JP2006263258A - 身体不自由者の吊りモッコ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モッコに乗せて吊り上げ中に身体不自由者が楽な姿勢を取りやすく、また、身体不自由者を乗り下りさせるのに都合が良く、たとえ自動車の座席であっても、その作業が容易となる吊りモッコ装置を提供する。
【解決手段】 身体不自由者が腰掛け状となり得るように前端開口形の座面体の後端に背もたれと頭当部とが角度変向可能に連設されるモッコと、モッコを吊り下げるバー本体の両側にプーリを回転可能に軸支した吊りバーとからなり、モッコについて、座面体の両側にループ状に長さ調整可能な吊りバンドをそれぞれ前後連結部で取り付け、頭当部にはループ帯をそれぞれ上下連結部で取り付け、吊りバーの両端のプーリにそれぞれ巻き取り巻き戻し可能に接続される支持ロープをそれぞれループ帯にスライド可能に結合し、さらに、吊りバーの中央部にバー本体に対してプーリを回転させる回転駆動装置を設けた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、手押し車と自動車との間、手押し車とベッド又は浴槽との間、さらにはベッドと浴槽との間というように、老人や身体障害者などの身体不自由者を移しかえるために乗せるモッコ吊り装置に関する。
身体不自由者を車椅子から乗用車に乗せるには、一般的に、看護人が抱えながら移動させていたが、脱力している身体を持ち上げるために非常に重労働であることはもちろん、殊に、体重の多い寝たきりの場合であると移動が困難であったり無理であったりするので、機械的に移動させる手段の一つとして身体不自由者を吊り上げる方法が採られ、この場合、支柱が用いられ、支柱から横に突出したアームにより身体不自由者を吊り上げる提案があり、その場合に身体不自由者を乗せるモッコ(畚)が使用される。
しかし、従来のモッコは、敷布の両側にループ状にロープやバンド等を取り付けたもので、これを使用するときには、両側のバンド等を支持アームの先端から下ろしたフックに引っかけることから、敷布にはフックが位置する中心に向かって周囲が引かれることになる関係で、これを使用すると、吊り上げられた身体不自由者が海老のように曲がるばかりでなく、両足、両腕の間が狭まるよう身が縮むように圧迫される等、非常に苦しい姿勢が強いられるという問題があった。
また、モッコに乗せたり下ろしたりするときに、身体不自由者を抱き抱えて移すと重く作業が困難であり、特に、乗り下りさせる場所が自動車の座席であると、されに困難を極めるという問題があった。
この発明は、上記のような実情に鑑みて、モッコに乗せて吊り上げ中に身体不自由者が楽な姿勢を取りやすく、また、身体不自由者を乗り下りさせるのに都合が良く、たとえ自動車の座席であっても、その作業が容易となる吊りモッコ装置を提供することを課題とした。
上記の課題を解決するために、この発明は、身体不自由者が腰掛け状となり得るように前端開口形の座面体の後端に背もたれと頭当部とが角度変向可能に連設されるモッコと、モッコを吊り下げるバー本体の両側にプーリを回転可能に軸支した吊りバーとからなり、モッコについて、座面体の両側にループ状に長さ調整可能な吊りバンドをそれぞれ前後連結部で取り付け、頭当部にはループ帯をそれぞれ上下連結部で取り付け、吊りバーの両端のプーリにそれぞれ巻き取り巻き戻し可能に接続される支持ロープをそれぞれループ帯にスライド可能に結合し、さらに、吊りバーの中央部にバー本体に対してプーリを回転させる回転駆動装置を設けたことを特徴とする吊りモッコ装置を提供するものである。
吊りモッコ装置を上記のように構成したから、身体不自由者が寝たきりのときには、その横に敷いて転がして乗せ、転がして下ろすことができるが、車椅子や自動車の座席に座っているときには、座面体を前端開口から挿入するようにして尻下に入れて乗せ、逆に引き出して下ろすことができる。
また、乗せた状態においては、回転駆動装置でプーリを回転して支持ロープを巻き取り又は巻き戻すことにより、背が立っている状態から傾斜するまでの範囲で背もたれを自由な角度に調整でき、しかも、ループ帯に対して支持ロープの接合部の位置を調整することにより頭当部の角度も調整ができる。
以上説明したように、この発明によれば、モッコに身体不自由者を乗り下りさせるのに都合が良く、乗り降りさせる相手が車椅子や自動車の座席であっても容易にその作業ができる。また、モッコに乗せて吊り上げ中に身体不自由者が楽な姿勢を取りやすいという優れた効果がある。
吊りモッコ装置は、モッコ1とその吊りバー2とからなるもので、図1および図2は、モッコ吊り装置の基本的な実施形態を示し、図3は、自動車Aに身体不自由者Hを乗り下りさせるときの基本的な使用状態を示す。まず、これらの図面について説明する。
モッコ1は、身体不自由者Hが尻をのせる座面体3の後端に背もたれ4を屈折可能に連設し、背もたれ4の上端部に頭当部5がこれも屈折可能に設けられる。そして、座面体3の両側にはループ状に吊りバンド7,7を取り付け、背もたれ4には頭当部5の両側にループ帯9,9を取り付け、ループ帯9,9にスライド可能に(位置調整可能に)支持ロープ11,11が連結される。このスライド可能な接続には様々な方法があり、単に結んでも良いが、図8に示すスライド接続具12を使用できる。なお、この明細書において、吊り部材として称呼されるバンド、帯、ロープ、紐は、相互に特別な違いがないものとし、他の呼び名の部材が使用されることもある。
吊りバー2は、中央部に吊り部13が突設される筒形のバー本体15を主体とし、その両端にプーリ17,17を回転可能に取り付けたもので、さらに中央部には、プーリ17,17の回転駆動装置19が設けられる。そして、モッコ1の吊りバンド7,7は、バー本体15の両端に掛けられるが、支持ロープ11,11はプーリ17,17に巻き取り可能に連結される。また、バー本体15の両端には、吊りバンド7,7の滑りを止めるために開閉可能に押え16,16が取り付けられる。なお、プーリ17に支持ロープ11を巻き取るためにそれに端が結合されるが、その結合の仕方も様々となり、また、取り外し可能にしておくことが望ましい。
また、座面体3は、前端開口形である。すなわち、中央部に抜け穴22が設けられ、それが前端に開口している。そして、その開口部23に閉塞装置が設けられる。そこで、身体不自由者Hを乗り下りさせるときには、尻の下に開口部23から出し入れすることにより座面体3を尻が載った状態に容易に装着できる。しかし、身体不自由者Hが乗る使用中においては、閉塞装置25で閉じておくことにより安全に吊り上げ運搬をなしうる。ただし、座面体3が便座のように硬質であると、閉塞装置は必ずしも要しない。
閉塞装置は、開口部23の両側にバンド25,26を取り付け、雌雄ジョイント20,21で両方が接続される。その他、吊りバンド7,7の両端の連結部27,28や、ループ帯9,9の両端の連結部29,30には、同じく雌雄ジョイント20,21が用いられるが、これは自動車のシートベルトと同じ構造のものでも良い。また、吊りバンド7,7の長さを調節する調整具33についても同じくシートベルトの調整具と同様な構造のものを使用できる。雌雄ジョイント20,21については、シートベルトにおけるものとは違った構造のものを図6及び図7において後で説明する。
プーリ17,17の回転駆動装置19は、モータの駆動によるもので、家庭内に持ち込んで充電できる着脱可能なバッテリー35が取り付けられ、スイッチ37によりプーリ17,17の正転、逆転、停止等の操作できるようになっている。しかし、バッテリー35が一体に取り付けられ、それから電源コードが引き出されている形態であっても良い。また、スイッチ盤により遠隔操作できるようにしてあっても良い。
モッコ1は、以上説明した構造から、吊りバー2に吊り下げた状態において、身体不自由者Hに最も具合の良い姿勢が取れるように形態変化をなし得るようになっている。これを以下図2について説明する。
図2(a)は、吊りバー2の両端のプーリ17,17を回転駆動装置19により回転させ支持ロープ11,11を巻き取ることにより、背もたれ4を起立に近い傾斜状態にしたもので、車椅子や自動車Aの座席に乗り下りさせる時に適した形態である。
次に、(b)は、支持ロープ11,11の巻き取りを長く引き戻して背もたれ4を低く傾斜させた状態を示しており、運搬中や浴槽に浸からせる際に適した形態と言える。また、この場合、頭当部5は背もたれ4に対してやゝ前へ傾斜させた。これにはループ帯9,9に対する支持ロープ11,11の結合位置の調整が伴う。
(c)は、同様な操作により、背もたれ4と頭当部5の傾斜角度を多くした。頭当部5の傾斜角度については、頭当部5に身体不自由者Hの頭部の重みが加わると、スライド接続具12の箇所を頂点として、頭当部5の連結部29,30間を底辺とする三角形が構成されるため、頭当部5の傾斜角度がこの時に構成された三角形により一定に保持されることになる。
図3は、この発明の吊り搬送機の一使用例として、自動車Aに吊り搬送機Tを横付けし、身体不自由者Hを自動車Aの座席に乗り下りさせる中途の状態を示したものである。この場合、吊り搬送機Tの構造については、ベース板39に支柱41を立設し、それが転倒不能に自動車Aに支持され(詳細は図示省略)、支柱41の上端に昇降筒43が図示しない動力源により上下駆動されるように嵌められ、それに屈折可能な吊りアーム45が突設される。そして、吊りアーム45に吊りバー2が吊り下げられ、モッコ1に身体不自由者Hが乗っている。
吊りバー2については、回転駆動装置19は様々となるが、図4に具体的な実施形態を説明すると、筒形のバー本体15の両端にプーリ17,17が回転可能に軸支されるが、その駆動軸47が幾つかのベアリング49に支持されることにより、バー本体15の中心を通っており、駆動軸47の中間にウオーム歯車51が固着される。そして、このウオーム歯車51にウオーム53が噛み合うように、バー本体15に窓穴55が開口され、それを塞ぐようにケーシング57が開閉可能に装着され、その中に、ウオーム53が軸支される他に、それを回転するモータ59が内装されるが、その間には、減速に伴う倍力を高めるために一対の食違傘歯車61,63が介在される。
図6及び図7は、雌雄ジョイント20,21(プラグ及びソケット)の具体的な実施形態を示したもので、これによると、両方にはバンドの通し穴65,65を有し、雌ジョイント20では、雄ジョイントの差込口67の奥に側面に開口する掛止穴69,69が形成され、さらに奥端には軸穴71が設けられる。一方、雄ジョイント21については、二股弾性片62,62に掛止穴69,69に掛かる逆止爪71,71が形成され、その間に軸穴71に差し込まれる軸73が突設される。
図9は、吊り搬送機Tにこの発明の吊りモッコ装置Pを一体に組み込んだ場合を示したもので、吊り搬送機Tの吊りアーム81に吊りバー2が伸縮自在に取り付けられ、支柱80に嵌まる昇降筒83にその昇降や、吊りバー2の伸縮、プーリ17,17の回転をなす電動による駆動装置85が装備される。87は支柱80を自動車に固定するための支持アームである。
この発明の基本的な形態を示す吊りモッコ装置の斜視図である。 同吊りモッコ装置の形態変化(a)、(b)、(c)を示す側面図である。 同吊りモッコ装置の一使用例を示す斜視図である。 この発明に係る回転駆動装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 同回転駆動装置の断面図である。 モッコに使用するバンド等の雌雄ジョイントを示す斜視図である。 同雌雄ジョイントの結合状態を示す断面図である。 モッコのループ帯に対する支持ロープの結合状態の一例を示す斜視図である。 この発明の他の実施形態を示す吊り搬送機の側面図である。
符号の説明
P 吊りモッコ装置
T 吊り搬送機
H 身体不自由者
1 モッコ
2 吊りバー
3 座面体
4 背もたれ
5 頭当部
7 吊りバンド
9 ループ帯
11 支持ロープ
15 バー本体
17 プーリ
19 回転駆動装置
22および23 開口形のための抜け穴及び開口部
27,28,29,30 連結部

Claims (2)

  1. 身体不自由者が腰掛け状となり得るように前端開口形の座面体の後端に背もたれと頭当部とが角度変向可能に連設されるモッコと、モッコを吊り下げるバー本体の両側にプーリを回転可能に軸支した吊りバーとからなり、モッコについて、座面体の両側にループ状に長さ調整可能な吊りバンドをそれぞれ前後連結部で取り付け、頭当部にはループ帯をそれぞれ上下連結部で取り付け、吊りバーの両端のプーリにそれぞれ巻き取り巻き戻し可能に接続される支持ロープをそれぞれループ帯にスライド可能に結合し、さらに、吊りバーの中央部にバー本体に対してプーリを回転させる回転駆動装置を設けたことを特徴とする身体不自由者の吊りモッコ装置。
  2. モッコの座面体に対する吊りバンドと、背もたれの頭当部に対するループ帯とを着脱可能にしてあることを特徴とする請求項1記載の身体不自由者の吊りモッコ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109431742A (zh) * 2018-10-29 2019-03-08 王美玉 一种心内科康复装置

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