JP2006253111A - 多孔質液体吸収保持部材及びアルコール吸収保持部材 - Google Patents

多孔質液体吸収保持部材及びアルコール吸収保持部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体に対して毛管現象による強い吸収力を持つと同時に、それ自身も液体を多量に保持出来る構造を有する多孔質液体吸収保持部材と、燃料電池の燃料となるアルコールの吸収保持部材を提供する。
【解決手段】 空孔の周囲に金属粉末が焼結した骨格を有する多孔質焼結体からなり、該骨格には親水化処理が施されている多孔質液体吸収保持部材である。親水化処理は、骨格にシリコン酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、アルミニウム酸化物のうちの1種または2種以上の物質を付与したものであることが好ましい。或いはさらに、骨格部には平均細孔径が200μm以下の細孔を有し、平均空孔径は3000μm以下であり、多孔質体全体の空隙率は60〜95体積%である。
そして、上述の多孔質液体吸収保持部材にアルコールを吸収し保持させる、アルコール吸収保持部材である。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルコールや水等の液体に対し吸収力を有し、さらにその液体を保持することが可能な多孔質液体吸収保持部材及びアルコール吸収保持部材に関する。
樹脂や天然素材製のスポンジや繊維基材等の多孔質体は、液体に接触させると表面張力に伴う毛管現象により、多孔質体内部に液体を吸収し保持することができる。しかし、スポンジや繊維基材等は、それ自体強度が無く、形状が保持できないため、強度を有し保水性を保つものとしては、素焼き品に代表される多孔質のセラミックスが通常使用されている。
多孔質体は、最近注目されている燃料電池の分野においては、直接メタノール型燃料電池(以下DMFCと略す)の燃料極(アノード)へのメタノール水溶液供給用部材として使用するという提案がなされている(特許文献1)。つまり多孔質体は、メタノール水溶液をタンクから毛管現象によって吸収し、燃料極表面上へメタノールを保持できるため好適である。
特開昭59−066066号公報
上述の通り、液体吸収保持部材として多孔質体は有用である。しかし、従来の多孔質体は、その体積に比べて、多孔質体自身に保持出来る液体量が少ないという問題がある。例えばDMFCの場合、多孔質体は燃料を絶えることなくアノードに供給しなければならないため、単に毛管現象により液体をアノードへ送るだけでなく、多孔質体自身も出来るだけ多量の燃料を保持できる必要があるところ、従来の多孔質体では十分とは言えない。また、モバイル用や車載用を想定した場合、多孔質体はある程度の振動や衝撃にも耐える必要があり、材質的には従来のセラミックスでは十分とは言えない。
本発明の目的は、液体に対して毛管現象による強い吸収力を持つと同時に、それ自身も液体を多量に保持出来る構造を有する多孔質液体吸収保持部材および、燃料電池の燃料となるアルコールの吸収保持部材を提供することである。
本発明者は、多孔質体を検討した結果、単純な焼結構造ではなく、空孔の周囲に金属粒が焼結した骨格を有する金属多孔質焼結体とし、さらに骨格の金属表面に親水化処理を施すことにより、上記の課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、空孔の周囲に金属粉末が焼結した骨格を有する多孔質焼結体からなり、該骨格には親水化処理が施されていることを特徴とする多孔質液体吸収保持部材である。親水化処理は、骨格にシリコン酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、アルミニウム酸化物のうちの1種または2種以上の物質を付与したものであることが好ましい。
或いはさらに、本発明の多孔質液体吸収保持部材は、骨格部が平均細孔径で200μm以下の細孔を有し、平均空孔径は3000μm以下であり、また、多孔質体全体の空隙率が60体積%以上、95体積%以下とすることが好ましい。そして、上述の多孔質液体吸収保持部材にアルコールを吸収し保持させる、アルコール吸収保持部材である。
本発明により、毛管現象による強い液体吸収力を持つと同時に、液体を多量に保持出来る構造を有する多孔質液体吸収保持部材と、燃料電池の燃料となるアルコールの吸収保持部材を提供が可能となった。
本発明の重要な特徴は、その基本構造には、空孔の周囲に金属粉末が焼結した骨格を有する焼結多孔質体を適用して、さらに骨格の金属表面には親水性に富んだ物質を被覆処理したことで、優れた液体の吸収保持作用を達成した点にある。すなわち、空孔の周りを金属粉末による焼結部が取り囲む構造をなすことで、液体を吸上げる骨格部とその液体を貯める空孔部から構成され、骨格表面は親水化処理により優れた濡れ性を有していることから、更なる液体の吸収保持性能の向上がされたものである。
詳しく説明すると、金属粉末が焼結した骨格を形成することで、まず骨格部の細孔による毛管現象にて液体が吸収される。そして、その吸収された液体は、骨格部の周りに存在する空孔内へとしみ出し、空孔に満たされていくことで液体の保持がなされる。この過程において、本発明の液体吸収保持部材の骨格には親水性に富んだ物質が付与されていることから、骨格表面の濡れ性が優れており、よって、上記過程の吸収・保持力が向上しているのである。この時、親水化処理に使用する付与物質の親水性を高くすると、或いはさらに、後述の通りの、空孔径も小さくすると、空孔自身の毛管現象も手伝って、液体の吸い上げ作用が向上する。また、用途によっては、空孔径を大きめに設定して連通させることにより、液体吸収後も空間を確保して、通気性を確保することも可能である。
本発明においては、モバイル用、車載用のDMFC燃料吸収保持部材も想定して、耐振動性、耐衝撃性の向上のため金属製の骨格とし、よって、原料に金属粉末を採用することとした。加えて、金属材料は、一般にそれ自身が持つ表面張力が大きいために液体の濡れ性が良く、本発明の親水化処理をも適用することで、更なる濡れ性の向上が可能であるから、液体の吸収保持材料として好適である。材質については、対応する液体ごとに、その影響を受け難いものを選択することは有効であり、また、金属の導電性を利用して集電板や電極としての機能を同時に持たせることも可能である。
本発明の、骨格に付与する親水性物質としては、特にそれを特定する必要はないが、各種の金属(半金属を含む)酸化物や、セルロース等の有機物が有効である。つまり、酸化物中の酸素は親水性であることから、濡れ性が向上することが考えられる。そして、セルロースであっても同様に親水性に優れ、液体にも溶け難いことから、耐薬品性に優れた有機物としての有効性が考えられる。
そして、金属(半金属)酸化物の場合だと、例えばチタニアに代表されるチタン酸化物や、クロミアに代表されるクロム酸化物、そしてシリカに代表されるシリコン酸化物等の親水性の高い物質を骨格部の金属表面に被覆する。アルミニウム酸化物(アルミナ)であってもよい。被覆手段としては、酸化処理、化成処理、化学蒸着(CVD)処理の他に、該当金属のアルコキシド等の溶液を使ってもよい。アルコキシドによる被覆処理の場合、被覆物質が骨格部の細孔を塞がない様、その粘性を低く調整することが重要である。
以下、本発明の好ましい構造について説明する。
(1)骨格部の細孔径は平均で200μm以下であることが好ましい。
これは、骨格部の毛管現象による十分な液体の吸上げ力を確保するためである。
(2)空孔径は平均で3000μm以下であることが好ましい。
空孔径があまり大きくなると、液体の吸収性および保持性が低下する傾向があるためである。これは、空孔に貯められた液体に作用する重力が、貯められた液体を引き上げようとする作用より優ってくるためと考えられる。空孔径は小さい方が、骨格部の細孔と同様に毛管現象が促進され、空孔内に液体を安定して保持でき、また吸収にも寄与するため有利と考えられる。
(3)多孔質体全体の空隙率は、体積率で60%以上、95%以下が好ましい。
これは、液体保持用の空孔を増やした方が、多孔質体内に保持できる液体量の増加に有利であるためである。また、空孔同士が骨格部によって隔てられ、孤立している場合、その骨格部は毛管力により液体の移動が速いことから、液体により先に満たされる。その結果、空孔が骨格部によって密閉されると、空孔内の空気が抜け難くなり、気孔(エントラップドエア)が生成して、液体が空孔に入り込むことを阻害する可能性がある。この阻害の解消には、空孔の連通性をある程度上げることで、空孔内に液体が入り込む時には、出来るだけ内部の空気を多孔質体の外部へ排気できるようにすることが有効である。以上より、多孔質全体の空隙率は60体積%以上とすることが好ましい。
しかし一方では、多孔質体自身の強度確保および十分な液体の吸収力を確保できるだけの、骨格部の十分な体積率も確保しておく必要があり、多孔質全体の空隙率は95体積%以下にすることが好ましい。
そして、本発明の多孔質液体吸収保持部材により好ましい形態としては、骨格を形成する焼結体は、平均粒径100μm以下の金属粉末の焼結骨格として、細孔径は平均で5〜100μm、空孔径は平均で100〜2000μmとし、多孔質体全体の空隙率は70〜90体積%とする。
本発明に適用する多孔質体の製造方法としては、例えば次の方法が適用できる。
まず金属粉末を準備する。金属粉末としては、接触する液体に対して腐食が進むような素材ではなく、ステンレスやチタンおよびチタン合金等が有効である。そして、その粒径としては、平均粒径200μm以下、さらには100μm以下が好ましい。
この金属粉末に樹脂粒、バインダを混合する。樹脂粒としては、空孔径を確保するために平均粒径100〜3000μmの樹脂粒が好ましい。バインダとしては、樹脂も用いることができるが、溶剤で樹脂粒を除去するという効果的な方法を適用する場合は、溶剤に解け合わない例えばメチルセルロースと水を主成分とするバインダを使用することが有効である。
次いで、上記の混練体より成形体を作製し、加熱脱脂、焼結する。ここで、上記のバインダに水を入れる場合は、成形後、乾燥工程を入れることが好ましく、樹脂粒を溶剤で除去する場合は、加熱脱脂の前に、溶剤抽出、乾燥の工程を付与することが好ましい。
そして、焼結により得られた多孔質体に対し、既述の親水化処理を施すことで、空孔の周囲に金属粉末が焼結した骨格には、親水性の物質が付与された、本発明の多孔質液体吸収保持部材を達成することが可能である。そして、これをアルコール吸収保持部材として使用できる。
(実施例1)
平均粒径60μmのSUS316L水アトマイズ粉末、市販のメチルセルロース、および樹脂粒として球状の平均粒径1000μmと180μmの2種類のパラフィンワックス粒を混合し、水、可塑剤を加えて混合・混練して、混練体を作製した。なお、樹脂粒の混合量としては、金属粉末と樹脂粒を合わせた体積を100%とした時の、平均粒径1000μmと180μmのパラフィンワックス粒がそれぞれ75%、12.5%であり、残りの12.5%が金属粉末となるように設定した。
上記の混練体を0.8MPaの荷重でプレス成形することにより板状に成形した後、この成形体を50℃で乾燥した。次に、この成形体中のパラフィンワックス粒を溶剤にて抽出し、70℃で乾燥を行なった。続いて、脱脂炉にて、窒素雰囲気中で40℃/hで昇温し、600℃で2h保持した。これにより、残留したパラフィンワックスおよびバインダの分解気散を行なった。そして、焼結炉にて、水素中で1170℃で2h保持して、成形体に焼結を行ない、厚さ3mmの多孔質体の円盤を得た。
得られた多孔質焼結体の断面ミクロ形態を、図1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真に示す。明色部が金属部分、暗色部は空孔および骨格部の細孔を形成する空隙である。そして、水銀圧入法により細孔径を測定したところ、骨格部の細孔径は平均で79.4μmであった。空孔は、骨格中に分散した様に見える小さなものと、そうではない大きなものの2種類が確認されるが、断面ミクロ写真より、その小さな空孔の径は平均150μm、大きな空孔の径は平均660μm、そして全体での平均径は510μmであった。また、多孔質体全体の空隙率は84.8%であった。
そして、この多孔質焼結体から縦105mm×横20mm×厚さ3mmの素材を切り出し、常圧プラズマCVD処理により骨格部にシリカコーティングを施して、試験片を製作した。図2は、CVD処理後の骨格部の金属表面を示すSEM像であり、コーティング材によって細孔が塞がっていないことがわかる。また、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)による分析の結果、骨格部の金属表層部にはCVD処理前に比べて高いシリコンと酸素が測定され、シリコン酸化物が薄く均一にコーティングされていることがわかった。
(実施例2)
(実施例1)と同じ要領で得た、縦105mm×横20mm×厚さ3mmの多孔質焼結体を洗浄後、ペルオキソチタン酸溶液を塗布して、大気中400℃で熱処理し、試験片を作製した。図3に骨格部の金属表面を示すSEM像を示すが、その表面には鱗片状の析出部が観察され、また細孔も塞がっていないこともわかる。この析出部のEDX分析結果を図4に示すが、チタンと酸素に富んでいることが測定され、金属表面には不均一ではあるがチタン酸化物が析出していることが確認された。
(実施例3)
(実施例1)と同じ要領で得た、縦105mm×横20mm×厚さ3mmの多孔質焼結体を洗浄後、60%濃硝酸による不動態処理により、骨格の金属表面にクロム酸化物皮膜を形成させた。図5に骨格部の金属表面のSEM像を示すが、細孔が塞がっていないことがわかる。なお、クロム酸化物であることについては、EDX分析の結果、骨格部の金属表層部に処理前に比べて高いクロムと酸素が測定され、クロム酸化物が薄く均一にコーティングされていることを確認済みである。
(実施例4)
SUS316水アトマイズ粉末に替えては、平均粒径52μmのFe−3(mass%)Cr−5(mass%)Al−0.5(mass%)Zrガスアトマイズ粉末を用いた以外は、(実施例1)に同じ要領に従って、混練体を作製した。なお、樹脂粒の混合量は、平均粒径1000μmと180μmのパラフィンワックス粒がそれぞれ80%、10%であり、残りの10%が金属粉末となるように設定した。そして、(実施例1)に同じ要領で、この混練体から厚さ5.5mmの多孔質体の円盤を得た。
得られた多孔質焼結体の断面ミクロ形態を、図6のSEM写真に示す。これは、図1に同様の形態を呈しているが、骨格部の細孔径は平均で83.1μmであった。確認のされる大小2種の空孔については、断面ミクロ写真より、その小さな空孔の径は平均120μm、大きな空孔の径は平均560μm、そして全体での平均径は290μmであった。多孔質体全体の空隙率は83.7%であった。
そして、この多孔質焼結体から縦80mm×横20mm×厚さ5.5mmの素材を切り出し、大気雰囲気中、1100℃で1時間の高温酸化処理により骨格部表面にアルミニウム酸化物を析出させる、コーティングを施し、試験片を製作した。図7は、高温酸化処理後の骨格部のSEM像であり、コーティング材によって細孔が塞がっていないことがわかる。また、図8は、その金属表面を表すSEM像であるが、EDXによる分析の結果、骨格部の金属表層部には酸化処理前に比べて高いアルミニウムと酸素が測定され、アルミニウム酸化物が表面をコーティングしていることがわかった。
(比較例1,2)
(実施例1)と同じ要領で得た、縦105mm×横20mm×厚さ3mmの多孔質焼結体および、(実施例4)と同じ要領で得た、縦80mm×横20mm×厚さ5.5mmの多孔質焼結体を、親水化処理せずに、そのままの状態の試験片とした。前者を(比較例1)、後者を(比較例2)とした。図9には(比較例1)の、そして図10には(比較例2)の骨格部の金属表面を示すSEM像を示す。
(評価)
以上の、本発明である(実施例1〜4)および(比較例1、2)の各試験片を、図11に示す通りの、ケース内で電子秤に吊るし、試験片の下端10mmを試験用液体に浸漬させて、浸漬時間に対する試験片の単位断面積当たりの液体の吸上げ量の変化を測定した。なお、試験用液体はDMFCで使用されるメタノール水溶液を仮定し、ここではメタノール濃度を10mass%とした。
最初に、(実施例1〜3)と(比較例1)について、その液体の吸上げ能力の比較を示す。なお、本評価試験の結果は、1つの試験片であっても、その表面の状態によって大きく変わることが考えられるため、何れの試験片も、その試験前にはエタノールで2分間超音波洗浄後、50℃で5時間乾燥させることにより、試験前の表面が同状態になる様に配慮した。(比較例1)については、上記の条件で洗浄・乾燥させた試験片に加えて、10分間洗浄後、50℃で5時間乾燥させたものも評価した。
(実施例1〜3)と(比較例1)の、浸漬時間に対する試験片断面積当たりの液体吸上げ量の変化を、図12のグラフに示す。多孔質焼結体の骨格を、親水化処理によって、それぞれの酸化物でコーティングした(実施例1〜3)は、焼結後に処理(親水化処理)を行なっていない、試験前には同条件の洗浄・乾燥を行なった(比較例1)に比べて吸収能力が高く、20分後(1200秒後)の吸上げ量は、それぞれ同(比較例1)に対して約4.6倍、4.1倍、3.5倍に向上していることがわかる。
なお(比較例1)のうちでは、その試験前に10分間のエタノール洗浄を行なった試験片については、本発明のクロム酸化物でコーティングした(実施例3)と同程度の吸上げ量を達成しており、吸収保持性能が向上している。しかし、試験後には、この試験片を乾燥後、1週間放置して、そのままの試験片状態で再度の同試験を行なうと、図12の、2分間のエタノール洗浄を適用した(比較例1)の結果に同程度まで、吸収保持性能が低下したことが確認され、効果が持続しない。これに対し、本発明の親水化処理を行なった(実施例1〜3)の試験片は、同様に1週間放置した場合でも、再度の試験にて吸上げ量が変化せず、吸上げ性能の経時変化がし難い、優れた吸収保持性能の持続されるものであることが確認された。
次に、(実施例4)と(比較例2)について、その液体の吸上げ能力の比較を示す。なお、この際においての、上記試験前の洗浄条件は、何れの試験片もエタノールで10分間超音波洗浄後、50℃で5時間乾燥させることにより、試験前の表面が同条件になるように配慮した。
浸漬時間に対する、試験片断面積当たりの液体吸上げ量の変化を、図13のグラフに示す。多孔質焼結体の骨格を、高温酸化処理(親水化処理)により、アルミニウム酸化物でコーティングした(実施例4)は、親水化処理を行なっていない、試験前には同条件の洗浄・乾燥を行なった(比較例2)に比べて吸収能力が高く、浸漬直後10秒後の吸上げ量は、(比較例2)に対して約1.4倍に向上していることがわかる。これは、上記(実施例1)の、(比較例1)10分洗浄試験片に対する向上倍率に相当する。
なお、(実施例1〜3)および(比較例1)による試験の結果に比べて、吸上げ量の飽和に達する時間が短く、飽和時の吸上げ量に大きな差が出ないのは、試験片の長さが80mmと短いためと考えられる。
本発明は、液体に対して毛管現象による強い吸収力をもつと同時に、多孔質体自身も液体を多量に保持出来る構造を有することから、燃料電池の燃料となるアルコールの吸収保持部材の他に、空気極側に生成する水分を吸収する部材、2次電池やキャパシタの電極基材への適用が期待できる。
本発明の、親水化処理前の多孔質液体吸収保持部材の、断面の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の分析結果の一例を示す図である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の、親水化処理前の多孔質液体吸収保持部材の、断面の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 比較例の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 比較例の多孔質液体吸収保持部材の、骨格部の一例を示す電子顕微鏡写真である。 実施例で用いた、液体吸収保持性能の評価試験の図である。 本発明および比較例の多孔質液体吸収保持部材の、液体吸収保持性能の評価結果を示したグラフ図である。 本発明および比較例の多孔質液体吸収保持部材の、液体吸収保持性能の評価結果を示したグラフ図である。

Claims (4)

  1. 空孔の周囲に金属粉末が焼結した骨格を有する多孔質焼結体からなり、該骨格には親水化処理が施されていることを特徴とする多孔質液体吸収保持部材。
  2. 親水化処理は、骨格にシリコン酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、アルミニウム酸化物のうちの1種または2種以上の物質を付与したものであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質液体吸収保持部材。
  3. 骨格部は、平均細孔径が200μm以下の細孔を有し、平均空孔径は3000μm以下であり、また、多孔質体全体の空隙率が60体積%以上、95体積%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質液体吸収保持部材。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の多孔質液体吸収保持部材にアルコールを吸収し保持させることを特徴とするアルコール吸収保持部材。
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