンプ
40 霧化部
40a 貫通孔
41 超音波ホーン(超音波振動部)
50 カバー部
51 開口部
60 エアチャージ室(圧力室)
80 温度測定部
81 温度センサ
82 ヒータ(加熱手段)
100 フラックス塗布装置
F 液状フラックス(液体)
F’ 霧状フラックス
G 加圧空気(加圧気体)
M 測定位置
S 半田付け位置(塗布位置)
W プリント配線基板(ワーク)
2 貯留タンク(貯留部)
3 フラックス塗布用ノズル(液体吐出用ノズル)
10A,10B シリンジポンプ
40 霧化部
40a 貫通孔
41 超音波ホーン(超音波振動部)
50 カバー部
51 開口部
60 エアチャージ室(圧力室)
80 温度測定部
81 温度センサ
82 ヒータ(加熱手段)
100 フラックス塗布装置
F 液状フラックス(液体)
F’ 霧状フラックス
G 加圧空気(加圧気体)
M 測定位置
S 半田付け位置(塗布位置)
W プリント配線基板(ワーク)
Claims (5)
- アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする液体吐出用ノズル。 - アルコール等の揮発成分を含有するフラックス等の液体を微量毎に超音波振動の印加により霧化させて吐出するための開口部を有する液体吐出用ノズルであって、
霧状となった前記液体の吐出方向において、前記開口部から所定距離離間して温度測定部を設け、
その温度測定部は、前記開口部から吐出した霧状の液体又はその周囲の大気と接触して、その液体中の揮発成分が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を感知し、前記開口部からの前記霧状の液体の吐出の有無及び/又は吐出量を検出することを特徴とする液体吐出用ノズル。 - 前記温度測定部の近傍には、前記液体中の揮発成分の蒸発を促進するための加熱手段が設けられている請求項1又は2に記載の液体吐出用ノズル。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出用ノズルと、
前記液体として半田付け位置に塗布すべき液状のフラックスを貯留する貯留部と、
その貯留部から前記フラックスを吸引して収納し所定量毎に吐出して前記ノズルに供給するシリンジポンプとを備え、
前記貯留部のフラックスが前記シリンジポンプ内に収納され、そのシリンジポンプ内のフラックスが吐出して前記ノズルに供給され、そのシリンジポンプから供給されたフラックスが前記ノズルの開口部から吐出して、前記半田付け位置にスポット状に塗布されることを特徴とするフラックス塗布装置。 - 前記温度測定部は、前記半田付け位置を含む作業エリアとは離れて位置する検査エリア内に配置され、
前記ノズルを前記検査エリア内の測定位置に移動させ、前記温度測定部にて前記開口部からのフラックスの吐出を検出した後前記作業エリア内の半田付け位置に戻り、前記開口部から前記フラックスを塗布する請求項4に記載のフラックス塗布装置。
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