JP2011024466A - キク品種「新神2」の識別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キク品種「新神2」の識別法の提供。
【解決手段】キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットを用いて、白系輪ギク由来のゲノムDNAを核酸増幅し、得られる増幅パターンの相違に基づいてキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を識別、キク品種の識別方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、キク品種の識別方法に関する。
日本における平成19年産の切り花類の出荷量は48億3,500万本であるが、そのうち輪ギクの出荷量は10億1200万本であり、輪ギクは花きの重要品目の一つとなっている。中でも白系輪ギクは輪ギク全体の半分以上を占める。
白系輪ギクについては、その需要が業務用(特に葬儀用)にほぼ特化しているため、主力となる品種はごく限られているのが現状である。近年では、花色が純白で、水揚げが良く面積当たりの生産性にも優れた白系輪ギク品種「神馬(じんば)」が国内の主要品種となっている。一方、鹿児島県と日本原子力研究開発機構は、「神馬」に炭素イオンビームを照射し人為的に突然変異を誘発することにより、白系輪ギク品種「新神(あらじん)」を育成した(品種登録番号第14118号)。キク品種「新神」は、原品種「神馬」と比較して、9〜12月開花の栽培条件下において側枝(わき芽)の発生が半分から1/3に減少し、葉の枚数及び花弁数が増加し、葉の節間が短くなるという有利な特性を有する。鹿児島県と日本原子力研究開発機構はまた、キク品種「新神」に再度炭素イオンビームを照射した個体群の中から、低温条件下でも開花遅延しない特性を持つキク品種「新神2」の育成に成功した。キク品種「新神2」は、平成19年6月に品種登録出願(出願番号第21192号)されており、暖房コストを軽減できる省エネ品種としてすでに全国に普及している。平成20年12月現在、「新神2」の栽培許諾件数は,全国17県1国外35団体(1国外はインドネシアの種苗会社)にのぼり、2008年のシーズンは4,000万本以上の生産が見込まれているが、今後はさらなる許諾数の増加が期待されている。
一方で、キクは栄養繁殖性の植物であるため一つの個体から多くのクローン個体を増やすことが可能であり、またキク生産現場において、一旦入手経路が不確実な品種が混入した場合、それがどのキク品種であるかを断定することは困難であることから、キクの優良品種の盗難や種苗法に違反した栽培を防止・規制することが非常に困難となっている。このため優良キク品種を高精度で同定可能な品種識別法の開発が望まれてきている。特に、暖房コストの軽減が期待される「新神2」は、海外への種苗流出も危惧され、また海外で生産された優良キク品種が国内へ輸入されるような場合には、国内の生産者にとって大きな打撃となることが懸念される。しかし「新神2」の有効な品種識別技術が存在しない現状では、「新神2」の育成者権を保護するための有効な手立てを取ることは困難である。
従来のキク品種の識別は外部形態に基づく目視識別が主流であるが、栽培条件によって植物個体間の生育量が大きく変動する等のため、安定した品種識別が困難な場合がある。目視以外の方法としては、DNAマーカーを利用した品種識別技術の開発が進んでいる。例えば、交配により育成した植物品種の識別法として、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism;増幅断片長多型)、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence;増幅切断多型配列)、SSR(Simple Sequence Repeat)、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)等の手法に基づく識別法が、いくつかの作物で実用化されている。しかしキクでは、他の作物と比較してゲノムサイズが非常に大きく、かつ倍数性が高い(6倍体)ため、上記のような手法によりDNA多型を検出しようとしても、多型検出感度が極端に悪くなるかあるいは検出不能になる可能性が高いと考えられ、実用上かなりの困難を伴うことから、キクのDNAマーカーによる品種識別技術の開発はほとんど為されていないのが実情である。加えて、イオンビーム照射による突然変異誘発によって育成された「新神2」は、原品種「新神」及び「新神」の原品種「神馬」との間で大部分の遺伝的情報が同一であると考えられるため、DNA配列レベルで分析して「新神2」に特異的な違いを見出すことは非常に困難である。
散在型の反復配列(特にレトロトランスポゾン)を利用した品種識別マーカーが、イネやサツマイモにおいて報告されている(非特許文献1及び2)。しかしこれらの識別マーカーは、進化の過程で転移したレトロトランスポゾン配列の相違を利用したものであるため、人為的に変異誘発して作製した品種のように、系統学的差異が生じていないごく近い品種間を識別するためには通常は利用困難と考えられる。
2006年3月に出願された特許出願(特許文献1)では、植物のゲノム中に多数存在する反復配列の1つである転移因子レトロトランスポゾン中の保存性の高い領域から設計した所定のプライマーを用いてPCRを行い、その得られたDNA増幅断片を解析してキク品種「新神」に特徴的なバンドパターンを検出することに基づくキク品種識別方法及びその識別に用いるDNAマーカー群を開示している。しかし、特許文献1のキク品種識別技術では、キク品種「新神」及びその由来系統を「神馬」等の他の白系輪キク品種から識別することはできるが、「新神」とその「新神」由来の「新神2」とを相互識別することはできない。
特開2007−244334号公報
Fukuchi,A. F.,kikuchi and H.Hirochika、Jpn.J.Genet、(1993) 65、p.195〜204 大江夏子、田原誠、山下裕樹、丸谷優、蔵之内利和 著、「育種学研究」(2004) 6、p.169〜177
本発明は、キク品種「新神2」の識別法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、トウモロコシ及びキクの散在型の反復配列(ここではレトロトランスポゾン)から設計したプライマーと、RAPDプライマーの両末端にグアニン及び/又はシトシン塩基を追加した改変型プライマーとを組み合わせて用いたPCRにより、キク由来ゲノムDNAを核酸増幅することによって、「新神2」と「新神」等の白系輪ギク品種とで増幅結果が顕著に相違し、「新神2」において特異的に欠失していると見られる2種類のDNA断片を取得することに成功した。本発明者らはこの2種類の増幅断片の塩基配列に基づいて作製したプライマーセットが、キク品種「新神2」に特異的な増幅バンド出現パターンを示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットを用いて、白系輪ギク由来のゲノムDNAを核酸増幅し、得られる増幅パターンの相違に基づいてキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を識別することを特徴とする、キク品種の識別方法。
[2] 前記プライマーセットが、以下の(i)又は(ii):
(i) 配列番号9で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
(ii) 配列番号10で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号10で示される塩基配列上の15〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
である、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記プライマーセットが、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1つである、上記[1]又は[2]に記載の方法。
(a)配列番号1で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号2で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(b)配列番号5で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号6で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(c)配列番号7で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号8で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
[4] キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統の識別が、「新神2」又は「新神2」由来系統と、他の「神馬」系品種又は系統との識別である、上記[1]〜[3]に記載の方法。
[5] 以下の(i)又は(ii)であるキク品種識別用プライマーセット。
(i) 配列番号9で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
(ii) 配列番号10で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号10で示される塩基配列上の15〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット
[6] 以下の(a)〜(c)のいずれかである上記[5]に記載のプライマーセット。
(a)配列番号1で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号2で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(b)配列番号5で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号6で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(c)配列番号7で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号8で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
[7] 上記[5]又は[6]に記載のプライマーセットを少なくとも1つ含む、キク品種識別用キット。
本発明に係るキク品種識別方法によれば、キク品種「新神2」及び「新神2」由来系統を、その原品種「新神」を始めとする他の白系輪ギク品種から容易に識別することができる。
図1は、各キク品種由来のゲノムDNAを鋳型としてPrimer 1とPrimer 2を用いて核酸増幅したPCR産物の電気泳動写真である。 図2は、各キク品種由来のゲノムDNAを鋳型としてPrimer 3とPrimer 4を用いて核酸増幅したPCR産物の電気泳動写真である。 図3は、各キク品種由来のゲノムDNAを鋳型としてPrimer 5とPrimer 6を用いて核酸増幅したPCR産物の電気泳動写真である。 図4は、各キク品種由来のゲノムDNAを鋳型としてPrimer 7とPrimer 8を用いて核酸増幅したPCR産物の電気泳動写真である。 図5は、「新神2」の欠失配列に対応する「神馬」の配列(配列番号9及び10)中の各プライマーの設計位置を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のキク品種識別方法は、キク由来の核酸(典型的には白系輪ギク由来のゲノムDNA)を鋳型とし、キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットを用いて核酸増幅を行い、それにより得られる増幅パターンの相違に基づいてキク品種を識別するものである。本識別法によれば、供試キクがキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統であるか否かを明瞭に識別することができる。より具体的には、本識別法における核酸増幅で得られる増幅パターンに基づく判定を行うことにより、キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統と他の白系輪ギク品種又は系統(とりわけ好ましくは他の「神馬」系品種又は系統)とを識別することができる。本識別法を用いれば、キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統をその原品種「新神」から容易に識別することも可能である。
本発明に係るキク品種識別方法の適用対象となるキクは、栽培菊(Chrysanthemum morifolium)に属する任意のキクであり得るが、好適には白系輪ギクである。輪ギクとは、通常、大輪の花を咲かせるために側枝から伸びた芽や蕾をかき取り、頂点の蕾一輪を咲かせる方法で栽培されるキクである。本発明においては、輪ギクのうち、花弁が白色又は白系色(ごく薄いクリーム色、黄色又は緑がかった白色など)のキクを白系輪ギクと呼ぶ。白系輪ギクには、従来公知の様々な白系輪ギク品種(例えば白系秋輪ギク品種、白系夏秋輪ギク品種等)及びそれに由来する各種系統も包含される。
本発明では、まず、本識別法に供するキクから、ゲノムDNAを抽出することが好ましい。ゲノムDNAは、キク個体より採取した任意の組織(例えば、葉、茎、花弁、萼片、根、カルスなど)から、植物分子生物学の分野で慣用されている手法に従って抽出し、必要に応じて精製し、供試試料として調製すればよい。キクからのゲノムDNAの抽出には、市販の植物ゲノムDNA抽出キット(例えば、DNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN))若しくはPlant Genomic DNA Extraction Mini(VIOGENE社製)等)を用いることもできる。抽出したゲノムDNA試料については、核酸増幅反応の鋳型として用いる前にRNase処理等によりRNAを除去することが好ましい。
本識別法では、上記のようにして調製されるキク由来のゲノムDNAを鋳型とし、キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットを用いて核酸増幅を行う。本識別法で用いる、キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットとは、それを用いてキク品種「新神2」と「新神」のゲノムDNAをそれぞれ増幅して得られる増幅産物中の特定の増幅断片が「新神2」と「新神」の間で有意に異なる分子量(サイズ)及び/又は相対増幅量を有するように設定されたプライマーセットを意味する。かかるプライマーセットは、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含み、好ましくはフォワードプライマーとリバースプライマーとを含む少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせを含む。
このような本発明のプライマーセットは、典型的には、「新神2」において特異的に欠失した領域内の配列を増幅するように設計されたものであることが好ましい。本発明では、「新神2」に特異的に生じた欠失領域として、配列番号9及び10の塩基配列の同定に成功した。従って本発明で用いるプライマーセットとしては、配列番号9又は10の塩基配列内に設計されたプライマーセットを好適に用いることができる。
なお、配列番号9又は10で示される塩基配列は、本発明者らにより、「新神」等の白系輪ギク品種において「新神2」とは顕著に相違する増幅量のバンドを含む増幅パターンを示した2種類のプライマーセットを用いて、「神馬」由来のゲノムDNAから増幅された2種類のDNA増幅断片の塩基配列である。本発明者らは、後述の実施例に記載の通り、キク又はトウモロコシゲノム中のレトロトランスポゾン配列に基づいて設計したリバースプライマーと、通常はRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)に使用する特定の10merプライマーにグアニンとシトシン塩基を追加し15mer程度にすることでTm値を上げた改変型プライマー(フォワードプライマー)とを組み合わせてプライマーセットとして、キク由来ゲノムDNAを鋳型とするPCRに用いることにより、そのようなDNA増幅断片を取得することに成功した。ここで、キクは6倍体であり、炭素イオンビーム照射によって生じるDNA欠失変異はその6つのうち1つの染色体にのみ導入されることから、「新神2」でのみ増幅量が少ないバンドを含む増幅パターンが得られたことは、その少ない増幅量のバンド(DNA増幅断片)の配列が「新神2」に特異的に生じた欠失領域内に位置することを意味していた。「新神2」は原品種「新神」への炭素イオンビーム照射によりランダムに突然変異誘発した個体群の中から選抜し確立した品種であり、誘発された突然変異以外の遺伝情報は基本的に共通していると考えられるため、このように「新神2」に特異的な欠失領域に対応するDNA増幅断片を取得できたことは驚くべき成功であった。
より具体的には、そのような本発明のプライマーセットは、(i)配列番号9で示される塩基配列の全体又は一部(例えば、50塩基以上、より好ましくは100塩基以上、さらに好ましくは200塩基以上)を増幅するように設計された、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9で示される塩基配列上の15〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセットであってよい。あるいは本発明のプライマーセットは、(ii)配列番号10で示される塩基配列の全体又は一部(例えば、50塩基以上、より好ましくは100塩基以上、さらに好ましくは200塩基以上)を増幅するように設計された、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号10で示される塩基配列上の15〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセットであってよい。より特異的な増幅を行う目的では、上記プライマーセット(i)は、配列番号9の第1位〜第470位までの塩基配列又はその一部(例えば、50塩基以上、より好ましくは100塩基以上、さらに好ましくは200塩基以上)を増幅するように設計することができるが、これに限定するものではない。同様により特異的な増幅を行う目的で、上記プライマーセット(ii)は、配列番号10の第106位〜第485位までの塩基配列又はその一部(例えば、50塩基以上、より好ましくは100塩基以上、さらに好ましくは200塩基以上)を増幅するように設計することができるが、これに限定するものではない。
本発明において「配列番号"X"で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された」とは、配列番号"X"で示される塩基配列の全体又は一部を増幅すべき配列として設定し、その5'端のセンス配列に基づいてフォワードプライマーを、その3'端のアンチセンス配列に基づいてリバースプライマーを設計したものであることを意味する。本発明において、一の塩基配列に対する「相補配列」とは、当該塩基配列に対する相補鎖(アンチセンス鎖)全長からなる塩基配列を意味する。
本発明のプライマーセットを構成する各オリゴヌクレオチドプライマーは、好ましくは10〜50塩基(bp)、より好ましくは15〜30塩基(bp)の塩基長を有する。さらに、本発明の各プライマーは、オリゴヌクレオチドにさらに修飾が施されたものでもよい。本発明に係るオリゴヌクレオチドプライマーは、当業者に周知の任意の化学合成法により作製することができ、例えば市販の自動DNA合成装置を使用して慣用手順により合成することが可能である。例えば本発明に係るオリゴヌクレオチドプライマーは、その5'末端又は3'末端に当該プライマーの検出や増幅を容易にするための標識物質(例えば、蛍光分子、色素分子、放射性同位元素、ジゴキシゲニンやビオチン等の有機化合物など)及び/又は付加配列(LAMP法で用いるループプライマー部分等)を含んでいてもよい。本発明に係るプライマーは、5'末端でリン酸化又はアミン化されていてもよい。本発明に係るプライマーはまた、ホスホロチオエート結合やホスホロアミデート結合などを含む任意の誘導体オリゴヌクレオチドを含むものであってもよいし、ペプチド核酸結合を含むペプチド-核酸(PNA)を含んでいてもよい。本発明に係るプライマーは、天然塩基のみを含んでもよいし、修飾塩基を含んでもよい。修飾塩基としては、デオキシイノシン、デオキシウラシル、S化塩基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に係るオリゴヌクレオチドプライマーは、DNAであってもRNAであってもよく、RNAである場合には、その塩基配列はDNA配列における「T(チミン)」を「U(ウラシル)」に読み替えるものとする。
本識別法において使用可能なプライマーセットの好適例としては、以下の(a)〜(c)が挙げられる:
(a)配列番号1で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号2で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(b)配列番号5で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号6で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
(c)配列番号7で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号8で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット。
本識別法ではまた、配列番号3で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号4で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセットを核酸増幅に用いて「新神2」に特異的な増幅パターンを得ることもできる。
本発明に係るキク品種の識別方法では、上記プライマーセットを用いたキク由来のゲノムDNAの核酸増幅を、公知の核酸増幅法に従って行えばよく、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法などを利用することができる。本発明に係る識別法での核酸増幅反応においては1つ又は2つ以上の上記プライマーセットを用いることができる。上記プライマーセットを2つ以上用いる場合、1つの反応液中で複数のプライマーセットを用いて反応させることもできるが、プライマーセット毎に別個の反応液を用いて反応させることがより好ましい。核酸増幅反応において他のプライマー又はプライマーセットを同時に又は並行して使用してもよい。核酸増幅を行う際の反応液組成やサイクリング条件の各温度及び反応時間等は、当業者であれば、使用する核酸増幅法、プライマーのTm値、サーマルサイクラーの仕様などに合わせて適宜定めることができる。例えば、90〜97℃で1〜3分間の熱変性の後、80〜95℃で20秒〜1分間、45〜65℃で20秒〜1分間、65〜80℃で30秒〜2分間を1サイクルとして20〜40サイクル行い、最後に65〜80℃で1〜4分間の伸長反応を行うサイクリング条件でPCRを実施してもよい。PCR法を用いて核酸増幅を行う場合の具体的な反応条件の例は、後述の実施例に記載している。
本発明の方法では、そのような核酸増幅の結果として得られる増幅産物を、任意の核酸検出手法によって検出することにより、増幅パターンを取得することができる。限定するものではないが、例えば、そのような増幅産物を含む核酸増幅反応終了後の反応液を、ゲル電気泳動と染色(例えば、1.0〜3.0%アガロースゲル上での電気泳動及び臭化エチジウム染色)、キャピラリー電気泳動、自動シークエンサー等を用いた塩基配列決定、MALDI-TOF/MS分析等に供して検出し、その検出結果を増幅パターンとして取得することができる。
本発明に係る方法においてキク品種を識別する基準となる「増幅パターン」とは、具体的には、核酸増幅反応を終了した後の反応液中に含まれる各増幅産物(核酸断片)の分子量サイズ(若しくは塩基長)、塩基配列、又は存在量(相対量若しくは絶対量)の組み合わせ、或いはそのうちの特定の増幅産物の有無又は存在量(相対量若しくは絶対量)を意味する。「増幅パターン」の典型的な具体例は、核酸増幅反応終了後の反応液を電気泳動して得られる増幅バンドの出現パターン(増幅バンドパターン)及びその各バンドが示す各増幅産物の相対存在量、又は特定の増幅産物の有無若しくは相対存在量である。相対存在量は、増幅産物の増幅量を示す。
特定のプライマーセットを用いて核酸増幅を行った場合の増幅パターンは、キク品種「新神2」のゲノムDNAと、他の白系輪ギク品種(例えば、「新神」等の他の「神馬」系品種・系統)のゲノムDNAをそれぞれ鋳型として核酸増幅を行うことにより確認することができる。しかしながら、例えば、「神馬」における増幅バンドパターンは、配列番号9又は10の塩基配列に基づいてその各増幅産物の断片長等を算出すること等により予測可能である。また「新神2」及び「新神2」由来系統を除く他の白系輪ギク品種及び系統についても、図1〜4にも示される通り、「神馬」とほぼ同様の増幅バンドパターンを有するものと予測できる。本発明の方法では、キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAを相互に識別可能なプライマーセットを用いた核酸増幅を行い、得られた増幅産物について「新神2」に特有の増幅パターンが得られるか否かを判定することにより、キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を識別すればよい。例えば、キク品種「新神2」に特有の増幅パターンが示される場合にはキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統であると、それ以外の増幅パターンが示される場合にはキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統ではないものとして供試キクを判定することができる。別の例としては、キク品種「新神2」に特有の増幅パターンを示す場合にはキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統であると、他の「神馬」系品種又は系統に共通する増幅パターンを示す場合には「新神2」及び「新神2」由来系統以外の「神馬」系品種又は系統であるとして供試キクを判定することもできる。本発明の識別法によれば、キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を、他の白系輪ギク品種及び系統から簡便に識別することができる。本発明に係る識別法は、キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統と、それとの品種識別が特に難しい他の「神馬」系品種又は系統とを識別する目的には、とりわけ有用である。
本発明において、「新神2」は、品種登録出願第21192号で品種登録出願済みの白系輪ギク品種である。「新神2」は、低温開花性や低温伸長性が高く無側枝性が強い品種であることなどが知られている。本発明において、「新神2」由来系統とは、「新神2」を原品種として作製した白系輪ギク系統を意味する。「新神2」由来系統には、具体的には、「新神2」の培養体から再生させた個体、「新神2」の突然変異体(例えば「新神2」の培養体にイオンビームを照射して得た変異系統及び品種、並びに「新神2」の枝変わり品種等)、「新神2」を他品種のキクと交雑させて得た系統及び品種などが含まれる。一方、「新神」及び「今神」は、それぞれ品種登録番号第14118号及び品種登録番号第14119号で品種登録されている白系輪ギク品種である。本発明に係る識別法の適用対象となりうる白系輪ギク品種は、「神馬」、「新神」、「新神2」、「今神」等の白系秋輪ギク品種、「フローラル優香」、「精雲」、「岩の白扇」等の白系夏秋輪ギクなどの任意の白系輪ギク品種を包含する。本発明において「神馬」系品種又は系統とは、白系輪ギク品種「神馬」又は「神馬」を原品種として作製した白系輪ギクの品種又は系統を意味し、例えば「神馬」、「新神」、「今神」及び実施例に示した「神馬(変異系統)」等が挙げられるがこれらに限定されない。「新神2」も、「神馬」系品種のうちの1つである。「神馬」、「新神」、「新神2」、「今神」等の白系輪ギクは、鹿児島県農業試験場から入手することができるが、市販品を入手することも可能である。
なお、本発明において「キク品種」とは、品種登録若しくは品種登録出願が為されたキク品種だけでなく、品種登録若しくは品種登録出願がされていないが品種として確立されているキク品種をも意味する。本発明においてキクの「系統」は、所定のキク品種を原品種として作製される、品種として確立されていてもいなくてもよいキク系統を言う。本発明における「キク品種の識別」は、キク系統を識別することも包含する。
本発明に係るキク品種の識別方法について、以下では具体例を挙げてさらに説明する。例えば、配列番号1で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号2で示される塩基配列からなるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いてゲノムDNAのPCR増幅を行い、その増幅産物を電気泳動すると、いずれの白系輪ギクも図1に示されるのと同様にほぼ同じバンドパターンを示す一方、480bpのバンドに関しては、「新神2」又は「新神2」由来系統に属するキクでは全く検出されないか又は極めて微量にしか検出されないのに対し、それ以外の白系輪ギクでは明瞭なバンドとして検出される。従って上記プライマーセットを使用する場合には、例えば、電気泳動写真に示される480bpのバンドの相対的濃さ(他のバンドの濃さと比較した場合の相対値;その増幅産物の増幅量を示す)が顕著に低下しているか又は検出限界以下であり、かつ当該バンドに代わる、「神馬」等では見られない別のバンドも検出されないときは、その480bpのバンドに対応する配列の欠失が存在するものとして、供試キクを「新神2」又は「新神2」由来系統であると判定し、他の白系輪ギク品種又は系統(例えば、他の「神馬」系品種又は系統、又は白系夏秋輪ギク品種)と識別することができる。
ここで「480bpのバンド」とは、配列番号9の全長塩基配列に対応する核酸増幅産物を示す電気泳動像のバンドをいう。これは電気泳動像ではその分解能によっては例えば約500bpのバンドとして可視化されるものであってもよい。供試キク品種・系統によっては、その増幅産物の塩基配列中に「神馬」由来の配列と比較して多少の変異(欠失、置換、付加等)が存在することも考えられるため、「480bpのバンド」の増幅断片には、実際には例えば1〜10bp、典型的には1〜5bp程度の塩基長の差異があってもよい。そのような場合でも問題なく識別が可能である。配列番号9の全長塩基配列に対応する核酸増幅産物であるかどうかは、当該核酸増幅産物をクローニングし塩基配列を決定し、配列番号9の塩基配列とアラインメントすることにより確認することができる。アラインメントは、例えば手作業で行うこともできるが、例えばClustal W マルチプルアラインメントプログラム(Thompson, J.D. et al, (1994) Nucleic Acids Res. 22, p.4673-4680)をデフォルト設定で用いることにより作成することができる。
また本発明の方法の別の例では、配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号4で示される塩基配列からなるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いてゲノムDNAのPCR増幅を行い、その増幅産物を電気泳動すると、図2に示されるのと同様に、776bpのバンドに関して、「新神2」又は「新神2」由来系統に属するキクでは、それ以外の白系輪ギクに比べて明らかに薄いバンドが検出される。従って上記プライマーセットを使用する場合には、例えば、電気泳動写真に示される776bpのバンドの相対的濃さ(増幅量)が低下しており、かつ当該バンドに代わる、「神馬」等では見られない別のバンドも検出されないときは、その776bpのバンドに対応する配列の欠失が存在するものとして、供試キクを「新神2」又は「新神2」由来系統であると判定し、他の白系輪ギク品種又は系統(例えば、他の「神馬」系品種又は系統、又は白系夏秋輪ギク品種)と識別することができる。なおこの776bpのバンドは配列番号3で示される塩基配列からなるプライマーがフォワードプライマー及びリバースプライマーの両方として機能することにより増幅されたものである。
ここで「776bpのバンド」とは、配列番号10の全長塩基配列に対応する核酸増幅産物を示す電気泳動像のバンドをいう。これは電気泳動像ではその分解能によっては例えば約800bpのバンドとして可視化されるものであってもよい。供試キク品種・系統によっては、その増幅産物の塩基配列中に「神馬」由来の配列と比較して多少の変異(欠失、置換、付加等)が存在することも考えられるため、「776bpのバンド」の増幅断片には、実際には例えば1〜10bp、典型的には1〜5bp程度の塩基長の差異があってもよい。そのような場合でも問題なく識別が可能である。配列番号10の全長塩基配列に対応する核酸増幅産物であるかどうかは、上記の「480bpのバンド」と同様にして、配列番号10の塩基配列とのアラインメントにより確認できる。
本発明の方法のさらに別の例では、配列番号5で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号6で示される塩基配列からなるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いてゲノムDNAのPCR増幅を行い、その増幅産物を電気泳動すると、いずれの白系輪ギク品種も図3に示されるのと同様にほぼ同じバンドパターンを示す一方、470bpのバンドに関しては、「新神2」又は「新神2」由来系統に属するキクでは全く検出されないか又は極めて微量にしか検出されないのに対し、それ以外の白系輪ギク(例えば、とりわけ「神馬」系品種・系統)の多くでは明瞭なバンドとして検出される。「フローラル優香」等の白系夏秋輪ギク品種を含む他の白系輪ギクにおいては、470bpのバンドが検出されずに代わりに別のバンド(例えば900bpのバンド)が検出される場合もあるが、「新神2」ではそのような別のバンドは検出されないため、「新神2」は「フローラル優香」等のそのような白系輪ギク品種からも容易に識別可能である。従って上記プライマーセットを使用する場合には、例えば、電気泳動写真に示される470bpのバンドの相対的濃さ(他のバンドの濃さと比較した場合の相対値;その増幅産物の増幅量を示す)が顕著に低下しているか又は検出限界以下であり、かつ当該バンドに代わる、「神馬」等では見られない別のバンドも検出されないときは、その470bpのバンドに対応する配列の欠失が存在するものとして、供試キクを「新神2」又は「新神2」由来系統であると判定し、それ以外の白系輪ギク品種又は系統(例えば、他の「神馬」系品種若しくは系統、又は白系夏秋輪ギク品種)から識別することができる。
ここで「470bpのバンド」とは、配列番号9の第1位〜第470位までの塩基配列に対応する核酸増幅産物を示す電気泳動像のバンドをいう。これは電気泳動像ではその分解能によっては例えば約500bpのバンドとして可視化されるものであってもよい。供試キク品種・系統によっては、その増幅産物に「神馬」由来の配列と比較して多少の変異(欠失、置換、付加等)が存在することも考えられるため、「470bpのバンド」の増幅断片には、実際には例えば1〜10bp、典型的には1〜5bp程度の塩基長の差異があってもよい。そのような場合でも問題なく識別が可能である。配列番号9の第1位〜第470位までの塩基配列に対応する核酸増幅産物であるかどうかは、上記の「480bpのバンド」と同様にして、配列番号9の第1位〜第470位までの塩基配列とのアラインメントにより確認できる。
本発明の方法のさらに別の例では、配列番号7で示される塩基配列からなるプライマーと配列番号8で示される塩基配列からなるプライマーとを組み合わせたプライマーセットを用いてゲノムDNAのPCR増幅を行い、その増幅産物を電気泳動すると、いずれの白系輪ギク品種も図4に示されるのと同様にほぼ同じバンドパターンを示す一方、380bpのバンドに関しては、「新神2」又は「新神2」由来系統に属するキクでは全く検出されないか又は極めて微量にしか検出されないのに対し、それ以外の白系輪ギクの多く(例えば、「神馬」系品種・系統及び白系夏秋輪ギク品種等)では明瞭なバンドとして検出される。従って上記プライマーセットを使用する場合には、例えば、電気泳動写真に示される380bpのバンドの相対的濃さ(他のバンドの濃さと比較した場合の相対値;その増幅産物の増幅量を示す)が顕著に低下しているか又は検出限界以下であり、かつ当該バンドに代わる、「神馬」等では見られない別のバンドも検出されないときは、その380bpのバンドに対応する配列の欠失が存在するものとして、供試キクを「新神2」又は「新神2」由来系統であると判定し、それ以外の白系輪ギク品種又は系統(例えば、他の「神馬」系品種若しくは系統、又は白系夏秋輪ギク品種)から識別することができる。
ここで「380bpのバンド」とは、配列番号10の第106位〜第485位までの塩基配列に対応する核酸増幅産物を示す電気泳動像のバンドをいう。これは電気泳動像ではその分解能によっては例えば約400bpのバンドとして可視化されるものであってもよい。供試キク品種・系統によっては、その増幅産物に「神馬」由来の配列と比較して多少の変異(欠失、置換、付加等)が存在することも考えられるため、「380bpのバンド」の増幅断片には、実際には例えば1〜10bp、典型的には1〜5bp程度の塩基長の差異があってもよい。そのような場合でも問題なく識別が可能である。配列番号10の第106位〜第485位までの塩基配列に対応する核酸増幅産物であるかどうかは、上記の「480bpのバンド」と同様にして、配列番号10の第106位〜第485位までの塩基配列とのアラインメントにより確認できる。
さらに本発明は、上記プライマーセット、好ましくは上記の(a)〜(c)のプライマーセットも提供する。本発明に係るプライマーセットは、それぞれ、キク品種(好ましくは、白系輪ギク品種)の識別用、特に「新神2」又は「新神2」由来系統の識別用に有用である。
さらに本発明は、本発明に係る上記プライマーセットを少なくとも1つ含む、キク品種識別用キットにも関する。このキク品種識別用キットは、判別のしやすさの点で、上記の(a)〜(c)のプライマーセット、特に(b)及び(c)のプライマーセットのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。本発明に係るこのキク品種識別用キットは、さらにDNAポリメラーゼ、dNTPs、及び核酸増幅反応バッファーなどの核酸増幅用試薬、並びにゲノムDNA抽出用試薬などを含んでもよい。本発明に係るキク品種識別用キットは、「新神2」又は「新神2」由来系統のキクの識別用として有用であり、特に「新神2」又は「新神2」由来系統を「新神」の識別のために非常に有利に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)供試品種
供試品種には、白系秋輪ギク品種「神馬(じんば)」、「新神(あらじん)」(品種登録番号第14118号)、「新神2」(品種登録出願第21192号)、「今神」(品種登録番号第14119号)及び「神馬(変異系統)」(鹿児島県が保有する試験系統)を用いた。
「新神」、「今神」及び「神馬(変異系統)」は、それぞれ、「神馬」に炭素イオンビームを照射し突然変異を誘発することにより作出した白系秋輪ギク品種である。「新神2」は、「新神」に突然変異を誘発するため炭素イオンビームをさらに照射して得た個体群の中から、低温条件下でも開花遅延しない特性を持つ変異体として選抜された白系秋輪ギク品種である。
(2)DNA抽出
上記供試品種の各キク個体より採取したキク生葉約0.1gから、DNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を用いて、PCRの鋳型として用いるゲノムDNAの抽出を行った。そのいずれの抽出試料についても、RNaseによりRNAの分解を行った。抽出したゲノムDNAは、20ng/μlの濃度になるように滅菌水に溶解し、4℃で保存した。
(3)DNA多型スキャニング
上記で調製したゲノムDNA試料を鋳型として、以下の通りPCR法により核酸増幅を行った。PCRに用いたプライマーセットは、表1に示したPrimer 1とPrimer 2、及びPrimer 3とPrimer 4である。
Figure 2011024466
上記のPrimer 1はRAPDプライマー1種(Operon Technolgies, Inc.)の5'端にGCを、3'端にGCGを付加したものであり、Primer 3は別のRAPDプライマー1種(Operon Technolgies, Inc.)の5'端にGGを、3'端にGGGを付加したものである。Primer 2は、既報のトウモロコシのTRIM型レトロトランスポゾン(DDBJ/GenBank/EMBLデータベース・アクセッション番号AY271959)のPBS配列を含む領域から設計した。Primer 4はキクレトロトランスポゾン配列(特許文献1の配列番号6)に基づいて設計した。
PCRの反応液は、TaKaRa Ex TaqTMポリメラーゼ1 U、このポリメラーゼに添付の反応バッファー5μl、dNTP溶液0.2 mM、プライマー各0.5 μM、20 ngの鋳型DNA及び滅菌水を加えて合計50 μlに調整した。PCR反応の温度制御はサーマルサイクラーGeneAmp(R)PCR System 9700(Applied Biosystems)を用いて行った。PCR反応は、95℃2分間の熱変性の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃1分間を1サイクルとして30サイクル行い、最後に72℃2分間の伸長反応を行うことにより実施した。得られたPCR産物は1.5%アガロースゲル上で電気泳動し、臭化エチジウムで染色した後、紫外線の照射下で検出し、増幅バンドパターン及びシグナル強度の解析を行った。
解析結果の例を図1に示す。Primer 1とPrimer 2を組み合わせたプライマーセットを用いてPCRを行った場合、500bp付近に品種により濃さのはっきりと異なるバンドが現れた。すなわち、「新神2」以外の品種(レーン1:「神馬」、レーン2:「新神」、レーン4:「今神」)では約500bpのDNA断片がメインバンドとして増幅されたのに対し、「新神2」(レーン3)においてのみ、約500bpのバンドが明らかに極めて少ない増幅量で検出された(図1中の△で示した)。それ以外のバンドはほぼ同様の増幅量であった。
一方、Primer 3とPrimer 4を組み合わせたプライマーセットを用いたPCRでも、800bp付近に品種により濃さの異なるバンドが現れた(図2)。すなわち、「新神2」以外の品種(レーン1:「神馬」、レーン2:「新神」、レーン3:「神馬(変異系統)」)で検出された約800bpのバンドが、「新神2」(レーン4)でのみ、明らかに極めて少ない増幅量で検出された(図2中の△で示した)。
このように、Primer 1とPrimer 2からなるプライマーセット、及びPrimer 3とPrimer 4からなるプライマーセットをそれぞれ用いたPCR増幅により、「新神2」に特異的なDNA多型を検出することができた。
キクは6倍体であり、炭素イオンビーム照射によって生じるDNA欠失変異はその6つのうち1つの染色体にのみ導入される。このため炭素イオンビーム照射によりキクに導入された欠失領域を核酸増幅すると、上記のように、当該欠失を有しない近縁品種のキクと比較して増幅量の明らかに低減したバンドが検出されることになる。従って、上記のようにキク品種間で同一サイズのバンドが得られた一方で「新神2」でのみ増幅量が少ないバンドが検出されたことから、その増幅量の少ないバンドの増幅領域は「新神2」特有の欠失領域内に位置すると考えられた。
(4)クローニング
「新神2」を特異的に検出するため、「新神2」特有の欠失領域内に核酸増幅用プライマーを設計することを試みた。
このため、まず、「新神2」のみでバンドのシグナル強度が明らかに低かったDNA増幅断片(図1中の約500bpのバンド、及び図2中の約800bpのバンド)を常法によりゲルから抽出し、それをTOPO TA Cloning kit(Invitrogen社製)を使ってそれぞれプラスミドベクターpCR2.1-TOPO中に挿入した。当該DNA断片を挿入したプラスミドは、大腸菌(E.coli)を用いて常法によりクローニングした。クローニングしたプラスミドDNAは、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)により精製し、BigDye Terminator ver.3.1を用いてDNAシークエンス反応に供し、塩基配列決定を行った。
図1中、約500bpのバンドとして検出されたDNA増幅断片(「神馬」を鋳型としてPCR増幅したもの)について決定された塩基配列(480bp)を配列番号9に示す。この配列番号9のDNA断片は、Primer 2がフォワードプライマー、Primer 1がリバースプライマーとして機能して増幅されたものであった(図5A)。また、図2中、約800bpのバンドとして検出されたDNA増幅断片(「神馬」を鋳型としてPCR増幅したもの)について決定された塩基配列(776bp)を配列番号10に示す。この配列番号10のDNA断片は、Primer 3がフォワードプライマー及びリバースプライマーとして機能して増幅されたものであった(図5B)。
(5)「新神2」特異的増幅パターンを生成可能なプライマーセットの作製
上記2つのDNA断片について決定したそれぞれの塩基配列に基づいて、その塩基配列の一部を増幅するための各種プライマーを新たに設計し、「新神2」に特異的なPCR増幅パターンを生成可能なプライマーの組み合わせ(プライマーセット)をさらに検討した。設計した各プライマーセットを用いて、上記「DNA多型スキャニング」に記載したのと同じようにして、白系輪ギク品種(「神馬」、「新神」、「新神2」、「今神」)由来のゲノムDNAを鋳型とするPCRを行った。また、白系夏秋輪ギク品種「フローラル優香」(品種登録番号第11157号)から上記と同様にして抽出したゲノムDNAについても、それを鋳型として同じプライマーセットを用いてPCRを行った。
具体的には、PCRの反応液は、TaKaRa Ex TaqTMポリメラーゼ1 U、このポリメラーゼに添付の反応バッファー5μl、dNTP溶液0.2 mM、プライマー各0.5 μM、20 ngの鋳型DNA及び滅菌水を加えて合計50 μlに調整した。PCR反応の温度制御はサーマルサイクラーGeneAmp(R)PCR System 9700(Applied Biosystems)を用いて行った。PCR反応は、95℃2分間の熱変性の後、94℃30秒間、55〜60℃(アニーリング温度はこの範囲でプライマーセットに応じて決定可能)30秒間、72℃1分間を1サイクルとして30サイクル行い、最後に72℃2分間の伸長反応を行うことにより実施した。
得られたPCR産物は1.5%アガロースゲル上で電気泳動し、臭化エチジウムで染色した後、紫外線の照射下で検出し、増幅パターン及びシグナル強度の解析を行った。
上記解析に基づいて「新神2」特異的な増幅パターンを生成するプライマーセットを選択した。これにより得られた「新神2」を識別可能なプライマーセットを表2に示す。
Figure 2011024466
上記のPrimer 5及びPrimer 6は、「神馬」由来のDNA増幅断片の塩基配列(配列番号9)に基づいて設計された。一方、Primer 7及びPrimer 8は、「神馬」由来のDNA増幅断片の塩基配列(配列番号10)に基づいて設計された。
これらのプライマーセットを用いて上記の通りPCR増幅を行った結果を、図3及び4に示す。図3に示される通り、Primer 5とPrimer 6からなるプライマーセットを用いてPCRを行った場合、「神馬」(レーン1)、「新神」(レーン2)、「今神」(レーン4)では、400bp、470bp、1400bp、1800bp付近にメインバンドとなるDNA断片の増幅が検出されたが、「新神2」(レーン3)では470bpのバンドのDNA増幅断片はほぼ検出されず(図3中の△で示した)、異なるサイズの別のバンドも検出されなかった。従って、「新神2」は、470bpのバンドのDNA増幅断片の検出結果に基づいて「神馬」系品種・系統と区別して識別できることが示された。さらに、「フローラル優香」(レーン5)では、400bp、900bp、1400bp、1800bp付近にメインバンドとなるDNA断片の増幅が検出された。「フローラル優香」でも「新神2」(レーン3)でほぼ欠失していた470bpのバンドのDNA増幅断片は検出されなかったが、それに代わる900bpのバンドが明瞭に検出された。このためその増幅パターンに基づけば、「新神2」を、「フローラル優香」のような、「神馬」系品種以外の白系輪ギクからも区別して識別できることが示された。この結果は、Primer 5とPrimer 6からなるプライマーセットによって増幅される配列の1つが、「新神2」の欠失領域内に位置することを示すものである。
一方、図4に示される通り、Primer 7とPrimer 8からなるプライマーセットを用いてPCRを行った場合、「神馬」(レーン1)、「新神」(レーン2)、「今神」(レーン4)、「フローラル優香」(レーン5)では、380bp付近にメインバンドとなるDNA断片の増幅が検出されたが、「新神2」(レーン3)ではその380bp付近のDNA増幅断片はほぼ検出されず(図4中の△で示した)、異なるサイズの別のバンドも検出されなかった。従って、当該プライマーセットによるDNA増幅断片の380bpのバンドの検出結果に基づけば、「新神2」を、「神馬」系品種・系統及び他の白系輪ギク品種から区別して識別できることが示された。この結果も、Primer 7とPrimer 8からなるプライマーセットによって増幅される配列の1つが、「新神2」の欠失領域内に位置することを示すものである。
以上の結果から、Primer 5とPrimer 6を組み合わせたプライマーセットを用いたPCRを行い、470bpのバンドの検出の有無及び相対的濃さを含めたDNAの増幅パターンを確認することによって、「新神2」を、同様に白系輪ギク品種である他の「神馬」系品種やそれ以外の他の白系輪ギク品種から明瞭に識別できることが示された。
同様に、Primer 7とPrimer 8を組み合わせたプライマーセットを用いたPCRを行い、380bpのバンドの検出の有無及び相対的濃さを含めたDNAの増幅パターンを確認することによって、「新神2」を、他の「神馬」系品種・系統やそれ以外の他の白系輪ギク品種から明瞭に識別できることも示された。
従って、本実施例のようにして作製される「新神2」に特異的なPCR増幅パターンを生成可能なプライマーセットをキク品種(好ましくは白系輪ギク品種)由来のゲノムDNAを鋳型とした核酸増幅に用いることにより、キク品種「新神2」を白系輪ギク品種の中から成功裡に識別できることが実証された。本識別法は、「新神2」で特異的に生じた欠失配列を受け継ぐことになる「新神2」由来系統の識別にも適用可能である。
本発明に係るキク品種「新神2」の識別方法は、キク品種「新神2」及び「新神2」由来系統を他の白系輪ギク品種又は系統(好ましい例では他の「神馬」系品種又は系統)から識別するために使用できる。例えば、本発明に係る識別方法は、キク品種「神馬」及び「今神」と「新神2」の識別、さらには従来の技術では不可能であった「新神」と「新神2」の識別のために使用できる。本発明に係る方法を用いれば、キクの葉一枚を試料として、そのキク個体が「新神2」であるか否かを簡便に判別することが可能になる。本発明において「新神2」のDNAレベルでの品種識別技術が確立できたことにより、これまで有効な対策を採ることができなかった「新神2」の育成者権の侵害行為に対して大きな抑止効果が得られることが期待される。
配列番号1〜8はプライマーである。

Claims (7)

  1. キク品種「新神2」のゲノムDNAと「新神」のゲノムDNAとを相互に識別可能なプライマーセットを用いて、白系輪ギク由来のゲノムDNAを核酸増幅し、得られる増幅パターンの相違に基づいてキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を識別することを特徴とする、キク品種の識別方法。
  2. 前記プライマーセットが、以下の(i)又は(ii):
    (i) 配列番号9で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
    (ii) 配列番号10で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
    である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プライマーセットが、以下の(a)〜(c)のうちの少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の方法。
    (a)配列番号1で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号2で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
    (b)配列番号5で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号6で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
    (c)配列番号7で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号8で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
  4. キク品種「新神2」又は「新神2」由来系統の識別が、「新神2」又は「新神2」由来系統と、他の「神馬」系品種又は系統との識別である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 以下の(i)又は(ii)であるキク品種「新神2」又は「新神2」由来系統を識別するためのキク品種識別用プライマーセット。
    (i) 配列番号9で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号9で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット、
    (ii) 配列番号10で示される塩基配列の全体又は一部を増幅するように設計された、配列番号10で示される塩基配列上の10〜50塩基の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーと、配列番号10で示される塩基配列上の15〜50塩基の連続した塩基配列に対する相補配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーとを含むプライマーセット
  6. 以下の(a)〜(c)のいずれかである請求項5に記載のプライマーセット。
    (a)配列番号1で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号2で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
    (b)配列番号5で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号6で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
    (c)配列番号7で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー及び配列番号8で示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマーセット
  7. 請求項5又は6に記載のプライマーセットを少なくとも1つ含む、キク品種識別用キット。
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