JP2006254710A - いちご品種識別用プライマーセット及びこれを用いたいちご品種識別方法 - Google Patents

いちご品種識別用プライマーセット及びこれを用いたいちご品種識別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、いちごの品種や系統を正確に、迅速かつ効率的に識別する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 対合プライマーRAPD−STS−1〜13F・Rの中から選ばれた1組又は2組以上の対合プライマーからなるいちご品種識別用プライマーセット;試料から抽出したDNAに対して、前記プライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種の識別方法;前記プライマーセットを含むことを特徴とするいちご品種の識別用キット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、いちご品種識別用プライマーセット、及びこれを用いたいちご品種識別方法に関し、詳しくは、いちご品種のDNA配列の差異に基いて、いちごの品種や系統を正確に、迅速かつ効率的に識別するための、いちご品種識別用プライマーセット及びこれを用いたいちご品種識別方法に関する。
近年、種苗法による育成者権の保護や、JAS法による農産物の表示義務等により、DNAレベルでの品種識別が重要となっている。
いちごに関しては、KunihisaらがCAPSマーカーを用いた品種識別技術を開発しているが(非特許文献1参照)、検査サンプルの増加や、検査機関への検査の委託に対応するためには、より多くの検体を正確に、迅速かつ効率的に処理する技術の開発を進める必要がある。
そのため、品種特異的なマーカーによる識別方法の確立が求められていた。
Euphytica,2003
本発明の目的は、いちごの品種や系統を正確に、迅速かつ効率的に識別する技術を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討を重ね、いちごの組織から抽出したDNAについてRAPDによる増幅を行い、明瞭な多型でかつ再現性があるものを選抜してSTS化し、DNAは、そのままPCRのプライマーとして用いることにより、PCRの増幅産物を制限酵素などの処理を経ずに識別マーカーを検出することができることを見出し、本発明に到達した。
請求項1記載の本発明は、下記の(1)〜(13)のそれぞれに記載の対合プライマーの中から選ばれた1組又は2組以上の対合プライマーからなるいちご品種識別用プライマーセットである。
(1)配列表の配列番号1記載のDNA(RAPD−STS−1F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号2記載のDNA(RAPD−STS−1R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−1F・R
(2)配列表の配列番号3記載のDNA(RAPD−STS−2F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号4記載のDNA(RAPD−STS−2R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−2F・R
(3)配列表の配列番号5記載のDNA(RAPD−STS−3F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号6記載のDNA(RAPD−STS−3R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−3F・R
(4)配列表の配列番号7記載のDNA(RAPD−STS−4F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号8記載のDNA(RAPD−STS−4R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−4F・R
(5)配列表の配列番号9記載のDNA(RAPD−STS−5F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号10記載のDNA(RAPD−STS−5R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−5F・R
(6)配列表の配列番号11記載のDNA(RAPD−STS−6F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号12記載のDNA(RAPD−STS−6R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−6F・R
(7)配列表の配列番号13記載のDNA(RAPD−STS−7F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号14記載のDNA(RAPD−STS−7R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−7F・R
(8)配列表の配列番号15記載のDNA(RAPD−STS−8F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号16記載のDNA(RAPD−STS−8R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−8F・R
(9)配列表の配列番号17記載のDNA(RAPD−STS−9F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号18記載のDNA(RAPD−STS−9R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−9F・R
(10)配列表の配列番号19記載のDNA(RAPD−STS−10F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号20記載のDNA(RAPD−STS−10R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−10F・R
(11)配列表の配列番号21記載のDNA(RAPD−STS−11F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号22記載のDNA(RAPD−STS−11R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−11F・R
(12)配列表の配列番号23記載のDNA(RAPD−STS−12F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号24記載のDNA(RAPD−STS−12R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−12F・R
(13)配列表の配列番号25記載のDNA(RAPD−STS−13F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号26記載のDNA(RAPD−STS−13R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−13F・R
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせ、又は、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせからなるいちご品種「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」及び「苺香」識別用プライマーセットである。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせ、又は、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせからなるいちご品種「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」及び「アスカルビー」識別用プライマーセットである。
請求項4記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R、及びRAPD−STS−2F・Rからなるいちご品種「とちおとめ」識別用プライマーセットである。
請求項5記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−3F・R、及び/又はRAPD−STS−4F・Rからなるいちご品種「とちひめ」識別用プライマーセットである。
請求項6記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R及びRAPD−STS−6F・Rからなるいちご品種「福岡S6号」識別用プライマーセットである。
請求項7記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「さちのか」及び「はるのか」識別用プライマーセットである。
請求項8記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「とよのか」識別用プライマーセットである。
請求項9記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−10F・Rからなるいちご品種「さがほのか」識別用プライマーセットである。
請求項10記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R及びRAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「章姫」識別用プライマーセットである。
請求項11記載の本発明は、請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R及びRAPD−STS−8F・Rからなるいちご品種「苺香」識別用プライマーセットである。
請求項12記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項2記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」及び「苺香」の識別方法である。
請求項13記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項3記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」及び「アスカルビー」の識別方法である。
請求項14記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項4記載のプライマーセットを用いたマルチプレックスPCRを行い、増幅産物中から「とちおとめ」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」の識別方法である。
請求項15記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項5記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「とちひめ」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちひめ」の識別方法である。
請求項16記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項6記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「福岡S6号」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「福岡S6号」の識別方法である。
請求項17記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項7記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「さちのか」及び「はるのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「さちのか」及び「はるのか」の識別方法である。
請求項18記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項8記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「とよのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とよのか」の識別方法である。
請求項19記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項9記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「さがほのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「さがほのか」の識別方法である。
請求項20記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項10記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「章姫」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「章姫」の識別方法である。
請求項21記載の本発明は、試料から抽出したDNAに対して、請求項11記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「苺香」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「苺香」の識別方法である。
請求項22記載の発明は、請求項2〜11のいずれかに記載のプライマーセットを含むことを特徴とするいちご品種の識別用キットである。
本発明により、いちご品種識別用プライマーセットを構成する各対合プライマーを組み合わせることにより、試料中に含まれる特定の、或いは複数のいちごの品種や系統を正確に、迅速かつ効率的に識別することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のいちご品種識別用DNAは、請求項1に記載するように、配列表の配列番号1〜26に記載の各塩基配列からなる、26種類のDNAである。
ここで、いちごとは、Fragaria属に属する植物であり、例えば、Fragaria anannasa、Fragaria vesca、Fragaria virginiana、Fragaria nilgeltensisなどに分類されるものを意味する。いちご品種については、系統や原産地などについては特に限定されず、代表的なものとして、国内主要品種を含む「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号(あまおう)」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」「苺香(メイヒャン:韓国)」の17品種・系統を挙げることができる。また、「UC−5」(Fragaria vesca)、「UC−10」(Fragaria virginiana)、「ワイルドストロベリー」(Fragaria vesca)などにも適用可能である。更に、上記以外の品種および将来開発される新品種にも適用可能である。
本発明において、いちご品種を識別するとは、試料に1種類又は2種類以上のいちごの品種が含まれるかどうかを検出することを意味する。
本発明のいちご品種識別用プライマーセットは、以下の表1に示すと共に(1)〜(13)で説明する対合プライマー13種類の中から選ばれた1組または2組以上の対合プライマーとして、いちご品種の識別に利用することができるものである。
Figure 2006254710
(1)RAPD−STS−1F・R
配列表の配列番号1記載のDNA(RAPD−STS−1F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号2記載のDNA(RAPD−STS−1R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−1F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちおとめ」、「とちひめ」、「栃の峰」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(2)RAPD−STS−2F・R
配列表の配列番号3記載のDNA(RAPD−STS−2F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号4記載のDNA(RAPD−STS−2R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−2F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちひめ」「栃の峰」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(3)RAPD−STS−3F・R
配列表の配列番号5記載のDNA(RAPD−STS−3F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号6記載のDNA(RAPD−STS−3R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−3F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちひめ」のDNAにおいてのみバンドが検出されないが、他の品種ではバンドが検出されるマーカーを増幅させることができる。
(4)RAPD−STS−4F・R
配列表の配列番号7記載のDNA(RAPD−STS−4F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号8記載のDNA(RAPD−STS−4R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−4F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちひめ」のDNAにおいてのみバンドが検出されないが、他の品種ではバンドが検出されるマーカーを増幅させることができる。
(5)RAPD−STS−5F・R
配列表の配列番号9記載のDNA(RAPD−STS−5F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号10記載のDNA(RAPD−STS−5R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−5F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(6)RAPD−STS−6F・R
配列表の配列番号11記載のDNA(RAPD−STS−6F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号12記載のDNA(RAPD−STS−6R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−6F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「女峰」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「レッドパール」「アスカルビー」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(7)RAPD−STS−7F・R
配列表の配列番号13記載のDNA(RAPD−STS−7F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号14記載のDNA(RAPD−STS−7R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−7F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「紅ほっぺ」「濃姫」「アスカルビー」「福岡S6号」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(8)RAPD−STS−8F・R
配列表の配列番号15記載のDNA(RAPD−STS−8F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号16記載のDNA(RAPD−STS−8R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−8F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
また、RAPD−STS−8F・Rは、「UC−5」「UC−10」及び「ワイルドストロベリー」のDNAにおいてバンドが検出されるマーカーを増幅させることができる。
(9)RAPD−STS−9F・R
配列表の配列番号17記載のDNA(RAPD−STS−9F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号18記載のDNA(RAPD−STS−9R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−9F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちおとめ」「女峰」「栃の峰」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「アスカルビー」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(10)RAPD−STS−10F・R
配列表の配列番号19記載のDNA(RAPD−STS−10F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号20記載のDNA(RAPD−STS−10R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−10F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちひめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「福岡S6号」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(11)RAPD−STS−11F・R
配列表の配列番号21記載のDNA(RAPD−STS−11F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号22記載のDNA(RAPD−STS−11R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−11F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご17品種のうち「とちおとめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(12)RAPD−STS−12F・R
配列表の配列番号23記載のDNA(RAPD−STS−12F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号24記載のDNA(RAPD−STS−12R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−12F・Rは、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち「とちおとめ」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「福岡S6号」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーを増幅させることができる。
(13)RAPD−STS−13F・R
配列表の配列番号25記載のDNA(RAPD−STS−13F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号26記載のDNA(RAPD−STS−13R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーである。
RAPD−STS−13F・Rは、次の4つのマーカーを増幅させることができる。すなわち、上記した国内主要品種を含むいちご品種のうち、「とちおとめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「福岡S6号」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカー;「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」「福岡S6号」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるマーカー;「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「麗紅」「章姫」「紅ほっぺ」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカー;「とちおとめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「福岡S6号」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーの4つを増幅させることができる。
更に、RAPD−STS−13F・Rは、「UC−5」「UC−10」及び「ワイルドストロベリー」のDNAにおいてバンドが検出されるマーカーを増幅させることができる。
これらの対合プライマーは、基本的には、RAPDによるPCRにより増幅されたPCR増幅産物から、DNASIS(日立ソフト)を用いて、Tm値60〜70、プライマー長18〜22mer、GC含量50%以下になるようにして設計されたものである。
このような本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する各プライマーは、各DNAを構成する塩基配列に応じて人工的に合成することができる。
本発明のいちご品種識別用プライマーセットは、上記13組の対合プライマーRAPD−STS−1ないし13F・Rの中から選ばれた1組又は2組以上の対合プライマーを、識別の対象であるいちご品種に応じて適宜組み合わせたプライマーセットとして、PCRに用いることができる。
すなわち、上記RAPD−STS−1ないし13F・Rのうちの1組又は2組以上を、例えば下記の(A)〜(J)に示すような組み合わせのプライマーセットとして、試料から抽出したDNAに対するPCRに利用して、増幅産物中から識別マーカーを検出することにより、いちご品種を識別することができる。
(A)国内主要品種を含む17品種の識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、及びRAPD−STS−13F・Rを組み合わせて、或いはRAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、及びRAPD−STS−13F・Rを組み合わせて、いちご品種、特に、上記した国内主要品種を含むいちご品種「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号(あまおう)」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」「苺香(メイヒャン:韓国)」17品種の識別用プライマーセットとして利用することができる。
(B)主要な現行栽培品種を含む8品種の識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rを組み合わせて、或いはRAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rを組み合わせて、いちご品種、特に、主要な現行栽培品種を含む「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号(あまおう)」「アスカルビー」の8品種の識別用プライマーセットとして利用することができる。
(C)いちご品種「とちおとめ」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R及びRAPD−STS−2F・Rの2組の対合プライマーは、いちご品種「とちおとめ」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(D)いちご品種「とちひめ」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−3F・R、及びRAPD−STS−4F・Rの2組の対合プライマーのいずれか、或いは両方を、いちご品種「とちひめ」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(E)いちご品種「福岡S6号」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R、及びRAPD−STS−6F・Rの2組の対合プライマーを、いちご品種「福岡S6号」(あまおう)識別用プライマーセットとして利用することができる。
(F)いちご品種「さちのか」及び「はるのか」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの3組の対合プライマーを、いちご品種「さちのか」及び「はるのか」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(G)いちご品種「とよのか」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−13F・Rは、いちご品種「とよのか」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(H)いちご品種「さがほのか」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−10F・Rの3組の対合プライマーは、いちご品種「さがほのか」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(I)いちご品種「章姫」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの2組の対合プライマーを、いちご品種「章姫」識別用プライマーセットとして利用することができる。
(J)いちご品種「苺香」識別用プライマーセット
本発明のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R、及びRAPD−STS−2F・R、RAPD−STS−8F・Rの3組の対合プライマーは、いちご品種「苺香」識別用プライマーセットとして利用することができる。
上記(A)〜(J)の各いちご品種識別用プライマーセットは、試料から抽出したDNAに対して、各プライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することにより、対応するいちご品種の識別を行うことができる。
また、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rは、「UC−5」、「UC−10」、及び「ワイルドストロベリー」を他の品種から識別するためのプライマーセットとして利用することができる可能性がある。
試料としては、果実、がく、葉(未展開葉(幼葉)、成葉)、根、茎などのいちご植物体を構成する組織を用いることができる。
試料からのDNAの抽出は、改変CTAB法や、Nucleon PhytoPure plant DNA extraction kit(Amersham Bioscience)を利用して行うことができる。
改変CTAB法の場合、まず、試料を液体窒素中で粉砕し、加熱した2×CTAB混合液及びLysis bufferを順次加えて混合し、更に2−メルカプトメタノール及びpolyclar VT(不溶性)を追加して混合する。尚、ダマができないよう薬さじ等を使ってなくなるまで混合することが好ましい。
続いて、振とうしながらクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を添加し、その後条件で遠心して上清を採取し、再びクロロホルム:イソアミルアルコールを添加して振とう、遠心する。得られる上澄みにイソプロパノールを添加し、静かに混合するとDNAが析出するので、DNAだけをチューブに残して溶液を取り除く。
RNaseの入ったTE−NaClを添加し、沈殿が完全に溶けるまで30分〜2時間処理した後DNA溶液に1mlのイソプロパノールを加えて静かに混合し遠心する。上清を除去して70%エタノールを添加して遠心し、更に、上清を除去して100%エタノールを添加して遠心し、再度上清を除去してエバポレーターで乾燥し、TE−RNaseを添加して処理して、DNAを得る。
Nucleon PhytoPure plant DNA extraction kitによる抽出の場合は、まず、試料を液体窒素中で粉砕し、reagent1及び200ulのreagent2を順次加えて混合し、振とうし、氷上で静置する。尚、reagent1及びreagent2は、キットに添付の反応液である。
これに氷冷クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)とNucleon Resinを添加して緩やかに転倒混和した後遠心した。得られる上清に同様に氷冷クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)とNucleon Resinを添加して転倒混和した。試料がいちごのがく、実、成葉の場合は、更に同様の操作を繰り返す。上清を採取し、静かに混合するとDNAが析出するので、これを遠心する。
上清を除去して70%エタノールを添加して転倒混和し、更に、上清を除去して100%エタノールを添加して転倒混和し、更に、上清を除去してエバポレーターで乾燥し、TE−RNaseを添加して処理して、DNAを得る。
PCRは、識別したいいちご品種に応じて上記した各プライマーセットから適宜選択し、試料から抽出したDNAを鋳型として行う。ここで、複数の対合プライマーからなるプライマーセットを用いる場合は、各対合プライマーの最適条件で、それぞれの対合プライマーごとにPCRを行うが、RAPD−STS−1F・R及びRAPD−STS−2F・Rについては、同時に用いていわゆるマルチプレックスPCRとすることができる。マルチプレックスPCRの場合は、ポジティブコントロールとなる対合プライマー(例えば、後述の実施例で用いるpectate lyase由来の対合プライマー(配列表の配列番号27及び28参照))と共に用いることができる。
PCRは、常法に従って行うことができ、PCR反応液を調製して、所定の温度サイクルを繰り返して処理することにより、PCR増幅産物を得る。PCR反応液組成や温度サイクルの条件は、各対合プライマーを用いたPCRにおいて高感度でPCR増幅産物を得られるような温度を予備実験等により適宜設定することができ、例えば、アニーリング温度は50〜70℃、好ましくは表5に示すような温度とすることができ、また、DNA量は30〜60ng、好ましくは45〜55ngとすることができる。
尚、PCRの一連の操作は、市販のPCRキットやPCR装置を利用して、その操作説明書に従って行うことができる。
増幅産物中からの識別マーカーの検出は、各対合プライマーのPCR増幅産物をアガロースによる電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色とUV光との組み合わせ等常法により行うことができる。
検出した識別マーカーのバンドの有無については、予め品種と識別マーカーの対応表を作成しておいた上で、任意のプライマーを用いた実際の検出結果と照合して確認することもできる。
製造例1(プライマーセットの開発)
RAPDによりいちご品種識別マーカーの選抜を行い、更にそのSTS化を行いいちご品種識別用のプライマーセットの開発を行った。
1.RAPDマーカーの検出
まず、いちごの「とちおとめ」、「とよのか」、「さちのか」、「章姫」、「女峰」、「福岡S6号(あまおう)」、「さがほのか」、「アスカルビー」、「レッドパール」、「とちひめ」、「栃の峰」、「はるのか」、「濃姫」、「紅ほっぺ」、「麗紅」、「久留米49号」、及び「苺香(メイヒャン、韓国育成品種)」17品種・系統のいちご品種それぞれの葉組織から、DNAを抽出した。抽出は、各いちご品種のがく、果実、及び成葉から、改変CTAB法又はNucleon PhytoPure plant DNA extraction kit(Amersham Bioscience)を用いてDNA抽出を行った。Nucleon PhytoPure plant DNA extraction kitによる抽出の際には、Nucleon Resin処理を3回行った。
改変CTAB法による抽出の場合は、まず、各いちごの葉組織1gを液体窒素中で粉砕し、50mlチューブに移して−80℃で保存した。これに10mlの2×CTAB混合液(沸騰直前まで加熱したもの)及び1ml Lysis bufferを順次加えて混合し、更に0.2ml 2−メルカプトメタノール及び100mg polyclar VT(不溶性)を追加して混合した。尚、混合の際は、ダマができないよう薬さじ等を使ってなくなるまで混合した。
続いて、60℃、20rpmで60分振とうし、10mlのクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を添加して室温、15分、20rpmの条件で振とうし、その後7,000rpm、15分の条件で遠心する。上清8〜9mlを採取し、これに前記と同様の10mlのクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を添加して同様の条件で振とう、遠心した。得られる上澄み8〜9mlに溶液と等量のイソプロパノールを添加し、静かに混合するとDNAが析出したので、DNAだけをチューブに残して溶液を取り除く。
RNaseの入った1mlのTE−NaClを添加し、沈殿が完全に溶けるまで55℃、1時間処理した。DNA溶液を2.0mlチューブに移し、1mlのイソプロパノールを加えて静かに混合した。15,000rpmで10分間遠心し、上清を除去して2mlの70%エタノールを添加して15,000rpm、10分間遠心した。更に、上清を除去して2mlの100%エタノールを添加して15,000rpm、10分間遠心した。再び、上清を除去してエバポレーターで10分間乾燥し、500μL TE−RNaseを添加して37℃で30分間処理し、4℃で保存した。
Nucleon PhytoPure plant DNA extraction kitによる抽出の場合は、まず、各いちごの組織(未展開葉(幼葉)、成葉、がく、及び実)100mgを液体窒素中で粉砕し、1.5mlチューブに移して−80℃で保存した。これに600ulのreagent1(10mlのβ−メルカプトエタノール含む)及び200ulのreagent2を順次加えて混合し、65℃、20rpmで10分間振とうし、氷上で10分間静置した。尚、reagent1及びreagent2は、キットに添付の反応液である。
これに500ulの氷冷クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)と100ul Nucleon Resinを添加して室温、10分の条件で緩やかに転倒混和した後15,000rpm、10分の条件で遠心した。得られる上清700ulに同様に氷冷クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)と100ul Nucleon Resinを添加して転倒混和し、この操作を、試料が未展開葉(幼葉)の場合は2回、成葉、がく、及び実に関しては3回繰り返した。更に上清500ulを採取し、静かに混合するとDNAが析出するので、15,000rpm、10分の条件で遠心した。
上清を除去して1,000ulの70%エタノールを添加して転倒混和した。更に、上清を除去して1,000ulの100%エタノールを添加して転倒混和した。再び、上清を除去してエバポレーターで10分間乾燥し、500μL TE−RNaseを添加して37℃で30分間処理し、4℃で保存した。
次に、ランダムプライマーを用いたPCRを行った。PCRの試薬組成は、鋳型DNA 5ng、rTaq(TAKARA)1U、0.5uM プライマー、200uM dNTP、1×PCRバッファー 計25ulとした。ランダムプライマーは、465種類(和光純薬(12mer):300種類、Operon(10mer):165種類)を用いた。PCRの条件は、95℃1分→(94℃1分→44℃2分→72℃2分)×45回→72℃5分とした。
PCR産物を1.5%アガロースで電気泳動し、エチジウムブロマイド染色後、UV光下でバンドを検出し、明瞭な多型でかつ再現性があるものを選抜した。
これらのバンドを基に、下記の手順でSTS化を行った。
2.STS化プライマーの作製
上記RAPDマーカー検出の際に得られたPCR産物を、1.5%アガロースで電気泳動した後、SYBR Green typeI染色を行い、目的するバンドを切り出した。
QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)を用いて精製し、pGEM−T Easy vector system(Promega)でTAクローニングを行った。
PCRでインサートをチェック後、Wizard Plus Minipreps DNA Purification System(Promega)を用いてプラスミド抽出した。
CEQ8000(Beckman)でシーケンスを行い、DNASIS(日立ソフト)でプライマーを設計後、プライマーを委託合成(Especoligo)した。
この手順により、STS化プライマーとして、RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R、RAPD−STS−3F・R、RAPD−STS−4F・R、RAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−9F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、RAPD−STS−12F・R及びRAPD−STS−13F・Rの13種類の対合プライマーを作成した。
実施例1
「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」及び「苺香」の17品種から抽出したDNAを鋳型として、製造例1で得られた各種対合プライマーを用いたPCRを行うことにより、品種の識別や同定に有用なSTS化マーカーが検出されるかどうかを確認した。
まず、PCRを行った。鋳型となるいちご品種のDNAは、製造例1と同様の条件で抽出したものを用いた。STS化プライマーとしては、上記製造例1で得た13種類の対合プライマーRAPD−STS−1〜13F・Rを用いた。ここで、対合プライマーのうちRAPD−STS−1F・R及びRAPD−STS−2F・Rは、ポジティブコントロール(配列表の配列番号27記載の塩基配列からなるフォワードプライマー及び配列番号28記載の塩基配列からなるリバースプライマー)と組み合わせていわゆるマルチプレックスPCRを行ったが、その他の対合プライマー(RAPD−STS−3〜13F・R)は、各対合プライマーごとにPCRを行った。
PCRの試薬組成は、マルチプレックスPCRの場合は表2、RAPD−STS−3,5,6,8〜11F・Rの場合は表3、RAPD−STS−4,7F・Rの場合は表4とした。
PCRの条件は、95℃5分→(94℃0.5分→52〜67℃(各プライマーの任意アニーリング温度:表5参照)0.5分→72℃1分)×35サイクル→72℃7分とした。尚、各プライマーのアニーリング温度(表5)は、グラジエントPCR(アニーリング温度:50℃〜70℃)により最適な温度を決定した。
Figure 2006254710
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Figure 2006254710
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PCR産物は、1.5%アガロースで電気泳動し、エチジウムブロマイド染色後、UV光下でバンドを検出し、STS化マーカーの有無を確認した。
その結果を、図1〜図12に示す。尚、図1〜図12中、Mは分子量マーカー(200bp ladder)を示し、1〜17は、「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」「福岡S6号」「さがほのか」「苺香」の結果を示す。また、矢印はマーカーの箇所を示し、特に図1中の3つの矢印は、上段からpectate lyase由来のポジティブコントロールによるマーカー、RAPD−STS−1F・Rによるマーカー、及びRAPD−STS−2F・Rによるマーカーを示す。
これらの結果から、設計した13個のSTS化プライマーを用いることにより、15の多型が得られることが明らかとなった。
まず、図1は、RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R及びpectate lyase由来のポジティブコントロールを用いたマルチプレックスPCRの電気泳動結果を示すものである。
図1の結果から、RAPD−STS−1F・Rにより、「とちおとめ」、「とちひめ」、「栃の峰」及び「苺香」(図1において「苺香」のバンドは明確でないが、検出可能である)のバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。一方、RAPD−STS−2F・Rにより、「とちひめ」「栃の峰」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかった。このことは、RAPD−STS−1F・R及びRAPD−STS−2F・Rを用いたPCRにおいて、RAPD−STS−1F・Rではバンドが検出されるがRAPD−STS−2F・Rではバンドが検出されないものがあったのは「とちおとめ」のみであることが確認できる。
このことから、RAPD−STS−1F・R及びRAPD−STS−2F・Rの2組の対合プライマーを用いることにより、いちご品種「とちおとめ」の識別が可能なことが明らかとなった。
図2及び図3は、それぞれRAPD−STS−3F・R、RAPD−STS−4F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。
図2及び図3の結果から、RAPD−STS−3F・R、及びRAPD−STS−4F・Rのいずれを用いた場合にも、「とちひめ」のみバンドが検出されなかったのに対し他の品種はいずれもバンドが検出されたことが分かる。すなわち、RAPD−STS−3F・R及びRAPD−STS−4F・Rのいずれか或いは両方を用いたPCRにおいて、バンドが検出されなかったのは「とちひめ」のDNAのみであることが確認できる。
このことから、RAPD−STS−3F・R及び/又はRAPD−STS−4F・Rを用いることにより、いちご品種「とちひめ」の識別が可能なことが明らかとなった。
図4〜図12は、それぞれRAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−9F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、RAPD−STS−12F・R及びRAPD−STS−13F・Rを用いた場合の電気泳動結果を示すものである。
図4の結果から、RAPD−STS−5F・Rを用いた場合「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図5の結果から、RAPD−STS−6F・Rを用いた場合、「女峰」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「レッドパール」「アスカルビー」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図6の結果から、RAPD−STS−7F・Rを用いた場合、「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「紅ほっぺ」「濃姫」「アスカルビー」「あまおう」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図7の結果から、RAPD−STS−8F・Rを用いた場合、「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図8の結果から、RAPD−STS−9F・Rを用いた場合、「とちおとめ」「女峰」「栃の峰」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「アスカルビー」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図9の結果から、RAPD−STS−10F・Rを用いた場合、「とちひめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「あまおう」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図10の結果から、RAPD−STS−11F・Rを用いた場合、「とちおとめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図11の結果から、RAPD−STS−12F・Rを用いた場合、「とちおとめ」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「あまおう」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されなかったことが分かる。
図12の結果から、RAPD−STS−13F・Rを用いた場合、次の4つのマーカーを増幅させることができることが分かる。すなわち、「とちおとめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「あまおう」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカー;「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」「あまおう」「さがほのか」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるマーカー;「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「麗紅」「章姫」「紅ほっぺ」「アスカルビー」及び「苺香」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカー;「とちおとめ」「女峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「はるのか」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「あまおう」及び「さがほのか」のDNAにおいてバンドが検出されるが、他の品種ではバンドが検出されないマーカーである。
これらの結果から総合すると、以下の考察が可能である。
RAPD−STS−5F・R及びRAPD−STS−6F・Rのいずれを用いたPCRにおいてもバンドが検出されなかったものは、「福岡S6号」のDNAのみであった。
このことから、RAPD−STS−5F・R、及びRAPD−STS−6F・Rの2組の対合プライマーを用いることにより、いちご品種「福岡S6号」(あまおう)の識別が可能なことが明らかとなった。
RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rのいずれを用いたPCRにおいてもバンドが検出されたものは、「さちのか」のDNAのみであった。
また、RAPD−STS−7F・Rを用いたPCRにおいてはバンドが検出されなかったが、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rを用いたPCRにおいてバンドが検出されたものは、「はるのか」のDNAのみであった。
このことから、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rの3組の対合プライマーを用いることにより、いちご品種「さちのか」及び「はるのか」をそれぞれ識別が可能なことが明らかとなった。
RAPD−STS−13F・Rを用いたPCRにおいて第2のマーカーのみバンドが検出されたものは、「さちのか」のDNAのみであった。
このことから、STS化プライマーのうち、RAPD−STS−13F・Rを用いることにより、いちご品種「とよのか」の識別が可能なことが明らかとなった。
RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−8F・Rを用いたPCRにおいてはバンドが検出されなかったが、RAPD−STS−10F・Rを用いたPCRにおいてはバンドが検出されたというパターンを示したものは「さがほのか」のDNAのみであった。
このことから、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−10F・Rの3組を用いることにより、いちご品種「さがほのか」の識別が可能なことが明らかとなった。
RAPD−STS−7F・Rを用いたPCRにおいてはバンドが検出されなかったが、RAPD−STS−13F・Rを用いたPCRにおいては第2及び第3のマーカーのバンドが検出されたというパターンを示したものは、「章姫」のDNAのみであった。
このことから、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの2組の対合プライマーを用いることにより、いちご品種「章姫」の識別が可能なことが明らかとなった。
RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R、及びRAPD−STS−8F・Rを用いたPCRにおいていずれもバンドが検出されたものは、「苺香」のDNAのみであった。
このことから、RAPD−STS−1F・R、及びRAPD−STS−2F・R、RAPD−STS−8F・Rの3組の対合プライマーを用いることにより、いちご品種「苺香」の識別が可能なことが明らかとなった。
更に、プライマー13組をすべて用いなくとも、RAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせか、或いはRAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせを用いることにより、上記17品種すべての識別が可能なことが明らかとなった。
そして、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせか、或いはRAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせを用いることにより、「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号(あまおう)」「アスカルビー」の8品種の識別が可能なことが明らかとなった。
実施例2
「UC−5」(Fragaria vesca)、「UC−10」(Fragaria virginiana)、「ワイルドストロベリー」(Fragaria vesca)、及び「雲南」(Fragaria nilgeltensis)の各いちご品種から抽出したDNAを鋳型として、製造例1で得られた対合プライマーを用いたPCRを行うことにより、各対合プライマーが実施例1で用いた以外の品種の識別にも利用可能かどうかを確認した。
鋳型となるいちご品種のDNAは、製造例1と同様の条件で抽出したものを用いた。実施例1と同様の条件でPCRを行った。
PCR終了後、実施例1と同様にしてバンドを検出し、STS化マーカーの有無を確認した。各品種のバンド増幅の有無を表6に示す。
Figure 2006254710
表6から明らかなように、RAPD−STS−8及び13F.Rを用いた場合に各品種で異なるバンド増幅が認められた。これらの各対合プライマーを用いた場合の泳動結果を、比較のための「とちひめ」「女峰」「とちおとめ」「さちのか」「章姫」及び「とよのか」(いずれもFragaria ananassa)について同様の操作を行った結果と共に、図13〜図24に示す。尚、図13〜図24中、Mは分子量マーカー(200bp ladder)を示し、1〜10はそれぞれ「UC−5」「UC−10」「ワイルドストロベリー」「雲南」「とちひめ」「女峰」「とちおとめ」「さちのか」「章姫」「とよのか」の結果を示す。矢印はマーカーの位置を示し、特に図13中の3つの矢印は、上段からpectate lyase由来のポジティブコントロールによるマーカー、RAPD−STS−1F・Rによるマーカー、及びRAPD−STS−2F・Rによるマーカーを示す。
図13〜図24に示すように、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rを用いた場合には、「UC−5」、「UC−10」、及び「ワイルドストロベリー」のDNAにおいてバンドが検出された。このことから、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rは、「UC−5」、「UC−10」及び「ワイルドストロベリー」を他の品種から識別するためのプライマーセットとして利用することができる可能性があることが分かる。
以上の結果から、本発明のプライマーセットは、多種多様ないちごの品種の識別に用いることができることが明らかとなった。
本発明により、いちご品種識別用プライマーセットを構成する各対合プライマーを組み合わせることにより、試料中に含まれる特定の、或いは複数のいちごの品種や系統を正確に、迅速かつ効率的に識別することが可能となった。
RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R及びpectate lyase由来のポジティブコントロールを用いたマルチプレックスPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−3F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−4F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−5F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−6F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−7F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−8F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−9F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−10F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−11F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−12F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−13F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R及びpectate lyase由来のポジティブコントロールを用いたマルチプレックスPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−3F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−4F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−5F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−6F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−7F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−8F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−9F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−10F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−11F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−12F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。 実施例2におけるRAPD−STS−13F・Rを用いたPCRの電気泳動結果を示すものである。
符号の説明
図1〜12中、Mは分子量マーカー(200bp ladder)を示し、1〜17は、それぞれ「とちおとめ」「とちひめ」「女峰」「栃の峰」「久留米49号」「麗紅」「さちのか」「とよのか」「はるのか」「章姫」「紅ほっぺ」「レッドパール」「濃姫」「アスカルビー」「福岡S6号」「さがほのか」「苺香」の結果を示す。また、矢印はマーカーの箇所を示し、特に図1中の3つの矢印は、上段からpectate lyase由来のポジティブコントロールによるマーカー、RAPD−STS−1F・Rによるマーカー、及びRAPD−STS−2F・Rによるマーカーを示す。
図13〜図24中、Mは分子量マーカー(200bp ladder)を示し、1〜10はそれぞれ「UC−5」「UC−10」「ワイルドストロベリー」「雲南」「とちひめ」「女峰」「とちおとめ」「さちのか」「章姫」「とよのか」の結果を示す。矢印はマーカーの位置を示し、特に図13中の3つの矢印は、上段からpectate lyase由来のポジティブコントロールによるマーカー、RAPD−STS−1F・Rによるマーカー、及びRAPD−STS−2F・Rによるマーカーを示す。

Claims (22)

  1. 下記の(1)〜(13)のそれぞれに記載の対合プライマーの中から選ばれた1組又は2組以上の対合プライマーからなるいちご品種識別用プライマーセット。
    (1)配列表の配列番号1記載のDNA(RAPD−STS−1F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号2記載のDNA(RAPD−STS−1R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−1F・R
    (2)配列表の配列番号3記載のDNA(RAPD−STS−2F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号4記載のDNA(RAPD−STS−2R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−2F・R
    (3)配列表の配列番号5記載のDNA(RAPD−STS−3F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号6記載のDNA(RAPD−STS−3R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−3F・R
    (4)配列表の配列番号7記載のDNA(RAPD−STS−4F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号8記載のDNA(RAPD−STS−4R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−4F・R
    (5)配列表の配列番号9記載のDNA(RAPD−STS−5F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号10記載のDNA(RAPD−STS−5R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−5F・R
    (6)配列表の配列番号11記載のDNA(RAPD−STS−6F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号12記載のDNA(RAPD−STS−6R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−6F・R
    (7)配列表の配列番号13記載のDNA(RAPD−STS−7F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号14記載のDNA(RAPD−STS−7R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−7F・R
    (8)配列表の配列番号15記載のDNA(RAPD−STS−8F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号16記載のDNA(RAPD−STS−8R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−8F・R
    (9)配列表の配列番号17記載のDNA(RAPD−STS−9F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号18記載のDNA(RAPD−STS−9R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−9F・R
    (10)配列表の配列番号19記載のDNA(RAPD−STS−10F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号20記載のDNA(RAPD−STS−10R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−10F・R
    (11)配列表の配列番号21記載のDNA(RAPD−STS−11F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号22記載のDNA(RAPD−STS−11R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−11F・R
    (12)配列表の配列番号23記載のDNA(RAPD−STS−12F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号24記載のDNA(RAPD−STS−12R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−12F・R
    (13)配列表の配列番号25記載のDNA(RAPD−STS−13F:フォワードプライマー)と配列表の配列番号26記載のDNA(RAPD−STS−13R:リバースプライマー)とからなる対合プライマーであるRAPD−STS−13F・R
  2. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせ、又は、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、RAPD−STS−10F・R、RAPD−STS−11F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせからなるいちご品種「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」及び「苺香」識別用プライマーセット。
  3. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−6F・R、RAPD−STS−7F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせ、又は、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R、及びRAPD−STS−13F・Rの組み合わせからなるいちご品種「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」及び「アスカルビー」識別用プライマーセット。
  4. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R、及びRAPD−STS−2F・Rからなるいちご品種「とちおとめ」識別用プライマーセット。
  5. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−3F・R、及び/又はRAPD−STS−4F・Rからなるいちご品種「とちひめ」識別用プライマーセット。
  6. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−5F・R及びRAPD−STS−6F・Rからなるいちご品種「福岡S6号」識別用プライマーセット。
  7. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「さちのか」及び「はるのか」識別用プライマーセット。
  8. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「とよのか」識別用プライマーセット。
  9. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R、RAPD−STS−8F・R及びRAPD−STS−10F・Rからなるいちご品種「さがほのか」識別用プライマーセット。
  10. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−7F・R及びRAPD−STS−13F・Rからなるいちご品種「章姫」識別用プライマーセット。
  11. 請求項1記載のいちご品種識別用プライマーセットを構成する対合プライマーのうち、RAPD−STS−1F・R、RAPD−STS−2F・R及びRAPD−STS−8F・Rからなるいちご品種「苺香」識別用プライマーセット。
  12. 試料から抽出したDNAに対して、請求項2記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」「とちひめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」「アスカルビー」「レッドパール」「麗紅」「はるのか」「べにほっぺ」「濃姫」「栃の峰」「久留米49号」及び「苺香」の識別方法。
  13. 試料から抽出したDNAに対して、請求項3記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」「とよのか」「さちのか」「章姫」「女峰」「さがほのか」「福岡S6号」及び「アスカルビー」の識別方法。
  14. 試料から抽出したDNAに対して、請求項4記載のプライマーセットを用いたマルチプレックスPCRを行い、増幅産物中から「とちおとめ」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちおとめ」の識別方法。
  15. 試料から抽出したDNAに対して、請求項5記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「とちひめ」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とちひめ」の識別方法。
  16. 試料から抽出したDNAに対して、請求項6記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「福岡S6号」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「福岡S6号」の識別方法。
  17. 試料から抽出したDNAに対して、請求項7記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「さちのか」及び「はるのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「さちのか」及び「はるのか」の識別方法。
  18. 試料から抽出したDNAに対して、請求項8記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「とよのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「とよのか」の識別方法。
  19. 試料から抽出したDNAに対して、請求項9記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「さがほのか」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「さがほのか」の識別方法。
  20. 試料から抽出したDNAに対して、請求項10記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「章姫」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「章姫」の識別方法。
  21. 試料から抽出したDNAに対して、請求項11記載のプライマーセットを用いたPCRを行い、増幅産物中から「苺香」識別マーカーを検出することを特徴とするいちご品種「苺香」の識別方法。
  22. 請求項2〜11のいずれかに記載のプライマーセットを含むことを特徴とするいちご品種の識別用キット。
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CN105734145A (zh) * 2016-04-01 2016-07-06 沈阳农业大学 一种草莓花青素调节基因功能标记

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