JP2006257250A - 安定ラジカルを持つ高分子化合物の製造方法 - Google Patents

安定ラジカルを持つ高分子化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 蓄電デバイス電極材料として有用な、立体障害性ニトロキシルビニルエーテル高分子化合物の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物を、酸化剤を用いて酸化することによってN-H基をN-Oラジカルに転化して、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物を合成し、続いて触媒存在下、該ニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物をカチオン重合する、一般式(3)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物の製造方法。
【化1】
Figure 2006257250

(但し、式(1)、(2)および(3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは5〜7員環を表す。また、式(3)中のZは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、nは2以上の整数を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は蓄電デバイス電極材料として有用な立体障害性ニトロキシル高分子化合物の製造方法に関する。
立体障害性ニトロキシル高分子化合物は高分子の側鎖に安定ラジカルを持つ化合物である。この化合物は有機ラジカル電池電極材料として有用である。例えば、ポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)、ポリ(2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシ メタクリレート)またはポリ(2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシ メタクリレート)を電池正極材料として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ラジカル濃度は、より良い電池正極材料となる指標として重要であるが、これらの化合物の場合、仮にポリマーを構成する全ての単位ユニットがラジカルを持ったとしてもラジカル濃度は2.70×1021radicals/g未満である。例えば、これらの化合物で最も高いラジカル濃度を持つポリ(2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシ メタクリレート)でさえ、ラジカル濃度は2.69×1021radicals/gにとどまる。このために、さらに高いラジカル濃度を持つ立体障害性ニトロキシル高分子化合物の出現が待ち望まれていた。
安定で、かつ、高いラジカル濃度を持つ化合物としては、ポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル)が知られている(例えば、特許文献1参照、非特許文献1参照)。この化合物は、ポリビニルエーテルの側鎖に安定ラジカル基であるテトラメチルピペリジノキシ基を持つ構造を有しており、ラジカル濃度は3.04×1021radicals/gに達する。
この高分子化合物の合成法としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテルを、ルイス酸性触媒下でラジカル重合し、続いてメタクロロ過安息香酸によりラジカル化することで得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、カチオン重合においては塩基性化合物が重合禁止剤として働くことがよく知られている(例えば、非特許文献2参照)。2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテルのカチオン重合においては、モノマー自体が2級アミン基を持つために塩基性を示し、従ってカチオン重合はほとんど進行しない。また、仮に進行したとしても、モノマーの物質量以上のルイス酸性触媒を必要とし、そのときも重合度2〜4の極めて低分子量の高分子化合物しか得ることはできない。また、仮に重合度の大きな高分子化合物が得られても、続いて行われるラジカル化反応は高分子反応となるために全ての2級アミン部位をラジカル化させることは非常に難しい。このように、重合度の高いポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル)を効率的に合成する方法は今までになかった。
特開2002−304996号公報 Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya, 12,2750−5(1986) 「高分子の合成」化学同人 p41 昭和36年11月出版
本発明は蓄電デバイス電極材料として有用な、立体障害性ニトロキシルビニルエーテル高分子化合物の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はかかる現状に鑑み、立体障害性ニトロキシルビニルエーテル高分子の効率的な製造方法について種々検討を重ねた結果、反応前駆体である立体障害性2級アミンを側鎖に持ったビニルエーテルを、先にラジカル化して立体障害性ニトロキシルビニルエーテルとし、続いてカチオン重合することで、高い重合度を持った立体障害性ニトロキシルビニルエーテル高分子を取得できるに至った。つまり、先に立体障害性2級アミンをラジカル化することでモノマー自体の塩基性を消失させることができ、従って、続いて行われるカチオン重合を効率的に進行させることが可能となった。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1. 一般式(1)で表される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物を、酸化剤を用いて酸化することによってN-H基をN-Oラジカルに転化して、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物を合成し、続いて触媒存在下、該ニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物をカチオン重合する、一般式(3)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物の製造方法。
Figure 2006257250
(但し、式(1)、(2)および(3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは5〜7員環を表す。また、式(3)中のZは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、nは2以上の整数を表す。)
2. 前記一般式(3)で表されるビニルエーテル高分子化合物が、式(4)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、式(5)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、および式(6)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれる少なくとも一つの環状ニトロキシル構造を側鎖に含む第1項記載のビニルエーテル高分子化合物の製造方法。
Figure 2006257250
(但し、式(4)〜(6)中のR1〜R4はすべてメチル基である。)
3. 第1項または第2項記載の方法によって得られる、ニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物。
本発明によれば、高いラジカル濃度を持った安定ラジカル分子を効率的に製造することができる。また、本発明の化合物は高分子の側鎖に環状ニトロキシル構造を持つので高い耐久性が得られ、蓄電デバイス用電極材料として有用である。
本発明を更に詳細に説明すると、本発明は、下記の反応スキームに示すように一般式(1)で表される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物を出発原料として、一般式(3)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物を合成することを特徴とするものである。
Figure 2006257250
一般式(1)〜(3)中のR1〜R4としては、それぞれ1独立に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。Xは5〜7員環を形成する2価の基を表す。また、Zは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、nは2以上の整数を表す。
基Xにおいて環員を構成する原子は、炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群より選ばれる。基Xとして、具体的には、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CH=CH-、-CH=CHCH-、-CH=CHCHCH-、-CHCH=CHCH-が挙げられ、その中で、隣接しない-CH-は、-O-、-NH-または-S-によって置き換えられていてもよく、-CH=は-N=によって置き換えられていてもよい。
また、環を構成する原子に結合した水素原子は、アルキル基、ハロゲン原子、=O、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基等により置換されていてもよい。
特に、好ましい環状ニトロキシル構造は酸化状態において、式(4)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、式(5)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、式(6)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれるものである。
Figure 2006257250
(但し、式(4)〜(6)中のR1〜R4はすべてメチル基である。)
本発明において、式(4)、(5)または(6)で示されるラジカルを持つ基が、側鎖の全てに存在しなくてもよい。例えば、ポリマーを構成する単位の全てに式(4)、(5)もしくは(6)で示される基が存在していても、または一部に式(4)、(5)もしくは(6)で示される基が存在していて、残りに酸化未反応の式(7)、(8)もしくは(9)で示される基が存在していてもよい。有用な蓄電デバイスとして機能するには、式(3)中のZの90%以上がO・であることが好ましい。
Figure 2006257250
(但し、式(4)〜(6)中のR1〜R4はすべてメチル基である。)
一般式(1)で表される出発物質、すなわち環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物はIzvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya, 12,2750−5(1986)に示されているように、環状2級アミン構造を持つアルコール化合物、水酸化カリウム、そしてジメチルスルホオキシドの混合物を10atmの圧力下のアセチレンと、90℃で3時間反応することで得られる。
本発明において酸化反応は通常触媒存在下で行われる。酸化反応に使われる酸化剤としては公知のものが用いられるが、例えばメタクロロ過安息香酸、過酢酸または過酸化水素水などが使われる。経済面、安全面から過酸化水素水を使用することが好ましい。酸化反応において、触媒を用いるか否かは、用いる酸化剤に依存する。例えば、メタクロロ過安息香酸を酸化剤として用いたときは触媒を用いなくても反応速度は十分速いし、また、過酸化水素水を酸化剤として使用したときは触媒を用いないと反応速度は極めて遅くなる。
該酸化反応に使われる触媒としては公知のものが用いられる。例えばタングステン酸塩類、ヘテロ原子がリンまたはケイ素であるヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、酸化バナジウム類、アルカリ土類金属塩類、または亜鉛の塩などを使用することができる。タングステン酸塩類としては、例えばタングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、リンタングステン酸リチウムまたはリンタングステン酸ナトリウムが挙げられる。ヘテロ原子がリンまたはケイ素であるヘテロポリ酸のアルカリ金属塩としては、例えばリンモリブデン酸リチウム、リンモリブデン酸ナトリウム、ケイタングステン酸リチウムまたはケイタングステン酸ナトリウムが挙げられる。酸化バナジウム類としては、例えば一酸化バナジウム、三酸化二バナジウム、二酸化バナジウムおよび五酸化二バナジウムが挙げられる。アルカリ土類金属塩類としては、例えば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウムなどのハロゲン化アルカリ土類金属、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸アルカリ土類金属、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウムなどの硝酸アルカリ土類金属、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸ストロンチウムなどのリン酸アルカリ土類金属が挙げられる。亜鉛の塩としては、例えば塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛または水酸化亜鉛などを使用することができる。
触媒の使用量は特に制限されないが、通常は、酸化される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは、1〜2重量%であり、使用量が0.01%以下である場合には反応の進行が緩慢となり、また10重量%以上用いても反応速度は改善されない。
該酸化反応は、反応温度0〜120℃、好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは60〜70℃の範囲で行う。反応時間は通常、1〜72時間、好ましくは10〜72時間、さらに好ましくは24〜48時間行う。
また、本発明で用いる酸化剤の使用量は酸化される一般式(1)で表される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物に対して1.5倍モル以上が必要である。通常は酸化される立体障害性2級アミン高分子化合物のアミン部位に対して1.5〜8倍モル、好ましくは2〜5倍モル、さらに好ましくは4 〜5倍モルである。これ以上、多くの酸化剤を使用すると経済的に不利であるばかりでなく、ビニルエーテル自体の分解を招くこともある。
該酸化反応に用いられる溶媒としては、酸化される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物と均一に混ざる有機溶媒であり、かつ、酸化剤により酸化されにくい溶媒であればいずれでもよい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、塩化ベンゼンなどを挙げることができる。反応に用いられる環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物の量としてはいずれでもよいが、用いる溶媒に対して3〜30重量%となるのが好ましい。
該酸化反応後は、抽出、蒸留等の公知の方法で反応物を精製することができる。
本発明において重合反応は、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物を適当な溶媒に溶解させ、重合開始剤の存在下で行う。該重合反応に用いられる溶媒としては、塩基性を示す官能基を持たない溶媒ならいずれでもよい。しかし、無極性溶媒を用いたときの方が極性溶媒を用いたときよりも重合度は高くなる傾向にある。無極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、1,4−ジオキサン、p-キシレンそしてベンゼンなどが用いられる。極性溶媒としては、例えば、o−キシレン、m−キシレン、トルエン、アセトン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、クロロホルム、またはテトラヒドロフランなどが用いられる。また、任意の2つ以上の混合溶媒を用いてもよい。
該重合反応に使われる触媒としては公知のカチオン重合開始剤が用いられる。例えば、四塩化スズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三クロロアルミニウム、またはヨウ素などが用いられる。
触媒の使用量は特に制限されないが、通常は、酸化される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物に対して0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜60重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
該重合反応は、反応温度−100〜20℃、好ましくは−100〜0℃、さらに好ましくは−30〜0℃で、通常、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間、さらに好ましくは2〜3時間行う。
該重合反応後は、抽出または再沈殿等の公知の方法によってニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物を精製、単離することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
100mlナスフラスコに、式(10)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテル2.78gをイソプロパノール55.6gに溶解させた。ここへケイタングステン酸ナトリウム0.056gを含む60重量%過酸化水素水4.17gを加え、70℃で攪拌した。反応に従って、溶液は無色から赤色へと変化した。24時間反応後、溶媒を留去し、そこへ、ヘキサン20gを加えた。水で3回洗浄後、炭酸カリウムで乾燥し、溶媒を留去することで、式(11)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテルを2.42g得た。得られた分子の構造は元素分析、NMRで確認した。
測定元素比:C,66.63;H,10.17;N,7.07
計算元素比(C1120N):C,65.86;H,10.19;N,7.29%
HNMR(90MHz、CDCl、298K):δ=1.01(多重線、2H), 1.08(多重線、12H), 1.99(多重線、2H), 4.15(多重線、1H), 6.28(多重線、1H)
Figure 2006257250
次に窒素吹き込み口、滴下漏斗を備え付けた3口フラスコにヘキサン19mlと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1mlを用意した。十分に混ぜて開始剤を分散させた後、浴で−10℃に冷却した。滴下漏斗に、ヘキサン31mlに溶解させた2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル2.2gを用意し滴下した。−10℃で3時間攪拌後に、25%アンモニア水2mlを加えて、反応を停止した。溶媒を留去後に残るポリマーを水、ヘキサンでよく洗い、60℃で真空乾燥することにより下記式(12)で示されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル)を2.2g得た。得られた高分子化合物の構造は元素分析で確認した。
測定元素比:C,65.68;H,10.10;N,7.21
計算元素比(C1120N):C,65.86;H,10.19;N,7.29%
また、GPCにより、重量平均分子量Mw=5000と測定された。これは重合度が25であることを示している。また、ESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は3.04×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル)を構成する全てのモノマーユニットがひとつずつラジカルを持っていることを示している。
Figure 2006257250
(12)
比較例1
本発明における実施例の比較として、分子中に2級アミンを持つ式(10)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテルのカチオン重合を行った。つまり、先に式(13)で表されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテル)を合成し、続いて2級アミンをラジカル化することにより式(12)で示されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ ビニルエーテル)を合成することを試みた。
Figure 2006257250
(13)
次に窒素吹き込み口、滴下漏斗を備え付けた3口フラスコにヘキサン19mlと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1mlを用意した。十分に混ぜて開始剤を分散させた後、浴で−10℃に冷却した。滴下漏斗に、ヘキサン31mlに溶解させた2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテル2.0gを用意し滴下した。−10℃で3時間攪拌後に、25%アンモニア水2mlを加えて、反応を停止した。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料モノマーである2,2,6,6−テトラメチルピペリジンビニルエーテルは全く反応していなく、ポリマーは得られなかった。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される環状2級アミン構造を含むビニルエーテル化合物を、酸化剤を用いて酸化することによってN-H基をN-Oラジカルに転化して、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物を合成し、続いて触媒存在下、該ニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル化合物をカチオン重合する、一般式(3)で表されるニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物の製造方法。
    Figure 2006257250
    (但し、式(1)、(2)および(3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは5〜7員環を表す。また、式(3)中のZは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、nは2以上の整数を表す。)
  2. 前記一般式(3)で表されるビニルエーテル高分子化合物が、式(4)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、式(5)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、および式(6)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれる少なくとも一つの環状ニトロキシル構造を側鎖に含む請求項1記載のビニルエーテル高分子化合物の製造方法。
    Figure 2006257250
    (但し、式(4)〜(6)中のR1〜R4はすべてメチル基である。)
  3. 請求項1または2記載の方法によって得られる、ニトロキシルラジカルを含むビニルエーテル高分子化合物。
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