JP2006251428A - 多重化装置および多重化方法、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異なる符号化方式でエンコードされたTSパケットを多重化する。
【解決手段】 第1のエンコーダによりエンコードされて生成されたBSオーディオES171がさらにTSパケット化されたBSオーディオTS173の各TSパケットと、第2のエンコーダによりエンコードされて生成されたHQオーディオES181がさらにTSパケット化されたHQオーディオTS183の各TSパケットとを多重化する場合、制御部は、BSオーディオESのみを復号可能な第1の仮想デコーダとHQオーディオESを復号可能な第2の仮想デコーダとを想定し、それぞれの仮想デコーダのエレメンタリバッファとエレメンタリバッファへのデータ転送レートに基づいて、多重化するTSパケットを決定する。本発明は、TSパケットを多重化する多重化装置に適用することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、多重化装置および多重化方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、異なる符号化方式によりエンコードされたオーディオストリームのTSパケットを多重化する多重化装置および多重化方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
MPEG(Moving Picture Expert Group)方式を用いて、ビデオストリームやオーディオストリームをTS(Transport Stream)パケット化し、多重化する場合、デコーダとして標準的なモデル(システムターゲットデコーダ(STD))が想定され、このSTDにおいて正しくデコード処理(復号処理)できるように、符号化処理(エンコード処理)が行われる。
例えば、特許文献1には、図1に示されるような符号化装置が、図2に示されるSTDモデルを想定し、エレメンタリストリームをTSパケット化し、MPEGトランスポートストリームを生成する技術が開示されている。
図1の符号化装置は、アクセスユニット検出器1、疑似アクセスユニット計算機2、パケッタイザ3、およびスケジューラ4を備えている。また、図2のSTDモデルは、前段バッファ21、後段バッファ22、およびデコーダ23を備えている。
符号化装置のアクセスユニット検出器1は、エレメンタリストリームよりアクセスユニットを取得し、そのアクセスユニットの大きさとデコード時刻情報を検出する。疑似アクセスユニット計算機2は、図2の前段バッファ21の大きさと、前段バッファ21へのデータ転送レートに応じて、アクセスユニットを、所定の大きさの疑似アクセスユニットに分割したときに、その疑似アクセスユニットが前段バッファ21へ入力される時刻(入力完了時刻)(疑似アクセスユニットのデコード時刻)を計算する。スケジューラ4は、疑似アクセスユニットの大きさと疑似デコード時刻から、多重化ストリームをデコーダに供給する時刻(クロックリファレンス)とパケットの大きさ(パケットサイズ)を計算する。
パケッタイザ3は、エレメンタリストリームを、パケットサイズに従ってパケット化し、デコード時刻とクロックリファレンスをエンコードし、MPEGトランスポートストリームを生成する。生成されたMPEGトランスポートストリームは、伝送路5を介して送信されたり、記録媒体5に記録される。
ところで、オーディオストリームを、MPEG方式を用いてTSパケット化し、1つのトランスポートストリームに多重化する場合、そのオーディオストリームは、予め所定の符号化方式によりエンコードされている。この符号化方式には、例えば、固定長符号化方式や、可変長符号化方式などがある。
そこで、異なる符号化方式により符号化された2つのオーディオストリームを、1つのトランスポートストリームに多重化することが考えられる。
特開平9−261604号公報
しかしながら、異なる符号化方式でエンコードされた2つのオーディオストリームを、TSパケット化して多重化することは、図2に示されるようなSTDモデルでは想定されておらず、異なる符号化方式でエンコードされた2つのオーディオストリームを、TSパケット化して1つのトランスポートストリームに多重化することは困難であった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、異なる符号化方式でエンコードされた2つのオーディオストリームのTSパケットを、1つのトランスポートストリームに多重化するものである。
本発明の多重化装置は、オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコード手段と、オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコード手段と、第1のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータと、第2のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数のTSパケットに同一のIDを付加するパケット化手段と、パケット化手段によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定手段と、決定手段により決定されたTSパケットを多重化する多重化手段とを備え、決定手段は、第1のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータに付加されているタイミング値に基づいて、第2のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
決定手段は、第1の仮想デコーダが有する第1のエレメンタリバッファおよび第1のエレメンタリバッファへのデータ転送レートと、第2の仮想デコーダが有する第2のエレメンタリバッファおよび第2のエレメンタリバッファへのデータ転送レートとに基づいて、パケット化手段によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定するものとすることができる。
決定手段は、第1の仮想デコーダが有する第1のエレメンタリバッファと、第2の仮想デコーダが有する第2のエレメンタリバッファとが、オーバーフローおよびアンダーフローしないように、パケット化手段によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定するものとすることができる。
多重化手段により多重化されたTSパケットを記録媒体に記録する記録手段をさらに備えるものとすることができる。
オーディオデータの単位は、オーディオアクセスユニットであるものとすることができる。
第1の仮想デコーダは、第1のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファを有し、第2の仮想デコーダは、第2のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファを有するとともに、第2のエレメンタリバッファの後段に、第3のエレメンタリバッファをさらに有するものとすることができる。
決定手段は、第3のエレメンタリバッファへの入力タイミングが、タイミング値に対するタイミングであると想定して、パケット化手段によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定するものとすることができる。
タイミング値は、オーディオストリームの単位が、第3のエレメンタリバッファに渡される、オーディオ情報のサンプリング周期で表される値であるものとすることができる。
本発明の多重化方法は、オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップと、オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップと、第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータと、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数のTSパケットに同一のIDを付加するパケット化ステップと、パケット化ステップの処理によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップと、決定ステップの処理により決定されたTSパケットを多重化する多重化ステップとを含み、決定ステップの処理は、第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータに付加されているタイミング値に基づいて、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップと、オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップと、第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータと、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数のTSパケットに同一のIDを付加するパケット化ステップと、パケット化ステップの処理によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップと、決定ステップの処理により決定されたTSパケットを多重化する多重化ステップとを含む処理をコンピュータに実行させ、決定ステップの処理は、第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータに付加されているタイミング値に基づいて、第2のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
第1の本発明においては、第1の符号化方式によりエンコードされたオーディオデータと、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する第2の符号化方式によりエンコードされたオーディオデータとが、TSパケットにパケット化される。また、第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとが想定されて、多重化するTSパケットが決定され、そのTSパケットが多重化される。
本発明の記録媒体は、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがTSパケット化された複数のTSパケットと、可変長符号化方式であり、かつ、第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値が付加される第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがパケット化された複数のTSパケットとが、多重化されて記録され、TSパケットは、第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータに付加されているタイミング値に基づいて、オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとが想定され、多重化すると決定されたTSパケットであることを特徴とする。
第2の本発明においては、第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがTSパケット化された複数のTSパケットと、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値が付加される第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがパケット化された複数のTSパケットとが、多重化されて記録される。また、TSパケットは、第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータに付加されているタイミング値に基づいて、オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとが想定され、多重化すると決定されたTSパケットとされる。
本発明によれば、オーディオストリームのTSパケットを多重化することができる。特に、本発明によれば、異なる符号化方式でエンコードされた2つのオーディオストリームのTSパケットを、1つのトランスポートストリームに多重化することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が、本明細書に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
更に、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものでもない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の多重化装置(例えば、図4の送信装置111)は、
オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化する多重化装置であって、
前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコード手段(例えば、図4の第1のエンコーダ141)と、
前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位(例えば、オーディオアクセスユニット)ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値(例えば、インプットタイミング)を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコード手段(例えば、図4の第2のエンコーダ142)と、
前記第1のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のID(例えば、PID)を付加するパケット化手段(例えば、図4のTSパケット化部137)と、
前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定手段(例えば、図4の制御部135)と、
前記決定手段により決定された前記TSパケットを多重化する多重化手段(例えば、図4の多重化部138)と
を備え、
前記決定手段は、前記第1のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダ(例えば、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)と、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダ(例えば、図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)とを想定し、多重化するTSパケットを決定する(例えば、図13のステップS60)ことを特徴とする。
請求項2に記載の多重化装置の前記決定手段は、前記第1の仮想デコーダが有する第1のエレメンタリバッファ(例えば、図10のエレメンタリバッファ363−1)および前記第1のエレメンタリバッファへのデータ転送レート(例えば、図10のRx1)と、前記第2の仮想デコーダが有する第2のエレメンタリバッファ(例えば、図10のエレメンタリバッファ363−2)および前記第2のエレメンタリバッファへのデータ転送レート(例えば、図10のRx2)とに基づいて、前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
請求項4に記載の多重化装置は、
前記多重化手段により多重化された前記TSパケットを記録媒体に記録する記録手段(例えば、図3のドライブ112)をさらに備えることを特徴とする。
請求項6に記載の多重化装置の前記第1の仮想デコーダは、前記第1のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファ(例えば、図10のトランスポートバッファ362−1)を有し、
前記第2の仮想デコーダは、前記第2のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファ(例えば、図10のトランスポートバッファ362−2)を有するとともに、前記第2のエレメンタリバッファの後段に、第3のエレメンタリバッファ(例えば、図10のFIFOバッファ391)をさらに有することを特徴とする。
請求項8に記載の多重化装置の前記タイミング値(例えば、インプットタイミング)は、前記オーディオストリームの単位が、前記第3のエレメンタリバッファに渡される、オーディオ情報のサンプリング周期で表される値であることを特徴とする。
請求項9に記載の多重化方法は、
オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化する多重化装置(例えば、図4の送信装置111)の多重化方法であって、
前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップ(例えば、図12のステップS52)と、
前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位(例えば、オーディオアクセスユニット)ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値(例えば、インプットタイミング)を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップ(例えば、図12のステップS53)と、
前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のID(例えば、PID)を付加するパケット化ステップ(例えば、図13のステップS59)と、
前記パケット化ステップの処理によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップ(例えば、図13のステップS60)と、
前記決定ステップの処理により決定された前記TSパケットを多重化する多重化ステップ(例えば、図13のステップS61)と
を含み、
前記決定ステップの処理は、前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダ(例えば、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)と、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダ(例えば、図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)とを想定し、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
請求項10に記載のプログラムは、
オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化するプログラムであって、
前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップ(例えば、図12のステップS52)と、
前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位(例えば、オーディオアクセスユニット)ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値(例えば、インプットタイミング)を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップ(例えば、図12のステップS53)と、
前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のID(例えば、PID)を付加するパケット化ステップ(例えば、図13のステップS59)と、
前記パケット化ステップの処理によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップ(例えば、図13のステップS60)と、
前記決定ステップの処理により決定された前記TSパケットを多重化する多重化ステップ(例えば、図13のステップS61)と
を含む処理をコンピュータに実行させ、
前記決定ステップの処理は、前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダ(例えば、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)と、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダ(例えば、図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)とを想定し、多重化するTSパケットを決定することを特徴とする。
請求項11に記載の記録媒体(例えば、図3のリムーバブルメディア113)は、
多重化されたTS(Transport Stream)パケットが記録されている記録媒体(例えば、図3のリムーバブルメディア113)であって、
所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがTSパケット化された複数のTSパケットと、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位(例えば、オーディオアクセスユニット)ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値(例えば、インプットタイミング)が付加される前記第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがパケット化された複数のTSパケットとが、多重化されて(例えば、図6のBSオーディオTS173とHQオーディオTS183とが多重化され、TS190とされて)記録され、
前記TSパケットは、
前記第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダ(例えば、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)と、前記第2の符号化方式でエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダ(例えば、図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2が、図9のオーディオデータデコード処理部360に当てはめられた仮想デコーダ121)とが想定され、多重化すると決定されたTSパケットであることを特徴とする。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図3は、本発明を適用した送信装置111がMPEG(Moving Picture Experts Group)2-TS(Transport stream)(以下、MPEG2-TSと称する)の方式を用いてオーディオストリームを送信する場合の制約を説明する図である。
この送信装置111は、例えば、MPEG2-TS方式を用いて、ストリームをTSパケット化し、多重化してMPEG2-TS(MPEG2トランスポートストリーム)を生成し、送信する装置である。例えば、送信装置111は、生成したMPEG2-TSを、ドライブ112を介してリムーバブルメディア113に記録させたり、通信部114を制御して、ネットワーク115に送信させる。このとき、送信装置111は、ビデオストリームやオーディオストリームをMPEG2-TSの方式を用いてTSパケット化する場合、デコーダの標準的なモデル(システムターゲットデコーダ(STD))として、仮想的な受信装置120に設けられている仮想デコーダ121を想定し、この仮想デコーダにおいて正しくデコード処理(復号処理)できるように、MPEG2-TSを生成する。仮想的な受信装置120は、ドライブ122に接続されており、ドライブ122を介してリムーバブルメディア113に記録されたMPEG2-TSを読み出したり、通信部123を制御して、ネットワーク115からMPEG2-TSを取得するものとして想定されている。なお、リムーバブルメディア113は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどにより構成される。また、仮想デコーダ121の構成例は、図9と図10を参照して後述する。
図4は、図3の送信装置111の構成例を示すブロック図である。図4においては、送信装置111が、オーディオストリームを符号化し、これをTSパケット化して(MPEG2-TSパケットとして)送信するものとして説明する。
送信装置111には、入力部131、オーディオエンコーダ132、バッファ133、抽出情報付加部134、制御部135、PES(Packetized Elementarty Stream)パケット化部136、TSパケット化部137、多重化部138、および送信部139が設けられている。また、オーディオエンコーダ132には、第1のエンコーダ141と第2のエンコーダ142とが設けられている。さらに、バッファ133には、第1のバッファ143と第2のバッファ144とが設けられている。
入力部131には、送信対象のオーディオデータが入力される。入力部131は、入力されたオーディオデータを、オーディオエンコーダ132の第1のエンコーダ141と、第2のエンコーダ142のそれぞれに供給する。
第1のエンコーダ141は、汎用のオーディオデコーダでデコード可能な音声符号化方式(例えば、固定長符号化方式)でオーディオデータのエンコードを行うエンコーダである。第2のエンコーダ142は、高性能なオーディオデコーダでのみでデコード可能な音声符号化方式(可変長符号化方式)でオーディオデータのエンコードを行うエンコーダである。具体的には、第2のエンコーダ142は、可変ビットレート(VBR)オーディオであり、復号時に、VBRのピークレートを低く抑えるためのFIFO(First-In First-Out)バッファを用いるオーディオ符号化方式を用いてエンコードを行う。また、第2のエンコーダ142は、オーディオアクセスユニットが仮想デコーダのFIFOバッファ(後述する図10のFIFOバッファ391)に渡されるオーディオ情報のサンプリング周期で表されている時間を示すタイミング値を、エンコードする際に付加する。なお、第2のエンコーダ142がエンコードする際に付加する、オーディオアクセスユニットが仮想デコーダのFIFOバッファに渡されるオーディオ情報のサンプリング周期で表されている時間を示すタイミング値を、以下においては、インプットタイミング(Input timing)とも称する。なお、第1のエンコーダ141は、エンコードする際にインプットタイミングは付加しない。
ここで、第2のエンコーダ142は、第1のエンコーダ141よりも高性能な符号化方式を用いてエンコードを行うので、第1のエンコーダ141によりエンコードされた結果のオーディオストリームを復号して再生した場合よりも、第2のエンコーダ142によりエンコードされた結果のオーディオストリームを復号して再生した場合の方が、オーディオの再生品質が高くなったり、機能性が高くなったりする。
なお、以下において、第1のエンコーダ141が用いる符号化方式を第1の符号化方式と称し、第2のエンコーダ142が用いる符号化方式を第2の符号化方式と称する。第2の符号化方式は、可変ビットレート(VBR)オーディオであり、復号時に、VBRのピークレートを低く抑えるためのFIFO(First-In First-Out)バッファを用いるオーディオ符号化方式である。すなわち、第2の符号化方式は、可変長符号化方式であり、この方式により符号化されたオーディオESを復号する場合、復号側では、FIFOバッファが必要となる。ここで、可変長符号化方式によりエンコードされて出力されるオーディオストリームの出力ビットレートは可変長とされる。逆に固定長符号化方式によりエンコードされて出力されるオーディオストリームの出力ビットレートは固定長とされる。以下において、第1のエンコーダ141が第1の符号化方式を用いてオーディオデータをエンコードした結果のストリームを、BSオーディオES(基本オーディオエレメンタリストリーム)と称し、第2のエンコーダ142が第2の符号化方式を用いてオーディオデータをエンコードした結果のストリームを、HQオーディオES(高品質オーディオエレメンタリストリーム)と称する。
第1のエンコーダ141は、入力部131から供給されたオーディオデータを、第1の符号化方式を用いてエンコード(符号化)し、その結果得られたBSオーディオESをバッファ133の第1のバッファ143に供給する。第2のエンコーダ142は、入力部131から供給されたオーディオデータを、第2の符号化方式を用いてエンコード(符号化)し、その結果得られたHQオーディオESを、バッファ133の第2のバッファ144に供給する。このように、第1のバッファ143は、BSオーディオESを格納(バッファリング)し、第2のバッファ144は、HQオーディオESを格納(バッファリング)する。そして、第1のバッファ143と第2のバッファ144のそれぞれは、制御部135からの制御に基づいて、自分自身に格納されているオーディオストリームを所定のタイミングで読み出し、PESパケット化部136に供給する。
制御部135は、第1のバッファ143と第2のバッファ144のそれぞれに格納されたBSオーディオESとHQオーディオESを監視したり、PESパケット化部136、TSパケット化部137、多重化部138、および送信部139の各部を制御したりする。また、制御部135は、PTS(Presentation Time Stamp)を管理したり、TSパケットに付加するPID(Packet Identification)を、TSパケット化部137に供給したりする。さらに、制御部135は、仮想デコーダとして、後述する図9と図10の仮想デコーダ121を想定し、この仮想デコーダ121のバッファ占有量の計算を行ない、TSパケット化部137によりパケット化された複数のTSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する。すなわち、制御部135は、仮想デコーダ121のバッファ占有量の計算に基づいて、多重化部138が多重化するTSパケットを決定(制御)する。
PESパケット化部136は、第1のバッファ143に格納されているBSオーディオESおよび第2のバッファ144に格納されているHQオーディオESを、制御部135からの制御に基づくタイミングでそれぞれ引き抜き、制御部135からの制御に基づいて、これをPESパケット化する。このとき、PESパケット化部136は、制御部135から供給されてきたPTSを、PESの各PESパケットに格納する。すなわち、PESパケット化部136から出力されるPESパケット(BSオーディオESに対応するPESパケットとHQオーディオESに対応するPESパケット)には、それぞれPTSが格納されている。
本実施の形態では、BSオーディオESに基づいて生成された複数のPESパケット(BSオーディオPESパケット)がそれぞれ、所定の順番で連続してTSパケット化部136からTSパケット化部137に供給されるとする。この場合、結果として複数のBSオーディオPESパケットからなる1つのストリーム(この1つのストリームを、以下においては、BSオーディオPESと称する)がPESパケット化部136からTSパケット化部137に供給されることになる。また、HQオーディオESに基づいて生成された複数のPESパケット(HQオーディオPESパケット)がそれぞれ、所定の順番で連続してTSパケット化部136からTSパケット化部137に供給されるとする。この場合、結果として複数のHQオーディオPESパケットからなる1つのストリーム(この1つのストリームを、以下においては、HQオーディオPESと称する)がPESパケット化部136からTSパケット化部137に供給されることになる。
抽出情報付加部134は、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームとが(すなわち、異なる符号化方式によりエンコードされたストリーム)の抽出がデコード側(図3の仮想的な受信装置120側)で可能となるように、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームのそれぞれの種類に対して一意に付されたユニークな値のID(Identification)を、TSパケット化部137に供給する。すなわち、抽出情報付加部134は、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームのそれぞれを識別するための識別情報(ID)を、TSパケット化部137に供給する。
このIDには、例えば、トランスポートパケットヘッダにあるTransport_priorityフラグを用いることができる。抽出情報付加部134は、BSオーディオストリームを伝送するトランスポートパケットには、Transport_priority=1をセットし、HQオーディオストリームを伝送するトランスポートパケットには、Transport_priority=0をセットするような情報(抽出情報)を、TSパケット化部137に供給する。
TSパケット化部137は、制御部135からの制御に基づいて、PESパケット化部136から供給されたPESパケットストリームをTSパケット(トランスポートストリームパケット)にパケット化する。具体的には、TSパケット化部137は、PESパケット化部136から供給されたBSオーディオPESをTSパケット化するとともに、PESパケット化部136から供給されたHQオーディオPESをTSパケット化する。このとき、TSパケット化部136には、抽出情報134からID(例えば、Transport_priorityフラグ)が供給されてくる他、制御部135から、PIDが供給されてくる。本実施の形態においては、PIDは、BSオーディオストリームと、HQオーディオストリームとで同一のIDとされる。すなわち、2つの異なる符号化方式により符号化されたオーディオTSパケットを、多重化して1本のオーディオストリームとする場合に、この1本のオーディオストリーム全体で、同一のIDとなるようにPIDを付す。TSパケット化部137は、抽出情報付加部134から供給された抽出情報(例えば、Transport_priorityフラグ)と、制御部135から供給されたPIDを含めるように(TSパケットのヘッダに含めるように)、TSパケットを生成する。なお、以下においては、BSオーディオPESがTSパケット化された結果を、BSオーディオTSパケットと称し、HQオーディオPESがTSパケット化された結果を、HQオーディオTSパケットと称する。また、BSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットでは、各TSパケットに付された抽出情報(例えば、Transport_priorityフラグ)は異なるが、PIDは同一とされる。
多重化部138は、TSパケット化部137から供給されたTSパケットを、制御部135からの制御に基づいて多重化する。具体的には、多重化部138は、TSパケット化部137から供給されたBSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットとを、制御部135からの制御に基づいて多重化し、1本のPIDが同一となるオーディオストリーム(MPEG2-TS)を生成する。このとき、多重化部138が多重化するTSパケットの順番については、図12乃至図15を参照して後述する。多重化部138は、多重化して生成したMPEG2-TSを、後段の送信部139に送信する。
送信部139は、多重化部138から供給されたMPEG2-TSを送信する。例えば、送信部139は、図3に示されるように、ドライブ112を制御してリムーバブルメディア113に記録させたり、通信部114を制御してネットワーク115を介して外部機器に送信する。
なお、抽出情報付加部134は、TSパケット化部137に抽出情報としてIDを供給するだけでなく、PESパケット化部136にさらに抽出情報を送信するようにしてもよい。例えば、抽出情報付加部134は、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームのそれぞれの種類のストリームの抽出がデコード側(例えば、図3の仮想的な受信装置121側)で可能となるように、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームのそれぞれの種類に対して一意に付されたユニークな値のIDを、PESパケット化部146に供給する。
このIDについて、本実施の形態では、Stream_idまたはStream_id_extensionを用いる。Stream_idは、MPEG2 systems規格で規定されているPESパケットヘッダにあるStream_idを指す。また、Stream_id_extensionは、MPEG2 systems規格Amendment2(2003)で規定されているPESパケットヘッダにあるStream_id_extensionを指す。オーディオストリームがMPEG Audio(MPEG-1/-2 Audio, MPEG AAC)以外のストリームである場合、Stream_id_extensionを採用すると好適である。Stream_id_extensionを用いる場合、MPEG2 systems規格Amendment2(2003)は、Stream_idに「1111 1101」(extended_stream_idを意味する値)をセットすることを規定している。また、MPEG2 systems規格Amendment2(2003)は、ストリームの種類(BSオーディオストリームとHQオーディオストリーム)を識別するユニークな値のStream_id_extensionの使用ができることを規定している。
抽出情報付加部134が、PESパケット化部136にストリームID(例えば、stream_id_extension)を供給する場合、PESパケット化部146は、取得したBSオーディオストリームとHQオーディオストリームのそれぞれを、抽出情報付加部134から供給されたストリームID(例えば、stream_id_extension)のうちの対応する1つのストリームIDを、PESパケットに含めるようにそれぞれパケット化する。各PESパケットのそれぞれのストリームIDは、対応するPESパケットの種類を識別するためのものである。ここで、PESパケットの種類とは、BSオーディオストリームとHQオーディオストリームのうちのいずれかとなる。例えば、BSオーディオストリームの種類のPESパケットとは、BSオーディオストリーム(BSオーディオES)のうちの少なくとも一部のデータが含まれているPESパケットを指す。従って、受信側の図3の仮想的な受信装置120で、所望のオーディオストリームの種類のPESパケットを選択するためには、そのPESパケットに付されているストリームIDの値を認識すればよい。
次に、図5のフローチャートを参照して、図4の送信装置111におけるデータ(ストリーム)の流れの例を簡単に説明する。
入力部131は、入力されたオーディオデータを、ステップS1において第1のエンコーダ141に供給するとともに、ステップS11において第2のエンコーダ142に供給する。第1のエンコーダ141は、ステップS2において入力されたオーディオデータを符号化し、ステップS3においてBSオーディオESをPESパケット化部136に供給する。PESパケット化部136は、ステップS4において第1のエンコーダ141から供給されたBSオーディオESをPESパケット化し、ステップS5においてBSオーディオPESをTSパケット化部137に供給する。TSパケット化部137は、ステップS6においてPESパケット化部136から供給されたBSオーディオPESをTSパケット化し、ステップS7においてBSオーディオTSを、多重化部138に供給する。また、同様にして、第2のエンコーダ142は、ステップS12において入力されたオーディオデータを符号化し、ステップS13においてHQオーディオESをPESパケット化部136に供給する。PESパケット化部136は、ステップS14において第2のエンコーダ142から供給されたHQオーディオESをPESパケット化し、ステップS15においてHQオーディオPESをTSパケット化部137に供給する。TSパケット化部137は、ステップS16においてPESパケット化部136から供給されたHQオーディオPESをTSパケット化し、ステップS17においてHQオーディオTSを、多重化部138に供給する。多重化部138は、ステップS7とステップS17の処理で供給されてきたBSオーディオTSとHQオーディオTSとを、ステップS21において多重化し、1つのMPEG2-TS(トランスポートストリーム)を生成し、ステップS22において生成したMPEG2-TSを出力する(図4の場合、送信部139に出力する)。
このように、第1のエンコーダ141によりエンコードされて得られたBSオーディオESと、第2のエンコーダ142によりエンコードされて得られたHQオーディオESとは、それぞれ独立に、PESパケット化が行われる(ステップS4とステップS14)とともに、TSパケット化が行われ(ステップS6とステップS16)、多重化部138で、多重化されて1つのオーディオストリーム(トランスポートストリーム)となる。
より具体的な例を、図6を参照して説明する。図6において、図5と対応する処理については、同一のステップ番号を付してある。
図6の例において、1段目は、BSオーディオES171とHQオーディオES181とを示しており、2段目は、BSオーディオPES172とHQオーディオPES182とを示しており、3段目は、BSオーディオTS173とHQオーディオTS183とを示しており、4段目はTS(トランスポートストリーム)190を示している。
BSオーディオES171は、図4の第1のエンコーダ141によりエンコードされて出力された状態を示しており、BSオーディオPES172は、図4のPESパケット化部136によりPESパケット化されて(ステップS4)出力された状態を示しており、BSオーディオTS173は、図4のTSパケット化部137によりTSパケット化されて(ステップS6)出力された状態を示している。また、HQオーディオES181は、図4の第2のエンコーダ142によりエンコードされて出力された状態を示しており、HQオーディオPES182は、図4のPESパケット化部136によりPESパケット化されて(ステップS14)出力された状態を示しており、HQオーディオTS183は、図4のTSパケット化部137によりTSパケット化されて(ステップS16)出力された状態を示している。そして、TS190は、図4の多重化部138により多重化されて(ステップS21)出力された状態を示している。
BSオーディオES171とHQオーディオES181とは何れも、所定のオーディオサンプル数を1つの単位として符号化されており、それぞれの単位毎に括弧で示す添え字で区切って示されている。具体的には例えば、BSオーディオES171は、BS(1),BS(2),・・・,BS(n)(nは任意の自然数)というように、複数の単位(オーディオアクセスユニット)に分離されて符号化されている。同様に例えば、HQオーディオES181は、HQ1(1), HQ(2),・・・,HQ(m)というように、複数の単位(オーディオアクセスユニット)に分離されて符号化されている。オーディオアクセスユニットとは、オーディオESを構成する符号化の単位であり、また、復号単位でもある。例えば、BSオーディオESの1つのオーディオアクセスユニットを再生した場合、その再生時間は、32ミリ秒とされ、HQオーディオESの1つのオーディオアクセスユニットを再生した場合、その再生時間は1200分の1秒とされる。
図4のPESパケット化部136は、BSオーディオES171とHQオーディオES181とを、それぞれ別のストリームIDのPESパケットにパケット化する。例えば、PESパケット化部136は、BSオーディオES171に対応するPESパケットのストリームIDを、「Stream_id_extension=b1」とし、これを生成するPESパケットのPESヘッダに含める。また、例えば、PESパケット化部136は、HQオーディオES181に対応するPESパケットのストリームIDを、「Stream_id_extension=b2」とし、これを生成するPESパケットのPESヘッダに含める。このようにして、PESパケット化部136は、図6に示されるBSオーディオPES172とHQオーディオPES182とを生成して、TSパケット化部137に供給する。
これに対して、TSパケット化部137は、BSオーディオPES172を構成する各PESパケットのそれぞれを、TSパケットにパケット化するとともに、HQオーディオPES182を構成する各PESパケットのそれぞれを、TSパケット化にパケット化する。このとき、TSパケット化部137は、BSオーディオPES172とHQオーディオPES182とを識別するためのtransport_priorityフラグと、オーディオストリームを識別するためのPIDを、生成するTSパケットのヘッダ(TSヘッダ)に付加する。すなわち、生成されたBSオーディオTS173を構成する複数のTSパケットの各TSヘッダに格納されているPIDと、HQオーディオTS183を構成する複数のTSパケットの各TSヘッダに格納されているPIDとは、同一のPIDとされ、生成されたBSオーディオTS173を構成する複数のTSパケットの各TSヘッダに格納されているtransport_priorityフラグと、HQオーディオTS183を構成する複数のTSパケットの各TSヘッダに格納されているtransport_priorityフラグとは、異なるtransport_priorityフラグとされる。
具体的には、TSパケット化部137は、図7の2段目と3段目に示されるように、BSオーディオTS173を構成する複数のBSオーディオTSパケットの各TSヘッダに「PID=a0,tp(transport_priority)=1」を付加し、HQオーディオTS183を構成する複数のBSオーディオTSパケットの各ヘッダに「PID=a0,tp(transport_priority)=0」を付加する。
なお、図6までの説明では、図4の送信装置111が、オーディオデータを送信する場合について説明したが、実際には、図4の送信装置111がオーディオデータ以外のデータとして、ビデオデータやシステムデータ(グラフィックスストリームやテキストサブタイトルストリームのデータなど)も送信する。この場合についても、ビデオデータが図示せぬビデオエンコーダによりエンコードされ、PESパケット化されてTSパケット化された後、多重化部138で、オーディオのTSパケットとともに多重化される。このとき、ビデオデータに対応するTSパケットと、オーディオデータに対応するTSパケットとでは、図7に示されるように、PIDが異なっている(勿論、BSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットのPIDは同一である)。図7の例の場合、ビデオデータ(ビデオES)のTS241に含まれる各TSパケットのヘッダには、1段目に示されるように「PID=V0」が付加されており、その他のデータ(システムデータ)のTS242に含まれる各TSパケットのヘッダには、4段目に示されるように「PID=E0」が付加されている。このように、1つのプログラムストリームには、1つ以上の異なるPIDを有するストリームが含まれる。
すなわち、多重化部138には、ビデオのTS241、BSオーディオTS173、HQオーディオTS283、およびその他のTS242というように、別々のストリームとして入力される。ここで、BSオーディオESとHQオーディオESとは、互いに独立したストリームであり、階層関係がない。そのため、多重化する際の制約が存在しない(例えば、BSオーディオESとHQオーディオESとをセットで多重化するなどの制約がない)。また、本実施の形態では、異なる符号化方式により符号化されたオーディオESに、同一のPIDが付されてトランスポートストリームが生成される。
多重化部138は、BSオーディオTS173とHQオーディオTS183とを、制御部135からの制御に基づいて多重化し、1本のトランスポートストリーム (MPEG2-TS)190を生成する。図6の例において、TS(MPEG2-TS)190は、PAT(Program Association Table)に対応するTSパケット221およびPMT(Program Map Table)に対応するTSパケット222、BSオーディオTS231−1乃至231−j(jは任意の自然数)、並びに、HQオーディオTS232−1乃至232−k(kは任意の自然数)を含むように構成されている。
このように、1本のオーディオストリーム(TS190)に対しては同一のPIDが付され、1本のストリームに含まれるBSオーディオESとHQオーディオESとを識別するために、それぞれ異なるtp(transport_priority)が付される。
次に、図8を参照して、HQオーディオES181をPESパケット化した場合と、これをさらにTSパケット化した場合のデータ構造の例を説明する。
HQオーディオES181がPESパケット化された結果のPESパケット251には、PESヘッダ(PES header)252とPESペイロード(PES payload)253とが含まれている。PESヘッダ252には、PTS_DTS_flags261、その他のデータ262、PTS263、およびその他のデータ264が含まれている。
PTS_DTS_flagsの値が「00(b)」である場合、PTSとDTSのフィールドがPESヘッダ252に存在しないことを示し、PTS_DTS_flagsの値が「10(b)」である場合、PTSのフィールドのみがPESヘッダ252に存在することを示し、PTS_DTS_flagsの値が「11(b)」である場合、PTSとDTSのフィールドがPESヘッダ252に存在することを示す。図8の例の場合、PTS_DTS_flags261の値は、PTS_DTS_flags=10(b)とされている。すなわち、図8では、PESヘッダ252に、PTSの値のみが存在し、DTSの値は存在しないことを示しており、PTSの値は、PTS263のフィールドに記述されている。
また、PESペイロード253には、AU(オーディオユニット)271乃至274が含まれている。AU271は、高品質(高品位)オーディオであり、内部には、Input timing情報275が含まれている。このInput timing(タイミング値)は、オーディオアクセスユニットの先頭のデータが格納されるPESペイロード253(AU271)に格納される。上述したように、Input timing(インプットタイミング)は、第2のエンコーダ142がエンコードする際に付加する、オーディオアクセスユニットが仮想デコーダのFIFOバッファに渡されるオーディオ情報のサンプリング周期で表されている時間を示すタイミング値である。
HQオーディオPES182がTSパケット化された結果のTSパケット281には、TSヘッダ(TS header)282と、TSペイロード(TS payload)283とが含まれている。TSヘッダ282には、図8では図示していないが、図7に示されるようなPIDとtpが付加されている。図8に示されるように、PESパケット251のPESペイロード253のデータが、TSパケット281のTSペイロード283に格納されて、TSパケット化される。
このように、第2のエンコーダ142がエンコードする際に付加するタイミング値(インプットタイミング)は、オーディオアクセスユニットの先頭のデータが格納されるPESペイロード253に格納される。なお、例えば、PTS263のデータ長は、33bitとされ、DTSのデータ長は33bitとされ、Input timingのデータ長は16bitとされる。
本実施の形態においては、送信装置111が、BSオーディオESとHQオーディオESとをそれぞれTSパケット化し、その結果得られたBSオーディオTSを構成する複数のBSオーディオTSパケットとHQオーディオTSを構成する複数のHQオーディオTSパケットとを、多重化して1本のトランスポートストリーム190(MPEG2-TS)にする場合に、仮想的な受信装置120(図3)の能力に応じて多重化するTSパケットを決定するようにする。すなわち、仮想的な受信装置120が、BSオーディオESとHQオーディオESの両方に対応した(BSオーディオESとHQオーディオESの両方を復号可能な)仮想的な受信装置である場合であっても、仮想的な受信装置120が、BSオーディオESのみに対応した(BSオーディオESのみ復号可能な)受信装置である場合であっても、それらの仮想的な受信装置120に設けられているバッファがオーバーフローおよびアンダーフローせずに復号可能となるように、送信装置111側で、TSパケットを多重化するタイミングを調整する(多重化するTSパケットを順次決定する)ようにする。
具体的には、送信装置111は、図6のBSオーディオTS173を復号可能な仮想的な受信装置(以下、第1の仮想的な受信装置と称する)と、図6のHQオーディオTS183を復号可能な受信装置(以下、第2の仮想的な受信装置と称する)とに対応するように、多重化するTSパケットを調整して、図6のトランスポートストリーム190を生成する。すなわち、送信装置111は、仮想的な受信装置120がBSオーディオESを抽出して復号する場合に、所定のサイズのBSオーディオES用のデコーダバッファをオーバーフローおよびアンダーフローさせることがないように、かつ、仮想的な受信装置120がHQオーディオESを抽出して復号する場合に、所定のサイズのHQオーディオES用のデコーダバッファをオーバーフローおよびアンダーフローさせることがないように、多重化するTSパケットを決定する。
すなわち、仮想的な受信装置120が、BSオーディオESしか復号できない場合、または、HQオーディオESを復号できる場合の、2種類の仮想的な受信装置を想定し、この2種類の仮想的な受信装置(第1の仮想的な受信装置と第2の仮想的な受信装置)のそれぞれで多重化したTS190が復号可能となるように、TSパケットの多重化のタイミングを調整する。
図9は、BSオーディオTSとHQオーディオTSとを多重化する場合の、符号化制約のための仮想的なデコーダ121のモデルを説明する図である。すなわち、送信装置111が、BSオーディオTSとHQオーディオTSとを、MPEG2-TSの方式で多重化する場合に想定する、仮想的な受信装置120が有する仮想デコーダ121(図3)モデルの構成例が、図9に示されている。換言すれば、図9の仮想デコーダ121は、送信装置111がBSオーディオTSとHQオーディオTSとを多重化する場合に想定する仮想デコーダ121のモデルである。
仮想的な受信装置120(図3)に送信されてきたMPEG2-TSは、仮想デコーダ121に供給される。仮想デコーダ121に供給されたMPEG2-TSは、図9に示されるように、フィルタ341によって、TSパケットの種類ごとにフィルタリングされる。
具体的には、MPEG2-TSは、複数のTSパケットにより構成されており、各TSパケットには、そのTSパケットを識別するためのPIDが付されている。フィルタ341は、MPEG2-TSを構成する各パケットに付されたPIDに基づいて、ビデオストリームを構成するTSパケット(図7の例の場合、PID=V0のTSパケット)を、ビデオストリームを処理するためのビデオデータデコード処理部350に供給し、オーディオストリームを構成するTSパケット(図7の例の場合、PID=a0のTSパケット)を、オーディオストリームを処理するためのオーディオデータデコード処理部360に供給し、システムに関するTSパケット(図7の例の場合、PID=E0のTSパケット)を、システムに関するデータを処理するためのシステムデータデコード処理部370に供給する。
ビデオデータデコード処理部350には、トランスポートバッファ(図中、TBvと記述する)351、マルチプレクスバッファ(図中、MBvと記述する)352、エレメンタリバッファ(図中、EBvと記述する)353、ビデオデコーダ(図中、Dvと記述する)354、およびアウトプットリオーダリングバッファ(図中、Ovと記述する)355が設けられている。
ビデオストリームを構成するTSパケット(図7の例の場合、PID=V0のTSパケット)が、フィルタ341を介してビデオデータデコード処理部350に供給されると、トランスポートバッファ351に蓄積される。そして、所定のビットレートでマルチプレクスバッファ352にデータが供給される。マルチプレクスバッファ352は、供給されたデータを蓄積してスムージングした後、所定のビットレートでエレメンタリバッファ353にデータを供給する。ビデオデコーダ354は、エレメンタリバッファ353に蓄積されているビデオアクセスユニットを所定のタイミングで引き抜き、それを復号して出力する。復号されたデータのうちの一部は、アウトプットリオーダリングバッファ355を介して端子356から出力され、その他のデータは、端子357から出力され、再生される。
オーディオデータデコード処理部360には、トランスポートプリオリティフィルタ(Transport priority filter)361、トランスポートバッファ(図中、TBnと記述する)362、エレメンタリバッファ(図中、Bnと記述する)363、およびオーディオデコーダ(図中、Dnと記述する)364が設けられている。
オーディオストリームを構成するTSパケット(図7の例の場合、PID=a0のTSパケット)が、フィルタ341を介してオーディオデータデコード処理部360に供給されると、トランスポートプリオリティフィルタ361は、仮想デコーダ121の能力に応じて、TSパケットのフィルタリングを行う。例えば、トランスポートプリオリティフィルタ361は、TSパケットのヘッダ(例えば、図8のTSヘッダ282)に付されたtpの値(図7参照)に基づいてフィルタリングを行う。トランスポートプリオリティフィルタ361によりフィルタリングされたTSパケットは、後段のトランスポートバッファ362に供給される。トランスポートバッファ362は、トランスポートプリオリティフィルタ361によりフィルタリングされて供給されてきたTSパケットを蓄積する。
トランスポートバッファ362に蓄積されたTSパケットは、仮想デコーダ121の能力に応じたレートRxnでエレメンタリバッファ363に供給される。Rxnは、トランスポートバッファ362からのLeak rate(リークレート)であり、トランスポートバッファ362にデータが入っている場合、データはRxnのレートでトランスポートバッファ362からエレメンタリバッファ363へ入力される。また、トランスポートバッファ362にデータが入っていない場合、Rxnは0となる。
エレメンタリバッファ363は、トランスポートバッファ362からRxnのビットレートで供給されたデータを蓄積する。ここで、エレメンタリバッファ363のサイズは、オーディオ符号化方法(MPEG1オーディオやMPEG2 AACオーディオなど)によって異なるものとされている。なお、トランスポートバッファ362にデータが入っている場合にはトランスポートバッファ362から、Rxnのビットレート(速度)でエレメンタリバッファ363に供給されるが、トランスポートバッファ362にデータが入っていない場合には、トランスポートバッファ362からのデータは、エレメンタリバッファ363には供給されない(すなわちRxn=0となる)。
オーディオデコーダ364は、エレメンタリバッファ363に蓄積されているオーディオアクセスユニットを所定のタイミングで引き抜き、それを復号し、端子365を介して出力し、再生する。具体的には、オーディオデコーダ364は、オーディオアクセスユニットのPTSが、T-STDのシステムタイムクロック上の時間に等しくなったときに、そのオーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363から引き抜く。なお、オーディオアクセスユニットとは、オーディオストリームを構成する符号化単位であり、また、それが復号単位となる。なお、図9のオーディオデータデコード処理部360の詳細は、図10を参照して後述する。
システムデータデコード処理部370には、トランスポートバッファ(図中、TBsysと記述する)371、エレメンタリバッファ(図中、Bsys記述する)372、およびシステムデコーダ(図中、Dsysと記述する)373が設けられている。
システムに関するTSパケット(図7の例の場合、PID=E0のTSパケット)が、フィルタ341を介してシステムデータデコード処理部370に供給されると、トランスポートバッファ371に蓄積される。トランスポートバッファ371に蓄積されたデータは、エレメンタリバッファ372に供給される。システムデコーダ373は、エレメンタリバッファ72に蓄積されているシステムアクセスユニットを所定のタイミングで引き抜き、それを復号し、端子374を介して出力する。
なお、システムに関するTSパケットには、例えば、図6のPATのTSパケット221やPMTのTSパケット222が含まれる。
次に、図10を参照して、図9のオーディオデータデコード処理部360の詳細を説明する。
オーディオデータデコード処理部360の内部は、図10に示されるように、BSオーディオデータデコード処理部360−1とHQオーディオデータデコード処理部360−2の2系統にわかれている。これは、BSオーディオESのみのデコードを対象としたデコーダモデルであるオーディオデータデコード処理部360−1と、HQオーディオESのデコードを対象としたデコーダモデルであるオーディオデータデコード処理部360−2の2つを一度に検証するためである。
BSオーディオデータデコード処理部360−1には、トランスポートプリオリティフィルタ(図中、transport priority filter (tp=1)と記述する)361−1、トランスポートバッファ(図中、TB1と記述する)362−1、エレメンタリバッファ(図中、B1と記述する)363−1、およびオーディオデコーダ(図中、D1と記述する)364−1が設けられている。すなわち、図9のオーディオデータデコード処理部360のトランスポートプリオリティフィルタ361、トランスポートバッファ362、エレメンタリバッファ363、およびオーディオデコーダ364に、図10のオーディオデータデコード処理部360−1のトランスポートプリオリティフィルタ361−1、トランスポートバッファ362−1、エレメンタリバッファ363−1、およびオーディオデコーダ364−1がそれぞれ対応している。
トランスポートプリオリティフィルタ361−1は、tp=1(Transport_priority=1)のTSパケットだけを選択し、トランスポートバッファ362−1へ供給する。トランスポートバッファ362−1は、エレメンタリバッファ363−1への入力ビットレートの値(Rxn)をRx1としてデータを供給する。エレメンタリバッファ363−1は、トランスポートバッファ362−1からRx1のビットレートで供給されたデータを蓄積する。ここで、エレメンタリバッファ363−1の容量(Bn)は、B1とされる。オーディオデコーダ364−1は、エレメンタリバッファ363−1に蓄積されているオーディオアクセスユニットを所定のタイミングで引き抜き、それを復号し、出力する。具体的には、オーディオデコーダ364−1は、オーディオアクセスユニットのPTSが、T-STDのシステムタイムクロック上の時間に等しくなったときに、そのオーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363−1から引き抜く。
このように、BSオーディオデータデコード処理部360−1は、BSオーディオESのデコードを想定した仮想デコーダである。以下において、仮想デコーダ121のオーディオデータデコード処理部360が、BSオーディオデータデコード処理部360−1に置き換えられているものを、第1の仮想デコーダと称する。すなわち、第1の仮想的な受信装置に設けられている仮想デコーダが、第1の仮想デコーダとされる。
一方、HQオーディオデータデコード処理部360−2には、トランスポートプリオリティフィルタ(図中、transport priority filter (tp=0)と記述する)361−2、トランスポートバッファ(図中、TB2と記述する)362−2、エレメンタリバッファ(図中、B2_1と記述する)363−2、および可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2が設けられている。また、可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2には、FIFOバッファ(図中、B2_2と記述する)391とオーディオデコーダ(図中、D2と記述する)392とが設けられている。換言すれば、HQオーディオデータデコード処理部360−2のエレメンタリバッファは、2つ(エレメンタリバッファ363−2とFIFOバッファ391の2つ)に分割されている。すなわち、図9のオーディオデータデコード処理部360のトランスポートプリオリティフィルタ361、トランスポートバッファ362、エレメンタリバッファ363、およびオーディオデコーダ364に、図10のオーディオデータデコード処理部360−2のトランスポートプリオリティフィルタ361−2、トランスポートバッファ362−2、エレメンタリバッファ363−2、および可変ビットレートのオーディオデータ364−2がそれぞれ対応している。
トランスポートプリオリティフィルタ361−2は、tp=0(Transport_priority=0)のTSパケットだけを選択し、トランスポートバッファ362−2へ供給する。トランスポートバッファ362−2は、エレメンタリバッファ363−2への入力ビットレートの値(Rxn)をRx2としてデータを供給する。エレメンタリバッファ363−2は、トランスポートバッファ362−2からRx2のビットレートで供給されたデータを蓄積する。ここで、エレメンタリバッファ363−2の容量(Bn)は、B2_1とされる。
可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2は、エレメンタリバッファ363−2に蓄積されているオーディオアクセスユニットを所定のタイミングで引き抜き、それを復号し、出力する。具体的には、図11に示されるように、可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2のFIFOバッファ391へのデータの入力タイミングは、HQオーディオESの中に存在するInput timing(タイミング値)により決定される。このInput timingは、上述したように、第2のエンコーダ142がオーディオデータを符号化する際に付加する値である。すなわち、HQオーディオES(可変ビットレートのオーディオストリーム)に埋め込まれているInput timingに基づくタイミングで、FIFOバッファ391にデータが入力される。また、オーディオデコーダ392は、オーディオアクセスユニットのPTSがT-STDのシステムタイムクロック上の時間に等しくなったときに、そのオーディオアクセスユニットをFIFOバッファ391から引き抜き、これを復号し、出力する。すなわち、FIFOバッファ391は、可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2のためのバッファとされている。このように、FIFOバッファ391とオーディオデコーダ392とにより、可変ビットレートのオーディオデコーダ364−2が実現される。
このとき、FIFOバッファ391へのデータの入力タイミングを、Input timing(タイミング値)に基づいて決定するようにしたので、DTS(Decoding Time Stamp)をストリームに付加する必要がなくなり、その結果、送信装置111(図4)のPESパケット化部136は、HQオーディオESをPESパケット化する場合に、DTSを求めるための計算を行う必要がなくなり、PESパケット化の処理を、より円滑に行うことができる。また、PESパケット化部136は、あらかじめHQオーディオESに含まれているInput timingを、そのままPESパケットのPESペイロード253(図8)に格納するだけでよく、容易にPESパケット化を行うことができる。さらに、PESパケット化部136は、生成するPESパケットに、DTSの値を格納せずに済むので、PESパケットのデータ量を抑えることができる。すなわち、PESパケットのデータ量を、より削減することができる。
このように、HQオーディオデータデコード処理部360−2は、HQオーディオESのデコードを想定した仮想デコーダである。以下において、仮想デコーダ121のオーディオデータデコード処理部360が、HQオーディオデータデコード処理部360−2に置き換えられているものを、第2の仮想デコーダと称する。すなわち、第2の仮想的な受信装置に設けられている仮想デコーダが、第2の仮想デコーダとされる。
図10のエレメンタリバッファ363−2(B2_1)は、Input timingに基づくタイミングでバッファの占有量が減少する。また、FIFOバッファ391(B2_2)は、オーバーフローすることはないが、アンダーフローする可能性はある。そのため、FIFOバッファ391(B2_2)がアンダーフローしないように、エレメンタリバッファ363−2(B2_1)がオーバーフローおよびアンダーフローしないようなタイミングでTSパケットを多重化するようにしなければならない。
なお、図10において、例えば、エレメンタリバッファ363−1(B1)のバッファサイズは18640bytesとされ、エレメンタリバッファ363−1(B2_1)+FIFOバッファ391のバッファサイズは524250bytesとされ、リークレートRx1は2Mbpsとされ、リークレートRx2は1.2×18Mbpsとされる。
図4の送信装置111は、図10の仮想デコーダ121を有する仮想的な受信装置120によって正しくデコードされるように、BSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットの中から、多重化するTSパケットを順次決定して、多重化する必要がある。
すなわち、送信装置111は、例えば図10の仮想デコーダ121の中のトランスポートバッファ362−1およびトランスポートバッファ362−2がオーバーフローすることなく、かつ、エレメンタリバッファ363−1およびエレメンタリバッファ363−2がオーバーフローおよびアンダーフローすることなく、さらに、FIFOバッファ391がアンダーフローすることがないように、多重化するオーディオのTSパケットを決定(調整)し、多重化しなければならない。
そのため、送信装置111は、上述した図10の仮想デコーダ121を満たすように、すなわち、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1とHQオーディオデータデコード処理部360−2の両方でデコードできるように、図6のBSオーディオTS173とHQオーディオTS183とを多重化してトランスポートストリーム190を生成するための多重化のタイミングを調整する。すなわち、送信装置111は、第1の仮想的な受信装置(第1の仮想デコーダ、すなわち、BSオーディオデータデコード処理部360−1を有する仮想デコーダ121)と第2の仮想的な受信装置(第2の仮想デコーダ、すなわち、HQオーディオデータデコード処理部360−2を有する仮想デコーダ121)のそれぞれのバッファがオーバーフローおよびアンダーフローしないようなタイミングで、多重化するTSパケットを順次決定し、多重化する。
次に、これまでに説明した送信装置111が、仮想的な受信装置121の能力を考慮して、オーディオストリームをエンコードおよびTSパケット化し、多重化して送信する場合の処理を説明する。図12と図13は、図4の送信装置111における、TSパケット送信処理を説明するフローチャートである。なお、この処理は、送信装置111の電源がオンされ、入力部131にオーディオストリームが入力されたとき開始される。
ステップS51において、入力部131は、オーディオデータの入力を受け付け、受け付けたオーディオデータをオーディオエンコーダ132に出力する。具体的には、入力部131は、オーディオデータを、オーディオエンコーダ132の中の第1のエンコーダ141と第2のエンコーダ142とに供給する。
ステップS52において、第1のエンコーダ141は、オーディオデータを第1の符号化方式でエンコードする。上述したように、第1の符号化方式は、例えば、固定長符号化方式とされる。第1のエンコーダ141は、エンコードした結果得られたBSオーディオESを、後段のバッファ133の第1のバッファ143に供給する。
ステップS53において、第2のエンコーダ142は、オーディオデータを第2の符号化方式でエンコードする。上述したように、第2の符号化方式は可変長符号化方式であり、第2のエンコーダ142は、エンコードする際にインプットタイミングを付加する(図8のInput timing参照)。第2のエンコーダ142は、エンコードした結果得られたHQオーディオESを、後段のバッファ133の第2のバッファ144に供給する。
なお、ステップS52で第1のエンコーダ141から出力されるBSオーディオESが、図6のBSオーディオES171に対応し、ステップS53で第2のエンコーダ142から出力されるHQオーディオESが、図6のHQオーディオES181に対応する。
ステップS54において、第1のバッファ143は、オーディオエンコーダ13の第1のエンコーダ141から供給されたBSオーディオES171(図6参照)を格納(バッファリング)する。
ステップS55において、第2のバッファ144は、オーディオエンコーダ13の第2のエンコーダ142から供給されたHQオーディオES181(図6参照)を格納(バッファリング)する。
ステップS56において、制御部135は、送るべきオーディオアクセスユニットがバッファ133にあるか否かを判定し、送るべきオーディオアクセスユニットがバッファ133にあると判定するまで処理を待機する。制御部135は、バッファ133(第1のバッファ143と第2のバッファ144)にそれぞれ格納されたエレメンタリストリーム(BSオーディES171とHQオーディオES181)を監視するとともに、PTSを管理しているので、これらに基づいてステップS56の判定を行う。具体的には、制御部135は、BSオーディオESの場合、送るべきオーディオアクセスユニットが第1のバッファ143にあるか否かをPTSに基づいて判定し、HQオーディオESの場合、送るべきオーディオアクセスユニットが第2のバッファ144にあるか否かをInput timingに基づいて判定する。
例えば、BSオーディオES171のオーディオアクセスユニット(例えば、図6のBS(1)、BS(2)、・・・、BS(n))のそれぞれは固定長とされているので、制御部135は、PTS(N)=PTS0+TT×h(「PTS0」は一番最初のオーディオアクセスユニットのPTSとされ、「TT」はアクセスユニットの表示間隔とされ、hは図6の括弧で示される添え字の数とされる)に対応するオーディオアクセスユニット(図6の括弧で示される添え字hに対応するオーディオアクセスユニット)が、第1のバッファ143に格納されたか否かを判定する。また、例えば、HQオーディオES181のオーディオアクセスユニット(例えば、図6のHQ(1)、HQ(2)、・・・、HQ(m))のそれぞれは可変長とされているので、制御部135は、オーディオアクセスユニットが、第2のバッファ144に格納されたか否かを、HQオーディオES181に付加されているInput timingに基づいて判定する。これは、HQオーディオESは、BSオーディオESのときと違い、オーディオアクセスユニットが可変長であるため、PTSで制御すると、例えばアクセスユニットのサイズが大きい場合に、転送が間に合わずに、アンダーフローを起こす可能性があるため、PTSの時刻よりも早いInput timingで求められる時刻に可変ビットレートオーディオデコーダに渡さないといけないためである。
なお、ここでいう固定長、可変長とは、オーディオアクセスユニットのデータサイズに対しての定義であって、1つのオーディオアクセスユニットに対する表示間隔はいずれも一定とされる。例えば、BSオーディオESの表示間隔は、1アクセスユニットあたり32ミリ秒とされ、HQオーディオESの表示間隔は、1アクセスユニットあたり1200分の1秒とされる。
ステップS56において、送るべきオーディオアクセスユニットがあると判定された場合、ステップS57において、制御部135は、送るべきオーディオアクセスユニットを対象となるバッファ133から読み出し、PESパケット化部136に供給させるよう制御する。例えば、制御部135は、送るべきオーディオアクセスユニットを第1のバッファ143から読み出し、PESパケット化部136に供給させるよう制御する。また、例えば、制御部135は、送るべきオーディオアクセスユニットを第2のバッファ144から読み出し、PESパケット化部136に供給させるよう制御する。また、制御部135は、PESパケット化部136にPESパケット化を指令し、処理をステップS58に進める。
ステップS58において、PESパケット化部136は、ステップS57の処理で供給されてきたオーディオアクセスユニットをPESパケット化する。具体的には、PESパケット化部136は、ステップS57の処理で第1のバッファ143または第2のバッファ144から供給されてきたオーディオアクセスユニット(BSオーディオESまたはHQオーディオESのオーディオアクセスユニット)に、制御部135から供給されたPTSを含め、PESパケット化する。PESパケット化部136は、PESパケット化して生成したPESパケットを、TSパケット化部137に供給する。
例えば、PESパケット化部136は、第1のバッファ143から供給されたBSオーディオESを取得し(PTSに対応するオーディオアクセスユニットを取得し)、BSオーディオESを、PESパケットにパケット化する。また、例えば、PESパケット化部136は、第2のバッファ144から供給されたHQオーディオESを取得し(Input timingに対応するオーディオアクセスユニットを取得し)、HQオーディオESを、PESパケットにパケット化する。このとき、PESパケット化部136は、制御部135から供給されてきたPTSを、PESパケットストリーム(例えば、図6のBSオーディオPES172またはHQオーディオPES182)を構成するPESパケットのそれぞれに格納する。そして、PESパケット化部136は、生成したPESパケット(例えば、図6のBSオーディオPES172の中で、このステップS57の処理でPESパケット化したPESパケット、または、図6のHQオーディオPES182の中で、このステップS57の処理でPESパケット化したPESパケット)を、TSパケット化部137に供給する。
なお、ステップS58でPESパケット化部136から出力されるBSオーディオPESが、図6のBSオーディオPES172に対応し、ステップS58でPESパケット化部136から出力されるHQオーディオPESが、図6のHQオーディオPES182に対応する。
ステップS59において、TSパケット化部137は、PESパケット化部136から供給されてきたPESパケットをTSパケット化し、TSパケット化したTSパケットを多重化部138に供給する。例えば、TSパケット化部137は、BSオーディオPES172を構成する複数のBSオーディオPESパケットを、図6のBSオーディオTS173を構成する複数のBSオーディオTSパケットのように、TSパケット化する。そして、TSパケット化部137は、BSオーディTS173を構成する複数のBSオーディオTSパケットを、後段の多重化部138に供給する。また、例えば、TSパケット化部137は、HQオーディオPES182を構成する複数のHQオーディオPESパケットを、図6のHQオーディオTS183を構成する複数のHQオーディオTSパケットのように、TSパケット化する。そして、TSパケット化部137は、HQオーディTS183を構成する複数のHQオーディオTSパケットを、後段の多重化部138に供給する。
このとき、TSパケット化されたBSオーディオTS173と、HQオーディオTS183の各TSヘッダには、図7に示されるように、同一のPIDが付されているとともに、異なるtransport_priorityの値が付されている。図5の例の場合、BSオーディオTS183の各TSパケットには「PID=a0,tp=1」が含まれ、HQオーディオTS183の各TSパケットには「PID=a0,tp=0」が含まれる。
ステップS60において、制御部135は、仮想デコーダ121のバッファ占有量の計算に基づいて、多重化するTSパケットを決定する。具体的には、制御部135は、第1の仮想デコーダと第2の仮想デコーダ(図9と図10参照)のバッファ占有量の計算に基づいて、次に多重化するTSパケット(BSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットのうちのいずれかのTSパケット)を決定し、多重化すると決定されたTSパケットを多重化するよう、多重化部138を制御する。すなわち、制御部135は、図6のBSオーディオTS173とHQオーディオTS183とを多重化して、トランスポートストリーム190を生成するために、多重化するTSパケットの順番を決定する。なお、この仮想デコーダ121(第1の仮想デコーダと第2の仮想デコーダ)のバッファ占有量の計算の処理については、図14と図15を参照して後述する。
ステップS61において、多重化部138は、TSパケット化部137から供給されたTSパケットのうち、制御部135によるステップS60の処理で多重化すると決定されたTSパケットを多重化する。具体的には、多重化部138は、図6のBSオーディオTS173の各TSパケットとHQオーディオTS183の各TSパケットのうち、ステップS60の処理で多重化すると決定されたTSパケットを(順次)多重化する。これにより、図6のトランスポートストリーム190が生成される。多重化部138は、BSオーディオTS173とHQオーディオTS183を多重化して生成したトランスポートストリーム190を、送信部139に供給する。
ステップS62において、送信部139は、多重化部138から供給されたトランスポートストリーム190(図6)を送信する。送信部139は、例えば、図3に示されるように、ドライブ112を制御して、リムーバブルメディア113にトランスポートストリーム(MPEG2-TS)を送信したり、通信部114を制御して、ネットワーク115を介して、受信装置に送信したりする。この受信装置は、図3や図9を参照して説明した仮想的な受信装置120ではなく、実際にMPEG2-TSを受信する(デコーダを有する)図示せぬ受信装置である。
ステップS63において、制御部135は、終了するか否かを判定する。例えば、制御部135は、入力部131へのオーディオデータの入力が終了した場合や、ユーザによりTSパケット送信処理の終了が指令された場合や、1本のオーディオストリームの送信が終了した場合などに、処理を終了すると判定する。ステップS63において、終了しないと判定された場合、処理はステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、再びオーディオデータの入力が受け付けられてTSパケット化され、仮想デコーダ121のバッファ占有量の計算に基づいて多重化するTSパケットが決定されて多重化され、多重化された結果生成されたトランスポートストリームが送信される。ステップS63において、終了すると判定された場合、処理は終了される。
図12と図13の処理により、図9と図10を参照して説明した第1の仮想デコーダと第2の仮想デコーダ(仮想デコーダ121)のバッファ占有量の計算に基づいて、多重化すると決定された順番でTSパケットが多重化されるので、図9と図10の仮想デコーダ121のモデルに対応するデコーダを有する受信装置(図示せず)であれば、この処理で多重化されたトランスポートストリーム(複数のTSパケット)を確実にデコード(復号)することができる。
次に、図13のステップS60で制御部135により実行される、仮想デコーダのバッファ占有量の計算を、図14と図15を参照して説明する。
最初に、図14のフローチャートを参照して、BSオーディオに対するバッファ占有量の計算処理を説明する。なお、この処理は、図4の制御部135が、受信側の仮想デコーダ121がBSオーディオESのみをデコード可能であると想定してTSパケットの多重化のタイミングを計算する処理である。すなわち、制御部135が、受信側の仮想デコーダ121が、第1の仮想デコーダであると想定して実行する処理である。
ステップS101において、制御部135は、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1のトランスポートバッファ362−1にtp=1のTSパケットを入れる空きがあれば、TSパケットを多重化するよう、多重化部138を制御する。すなわち、図10のトランスポートバッファ362−1にBSオーディオTSパケット(BSオーディオESに対応するTSパケット)を入れる空きがあれば、そのBSオーディオTSパケットを多重化するよう多重化部138を制御する。
ステップS102において、制御部135は、図10の仮想デコーダ121のエレメンタリバッファ363−1(Bn=B1)に空きがあれば、トランスポートバッファ362−1からRx1(Rxn=Rx1)のビットレートでデータを引き抜き、これをエレメンタリバッファ363−1(B1)に供給するものとして計算する。上述したように、第1の仮想デコーダのエレメンタリバッファ363−1への入力ビットレートはRx1であるので、Rx1のレートでデータが引き抜かれるものとして計算され、エレメンタリバッファ363−1の記憶容量はBn=B1であるものとして計算される。
ステップS103において、制御部135は、オーディオアクセスユニットのPTSが、仮想デコーダ121のシステムタイムクロック上の時間に等しくなったとき、そのオーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363−1(B1)から引き抜き、オーディオデコーダ364−1に供給するものとして計算する。例えば、仮想デコーダ121のシステムタイムクロックが、オーディオアクセスユニットのPTSと等しくなったとき、そのPTSのオーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363−1から引き抜き、オーディオデコーダ364−1に供給されるものとして計算する。その後、処理は終了される。
なお、図14の処理は、図13のステップS60の処理を実行する場合に実行される処理であって、繰り返し実行されるものである。
このように、制御部135は、BSオーディオESのみをデコード可能なデコーダ(第1の仮想デコーダ)を想定してデコーダのバッファ占有量を計算する。すなわち、制御部135は、図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1が、図9のオーディオデータデコード処理部360に設けられているものとして、第1の仮想デコーダのバッファ占有量を計算し、TSパケットの多重化タイミングを決定する。これにより、BSオーディオESのみをデコード可能なデコーダ(実際のデコーダ)は、バッファ占有量をオーバーフローやアンダーフローすることなく、確実にBSオーディオESをデコード(復号)することができる。
次に、図14のフローチャートを参照して、HQオーディオに対するバッファ占有量の計算処理を説明する。なお、この処理は、図4の制御部135が、受信側の仮想デコーダ121がHQオーディオESをデコード可能であると想定してTSパケットの多重化のタイミングを計算する処理である。すなわち、制御部135が、受信側の仮想デコーダ121が、第2の仮想デコーダであると想定して実行する処理である。
ステップS151において、制御部135は、図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2のトランスポートバッファ362−2にtp=0のTSパケットを入れる空きがあれば、TSパケットを多重化するよう、多重化部138を制御する。すなわち、図10のトランスポートバッファ362−2にHQオーディオTSパケット(HQオーディオESに対応するTSパケット)を入れる空きがあれば、そのHQオーディオTSパケットを多重化するよう多重化部138を制御する。
ステップS152において、制御部135は、図10の仮想デコーダ121のエレメンタリバッファ363−2(Bn=B2_1)に空きがあれば、トランスポートバッファ362−2からRx2(Rxn=Rx2)のビットレートでデータを引き抜き、これをエレメンタリバッファ363−2(B2_1)に供給するものとして計算する。上述したように、第2の仮想デコーダのエレメンタリバッファ363−2への入力ビットレートはRx2であるので、Rx2のレートでデータが引き抜かれるものとして計算され、エレメンタリバッファ363−2の記憶容量はBn=B2_1であるものとして計算される。
ステップS153において、制御部135は、オーディオアクセスユニットのInput timingに基づいて、そのオーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363−2(B2_1)から引き抜き、FIFOバッファ391(B2_2)に供給するものとして計算する。上述したように、第2のエンコーダ142によりエンコードされて出力されるHQオーディオESには、Input timing(図8参照)が付加されているので、制御部135は、このInput timingに基づいて、オーディオアクセスユニットをエレメンタリバッファ363−2(B2_1)から引き抜き、FIFOバッファ391(B2_2)に供給するものとして計算する。
ステップS154において、制御部135は、オーディオアクセスユニットのPTSに基づいて、そのオーディオアクセスユニットをFIFOバッファ391(B2_2)から引き抜き、オーディオデコーダ392に供給するものとして計算する。具体的には、制御部135は、オーディオアクセスユニットのPTSが、仮想デコーダ121(第2の仮想デコーダ)のシステムタイムクロック上の時間に等しくなったとき、そのオーディオアクセスユニットをFIFOバッファ391から引き抜き、オーディオデコーダ392に供給するものとして計算する。その後、処理は終了される。
このように、エレメンタリバッファ363−2(B2_1)は、Input timingに基づくタイミングでバッファの占有量が現象する。また、FIFOバッファ391(B2_2)は、オーバーフローすることはないが、アンダーフローする可能性はある。そのため、図15に示されるように、FIFOバッファ391(B2_2)がアンダーフローしないように、エレメンタリバッファ363−2(B2_1)がオーバーフローおよびアンダーフローしないようなタイミングでTSパケットを多重化するようにする。
なお、図15の処理は、図13のステップS60の処理を実行する場合に実行される処理であって、繰り返し実行されるものである。すなわち、図13のステップS60の処理を実行する場合に、図14と図15の処理が並行して実行される。より具体的には、図13のステップS60の処理を実行する場合に、制御部135は、図14の処理によりBSオーディオに対応するTSパケットの多重化のタイミングを計算するとともに、図15の処理により、HQオーディオに対応するTSパケットの多重化のタイミングを計算する処理を繰り返し実行する。
換言すれば、制御部135は、図10の仮想デコーダ121の中のトランスポートバッファ362−1およびトランスポートバッファ362−2がオーバーフローすることなく、かつ、エレメンタリバッファ363−1およびエレメンタリバッファ363−2がオーバーフローおよびアンダーフローすることなく、さらに、FIFOバッファ391がアンダーフローすることがないように、多重化するオーディオのTSパケットを決定(調整)する。
このように、制御部135は、BSオーディオESをデコード可能な仮想デコーダ(第1の仮想デコーダ)と、HQオーディオESをデコード可能な仮想デコーダ(第2の仮想デコーダ)とを想定してデコーダのバッファ占有量を計算し、多重化するTSパケットを決定(多重化するTSパケットの順番を決定)する。これにより、BSオーディオESのみをデコード可能なデコーダ(実際のデコーダ)であっても、HQオーディオESをデコード可能なデコーダ(実際のデコーダ)であっても、バッファ占有量をオーバーフローやアンダーフローすることなく、確実にデコードすることができる。
すなわち、実際に送信装置111により多重化されたTSパケット(MPEG2-TS)を受信する実際の受信装置が、BSオーディオESのみしかデコードできない場合であっても、HQオーディオESをデコードできる場合であっても、それぞれの受信装置が有するバッファをオーバーフローおよびアンダーフローさせることなく、円滑にデコードすることができる。
なお、BSオーディオESとHQオーディオESとは、図7に示されるように、transport_priority(tp)の値によって識別されているものの、互いが独立した関係にあるため、BSオーディオTSパケットとHQオーディオTSパケットとを多重化する場合の制約がない。そのため、BSオーディオESとHQオーディオESとを、独立したストリームとして扱うことができる。
以上により、異なる符号化方式によりエンコードされて生成されたBSオーディオESとHQオーディオESを、それぞれTSパケット化して、1本のトランスポートストリームに多重化する場合に、BSオーディオESのみに対応している第1の仮想デコーダ(図10のBSオーディオデータデコード処理部360−1を備える図9の仮想デコーダ121)を有する第1の仮想的な受信装置120と、HQオーディオESに対応している第2の仮想デコーダ(図10のHQオーディオデータデコード処理部360−2を備える図9の仮想デコーダ121)を有する第2の仮想的な受信装置120とを想定して、多重化するTSパケットを決定するようにしたので、BSオーディオESのみにしか対応していない受信装置であっても、HQオーディオESに対応している受信装置であっても、円滑にデコードすることができる。
すなわち、送信装置111は、第1の仮想デコーダを備える仮想的な第1の受信装置のトランスポートバッファ362−1がオーバーフローすることなく、エレメンタリバッファ363−1がオーバーフローおよびアンダーフローすることがないように、多重化するTSパケットを調整(決定)するとともに、第2の仮想デコーダを備える仮想的な第2の受信装置のトランスポートバッファ362−2がオーバーフローすることなく、かつ、エレメンタリバッファ363−2がオーバーフローおよびアンダーフローすることなく、かつ、FIFOバッファ391がアンダーフローすることがないように、多重化するTSパケットを調整(決定)するようにしたので、BSオーディオESのみにしか対応していない受信装置であっても、HQオーディオESに対応している受信装置であっても、円滑にデコードすることができる。
また、PESパケット化部136は、HQオーディオESをPESパケット化する場合に、DTSを求めるための計算を行う必要がなくなり、PESパケット化の処理を、より円滑に行うことができる。さらに、PESパケット化部136は、生成するPESパケットに、DTSの値を格納せずに済むので、PESパケットのデータ量を抑えることができる。すなわち、PESパケットのデータ量を、より削減することができる。
なお、本発明は、図4の送信装置111に限らず、オーディオストリーム(オーディオES)のTSパケットを多重化する全ての多重化装置に適用することができる。
また、以上の例では、第1のエンコーダ141によりエンコードされたBSオーディオESと第2のエンコーダ142によりエンコードされたHQオーディオESを、それぞれTSパケット化して1つのストリームに多重化する場合の順番(タイミング)について説明したが、異なる符号化方式により符号化(エンコード)されたオーディオESを、それぞれTSパケット化して、1つのストリームに多重化する場合であれば、他の場合においても適用することができる。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、上述した処理は、図16に示されるようなパーソナルコンピュータ500により実行される。
図16において、CPU501は、ROM502に記憶されているプログラム、または、記憶部508からRAM503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU501、ROM502、およびRAM503は、内部バス504を介して相互に接続されている。この内部バス504にはまた、入出力インターフェース505も接続されている。
入出力インターフェース505には、キーボード、マウスなどよりなる入力部506、CRT,LCDなどよりなるディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクなどより構成される記憶部508、並びに、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部509が接続されている。通信部509は、電話回線やCATVを含む各種のネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インターフェース505にはまた、必要に応じてドライブ510が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどによりなるリムーバブルメディア521が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部508にインストールされる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図16に示されるように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されているリムーバブルメディア521よりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM502や記憶部508が含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、コンピュータプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
従来の符号化装置の構成を説明する図である。 図1の符号化装置が想定するSTDモデルを示す図である。 本発明を適用した送信装置がMPEG2-TSの方式を用いてオーディオストリームを符号化する場合の制約を説明する図である。 図3の送信装置の構成例を示す図である。 BSオーディオESとHQオーディオESのデータの流れを説明する図である。 BSオーディオESとHQオーディオESのデータの構成例を説明する図である。 図4のTS多重化部に入力されるTSを説明する図である。 PESパケットとTSパケットのデータ構造の例を説明する図である。 図3の仮想的なデコーダのモデルの例を示す図である。 図9のオーディオデータデコード処理部の詳細な例を説明する図である。 図10の可変ビットレートのオーディオデコーダを説明する図である。 TSパケット送信処理を説明するフローチャートである。 TSパケット送信処理を説明するフローチャートである。 BSオーディオに対するバッファ占有量の計算処理を説明するフローチャートである。 HQオーディオに対するバッファ占有量の計算処理を説明するフローチャートである。 パーソナルコンピュータの構成例を示す図である。
符号の説明
111 送信装置, 112 仮想的な受信装置, 121 仮想デコーダ, 131 入力部, 132 オーディオエンコーダ, 133 バッファ, 134 抽出情報付加部, 135 制御部, 136 PESパケット化部, 137 TSパケット化部, 138 多重化部, 139 送信部, 141 第1のエンコーダ, 142 第2のエンコーダ, 143 第1のバッファ, 144 第2のバッファ, 171 BSオーディオES, 172 BSオーディオPES, 173 BSオーディオTS, 181 HQオーディオES, 182 HQオーディオPES, 183 HQオーディオTS, 190 トランスポートストリーム, 261 PTS_DTS_flags, 263 PTS, 275 Input timing情報, 341 PIDフィルタ, 361−1,361−2 トランスポートプリオリティフィルタ, 362−1.362−2 トランスポートバッファ, 363−1,363−2 エレメンタリバッファ, 364−1 オーディオデコーダ, 364−2 可変ビットレートのオーディオデコーダ, 391 FIFOバッファ, 392 オーディオデコーダ

Claims (11)

  1. オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化する多重化装置において、
    前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコード手段と、
    前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコード手段と、
    前記第1のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のIDを付加するパケット化手段と、
    前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された前記TSパケットを多重化する多重化手段と
    を備え、
    前記決定手段は、前記第1のエンコード手段によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコード手段によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とする多重化装置。
  2. 前記決定手段は、前記第1の仮想デコーダが有する第1のエレメンタリバッファおよび前記第1のエレメンタリバッファへのデータ転送レートと、前記第2の仮想デコーダが有する第2のエレメンタリバッファおよび前記第2のエレメンタリバッファへのデータ転送レートとに基づいて、前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の多重化装置。
  3. 前記決定手段は、前記第1の仮想デコーダが有する前記第1のエレメンタリバッファと、前記第2の仮想デコーダが有する前記第2のエレメンタリバッファとが、オーバーフローおよびアンダーフローしないように、前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の多重化装置。
  4. 前記多重化手段により多重化された前記TSパケットを記録媒体に記録する記録手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の多重化装置。
  5. 前記オーディオデータの単位は、オーディオアクセスユニットである
    ことを特徴とする請求項1に記載の多重化装置。
  6. 前記第1の仮想デコーダは、前記第1のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファを有し、
    前記第2の仮想デコーダは、前記第2のエレメンタリバッファの前段にトランスポートバッファを有するとともに、前記第2のエレメンタリバッファの後段に、第3のエレメンタリバッファをさらに有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の多重化装置。
  7. 前記決定手段は、前記第3のエレメンタリバッファへの入力タイミングが、前記タイミング値に対するタイミングであると想定して、前記パケット化手段によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の多重化装置。
  8. 前記タイミング値は、前記オーディオストリームの単位が、前記第3のエレメンタリバッファに渡される、オーディオ情報のサンプリング周期で表される値である
    ことを特徴とする請求項7に記載の多重化装置。
  9. オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化する多重化装置の多重化方法において、
    前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップと、
    前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップと、
    前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のIDを付加するパケット化ステップと、
    前記パケット化ステップの処理によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップの処理により決定された前記TSパケットを多重化する多重化ステップと
    を含み、
    前記決定ステップの処理は、前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とする多重化方法。
  10. オーディオデータをTS(Transport Stream)パケットとして多重化するプログラムであって、
    前記オーディオデータを、所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードする第1のエンコードステップと、
    前記オーディオデータを、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値を付加する前記第2の符号化方式でエンコードする第2のエンコードステップと、
    前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータとを、TSパケットにパケット化するとともに、パケット化した複数の前記TSパケットに同一のIDを付加するパケット化ステップと、
    前記パケット化ステップの処理によりパケット化された複数の前記TSパケットの中から、多重化するTSパケットを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップの処理により決定された前記TSパケットを多重化する多重化ステップと
    を含む処理をコンピュータに実行させ、
    前記決定ステップの処理は、前記第1のエンコードステップの処理によりエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記第2のエンコードステップの処理によりエンコードされた前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとを想定し、多重化するTSパケットを決定する
    ことを特徴とするプログラム。
  11. 多重化されたTS(Transport Stream)パケットが記録されている記録媒体であって、
    所定の符号化方式である第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがTSパケット化された複数のTSパケットと、可変長符号化方式であり、かつ、前記第1の符号化方式とは異なる第2の符号化方式であって、所定のオーディオデータの単位ごとに、デコードされる場合に利用されるタイミングを表すタイミング値が付加される前記第2の符号化方式でエンコードされたオーディオデータがパケット化された複数のTSパケットとが、多重化されて記録され、
    前記TSパケットは、
    前記第1の符号化方式でエンコードされたオーディオデータをデコードする第1の仮想デコーダと、前記第2の符号化方式でエンコードされた前記オーディオデータに付加されている前記タイミング値に基づいて、前記オーディオデータをデコードする第2の仮想デコーダとが想定され、多重化すると決定されたTSパケットである
    ことを特徴とする記録媒体。
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