JP2006100155A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排水性に優れ、高いガス拡散性を有するガス拡散層を備えた燃料電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする燃料電池。
【選択図】 なし
【解決手段】 電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする燃料電池。
【選択図】 なし
Description
本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示すものである。燃料電池は、通常、電解質膜を燃料極及び酸化剤極で挟持した基本構造を有する単セルを複数積層して構成されており、中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池では、燃料極に水素を発生する又は水素を含む燃料、酸化剤極に酸素を含む酸化剤を供給することにより、以下の電気化学反応により発電する。
燃料極:H2→2H++2e−(1)
酸化剤極:1/2O2+2H++2e−→H2O(2)
酸化剤極:1/2O2+2H++2e−→H2O(2)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、酸化剤極に到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、固体高分子電解質膜内を燃料極側から酸化剤極側に移動する。
燃料又は酸化剤がガス状態で供給される燃料極及び酸化剤極は、通常、固体高分子電解質膜側から順に、触媒層、ガス拡散層が積層した構造を有する。ガス拡散層は、供給された燃料又は酸化剤を拡散させ、上記電気化学反応の場となる触媒層に隈なく供給することを目的として設けられるものであり、多孔質構造を有する。この多孔質構造の空隙率が高く保持されていない状態では、ガスの拡散が妨げられてしまい、燃料電池の発電性能の低下を招くこととなるため、ガス拡散層の空隙率を高く保つ必要がある。
しかしながら、ガス拡散層の細孔は、燃料や酸化剤中に含まれる水蒸気又は液体状態の加湿用水分の余剰分や、酸化剤極での生成水、プロトンと共に移動した水分等の余剰水によって閉塞しやすいため、たとえ、空隙率が高くてもフラッディングを起こして排水性が低下してしまう場合がある。従って、ガス拡散層は、余剰水をガス拡散層内の細孔に滞らせることなく、電極外へと排出することができる排水性を有していることが重要である。
さらに、固体高分子電解質膜や触媒層は、通常、ある程度高い湿潤状態に保持する必要があるため、これらを挟持するガス拡散層は、余剰の水分を排出する排水性と共に、固体高分子電解質膜や触媒層の湿潤状態を保持できるような保水性も要求される。
さらに、固体高分子電解質膜や触媒層は、通常、ある程度高い湿潤状態に保持する必要があるため、これらを挟持するガス拡散層は、余剰の水分を排出する排水性と共に、固体高分子電解質膜や触媒層の湿潤状態を保持できるような保水性も要求される。
ガス拡散層の排水性を向上させる方法として、例えば、接ガス表面に光触媒性親水性層を設けたガス拡散層(特許文献1)、撥水処理を施した発泡金属からなるガス拡散層(特許文献2)、発泡金属体の発泡空孔を画成する骨格の表面に吸水層を設けたガス拡散層(特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、吸水層に吸水される水分量が少ない上、吸水層に吸収された水分はガス拡散層外に排出されにくい。
一方、特許文献1の方法において、光触媒による親水性は、紫外線や可視光線を照射する必要があり、親水性が低下した際に、燃料電池に組み込まれたガス拡散層内の光触媒に紫外線を再照射するには大変な手間がかかってしまう。また、特許文献2に記載の方法では、フッ素系樹脂溶液を付着させることにより発泡金属に撥水性を付与しているが、発泡金属−フッ素系樹脂間は化学的に結合していないため、結合力が低く、発泡金属からフッ素系樹脂が剥離してしまう場合がある。そのため、特許文献2のガス拡散層は、排水性を長期間にわたって保持することが難しい。
一方、特許文献1の方法において、光触媒による親水性は、紫外線や可視光線を照射する必要があり、親水性が低下した際に、燃料電池に組み込まれたガス拡散層内の光触媒に紫外線を再照射するには大変な手間がかかってしまう。また、特許文献2に記載の方法では、フッ素系樹脂溶液を付着させることにより発泡金属に撥水性を付与しているが、発泡金属−フッ素系樹脂間は化学的に結合していないため、結合力が低く、発泡金属からフッ素系樹脂が剥離してしまう場合がある。そのため、特許文献2のガス拡散層は、排水性を長期間にわたって保持することが難しい。
以上のように、従来の方法では、ガス拡散層の排水性を充分に向上させることが難しく、また、ある程度の排水性を付与することができても、その排水性を長続きさせることが困難であった。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、排水性に優れ、高いガス拡散性を有するガス拡散層を備えた燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の燃料電池は、電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の第二の燃料電池は、電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面をプラズマCVD処理してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、ガス拡散層の細孔内面を含む表面が超親水性を有しているため、触媒層側からガス拡散層の細孔内に移動してきた触媒層内の余剰の水分は、細孔内を超親水性を有する細孔内面に沿ってガス流路側へと迅速に移動する。従って、本発明の燃料電池は排水性に優れている。
さらに、このような作用によりガス拡散層内の細孔は余剰水によって閉塞されにくく、また、ガス拡散層の細孔内面において水滴等の水分は薄膜状に広がった状態で存在するため、細孔内を通る反応ガスの移動が阻害されず、ガス拡散性にも優れる。
しかも、ガス拡散層が有する排水性は半永久的に持続するものであるため、本発明により提供される燃料電池は、長期間の運転後においても、排出されるべき水分がガス拡散層内に滞留することによるガス拡散性の低下が生じにくく、安定した発電性能を発現することが可能である。
さらに、このような作用によりガス拡散層内の細孔は余剰水によって閉塞されにくく、また、ガス拡散層の細孔内面において水滴等の水分は薄膜状に広がった状態で存在するため、細孔内を通る反応ガスの移動が阻害されず、ガス拡散性にも優れる。
しかも、ガス拡散層が有する排水性は半永久的に持続するものであるため、本発明により提供される燃料電池は、長期間の運転後においても、排出されるべき水分がガス拡散層内に滞留することによるガス拡散性の低下が生じにくく、安定した発電性能を発現することが可能である。
上記第一の燃料電池において、前記微細凹凸は、水との接触角が90°未満の物質により形成される細孔内面に超親水性を付与することができるものであれば、そのサイズは限定されないが、通常ナノオーダーとする。
また、前記超親水層の多孔質母材は、水接触角が90°未満の物質との結合力の観点から、親水性材料で形成されていることが好ましい。親水性材料として、具体的には金属が挙げられる。
また、前記超親水層の多孔質母材は、水接触角が90°未満の物質との結合力の観点から、親水性材料で形成されていることが好ましい。親水性材料として、具体的には金属が挙げられる。
本発明の燃料電池は、触媒層側からガス拡散層内に移動してきた余剰水を、スムーズに排出することができる優れた排水性を有するものである。従って、ガスの拡散性が高く、反応ガスを触媒層に隈なく供給することが可能であり、燃料電池の発電性能を向上させることができる。しかも、ガス拡散層が有する排水性は長期間保持されるものであるから、本発明の燃料電池は、長時間運転後も安定した発電性能を発現するものである。
本発明により提供される第一の燃料電池は、電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする。
また、本発明により提供される第二の燃料電池は、電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面をプラズマCVD処理してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする。
図1を用いて、本発明を適用した固体高分子型燃料電池の構成例について説明する。図1において、プロトン伝導性固体高分子電解質膜1の一面側に燃料極の触媒層2a、もう一面側に酸化剤極の触媒層2bが設けられている。さらに触媒層2a、2bの外面には、超親水層4a、4bからなるガス拡散層5a、5bが形成されている。この例では、電極6(燃料極6a、酸化剤極6b)は触媒層2及びガス拡散層5から構成されている。通常、電解質膜1とその両面に形成された一対の電極6から構成される膜−電極接合体の各電極に反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を供給し、且つ電気化学反応により生成する水分や余剰のガスを排出するため、各電極の外側にはガス流路7を画成するセパレータ8が設けられている。
図1において、ガス拡散層5は超親水層4からなるものであるが、図2のように、触媒層2側から順に、カーボン層3、超親水層4を含むような積層構造であってもよい。
図1において、ガス拡散層5は超親水層4からなるものであるが、図2のように、触媒層2側から順に、カーボン層3、超親水層4を含むような積層構造であってもよい。
尚、ここでは、固体高分子型燃料電池の構成例について説明するが、本発明の燃料電池は固体高分子型燃料電池に限定されるものではない。また、メタノール溶液等の液体燃料、空気等のガス状の酸化剤を用いる直接メタノール型燃料電池のように、電極に供給される燃料又は酸化剤のどちらかがガス状である燃料電池あれば、本発明を適用することが可能である。
本発明の燃料電池は、ガス拡散層5に超親水層4を備えることを特徴とし、超親水層4は、図3に示すように、多孔質母材9の細孔を画成する骨格の表面に超親水性細孔内面10を有するものである。ここで、超親水性とは、水接触角が15°以下であることをいう。
超親水層4が有する超親水性細孔内面10は超親水性、すなわち、格段に高い親水性を有し、水分との馴染みが極めて良好であるため、超親水性細孔内面上において水滴等の水分は薄膜状に広がった状態で存在することとなる。このように薄膜状に広がった状態の水分は、細孔内を通る反応ガスの移動を妨げにくい。
また、触媒層2側から超親水層4の細孔内に移動してきた触媒層2内の余剰の水分は、乾いた超親水性細孔内面を求めて細孔内を超親水性細孔内面に沿って迅速に移動し、ガス流路側へと排出されることとなる。そのため、超親水層4の細孔は凝縮した余剰水によって閉塞されにくく、生成水が生じる電極(図1においては、酸化剤極6b)や高電流密度域等、特に高い排水性が要求される領域においても、超親水層の目詰まりを防止することができる。
このように、本発明のガス拡散層は、余剰水によるガス拡散性の低下が生じにくく、ガス拡散性に優れるものである。
また、触媒層2側から超親水層4の細孔内に移動してきた触媒層2内の余剰の水分は、乾いた超親水性細孔内面を求めて細孔内を超親水性細孔内面に沿って迅速に移動し、ガス流路側へと排出されることとなる。そのため、超親水層4の細孔は凝縮した余剰水によって閉塞されにくく、生成水が生じる電極(図1においては、酸化剤極6b)や高電流密度域等、特に高い排水性が要求される領域においても、超親水層の目詰まりを防止することができる。
このように、本発明のガス拡散層は、余剰水によるガス拡散性の低下が生じにくく、ガス拡散性に優れるものである。
しかも、本発明においては超親水性細孔内面の親水性は、微細な表面凹凸の形成又はプラズマ処理によって付与されたものであり、半永久的に保持されることから、超親水層によりガス拡散層に付与される排水性も半永久的に持続するものである。従って、本発明により提供される燃料電池は、長期間の運転後においても、排出されるべき水分がガス拡散層内に滞留することによるガス拡散性の低下が生じにくく、安定した発電性能を発現することが可能である。
以上のように、本発明の燃料電池は、触媒層内の余剰の水分を速やかに排出することができる優れた排水性を有し、且つ排水性が長期間に亘って保持されるものである。従って、優れた電池特性を示すことができる。
以上のように、本発明の燃料電池は、触媒層内の余剰の水分を速やかに排出することができる優れた排水性を有し、且つ排水性が長期間に亘って保持されるものである。従って、優れた電池特性を示すことができる。
以下、本発明の第一の燃料電池について説明していく。第一の燃料電池において、超親水層4は、多孔質母材9からなる層の細孔内面を、水との接触角(水接触角)が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面10を有するものである。
超親水層4の多孔質母材9は、ガスの拡散に必要な細孔(空隙)、導電性、及びガス拡散層を構成する材料として要求される強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素質多孔質体や、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ニッケル−クロム合金、銅及びその合金、銀、アルミ合金、亜鉛合金、鉛合金、チタン、ニオブ、タンタル、鉄、ステンレス、金、白金等の金属から構成される金属メッシュ又は金属多孔質体等の導電性多孔質体を用いることができる。
多孔質母材9からなる層の細孔内面を形成する、水接触角が90°未満の物質との結合力の観点から、多孔質母材9は親水性を有することが好ましい。多孔質母材9と接触角が90°未満の物質との結合を強くすることで、ガス拡散層の排水性をより長い期間に亘って保持することが可能である。親水性を有する多孔質母材を用いることは、水接触角が90°未満の物質により形成される細孔内面に均一な微細凹凸を付することができるという利点もある。多孔質母材の親水性の目安としては、水接触角が120°未満であることが好ましい。多孔質母材の水接触角は、多孔質母材と同じ材料を用いて形成された平滑な表面を持つ試験体表面の水接触角と考えることができ、接触角計により測定することができる。尚、水の接触角は試験体に純水2μlを滴下してから1秒後の値とする。
親水性を有する多孔質母材としては、例えば、金属から構成されるものが挙げられ、中でも、耐蝕性に優れ、導電性もある点から、チタン、金、白金が好ましい。金属製の多孔質母材は、剛性が高く、また、細孔の径を大きくしても高い強度を保持することができるという利点を有している。細孔の径が大きな多孔質母材を用いることによって、ガス拡散性を向上させることができる。
金属製の多孔質母材を用いる場合には、細孔を画成する骨格の表面に耐蝕性等を付与するコーティング層が設けられていてもよい。この場合、上述したような観点から、親水性を有する材料を用いてコーティング層が形成されていることが好ましい。
また、親水性を有する多孔質母材としては、細孔を画成する骨格の表面に親水性材料を被覆した、親水性を有していない材料からなる多孔質体を用いることも可能である。このような多孔質体を多孔質母材として用いる場合には、当該親水性材料の水接触角を多孔質母材の水接触角と考える。
また、親水性を有する多孔質母材としては、細孔を画成する骨格の表面に親水性材料を被覆した、親水性を有していない材料からなる多孔質体を用いることも可能である。このような多孔質体を多孔質母材として用いる場合には、当該親水性材料の水接触角を多孔質母材の水接触角と考える。
多孔質母材9の細孔の孔径は、10μm〜1mm程度、特に20μm〜800μm程度であることが好ましい。孔径が10μm未満であると、反応ガスの通気抵抗及び水分の通流抵抗が大きくなるので、ガス拡散性及び排水性が低下し、反応ガスの供給が不十分となってしまう場合がある。一方、孔径が1mmより大きいと、多孔質母材4により挟持される層(触媒層2やカーボン層3など)又は多孔質母材を挟持する層(セパレータ8など)に、局所的に大きな圧力がかかり、これらの層を破損させてしまうおそれがある。多孔質母材9の厚みは、通常、10〜600μm程度であることが好ましい。また、多孔質母材の空隙率は、50〜99%の範囲であることが好ましい。
上記のような多孔質母材9の細孔を画成する骨格の表面には、水との接触角が90°未満の物質、すなわち、親水性物質で形成され、且つ、微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面10が設けられている。親水性を有する物質表面に微細な凹凸を形成することによって、親水性を高められることが知られており、本発明はこの技術に着目して、多孔質母材の細孔内面に非常に高い親水性を付与するものである。
超親水性細孔内面10の微細凹凸は、水接触角が90°未満の物質により形成される細孔内面に超親水性を付与することができるものであれば、そのサイズは限定されないが、通常ナノオーダーである。微細凹凸のサイズには、凹凸の高さとピッチ(凹凸の一周期間隔の長さ)の2要素があるが、特に、微細凹凸の高さがナノオーダーであることが好ましい。ナノオーダーとは、1〜999nmの範囲のことであり、特に5〜200nmの範囲が特に好ましく、さらに10〜50nmの範囲が好ましい。微細凹凸の具体的な形状は、所望の親水性を付与することができるものであれば、特に限定されない。
超親水層4は、十分な排水性を得る観点からは、導電性等、ガス拡散層に要求されるその他の特性を確保できる範囲内で、多孔質母材の細孔を画成する骨格の表面全体に超親水性細孔内面が設けられていることが好ましいが、多孔質母材9の細孔を画成する骨格の表面の一部のみに超親水性細孔内面10が設けられているものであってもよい。例えば、水との接触角が90°未満の物質として導電性が低いものを用いる場合には、特に高い排水性が要求される高電流密度域等にのみ、超親水性細孔内面を設けてもよい。
超親水性細孔内面を形成する水接触角が90°未満の物質としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられる。中でも、特に親水性が高いことから、酸化チタン及び酸化ケイ素が好ましい。超親水性細孔内面は、1種類又は複数の水接触角が90°未満の物質からなるものであってもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で水接触角が90°未満の物質とその他の物質とからなるものであってもよい。これら物質の水接触角は、当該物質をプレス成形した試験体の水接触角と考えることができる。尚、前述した多孔質母材そのものが、水接触角が90°未満の物質からなるものであってもよい。
多孔質母材の細孔を画成する骨格の表面(以下、単に多孔質母材の表面ということがある)に超親水性細孔内面を形成する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、化学気相成長法(CVD法)、スパッタリング法等が考えられるが、通常、CVD法が好ましい。CVD法には、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等があるが、低温で被膜を形成することが可能であること、化学反応を用いるため多孔質母材との密着性が良いこと、条件の制御により微細凹凸の形状を変化させることが可能なこと等の観点から、プラズマCVD法が好ましい。
プラズマCVD法によって超親水性細孔内面を形成する方法は、多孔質母材の表面に、上記のような微細凹凸を形成し、超親水性を付与することができればよく、特に限定されない。プラズマCVD法によって、多孔質母材のように複雑な形状を有する表面上に形成される微細凹凸と、平板のような平滑な表面上に形成される微細凹凸の形状は、ほぼ同等であると推測されることから、多孔質母材と同じ材料からなる平板表面に、多孔質母材の表面に形成したい微細凹凸を形成できる条件によって、多孔質母材の細孔内面を含む表面に所望の微細凹凸を形成することができると考えられる。
プラズマCVD法について、電源周波数は特に限定しない。プラズマ密度の増加、ひいては処理速度増加のために磁場を印加してもよい。また、用いるガスの組成、ガス流量、プラズマCVD工程における圧力や温度等も特に限定されない。
プラズマCVD法によって、主として酸化ケイ素からなる超親水性細孔内面を形成する場合、酸化ケイ素の原料としては、例えば、シラン、ジシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、テトラメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン等のSi系化合物を用いることが可能である。
プラズマCVD法によって、主として酸化チタンからなる超親水性細孔内面を形成する場合、酸化チタンの原料としては、チタンテトライソプロポキシド(TTIP)、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラsec−ブトキシド、四塩化チタン等を用いることができる。
このようにして得られる超親水性細孔内面の親水性は、多孔質母材と同じ材料からなる平板の表面に、超親水性細孔内面と同様の条件にて超親水性を付与し、当該超親水性が付与された表面の水接触角を測定することにより求められる。超親水性細孔内面の水接触角は、15°以下であればよく、好ましくは10°以下、特に好ましくは0°である。
次に、本発明の第二の燃料電池について説明する。第二の燃料電池は、超親水層4の超親水性細孔内面10が、水との接触角が90°未満の物質で形成され且つプラズマCVD処理されてなることを特徴とするものである。
第二の燃料電池において、超親水性細孔内面を形成するためのプラズマCVD処理は、多孔質母材の表面に、水との接触角が90°未満の物質により形成され、超親水性を有する超親水性細孔内面10を設けることができるものであれば、その具体的な方法は特に限定されない。第一の燃料電池の説明において記載したような条件でもよい。
第二の燃料電池により得られる効果、多孔質母材や水との接触角が90°未満の物質等に関しては、第一の燃料電池と同様である。
第二の燃料電池において、超親水性細孔内面を形成するためのプラズマCVD処理は、多孔質母材の表面に、水との接触角が90°未満の物質により形成され、超親水性を有する超親水性細孔内面10を設けることができるものであれば、その具体的な方法は特に限定されない。第一の燃料電池の説明において記載したような条件でもよい。
第二の燃料電池により得られる効果、多孔質母材や水との接触角が90°未満の物質等に関しては、第一の燃料電池と同様である。
超親水層4を備えるガス拡散層5は、触媒層2と面する側にカーボン層3を設けることができる。カーボン層3は、通常、炭素粒子や炭素繊維等の導電性粉粒体、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性樹脂等を含む多孔質構造を有するものである。カーボン層3は、必ずしも必要なものではないが、触媒層2と超親水層4との間にカーボン層3を設けることによって、触媒層2及び電解質膜1内の水分量を適度に保持しつつ、ガス拡散層5の排水性を高めることができる上に、触媒層2とガス拡散層5間の電気的接触を改善することができるという利点がある。
カーボン層3を超親水層4上に形成する方法は特に限定されない。例えば、炭素粒子等の導電性粉粒体と撥水性樹脂、及び必要に応じてその他の成分を、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール等の有機溶剤、水又はこれらの混合物等の溶剤と混合したカーボン層ペーストを、超親水層4の少なくとも触媒層2に面する側に塗布し、その後、乾燥及び/又は焼成すればよい。このときカーボン層ペーストは、超親水層4の内部に含浸してもよい。また、カーボン層の形状は特に限定されず、例えば、超親水層の触媒層側の面全体を覆うような形状でもよいし、格子状等の所定パターンを有する形状でもよい。カーボン層ペーストを超親水層に塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スプレー法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等が挙げられる。カーボン層の厚み(超親水層内部に含浸した部分を除く、超親水層表面からの厚み)は、通常、5〜30μm程度とすることが好ましい。
上記のようにして得られた、超親水層4及びカーボン層3からなるガス拡散層シートは、カーボン層3と触媒層2が面するように重ね合わせた状態で、触媒層2が形成された固体高分子電解質膜1とホットプレス等により接合されて膜−電極接合体を形成する。また、ガス拡散層シートのカーボン層3表面に、触媒層2を形成し、ガス拡散層5と電解質膜1で触媒層2を挟みこむような状態で、ガス拡散層シートと電解質膜をホットプレス等により接合してもよい。
触媒層2には、通常、イオン伝導性材料、触媒材料が含有される。触媒材料としては、触媒成分を炭素質粒子、炭素質繊維のような炭素材料等の導電性材料に担持させた触媒粒が好適に用いられる。触媒成分としては、燃料極における水素の酸化反応、酸化剤極における酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金、又は、ルテニウム、鉄、ニッケル、マンガン等の金属と白金との合金等が挙げられる。
イオン伝導性材料としては、電解質膜として用いられる材料の中から、適宜選択することができ、具体的には、パーフルオロスルホン酸ポリマーに代表されるフッ素系ポリマーやスルホン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基等のイオン伝導性基を側鎖に有する炭化水素系ポリマー等の固体高分子電解質が挙げられる。
イオン伝導性材料としては、電解質膜として用いられる材料の中から、適宜選択することができ、具体的には、パーフルオロスルホン酸ポリマーに代表されるフッ素系ポリマーやスルホン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基等のイオン伝導性基を側鎖に有する炭化水素系ポリマー等の固体高分子電解質が挙げられる。
触媒層ペーストは、上記イオン伝導性材料及び触媒材料、さらに必要に応じて撥水性高分子や結着剤等その他の材料を溶媒に混合・分散させることにより得られる。溶媒としては、エタノール、メタノール、プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール類と水の混合物等を用いることができるが、これらに限定されない。また、触媒層ペースト中の各成分の濃度は、特に限定されない。
電解質膜1又はガス拡散層5上に触媒層2を形成する方法は、一般的に行われている方法でよく、例えば、電解質膜1表面或いはガス拡散層5のカーボン層3上に、触媒層ペーストを直接塗布・乾燥することによって形成してもよいし、或いは、触媒層ペーストをポリテトラフルオロエチレン等の基材上に塗布・乾燥して形成した触媒層用シートを電解質膜1又はガス拡散層5のカーボン層3側に転写することもできる。触媒層の膜厚は、特に限定されないが、5〜50μm程度とすればよい。
電解質膜としては特に限定されず、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーに代表されるフッ素系ポリマーやスルホン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基等のイオン伝導性基を側鎖に有する炭化水素系ポリマー等の固体高分子電解質膜が挙げられる。電解質膜の膜厚は、特に限定されず、15〜60μm程度とすればよい。
上記のようにして得られた膜−電極接合体は、一般的な方法によりセパレータで挟持することによって燃料電池セルとし、燃料電池セルを複数積層することによって燃料電池が得られる。
(実施例1)
<燃料電池セルの作製>
チタンの焼結体からなる金属製多孔質母材(厚み500μm)の細孔を画成する骨格の表面に、プラズマCVD法によってSiO2よりなる超親水性細孔内面を形成し、超親水層シートを作製した。ここで、プラズマCVDは、上記金属製多孔質母材を構成するチタンを用いて作製したフラットピース上に高さ10〜50nmの凹凸を形成することができる条件で行った。
<燃料電池セルの作製>
チタンの焼結体からなる金属製多孔質母材(厚み500μm)の細孔を画成する骨格の表面に、プラズマCVD法によってSiO2よりなる超親水性細孔内面を形成し、超親水層シートを作製した。ここで、プラズマCVDは、上記金属製多孔質母材を構成するチタンを用いて作製したフラットピース上に高さ10〜50nmの凹凸を形成することができる条件で行った。
次に、カーボンブラック4g、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン溶液11g、水60ml、プロピレングリコール60mlを混合してカーボン層ペーストを調製した。得られたカーボン層ペーストを、超親水層シートに、スクリーン印刷により塗布し、カーボン層を形成した。続いて、乾燥(25℃、120分)、焼成(350℃、10分)し、ガス拡散層シートを得た。
次に、白金を重量比で45%担持したカーボン粒子0.5gと、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液(商品名ナフィオン、DuPont製)0.15gと、プロピレングリコール5mlと、水3mlとを混合、超音波ホモジナイザー及び攪拌機により分散させて、触媒ペーストを調製した。続いて、パーフルオロスルホン酸樹脂膜(膜厚50μm、商品名ナフィオン、DuPont製)の両面に、得られた触媒ペーストをスクリーン印刷により塗布して触媒層を形成し、触媒層−電解質膜−触媒層接合体を得た。この時、白金量を0.3mg/cm2とした。
得られた触媒層−電解質膜−触媒層接合体の両面の触媒層上に、上記にて得られたガス拡散層シートをホットプレス(130℃、3MPa)により接合した。さらに、ガス拡散層の外側にセパレータを設け、燃料電池用セルを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の多孔質母材を、ポリテトラフルオロエチレン分散液に浸漬させた後、焼成(320℃、30分)し、撥水処理を施した。この撥水処理を施した多孔質母材に、実施例1と同様にしてカーボン層を設け、ガス拡散層シートを得た。得られたガス拡散層シートを用いて、実施例1と同様に燃料電池セルを作製した。
実施例1と同様の多孔質母材を、ポリテトラフルオロエチレン分散液に浸漬させた後、焼成(320℃、30分)し、撥水処理を施した。この撥水処理を施した多孔質母材に、実施例1と同様にしてカーボン層を設け、ガス拡散層シートを得た。得られたガス拡散層シートを用いて、実施例1と同様に燃料電池セルを作製した。
(比較例2)
実施例1と同様の多孔質母材に、実施例1と同様にしてカーボン層を設け、ガス拡散層シートとした。このガス拡散層シートを用いて、実施例1と同様に燃料電池セルを作製した。
実施例1と同様の多孔質母材に、実施例1と同様にしてカーボン層を設け、ガス拡散層シートとした。このガス拡散層シートを用いて、実施例1と同様に燃料電池セルを作製した。
[発電性能評価]
得られた実施例、比較例1及び2の燃料電池セルを用いて、以下の条件の下、I−V性能試験を行った。負荷電流1.5A/cm2におけるセル電圧(V)(初期評価)、及び、0.1A/cm2の電流を5000時間負荷した後の、負荷電流1.5A/cm2におけるセル電圧(V)(長時間運転後評価)を表1に示す。
得られた実施例、比較例1及び2の燃料電池セルを用いて、以下の条件の下、I−V性能試験を行った。負荷電流1.5A/cm2におけるセル電圧(V)(初期評価)、及び、0.1A/cm2の電流を5000時間負荷した後の、負荷電流1.5A/cm2におけるセル電圧(V)(長時間運転後評価)を表1に示す。
<試験条件>
セル温度:80℃
湿度:100%
燃料(水素ガス):500mL/min
酸化剤(空気):1000mL/min
セル温度:80℃
湿度:100%
燃料(水素ガス):500mL/min
酸化剤(空気):1000mL/min
表1に示したように、比較例1及び2と比較して、多孔質母材の細孔内面に超親水性が付与された本発明の燃料電池は、初期評価において高い発電性能を発現した。さらに、長時間運転後評価においても、高い発電性能を発現し、安定した発電性能を有していることを示した。
一方、比較例1は、初期評価において、実施例にはやや劣るものの、高い発電性能を発現した。しかし、長時間運転後評価においては、発電性能が大きく減少し、発電性能の安定性に欠けるものであった。
また、比較例2は、初期評価及び長時間運転後評価ともに、実施例と比較して発電性能が劣るものであった。
一方、比較例1は、初期評価において、実施例にはやや劣るものの、高い発電性能を発現した。しかし、長時間運転後評価においては、発電性能が大きく減少し、発電性能の安定性に欠けるものであった。
また、比較例2は、初期評価及び長時間運転後評価ともに、実施例と比較して発電性能が劣るものであった。
1…プロトン伝導性固体高分子電解質膜
2…触媒層
3…カーボン層
4…超親水層
5…ガス拡散層
6…電極
7…ガス流路
8…セパレータ
9…多孔質母材
10…超親水性細孔内面
2…触媒層
3…カーボン層
4…超親水層
5…ガス拡散層
6…電極
7…ガス流路
8…セパレータ
9…多孔質母材
10…超親水性細孔内面
Claims (5)
- 電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、
前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面に微細凹凸を付してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする燃料電池。 - 前記微細凹凸のサイズがナノオーダーである請求項1に記載の燃料電池。
- 電解質膜と、当該電解質膜の両面に一対の電極とを備え、前記電極のうち少なくとも1つが、前記電解質膜側から順に触媒層とガス拡散層とを有する燃料電池であって、
前記ガス拡散層は、多孔質母材からなる層の細孔内面を水との接触角が90°未満の物質で形成し且つ当該細孔内面をプラズマCVD処理してなる超親水性細孔内面を有する超親水層を備えることを特徴とする燃料電池。 - 前記超親水層の多孔質母材が親水性材料で形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記親水性材料が金属である、請求項4に記載の燃料電池。
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