JP2006259681A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】環境安定性、帯電均一性、クリーニング性、転写性、耐久性に優れるトナーを提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子を外添してなるトナーにおいて、トナーの体積平均径が4から10μmであり、トナーの酸価が2から33mgKOH/gであり、荷電制御剤の含有量が0.1から1.5%であり、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が10%以下であり、更にトナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率が、関係式:30%>無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤>0%を満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷の如き静電荷像を現像するためのトナーまたはトナージェット方式の画像形成に用いるトナーに関する。
静電手段によって光導電材料の表面に静電潜像を形成し、トナーにより現像することは従来周知である。例えば、米国特許第2,297,691号明細書(特許文献1)、特公昭42−23910号公報(特許文献2)及び特公昭43−24748号公報(特許文献3)等、多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像上にトナーと呼ばれる極く微細に粉砕された検電材料を付着させることによって静電潜像に相当するトナー像を形成する。次いで必要に応じて紙の如き画像支持体(転写材)表面にトナーを転写した後、加熱、加圧或いは溶剤蒸気などにより定着した複写物を得るものである。また、トナー画像を転写する工程を有する場合には、通常残余のトナーを除去するための工程が設けられる。
上記のような画像形成法に用いられるトナーは、トナーとキャリアから成る二成分現像剤においては、キャリアとの摩擦によって、トナーのみから成る一成分現像剤においては、帯電付与部材との摩擦によってトナーを所定の帯電量及び帯電極性に帯電せしめて、静電引力を利用して静電潜像を現像するが帯電特性を安定にするために、アゾ系の金属錯体やアルキル置換サリチル酸の金属錯体のような有機金属錯体が荷電制御剤として用いられている。
しかしながら、上記従来のトナーにおいては、トナー表面層にある荷電制御剤の遊離性により、トナーの環境安定性がなくなり、トナーの帯電が不均一となりやすく、また経時的に帯電性が低下し、トナー飛散や地汚れが増加する原因となり、さらに遊離した荷電制御剤が現像剤の担持搬送部材や潜像担持体に付着して劣化を引き起こし、十分な耐久性が得られない。
また、上記画像形成法に用いられる現像剤としてのトナーが樹脂着色剤および荷電制御剤を含む母体トナー粒子のみから成っていたのでは、流動性、転写性、現像性などの特性が十分でない。そのため、これらの特性を改善するために、トナー粒子に外部添加剤として、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物微粒子あるいは外添潤滑剤として機能する金属石けん等の有機微粒子を添加することが行われている。一般に、シリカ等の無機酸化物を添加剤として添加すると、流動性が向上し、良好な帯電特性が得られるが、母体トナーに付着せずに遊離している添加剤により、現像剤の担持搬送部材や潜像担持体に付着してフィルミング現象などの現像障害を引き起こす。また、添加剤が母体トナーに均一に付着していたとしても、経時でトナー中における添加剤の存在状態が変化し、母体トナー中に埋没したり、母体トナーから脱離して遊離する添加剤の割合が徐々に増加する。これにより、経時で流動性が悪化するため、トナーの帯電が不均一となりやすく、また経時で帯電性が低下し、トナー飛散や地汚れが増加する原因となり、さらに遊離した添加剤が現像剤の担持搬送部材や潜像担持体に付着してフィルミング現象などの現像障害を引き起こし、十分な耐久性が得られない。
上記のような問題に対して、多くの研究がなされている。例えば、特開2002−72544号公報(特許文献4)には、バインダー樹脂、着色剤を含むトナー粒子及び外添剤を有する静電荷像現像用トナーにおいて、酸化チタン微粒子とシリカ微粒子が外添されたときのトナー粒子表面における個数遊離率について示されている。また、特開2003−270838号公報(特許文献5)には、バインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤及び無機微粒子を少なくとも含有し、該バインダー樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、該バインダー樹脂の酸価が2.0乃至50.0mgKOH/gであり、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が0.01%〜10.0%であることを特徴とするトナーについて提案しており、荷電制御剤の含有金属、無機微粒子の個数遊離率についても言及している。
米国特許第2,297,691号明細書 特公昭42−23910号公報 特公昭43−24748号公報 特開2002−72544号公報 特開2003−270838号公報
しかしながら、これら先行技術においては、荷電制御剤を含有するトナー粒子および無機微粒子により構成されるトナー(組成物)において、トナー粒子から遊離した無機微粒子あるいは無機微粒子および荷電制御剤の個数遊離率のみを考慮するものであって、有機微粒子を更に含むトナー(組成物)における、有機微粒子の個数遊離率、無機微粒子及び有機微粒子の付着していない母体トナー粒子の個数遊離率については考慮されておらず、有機微粒子を含有するトナーにおいて、トナーの環境安定性、帯電均一性、クリーニング性、トナーの転写性、耐久性について、改良すべき点があった。
従って、本発明の主要な目的は、有機微粒子を含むトナーであって、環境安定性、帯電均一性、クリーニング性、トナーの転写性、耐久性が総合的に改善されたトナーを提供することにある。
本発明のトナーは、上記目的を達成するために開発されたものであり、ポリエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子を外添してなるトナーであって、トナーの体積平均径が4から10μmであり、トナーの酸価が2から33mgKOH/gであり、荷電制御剤の含有量が0.1から1.5%であり、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が10%以下であり、更にトナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率が、関係式:30%>無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤>0%を満足することを特徴とするものである。
本発明者が上記目的で研究して、本発明に到達した経緯について、若干付言する。上記した特開2002−72544号公報あるいは特開2003−270838号公報における、荷電制御剤を含有するトナー粒子および外添剤無機微粒子からなるトナーにおいて、トナー粒子からの無機微粒子あるいは無機微粒子および荷電制御剤の個数遊離率がトナー性能に大きな影響を与えるという認識は正しい。しかし、更に外添剤として、有機微粒子を含有する多種粒子の混合系であるトナーにおいては、トナー粒子からの有機微粒子の個数遊離率もトナー性能に大きく影響する。特に上記特開2003−270838号公報に規定されるように、荷電制御剤の個数遊離率が10%以下に抑制されていても、その個数遊離率が有機微粒子の個数遊離率より大なるときには、かぶり、クリーニング性、転写性等において劣る(後記比較例3および6)のに対し、有機微粒子の個数遊離率よりも小なるときには、これら問題点が著しく改善されている(後記実施例7,8および11)。また、無機微粒子が付着していないトナー粒子および有機微粒子の付着していないトナー粒子も一定範囲にあることによりトナー性能の総合的改善も可能になる。そして、これら各粒子の個数遊離率は、主たるバインダー樹脂であるポリエステル樹脂の酸価、荷電制御剤、無機微粒子、有機微粒子の選択および粉体混合条件の選択により制御可能である。本発明のトナーは、このような知見に基づいて完成されたものである。
また、本発明のトナーは、上記荷電制御剤がZr含有荷電制御剤であるときに特に有効である。すなわち、本発明は別の観点に従い、ポリスエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子を外添してなるトナーであって、トナーの体積平均径が4から10μmであり、トナーの酸価が2から33mgKOH/gであり、荷電制御剤の含有量が0.1から1.5%であり、荷電制御剤がZrを含有し、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が10%以下であることを特徴とするトナーを提供するものである。
本発明に係るトナーによれば、高温高湿または低温低湿のいずれの動作環境においても、高濃度でかぶりが無く、クリーニング不良が少なく、しかも転写性および耐久性に優れたトナーが提供できる。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子とを外添混合してなるものである。
トナー粒子を構成するバインダー樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とする。ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコールとの重縮合によって得られる。多価カルボン酸又は低級アルキルエステルとしては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪族二塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、及び無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族二塩基酸、及びこれらのメチルエステル、エチルエステル等を例示することが出来る。この中でフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族二塩基酸及びそれらの低級アルキルエステルが好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、などのジオール、グレセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどのトリオール、及びそれらの混合物を例示することが出来る。この中でネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
重合は公知の重縮合、溶液重縮合等を用いることが出来る。これによってカラートナーの色材の色を損なうことなしに、良好なトナーを得ることができる。
バインダー樹脂は、上記したポリエステル樹脂単独が好ましく用いられるが、必要に応じて少量成分として、例えばポリスチレン樹脂、スチレン/アクリレート共重合体樹脂、ポリエステル−スチレン/アクリレートハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル・ポリオール樹脂等が使用可能である。バインダー樹脂にはポリエステル樹脂が60重量部以上含まれ、トナー化後の酸価が2から33mgKOH/gであることが、環境における帯電安定性を保つために好ましい。
酸価が2mgKOH/gよりも小さい場合には、荷電制御剤の樹脂への分散性が低下するため、トナー組成物中で荷電制御剤が局在化し、そこでの強度が低下して、粉砕時に荷電制御剤の個数遊離率が増加する傾向を示す。また粒子間の帯電量差が大きく、トナー帯電量分布がブロードとなり、多数枚印刷後は、カブリ、トナー飛散などの弊害が発生しやすくなる。さらに、樹脂が硬くなるために粉砕性が悪くなり、所定の粒度にするための生産効率が悪くなり、生産コストのアップにつながる。
反面、酸価が33mgKOH/gよりも大きい場合には、水分の吸湿性が大きく、湿度環境の変化により、帯電量が不安定になり、特に高温多湿環境では、帯電量が低下して、カブリ、トナー飛散などの弊害が発生する。
バインダー樹脂の酸価以外の特性について触れると、4色重なる像が形成される定着されるカラートナーでは、透光性、耐オフセット性、着色剤の分散性向上の観点から、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナーは、1色の現像であるモノカラートナーとしても使用される。ブラックトナーは透光性、平滑性はあまり考慮する必要がなく、トナー定着像の溶融性を上げること、および耐オフセット性を向上させるために適度な粘弾性を有するものにすることが必要になるため、カラートナー用樹脂とは、異なる分子量や軟化点を有する樹脂を用いることが好ましい。
すなわち、カラートナーに使われうる樹脂としては、重量平均分子量Mwが1万〜18万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜20、軟化点が90〜130℃の範囲であることが好ましい。また、ブラックトナーに使われうる樹脂としては、重量平均分子量Mwが1万〜15万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1〜15、軟化点が90〜130℃範囲であることが好ましく、さらにブラックトナーには、低温域での定着強度を向上させるために、結晶性を有するポリエステル樹脂を用いても良い。
本発明においては、有機金属錯体を荷電制御剤としてトナー粒子中に内添する。かかる荷電制御剤の含有元素は、帯電量の高さ、環境安定性の点でZrが好ましい。Zr含有荷電制御剤は、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸等のアルキル芳香族カルボン酸のZr錯体の形態のものが最も好ましく用いられる。また、本発明に用いられる荷電制御剤は、本発明において規定した個数遊離率を達成するために、その個数平均粒径が0.1〜8μmであることが好ましく、さらに0.1〜6μmであることが望ましい。また、本発明にかかる個数遊離率を達成し、帯電安定性を得るためには、荷電制御剤の添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜1.5重量部であることが好ましく、0.1〜1.0重量部であることがより好ましい。
粒径が0.1μmよりも小さい場合、トナー中に分散された荷電制御剤粒子が表層部分に少ないために、帯電の立ち上がり遅く、飽和帯電量が小さくなり、十分な帯電安定性が得られない、高湿環境下での帯電量が不足する。そのため、カプリ、トナー飛散、極端に画像濃度が高くなるなどの弊害が発生する。
粒径が8μmよりも大きい場合、粉砕、分級の際にトナーから欠落する荷電制御剤粒子が多くなり、荷電制御剤の遊離率が増大し、さらには、荷電制御剤の粒度よりも小さな粒度を有するトナーを製造することが困難になり、体積平均径が4から10μmのトナーを得ることが困難になる。
本発明に使用される着色剤としては、公知の染顔料が使用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、111,128、129、147、168又は180が好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー93、162、163等の染料を併用しても良い。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3,48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221又は254が好適に用いられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60,62、66が特に好適に利用できる。
これらの有彩色着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。これらの着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。本発明の黒トナーに用いられる着色剤としては、0.1μm以下の粒度を有するマグネタイト微粒子が好ましく、カーボンブラックや顔料を調色したものを用いる際には、さらにFe金属を有するアゾ含金属錯塩染料を併用することが好ましい。
黒色着色剤は、樹脂100重量部当り1〜20重量部添加して用いられる。
本発明のトナーは、着色剤として、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤及びブラック着色剤をそれぞれ使用して、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーを構成し、これら4色のカラートナーの組み合わせで用いてフルカラー画像形成に用いることができる。
トナー粒子中には、転写時の耐オフセット性の改善、粘弾性の調整等のために必要に応じて、ワックスを添加することができる。このような目的で加えるワックスとしては、例えばライスワックス、カルナバワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の合成ワックスを使用することができる。ワックスは、通常バインダー樹脂100重量部当り、1〜10重量部の割合で添加することが好ましい。
上記した、バインダー樹脂、荷電制御剤、着色剤、必要に応じて加えるワックス等の成分を含むトナー粒子は、各種方法により製造可能である。すなわち、熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によって構成材料を良く混練した後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級してトナーを得る方法;バインダー樹脂溶液中に着色剤の如き材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法;バインダー樹脂を構成すべき重合性単量体に所定材料を混合して単量体組成物を得、この組成物の乳化懸濁液を重合させることによりトナーを得る懸濁重合による方法;単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合による方法;予め一次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法によるトナー製造法などが応用できる。粒子形成後、必要に応じて更に分級を行うことにより、体積平均粒径(100μmアパーチャーのコールター・カウンタ(測定下限粒径1.26μm)により測定した粒径分布に基づく)が4〜10μmの本発明での使用に適したトナー粒子が得られる。
本発明のトナーにおいて、無機微粒子をトナー粒子表面に外添する。かかる無機微粒子は公知のものが使用可能であるが、トナーに対する高流動性、高帯電性、高研磨性の付与の点で、特に、酸化チタン、シリカが好ましい。本発明に用いられる酸化チタン微粒子の原材料、製造方法などは、特に制約されないが、硫酸法によって生成された酸化チタン粒子を疎水化処理して得られた酸化チタン微粒子が好ましい。本発明に用いられるシリカ微粒子の原材料、製造方法などは、特に制約されないが、四塩化ケイ素を高温で焼成して得られるシリカ粒子を疎水化処理して得られたシリカ微粒子が好ましい。
無機微粒子は、個数平均一次粒子径が100nm以下、好ましくは10〜100nmのものを、後述する無機微粒子の個数遊離率を考慮しつつ、合計量でトナー粒子100重量部当り、0.3〜10重量部の割合で外添することが好ましい。特に疎水化シリカと酸化チタンとを、10:1〜5:10の重量比で混合して用いることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、更に有機微粒子をトナー粒子表面に外添する。かかる有機(金属)微粒子は公知のものが使用可能であるが、ドラム上のフィルミング防止、スペントトナー減少、転写性向上の点で、特に金属セッケン微粒子が好ましい。本発明に用いられる金属セッケン微粒子としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸非アルカリ金属塩であり、含有金属元素として亜鉛、カルシウムを含むものが好ましい。本発明に用いられる金属セッケン微粒子の原材料、製造方法などは、特に制約されないが、脂肪酸と金属の酸化物または水酸化物を直接反応させる直接法、及び脂肪酸アルカリ金属塩と非アルカリ金属塩を水中で反応させて金属石鹸を沈殿させる複分解法で得られた粉末を最大径として5μm以下に粉砕して得られたものが好ましい。
なお、本明細書に記載の、荷電制御剤、無機微粒子及び有機微粒子の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(測定下限粒径:約10nm)((株)島津製作所製「SALD−2000型」、(株)堀場製作所製「LA−700型」等)による測定値に基づく。
本発明に従い、上記した無機微粒子、有機微粒子のトナー粒子からの個数遊離率、更にはトナー粒子(無機微粒子または有機微粒子の付着していない)の個数遊離率を規定する。
ここで本発明のトナーを規定する、トナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子及び有機微粒子の個数遊離率は、パーティクルアナライザー(「PT1000」:横河電機(株)製)により、それぞれの微粒子が持つ特定の金属元素の個数遊離率を測定することによって得ることができる。パーティクルアナライザーはJapan Hardcopy97論文集、第65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具体的には、該装置はトナー等の微粒子を一個ずつ、電子密度5×1013cm−3、励起温度3,300K、20,000Kを超える高い電子温度を持つ高温の非熱平衡型プラズマへ導入し、この励起に伴う微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知る事ができる。この中で、遊離率とはバインダー樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、測定対象元素の発光の同時性から下記に示す式により求めた値と定義する。
[数1]
測定対象元素を持つ微粒子の遊離率(%)=〔A/(A+B)〕×100
A:測定対象元素のみの発光回数
B:炭素原子と同時に発光した測定対象元素の発光回数
具体的な測定方法としては、0.1%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%の環境にて測定を行ない、チャンネル4で炭素原子(測定波長:247.860nm、Kファクターは本体推奨値)を測定し、チャンネル1、チャンネル2、チャンネル3(Kファクターは本体推奨値)で荷電制御剤、無機微粒子及び有機微粒子に特有の測定対象元素を測定する。各チャンネルにおける測定対象元素の選択は、本体推奨の条件に従って測定を行う。また、本体一回のスキャンで炭素原子の発光数が1000±200個となる様にサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で10000以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数を積算する。このデータを元に、上記計算式を用い、母体トナー粒子に対する荷電制御剤、無機微粒子及び有機微粒子の遊離率を算出する。
同様に、バインダー樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、無機微粒子および有機微粒子に含まれる測定対象元素の発光との同時性から下記に示す式により無機微粒子及び有機微粒子の付着していない母体トナー粒子のみの遊離率が算出される。
[数2]
トナー粒子の遊離率(%)=〔C/(C+D)〕×100
C:炭素元子のみの発光回数
D:炭素原子と同時に発光した測定対象元素の発光回数。
本発明者の検討によれば、各微粒子の個数遊離率の規定の意義は、それぞれ以下の通りである。
荷電制御剤はある程度遊離粒子として存在している必要がある。すなわち荷電制御剤の遊離粒子量が検出限界(個数遊離率として約0.05%)を下回るほどに少ない場合、トナー粒子表層に存在する荷電制御剤量が著しく少なくなるため、十分な帯電安定性が得られず、高湿環境下での帯電量が不足する。そのため、カブリ、トナー飛散、極端に画像濃度が高くなるなどの弊害が発生する。
反面、荷電制御剤の遊離率が10%より大きい場合、トナー粒子表面から遊離、脱離した荷電制御剤量が著しく多くなる。そして、遊離、脱離した荷電制御剤の帯電量は著しく高いため、低湿環境下でのチャージアップが発生する。また、多数枚画出しした後、キャリア表面に遊離、脱離した荷電制御剤が付着、固着して、キャリアスペントが多くなり、キャリアの帯電付与能力を著しく低下させ、トナー帯電量分布が極端に広くなり、カブリ、トナー飛散、極端に画像濃度が高くなる、ドラム上トナーフィルミングなどの弊害が発生する。
さらに、無機微粒子の遊離率が0.1%より少ない場合、多数枚画出し試験の後半、特に高温高湿下でカブリの増大、ガサツキが生じる。一般に、高温環境下では規制部材等のストレスにより外添剤の埋め込みが起り易く、多数枚印刷後はトナー粒子の流動性は初期に比べ劣る物となってしまい、上記の問題が生じてしまうと考えられる。
反面、無機微粒子の遊離率が30%を超えると、この様な問題は生じ難く、遊離した無機微粒子がトナー粒子間にて、適度なスペーサー効果を生じ高い転写効率が得られる。しかしながら遊離率が高い事によって、湿度依存に大きく関係する環境間での帯電格差を縮小させる効果が得られず、トナー粒子表面に保持され難い無機微粒子が、現像時に現像剤担持体上から感光体へ飛翔せず、現像器下部位へボタ落ちを生じ、他のプロセス工程(帯電、転写、定着など)の部材汚染を引き起こしたり、未定着画像へ遊離飛散した無機微粒子が付着する事で、画像部での白く抜ける画像欠陥が発生するなどの問題を生じる。また、無機微粒子がトナー表面に付着していないため、長期保存安定性に対して有効に機能しない。このため、特に高温環境下で長期間保存した場合、トナー粒子同士が合一し、極端な場合にはブロック状の塊になり好ましくない。
さらに、有機微粒子の遊離率が0.1%より少ない場合、一般に、高温環境下では規制部材等のストレスにより外添剤のトナー表面への埋め込み、付着、固着が起り易く、感光体表面の滑り性が低下したり、転写効率が低下するなどの問題が発生し、廃トナーが増加したり、画像へのトナー量減少による画像濃度低下をもたらす。また、リサイクル機構を有するプロセス方式においては、前記外添剤がトナー表面に埋め込み、付着、固着したトナーが現像器中に増加し、多数枚画出し試験の後半には、十分な帯電安定性が得られずにカブリ、トナー飛散などの弊害が発生する。
反面、有機微粒子の遊離率が30%を超えると、感光体表面の滑り性が向上し、感光体表面の膜削れ量が減少し、感光体の寿命延長に効果があるが、遊離した有機微粒子の遊離率が高い事によってキャリア表面に遊離、離脱した有機微粒子が付着、固着して、キャリアの帯電付与能力低下させたり、過剰の遊離有機微粒子が感光体ドラム上に付着、固着して、ドラム上トナーフィルミングなどの弊害が発生する。また、遊離した有機微粒子同士が合一して、塊になり、現像器下部位へボタ落ちを生じ、または画像に落下して、画像部で光沢ムラなどの画像欠陥が発生するなどの問題を生じる。
さらに、無機微粒子が付着していないトナー母粒子の遊離率が0.1%より少ない場合、このようなトナーは無機微粒子がほとんどのトナー粒子表面に付着しているため、長期保存安定性に対して有効で、トナー粒子同士が合一することはないが、トナー粒子中に含まれるワックス等が定着工程において加熱されたときにトナー表面へのしみだし性が劣り、定着強度が悪くなったり、高温オフセットなどの弊害が発生しやすくなる。
反面、無機微粒子が付着していないトナー母粒子の遊離率が15%を超えると、このようなトナーは無機微粒子がトナー表面に付着していない粒子が多いため、粒子を均一に帯電することが困難となり、粒子間の帯電量差が大きく、トナー帯電量分布がブロードとなり、カブリ、トナー飛散などの弊害が発生する。
さらに、有機微粒子が付着していないトナー母粒子の遊離率が10%より少ない場合、このようなトナーの多くは有機微粒子がトナー表面に付着しているため、キャリアとのストレスにより、キャリア表面にトナー粒子が付着、固着して、キャリアの帯電付与能力を低下させたり、高温環境下で長期間保存した場合、トナー粒子同士が合一し、極端な場合にはブロック状の塊になり好ましくない。
反面、有機微粒子が付着していないトナー母粒子の遊離率が50%を超えると、このようなトナーの多くは有機微粒子がトナー表面に付着していないため、トナーによるストレスにより感光体表面の膜削れ量が増大し、感光体寿命が短くなる、トナー粒子が感光体表面に付着、固着して、ドラム上トナーフィルミングなどの弊害が発生する。
本発明に従い、更に無機微粒子、有機微粒子および荷電制御剤の個数遊離率が以下の関係を満足することが好ましい。
[数3]
30%>無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤>0%
無機微粒子の個数遊離率が30%未満が好ましい理由は上述の通りである。特開2003−270838号公報の場合と異なり、荷電制御剤の個数遊離率が検出限界である0.05%程度と少なくとも、良好なトナー性能が得られる(実施例2−6、9−10および12−15)。これは、本発明で用いるZr含有荷電制御剤の帯電付与特性が優れ、実質的な荷電制御剤の遊離量を生ずるほどにトナー粒子表層に存在する量が多くなくとも充分な帯電安定性をトナーに付与可能なためである。また併存する有機微粒子が、荷電制御剤の遊離を抑える役割をすると考えられる。また、荷電制御剤の個数遊離率がある程度増大しても、有機微粒子の個数遊離率がより大であれば、良好なトナー性能が保たれる。これは、併存する遊離有機微粒子が遊離した荷電制御剤を取り込むことにより、荷電制御剤が単独に存在することによる弊害が除かれるためと考えられる。また有機微粒子の個数遊離率が増大すると、有機微粒子の合一により生じた塊が現像機下部へボタ落ちして、機内汚れを起こし、画像に転移して画像部の光沢村などの画像欠陥を起こす等の弊害が起こりがちであるが、このような弊害は、優勢量の無機微粒子の存在により除かれる。
上記した各微粒子の個数遊離率の規定量は、バインダー樹脂の酸価、荷電制御剤の添加量、ならびに無機微粒子および有機微粒子の外添量および粒径、更には外添・混合条件を適宜調整することにより達成される。
荷電制御剤を含むトナー粒子、無機微粒子および有機微粒子の外添・混合は、例えばヘンシェルミキサー、プロシェアミキサー(太平洋機構(株)製)、ミキサー&グラニュレーター((株)奈良機械製作所製)、バーティカルグラニュレーター(パウレック(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、タービュライザ、ノビルタ(以上、ホソカワミクロン(株)製)、スーパーミキサー(カワタ(株)製)、ヘミスフィアミキサー(スギヤマジュウコウ(株)製)、メカノハイブリッド(三井鉱山(株)製)等の粉体混合手段を用いて行うことができ、特にヘンシェルミキサーを用いることが好ましい。混合時の雰囲気温度および時間を増大することにより、各微粒子の個数遊離率を低減する方向に制御可能である。
かくして得られた本発明のトナーは、それ単独で一成分系現像剤として用いることができるが、トナー粒子にかかるストレスが小さく、キャリアとの組み合わせにより、長期使用下でも各種微粒子の個数遊離率の変動の小さい二成分系現像剤として用いることが好ましい。その場合、本発明のトナーをキャリアと組み合わせて二成分系現像剤として用いる場合、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトなどが使用できる。また、その製造方法として特別な制約はない。また、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用できる。キャリア表面への被覆材としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを単独或いは複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれに制約されない。本発明のトナーを組み合わせるキャリアの好ましい態様としては、Cu−Zn−FeやMn−Mg−Feの3元素のフェライトであり、その表面をシリコーン樹脂を被覆したものがあげられる。これらキャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜70μmを有することが好ましい。
(実施例)
以下に、実施例、比較例により、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は、何らこれら実施例に制約されるものではない。尚、実施例および比較例に記載の各成分の量(部)は重量部である。
下表1に、以下の各例でトナー製造に用いたバインダー樹脂とその酸価、ガラス転移点、軟化点の各物性を示した。
表2に、用いた無機微粒子とその一次粒子径、BET比表面積、疎水化度(メタノール水溶液中湿潤メタノール濃度)の各物性を示した。
表3に、用いた有機微粒子とその粒子径、金属含有率、融点の各物性を示した。
表4に、用いた着色剤を示した。
また、表5には、トナー粒子と無機微粒子および有機微粒子の外添混合に用いた混合条件(すなわち装置およびその運転条件)を示した。
Figure 2006259681
Figure 2006259681
Figure 2006259681
Figure 2006259681
Figure 2006259681
(実施例1)
表1記載のポリエステル樹脂1 90重量部
表4記載の着色剤5 5重量部
荷電制御剤(ジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム錯体) 1重量部
ライスワックス 4重量部
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸押し出し式混練り機により熔融混練し、冷却後ハンマーミルにて粗粉砕し、エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し、さらに、分級して、平均粒子径7.9μm、酸価2mgKOH/gの負摩擦帯電性のシアン色のトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100重量部と、表2記載の無機微粒子1の0.5重量部、表2記載の無機微粒子2の2.5重量部、表3記載の有機微粒子1の0.25重量部とを、表5記載の外添混合条件2(すなわち装置としてヘンシェルミキサーを用い、その混合羽の回転数30m/sec、混合時間6分、混合槽の温度30℃とする)にて混合して、シアントナーを得た。
上記トナーの母体トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率は1.0%、母体トナー粒子に対する無機微粒子の遊離率は6.5%、母体トナー粒子に対する有機微粒子の個数遊離率は1.3%、無機微粒子の付着していない母体トナー粒子の個数遊離率は6.8%、有機微粒子の付着していない母体トナー粒子の個数遊離率は39.6%であった。
上記のトナーの組成、体積平均粒径、酸価および外添条件を後記表6に、またトナーを構成する各粒子の個数遊離率を表7に、それぞれ、以下の例で得られたトナーについての結果とまとめて記す。
(実施例2〜15、比較例1〜8)
表6に記載のバインダー樹脂、着色剤を用い、表6に記載の荷電制御剤(ジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム錯体)の配合量、無機微粒子の種類、外添量、有機微粒子の種類、外添量、外添混合条件)を採用する以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
なお、ライスワックスの量は実施例1と同じであり、ジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム錯体の配合量の増減分は、バインダー樹脂を増減して補償することによりトナー粒子を構成する成分の合計量が100重量部となるように調整した。
Figure 2006259681
Figure 2006259681
〔トナー性能評価試験〕
上記各例で得られたトナーと平均粒径40μmのシリコーン樹脂コートキャリアとをトナー濃度8重量部で混合して現像剤を作成し、カラー複写機(東芝テック(株)製)「e−STUDIO4511」を用い、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて高温高湿環境(HH:35℃、85%RH)、低温低湿環境(LL:10℃、20%RH)にて逐次トナーを補給しつつ2万枚の画出しをした。その評価結果及び高温保存性の評価結果を表8に示す。
表8中の各評価項目についての評価方法および評価基準を以下に示す。
帯電量推移は初期と2万枚画出し後の帯電量の差を求めたもので、その差が少ないほど優れたトナーであるということができる。評価基準は以下の通りである。A:1μC/g未満、B:1〜5μC/g、C:5〜10μC/g、D:10μC/g以上。
ID推移は初期と2万枚画出し後の画像濃度の差を求めたもので、その差が少ないほど優れたトナーであるということができる。A:0.1未満、B:0.1〜0.15、C:0.15〜0.2、D:0.2以上。
かぶりは2万枚画出し中の最悪値(最大値)を示し、その値が少ないほど優れたトナーであるということができる。A:1.0未満、B:1.0〜2.0%、C:2.0〜5.0%、D:5.0%以上。
クリーニング性は2万枚画出し後の感光体の表面状態を目視観察した結果に基づき評価している。A:トナーの付着物、傷が観察されない、B:付着物、傷が数箇所あるが、画像に現れない、C:付着物、傷が十数か所あり、画像欠陥として現れる、D:著しい画像欠陥として現れる。
転写性は2万枚画出し中の転写効率の最悪値(最低値)を示し、その値が大きいほど優れたトナーであるということができる。A:95%以上、B:95〜90%、C:90〜80%、D:80%未満。
高温保存性は20gのトナーをポリエチレンボトルに入れて、45℃の環境中に200時間放置後に、内容物を60メッシュのフルイにかけ、流動性を失ったフルイ上の重量を測定して評価したもので、その値が小さいほど優れたトナーであるということができる。A:0〜5g、B:5〜10g、C:10〜15g、D:15〜20g。
Figure 2006259681
上記表8に示す評価結果を、表6に示すトナー組成等および表7に示す構成微粒子の個数遊離率データと対比して見れば、荷電制御剤を含むポリエステル樹脂からなるトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子とを外添してなるトナーにおいて、体積平均径、酸価および荷電制御剤含有量に加えて、荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率を規定してなる本発明のトナーは、高温・高湿および低温・低湿のいずれの環境においても、多数枚の連続画出し試験において、帯電量、画像濃度、かぶり、クリーニング性および転写性のいずれの項目においても安定した特性を示し、また高温(45℃)での保存性も優れていることがわかる。
本発明に係るトナーによれば、高温高湿または低温低湿のいずれの動作環境においても、高濃度でかぶりが無く、クリーニング不良が少なく、しかも転写性および耐久性に優れたトナーが提供できる。

Claims (15)

  1. ポリエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子を外添してなるトナーであって、トナーの体積平均径が4から10μmであり、トナーの酸価が2から33mgKOH/gであり、荷電制御剤の含有量が0.1から1.5%であり、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が10%以下であり、更にトナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率が、関係式:30%>無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤>0%
    を満足することを特徴とするトナー。
  2. トナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率が、
    関係式:無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤≧0.05%
    を満足することを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 外添されている無機微粒子は疎水化処理されており、Si、Ti、Alのいずれかを含有し、外添されている有機微粒子は、Zn、Caのいずれかを含有し、外添剤の個数遊離率が0.1から30%であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  4. 荷電制御剤がZr含有荷電制御剤であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  5. 無機微粒子が、1から100nmの一次粒子径を有し、粒子径の大きな粒子は、粒子径の小さな粒子よりも、個数遊離率が大きいことを特徴とする請求項1記載のトナー。
  6. 無機微粒子が付着していない母粒子の個数比率が0.1から15%であり、有機微粒子が付着していない母粒子の個数比率が10から50%であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  7. 着色剤が、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤、ブラック着色剤から成る群から選択されるトナーで、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの組み合わせでフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項1記載のトナー。
  8. ブラックトナーには、着色剤にFeが含まれることを特徴とする請求項7記載のトナー。
  9. ポリエステル樹脂を主成分とし、少なくとも着色剤と荷電制御剤とを含むトナー粒子に、無機微粒子と有機微粒子を外添してなるトナーであって、トナーの体積平均径が4から10μmであり、トナーの酸価が2から33mgKOH/gであり、荷電制御剤の含有量が0.1から1.5%であり、荷電制御剤がZrを含有し、トナー粒子に対する荷電制御剤の個数遊離率が10%以下であることを特徴とするトナー。
  10. 外添されている無機微粒子は疎水化処理されており、Si、Ti、Alのいずれかを含有し、外添されている有機微粒子は、Zn、Caのいずれかを含有し、外添剤の個数遊離率が0.1から30%であることを特徴とする請求項9記載のトナー。
  11. トナー粒子からの荷電制御剤、無機微粒子および有機微粒子の個数遊離率が、
    関係式:30%>無機微粒子>有機微粒子>荷電制御剤>0%
    を満足することを特徴とする請求項9記載のトナー。
  12. 無機微粒子が、1から100nmの一次粒子径を有し、粒子径の大きな粒子は、粒子径の小さな粒子よりも、個数遊離率が大きいことを特徴とする請求項9記載のトナー。
  13. 無機微粒子が付着していない母粒子の個数比率が0.1から15%であり、有機微粒子が付着していない母粒子の個数比率が10から50%であることを特徴とする請求項9記載のトナー。
  14. 着色剤が、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤、ブラック着色剤から成る群から選択されるトナーで、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの組み合わせでフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項8記載のトナー。
  15. ブラックトナーには、着色剤にFeが含まれることを特徴とする請求項14記載のトナー。
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