JP2006254636A - 単相電力変換装置及び三相電力変換装置 - Google Patents

単相電力変換装置及び三相電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 直流電力を交流電力に変換する電力変換装置に関し、交流電力に含まれる直流成分を抑制する。
【解決手段】 直流電力を変換器2で交流電力に変換し、インダクタ3を介して出力端子u1,u2に供給する。変換器2から出力される出力電流i(t)と、目標電流生成手段110から出力される出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)との誤差Δ(t)に基いて、変換器2を制御し、さらに、電圧検出手段18を用いて出力端子間電圧v(t)に含まれる直流成分Vを検出し、直流成分抑制手段8で目標電流j(t)を補正することにより、直流成分Iを抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は単相電力変換装置及び三相電力変換装置に関する。詳しくは、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置において、出力端子間電圧から直流成分を抽出して目標電流を補正することにより、交流電力に含まれる直流成分を抑制する単相電力変換装置及び三相電力変換装置に関する。
電力変換装置には、変換器と負荷とを絶縁するため、あるいは変換器の出力を負荷の系統電圧に合致させるために変圧器を有するものが多い。一方、制御系の温度ドリフトやオフセットのずれなどによって、負荷側の変圧器の入力電圧に直流成分が含まれると、その直流成分により変圧器の鉄心が一方向に磁化してしまい、磁束分布が偏る偏磁が発生する。これにより、変圧器の励磁インダクタンスが極端に減少し、過大な励磁電流が流れる、出力電圧が歪む、変圧器の局部加熱、電磁騒音の増加などが生じて、電力変換装置が供給する交流電力が不安定になるという問題があった。
このような問題を解決する方法として、例えば、変圧器の一次側に、可飽和リアクトルおよび鎖交磁束数に比例した励磁電流を流すリアクトルを並列接続し、リアクトルに流れる励磁電流から直流成分を検出し、変換器のインバータ制御回路の制御に還元して変圧器の偏磁を補償する直流成分抑制方法が開示されている。変換器から出力される交流電力に直流成分が含まれていないときは、リアクトルに正負対象の電流が流れ、リアクトルに流れる電流を積分する演算増幅器の出力には直流成分が発生しない。しかし、直流成分が含まれているときは、リアクトルには正負非対称の電流が流れ、演算増幅器の出力には磁気飽和量に比例した直流成分が検出されるので、可飽和リアクトルおよびリアクトルの励磁電流の正負非対称のピーク値を検出し、積分回路にて1周期積分して磁気飽和量に比例した直流成分を検出して、変圧器の偏磁を補償している。(例えば、特許文献1,2参照)
他方、電力変換装置の電流制御方法として、目標電流生成手段にて目標電流を生成し、出力電流を目標電流に追従させるように変換器のPWM(パルス幅変調)制御を行なう誤差追従式交流電流制御方式が発明者達により提案されている。(例えば、非特許文献1,2参照)
図11に、誤差追従式交流電流制御方式を採用する単相電力変換装置の回路構成例を示す。1は直流電力を供給する直流電源1(起電圧E)である。主回路100は、主として、直流電源1から供給される直流電力を交流電力に変換する変換器2と、変換器2からインダクタ3(インダクタンス成分L)を通して出力端子u1,u2に電流を流す配線a1,a2と、インダクタ3と出力端子u1,u2の間で、かつ、出力端子u1,u2間(配線a1,a2間)に接続されたフィルタ回路5とから構成される。フィルタ回路5は抵抗RとコンデンサCを直列接続した回路であり、変換器2で生成した交流電力に含まれるスイッチング周波数成分を除去する。変換器2は、パワーデバイス(半導体スイッチ素子)で構成されたフルブリッジ回路を有する。半導体スイッチ素子として、例えば、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を使用できる。なお、4は出力端子u1,u2間に接続される負荷である。
18は出力端子間電圧として、フィルタ回路5と配線a1,a2との接続点間に印加されるフィルタ電圧v(t)を検出する電圧検出手段である。19は変換器2からインダクタ3に流れる出力電流i(t)を検出する第1の電流検出手段である。7は出力端子u1,u2から負荷4に流れる負荷電流i(t)を検出する第2の電流検出手段である。出力電流i(t)は変換器2の近傍の配線a1又はa2から検出され、負荷電流i(t)は出力端子u1又はu2近傍の配線a1又はa2から検出される。インダクタ3は出力電流i(t)を電流制御するために使用される。17は変換器2を制御するPWM(パルス幅変調)制御手段(変換器制御手段)であり、変換器2の複数の半導体スイッチ素子のゲートにパルスでオンオフ信号を供給して制御する。出力電流i(t)の制御は、PWM(パルス幅変調)制御手段17でのゲートコントロールにより行われる。
110は目標電流生成手段であり、出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)を演算して生成する。目標電流生成手段110において、13、9、14は、与えられた入力信号を増幅する増幅度α、β、γの第1、第2、第3の増幅器である。
10は出力端子間電圧すなわちフィルタ電圧v(t)の目標値となるフィルタ電圧指令Vc(t)を生成するフィルタ電圧指令手段、11はフィルタを構成するコンデンサCを流れるフィルタ電流の目標値となるフィルタ電流指令iCF(=C(dv/dt)を生成するフィルタ電流指令手段、12は出力電流i(t)と目標電流j(t)との偏差を補償するための偏差補償指令D(t)を生成するPWM電流偏差補償手段である。
図12に、上記単相電力変換装置における電力変換の制御方法の処理フローを示す。直流電力を負荷に供給する交流電力に変換する工程として、変換器2で直流電力を単相交流電力に変換し(ステップS001)、交流電力を負荷4に供給する(ステップS002)。
電圧検出手段18にて負荷4に印加される出力端子間電圧、すなわち、フィルタ回路5と配線a1,a2との接続点間に印加されるフィルタ電圧v(t)を検出し(ステップS003)、第2の電流検出手段7にて、負荷4に流れる負荷電流i(t)を検出し(ステップS004)、第1の電流検出手段19にて、変換器2からインダクタ3(インダクタンス成分L)に流れる出力電流i(t)を検出する(ステップS005)。
次に、目標電流生成手段110の制御処理について説明する。
フィルタ電圧指令手段10により生成されたフィルタ電圧指令V(t)(ステップS006)と、電圧検出手段18によって検出されたフィルタ電圧v(t)とは、第2の加算器15にて減算演算されて誤差が求められ(ステップS007)、第1の増幅器13にてα倍され(ステップS008)、第4の加算器16に入力される。
第2の電流検出手段7にて検出された負荷電流i(t)は、第2の増幅器9にてβ倍され(ステップS009)、第4の加算器16に入力されることにより負荷電流i(t)のフィードフォワードとして働く。
フィルタ電流指令手段11により生成されたフィルタ電流指令iCF(ステップS010)は、第3の増幅器14にてγ倍され(ステップS011)、第3の加算器21に入力される。
PWM電流偏差補償手段12により生成された偏差補償指令D(t)(ステップS012)は、目標電流j(t)と変換器2からインダクタ3に流れる実際の出力電流i(t)との偏差を補償するもので、第3の加算器21に入力され、γ倍されたフィルタ電流指令iCFと加算される(ステップS013)。
第4の加算器16にて、α倍されたフィルタ電圧誤差(フィルタ電圧指令Vc(t)−フィルタ電圧v(t))と、β倍された負荷電流i(t)と、第3の加算器21での加算結果が加算され、その出力として目標電流j(t)が得られる(ステップS014)。第1の加算器20にて、第1の電流検出手段19で検出された出力電流i(t)は、目標電流j(t)から減算されて誤差Δ(t)が求められる(ステップS015)。PWM制御手段17は、第1の加算器20にて求めた誤差Δ(t)に基いて、パルスでオンオフ信号を発生し、変換器2の半導体スイッチ素子のゲートに供給して、変換器2を制御する(ステップS016)。
次に三相の場合について説明する。電圧検出手段18は出力端子間電圧v(t)として、3つの出力端子u,v,w間の線間電圧vab(t),vbc(t),vca(t)を検出し、第1の電流検出手段19が検出する出力電流i(t)は三相に対応して3成分ipa(t),ipb(t),ipc(t)を有し、第2の電流検出手段7が検出する負荷電流i(t)は三相に対応して3成分isa(t),isb(t),isc(t)を有する。これに対応して目標電流j(t)も3成分j(t),j(t),j(t)を有し、目標電流生成手段110もこれら3成分についての処理を行う。
図13に誤差追従式交流電流制御方式を採用する三相電力変換装置の回路構成例を示す。図において、図11と同じ機能を呈する部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11に比して異なる点を主に説明する。変換器2は交流電力として三相交流を出力する。主回路100は変換器2と、変換器2からインダクタ3(インダクタンス成分LPa,LPb,LPc)を通して出力端子u,v,wに電流を流す3配線a,b,cと、インダクタ3と出力端子u,v,wの間で、かつ、出力端子u,v,w間(配線a,b,c間)に接続されたフィルタ回路5とから構成される。フィルタ回路5は、3つのコンデンサCをデルタ型に接続した回路の3つの端子と3つの各配線a,b,cとの間にそれぞれ抵抗Rを接続した回路で構成され、単相の場合と同様に、各相間のスイッチング周波数成分を除去するフィルタとして機能する。
電圧検出手段18は、フィルタ回路5の近くに設けられ、出力端子間電圧v(t)として、フィルタ回路5と配線a,b,cとの接続点間(すなわちab間、bc間、ca間)に印加されるフィルタ電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))を検出し、第1の電流検出手段19は変換器2の近くの3つの配線a,b,cに設けられ、変換器2から3つのインダクタ3(インダクタンス成分Lpa,Lpb,Lpc)に流れる出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))を検出し、第2の電流検出手段7は出力端子u,v,w近くの3つの配線a,b,cに設けられ、各配線の負荷電流i(t)(isa(t),isb(t),isc(t))を検出する。
信号変換手段120は、電圧検出手段18によって検出されたフィルタ電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))をdq変換する第1のdq変換器24と、第1のdq変換器24と目標電流生成手段110内の第2の加算器15の間に挿入され、高周波成分を除去するためのローパスフィルタ25と、第2の電流検出手段7により検出された負荷電流i(t)(isa(t),isb(t),isc(t))をdq変換する第2のdq変換器26と、目標電流生成手段110内の第4の加算器16の出力値jdq(t)を逆dq変換して目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を出力する逆dq変換器27とを有する。第1の加算器20は三相に対応して3成分の出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))と目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))の誤差Δ(t)(Δ(t),Δ(t),Δ(t))を減算演算し、PMW制御手段17に出力する。
目標電流生成手段110については、フィルタ電圧指令手段10により生成されるフィルタ電圧指令、フィルタ電流指令手段11により生成されるフィルタ電流指令、PWM電流偏差補償手段12により生成される偏差補償指令はdq空間で生成され、出力値jdq(t)を逆dq変換器27に入力するまでの演算をdq空間上で行う。演算のフローについては、図12に比して、第4の加算器16での演算(ステップS014)と第1の加算器での演算(ステップS015)の間に、出力値jdq(t)を逆dq変換器27に入力して、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))として出力する工程が追加される。なお、dq空間上での処理を行うのは演算の便宜のためである。
なお、第2の電流検出手段7、第1の電流検出手段19及び電圧検出手段18は、それぞれ3相全てにおいて検出をする必要はなく、少なくとも2つの相について検出すれば良く、また、図13中の()は省略可能なことを意味する。
特開平5−316754号公報(段落0007〜0014、図1〜図6等) 特開平6−217559号公報(段落0007〜0013、図1〜図7等) 大島正明、「単相自励式電圧型交直変換装置における誤差追従式交流電流波形制御方式」、電気学会D論文誌、114巻3号、289−298頁、平成6年 大島正明、中村文則、玉井伸三、山本融真、吉田幸一、「誤差追従式PWMをマイナーループとする三相UPS用インバータ」、電気学会D論文誌、125巻2月号、163−173頁、平成17年
しかしながら、従来の可飽和リアクトル等を用いる直流成分抑制方法では、可飽和リアクトルおよびリアクトルの励磁電流の正負非対称のピーク値を検出し、積分回路にて1周期積分して磁気飽和量に比例した直流成分を検出しているため、応答が遅いという問題があった。また、可飽和リアクトルおよびリアクトルの製作のバラツキがあるため、直流成分の補正の精度を高めることが困難であった。さらに、可飽和リアクトルおよびリアクトルが大きくなるため、装置が大型化するという問題があった。
また、誤差追従式交流電流制御方式を採用した電力変換装置に関しては、負荷に流れる電流を精密制御するので、リアクトルのような大きな部品を使用せず、高速応答、高精度、装置の小型化に適しているが、電力変換装置の運転中に、電流ループの温度ドリフトなどによっても直流成分が発生し、その直流成分が制御手段により増幅され、主回路の出力に直流成分が発生するという問題が見出された。一般に主回路の出力端子に接続される負荷に要求される所望の電圧とするため、主回路と負荷との間に変圧器を設けている場合が多く、このような場合、電力変換装置の出力に直流成分があると変圧器が偏磁するなどの不具合が発生する。このため、直流成分を抑制する必要があった。
ここで、単相電力変換装置について直流成分の影響を説明する。
従来例において、図12のステップS014で得られる目標電流j(t)は(式1)のように表される。
j(t)=α(v(t)−v(t))+βi(t)+γC(dv/dt)+D(t)・・・(式1)
上式で表される目標電流j(t)に直流成分Iが発生すると、次式のように表される。
j(t)=α(v(t)−v(t))+βi(t)+γC(dv/dt)+D(t)+I・・・(式2)
上式を展開すると、(式3)のように表される。
j(t)=α((v(t)+(I/α))−v(t))+βi(t)+γC(d/dt(v(t)+(I/α)))+D(t)・・・(式3)
したがって、目標電流j(t)に発生した直流成分Iの効果は、フィルタ電圧指令v(t)をI/α[V]だけバイアスすることと等価になる。
一方、単相電力変換装置の無負荷時のフィルタ電圧v(t)は、(式4)のように表される。
(t)=v(t)+R(dv/dt)(t)…(式4)
目標フィルタ電圧v(t)がv(t)+I/αとなったことにより、無負荷時のフィルタ電圧v(t)は、(式5)のように表される。
(t)=v(t)+R(dv/dt)(t)+I/α…(式5)
結局、無負荷フィルタ電圧v(t)に発生する直流成分Vは、(式6)のように表される。
=I/α [V] …(式6)
これにより、直流成分抑制の観点からは、フィードバックゲインαが大きい方が有利であることが分かる。
以上のことから、目標電流j(t)に存在する直流成分Iにより、単相電力変換装置の出力端子間電圧の直流成分Vがどの程度変化するか、すなわち、直流成分Vを抑制するにはどの程度目標電流j(t)を変更すれば良いかが解る。
三相の場合の直流成分の影響も、単相の場合と同じように見積もることができる。
目標電流ja(t)、jb(t)、jc(t)の直流成分をそれぞれ、IaD、IbD、IcD(IaD+IbD+IcD=0)とすると、三相電力変換装置の線間電圧(端子間出力電圧、フィルタ電圧)vab(t)、vbc(t)、vca(t)に発生する直流成分VabD、VbcD、VcaDは、各々、(式7a)〜(式7c)で表される。
abD=(IaD−IbD)/α [V] ・・・(式7a)
bcD=(IbD−IcD)/α [V] ・・・(式7b)
caD=(IcD−IaD)/α [V] ・・・(式7c)
図14に、図13の直流成分抑制対策をしていない三相電力変換装置において、目標電流に直流成分を加えた場合の実験結果を示す。なお、負荷条件は無負荷である。下欄に変換器2の半導体スイッチ素子のゲートに供給したパルス信号(オンオフ信号)を、上欄に線間電圧vab(t)、vbc(t)、vca(t)と線間電圧をdq変換したd軸成分Vとq軸成分Vを示す。横軸は時間(ms)である。直流成分を加える前の波形を実線で、直流成分を加えた後の波形を点線で示す。図14より、線間電圧vab(t)は正側に、vca(t)は負側に直流成分がバイアスされていることが解る(バイアス方向が矢印で示される)。vbc(t)はバイアスされていないと見なせる。また、V成分の平均値は印加した直流成分Vに対応するが、V、V成分には50Hz成分が生じている。
以上より、電力変換装置の各線間電圧の直流成分を抑制するためには、各相の目標電流から直流成分を除去する補正を行えば良いことが解る。
本発明は、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制し、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る単相電力変換装置は、例えば図1に示すように、直流電源1から単相交流電力を生成して出力端子u1,u2に接続される負荷4に電力を供給する単相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を単相交流電力に変換する変換器2と、変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)を検出する第1の電流検出手段19と、出力端子u1,u2間に印加される出力端子間電圧v(t)を検出する電圧検出手段18と、出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との誤差Δ(t)に基いて、変換器2をパルス幅変調制御する変換器制御手段17とを備え、目標電流生成手段110は、電圧検出手段18で検出された出力端子間電圧v(t)の積分値を増幅して、目標電流j(t)を補正することにより、単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の単相電力変換装置において、例えば図1に示すように、出力端子u1,u2間に接続され、単相交流電力に含まれるスイッチング周波数成分を除去するフィルタ回路5を備え、電圧検出手段18は、フィルタ回路5に印加されるフィルタ電圧を出力端子間電圧v(t)として検出し、第1の直流成分抑制手段8は、フィルタ電圧v(t)の積分値を増幅して、目標電流j(t)を補正する。
また、請求項3に係る単相電力変換装置は、例えば図7に示すように、直流電源1から単相交流電力を生成して出力端子u1,u2に接続される負荷4に電力を供給する単相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を単相交流電力に変換する変換器2と、変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)を検出する第1の電流検出手段19と、出力端子u1,u2間に印加される出力端子間電圧v(t)を検出する電圧検出手段と、出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との誤差Δ(t)に基いて、変換器2をパルス幅変調制御する変換器制御手段17とを備え、電圧検出手段18は、出力端子u1,u2間にコンデンサCと抵抗Rとを直列接続した回路から構成され、出力端子u1,u2間に印加される直流電圧成分Vを検出する直流電圧検出手段6を有し、目標電流生成手段110は、直流電圧成分Vに基いて、目標電流j(t)を補正することにより、単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の単相電力変換装置において、例えば図8に示すように、直流成分抑制手段8は、直流電圧検出手段6で検出された直流成分を増幅する増幅手段34と、直流成分の電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する判定手段39とを有する。
また、請求項5に係る三相電力変換装置は、例えば図3に示すように、直流電源1から三相交流電力を生成して出力端子u,v,wに接続される負荷4に電力を供給する三相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を三相交流電力に変換する変換器2と、変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))を検出する電流検出手段19と、出力端子u,v,w間に印加される出力端子間電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))を検出する電圧検出手段18と、出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))の目標値としての目標電流j(t)を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)と目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))との誤差Δ(t)(Δ(t),Δ(t),Δ(t))に基いて、変換器2をパルス幅変調制御する変換器制御手段17とを備え、目標電流生成手段110は、電圧検出手段18で検出された出力端子間電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))の積分値を増幅して、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を補正することにより、三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の三相電力変換装置において、例えば図3に示すように、出力端子u,v,w間に接続され、三相交流電力に含まれるスイッチング周波数成分を除去するフィルタ回路5を備え、電圧検出手段18は、出力端子間電圧としてフィルタ回路5と各配線a,b,cとの接続点間(すなわちab間、bc間、ca間)に印加されるフィルタ電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))を検出し、直流成分抑制手段8は、フィルタ電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))の積分値を増幅して、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を補正する。
また、請求項7に係る三相電力変換装置は、例えば図9に示すように、直流電源1から三相交流電力を生成して出力端子u,v,wに接続される負荷4に電力を供給する三相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を三相交流電力に変換する変換器2と、変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))を検出する第1の電流検出手段19と、出力端子u,v,w間に印加される出力端子間電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))を検出する電圧検出手段と、出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))の目標値としての目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))と目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))との誤差Δ(t)(Δ(t),Δ(t),Δ(t))に基いて、変換器2をパルス幅変調制御する変換器制御手段17とを備え、電圧検出手段18は、出力端子u,v,w間にコンデンサCと抵抗Rとを直列接続した回路から構成され、出力端子u,v,w間に印加される直流電圧成分V(VabD,VcbD)を検出する直流電圧検出手段6を有し、目標電流生成手段110は、直流電圧成分V(VabD,VcbD)に基いて、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を補正することにより、三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載の三相電力変換装置において、例えば図10に示すように、直流成分抑制手段8は、直流電圧検出手段6で検出された2つの直流成分VabD,VcbDを増幅する増幅手段34a,34bと、第1の直流成分VabDの2倍と第2の直流成分VcbDとを加算する第1の加算手段37aと、第1の直流成分VabDと第2の直流成分VcbDの2倍とを加算する第2の加算手段37bと、第1の加算手段37aで加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第1の判定手段39aと、第2の加算手段37bで加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第2の判定手段39bとを有する。
本願の特許請求の範囲において、出力端子間電圧v(t)は出力端子間に印加される電圧をいうが、これと実質的に同等の電圧、例えば出力端子間に接続されるフィルタ回路5等に印加される電圧を含むものとする。この場合、例えば出力端子u1,u2とインダクタ3間を繋ぐ配線の途中に出力端子間電圧v(t)に実質的に影響するものが存在しなければ、出力端子u1,u2とインダクタ3間の配線の任意の位置にフィルタ回路5を設けても良い。また、出力端子間電圧v(t)の検出はその直流成分Vを直接検出するものであっても良い。また、目標電流生成手段110は直流成分抑制手段8を有するが、この場合、直流成分抑制手段8は物理的には目標電流生成手段110の外部に設けられても良い。また、負荷4として変圧器が接続され、配線が直接変圧器の巻線に連なる場合でも、電力変換装置と変圧器の間に出力端子があると見なすものとする。
また、三相の電力変換装置に関しては、三相を電流すなわち配線a,b,cに対応させて表すものとする。また、出力端子間電圧、フィルタ電圧、出力電流、目標電流、誤差は、3成分を含む電圧、電流を指すものとする。また、フィルタ回路5は各配線間に別個の回路として独立に存在しても良く、一つの回路が各配線に接続され、それぞれの配線間すなわち相間でスイッチング周波数成分を除去するように機能するものでも良い。また、直流成分抑制手段8における積分手段、乗算手段等の各手段はそれぞれ別個の回路として存在しても良く、集積され又は分割されて存在しても良い。
本発明によれば、目標電流生成手段を用いて目標電流を生成し、電圧検出手段で交流電力に含まれる直流成分を検出して、目標電流を補正するので、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明の第1の実施の形態における単相電力変換装置の回路構成例を示す。図1において、図11と同じ機能を呈する部分については同一の符号を付する。図11に比して、第4の加算器16の出力を目標電流から第1次目標電流j(t)と言い換え、目標電流生成手段110内に、電圧検出手段18からの検出信号としてフィルタ電圧v(t)を入力し、目標電流j(t)の補正量j(t)を算出する直流成分抑制手段8と、補正量j(t)を第1次目標電流j(t)に加算して目標電流j(t)を第1の加算器20に出力する第5の加算器22が追加されている点が異なる。補正は、フィルタ電圧v(t)、すなわち、出力端子間電圧に含まれる直流成分Vを抑制するために行なわれる。
すなわち、本実施の形態における電力変換装置は、直流電源1から単相交流電力を生成して出力端子u1,u2に接続される負荷4に電力を供給する単相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を単相交流電力に変換する変換器2と、変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)を検出する第1の電流検出手段19と、出力端子u1,u2間に印加される出力端子間電圧v(t)を検出する電圧検出手段18と、出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との誤差Δ(t)に基いて、変換器2をパルス幅変調制御する変換器制御手段17とを備え、目標電流生成手段110は、電圧検出手段18で検出された出力端子間電圧v(t)の積分値に基いて、目標電流j(t)を補正することにより、単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
本実施の形態における直流成分抑制対策の特徴的な点は、出力端子間電圧v(t)を検出して積分し、その積分値をゲイン1/Lで乗算した値を求め、直流成分を補正する補正量j(t)とし、補正量j(t)を目標電流j(t)に加えて(実質的には減じて)、さらに目標電流j(t)と出力電流との誤差Δ(t)を求めて、PWM制御手段17に入力し、誤差Δ(t)に基いて変換器2の制御を行うことである。この積分ではデジタル的にサンプリング値を積算しても良く、アナログ的に電圧値を積分しても良い。このように、第1次目標電流j(t)に補正量j(t)を加算(実質的には減算)することにより、直流成分Vを抑制することができる。
このように構成すると、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
また、フィルタ回路5はコンデンサCと抵抗Rを直列接続した回路から構成され、電圧検出手段18は、出力端子間電圧v(t)としてフィルタ回路5と配線a1,a2との接続点間に印加されるフィルタ電圧を検出する。また、負荷4に流れる負荷電流i(t)を検出する第2の電流検出手段7を備える。目標電流生成手段110は、フィルタ電圧v(t)の目標値としてのフィルタ電圧指令v(t)を生成するフィルタ電圧指令手段10と、コンデンサCに流れるフィルタ電流iCfの目標値としてのフィルタ電流指令iCF(=C(dv/dt))を生成するフィルタ電流指令手段11と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との電流偏差を補償するため偏差補償指令D(t)を生成する電流偏差補償手段12とを有し、フィルタ電圧指令v(t)、フィルタ電流指令iCF、偏差補償指令D(t)及び補正量j(t)に基いて目標電流j(t)を算出する。PWM制御手段17(変換器制御手段)は、誤差Δ(t)に基いて複数の半導体スイッチ素子にオンオフ信号を供給する。ここにおいて、第2の電流検出手段7、フィルタ電流指令iCF、偏差補償指令D(t)を省略することも可能である。また、フィルタ回路5は本実施形態の回路から抵抗Rを除いたものを用いても良い。
また、目標電流生成手段110は、電圧検出手段18により検出された1次電圧v(t)とフィルタ電圧指令v(t)との減算を行う第2の加算器15と、第2の加算器15から出力された誤差をα倍増幅する第1の増幅器13と、第1の電流検出手段7により検出された負荷電流i(t)をβ倍増幅する第2の増幅器9と、フィルタ電流指令iCFをγ倍増幅する第3の増幅器14と、第3の増幅器14からの出力信号と偏差補償指令D(t)とを加算する第3の加算器21と、第1の増幅器13からの出力信号と第2の増幅器9からの出力信号と第3の加算器21からの出力信号を加算して第1次目標電流j(t)を算出する第4の加算器16と、第1次目標電流j(t)に補正量j(t)を加算して目標電流j(t)を算出して第1の加算器20に供給する第5の加算器22を有する。また、電力変換装置は、目標電流生成手段110の外側に、第1の電流検出手段19により検出された出力電流i(t)と目標電流j(t)との減算を行い、その差を誤差Δ(t)として変換器制御手段17に供給する第1の加算器20を備える。
図2に本実施の形態における電力変換装置の直流成分抑制方法の処理フロー例を示す。まず、図12に追加された工程について説明し、重複する説明を省略する。図中で追加されたフローを二重線で示す。フィルタ電圧v(t)に生ずる直流成分Vを抑制するために、直流成分抑制手段8において、電圧検出手段18にて検出したフィルタ電圧v(t)を積分して積分値を求め(ステップS017)、求めた積分値をゲイン(−1/L)倍して補正量j(t)を求める(ステップS018)。すなわち、電圧検出手段18にて検出したフィルタ電圧v(t)を積分することで交流成分をキャンセルして、直流成分を抽出している。補正量j(t)は、(式8a)のように表され、j(t)をラプラス演算子sを変数とする関数に変換すると(式8b)のように表される。第5の加算器22で第1次目標電流j(t)に補正量j(t)が加算され、目標電流j(t)が出力される(ステップS019)。
Figure 2006254636
ここで、Lは、ゲインの逆数であるが、インダクタンスの次元を持つ。負荷4に変圧器を接続する場合、Lの値は変圧器の励磁インダクタンスよりも小さくする必要がある一方、フィルタ回路5との共振を起こさないようにするため、ある所定値以上である必要もある。Lの値は、主回路構成、電力変換装置の動作条件、負荷条件などによって変わってくるため、一概には決められないが、α・Lが直流成分抑制の時定数となるので、ゲイン1/Lの値は、α・Lの値が変圧器の偏磁耐量の面からおよそ0.01秒から1秒程度となるように設定することが望ましい。
すなわち、本実施の形態における電力変換装置の直流成分抑制方法は、直流電力を変換して交流電力を供給する電力変換装置の直流成分抑制方法であって、変換器2で直流電力を交流電力に変換する変換工程(ステップS001)と、交流電力を負荷4に供給する電力供給工程(ステップS002)と、出力端子u1,u2間に印加される出力端子間電圧v(t)を検出する電圧検出工程(ステップS003)と、配線上のインダクタ3に変換器2から流れる出力電流i(t)を検出する電流検出工程(ステップS005)と、出力電流i(t)の目標値としての目標電流j(t)を出力する目標電流生成工程(ステップS014)と、出力電流i(t)と目標電流j(t)の誤差Δ(t)に基いて、変換器2を制御する変換器制御工程(ステップS016)とを備え、目標電流生成工程(ステップS014)は、電圧検出工程で検出された検出信号に基いて、交流電力に含まれる直流成分を抑制するために目標電流j(t)の補正量j(t)を算出する補正量算出工程(ステップS017〜ステップS018)と、補正量j(t)を用いて目標電流j(t)を補正する補正工程(ステップS019)とを有する。
このように構成すると、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制できる。
次に本発明の第2の実施の形態として三相の電力変換装置について説明する。三相の場合も直流成分抑制対策の基本的対処法は、単相の場合と同じである。三相電力変換装置の場合には、3つの目標電流j(t)、j(t)、j(t)に対して、各々、補正量jha(t)、jhb(t)、jhc(t)を算出して、補正すれば良く、単相の場合と同様の直流成分抑制対策を適用可能である。
三相に対応して、電圧検出手段18は出力端子間電圧v(t)として、3つの出力端子u,v,w間の線間電圧vab(t),vbc(t),vca(t)を検出し、第1の電流検出手段19が検出する出力電流i(t)は3成分ipa(t),ipb(t),ipc(t)を有し、第2の電流検出手段7が検出する負荷電流i(t)は3成分isa(t),isb(t),isc(t)を有する。目標電流生成手段110もこれら3成分についての処理を行う。
図3に、第2の実施の形態における三相電力変換装置の回路構成例を示す。図において、図1、図13と同じ機能を呈する部分については同一の符号を付し、異なる点を主に説明する。図3では、図13に比して、目標電流生成手段110において、逆dq変換器27の出力側に直流成分抑制手段8及び第5の加算器22が挿入されている点が異なる。また、第4の加算器16から出力されるdq空間上の目標電流jdq(t)をdq空間上の第1次目標電流jdq1(t)と、逆dq変換器27で逆dq変換して出力される目標電流j(t)を第1次目標電流j(t)(ja1(t)、jb1(t)、jc1(t))と言い換えている。信号変換手段120は図13と機能的に同様である。直流成分抑制手段8は、電圧検出手段18で検出される出力端子間電圧v(t)が入力されると、目標電流の補正量j(t)を算出して第5の加算器22に入力し、第5の加算器22は、逆dq変換器27から出力される第1次目標電流j(t)に補正量j(t)を加算して、目標電流j(t)を出力する。また、第1の実施の形態(図1参照)とは、目標電流j(t)が3成分を有する点、演算の便宜のため、目標電流生成手段110などにおいてdq空間上で演算処理を行う点が異なる。なお、図3中の()は省略可能なことを意味する。
すなわち、本実施の形態における電力変換装置は、直流電源1から三相交流電力を生成して出力端子u,v,wに接続される負荷4に電力を供給する三相電力変換装置であって、直流電源1からの直流電力を三相交流電力に変換する変換器2と、三相変換器2の交流側に接続されるインダクタ3と、インダクタ3を流れる出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))を検出する第1の電流検出手段19と、出力端子間電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))を検出する電圧検出手段18と、出力電流i(t)(ipa(t),ipb(t),ipc(t))の目標値としての目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を生成する目標電流生成手段110と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との誤差Δ(t)(Δ(t),Δ(t),Δ(t))に基いて、変換器2をパルス幅変調制御するPWM制御手段17(変換器制御手段)とを備え、目標電流生成手段110は、電圧検出手段18で検出された出力端子間電圧v(t)(vab(t),vbc(t),vca(t))の積分値に基いて、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を補正することにより、三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。
このように構成すると、三相交流においても、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
なお、三相を説明するに当り、目標電流j(t)、出力電流i(t)、負荷電流i(t)、出力端子間電圧v(t)、誤差Δ(t)などの表記は、上記のように特に3成分を記載しなくても、3成分含んでいるものとする。
また、フィルタ回路5は3つのコンデンサCをデルタ型に接続し、その各端子をそれぞれ抵抗Rを介して前記各配線(a,b,c)と接続した回路を有し、電圧検出手段18は、出力端子間電圧v(t)としてフィルタ回路5と配線a,b,cとの接続点間に印加されるフィルタ電圧を検出する。また、負荷4に流れる負荷電流i(t)を検出する第2の電流検出手段7を備える。また、目標電流生成手段110は、フィルタ電圧v(t)の目標値としてのフィルタ電圧指令v(t)を生成するフィルタ電圧指令手段10と、コンデンサCに流れるフィルタ電流の目標値としてのフィルタ電流指令iCFを生成するフィルタ電流指令手段11と、出力電流i(t)と目標電流j(t)との偏差を補償するため偏差補償指令D(t)を生成する電流偏差補償手段12とを有し、フィルタ電圧指令v(t)、フィルタ電流指令iCF、偏差補償指令D(t)及び補正量j(s)に基いて目標電流j(t)を算出する。PMW制御手段17は、誤差Δ(t)に基いて複数の半導体スイッチ素子にオンオフ信号を供給する。
また、目標電流生成手段110は、第1のdq変換器24を介して電圧検出手段18から出力された出力端子間電圧v(t)とフィルタ電圧指令v(t)との減算を行う第2の加算器15と、第2の加算器15から出力された誤差Δ(t)をα倍増幅する第1の増幅器13と、第2のdq変換器26により出力された負荷電流i(t)をβ倍増幅する第2の増幅器9と、フィルタ電流指令iCFをγ倍増幅する第3の増幅器14と、偏差補償指令D(t)と第3の増幅器14からの出力信号を加算する第3の加算器21と、第1の増幅器13からの出力信号と第2の増幅器9からの出力信号と第3の加算器21からの出力信号を加算してdq空間での第1次目標電流jdq1(t)を算出して逆dq変換器27に出力する第4の加算器16と、逆dq変換器27から出力信号である第1次目標電流j(t)に補正量j(t)を加算して目標電流j(t)を算出して第1の加算器20に供給する第5の加算器22を有する。また、電力変換装置は、目標電流生成手段110の外側に、第1の電流検出手段19により検出された出力電流i(t)と目標電流j(t)との減算を行い、その誤差Δ(t)を変換器制御手段17に供給する第1の加算器20を備える。
なお、第1の電流検出手段19は、各相を流れる出力電流i(t)のうち2以上の出力電流を検出すれば良く、第2の電流検出手段7は、各相を流れる負荷電流i(t)のうち2以上の負荷電流を検出すれば良く、電圧検出手段18は線間に印加される出力端子間電圧(線間電圧)v(t)のうち2以上の出力端子間電圧を検出すれば良い。また、第2の電流検出手段7、フィルタ電流指令iCF、偏差補償指令D(t)を省略することも可能である。また、フィルタ回路5については3つのコンデンサCをデルタ型に接続した各端子と3つの各配線a,b,cとの間にそれぞれ抵抗Rを接続した回路で構成した例を説明したが、3つのコンデンサCをスター型に接続した各端子と3つの各配線a,b,cとの間にそれぞれ抵抗Rを接続した回路で構成しても良い。また、フィルタ回路5は本実施形態の回路又は上記回路から抵抗Rを除いたものを用いても良い。また、第1のdq変換器24とローパスフィルタ25の順序を入れ替えることも可能である。また、第5の加算器22と逆dq変換器27の順序を入れ替えると共に、電圧検出手段18により検出された出力端子間電圧v(t)の信号を第1のdq変換器24を通過後に直流成分抑制手段8に供給し、dq空間上で目標電流jdq1(t)を補正してから逆dq変換を行い、第1の加算器20に目標電流j(t)を入力しても良い。また、dq変換に代えてαβ変換を用いても良く、座標変換を行なわなくても良い。
目標電流を求める演算については、図2の処理フローがそのまま適用される。
目標電流の補正量j(t)を算出するには、線間電圧(フィルタ電圧)vab(t)及びvcb(t)の積分値から直流成分VabD、VcbD、VcaDを求め、この積分値を用いて、補正量jah(t)、jbh(t)、jch(t)を算出する。ここで、補正量jah(t)、jbh(t)、jch(t)をラプラス変換してラプラス演算子sを用いて表すと、(式9a)〜(式9c)のようになる。
ah(s)=−(2/3)・(vab(s)/(L・s))+(1/3)・(vcb(s)/(L・s))・・・(式9a)
bh(s)=(1/3)・(vab(s)/(L・s))+(1/3)・(vcb(s)/(L・s))・・・(式9b)
ch(s)=(1/3)・(vab(s)/(L・s))−(2/3)・(vcb(s)/(L・s))・・・(式9c)
図4は、第2の実施の形態における直流成分抑制手段8の処理の例を示す図である。線間電圧vab(t)とvcb(t)から補正量jah(t)とjch(t)を求めるものであり、(式9a)及び(式9c)に添ってフローが形成されている。直流成分抑制手段8は、積分手段31a,31b、乗算手段32a,32b及び補正量算出手段33を有する。積分手段、乗算手段を2つずつ有する。積分手段31a,31bは電圧検出手段18で検出された2つの出力端子間電圧(線間電圧、フィルタ電圧)vab(t)及びvcb(t)についてそれぞれの積分値を求め、乗算手段32a,32bは求めた2つの積分値をそれぞれゲイン(1/L)倍し、補正量算出手段33はゲイン倍して得られたそれぞれの乗算結果を1/3と2/3に分割し、それぞれの分割された乗算結果を加減算して(具体的には(式9a)、(式9c)の演算を行って)、補正量jah(t)、jch(t)を求め、符号を反転して、図3に示す第5の加算器22に入力する。補正量jbh(t)は、(式9b)を用いてjah(t)とjch(t)から求められる。
直流成分抑制手段8で求められた補正量jah(t)、jbh(t)、jch(t)は、第5の加算器22で第1次目標電流ja1(t)、jb1(t)、jc1(t)に加算されて、目標電流j(t)、j(t)、j(t)が算出される。さらに第1の加算器20で、目標電流j(t)、j(t)、j(t)と第1の電流検出手段19によって検出された出力電流ipa(t)、ipb(t)、ipc(t)、との誤差Δ(t)、Δ(t)、Δ(t)を算出してPWM制御手段17に入力し、PWM制御手段17で誤差Δ(t)、Δ(t)、Δ(t)に基いて変換器2の半導体スイッチ素子を制御する。
図5に、第2の実施の形態における図3の三相電力変換装置を用いて、目標電流j(t)、j(t)、j(t)に意図的に直流成分(IaD=1A、IbD=−2A、IcD=1A)を加えた場合の実験結果を示す。下欄に変換器2の半導体スイッチ素子のゲートに供給したパルス信号(オンオフ信号)を、上欄に線間電圧vab(t)、vbc(t)、vca(t)と線間電圧をdq変換した直流成分(d軸成分V,q軸成分V)を示し、横軸は時間を示す。負荷条件については図14の実験と同じである。直流成分は、図5の横軸(5ms付近)に直交する点線で示された時点で加えている。直流成分を加える前の波形を実線で、直流成分を加えた後の波形を点線で示す。直流成分(V,V)には50Hz成分が生じているが、この振幅が約120msの間で徐々に小さくなっており、また、線間電圧vab(t)、vbc(t)、vca(t)に含まれる直流成分(実線と破線の差分すなわちバイアス分)が徐々に0に収束していることが分かる。この実施例において、直流成分を加えた直後の線間電圧の直流成分は、ab間が、5.278V、bc間が、−5.347Vであったが、数秒後の定常状態になったときの線間電圧の直流成分を測定したところ、ab間が、1.3mV、bc間が、26.3mVとなった。この測定結果において、例えば、bc間の、26.3mVは、定格200Vの線間電圧に対して、0.005%の値であり、誤差範囲であると考えられ、十分に直流成分の抑制効果が得られていることが分かる。
図6に、図3の回路を定常動作させた後に、目標電流j(t)、j(t)、j(t)に直流成分を意図的に加えて、負荷4として変圧器を接続し、変圧器の電流の過渡応答の実験を行った結果を示す。なお、変圧器として単相変圧器を3台用いた。図6(A)は、直流電流を加えた直後(偏磁が生じた状態)の単相変圧器に流れる電流の波形を、図6(B)は、直流電流を加えて数秒後(偏磁が抑制された状態)に単相変圧器に流れる電流波形を示す。横軸は時間(10ms/div)を示す。図6(A)から、直流電流が加わった直後(図6(A)の上段に示すトリガ用信号がLレベル(0V)からHレベルに変化した時点)では、単相変圧器が偏磁したために単相変圧器の電流のピーク値が過大に上昇して、電流波形の正負の対称性が崩れていることが分かる。しかし、図6(B)から、直流成分を加え続けていても(図6(B)の上段に示すトリガ用信号がHレベルの状態)、直流電流が加わって(トリガ用信号が変化した時点)から数秒後には、単相変圧器の電流は偏磁する前の正常な値に戻り、電流波形の対称性が回復して、直流成分が抑制されていることが分かる。
図7に第3の実施の形態における単相電力変換装置の回路構成例を示す。図7において、図1と同じ機能を呈する部分については同一の符号を付して説明を省略する。図1に比して異なる点を主に説明する。フィルタ回路5と第2の電流検出手段7との間に直流電圧検出手段6が挿入されており、直流電圧検出手段6にて出力端子間電圧v(t)の直流成分Vを検出する点、また、直流成分抑制手段8はフィルタ回路5で検出されるフィルタ電圧を入力する代わりに、直流電圧検出手段6で検出される出力端子間電圧v(t)の直流成分Vを入力して、目標電流の補正量j(t)を算出する点の2点が異なる。直流電圧検出手段6は、フィルタ回路5と電流検出手段7との間に設けられ、配線a1とa2間に抵抗RとコンデンサCを直列接続し、抵抗RとコンデンサCとの中間点から、配線a1とa2間に含まれる直流成分Vを検出する。これらの直流成分も出力端子間電圧v(t)に含まれるので、本実施の形態では、直流電圧検出手段6が電圧検出手段18として機能する。目標電流生成手段110の処理は、直流成分抑制手段8の処理が異なることを除いて第1の実施の形態と同様である。なお、直流電圧検出手段6は、インダクタ3とフィルタ回路5との間に設けても良く、電流検出手段7と出力端子u1,u2との間に設けても良い。
本実施の形態における電力変換装置では、電圧検出手段は、出力端子u1,u2間にコンデンサCと抵抗Rとを直列接続した回路から構成され、出力端子u1,u2間に印加される直流電圧成分Vを検出する直流電圧検出手段6を有し、目標電流生成手段110は、直流電圧成分Vに基いて、目標電流j(t)を補正することにより、単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。なお、図7の18はフィルタ電圧v(t)を検出する手段として機能する。
このように構成すると、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
出力端子間電圧v(t)の直流成分Vと目標電流j(t)に発生する直流成分Iの間には(式6)の関係が成立するので、I=V・αに見合った補正量j(t)を目標電流j(t)にフィードバックすることにより直流成分の抑制ができることが解る。補正量j(t)は、直流成分Iと反対極性の一定値を用いても良く、(式6)で計算した値を用いても良い。
図8は、第3の実施の形態における直流成分抑制手段8の処理の例を示す図である。直流成分抑制手段8をアナログ回路にて構成し、直流成分Iを求めるものである。直流成分抑制手段8は、直流電圧検出手段6で検出された直流成分Vを増幅する増幅手段としての増幅器34、I極性判定回路39を有する。本実施の形態では、直流成分Vは増幅器34に入力され、増幅される。検出された微小な直流成分Vを増幅器34で増幅し、ローパスフィルタ35を通して高周波数成分を除去してフォトカプラ38に入力し、入力部と絶縁されたフォトカプラ38の出力信号によりI極性判定回路39を動作させて負荷電流の直流成分Iの極性を判定する。単相の場合、コンデンサCの電圧が正にバイアスされていれば、直流成分Iも正にバイアスされ、コンデンサCの電圧が負にバイアスされていれば、直流成分Iも負にバイアスされていることになる。演算器40には予め補正量j(t)を設定しておき、負荷電流の直流成分Iの極性が正のときは、負の符号の補正量を出力し、IaDの極性が負のときは、正の符号の補正量を出力し、第5の加算器22に入力する。なお、ローパスフィルタ35は、省略可能である。この実施の形態では、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、アナログ回路による簡単な回路構成によって、容易に電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
図9に第4の実施の形態における三相電力変換装置の回路構成例を示す。図9において、図3と同じ機能を呈する部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3に比して異なる点を主に説明する。フィルタ回路5と第2の電流検出手段7との間に直流電圧検出手段6が挿入されており、直流電圧検出手段6にて出力端子間電圧v(t)の直流成分(詳しくは3つの線間電圧のうち2つの線間電圧の直流成分)VabD,VcbDを検出する点、また、直流成分抑制手段8はフィルタ回路5で検出されるフィルタ電圧を入力する代わりに、直流電圧検出手段6で検出される出力端子間電圧v(t)の直流成分VabD,VcbDを入力して、目標電流の補正量j(t)を算出する点の2点が異なる。直流電圧検出手段6は、フィルタ回路5と電流検出手段7との間に設けられ、配線ab間、cb間にそれぞれ抵抗RとコンデンサCを直列接続し、抵抗RとコンデンサCとの中間点から、配線ab間、配線cb間に含まれる直流成分VabD,VcbDを検出する。本実施の形態では、直流電圧検出手段6が電圧検出手段として機能する。また、図9中の()は省略可能なことを意味する。なお、直流電圧検出手段6は、インダクタ3とフィルタ回路5との間に設けても良く、電流検出手段7と出力端子u,v,wとの間に設けても良い。
本実施の形態における電力変換装置では、電圧検出手段は、出力端子u,v,w間にコンデンサCと抵抗Rとを直列接続した回路から構成され、出力端子u,v,w間に印加される直流電圧成分V(VabD,VcbD)を検出する直流電圧検出手段6を有し、目標電流生成手段110は、直流電圧成分V(VabD,VcbD)に基いて、目標電流j(t)(j(t),j(t),j(t))を補正することにより、三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段8を有する。なお、図9の18はフィルタ電圧v(t)を検出する手段として機能する。また、直流電圧検出手段6及びフィルタ電圧検出手段18は3つあっても良い。
このように構成すると、三相交流においても、リアクトルのような大きな部品を使用することなく、電力変換装置から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制でき、高速応答、高精度で装置を小型化できる電力変換装置を提供できる。
目標電流生成手段110の処理は、直流成分抑制手段8の処理が異なることを除いて第2の実施の形態と同様である。
(式7a)〜(式7c)及び次の(式10)より、(式11a)、(式11b)が導かれる。

aD+IbD+IcD=0 ・・(式10)
aD=α/3・(2VabD+VcbD) ・・(式11a)
cD=−α/3・(VabD+2VcbD) ・・(式11b)

これより、(2VabD+VcbD)及び(VabD+2VcbD)の計算結果がわかれば、各配線a,b,cを流れる負荷電流の直流成分IaD、IbD、IcDを求められること、この直流成分IaD、IbD、IcDを目標電流j(t)にフィードバックすることにより直流成分の抑制ができることが解る。
図10は、第4の実施の形態における直流成分抑制手段8の処理の例を示す図である。直流成分抑制手段8をアナログ回路にて構成したフローであり、(式11a)、(式11b)に従って負荷電流i(t)の直流成分IaD、IcDを求めるものである。直流成分抑制手段8は、直流電圧検出手段6で検出された2つの直流成分VabD,VcbDを増幅する増幅手段としての増幅器34a,34b、第1の加算手段としての加算回路37a、第2の加算手段としての加算回路37b、第1の判定手段としてのIaD極性判定回路39a及び第2の判定手段としてのIcD極性判定回路39bを有する。
本実施の形態では、第1の直流成分VabD、第2の直流成分VcbDは増幅器34a、34bに入力され、増幅される。配線ab間で検出された微小な直流成分VabDを増幅器34aで増幅し、ローパスフィルタ35aを通して高周波数成分を除去し、2倍器36aで2倍にして2VabDを得る。これに配線cb間で検出され、増幅器34bで増幅されてローパスフィルタ35bを通して高周波数成分を除去し、得られた直流成分VcbDを加算回路37aで加算して演算結果(2VabD+VcbD)を得る。その演算結果をフォトカプラ38aに入力し、入力部と絶縁されたフォトカプラ38aの出力信号によりIaD極性判定回路39aを動作させて負荷電流の直流成分IaDの極性を判定する。演算器40には予め補正量j(t)を設定しておき、負荷電流の直流成分IaDの極性が正のときは、負の補正量を出力し、IaDの極性が負のときは、正の補正量を出力し、第5の加算器22に入力する。他方、配線ab間で検出され、増幅器34aで増幅されてローパスフィルタ35aを通して得られた直流成分VabDと、配線cb間で検出され増幅器34bで増幅されてローパスフィルタ35bを通して2倍器36bで2倍して得られた直流成分2VcbDを加算回路37bで加算して演算結果(VabD+2VcbD)を得る。その演算結果についてもフォトカプラ38bを通してIcD極性判定回路39bにて負荷電流の直流成分IcDの極性を判定し、演算器40にて正又は負の補正量を第5の加算器22に入力する。
また、本実施の形態における電力変換装置において、直流成分抑制手段8は、直流電圧検出手段6で検出された2つの直流成分VabD,VcbDを増幅する増幅手段34a,34bと、第1の直流成分VabDの2倍と第2の直流成分VcbDとを加算する第1の加算手段37aと、第1の直流成分VabDと第2の直流成分VcbDの2倍とを加算する第2の加算手段37bと、第1の加算手段37aで加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第1の判定手段39aと、第2の加算手段37bで加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第2の判定手段39bとを有する。
このように、本実施の形態でも、アナログ回路による簡単な回路構成によって、第3の実施の形態と同様に、出力端子間電圧から直流成分を検出して目標電流を補正することにより直流成分を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
例えば、上記実施の形態では、電力変換装置の出力端子に負荷が直接接続される場合について説明したが、電力変換装置の出力端子に変圧器が存在する場合についても適用できる。出力端子間電圧として変圧器の1次側に印加される1次電圧v(t)を電圧検出手段により検出し、目標電流j(t)を直流成分抑制手段8で補正することにより、変換器から出力され、交流電力に含まれ、変圧器に流れる直流成分を抑制でき、変圧器の偏磁を防止できる。
また、上記実施の形態では、目標電流を発生させる目標電流生成手段は実施の形態で説明した構成に限定されず、多様な構成が可能である。例えば、上記実施の形態では第2の電流検出手段で検出された負荷電流を目標電流に反映させる例を示したが、第2の電流検出手段を省略することも可能である。また、フィルタ電流指令iCF、偏差補償指令D(t)を省略することも可能である。また、フィルタ回路は抵抗Rを除いてコンデンサCのみで構成しても良い。また、dq変換に代えてαβ変換を用いても良く、座標変換を行なわなくても良い。また、dq変換器24とローパスフィルタ25の順序を入れ替えても良く、直流成分抑制手段8における目標電流の補正をdq空間で行なうことも可能である。また、積分手段、乗算手段、その他の手段を個別の回路で構成しても良く、同一回路に集積し又は分割して構成しても良い。また、積分時間やゲイン値は種々変更可能である。
本発明は、直流電源から交流電力を生成する電力変換装置において、変換器から出力される交流電力に含まれる直流成分を抑制するのに利用される。
第1の実施の形態における単相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 第1の実施の形態における電力変換装置の直流成分抑制方法の処理フロー例を示す図である。 第2の実施の形態における三相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 第2の実施の形態における直流成分抑制手段の処理の例を示す図である 第2の実施の形態における目標電流に直流成分を加えた場合の実験結果を示す図である。 第2の実施の形態における過渡応答の実験結果の例を示す図である。 第3の実施の形態における単相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 第3の実施の形態における直流成分抑制手段の処理の例を示す図である。 第4の実施の形態における三相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 第4の実施の形態における直流成分抑制手段の処理の例を示す図である。 直流成分抑制対策をしていない単相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 直流成分抑制対策をしていない単相電力変換装置における電力変換の制御方法の処理フローを示す図である。 直流成分抑制対策をしていない三相電力変換装置の回路構成例を示す図である。 直流成分抑制対策をしていない三相電力変換装置の目標電流に直流成分を加えた場合の実験結果を示す図である。
符号の説明
1 直流電源
2 変換器
3 インダクタ
4 負荷
5 フィルタ回路
6 直流電圧検出手段
7 第2の電流検出手段
8 直流成分抑制手段
9 第2の増幅器
10 フィルタ電圧指令手段
11 フィルタ電流指令手段
12 PWM電流偏差補償手段
13 第1の増幅器
14 第3の増幅器
15 第2の加算器
16 第4の加算器
17 PWM制御手段
18 電圧検出手段
19 第1の電流検出手段
20 第1の加算器
21 第3の加算器
22 第5の加算器
23 第6の加算器
24 第1のdq変換器
25 ローパスフィルタ
26 第2のdq変換器
27 逆dq変換器
31a,31b 積分手段
32a,32b 乗算手段
33 補正量算出手段
34,34a,34b 増幅器
35,35a,35b ローパスフィルタ
36a,36b 2倍器
37a,37b 加算回路
38,38a,38b フォトカプラ
39 I極性判定回路
39a IaD極性判定回路
39b IcD極性判定回路
40 演算器
100 主回路
110 目標電流生成手段
120 信号変換手段
a,a1,a2,b,c 配線
,C コンデンサ
D(t) 偏差補償指令
直流電源の起電圧
目標電流の直流成分
(t) 出力電流
(t) 負荷電流
CF フィルタ電流指令
j(t) 目標電流
(t) 第1次目標電流
(t) 目標電流の補正量
インダクタンス
ゲインの逆数
,R 抵抗
s ラプラス演算子
t 時間
u,u1,u2,v,w 出力端子
v(t) 出力端子間電圧(フィルタ電圧)
(t) フィルタ電圧指令
出力端子間電圧の直流成分
α,β,γ 増幅度
Δ(t) 出力電流と目標電流の誤差

Claims (8)

  1. 直流電源から単相交流電力を生成して出力端子に接続される負荷に電力を供給する単相電力変換装置であって;
    前記直流電源からの直流電力を単相交流電力に変換する変換器と、
    前記変換器の交流側に接続されるインダクタと、
    前記インダクタを流れる出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力端子間に印加される出力端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記出力電流の目標値としての目標電流を生成する目標電流生成手段と、
    前記出力電流と前記目標電流との誤差に基いて、前記変換器をパルス幅変調制御する変換器制御手段とを備え;
    前記目標電流生成手段は、前記電圧検出手段で検出された出力端子間電圧の積分値を増幅して、前記目標電流を補正することにより、前記単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段を有する;
    単相電力変換装置。
  2. 前記出力端子間に接続され、前記単相交流電力に含まれるスイッチング周波数成分を除去するフィルタ回路を備え;
    前記電圧検出手段は、前記フィルタ回路に印加されるフィルタ電圧を前記出力端子間電圧として検出し、
    前記直流成分抑制手段は、前記フィルタ電圧の積分値を増幅して、前記目標電流を補正する;
    請求項1に記載の単相電力変換装置。
  3. 直流電源から単相交流電力を生成して出力端子に接続される負荷に電力を供給する単相電力変換装置であって;
    前記直流電源からの直流電力を単相交流電力に変換する変換器と、
    前記単相変換器の交流側に接続されるインダクタと、
    前記インダクタを流れる出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力端子間に印加される出力端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記出力電流の目標値としての目標電流を生成する目標電流生成手段と、
    前記出力電流と前記目標電流との誤差に基いて、前記変換器をパルス幅変調制御する変換器制御手段とを備え;
    前記電圧検出手段は、出力端子間にコンデンサと抵抗とを直列接続した回路から構成され、前記出力端子間に印加される直流電圧成分を検出する直流電圧検出手段を有し、
    前記目標電流生成手段は、前記直流電圧成分に基いて、前記目標電流を補正することにより、前記単相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段を有する;
    単相電力変換装置。
  4. 前記直流成分抑制手段は、前記直流電圧検出手段で検出された直流成分を増幅する増幅手段と、前記直流成分の電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する判定手段とを有する;
    請求項3に記載の単相電力変換装置。
  5. 直流電源から三相交流電力を生成して出力端子に接続される負荷に電力を供給する三相電力変換装置であって;
    前記直流電源からの直流電力を三相交流電力に変換する変換器と、
    前記変換器の交流側に接続されるインダクタと、
    前記インダクタを流れる出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力端子間に印加される出力端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記出力電流の目標値としての目標電流を生成する目標電流生成手段と、
    前記出力電流と前記目標電流との誤差に基いて、前記変換器をパルス幅変調制御する変換器制御手段とを備え;
    前記目標電流生成手段は、前記電圧検出手段で検出された出力端子間電圧の積分値を増幅して、前記目標電流を補正することにより、前記三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段を有する;
    三相電力変換装置。
  6. 前記出力端子間に接続され、前記三相交流電力に含まれるスイッチング周波数成分を除去するフィルタ回路を備え;
    前記電圧検出手段は、前記出力端子間電圧として前記フィルタ回路と各配線との接続点間に印加されるフィルタ電圧を検出し、
    前記直流成分抑制手段は、前記フィルタ電圧の積分値を増幅して、前記目標電流を補正する;
    請求項5に記載の三相電力変換装置。
  7. 直流電源から三相交流電力を生成して出力端子に接続される負荷に電力を供給する三相電力変換装置であって;
    前記直流電源からの直流電力を三相交流電力に変換する変換器と、
    前記変換器の交流側に接続されるインダクタと、
    前記インダクタを流れる出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記出力端子間に印加される出力端子間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記出力電流の目標値としての目標電流を生成する目標電流生成手段と、
    前記出力電流と前記目標電流との誤差に基いて、前記変換器をパルス幅変調制御する変換器制御手段とを備え;
    前記電圧検出手段は、出力端子間にコンデンサと抵抗とを直列接続した回路から構成され、前記出力端子間に印加される直流電圧成分を検出する直流電圧検出手段を有し、
    前記目標電流生成手段は、前記直流電圧成分に基いて、前記目標電流を補正することにより、前記三相交流電力に含まれる直流成分を抑制する直流成分抑制手段を有する;
    三相電力変換装置。
  8. 前記直流成分抑制手段は、前記直流電圧検出手段で検出された2つの直流成分を増幅する増幅手段と、第1の直流成分の2倍と第2の直流成分とを加算する第1の加算手段と、前記第1の直流成分と前記第2の直流成分の2倍とを加算する第2の加算手段と、前記第1の加算手段で加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第1の判定手段と、前記第2の加算手段で加算された電圧値の極性を判定し、判定結果に基いて符号を付して出力する第2の判定手段とを有する;
    請求項7に記載の三相電力変換装置。

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