JP2006252836A - 固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】 気孔の三次元構造の制御が容易な固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板部及び造孔部で構成され、且つ該基板部及び該造孔部が炭素材料又は有機化合物で形成されている鋳型に、電極形成用スラリーを塗布し、次いで、該電極形成用スラリーが塗布されている鋳型を焼成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔質構造を有する固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法に関し、より具体的には、気孔の位置、形状等の気孔の三次元構造を制御することができる固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法に関する。
固体酸化物形燃料電池のセルは、電解質を燃料極及び空気極で挟み込むようにして構成され、該電解質、該燃料極及び該空気極ともに金属酸化物又は金属で構成されており、全て固体である。
該固体酸化物形燃料電池において、電池反応は、ガス、イオン、電子のいずれもが反応可能な三相界面で起こる。そのため、該三相界面に、酸素ガス又は水素ガスが到達できるように、従来より、固体酸化物形燃料電池用電極には、多孔質構造を有するものが用いられてきた。具体的には、電解質物質、及び燃料極物質又は空気極物質を含有する電極形成用スラリーに、造孔剤を混合し、該電極形成用スラリーを用いて製膜し、焼成することにより、多孔質構造を有する電極が製造されてきた。この場合、該造孔剤が焼失した跡が、該電極の気孔となる。
あるいは、母粒子に子粒子が固定化されており、該母粒子又は該子粒子のいずれか一方を電解質物質とし、他方を燃料極物質又は空気極物質とする、複合粒子を含有するスラリーを用いて製膜し、焼成することにより、多孔質構造を有する電極が製造されてきた。この場合、該母粒子及び該子粒子により形成される隙間が、該電極の気孔となる。該複合粒子を含有するスラリーを用いて製造される電極としては、例えば、特許文献1の特開平10−144337号公報には、酸素イオン導電性を有する酸化物、例えば、イットリア安定化ジルコニアの表面に、電極活性を有する金属、例えば、酸化ニッケルが担持されている複合粒子、及び該複合粒子からなる固体電解質形燃料電池用の燃料電極が開示されている。
なお、本発明において、燃料極物質とは、燃料の水素及び酸化物イオンから水及び電子を生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、空気極物質とは、酸素及び電子から酸化物イオンを生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、電解質物質とは、空気極で生成する酸化物イオンを燃料極に導電させる性質を持つ物質を指す。
ところが、上記のような、造孔剤を含有するスラリーを用いる電極の製造方法又は複合粒子を含有するスラリーを用いる電極の製造方法では、いずれも、電極の形成にスラリーを用いており、該スラリー中での固形分の位置を固定することはできないため、気孔の形状は、全くの偶然により決定される。そのため、それらの方法では、電極中の気孔の形状、特に、該電極中の気孔の三次元構造を制御することはできなかった。
そこで、電極の気孔形状を制御する試みが行われてきた。例えば、特許文献2の特開平5−325982号公報には、所定以下の粒径に粉砕された電極材を有機溶媒と混合してスラリーとし、該スラリーをカーボンフェルトに含浸させた後、乾燥し、次いで、所定形状に切断又は成形した後、焼成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法が開示されている。該製造方法によれば、該電極の気孔形状及び気孔率の再現性を向上させることができる旨が記載されている。
特開平10−144337号公報(実施例1) 特開平5−325982号公報(請求項1)
該特開平5−325982号公報に記載されている製造方法では、カーボンフェルトを用いているため、ある程度気孔の三次元構造を制御することはできる。しかし、該製造方法では、カーボンフェルトが採り得る形状以外の形状の気孔を、電極中に形成させることはできなかった。例えば、図5に示すように、厚み方向にのみ気孔31を形成させるためには、造孔剤である炭素繊維を、厚み方向にのみ配置させなければならないが、カーボンフェルトは炭素繊維同士が絡み合うことにより形状を保つことできるので、図5に示すような気孔31の形状に、カーボンフェルト中の炭素繊維を配置することは不可能であった。そのため、該製造方法により、図5中電極30のような三次元構造の気孔を有する電極を製造することはできなかった。また、カーボンフェルトには、通常、10μm程度以上の繊維径を有する炭素繊維が用いられており、上記範囲より小さい、例えば、数μmオーダーの繊維径の炭素繊維、ましてや、数nm〜数百nmオーダーの繊維径の炭素繊維では、カーボンフェルトに成形することは困難であった。そのため、該製造方法では、気孔径を数μmオーダー以下にすることは困難であった。
従って、本発明の課題は、気孔の三次元構造の制御が容易な固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、造孔部が基板部に固定されている鋳型に、電極形成用スラリーを塗布することにより、該電極形成用スラリー中での、該造孔部の位置を固定することができるので、電極中の気孔の三次元構造を、容易に制御できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基板部及び造孔部で構成され、且つ該基板部及び該造孔部が炭素材料又は有機化合物で形成されている鋳型に、電極形成用スラリーを塗布し、次いで、該電極形成用スラリーが塗布されている鋳型を焼成する固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、気孔の三次元構造の制御が容易な固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法を提供することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法(以下、単に、本発明の製造方法とも記載する。)について、図1を参照に説明する。図1は、本発明の製造方法を示す模式図である。図1中、鋳型1は、基板部2及び造孔部3により構成されており、該造孔部3は、該基板部2に固定されている(図1中(I))。また、該基板部2及び該造孔部3は、炭素材料又は有機化合物で形成されている。そして、該鋳型1に、電極物質粉末を含有する電極形成用スラリー4を塗布し、該鋳型1の表面に、電極形成用スラリー層5を形成させる(図1中(II))。次いで、電極形成用スラリーが塗布されている鋳型9を焼成し、気孔7を有する電極6を得る(図1中(III))。該造孔部3は、炭素材料又は有機化合物で形成されているので、焼成により焼失し、該造孔部3が焼失した跡が該電極6の気孔7となる。また、該基板部2も、炭素材料又は有機化合物で形成されているので、焼成により、該造孔部3と同時に焼失する。
該造孔部3は、該基板部2に固定されているので、該電極形成用スラリー層5中での位置が固定される。そのため、該電極6中に形成される該気孔7の位置を制御することができる。また、該造孔部3の形状により、該気孔7の形状を制御することができる。すなわち、該鋳型1の該造孔部3の位置及び形状により、該電極6中の該気孔7の三次元構造を制御することができる。
このように、本発明の製造方法は、基板部及び造孔部で構成され、且つ該基板部及び該造孔部が炭素材料又は有機化合物で形成されている鋳型に、電極形成用スラリーを塗布し、次いで、該電極形成用スラリーが塗布されている鋳型を焼成する固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法である。
該鋳型1、すなわち、該基板部2及び該造孔部3の材質は、炭素材料又は有機化合物(以下、これらを総称して、炭素材料等とも記載する。)であり、焼成により焼失するものであれば、特に制限されない。該基板部2及び該造孔部3に係る有機化合物としては、例えば、ポリスチレン等の炭化水素化合物であってもよいし、ポリメタクリル酸メチル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の含酸素有機化合物;ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン等の含窒素化合物;ポリスルホン等の含硫黄化合物等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む化合物であってもよい。これらのうち、燃焼時に炭酸ガス以外のガスが発生しない点で、炭化水素化合物及び含酸素有機化合物が好ましい。また、例えば、セルロース繊維、タンパク繊維等の天然繊維、該天然繊維の誘導体等も用いることができる。また、該鋳型1を構成する該基板部2と該造孔部3は、同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。
該鋳型1を製造する方法としては、特に制限されないが、例えば、(i)該炭素材料等で形成されている鋳型材の、不要部分を除去することにより、該基板部2及び該造孔部3を形成させる方法、(ii)該基板部2を用意し、該基板部2の表面に、化学反応又は物理的衝撃力等を用いて、該炭素材料等を固定しながら、積み上げ、該造孔部3を形成させる方法、(iii)該基板部2を用意し、該基板部2に、レーザービーム等の照射によって固化する性質を有する物質を、塗布又は接触させ、次いで、レーザービーム等の照射によって、該造孔部3に相当する部分のみを固化させて、該基板部2の表面に、該造孔部3を形成させる方法が挙げられる。
該(i)の方法の形態例を、図2に示す。該炭素材料等で形成されている鋳型材11を用意し、該鋳型材11に、レーザー12によりレーザービーム13を照射する(図2中(IV))。そして、該レーザー12を移動させて、造孔部3以外の部分にのみ、該レーザービーム13を照射して、不要部分14を分解除去する(図2中(V))。該鋳型材11の不要部分14の全部を、レーザービーム13により分解除去し、鋳型1aを得る(図2中(VI))。該(i)の方法において、レーザービームにより、該炭素材料等の不要部分を分解除去する方法としては、公知のいかなる方法も用いることができ、例えば、特許第3012926号公報に記載されている方法が挙げられる。また、図2では、レーザービーム13により、該鋳型材11の不要部分14を分解除去しているが、機械研磨のように、削り出して該鋳型1aを製造することもできる。
該(ii)の方法の形態例を、図3に示す(以下、(ii−a)の方法とも記載する)。基板部2をフェナントレンガス等のカーボン系ガス雰囲気下に置き、イオン照射銃21で、イオンビーム22を照射することにより、該イオンビーム22の被照射部分23で、該イオンビーム22の作用により、フェナントレンガスを反応させる(図3中(VII))。この反応で、該基板部2の表面に、ダイヤモンドライクカーボンが生成し、固定される。そして、該イオンビーム22を同一箇所で照射し続けることにより、ダイヤモンドライクカーボンを積み上げ、柱状の該造孔部3a、3bを形成させる(図3中(VIII))。該造孔部3を形成させる全ての部分で、該イオンビーム22の照射を行い、鋳型1bを得る(図3中(IX))。該(ii−a)の方法において、イオンビームにより、基板上に炭素材料等を積み上げる方法としては、公知のいかなる方法も用いることができ、例えば、非特許文献J.Vac.Sci..Technol.,B18,3168頁(2000年)(S.Matsui, K.Kaito, J.Fujita, M.Komuro, K.Kanda and Y.Haruyama)に記載されている方法が挙げられる。
また、該(ii)の方法の他の形態例を、図4に示す(以下、(ii−b)の方法とも記載する)。炭素材料等で形成されているターゲット26に、レーザー29で、レーザービーム28を照射し、該ターゲット26を励起させ、そのレーザーのエネルギーで放出されたターゲット材料粒子27を、基板部2に輸送することにより、該基板部2上に該ターゲット材料粒子27を積み上げ、造孔部3を形成させることもできる。該ターゲット材料粒子27が、該基板部2に衝突する際の衝突エネルギーにより、該ターゲット材料粒子27が、該基板部2に固定される。図4に記載されている方法は、一般に、レーザーアブレーション法と呼ばれている。該(ii−b)の方法において、レーザーアブレーション法により、基板上に炭素材料等を積み上げる方法としては、公知のいかなる方法も用いることができ、例えば、特開2004−195339号公報又は特開平6−77157号公報に記載されている方法が挙げられる。
また、該(ii)の方法では、該基板部2と該造孔部3の材質は、同じであっても、異なっていてもよい。
該(iii)の方法としては、例えば、特開平5−200881号公報に記載されているように、該基板部2を用意し、該基板部2を、レーザービームの照射によって、光重合して固化する性質を有する反応液に漬け、次いで、該基板部2と該反応液が接触している部分であって、造孔部3を形成させる部分に、レーザービームを照射して、該反応液の固化物を形成させ、次いで、該基板部2を少し引き上げ、該基板部2の表面に形成されている固化物と該反応液が接触している部分に、再びレーザービームを照射して、更に固化物を形成させ、以後、この操作を繰り返して、該基板部2の表面に、該反応液の固化物である該造孔部3を形成させる方法が挙げられる。また、他には、例えば、該基板部2を用意し、該基板部2の表面に、レーザービーム等の照射によって固化する性質を有する反応層を塗布し、次いで、レーザービーム等の照射によって、該造孔部3に相当する部分のみを固化させた後、他の部分を除去し、該造孔部3を形成させる方法が挙げられる。
このようにして、該基板部2に該造孔部3が固定されている該鋳型1を得ることができる。
図2及び図3では、レーザービーム又はイオンビームを、厚み方向に対して平行に照射しているため、該造孔部3の形状は柱状であるが、該(i)〜(iii)の方法においては、レーザービーム、イオンビーム又は電子ビームの照射位置、照射方向、照射角度等を適宜変更することにより、種々の三次元構造を有する該造孔部3を、自在に形成させることができる。従って、該造孔部3の三次元構造については、特に制限されず、例えば、柱状、コイル状、格子状、三次元網目形状等が挙げられる。また、該造孔部3の断面形状については、特に制限されず、円形、だ円形、矩形等が挙げられる。なお、該造孔部3の断面とは、該造孔部の長さ方向に対して垂直な面(図2中、A−A面)で切った時の断面をいう。
また、該(i)〜(iii)の方法は、例示であって、該(i)〜(iii)以外の方法でも、該鋳型1を製造することができる。これらのうち、該(i)〜(iii)の方法が、該鋳型の製造に、レーザービーム、イオンビーム、電子ビーム等を用いているので、マイクロオーダー、更には、ナノオーダーで、該造孔部3の三次元構造を形成させることができる点で好ましい。
該造孔部3の径は、好ましくは0.001〜100μm、特に好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.01〜10μmである。なお、本発明において、該造孔部3の径とは、該造孔部3の断面の幅のうち、最も長い幅を指す。従って、例えば、該断面の形状が、円形の場合は断面の直径を、矩形の場合は断面の対角線の長さを指す。
該基板部2は、図1中では、板状の形状であるが、該造孔部3を固定できる形状であれば、特に制限されない。また、該基板部2の該電極形成用スラリー4が塗布される面8の形状は、該電極6の表面形状になるので、該電極6の表面形状により、該面8の形状を適宜定めることができる。
該電極形成用スラリー4は、電極物質粉末を含有している。そして、該電極形成用スラリーに係る該電極物質粉末は、燃料極を製造する場合は、燃料極物質粉末であり、空気極を製造する場合は、空気極物質粉末である。
該燃料極物質粉末に係る燃料極物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池用セルの製造に用いられる燃料極物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)、ガドリニウム(Gd)、ストロンチウム(Sr)、イッテルビウム(Yb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びカルシウム(Ca)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該燃料極物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、酸化ニッケル(NiO)とサマリアドープセリア(Sm−CeO)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(NiO−YSZ)の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物(NiO−ScSZ)の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアと酸化セリア(CeO)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアと酸化セリアの混合物の凝集体、酸化コバルト(Co)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化コバルトとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウム(RuO)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウムとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとガドリニアドープセリア(Gd−CeO)の混合物の凝集体等が挙げられる。これらのうち、酸化ニッケルとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体及び酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体が、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。
該空気極物質粉末に係る空気極物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池用セルの製造に用いられる空気極物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル、カルシウム及びマンガン(Mn)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該空気極物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、ランタンストロンチウムマンガネート(La0.8Sr0.2MnO)、ランタンカルシウムコバルテート(La0.9Ca0.1CoO)、ランタンストロンチウムコバルテート(La0.9Sr0.1CoO)、ランタンコバルテート(LaCoO)、ランタンカルシウムマンガネート(La0.9Ca0.1MnO)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、ランタンストロンチウムマンガネートが、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。
該電極形成用スラリーに係る該電極物質粉末の平均粒径は、好ましくは0.001〜100μm、特に好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.05〜20μmである。該電極物質粉末の平均粒径が、小さい程、焼結し易いので、電極の導電率が高くなる。
該電極形成用スラリー4は、溶媒に該電極物質粉末を分散させることにより調製される。
該電極形成用スラリー4中、該電極物質粉末の体積割合は、特に制限されず、適宜選択される。
該電極形成用スラリー4は、電解質物質粉末を含有することができる。該電解質物質粉末に係る電解質物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池用セルの製造に用いられる電解質物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物が挙げられる。該電解質物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ;Sc−ZrO)、スカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ;(10Sc・CeO)−ZrO)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ;Y−ZrO)、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート(LSGM;La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2)等のランタンガレート、ガドリニア安定化ジルコニア(Gd−ZrO)、サマリアドープセリア(Sm−CeO)、ガドリニアドープセリア(Gd−CeO)、酸化イットリウム固溶酸化ビスマス(Y−Bi)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、酸素イオン導電性が良好であり、また、動作温度においても熱的に安定な点で、スカンジア安定化ジルコニア、スカンジアセリア安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート等のランタンガレートが好ましい。なお、サマリアドープセリア、ガドリニアドープセリアは、イオン導電性及び電子伝導性の両方を有しているので、電解質物質の金属酸化物として用いることも、酸化ニッケルと混合物して、該燃料極物質の金属酸化物として用いることもできる。
また、該電極形成用スラリー4は、溶媒に溶解することにより、バインダーとして機能するポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース等のバインダー成分、可塑剤として機能するフタル酸ジ−n−ブチル等の可塑剤成分、ノニオン系分散剤等の分散剤成分、オクチルフェニルエーテル等の消泡剤成分を含有することができる。
該電極形成用スラリー4の粘度は、特に制限されず、適宜選択される。なお、該電極形成用スラリー4の粘度は、エバポレーター等を用いて、該電極形成用スラリー中の溶媒を蒸発除去することにより、調整される。
また、該電極形成用スラリー4の塗布後、必要に応じ、該電極形成用スラリー4が塗布されている鋳型9を乾燥することができる。
該電極形成用スラリーが塗布されている鋳型9を焼成する際の焼成温度は、該鋳型1が焼失する温度以上であり、電極物質粉末により異なるが、通常、800〜1500℃である。また、焼成時間は、該鋳型1の材質、該電極形成用スラリー層5の厚み等により異なるので、一概に定めることはできず、該鋳型1の材質、該電極形成用スラリー層5の厚み、該焼成温度等を考慮して、適宜定められる。該焼成を行うことにより、該鋳型1及び該電極形成用スラリー層5中の液体分が焼失すると共に、該電極物質粉末同士が焼結し、多孔質構造を有する該電極6が形成される。
本発明の製造方法によれば、固体酸化物形燃料電池用電極中の気孔の三次元構造を制御することができるので、特開平5−325982号公報に記載されている製造方法等、従来の製造方法では製造することが困難であった三次元構造の気孔を、固体酸化物形燃料電池用電極に形成させることができる。
本発明の製造方法を示す模式図である。 本発明に係る鋳型の製造方法の形態例を示す模式図である。 本発明に係る鋳型の製造方法の他の形態例を示す模式図である。 本発明に係る鋳型の製造方法の更に他の形態例を示す模式図である。 厚み方向にのみ気孔を形成させた電極を示す模式図である。
符号の説明
1、1a、1b 鋳型
2 基板部
3 造孔部
4 電極形成用スラリー
5 電極形成用スラリー層
6、30 電極
7、31 気孔
8 電極形成用スラリーが塗布される面
9 電極形成用スラリーが塗布されている鋳型
11 鋳型材
12、29 レーザー
13、28 レーザービーム
14 不要部分
21 イオン照射銃
22 イオンビーム
23 被照射部分
26 ターゲット
27 ターゲット粒子

Claims (2)

  1. 基板部及び造孔部で構成され、且つ該基板部及び該造孔部が炭素材料又は有機化合物で形成されている鋳型に、電極形成用スラリーを塗布し、次いで、該電極形成用スラリーが塗布されている鋳型を焼成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法。
  2. 前記造孔部の径が、0.001〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法。
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