以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、本プリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、図2に示すように、像担持体たるドラム状の感光体2Y、ドラムクリーニング装置3Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。このプロセスユニット1Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体2Yに当接させることで、感光体2Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置4Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、感光体2Yに対して非接触で帯電処理を施すものを用いてもよい。帯電装置4Yによって一様帯電せしめられた感光体2Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像装置5Yは、第1搬送スクリュウ7Yが配設された第1剤収容部8Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、Tセンサという)9Y、第2搬送スクリュウ10Y、現像ロール11Y、ドクターブレード12Yなどが配設された第2剤収容部13Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ7Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部8Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部8Yと第2剤収容部13Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部13Y内に進入する。第2剤収容部13Y内の第2搬送スクリュウ10Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部13Yの底部に固定されたTセンサ9Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ10Yの図中上方には、図中反時計回りに回転駆動せしめられる非磁性パイプ14Y内にマグネットローラ15Yを内包する現像ロール11Yが平行配設されている。第2搬送スクリュウ10Yによって搬送されるY現像剤は、マグネットローラ15Yの発する磁力によって非磁性パイプ14Y表面に汲み上げられる。そして、非磁性パイプ14Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード12Yによってその層厚が規制された後、感光体2Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体2Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体2Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール11Yの非磁性パイプ14Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ10Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部8Y内に戻る。
Tセンサ9YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、Tセンサ9YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にTセンサ9Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像装置に搭載されたM,C,K用のTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。現像装置5Yについては、Tセンサ9Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、後述するY用のトナー補給装置を比較結果に応じて駆動させる。この駆動により、現像に伴ってYトナーを消費してYトナー濃度を低下させたY現像剤に対して第1剤収容部8Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部13Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1M,C,K)の現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
感光体2Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。ドラムクリーニング装置3Yは、中間転写工程を経た後の感光体2Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体2Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体2Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1M、6C、6Kにおいても、同様にして感光体2M、C、K上にM、C、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,M,C,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける各感光体に照射する。これにより、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体2Y,M,C,Kに照射するものである。
光書込ユニット20の図中下側には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録体たる転写紙Pが複数枚重ねられた転写紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の転写紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されたおり、給紙路33に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、転写紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,M,C,Kの図中上方には、中間転写体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。この転写ユニット40は、中間転写ベルト40の他、ベルトクリーニング装置42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,M,C,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体2Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で転写紙Pに一括2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置42によってクリーニングされる。
2次転写ニップの図中上方には、加圧ローラ61や定着ベルトユニット62などを備える定着装置60が配設されている。この定着装置60の定着ベルトユニット62は、定着ベルト64を、加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回りに無端移動せしめる。加熱ローラ63は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包しており、定着ベルト64を裏面側から加熱する。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回りに回転駆動される加圧ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
2次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着装置60内に送られる。そして、定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y,M,C,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,M,C,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれプロセスユニット1Y,M,C,Kの現像装置に適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,M,C,Kは、プロセスユニット1Y,M,C,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図3はY用のトナーカートリッジ100Yを示す斜視図である。同図において、Y用のトナーカートリッジ100Yは、図示しないYトナーを収容するボトル状のボトル部101Yと、円筒状のホルダー部102Yとを備えている。ホルダー部102Yは、ボトル部101Yの先端に形成された図示しない開口を覆うようにボトル部101Yの先端部に係合しつつ、ボトル部101Yを回転自在に保持している。ボトル部101Yには、外側から内側に向けて突出するスクリュー状の突起が103Yその円周面に沿うようにエンボス加工されている。ボトル部101Yが図示しない駆動系によって回転せしめられると、ボトル部101Y内のYトナーがこのスクリュー状の突起に沿ってボトル底側からボトル先端側に向けて移動する。そして、トナー収容器たるボトル部101Yの先端に設けられた図示しない開口を通って、円筒状のホルダー部102Y内に流入する。
ホルダー部102Yのボトル軸線方向における端面には、ノズル受入口109Yが形成されている。このノズル受入口109Yは、プリンタ本体側に固定された後述する吸引ノズルを受け入れるためのものである。ノズル受入口109Yの図中両脇には、それぞれノズル受入口よりも若干小径の位置決めピン受入口110Yがそれぞれ形成されている。これら位置決めピン受入口110Yは、それぞれ、ボトル部101Yの回転軸線からずれた位置に形成されており、その奧には、図示しないピン挿入通路が、ボトル部101Yの回転軸線方向と並行な方向に延在するように形成されている。なお、ボトル部101Yとしては、原動ギヤによって回転せしめられる際の衝撃では変形しない程度に剛性の高い樹脂材料からなるものを用いている。
図4は、後述するトナー補給装置の一部となっているY用のカートリッジ連結部71Yを示す斜視図である。このY用のカートリッジ連結部71Yは、Yトナーを搬送するための搬送管72Yの上端に、管部材たる吸引ノズル73Yが水平方向に延在するように固定されている。吸引ノズル73Yの先端部には、Yトナーを受け入れるためのトナー受入口74Yが形成されている。また、吸引ノズル73Yの両脇には、それぞれ、棒状の位置決めピン75Yが、水平方向(ボトル部の回転軸線と並行な方向)に延在するように固定されている。位置決め部材としてのカートリッジ連結部71Yの凸部たる位置決めピン75Yは、先端部が吸引ノズル73Yの先端よりも出っ張るようになっている。
図5は、Y用のトナーカートリッジ100Yを示す分解斜視図である。Y用のトナーカートリッジ100Yの容器保持部材たるホルダー部102Yは、ボトル部101Yに係合する係合部と、これとは別体で構成されたノズル挿入部104Yとから構成されている。また、係合部は、ボトル部101Yに係合しながらボトル部101Yの先端の図示しない開口を覆うキャップ部105Yと、トナーを一時的に貯留するトナー貯留部106Yとを有している。係合部では、円筒状のキャップ部105Y内には、これの内径よりも小径の円筒状のトナー貯留部106Yが嵌合せしめられている。このように嵌合する両者の間には、非通気性材料であるゴム製のOリング107Yが嵌め込まれている。これにより、キャップ部105Yの内周面とトナー貯留部106Yの外周面との間の気密性が高く保たれる。
キャップ部105Yよりも小径に形成されたトナー貯留部106Yの図中下部には、図示しない窪みが形成されており、この窪みの中に、ノズル挿入部104Yが嵌合せしめられる。このように嵌合する両者の間には、非通気性材料であるゴム製のOリング108Yが嵌め込まれている。これにより、トナー貯留部106Yの凹部内周面とノズル挿入部104Yの嵌合用凸部外周面との間の気密性が高く保たれる。
図6は、トナー補給装置にセットされる前のY用のトナーカートリッジ100Yにおける先端部を示す断面図である。ボトル部101Yの先端部は、ボトル本体よりも小径な円筒形状になっており、その小径円筒の先端に開口が形成されている。先端部の小径円筒の周面からは、後述する原動ギヤと噛み合うための歯車を有するボトルギヤ部111Yが突出している。小径円筒のボトルギヤ部111Yよりもボトル先端側には、円筒外周面から僅かに突出する引っ掛け部112Yが形成されている。ホルダー部102Yのキャップ部105Yには、ボトル部101Yの先端である小径円筒を受け入れるための円筒空間が形成されており、この円筒空間におけるボトル側の端部には、円筒内周から突出する突起113が形成されている。ボトル部101Yの先端の小径円筒は、その引っ掛け部112Yがキャップ部105Y内の突起113Yを乗り越えるようにキャップ部105Y内に挿入されて、キャップ部105Yに対して回転自在に係合している。
ノズル挿入部104Yは、管状のノズル本体部の上面から、嵌合用凸部を突出させており、この嵌合用凸部を、キャップ部105Yの内側にあるトナー貯留部106Yの底部に嵌合させている。嵌合用凸部内には、連通路114Yが形成されており、この連通路114Yは、ノズル本体部内においてボトル軸線方向と平行な方向に延在するように設けられた挿入通路115Yに連通している。但し、挿入通路115Y内には、上述した吸引ノズル(74Y)と同じ径に形成された棒状のシャッタ部材116Yがスライド移動可能に挿入されており、これが連通路114Yの直下に位置していることで、連通路114Yと挿入通路115Yとが遮断されている。なお、この挿入通路115Yの端が、先に図3に示したノズル受入口109Yとなっている。
ボトル部101Yの先端の小径円筒からトナー貯留部106Y内に流入したトナーは、自重により、ノズル挿入部104Yの連通路114Y内に落下して堆積する。トナー貯留部106Yに嵌合したノズル挿入部104Yの嵌合用凸部は、トナー貯留部106Yの底部として機能する。かかる嵌合用凸部の連通路115Yが上述したような擂り鉢状に形成されていることで、底部のトナーをテーパーによって通路中心に集めるホッパとしての役割を果たしている。図示の状態では、連通路114Yの先端がシャッタ部材116Yによって閉鎖されているため、連通路114Y内から挿入通路115Y内にトナーが流れ込むことはない。
Y用のトナーカートリッジ100Yが後述するトナー補給装置のカートリッジ載置台にセットされる際には、まず、プリンタの筺体の側板に設けられた図示しない開閉扉が開かれる。すると、筺体内のトナー補給装置のカートリッジ載置台が露出する。このカートリッジ載置台には、Y,M,C,K用の4つのトナーカートリッジを並行載置するための半筒状の4つの窪みが並行に設けられている。作業者は、トナーカートリッジ100Yを、そのホルダー部102Yが先頭に位置する姿勢で把持する。そして、カートリッジ載置台に設けられた半筒上の4つの窪みのうち、Y用の窪みの端にホルダー部102Yを載せた後、カートリッジ全体を差し込むように、ボトル部回転軸線方向に沿ってスライド移動させる。このスライド移動により、トナーカートリッジ100Yを、所定の位置まで押し込んで、カートリッジ載置台上にセットする。
先に示した図4において、トナー補給装置におけるY用のカートリッジ連結部71Yの2つの位置決めピン73Yは、それぞれ先端部を吸引ノズル73Yの先端よりも出っ張らせるように固定されている。そして、その先端部は、後端側よりも先細になっている。トナーカートリッジがセット時にカートリッジ載置台上に差し込まれる途中で、これら2つの位置決めピン73Yの先細の先端部が、図3に示したトナーカートリッジ100Yの2つの位置決めピン受入口110Y内にそれぞれ進入する。そして、トナーカートリッジ100Yが更に差し込まれると、位置決めピン73Yの先端部よりも太くなっている後端側も、ピン受入口110Y内に進入していく。先端部よりも太くなっている後端側がピン受入口110Y内に進入することで、トナーカートリッジ100Yのカートリッジ載置台上における回転軸線方向と直交する方向の位置決めがなされる。
かかる位置決めがなされた後、トナーカートリッジ100Yが更に差し込まれると、図4に示したトナー補給装置のカートリッジ連結部109Yにおける吸引ノズル73Yが、図3に示したホルダー部102Yのノズル受入口109Y内に進入していく。そして、吸引ノズル73Y内がノズル受入口109Yの内側に延在している挿入通路(115Y)にある程度まで押し込まれた時点で、トナーカートリッジ100Yのセットが完了する。
図7は、トナー補給装置にセットされた状態のY用のトナーカートリッジ100Yにおける先端部を示す断面図である。トナーカートリッジ100Yが図示しないトナー補給装置のカートリッジ載置台にセットされると、ホルダー部102Yにおけるノズル挿入部104Yの挿入通路115Y内に、トナー補給装置に固定されている吸引ノズル73Yが挿入される。このとき、挿入通路115Y内では、連通路114Yの直下に位置していたシャッタ部材116Yが、挿入通路115Y内に差し込まれた吸引ノズル73Yの先端に押されて図中右側から左側へとスライド移動する。そして、連通路114Yの直下から待避するとともに、吸引ノズル73Yの先端部に設けられたトナー受入口(図4の74Y)が連通路114Yの直下に位置する。これにより、トナー貯留部106Y内と吸引ノズル73Y内とが、ノズル挿入部104Yの連通路111Yを介して連通する。
図示しないトナー補給装置にセットされたトナーカートリッジ100Yは、ボトル部101Yの先端部に形成されたギヤ部117Yを、後述するY用部分歯ギヤ213Yに噛み合わせる。図示しない駆動源によってY用部分歯ギヤ213Yが回転駆動されると、これと117Yとの噛み合いにより、ボトル部101Yがホルダー部102Yに保持されながら回転する。この回転により、ボトル部101Y内のYトナーが、ボトル後端側から先端側に向けて搬送されて、ホルダー部102のトナー貯留部106Y内に流入する。そして、トナー貯留部106Yの底部となっている連通路114Y上に堆積する。
吸引ノズル73Yに連結している搬送管72Yの図示しない領域には、吸引ポンプが接続されており、これの作動によって搬送管72Y内の空気やトナーが吸引される。すると、その吸引力が、搬送管72Y内、吸引ノズル73Y内を介して、連通路114Y内やトナー貯留部106Y内に伝わる。そして、トナー貯留部106Y内や連通路114Y内のYトナーが、吸引ノズル73Y内へと吸引される。
Yトナーを収容するY用のトナーカートリッジ100Yについて詳しく説明したが、他色用のトナーカートリッジ(100M,C,K)も同様の構成になっている。
図8は、トナー補給装置とその周囲構成とを示す斜視図である。なお、同図は、トナー補給装置を図1の描写アングルとは反対側から示している。トナー補給装置70は、カートリッジ載置台77、4つのカートリッジ連結部71Y,M,C,Kと、4つの吸引ポンプ78Y,M,C,Kとを有している。カートリッジ載置台77は、4つのトナーカートリッジ100Y,M,C,Kを平行載置するための4つの半円筒状の窪みを有している。カートリッジ載置台77の下方には、4つの現像装置がそれぞれ対応する色のトナーカートリッジの直下に位置するように配設されている。なお、同図においては、便宜上、4つの現像装置のうち、Y用の現像装置5Yだけを示している。
図示しないプリンタ筐体の側面には、カートリッジ交換作業用の開閉扉が設けられており、この開閉扉を開くと、筐体内のトナー補給装置70が図中の奥側で露出する。作業者は、開閉扉から、トナーカートリッジ100Y,M,C,Kをボトル長手方向に押し込むようにして、カートリッジ載置台77上をスライド移動させることで、トナー補給装置70にセットする。
カートリッジ載置台77の一端部には、4つのカートリッジ連結部71Yを支持するための連結部支持板79が立設せしめられている。カートリッジ載置台77上に載置されたトナーカートリッジ100Y,M,C,Kの図示しないノズル挿入通路には、カートリッジ連結部71Y,M,C,Kの吸引ノズルがそれぞれ差し込まれている。カートリッジ連結部71Y,M,C,Kのそれぞれの搬送管の端には、吸引ポンプ78Y,M,C,Kが連結されている。各吸引ポンプ78Y,M,C,Kの直下には、各現像装置のトナー補給口Eが位置している。
図9は、4つの吸引ポンプ78Y,M,C,Kのうち、Y用の吸引ポンプ78Yを示す斜視図である。この吸引ポンプ78Yは、一軸偏芯スクリューポンプ(通称モーノポンプ)と呼ばれる方式のものである。そのポンプ部80Yは、金属や剛性の高い樹脂などで偏芯2条スクリュー形状に加工されたロータ81Y、ゴム等の材料に2条スクリュー状の空洞が形成されたステータ82Y、これらを内包する樹脂製のホルダ等から構成される。吸引ポンプ78Yは、このポンプ部80Yの他に、吐出部83Y、ロータ81Yを回転させる駆動力を受け入れる駆動受入部84Y等も有している。2条スクリュー形状のロータ81Yがステータ82Y内で回転すると、ポンプ部80Yの吸引側(図中右側)に負圧が発生する。この負圧により、Y用のトナーカートリッジ100Y内のYトナーが、搬送管72Y等を介して吸引される。そして、吸引ポンプ78Yのポンプ部80Yに至り、ステータ82Y内を通って吐出部83Yから吐出される。吐出されたYトナーは、吐出部83Yの直下に位置する現像装置のトナー補給口を通して、Y用の現像装置に補給される。なお、他色用の現像装置においても、同様にしてトナーが補給される。
図19は、吸引ポンプ(78Y,M,C,K)の回転速度と、吸引ポンプによるトナー補給速度との関係を示すグラフである。図示のように、吸引ポンプの回転速度と、トナー補給速度とは比例関係にはならず、回転速度の低下率よりも大きな割合でトナー補給効率が低下することがわかる。なお、吸引ポンプに限らず、駆動によってトナーを補給する場合には、モータの回転速度とトナー補給速度とが同様に比例関係にならないのが一般的である。また、パイプ内に回転自在に配設したオーガやコイル等の回転部材の回転によってトナーを搬送する場合にも、その回転部材の回転速度とトナー搬送速度とが比例関係にならないことが、本発明者らの実験によって確認されている。
以上の構成の本プリンタにおいては、4つのプロセスユニット1Y,M,C,K、光書込ユニット20、転写ユニット40などの組合せにより、像担持体たる中間転写ベルト41の無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段が構成されている。また、トナーカートリッジ100Y,M,C,Kが、それぞれトナー像形成手段の一部である現像装置に補給するためのトナーを収容する補給トナー収容手段として機能している。また、ベルトクリーニング装置42が、像担持体たる中間転写ベルト41の表面からトナーを除去するトナー除去手段として機能している。また、吸引ポンプ78Y,M,C,Kが、それぞれトナー像形成手段の一部である現像装置にトナーを補給するトナー補給手段として機能している。また、各トナーカートリッジにおいて、回転するボトル部(例えば101Y)そのものが、トナーカートリッジ内からのトナーの排出を促す排出促進手段として機能している。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図18は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図に示すように、本プリンタは、CPU300a、RAM300b、ROM300a等から構成される制御部300を有しており、これは本複写機の各機器における全体的な制御を司っている。制御部300には、これまで説明してきたY,M,C,K用のプロセスユニット1Y,M,C,K、光書込ユニット20、定着装置60などが接続されている。また、後述する3色ボトルクラッチ213、K用ボトルクラッチ216、Y,M,C,K吸引クラッチ85Y,M,C,Kなども接続されている。また、後述する共用モータドライバ175、Y,M,C,Kモータドライバ176Y,M,C,K、ベルトモータドライバ177等も接続されている。また、タッチパネル、あるいはタッチキー等から構成される操作パネル172も接続されている。操作者は、この操作パネル172に対する操作により、制御部300に対して各種の命令信号を送ることができる。即ち、操作パネル172は、操作者からの命令信号を受け付ける命令信号受付手段として機能している。
共用モータドライバ175は、制御部300から送られてくる制御信号に基づいて、後述する共用駆動モータ201に駆動信号を送るものである。また、Y,M,C,Kモータドライバ176Y,M,C,Kは、それぞれ、制御部300から送られてくる制御信号に基づいて、Y,M,C,Kプロセスモータ170Y,M,C,Kに駆動信号を送るものである。また、ベルトモータドライバ177は、制御部300から送られてくる制御信号に基づいて、ベルト駆動モータ171に駆動信号を送るものである。Y,M,C,Kプロセスモータ170Y,M,C,Kが駆動すると、先に図1に示したプロセスユニット1Y,M,C,K内における各機器にその駆動力が伝達される。また、ベルト駆動モータ171が駆動すると、転写ユニット40の駆動モータ47にその駆動力が伝達されて、中間転写ベルト41が無端移動せしめられる。
本プリンタは、図示しない操作パネルへの入力操作などにより、高速モードと低速モードとを切り替え可能になっている。そして、高速モードでは、低速モードに比べて、先に図1に示した各感光体2Y,M,C,K、中間転写ベルト41、定着装置60内の回転部材、搬送ローラ対などの線速であるプロセス線速を低速モードよりも速くするようになっている。これにより、高速モードでは、低速モードに比べて画像形成速度が速くなる。
図10は、本プリンタにおける駆動装置の一部を示す斜視図である。また、図11は、同駆動装置の一部を示す正面図である。これらの図において、201は、各吸引ポンプ(78Y,M,C,K)と、各トナーカートリッジのボトル部と、後述する除去トナー搬送装置と、を駆動するための共用駆動源たる共用駆動モータを示している。この共用駆動モータ201は、先に図18に示したように、像担持体たる各感光体2Y,M,C,K等を駆動するY,M,C,Kプロセスモータ170Y,M,C,Kや、中間転写ベルト41を無端移動せしめるベルト駆動モータ171とは、別になっている。即ち、本プリンタでは、トナー補給手段たる各吸引ポンプと、除去トナー搬送手段たる除去トナー搬送装置とで、共用駆動源たる共用駆動モータ201を共用するとともに、これを、像担持体たる感光体や中間転写ベルトの駆動源とは異ならせている。そして、制御部300により、これら像担持体の表面移動速度、即ち、画像形成速度(プロセス線速)とは無関係に、共用駆動モータ201の回転速度を制御するようになっている。より詳しくは、高速モードと低速モードとの切り替えにかかわらず、共用駆動モータ201を一定の速度で回転させるようになっている。かかる構成では、高速モードから低速モードへの切り替えに伴って画像形成速度を低下させても、吸引ポンプ及び後述する除去トナー搬送装置をそれぞれ適切な駆動速度で駆動して、各現像装置に必要量のトナーを補給したり、十分量の除去トナーを搬送したりすることができる。よって、画像形成速度を変化させることに起因するトナー補給量不足及び除去トナーの搬送不良を回避することができる。
DCブラシレスモータからなる共用駆動モータ201のモータ軸には、図11に示すように原動ギヤ201aが固定されている。この原動ギヤ201aの図中上方には、互いに同一回転軸上で回転する小径ギヤ部と大径ギヤ部とを有する第1ギヤ202の大径ギヤ部と噛み合っており、共用駆動モータ201の駆動によって回転する。
第1ギヤ202の図中右側方には、K用補給プーリー203K、C用補給プーリー203C、M用補給プーリー203M、Y用補給プーリー203Yが、所定の間隔で水平方向に並ぶように配設されている。第1ギヤ202の小径ギヤ部は、K用補給プーリー203Kのギヤ部と噛み合っている。これにより、第1ギヤ203の回転駆動力がK用補給プーリー203Kに伝達される。K用補給プーリー203Kは、第1ギヤ202に噛み合うギヤ部と同一軸線上で回転するプーリー部を有している。一方、K用補給プーリー203Kの図中右側方に配設されたC用補給プーリー203Cは、互いに同一軸線上で回転する第1プーリー部及び第2プーリー部を有している。また、M用補給プーリー203Mも、同様の第1プーリー部及び第2プーリー部を有している。
K用補給プーリー203Kのプーリー部と、C用補給プーリー203Cの第1プーリー部とには、第1タイミングベルト204が掛け回されている。また、C用補給プーリー203Cの第2プーリー部と、M用補給プーリー203Mの第2プーリー部とには、第2タイミングベルト205が掛け回されている。また、M用補給プーリー203Mの第1プーリー部と、Y用補給プーリー203Yとには、第3タイミングベルト206が掛け回されている。これらのタイミングベルトの掛け回しにより、K用補給プーリー203Kの回転駆動力が、C用補給プーリー203C、M用補給プーリー203M、Y用補給プーリー203Yに順次伝達される。
図12は、トナー補給手段である吸引ポンプを示す破断斜視図である。Y,M,C,K用の吸引ポンプ78Y,M,C,Kは、それぞれ、駆動受入部84Y,M,C,K内に、吸引クラッチ85Y,M,C,Kを有している。これら吸引クラッチ85Y,M,C,Kは、それぞれ、図10及び図11に示したY,M,C,K用補給プーリー203Y,M,C,Kの回転軸に接続されている。これにより、Y,M,C,K用の補給プーリー203Y,M,C,Kの回転駆動力が吸引クラッチ85Y,M,C,Kに伝達される。また、これら吸引クラッチ85Y,M,C,Kの先端側には、それぞれ吸引ポンプのロータが固定されている。吸引クラッチ85Y,M,C,Kは、その後端側で受け入れた回転駆動力を上記制御部(300)からの制御信号に基づいてロータに繋いだり切ったりする。これにより、Y,M,C,K補給プーリー203Y,M,C,Kの回転駆動力が吸引ポンプ78Y,M,C,Kのロータに伝達されたり、伝達が断ち切られたりする。
K用補給プーリー203Kの上方には、図中下方側から上方側に向けて、第1中継ギヤ207、第2中継ギヤ208、第3中継ギヤ209、第4中継ギヤ210、第5中継ギヤ211が順次配設されている。そして、隣同士の中継ギヤは互いに噛み合っている。また、K用補給プーリー203Kのギヤ部は、第1ギヤ202の他に、第1中継ギヤ207とも噛み合っている。これにより、K用補給プーリー203Kの回転駆動力が、第1中継ギヤ207、第2中継ギヤ208、第3中継ギヤ209、第4中継ギヤ210、第5中継ギヤ211に順次伝達される。
第5中継ギヤ211の図中右側方には、3色用ボトルクラッチ212が配設されている。この3色用ボトルクラッチ212は、その軸線方向の後端付近に設けられたギヤ部を第5中継ギヤ211に噛み合わせている。これにより、第5中継ギヤ211の回転駆動力が3色用ボトルクラッチ212に伝達される。3色用ボトルクラッチ212の先端付近には、プーリー部及びこれと同一軸線上で回転するギヤ部を有するC用部分歯ギヤ213Cが固定されている。3色用ボトルクラッチ212は、そのギヤ部で受け入れた回転駆動力を上記制御部(300)からの制御信号に基づいてC用部分歯ギヤ213Cに繋いだり切ったりする。これにより、第5中継ギヤ211の回転駆動力がC用部分歯ギヤ213Cに伝達されたり、伝達が断ち切られたりする。
3色用ボトルクラッチ212の図中右側方には、M用部分歯ギヤ213Mと、Y用部分歯ギヤ213Yとが所定の間隔で水平方向に並ぶように配設されている。M用部分歯ギヤ213Mは、互いに同一軸線上で回転するギヤ部、第1プーリー部、第2プーリー部を有している。また、Y用部分歯ギヤ213Yは、互いに同一軸線上で回転するギヤ部とプーリー部とを有している。そして、上述したC用部分歯ギヤ213Cのプーリー部と、M用部分歯ギヤ213Mの第1プーリー部とには、第4タイミングベルト214が掛け回されている。また、M用部分歯ギヤ213Mの第2プーリー部と、Y用部分歯ギヤ213Yのプーリー部とには、第5タイミングベルト215が掛け回されている。これらのタイミングベルトにより、C用部分歯ギヤ213Cの回転駆動力が、M用部分歯ギヤ213M、Y用部分歯ギヤ213Yに順次伝達される。なお、Y用部分歯ギヤ213Yのギヤ部は、先に図7に示したように、Y用のトナーボトル101Yのボトルギヤ部111Yと噛み合う。よって、Y用部分歯ギヤ213Yが回転することにより、トナーボトル101Y内のYトナーがキャップ部105Yに向けて送られて、トナーカートリッジ101Y内からのYトナーの排出が促される。同様にして、C用部分歯ギヤ213C、M用部分歯ギヤ213Mが回転すると、C、M用のトナーカートリッジ内からのC,Mトナーの排出が促される。また、後述するK用全歯ギヤ213Kが回転すると、K用のトナーカートリッジ内からのKトナーの排出が促される。
上述した第5中継ギヤ211の図中左側方には、K用ボトルクラッチ216が配設されている。このK用ボトルクラッチ216は、その軸線方向の後端付近に設けられたギヤ部を第5中継ギヤ211に噛み合わせている。これにより、第5中継ギヤ211の回転駆動力がK用ボトルクラッチ216に伝達される。K用ボトルクラッチ216の先端付近には、K用全歯ギヤ213Kが固定されている。K用ボトルクラッチ216は、そのギヤ部で受け入れた回転駆動力を上記制御部(300)からの制御信号に基づいてK用全歯ギヤ213Kに繋いだり切ったりする。これにより、第5中継ギヤ211の回転駆動力がK用全歯ギヤ213Kに伝達されたり、伝達が断ち切られたりする。
上述した共用駆動モータ201の原動ギヤ201aの図中下方には、第2ギヤ217と第3ギヤ218とが上下方向に並ぶように配設されている。そして、原動ギヤ201a、第2ギヤ217、第3ギヤ218が順次噛み合っている。これにより、共用駆動モータ201の回転駆動力が、第2ギヤ217との第3ギヤ218とに順次伝達される。
第3ギヤ218は、そのギヤ部と同一軸線上で回転するプーリー部を有しておいる。第3ギヤ218の図中右下には、比較的距離をおいた位置に除去トナーギヤプーリー219が配設されている。そして、第3ギヤ218のプーリー部と、除去トナーギヤプーリー219のプーリー部とに第6タイミングベルト220が掛け回されている。また、除去トナーギヤプーリー219のギヤ部には、除去トナー搬送ギヤ221が噛み合っている。これにより、第3ギヤ218の回転駆動力が除去トナーギヤプーリー219と、除去トナー搬送ギヤ221とに順次伝達される。
図13は、本プリンタにおける廃トナーカートリッジ150と除去トナー搬送装置とを示す斜視図である。同図において、廃トナーカートリッジ150の上方には、除去トナー搬送装置のドラム除去トナー搬送部156が配設されている。このドラム除去トナー搬送部156は、細長い空間を形成するコイルハウジング151などを有している。このコイルハウジング151の長手方向は、先に図1に示した4つの感光体2Y,M,C,Kの並び方向と一致している。コイルハウジング151の中には図示しない、搬送コイルが回転自在に設けられている。この搬送コイルの端部には図示しないハス歯ギヤ部が形成されており、搬送コイルの端部に隣設されたコイルハス歯ギヤ152と噛み合っている。また、このコイルハス歯ギヤ152は、その上方に配設された中継ギヤ153に噛み合っている。この中継ギヤ153は中継シャフト154の一端部に固定されているが、中継シャフト154のもう一端部には、駆動受入ギヤ155が固定されている。そして、この駆動受入ギヤ155は、先に図10及び図11に示した第3ギヤ218と噛み合っている。よって、図10及び図11に示した共用駆動モータ201の回転駆動力は、第2ギヤ217、第3ギヤ218、第6タイミングベルト220、除去トナーギヤプーリー219、及び除去トナー搬送ギヤ221を介して、図13に示した駆動受入ギヤ155に順次伝達される。そして、駆動受入ギヤ155の回転駆動力が、中継シャフト154、中継ギヤ153、及びコイルハス歯ギヤ152を介して、コイルハウジング151内の搬送コイルに伝達される。
コイルハウジング151の天板には、Y,M,C,K除去トナー受入口152Y,M,C,Kが所定のピッチで並ぶように形成されている。先に示した図2において、ドラムクリーニング装置3Yの軸線方向(ベルト幅方向)の端部は、図13に示したY除去トナー受入口152の真上に位置している。Y用のドラムクリーニング装置3Y内においては、搬送スクリュウによって軸線方向に搬送されるY除去トナーが、ドラムクリーニング装置3Yの軸線方向の端部から重力落下する。そして、図13の矢印Bで示すように、Y除去トナー受入口152Yを通ってコイルハウジング151内に収容される。同様にして、図示しないM,C,K用のドラムクリーニング装置から重力落下するM,C,K除去トナーが、図中矢印C,D,Eで示すように、M,C,K除去トナー受入口152M,C,Kを通ってコイルハウジング151内に収容される。
コイルハウジング151内の図示しない搬送コイルが回転すると、コイルハウジング151内に収容された除去トナーがハウジング長手方向に沿って搬送される。そして、コイルハウジング151の底板の長手方向端部付近に形成された図示しない除去トナー排出口から、廃トナーカートリッジ150内に向けて重力落下する。
図13において、廃トナーカートリッジ150の側方には、除去トナー搬送装置のベルト除去トナー搬送部157が配設されている。このベルト除去トナー搬送部157は、除去トナー受入ハウジング158、これに連結された搬送パイプ159、駆動受入部160などを有している。また、駆動受入部160は、駆動受入ハス歯ギヤ161、これに噛み合うコイルギヤ162などを有している。
搬送パイプ159内には、図示しない搬送コイルが回転自在に設けられている。また、この搬送コイルの端部には、コイルギヤ162が固定されている。また、同図には示していないが、このコイルギヤ162に噛み合っている駆動受入ハス歯ギヤ161は、先に図10及び図11に示した除去トナー搬送ギヤ221に噛み合っている。よって、先に図10及び図11に示した共用駆動モータ201が回転し、その回転駆動力が除去トナー搬送ギヤ221に伝達されると、図13に示した駆動受入ハス歯ギヤ161、コイルギヤ162、搬送パイプ159内の搬送コイルが順次回転駆動せしめられる。
ベルト除去トナー搬送部157の除去トナー受入ハウジング158の端部には、ベルト除去トナー受入口158aが形成されている。先に示した図1においては、ベルトクリーニング装置42によって中間転写ベルト41から除去された転写残トナーが、ベルトクリーニング装置42内に設けられた搬送スクリュウによってその軸線方向(ベルト幅方向)に搬送される。そして、ベルトクリーニング装置42の側面に設けられた図示しないトナー排出口から排出されて、図13の矢印Aで示すように、ベルト除去トナー受入口158aを通って除去トナー受入ハウジング158内に収容される。収容された除去トナーは、自重によって搬送パイプ159内に落下した後、搬送コイルの回転によってパイプ内を図中上方から下方に向けて搬送されながら、廃トナーカートリッジ150内に送られる。
図14は、図11に示したK用全歯ギヤ213K、C,M,K用部分歯ギヤ213C,M,K、及び第5中継ギヤ211を示す拡大正面図である。また、図15は、これらギヤを、Y,M,C,K用のトナーカートリッジのボトルギヤ部111Y,M,C,Kとともに示す拡大正面図である。図14において、K用全歯ギヤ213Kのギヤ部は、その回転周面の全域に渡って複数の歯が形成されている。これに対し、C,M,Y用部分歯ギヤ213C,M,Yのギヤ部Hは、それぞれ、回転周面の一部領域にだけ形成されている。そして、これら3つの部分歯ギヤ213C,M,Yは、それぞれギヤ部Hの回転位相を互いに異ならせるように回転軸に固定されている。よって、3色用ボトルクラッチ212によってC,M,Y用部分歯ギヤ213C,M,Yに対してほぼ同時に回転駆動力が繋がれてそれらがほぼ同時に回転したとしても、それらのギヤ部Hは互いに別のタイミングでボトルギヤ部111C,M,Yと噛み合うことになる。これにより、Y,M,Yトナーカートリッジの排出促進手段たるC,M,Yボトル部が必ず互いに別の時期に回転駆動されることになる。
ここで、トナーカートリッジのボトル部(101Y,M,C,K)は、それほど高い寸法精度を要求されないことから、ポリプロピレンやポリエチレンなどといった安価な材料をブロー成型することによって製造されることが一般的であった。一方、近年においては、成型技術の進歩により、ブロー成型とインサート成型とを組み合わせることで、ボトル部の本体とボトルギヤ部(111K,C,M,Y)とを一体成型することができるようになってきた。これにより、ボトル部の低コスト化に大きく貢献することができる。しかし、ボトルギヤ部はある程度の寸法精度を必要とし、特にトナーボトルの回転中心とギヤ中心の軸ずれが大きいと、振動や駆動負荷の変動が発生する。Kトナー像しか形成しないモノクロプリント機であれば、防振材を使用したり、モーターのトルクに余裕をもたせたりすることで、振動による不具合を抑えたり、駆動負荷の変動による不具合を抑えたりといった対策を講ずることができる。しかし、カラープリント機では、複数のボトル部を使用することから、防振材を多用したり、モーターのトルクに余裕をもたせたりすると、大幅なコストアップを招来してしまうため、ギヤ一体成型のボトル部を採用することが困難であった。これに対し、本プリンタでは、4つのボトル部をそれぞれ異なる時期に回転駆動するため、かかるコストアップを抑えて、安価なギヤ一体成型のボトル部を採用することができる。
図16は、本プリンタの制御部(300)によって実施される制御の一部フローを示すフローチャートである。また、図17は、この制御による各ボトルクラッチや各吸引クラッチのON/OFFタイミングを示すタイミングチャートである。図16において、プリントジョブが開始されると(ステップ1でY:以下、ステップをSと記す)、3色ボトルクラッチ(213)が所定時間ONされた後にOFFされる(S2)。これにより、K用全歯ギヤ(213K)が所定時間だけ回転駆動せしめられ、K用のトナーカートリッジにおいて、ボトル部の回転によってトナーカートリッジからのKトナー排出が促される。
上記S2の処理が終了すると、次に、K用ボトルクラッチ(216)が所定時間ONされた後にOFFされる(S3)。これにより、C,M,Y部分歯ギヤ(213C,M,Y)がそれぞれ所定時間だけ回転駆動せしめられる。このとき、上述したように各部分歯ギヤのギヤ部の回転移動が互いにずれていることにより、各部分歯ギヤは同時に回転するが、C,M,Yのトナーカートリッジのボトル部は、それぞれ別のタイミングで回転駆動せしめられる。そして、それぞれ別のタイミングでボトル部からのトナー排出が促される。なお、図17に示すように、3色ボトルクラッチ213の1回たりのON時間は、K用ボトルクラッチ216の1回あたりのON時間の3倍以上となっている。これは、前者のON時間の間に、C,M,Y用のトナーカートリッジのボトル部をそれぞれ別のタイミングで必要時間だけ回転させる必要があるからである。
上記S3の処理が終了すると、次に、Y用の現像装置に対するYトナーの補給について必要であるか否かが判断される(S4)。この判断は、上述したように、RAM等の記憶手段に記憶されているY用Vtrefと、Tセンサ(9Y)からの出力電圧値との比較に基づいて行われる。そして、Yトナーの補給が必要であると判断されると(S4でY)、Y吸引クラッチ85Kが所定時間だけONされた後にOFFされる(S5)。これにより、Y用の吸引ポンプ(78Y)が所定時間(例えば200msec)だけ駆動して、Yトナーカートリッジ(100Y)からY用の現像装置(5Y)内に所定量のYトナーが補給される。これに対し、上記S4の処理でYトナーの補給が必要でないと判断された場合には(S4でN)、Y吸引クラッチ85KがON/OFFされないまま、S6以降のフローが実行される。
このようなトナー補給の必要性の判断と、必要に応じた吸引クラッチのON/OFFとが、M,C,Kトナーについても順次行われる(S6〜S11)。なお、S4〜S11のフローからわかるように、各色の吸引クラッチ(85Y,M,C,K)は、それぞれ互いに異なるタイミングでONされる。また、図17では、全色についてトナー補給が必要であると判断された場合におけるタイミングチャートの例を示したが、1つ以上の色についてトナー補給が必要でないと判断された場合には、次のようになる。即ち、例えばMトナーについてだけトナー補給が必要でないと判断された場合には、C,Kトナーの補給開始タイミングがそれぞれ少し早まる。但し、それぞれの実施タイミングが早まるだけで、各色の補給が互いに異なるタイミングで行われることは、全色補給の場合と同様である。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明する。
[第1実施例]
本第1実施例に係るプリンタは、実施形態に係るプリンタと同様に、プロセス線速とは無関係に、上述の共用駆動モータ201を一定速度で回転させる。そして、プリントジョブ中に、共用駆動モータ201を駆動するときには、この一定速度を維持するようになっている(以下、この速度を第1回転速度V1という)。但し、プリントジョブ中とは異なる期間において、この第1回転速度V1とは異なる第2回転速度V2で共用駆動モータ201を駆動する点が、実施形態に係るプリンタと異なる。
上述の第1回転速度V1は、この値で共用駆動モータ201が回転せしめられている限り、例えばベタなどといった画像面積率の非常に高い画像がプリントアウトされたとしても、そのトナー消費量に追いつくに十分な量でトナーを補給することができる。また、その画像のプリントアウトに対応する除去トナーを、十分に搬送することもできる。このように第1回転速度V1で共用駆動モータ201が回転する限り、トナー補給不足は生じないが、単位時間あたりのトナー補給量をより大きくすることが望まれる場合が、プリントジョブ以外のタイミングで発生することがある。例えば、サービスマンがトナー補給装置やその周囲の機器の保守点検を行うときである。
そこで、本プリンタにおいては、先に図18に示した操作パネル172に対して、高速補給命令信号が入力された場合には、プリントジョブ以外のタイミングで、共用駆動モータ201を第1回転速度V1よりも速い第2回転速度V2で駆動するようになっている。かかる構成では、トナー補給装置などの保守点検時に、プリントジョブ中よりもトナー補給速度を速くして、メンテナンス性を向上させることができる。
[第2実施例]
図20は、本第2実施例に係るプリンタの搬送管とその周囲構成とを示す分解斜視図である。図において、搬送管72Y,M,C,Kは、それぞれ、図示しないY,M,C,K用のトナーカートリッジに挿入される上述の吸引ノズルに接続されるものであり、カートリッジ内から排出されたY,M,C,Kトナーを受け入れる。受け入れられたY,M,C,Kトナーは、図示しないY,M,C,K吸引ポンプの吸引力により、搬送管72Y,M,C,K内を図中上方から下方に向けて搬送される。
搬送管72Y,M,C,Kは、黒色ABSなどといった有色の樹脂材から構成されている。但し、その一部には、管内流路を挟んで相対向する2つの透明窓Wa,Wbが設けられている。そして透明窓Wa,Wbが設けられている部分は、流量検知手段としての流量センサ76Y,M,C,Kの凹部に挟み込まれている。この流量センサ76Y,M,C,Kは、透過型フォトセンサから成り、発光素子Xaと受光素子Yとを有している。発光素子Xから発せられた光は、トナー通路74の透明窓Wa→管内流路→透明窓Wbという経路を経て、受光素子Yに受光される。受光素子Yは、受光量に応じた量の光電流を発生する。
図21は、流量センサ76Y,M,C,Kからの出力電圧と、受光素子Yの発する光電流量との関係を示すグラフである。図示のように、受光素子Yの受光量が多くなってその光電流量が増加するほど、流量センサ(76Y,M,C,K)からの出力電圧値が上昇する。先に示した図20において、搬送管72Y,M,C,K内を流れるトナーの量が多くなるほど、受光素子Yによる受光量が減少する。よって、流量センサ76Y、M、C、Kからの出力電圧が大きくなるほど、図22に示すように、搬送管72Y,M,C,K内のトナー流量は減少する。流量センサ76Y,M,C,Kからの出力電圧値は、搬送管72Y,M,C,K内のトナー流量を示すことになる。なお、図示の例では、搬送管72Y,M,C,Kに2つの透明窓Wa,Wbを設けたが、透明窓を設けずに管自体を透明な材料で構成してもよい。また、透明窓を1つだけ設けるとともにノズル内壁を鏡面仕上げし、透明窓から入射した光をノズル内壁で反射させるようにすれば、反射型フォトセンサを用いることもできる。
先に図20に示した流量センサ76Y,M,C,Kからの出力信号は、先に図18に示した制御部300によって検知される。制御部300は、流量センサ76Y,M,C,Kからの出力電圧値を所定の時間間隔で読み込んで、10回の平均値であるセンサ出力平均値Vaを算出する。そして、センサ出力平均値Vaについて所定の閾値を超えているか否かについて判断する。閾値を超えていない場合には、搬送管72Y,M,C,K内のトナー流量がそれほど減少していない状態にある。一方、閾値を超えている場合には、搬送管72Y,M,C,K内のトナー流量が通常よりもかなり減少している状態にある。流量不足の状態なのである。これは、トナーカートリッジ(100Y,M,C,K)内のトナーがほぼ無くなっているか、カートリッジからのトナー排出が良好に行われていないか、の何れかの理由によって起こっている。そこで、制御部300は、センサ出力平均値Vaについて上述の閾値を超えていると判断すると、流量エラーカウント値Fcに「1」を加算した後、ジョブ期間外ボトル回転時間Tyに0.2[msec]を加算する。ジョブ期間外ボトル回転時間Tyは、プリントジョブの期間外にトナーカートリッジ(100Y,M,C,K)のボトル部を回転させる時間を示している。よって、搬送管72Y,M,C,K内のトナー流量がかなり減って「Va>閾値」が検知される毎に、ジョブ期間外のボトル回転時間が0.2[msec]延長される。そして、プリントジョブが終了すると、その延長の合計分だけ、上述した共用駆動モータ(201)や吸引クラッチ(213、216)がONされて、ボトル部からのトナー排出が促される(以下、この動作をジョブ外トナー排出促進動作という)。このようにしてトナー排出が促されるにもかかわらず、センサ出力平均値Vaが閾値近くにまで復元しない場合には、ボトル部内のトナーが殆ど無くなっていることになる。そこで、制御部300は、トナー排出を促してもセンサ出力平均値Vaが閾値近くにまで復元しない場合には、トナーカートリッジ内のトナーが無くなっていると判断し、トナーエンド警報を表示部に表示するなどして、ユーザーに報知する。かかる構成では、搬送管72Y,M,C,K、流量センサ76Y,M,C,K、制御部300などにより、補給トナー収容手段たるトナーカートリッジ(100Y,M,C,K)内のトナー残量を検知するトナー残量検知手段として機能している。
制御部300は、トナーカートリッジ(100Y,M,C,K)内のトナー残量の検知結果に応じて、上述した共用駆動モータ(201)の回転速度を第1回転速度V1からこれよりも速い第2回転速度V2に変化させるようになっている。具体的には、流量センサ76Y,M,C,Kによる検知結果に基づいて、上述したジョブ外トナー排出促進動作を行う場合に、共用駆動モータ(210)を第2回転速度V2で駆動させる。かかる構成においては、トナー排出促進動作を必要に応じて速くすることで、トナーエンドをより迅速に検知することができる。
[第3実施例]
本第3実施例に係るプリンタは、Y,M,C,Kトナーカートリッジ(100Y,M,C,K)の本体に対する着脱操作をそれぞれ個別に検知する図示しないY,M,C,Kカートリッジ着脱検知手段を有している。これらY,M,C,Kカートリッジ着脱検知手段の一例としては、本体に装着されている状態のトナーカートリッジの鏡面に向けて光を発する発光素子と、その鏡面からの反射光を受光する受光素子とを有する反射型フォトセンサなどが挙げられる。受光素子による受光量が著しく減少した場合には、トナーカートリッジが本体から取り外されたことを示し、且つ、受光量が元通りに復帰した場合にはトナーカートリッジが装着されたことを示すからである。
トナーカートリッジ(100Y,M,C,K)の着脱操作が行われた場合には、トナーカートリッジの新旧交換がなされた可能性が高い。そして、かかる新旧交換がなされた場合には、新品のトナーカートリッジ内のトナーが上述したキャップ部内に十分に充填されていない可能性が高い。このため、新旧交換がなされた場合には、所定時間だけ、ボトル部の回転によるトナー排出促進動作を行って、キャップ部内にトナーを充填することが望ましい。そこで、本プリンタでは、新旧交換がなされたときには、所定時間だけトナー排出促進動作を行うようになっている。しかも、このとき、ジョブ中の第1回転速度V1よりも速い第2回転速度V2で、共用駆動モータ(201)を駆動する。かかる構成では、より迅速に、新たなトナーカートリッジのセット後の使用前準備を行うことができる。
なお、これまで、電子写真方式によってトナー像を形成するプリンタに本発明を適用した例について説明したが、直接記録方式によってトナー像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を記録体や中間記録体に直接付着させて画素像を形成することで、記録体や中間記録体に対してトナー像を直接形成する方式である。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、複数のトナー補給手段たる各色の吸引ポンプ78Y,M,C,Kで1つの駆動源たる共用駆動モータ201を共用するとともに、全ての吸引ポンプ78Y,M,C,Kに対してそれぞれ異なる時期に共用駆動モータ201からの駆動力を伝達する。かかる構成では、各色の吸引ポンプ78Y,M,C,Kを同時に駆動する場合に比べて、それら吸引ポンプで1つの共用駆動モータ201を共用することによる低コスト化や省スペース化を、より確実に実現することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、複数の排出促進手段たる各色のボトル部(例えば101Y)で1つの駆動源たる共用駆動モータ201を共用するとともに、全てのボトル部に対してそれぞれ異なる時期に共用駆動モータ201からの駆動力を伝達する。かかる構成では、各色のボトル部を同時に駆動する場合に比べて、それらボトル部で1つの共用駆動モータ201を共用することによる低コスト化や省スペース化を、より確実に実現することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、共用駆動モータ201からの駆動力の伝達を各吸引ポンプ78Y,M,C,Kに対してそれぞれ個別に入切する駆動伝達入切手段を設けている。具体的には、かかる駆動伝達入切手段として、Y,M,C,K吸引クラッチ85Y,M,C,Kと、制御部300との組合せからなるものを設けている。かかる構成では、駆動伝達入切手段により、各吸引ポンプ87Y,M,C,Kを確実にそれぞれ異なる時期に駆動させることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、共用駆動モータ201からの駆動力の伝達を各ボトル部に対してそれぞれ個別に入切する駆動伝達入切手段を設けている。具体的には、かかる駆動伝達入切手段として、3色ボトルクラッチ213、K用ボトルクラッチ216、Y,M,C用部分歯ギヤ213Y,M,C、K用全歯ギヤ213K等を有するものを設けている。かかる構成では、駆動伝達入切手段により、各ボトル部を確実にそれぞれ異なる時期に駆動させることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、従動側ギヤたるボトルギヤ部111Y,M,Cと噛み合うための歯が複数形成された歯形成領域たるギヤ部H(図14参照)と、歯が形成されていない無歯領域とを回転周面上に有する部分歯ギヤ213Y,M,Cを有し、各部分歯ギヤY,M,Cにおけるボトルギヤ部111Y,M,Cとの歯の噛み合いタイミングをそれぞれ異ならせるように各部分歯ギヤ213Y,M,Cの回転位相をずらすことで、各部分歯ギヤ213Y,M,Cにそれぞれ個別に対応するY,M,C用のボトル部に対してそれぞれ異なるタイミングで駆動力を伝達するものを、駆動伝達入切手段として用いている。かかる構成では、2以上のボトル部に対する駆動力の入切の個別制御を、電気的な制御によらず行って、制御プログラムや電気機器の簡素化を図ることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、複数のトナーカートリッジとして、黒トナーを収容する黒トナー収容手段たる黒用のトナーカートリッジ100Kと、黒以外の互いに異なる色のトナーをそれぞれ個別に収容する非黒トナー収容手段たるY,M,C用のトナーカートリッジ100Y,M,Cとを設けている。そして、部分歯ギヤ213Y,M,Cを、それら非黒トナー収容手段に対応する数だけ設け、これら非黒トナー収容手段にそれぞれ個別に対応するY,M,C用のボトル部に対して、各部分歯ギヤ213Y,M,Cの回転位相のずれによってそれぞれ異なるタイミングで駆動力を伝達させるようにしている。かかる構成では、単色プリントの需要が最も高い黒色については、ボトル部に対する駆動伝達の入切をクラッチによって他の色とは別に行うことが可能である。そして、このことにより、モノクロプリントが行われる場合には、他色のボトル部の回転を止めて余計なエネルギー消費や部品消耗を抑えることができる。
なお、各部分歯ギヤ213Y,M,Cとしては、次のような構成のものを用いることが望ましい。即ち、ギヤの歯数をNで示し、ギヤのピッチ円及びモジュールによって決まる全歯ギヤの歯数をZで示し、部分歯ギヤの総数をXで示し、且つギヤ部Hの回転位相が互いに異なる部分歯ギヤの数をYで示した場合に、「N≦Z×Y/X」という条件式を具備するものである。このようにすることで、互いに異なる時期で駆動させたい部分歯ギヤにおける従動ギヤとの噛み合い時期をそれぞれ確実に異ならせて、これら部分歯ギヤを確実に異なる時期に駆動させることができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、複数の排出促進手段たるY,M,C,K用のボトル部うち、黒用のトナーカートリッジに対応するK用のボトル部に対してだけ駆動力の伝達を入切する第1クラッチたる黒用ボトルクラッチ216と、他色のボトル部に対して駆動力の伝達を共通で入切する第2クラッチたる3色ボトルクラッチ213とを駆動伝達入切手段に設け、それぞれのクラッチによる駆動入りタイミングを互いに異ならせることで、全てのボトル部に対してそれぞれ互いに異なるタイミングで駆動力を伝達させるようにしている。かかる構成では、排出駆動伝達入切のために、クラッチを2つ設けるだけで、2以上(4つ)のボトル部に対する駆動伝達のON/OFFを行うことができる。