JP4506955B2 - 安定ラジカルを持つ共重合体組成物の製造方法 - Google Patents

安定ラジカルを持つ共重合体組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は蓄電デバイス電極材料として有用な立体障害性ニトロキシル構造を持つ共重合体組成物の製造方法に関する。
立体障害性ニトロキシル高分子は高分子の側鎖に安定ラジカルを持つ化合物である。この化合物は有機ラジカル電池電極材料として有用である。例えば、ポリ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)、ポリ(2,2,5,5-テトラメチルピロリジノキシ メタクリレート)またはポリ(2,2,5,5-テトラメチルピロリノキシ メタクリレート)を電池正極材料として用いることが提案されており(特許文献1参照)、酸化剤としてメタクロロ過安息香酸を用いる方法が開示されている。しかしながら、コスト及び安全性の両面から有利とは言い難く、また、反応後に副生成物として生じるメタクロロ安息香酸の廃棄処理も問題となる。
安価で、かつ、安全性の高い酸化剤としては過酸化水素水が挙げられる。コストの面では、過酸化水素水の値段はメタクロロ過安息香酸の約百分の一であるし、また、安全性の面からもメタクロロ過安息香酸等の有機過酸化物に比べ、過酸化水素水の爆発の危険性は低い。実際に、ポリ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)を、酸化剤として過酸化水素水を用いて合成する方法が提案されている(非特許文献1参照)。しかし、この方法では十分なラジカル濃度を持った立体障害性ニトロキシル高分子を得ることができない。
このために、安定ラジカルを持ち、かつ高いラジカル濃度を持った立体障害性ニトロキシル高分子を、安価で、かつ、安全性の高い酸化剤を用いて製造する方法が求められている。
特開2002−304996 J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed., 10, 3295 (1972)
高いラジカル濃度を持った立体障害性ニトロキシル高分子を安価で、かつ安全性の高い酸化剤を用いて製造する。
本発明者はかかる現状に鑑み、立体障害性2級アミン高分子を、酸化剤を用いて酸化することによる、高いラジカル濃度を持った立体障害性ニトロキシル高分子を製造する方法について種々検討を重ねた結果、環状2級アミン構造を含むメタクリレートと環状2級アミン構造を含むアクリレートとの共重合体組成物を、触媒存在下で過酸化水素によって酸化したときに、特異的に高いラジカル濃度を持った立体障害性ニトロキシル高分子になりうることを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.環状2級アミン構造を含むメタクリレートと環状2級アミン構造を含むアクリレートとの一般式(1)で表される共重合体組成物を、触媒存在下で過酸化水素を用いて酸化することによりN-H基の90%以上をN-Oラジカルに転化する、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含む共重合体組成物の製造方法。
ただし、一般式(1)左下および右下のオキシカルボニル基につながる部分の構造は式(7)、式(8)または式(9)で表される構造である。
(但し、式(1)および(2)中、R1〜R8はすべてメチル基を表し、X、Yはそれぞれ独立に5〜員環を表す。また、式(2)中のZは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、m、nは1以上の整数を表し、メタクリレート基とアクリレート基との順序は交互であってもランダムであってもよい)
(但し、式(7)〜(9)中のR1〜R4はメチル基である)

.触媒が、タングステン酸塩類、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、酸化バナジウム類、アルカリ土類金属塩類、または亜鉛の塩である上記1記載の共重合体組成物の製造方法。
3.一般式(1)左下および右下のオキシカルボニル基につながる部分の構造が式(7)で表される構造である上記1または2記載の共重合体組成物の製造方法。
本発明によれば、蓄電デバイス用電極材料として有用な、高いラジカル濃度を持つ安定なニトロキシル化合物を安全かつ安価に製造することができる。
本発明を更に詳細に説明すると、本発明は、下記の反応スキームに示すように式(1)で表される、立体障害性2級アミンを持つ共重合体組成物(N−H化合物)を出発原料として、これを触媒存在下で過酸化水素により酸化することによって式(2)で表される立体障害性ニトロキシル構造をもつ共重合体組成物を合成するときに、特異的にラジカル濃度が高くなることを特徴とするものである。
(但し、式(1)および式(6)中、R1からR8はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、X、Yは5〜7員環を形成する基である。また、m、nは1以上の整数を表す)
基X、Yにおいて環員を構成する原子は、炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群より選ばれる。基Xとして、具体的には、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、-CH=CH-、-CH=CHCH-、-CH=CHCHCH-、-CHCH=CHCH-が挙げられ、その中で、隣接しない-CH-は、-O-、-NH-または-S-によって置き換えられていてもよく、-CH=は-N=によって置き換えられていてもよい。
また、環を構成する原子に結合した水素原子は、アルキル基、ハロゲン原子、=O、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基等により置換されていてもよい。
特に、好ましい環状ニトロキシル構造は酸化状態において、式(3)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、式(4)で示される2,2,6,6−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、式(5)で示される2,2,6,6−テトラメチルピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれるものである。
本発明において、式(3)、(4)または(5)で示されるラジカルを持つ基が、側鎖の全てに存在しなくてもよい。例えばポリマーを構成する単位の全てに式(3)、(4)または(5)で示される基が存在していても、または一部に式(3)、(4)または(5)で示される基が存在していて、残りに酸化未反応の式(7)、(8)または(9)で示される基が存在していてもよい。ポリマー中にどの程度、式(3)、(4)または(5)で示されるラジカルを持つ基が含まれるかは、ポリマーの構造、酸化方法によって異なるが、有用な蓄電デバイスとして機能するには90重量%以上が好ましい。
立体障害性2級アミン構造を含む(メタ)アクリレートモノマーは、下記の反応スキームで示すように、メチル(メタ)アクリレートと式(10)で示される立体障害性2級アミン化合物とのエステル交換反応で得られる。
(但し、式中、R1〜R4、XまたはRは前記と同義である。)
このエステル交換反応は触媒存在下で行われる。エステル交換反応に使われる触媒としては公知のものが用いられるが、例えばチタンテトライソプロポキシド、ナトリウムメトキシドなどを使用することができる。この反応は、反応温度50〜120℃、好ましくは80〜100℃で行われる。反応により生成するメタノールを反応系内から除くことで、反応を完結させることができる。
式(1)で表される立体障害性2級アミンを持つ共重合体組成物(N−H化合物)は、式(12)で示される立体障害性2級アミン構造を含むメタクリレートモノマーと立体障害性2級アミン構造を含むアクリレートモノマーを適当な溶媒に溶解させ、重合開始剤の存在下窒素雰囲気で重合を行うことで得られる。
反応に用いられる重合開始剤としては特に制限はないが、経済面、扱いやすさの面からアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)が好ましい。反応に用いられる溶媒としては公知のものが用いられ特に制限はない。例えばメタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、メチルエチルケトンなどのケトン類などを使用することができる。この反応は、反応温度60℃〜溶媒の沸点、好ましくは60〜80℃で行われる。
共重合体組成物における、環状2級アミン構造を含むメタクリレート基と環状2級アミン構造を含むアクリレート基の割合は、重合開始時の環状2級アミン構造を含むメタクリレートモノマーと環状2級アミン構造を含むアクリレートモノマーの混合割合を変えることで操作することができる。共重合体組成物において、環状2級アミン構造を含むメタクリレート基と環状2級アミン構造を含むアクリレート基の割合については特に制限はなく任意である。
つぎに、上記方法で得られた共重合体を触媒存在下、過酸化水素水を用いて酸化することによりラジカルを発生させる。酸化反応に使われる触媒としては公知にものが用いられるが、例えばタングステン酸塩類、ヘテロ原子がリンまたはケイ素であるヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、酸化バナジウム類、アルカリ土類金属塩類、または亜鉛の塩などを使用することができる。タングステン酸塩類としては、例えばタングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、リンタングステン酸リチウムまたはリンタングステン酸ナトリウムが挙げられる。ヘテロ原子がリンまたはケイ素であるヘテロポリ酸のアルカリ金属塩としては、例えばリンモリブデン酸リチウム、リンモリブデン酸ナトリウム、ケイタングステン酸リチウムまたはケイタングステン酸ナトリウムが挙げられる。酸化バナジウム類としては、例えば一酸化バナジウム、三酸化二バナジウム、二酸化バナジウムおよび五酸化二バナジウムが挙げられる。アルカリ土類金属塩類としては、例えば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウムなどのハロゲン化アルカリ土類金属、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸アルカリ土類金属、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウムなどの硝酸アルカリ土類金属、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸ストロンチウムなどのリン酸アルカリ土類金属が挙げられる。亜鉛の塩としては、例えば塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛または水酸化亜鉛などを使用することができる。
触媒の使用量は特に制限されないが、通常は、酸化される立体障害性2級アミン高分子に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%であり、使用量が0.01%以下である場合には反応の進行が緩慢となり、また10重量%以上用いても反応速度は改善されない。
また、本発明で用いる過酸化水素水は10〜60重量%濃度のものを使用することができるが、好ましくは30〜60重量%である。使用する過酸化水素水の濃度が30重量%よりも低い場合には、反応の進行が緩慢になる。過酸化水素水の使用量は酸化される立体障害性2級アミン高分子に対して十分に多いことが好ましい。通常は酸化される立体障害性2級アミン高分子に対して5〜50倍モル、好ましくは10〜30倍モルである。過酸化水素水の使用量が5倍モル以下である場合には反応の進行が緩慢となり、また50倍モル以上用いても反応速度は改善されない。
反応に用いられる溶媒としては、酸化される立体障害性2級アミン高分子を溶解する有機溶媒であり、かつ、過酸化水素水により酸化されにくい溶媒であればいずれでもよい。用いられる有機溶媒の水への溶解度によって、酸化反応は均一反応もしくは不均一反応のいずれかで行われる。均一系の溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類などを挙げることができる。また不均一系の溶媒としては塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、塩化ベンゼンなどを挙げることができる。反応に用いられる高分子化合物の量としてはいずれでもよいが、用いる溶媒に対して5〜30重量%となるのが好ましい。
反応は、反応温度0〜120℃、好ましくは20〜100℃で、通常、1〜24時間行う。
上記の方法により、式(1)で表される共重合体組成物中のN-H基の90%以上がN-Oラジカルに転化し、式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含む共重合体組成物が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。また、共重合高分子において、n/(m+n)の値は共重合の割合を示す。
実施例1
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート2.45g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート0.66gを入れ、メチルエチルケトン7gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.038gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。3時間反応後、溶媒を留去し、残った固体を減圧乾燥して、ポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体を3g得た。この共重合体ポリマーのn/(m+n)の値は0.22であった。
次に得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体1.5gをイソプロパノール15gに溶解させた。ここへタングステン酸ナトリウム0.02gを含む60重量%過酸化水素水10gを加え、80℃で攪拌した。24時間反応後、さらにイソプロパノール15g、タングステン酸ナトリウム0.02gを含む60重量%過酸化水素水10gを加え、さらに80℃で24時間攪拌した。反応液をジクロロメタンで抽出後、無水炭酸カリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残った赤色固体を減圧乾燥して、下記式(13)で示されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体を1.35g得た。
ESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.41×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体のN-H基が、N-Oラジカルへ95%転化されていることを示している。
実施例2
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート0.33g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート1.33gを入れ、メチルエチルケトン4gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.021gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は、実施例1と同様の方法でポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体を合成した。この共重合体ポリマーのn/(m+n)の値は0.81であった。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.58×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体のN-H基が、N-Oラジカルへ98%転化されていることを示している。
実施例3
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート1.3g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート0.07gを入れ、メチルエチルケトン4gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.021gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は、実施例1と同様の方法でポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体を合成した。この共重合体ポリマーのn/(m+n)の値は0.05であった。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.34×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体のN-H基が、N-Oラジカルへ93%転化されていることを示している。
実施例4
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート0.07g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート1.3gを入れ、メチルエチルケトン4gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.021gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は、実施例1と同様の方法でポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体を合成した。この共重合体ポリマーのn/(m+n)の値は0.95であった。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.55×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体のN-H基が、N-Oラジカルへ96%転化されていることを示している。
実施例5
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート1.5g、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート1.5gを入れ、メチルエチルケトン7gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.038gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は、実施例1と同様の方法でポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体を合成した。この共重合体ポリマーのn/(m+n)の値は0.5であった。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)共重合体のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.43×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)共重合体のN-H基が、N-Oラジカルへ94%転化されていることを示している。
比較例1
本発明における実施例の比較として、共重合構造を持たない立体障害性ニトロキシル高分子を、過酸化水素水を用いて合成した。
まず還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート3gを入れ、メチルエチルケトン7gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.038gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は実施例1と同様の方法により、下記式(14)で示されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)を合成した。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ メタクリレート)のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.13×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン メタクリレート)のN-H基が、N-Oラジカルへ85%転化されていることを示している。
比較例2
還流塔を付けた100mlナスフラスコ中に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート3gを入れ、メチルエチルケトン7gに溶解させた。そこへ、アゾビスイソブチルニトリル0.038gを加え、窒素雰囲気下、80℃で重合反応を行った。それ以降は実施例1と同様の方法により、下記式(15)で示されるポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)を合成した。
以上のようにして得られたポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシ アクリレート)のESRスペクトルにより求めたラジカル濃度は2.16×1021radicals/gであった。これはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン アクリレート)のN-H基が、N-Oラジカルへ81%転化されていることを示している。
実施例1〜5から明らかなように、メタクリレート-アクリレート共重合体組成物は過酸化水素による酸化によって、いずれも90%を超える極めて高いラジカル転化率を示す。一方、比較例が示すようにメタクリレートまたはアクリレートの単重合体ではラジカル転化率がそれぞれ85%、81%であり実施例に比べて低い。

Claims (3)

  1. 環状2級アミン構造を含むメタクリレートと環状2級アミン構造を含むアクリレートとの一般式(1)で表される共重合体組成物を、触媒存在下で過酸化水素を用いて酸化することによりN-H基の90%以上をN-Oラジカルに転化する、一般式(2)で表されるニトロキシルラジカルを含む共重合体組成物の製造方法。
    ただし、一般式(1)左下および右下のオキシカルボニル基につながる部分の構造は式(7)、式(8)または式(9)で表される構造である。
    (但し、式(1)および(2)中、R1〜R8はすべてメチル基を表し、X、Yはそれぞれ独立に5〜員環を表す。また、式(2)中のZは90%以上がO・、残りは水素原子を表す。さらに、m、nは1以上の整数を表し、メタクリレート基とアクリレート基との順序は交互であってもランダムであってもよい)
    (但し、式(7)〜(9)中のR1〜R4はメチル基である)
  2. 触媒が、タングステン酸塩類、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩、酸化バナジウム類、アルカリ土類金属塩類、または亜鉛の塩である請求項記載の共重合体組成物の製造方法。
  3. 一般式(1)左下および右下のオキシカルボニル基につながる部分の構造が式(7)で表される構造である請求項1または2記載の共重合体組成物の製造方法。
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