JP2006250653A - 半導体センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止する。
【解決手段】 半導体基板3の表面にピエゾ抵抗体19を形成する工程と、支持部11の形成領域を少なくとも除く半導体基板3の所定の領域を半導体基板3の裏面3b側から選択的に除去する工程を含んで半導体基板3の表面3a側に錘配置部15及び可撓部13を形成する錘配置部形成工程と、錘配置部15の半導体基板3の裏面3b側の面に錘部17を形成する錘部形成工程を含んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体加速度センサや半導体角速度センサなどのピエゾ抵抗体を用いた半導体センサ、及びその製造方法に関し、特に、ピエゾ抵抗体が形成されている可撓部によって支持されている錘部の位置が変化することにより可撓部が撓んだときのピエゾ抵抗体の抵抗値の変化を検出することにより加速度等を検出するのに用いられる半導体センサ及びその製造方法に関するものである。
半導体センサは、例えば走行中の自動車に加わる進行方向又は横方向の加速度の測定や、ビデオカメラの手ぶれの測定などに用いられる。
特許請求の範囲及び本明細書において、半導体基板の語は、半導体材料のみからなるものの他、内部に絶縁膜が形成されているSOI(Silicon-on-Insulator)基板も含む。
半導体センサとしては、自動車等に搭載される加速度センサが知られており、例えば、図10に示すようなピエゾ抵抗体を用いた片持梁式の加速度検出装置がある(例えば特許文献1参照。)。
図10は従来の半導体センサを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)でのA−A’における断面図、(D)は(B)でのB−B’における断面図である。
半導体センサ71は、例えば第2半導体層5と半導体層9によって絶縁層7が挟み込まれて形成されたSOI基板3が加工されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して半導体層9からなる可撓部73が形成されている。可撓部73の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、支持部11とは間隔をもって半導体層9、絶縁層7及び第2半導体層5からなる錘部75が配置されている。錘部75の半導体層9は可撓部73の半導体層9に連続して形成されており、錘部75は可撓部73によって支持されている。
SOI基板3の表面3aに絶縁膜21が形成されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。絶縁膜21上には、複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27が形成されている。パッド電極25上の保護膜27には開口部が形成されている。(A)及び(B)では、保護膜27の図示は省略している。
支持部11の領域の裏面3bにガラス基板29が陽極接合により接合されている。錘部75の端面とガラス基板29は間隔をもっている。
図11は、図10のA−A’位置に対応する工程断面図である。図10及び図11を参照して従来の半導体センサの製造方法を簡単に説明する。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の裏面3bに熱酸化膜69を形成した後、SOI基板3の表面3a側の半導体層9表面近傍にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aに絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成し、スルーホールの形成領域を含んで絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図10を参照。)を形成した後、絶縁膜21の表面に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図11(A)参照。)。
(2)写真製版技術及びエッチング技術により、少なくとも支持部11の形成領域を除いて可撓部73及び錘部75の形成領域の熱酸化膜69を選択的に除去する(図11(B)参照。)。
(3)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11及び錘部75の形成領域を覆い、可撓部73の形成領域に開口部をもつレジストパターン77を形成する。エッチング技術により、レジストパターン77をマスクにして、可撓部73の形成領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図11(C)参照。)。
(4)レジストパターン77を除去した後、錘部75の形成領域の第2半導体層5をSOI基板3の裏面3b側からエッチングし、錘部75の形成領域の第2半導体層5の膜厚を薄くして錘部75を形成する。可撓部73及び錘部75の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部73及び錘部75の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部73及び錘部75を形成する(図10及び図11(D)参照。)。
(5)熱酸化膜69を除去する。このとき、可撓部73の形成領域の絶縁膜7も同時に除去され、半導体層9からなる可撓部13が形成される。(図11(E)参照。)。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図11(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことにより、半導体センサ1を製造工程が完了する(図10参照。)。
ここでは半導体基板としてSOI基板3を用いて半導体センサ71を形成したものを説明したが、半導体基板として半導体材料のみからなるものを用いて半導体センサを形成することもある。
特公平8−7228号公報
従来の半導体センサの製造方法では、半導体基板から錘部及び可撓部を形成していたので、錘部及び可撓部を形成した後の機械的振動や水洗処理等による水圧等の影響により、可撓部が錘部の慣性に耐えられずに破損するという問題があった。
そこで本発明は、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することを目的とするものである。
本発明の半導体センサは、少なくとも一部が半導体層からなる錘配置部と、上記錘配置部に配置された錘部と、上記錘部の周囲に設けられた支持部と、上記錘配置部を支持するために、上記支持部の表面側に設けられ、少なくとも一部が半導体層からなる可撓部と、上記可撓部の半導体層に形成された複数のピエゾ抵抗体とを備え、上記錘部は少なくとも上記錘配置部及び上記可撓部を形成している材料とは異なる材料により形成されているものである。
本発明の半導体センサにおいて上記錘部の材料は上記錘配置部及び上記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいることが好ましい。
例えば上記錘部は上記金属材料を含んでいる金属ペーストで形成されている例を挙げることができる。
また、上記錘部は上記錘配置部上に形成された上記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部と、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部を備えているようにしてもよい。
また、上記錘部は上記錘配置部上に形成された樹脂材料からなる第2樹脂部と上記第2樹脂部上に形成された上記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部を備えていてもよい。
例えば上記第2樹脂部は上記錘配置部と上記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層である例を挙げることができる。
さらに、上記金属部上に樹脂材料からなる樹脂部を備えることもできる。
また、上記樹脂部は上記金属部が周辺雰囲気と接しないように上記金属部を覆っていることが好ましい。
また、上記金属材料は磁性金属を含んでいてもよい。
また、上記錘部は樹脂材料のみで形成されるようにしてもよい。
また、上記錘配置部、上記支持部及び上記可撓部は、表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板から加工されたものであり、上記錘配置部及び上記可撓部は上記半導体層を少なくとも含み、上記支持部は上記半導体層、上記絶縁層及び上記第2半導体層を少なくとも含んでいる例を挙げることができる。
本発明の半導体センサの製造方法は、半導体基板の表面にピエゾ抵抗体を形成する工程と、支持部の形成領域を少なくとも除く上記半導体基板の所定の領域を上記半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで上記半導体基板の表面側に錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、上記錘配置部の上記半導体基板裏面側の面に錘部を形成する錘部形成工程を少なくとも含んでいる。
上記錘部形成工程において、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより上記錘部を形成する例を挙げることができる。ここで液状錘部材料とは、流動性をもつものであって、吐出ノズルから噴出できる程度の粘度をもつ材料をいう。ただし、錘部形成工程は液状錘部材料を用いるものに限定されるものではなく、例えば固体の錘部を錘配置部上に搭載するなどして半導体センサに錘部を形成するようにしてもよい。
上記液状錘部材料として、上記錘配置部及び上記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいるものを用いることが好ましい。
上記液状錘部材料の例として、上記金属材料を含んでいる金属ペーストを挙げることができる。
また、上記錘部形成工程において、上記液状錘部材料として上記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、上記錘配置部上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにしてもよい。
また、上記錘部形成工程において、上記液状錘部材料として第2未硬化樹脂と上記金属材料を含んでいる金属ペーストを用い、上記錘配置部上に上記第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、上記第2未硬化樹脂層及び上記金属ペースト層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、上記第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部をもつ錘部を形成するようにしてもよい。
さらに、上記第2樹脂部は上記錘配置部と上記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するようにしてもよい。
また、上記液状錘部材料として未硬化樹脂をさらに用い、上記金属ペースト層を形成した後さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、上記第2未硬化樹脂層、上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えた錘部を形成するようにしてもよい。
また、上記未硬化樹脂層の形成領域を制御して上記樹脂部を上記金属部が周辺雰囲気と接しないように上記金属部を覆って形成することが好ましい。
また、上記未硬化樹脂と上記第2未硬化樹脂は同じ材料である例を挙げることができる。
また、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにしてもよい。
また、上記液状錘部材料として未硬化樹脂を用いるようにしてもよい。
また、上記半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、上記錘配置部形成工程において、上記絶縁層をエッチングストッパ層として上記錘配置部及び上記可撓部の形成領域の上記第2半導体層を除去するようにしてもよい。
本発明の半導体センサでは、錘部は錘配置部及び可撓部とは異なる材料によって形成されているようにし、
本発明の半導体センサの製造方法では、ピエゾ抵抗体を形成する工程と、半導体基板の所定の領域を半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、錘配置部の半導体基板裏面側の面に錘部を形成する錘部形成工程を少なくとも含んでいるようにしたので、
錘部と可撓部を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部を形成した後であって錘部を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部が破損することを防ぐことができ、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することができる。
本発明の製造方法において、上記錘部形成工程は、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより上記錘部を形成するようにすれば、例えばインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式(ピエゾジェット方式とも呼ばれる)プリンタヘッドと同様の構造をもつ吐出ノズルを用いて錘部を容易かつ高精度に形成することができる。
本発明の半導体センサにおいて、錘部の材料は錘配置部及び可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいる、例えば金属ペーストにより形成されているようにし、
本発明の製造方法において、液状錘部材料として、錘配置部及び可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいるもの、例えば金属ペーストを用いるようにすれば、
錘部が可撓部と同じ材料で形成されている従来の半導体センサと比べて、同じ重量を錘部にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部の体積を小さくすることができる。これにより、錘部の形成面積を小さくすることができ、半導体センサの平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサの錘部と同程度の体積の錘部を備えているようにすれば、錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
本発明の半導体センサにおいて、錘部は錘配置部上に形成された上記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部と、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部を備えているようにし、
本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として上記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、錘配置部上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにすれば、
錘部の移動範囲を規制するために半導体センサの裏面(可撓部とは反対側の面)に配置される規制板、例えばガラス基板に金属部が衝突することを防ぐことができる。これにより、規制板及び金属部の損傷を防ぐことができる。
本発明の半導体センサにおいて、錘部は錘配置部上に形成された樹脂材料からなる第2樹脂部と第2樹脂部上に形成された上記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部を備えていているようにし、
本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として第2未硬化樹脂と上記金属材料を含んでいる金属ペーストを用い、錘配置部上に第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、第2未硬化樹脂層及び金属ペースト層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部をもつ錘部を形成するようにすれば、
錘部の重心を錘配置部から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、第2樹脂部は錘配置部と金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するものであるようにすれば、錘部が錘配置部から脱落するのを防止することができる。
さらに、本発明の半導体センサにおいて、第2樹脂部上に形成された金属部上に樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えているようにし、
本発明の製造方法の錘部形成工程において、上記液状錘部材料として第2未硬化樹脂、金属ペースト及び未硬化樹脂を用い、第2未硬化樹脂層及び金属ペースト層を形成した後さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、第2未硬化樹脂層、金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えた錘部を形成するようにすれば、
錘部の移動範囲を規制するために半導体センサの裏面に配置される規制板、例えばガラス基板に金属部が衝突することを防ぐことができ、規制板及び金属部の損傷を防ぐことができる。
さらに、本発明の製造方法において、未硬化樹脂と第2未硬化樹脂は同じ材料であるようにすれば、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができ、用いるノズルの種類を減らすことができる。
さらに、本発明の半導体センサにおいて、金属部上に形成されている樹脂部は金属部が周辺雰囲気と接しないように金属部を覆っているようにし、
本発明の製造方法の錘部形成工程において、未硬化樹脂層の形成領域を制御して樹脂部を金属部が周辺雰囲気と接しないように金属部を覆って形成するようにすれば、
金属部を錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部の腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
本発明の半導体センサ及び製造方法において、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにすれば、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
本発明の半導体センサにおいて、錘部は樹脂材料のみで形成されるようにし、
本発明の製造方法において、液状錘部材料として未硬化樹脂を用いるようにすれば、
金属ペーストにより形成された錘部と体積が同じ場合に、半導体センサの重量を軽くすることができる。
本発明の半導体センサにおいて、錘配置部、支持部及び可撓部は、表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板から加工されたものであり、錘配置部及び可撓部は半導体層を少なくとも含み、支持部は半導体層、絶縁層及び第2半導体層を少なくとも含んでいるようにし、
本発明の半導体センサにおいて、半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、錘配置部形成工程において、絶縁層をエッチングストッパ層として錘配置部及び可撓部の形成領域の第2半導体層を除去するようにすれば、
第2半導体層をエッチングして可撓部及び錘配置部の形成領域の第2半導体層を除去するときに、絶縁層をエッチングストッパとして用いることでエッチングの深さを制御するのが容易になる。これにより、可撓部の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサの感度の精度を向上させることができる。
図1は、半導体センサの一実施例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。図1を参照してこの実施例を説明する。
この実施例の半導体センサ1は例えば平面サイズが2.0×2.5mm(ミリメートル)、厚みが400μm(マイクロメートル)程度のSOI基板3から形成されたものである。例えば、SOI基板3は、膜厚が380μm程度のシリコンからなる第2半導体層5と、膜厚が2μm程度のシリコン酸化膜からなる絶縁層7と、膜厚が10μm程度のシリコンからなる半導体層9が積層されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる4本の可撓部13が形成されている。例えば可撓部13の長さ寸法は0.4mm、幅寸法は0.09mmである。可撓部13の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、可撓部13に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる錘配置部15が形成されている。錘配置部15の、絶縁層7の半導体層9とは反対側の面に錘部17が形成されている。錘配置部15及び錘部17の平面サイズは0.9×0.9mm、錘部17の高さは370μmである。錘部17は支持部11とは間隔をもって配置されている。錘部17は半導体層及び絶縁層7よりも比重が重い金属ペースト、ここでは銀ペーストにより形成されている。
これにより、ピエゾ抵抗型3軸半導体加速度センサが形成されている。
SOI基板3の表面3aに、例えば膜厚が0.8μmの絶縁膜21が形成されている。絶縁膜21としては、シリコン酸化膜、例えばNSG(non-doped silicon glass)膜、BPSG(Borophospho silicate grass)膜、PSG(phospho silicate glass)膜などを用いることができる。
絶縁膜21上に、例えば膜厚が1.0μmのアルミニウムからなる複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。例えば、金属配線パターン23の線幅は1.4μm、ピッチは1.5μmであり、パッド電極25の平面サイズは70×70mmである。パッド電極25は支持部11に配置されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に絶縁膜からなる保護膜27が形成されている。保護膜27としては例えば下層がシリコン酸化膜、上層がシリコン窒化膜の積層膜からなるパッシベーション膜を用いることができる。パッド電極25上の保護膜27には、開口部が形成されている。(A)及び(B)では保護膜27の図示は省略している。
SOI基板3の裏面3b側の、支持部11の第2半導体層5の面に、錘部17の移動範囲を規制するための規制板としてのガラス基板29が、例えば陽極接合により接合されている。錘部17とガラス基板29の間隔は例えば10μmである。
図2は、図1の半導体センサを製造するための、製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図2は図1のA−A’位置に対応している。図3はこの実施例で用いる半導体センサの製造装置の一例を示す概略構成図である。まず、図3を参照して半導体センサの製造装置について説明する。
ピエゾ抵抗体19が形成されたSOI基板3を、裏面3bを上方側にして保持するための基板保持部31が設けられている。基板保持部31にはSOI基板3を保持する面に真空吸着用の小さな開口部(図示は省略)が設けられており、その開口部は吸引経路を介して排気装置(図示は省略)に接続されている。これにより、基板保持部31にSOI基板3を吸着保持できるように構成されている。基板保持部31には、SOI基板3を加熱するためのヒーター33と、基板保持部31の温度を測定するための温度センサ35が設けられている。
基板保持部31を位置決めするためのステージ部37が設けられている。ステージ部37はモータなどの駆動部(図示は省略)により、基板保持部31を水平方向及び高さ方向に移動させ、水平面で回転させる機能を備えている。
ステージ部37の上方に、液状錘部材料を噴出するための吐出ヘッド39と、SOI基板3の画像情報を取得するための画像情報カメラ61が設けられている。
図4は吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。
吐出ヘッド39のSOI基板3と対向する面に複数の吐出ノズル41が直線上又はアレイ状に配置されている。吐出ノズル41を図3では2個のみ、図4では1個のみ示している。吐出ノズル41ごとに液状錘部材料を収容するための液収容部43が設けられている。
液収容部43は液供給流路45及び吐出容器47を介して吐出ノズル41に接続されている。液供給流路45の壁面の一部は可撓性を有する薄膜49により構成されている。薄膜49の液供給流路45とは反対側にピエゾ素子51が設けられている。吐出ヘッド39には液状錘部材料を加熱するためのヒーター53と液状錘部材料の温度を測定するための温度センサ55も設けられている。
吐出ヘッド39の動作について説明する。吐出ヘッド39では、ピエゾ素子51が変形する際の圧力を利用して液状錘部材料の液滴40aの噴出を行なう。例えばピエゾ素子51に電圧がかかるとピエゾ素子51は伸張し、液供給流路45が加圧され、その圧力により所定量の液状錘部材料の液滴40aが吐出ノズル41から噴出される(図4(B)参照。)。
ピエゾ素子51が復元するとき、液収容部43から液供給流路45に液状錘部材料が吸引される(図4(A)参照。)。吐出ヘッド39から噴出される液状錘部材料の液滴量は例えば0.05ナノリットルである。この実施例で用いている吐出ヘッド39はインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式プリンタヘッドと同様の構造をもっている。
図3に戻って説明を続けると、ステージ部37及び吐出ヘッド39に電気的に接続され、それらの動作を制御するための制御部57が設けられている。ステージ部37の近傍に、ステージ部37の位置情報を取得するためのステージ位置検出器59が設けられている。制御部57は温度センサ35、画像情報カメラ61及びステージ位置検出器59にも電気的に接続されている。温度センサ35及び温度センサ55の温度情報、画像情報カメラ61の画像情報、ステージ位置検出器59のステージ位置情報は制御部57へ送られる。制御部57には設定情報などを表示するためのモニター63も電気的に接続されている。
図1、図2及び図3を参照して半導体センサの製造方法の一実施例を説明する。図2では半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として金属ペースト、ここでは直径2〜3nmの銀粒子を溶剤(テトラデカン)に溶かした銀ペースト(ファインスフェア(登録商標)、日本ペイント株式会社の製品、ペースト固形分50wt%(重量パーセント)、比重10、粘度は20Pa・s)を用いた。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の、可撓部13の形成領域半の導体層9にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aにピエゾ抵抗体19を覆って絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成した後、絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図1を参照。)を形成する。金属配線パターン23及びパッド電極25の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図2(A)参照。)。
(2)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11の形成領域を覆い、可撓部13及び錘配置部15の形成領域に開口部をもつ膜厚が10μm程度のレジストパターン30を形成する。エッチング技術により、レジストパターン30をマスクにして、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を含む、支持部11の形成領域に囲まれた領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図2(B)参照。)。
(3)レジスト30を除去した後、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部13及び錘配置部15の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部13及び錘配置部15を形成する(図1及び図2(C)参照。)。
ここでは可撓部13及び錘配置部15を形成するためのエッチングをSOI基板3の裏面3b側から行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、SOI基板3の表面3a側からエッチングを行なってもよい。
(4)SOI基板3の裏面3bを上方側にして、図3及び図4を参照して説明した製造装置の基板保持部31に配置する。基板保持部31は保護膜27を真空吸着して保持する。
図3及び図4で説明した制御部57により、温度センサ55からの温度情報に基づいてヒーター53の加熱を制御し、吐出ヘッド39の液収容部43内、液供給流路45内及び吐出容器47内の液状錘部材料、ここでは銀ペーストの温度を制御する。また、温度センサ35からの温度情報に基づいてヒーター33の加熱を制御して、SOI基板3の温度を制御する。
制御部57の制御により、画像情報カメラ61からの画像情報に基づいてステージ部37を動作させて基板保持部31に保持された半導体ウエハSOI基板3の位置合わせを行なう。制御部57は画像情報カメラ61からの半導体SOI基板3の画像情報に基づいて、銀ペーストの液滴40aを付着させるべきSOI基板3の錘配置部15の位置を判断する。
ステージ位置検出器59からのステージ位置情報と照らし合わせ、ステージ部37及び吐出ヘッド39へ駆動信号を送り、半導体SOI基板3を吸着した基板保持部31を順次位置決めするとともに、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15に銀ペーストを塗布して銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば絶縁層7上での銀ペーストの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図2(D)参照。)。
SOI基板3を加熱しながら塗布することにより、液だれを防ぐことができ、これにより厚い銀ペースト層42aの形成が可能となる。
吐出ヘッド39から噴出される銀ペーストの液滴40aの容積は、例えば最小で5ナノリットル程度にまで精度よく制御できるので、液滴40aは周囲の境界に精度が必要な場合は、例えば数μm程度の精度に対応できる液滴量に制御することもできる。
(5)SOI基板3を製造装置から取り出し、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて錘部17を形成する(図2(E)参照。)。例えば、SOI基板3を真空雰囲気下に置くことにより、銀ペーストに含まれる有機物を揮発させることができる。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図2(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部17が銀ペーストで形成されている半導体センサ1の製造工程が完了する(図1参照。)。
半導体センサの上記実施例では錘部17は錘配置部13及び可撓部13とは異なる材料である銀ペーストによって形成されているようにし、製造方法の上記実施例では、ピエゾ抵抗体19を形成する工程と、SOI基板3の所定の領域をSOI基板3の裏面3b側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部15及び可撓部13を形成する錘配置部形成工程と、錘配置部15のSOI基板3の裏面3b側の面に錘部17を形成する錘部形成工程を含んでいるので、錘部17と可撓部13を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部13を形成した後であって錘部17を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部13が破損することを防ぐことができ、半導体センサ1の製造工程における可撓部13の破損を防止することができる。
さらに、半導体センサの上記実施例では錘部13の材料は錘配置部15及び可撓部13を形成している材料、ここでは半導体層9及び絶縁層7よりも比重の重い金属材料、ここでは銀ペーストにより形成されているようにし、製造方法の上記実施例では、液状錘部材料として銀ペーストを用いているので、錘部75が可撓部73及び支持部11と同じ材料で形成されている従来の半導体センサ71(図10参照。)の錘部75と比べて、同じ重量を錘部17にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部17の体積を小さくすることができる。これにより、錘部17の形成面積を小さくすることができ、半導体センサ1の平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサ71の錘部75と同程度の体積の錘部17を備えているようにすれば、半導体センサ1において錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
さらに、半導体センサの上記実施例では半導体センサ1はSOI基板3から加工されているようにし、製造方法の上記実施例では、半導体基板としてSOI基板3を用い、絶縁層7をエッチングストッパ層として錘配置部15及び可撓部13の形成領域の第2半導体層5を除去しているので、第2半導体層5をエッチングして可撓部13及び錘配置部15の形成領域の第2半導体層5を除去するときにエッチングの深さを制御するのが容易になり、可撓部13の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサ1の感度の精度を向上させることができる。
図5は半導体センサの製造方法の他の実施例を説明するための工程断面図である。図5(E)は半導体センサの他の実施例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図5(E)を参照して半導体センサの実施例を説明する。
この実施例が図1を参照して説明した実施例と異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17bと樹脂部上に形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17bはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものであり、金属部17aは銀ペーストによって形成されたものである。第2樹脂部17bは錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための密着性向上層として機能する。第2樹脂部17bの膜厚は例えば1μmである。
図5を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図5では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図2を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
未硬化のエポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40bを適宜噴出させて、錘配置部15にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42bを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上でのエポキシ樹脂層42bの膜厚が1μm程度になるようにSOI基板3の温度を120℃に制御しながら、エポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図5(A)参照。)。
(2)SOI基板3を、例えば温度は150℃、時間は30分の条件で熱処理を施し、エポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する(図5(B)参照。)。
(3)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、第2樹脂部17bに銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば第2樹脂部17b上での銀ペースト層42aの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図5(C)参照。)。
(4)図2(E)を参照して説明した上記工程(5)と同様にして、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する。これにより、金属部17aと第2樹脂部17bからなる錘部が形成される(図5(D)参照。)。
(5)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと第2樹脂部17bで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図5(E)参照。)。
この半導体センサの実施例及び製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための第2樹脂部17bを備えているので、錘配置部15から金属部17aが脱落するのを防止することができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図5を参照して説明した製造方法の上記実施例では、第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する工程(上記工程(2)及び図5(B)参照。)と、金属ペースト層としての銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する工程(上記工程(4)及び図5(D)参照。)を別々の工程で行なっているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層と金属ペースト層を同時に硬化させて第2樹脂部と金属部を形成するようにしてもよい。
図6は半導体センサの製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図である。図6(D)は半導体センサのさらに他の実施例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図6(D)を参照して半導体センサの実施例を説明する。
この実施例が図1を参照して説明した実施例と異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された金属部17aと、錘配置部15上及び金属部17a上に形成された樹脂部17cによって形成されている点である。例えば、樹脂部17cはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものである。樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。
図6を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図6では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図6を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15の中央側に錘配置部15の面積よりもわずかに小さく銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上での銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図6(A)参照。)。
(2)エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40cを適宜噴出させて、銀ペースト層42aを覆うように錘配置部15上及び銀ペースト層42a上にエポキシ樹脂層(未硬化樹脂層)42cを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42a上でのエポキシ樹脂層42cの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図6(B)参照。)。
(3)銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cを硬化させて金属部17a及び樹脂部17cを形成する。これにより、金属部17aと、金属部17aを覆っている樹脂部17cからなる錘部が形成される(図6(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと、金属部17aを覆う樹脂部17cで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図6(D)参照。)。
この半導体センサの実施例及び製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された銀ペーストからなる金属部17aと、金属部17a上に形成されたエポキシ樹脂からなる樹脂部17cを備えているので、金属部17aよりも柔らかい樹脂部17cにより、硬い金属部17aがガラス基板29に衝突することを防ぐことができ、ガラス基板29及び金属部17aの損傷を防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っているので、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
図6に示した実施例では、錘配置部15に金属部17a及び樹脂部17cが直接接しているが、金属部17a及び樹脂部17cと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていてもよい。この場合、少なくとも金属部17aと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていることが好ましい。
また、図6を参照して説明した製造方法の上記実施例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42cを同時に硬化させて金属部17aと樹脂部17cを形成しているが(上記工程(3)及び図6(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成した後、少なくとも金属部上に未硬化樹脂層を形成し、その後、未硬化樹脂層を硬化させて樹脂部を形成するようにしてもよい。
図7は半導体センサの製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図である。図7(D)は半導体センサのさらに他の実施例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図7(D)を参照して半導体センサの実施例を説明する。
この実施例が図1を参照して説明した実施例と異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17dと、第2樹脂部17dに形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17dはエポキシ樹脂が硬化されて形成されたものである。
図7を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図7では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図7を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40dを適宜噴出させて、錘配置部15上にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42dを形成する。ここでは、エポキシ樹脂層42dの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図7(A)参照。)。
(2)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、エポキシ樹脂層42d上に銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図7(B)参照。)。
(3)エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aを硬化させて金属部17a及び第2樹脂部17dを形成する。これにより、第2樹脂部17dと金属部17aからなる錘部が形成される(図7(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が第2樹脂部17dと金属部17aで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図7(D)参照。)。
この半導体センサの実施例及び製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図7を参照して説明した製造方法の上記実施例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42dを同時に硬化させて金属部17aと第2樹脂部17dを形成しているが(上記工程(3)及び図7(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層を硬化させて第2樹脂部を形成した後、第2樹脂部上に金属ペースト層を形成し、その後、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成するようにしてもよい。
図8(A)から(F)は半導体センサのさらに他の実施例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図7と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらの実施例においても図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
(A)に示した実施例では、錘部が錘配置部15側から順に第2樹脂部17d、金属部17a、樹脂部17cが順に積層されて形成されている。
この実施例では、第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された金属部17aと金属部17a上に形成された樹脂部17cを備えているので、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cと第2樹脂部17dは同じ材料、ここではエポキシ樹脂で形成されたものである。これにより、吐出ノズルを用いた本発明の製造方法において、樹脂部17c用の未硬化樹脂と第2樹脂部17d用の第2未硬化樹脂として同じ材料を用いることができ、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができるので、用いるノズルの種類を減らすことができる。
(B)に示した実施例では、(A)に示した実施例と比較して、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。これにより、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
(C)に示した実施例では、錘部は樹脂部17cのみによって形成されている。これにより、金属ペーストにより形成された錘部と体積が同じ場合に、半導体センサの重量を軽くすることができる。
(D)に示した実施例では、(B)に示した実施例と比較して、第2樹脂部17dは密着性向上層として機能する第2樹脂部17bを介して錘配置部15上に形成されている。これにより、錘部の脱落を防止することができる。
図8(A)から(D)に示した実施例は、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例と同様にして形成することができる。
(E)に示した実施例では、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁層9が除去されて可撓部13及び錘配置部15は半導体層9で形成されている。
この実施例の構造は、図2を参照して説明した上記実施例の上記工程(2)又は上記工程(3)において、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁膜7を除去する工程を含むことにより形成することができる。
(F)に示した実施例では、半導体センサの基材となる半導体基板として、SOI基板ではなくシリコン基板69が用いられている。
この実施例の構造は、図2を参照して説明した上記実施例と同様の工程によって、半導体基板としてシリコン基板を用いることで形成することができる。
また、錘部17及び金属部17aの材料として例えば鉄やニッケルなどの磁性金属を含むものを用いてもよい。これにより、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
図9(A)から(D)は半導体センサのさらに他の実施例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図8と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらの実施例においても図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
(A)に示した実施例では、図7(D)に示した実施例と比較して、第2樹脂部17dの上面に凹部が形成されており、金属部17aは第2樹脂部17dの凹部内に形成されている。
金属部17aが第2樹脂部17dの上面に形成された凹部内に形成されていることにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第2樹脂部17dの凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(B)に示した実施例では、(A)に示した実施例と比較して、金属部17a上及び第2樹脂部17d上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c及び第2樹脂部17dによって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
図9(A)及び(B)に示した実施例は、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例と同様にして形成することができる。
(C)に示した実施例では、錘配置部15の周縁部に第3樹脂部17eが枠状に形成されており、第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部に金属部17aが形成されている。これにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(D)に示した実施例では、(C)に示した実施例と比較して、樹脂部17c錘配置部15の周縁部に枠状に形成された第3樹脂部17eと、その内部に形成された金属部17aを覆うように形成されている。これにより、金属部17a上に樹脂部17cを備えているので、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aの損傷を防ぐことができる。
(D)に示した実施例では、(C)に示した実施例と比較して、金属部17a上及び第3樹脂部17e上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c、第3樹脂部17d及び錘配置部15によって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、金属部17aの腐食等を防止して半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、寸法、形状、材料、配置、温度等の製造工程の条件などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、金属材料を含む金属ペーストとして銀ペーストの材料に銀を用いたが、金、白金、チタン、銅、ビスマス、ニッケルなどの他の銀も利用することができる。
また、上記の製造方法の実施例では、錘部17の形成をガラス板29の貼付け及び切出し前に実施しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、可撓部13及び錘配置部15を形成した後、半導体センサを個片化するための切り出しを実施し、その後、錘部17を形成し、チップ単位でガラスをはりあわせてもよい。この場合、切出し時の振動による機械的影響や水圧等による錘部17への影響が軽減されて、可撓部11の破損を防ぐことができる。
また、上記の製造方法の実施例では、SOI基板3を加熱しながら錘部17、金属部17a及び樹脂部17b,17c,17d,17eを形成しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
液状錘部材料として揮発性が高い溶剤を用いたものを用いるようにすれば、SOI基板3を加熱することなく、錘部を形成することができる。例えば、金属部17aの形成に関して、図9(A)から(D)に示すように、金属部17aを樹脂部17d又は17eによって形成された凹部に形成するようにすれば、金属部17a用の金属ペーストとして、揮発性が高い溶剤を媒体とし流動性が高い金属ペーストを用いることができる。
また、本発明の製造方法で行なうエッチング技術は、ドライエッチング技術であってもよいし、ウエットエッチング技術であってもよい。
半導体センサの一実施例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 同実施例で用いる製造装置の一例を示す概略構成図である。 製造装置の吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。 製造方法の他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサの他の実施例を示す断面図である。 製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の実施例を示す断面図である。 製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の実施例を示す断面図である。 半導体センサのさらに他の実施例を示す断面図である。 半導体センサのさらに他の実施例を示す断面図である。 従来の半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 従来の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
符号の説明
1 半導体センサ
3 SOI基板
3a SOI基板の表面
3b SOI基板の裏面
5 第2半導体層
7 絶縁層
9 半導体層
11 支持部
13 可撓部
15 錘配置部
17 錘部
17a 金属部
17b,17d 第2樹脂部
17c 樹脂部
19 ピエゾ抵抗体
本発明は、半導体加速度センサや半導体角速度センサなどのピエゾ抵抗体を用いた半導体センサ製造方法に関し、特に、ピエゾ抵抗体が形成されている可撓部によって支持されている錘部の位置が変化することにより可撓部が撓んだときのピエゾ抵抗体の抵抗値の変化を検出することにより加速度等を検出するのに用いられる半導体センサ製造方法に関するものである。
半導体センサは、例えば走行中の自動車に加わる進行方向又は横方向の加速度の測定や、ビデオカメラの手ぶれの測定などに用いられる。
特許請求の範囲及び本明細書において、半導体基板の語は、半導体材料のみからなるものの他、内部に絶縁膜が形成されているSOI(Silicon-on-Insulator)基板も含む。
半導体センサとしては、自動車等に搭載される加速度センサが知られており、例えば、図10に示すようなピエゾ抵抗体を用いた片持梁式の加速度検出装置がある(例えば特許文献1参照。)。
図10は従来の半導体センサを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)でのA−A’における断面図、(D)は(B)でのB−B’における断面図である。
半導体センサ71は、例えば第2半導体層5と半導体層9によって絶縁層7が挟み込まれて形成されたSOI基板3が加工されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して半導体層9からなる可撓部73が形成されている。可撓部73の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、支持部11とは間隔をもって半導体層9、絶縁層7及び第2半導体層5からなる錘部75が配置されている。錘部75の半導体層9は可撓部73の半導体層9に連続して形成されており、錘部75は可撓部73によって支持されている。
SOI基板3の表面3aに絶縁膜21が形成されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。絶縁膜21上には、複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27が形成されている。パッド電極25上の保護膜27には開口部が形成されている。(A)及び(B)では、保護膜27の図示は省略している。
支持部11の領域の裏面3bにガラス基板29が陽極接合により接合されている。錘部75の端面とガラス基板29は間隔をもっている。
図11は、図10のA−A’位置に対応する工程断面図である。図10及び図11を参照して従来の半導体センサの製造方法を簡単に説明する。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の裏面3bに熱酸化膜69を形成した後、SOI基板3の表面3a側の半導体層9表面近傍にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aに絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成し、スルーホールの形成領域を含んで絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図10を参照。)を形成した後、絶縁膜21の表面に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図11(A)参照。)。
(2)写真製版技術及びエッチング技術により、少なくとも支持部11の形成領域を除いて可撓部73及び錘部75の形成領域の熱酸化膜69を選択的に除去する(図11(B)参照。)。
(3)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11及び錘部75の形成領域を覆い、可撓部73の形成領域に開口部をもつレジストパターン77を形成する。エッチング技術により、レジストパターン77をマスクにして、可撓部73の形成領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図11(C)参照。)。
(4)レジストパターン77を除去した後、錘部75の形成領域の第2半導体層5をSOI基板3の裏面3b側からエッチングし、錘部75の形成領域の第2半導体層5の膜厚を薄くして錘部75を形成する。可撓部73及び錘部75の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部73及び錘部75の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部73及び錘部75を形成する(図10及び図11(D)参照。)。
(5)熱酸化膜69を除去する。このとき、可撓部73の形成領域の絶縁膜7も同時に除去され、半導体層9からなる可撓部13が形成される。(図11(E)参照。)。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図11(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことにより、半導体センサ1を製造工程が完了する(図10参照。)。
ここでは半導体基板としてSOI基板3を用いて半導体センサ71を形成したものを説明したが、半導体基板として半導体材料のみからなるものを用いて半導体センサを形成することもある。
特公平8−7228号公報
従来の半導体センサの製造方法では、半導体基板から錘部及び可撓部を形成していたので、錘部及び可撓部を形成した後の機械的振動や水洗処理等による水圧等の影響により、可撓部が錘部の慣性に耐えられずに破損するという問題があった。
そこで本発明は、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することを目的とするものである。
本発明の半導体センサの製造方法は、半導体基板の表面にピエゾ抵抗体を形成する工程と、支持部の形成領域を少なくとも除く上記半導体基板の所定の領域を上記半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで上記半導体基板の表面側に錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部の上記半導体基板裏面側の面上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより錘部を形成する錘部形成工程をその順に少なくとも含んでいる。
ここで液状錘部材料とは、流動性をもつものであって、吐出ノズルから噴出できる程度の粘度をもつ材料をいう
上記液状錘部材料として、上記錘配置部及び上記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいるものを用いることが好ましい。
上記液状錘部材料の例として、上記金属材料を含んでいる金属ペーストを挙げることができる。
また、上記錘部形成工程において、上記液状錘部材料として上記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、上記錘配置部上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにしてもよい。
また、上記錘部形成工程において、上記液状錘部材料として第2未硬化樹脂と上記金属材料を含んでいる金属ペーストを用い、上記錘配置部上に上記第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、上記第2未硬化樹脂層及び上記金属ペースト層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、上記第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部をもつ錘部を形成するようにしてもよい。
さらに、上記第2樹脂部は上記錘配置部と上記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するようにしてもよい。
また、上記液状錘部材料として未硬化樹脂をさらに用い、上記金属ペースト層を形成した後さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、上記第2未硬化樹脂層、上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えた錘部を形成するようにしてもよい。
また、上記未硬化樹脂層の形成領域を制御して上記樹脂部を上記金属部が周辺雰囲気と接しないように上記金属部を覆って形成することが好ましい。
また、上記未硬化樹脂と上記第2未硬化樹脂は同じ材料である例を挙げることができる。
また、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにしてもよい。
また、上記液状錘部材料として未硬化樹脂を用いるようにしてもよい。
また、上記半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、上記錘配置部形成工程において、上記絶縁層をエッチングストッパ層として上記錘配置部及び上記可撓部の形成領域の上記第2半導体層を除去するようにしてもよい。
本発明の半導体センサの製造方法では、ピエゾ抵抗体を形成する工程と、半導体基板の所定の領域を半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部の上記半導体基板裏面側の面上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより錘部を形成する錘部形成工程をその順に少なくとも含んでいるようにしたので、
錘部と可撓部を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部を形成した後であって錘部を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部が破損することを防ぐことができ、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することができる。
さらに、本発明の製造方法において、上記錘部形成工程は、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより上記錘部を形成するようにしたので、例えばインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式(ピエゾジェット方式とも呼ばれる)プリンタヘッドと同様の構造をもつ吐出ノズルを用いて錘部を容易かつ高精度に形成することができる。
本発明の製造方法において、液状錘部材料として、錘配置部及び可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいるもの、例えば金属ペーストを用いるようにすれば、
錘部が可撓部と同じ材料で形成されている従来の半導体センサと比べて、同じ重量を錘部にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部の体積を小さくすることができる。これにより、錘部の形成面積を小さくすることができ、半導体センサの平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサの錘部と同程度の体積の錘部を備えているようにすれば、錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として上記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、錘配置部上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにすれば、
錘部の移動範囲を規制するために半導体センサの裏面(可撓部とは反対側の面)に配置される規制板、例えばガラス基板に金属部が衝突することを防ぐことができる。これにより、規制板及び金属部の損傷を防ぐことができる。
本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として第2未硬化樹脂と上記金属材料を含んでいる金属ペーストを用い、錘配置部上に第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、第2未硬化樹脂層及び金属ペースト層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部をもつ錘部を形成するようにすれば、
錘部の重心を錘配置部から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、第2樹脂部は錘配置部と金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するものであるようにすれば、錘部が錘配置部から脱落するのを防止することができる。
本発明の製造方法の錘部形成工程において、上記液状錘部材料として第2未硬化樹脂、金属ペースト及び未硬化樹脂を用い、第2未硬化樹脂層及び金属ペースト層を形成した後さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、第2未硬化樹脂層、金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えた錘部を形成するようにすれば、
錘部の移動範囲を規制するために半導体センサの裏面に配置される規制板、例えばガラス基板に金属部が衝突することを防ぐことができ、規制板及び金属部の損傷を防ぐことができる。
さらに、本発明の製造方法において、未硬化樹脂と第2未硬化樹脂は同じ材料であるようにすれば、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができ、用いるノズルの種類を減らすことができる。
本発明の製造方法の錘部形成工程において、未硬化樹脂層の形成領域を制御して樹脂部を金属部が周辺雰囲気と接しないように金属部を覆って形成するようにすれば、
金属部を錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部の腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
本発明製造方法において、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにすれば、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
本発明の製造方法において、液状錘部材料として未硬化樹脂を用いるようにすれば、
金属ペーストにより形成された錘部と体積が同じ場合に、半導体センサの重量を軽くすることができる。
本発明製造方法において、半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、錘配置部形成工程において、絶縁層をエッチングストッパ層として錘配置部及び可撓部の形成領域の第2半導体層を除去するようにすれば、
第2半導体層をエッチングして可撓部及び錘配置部の形成領域の第2半導体層を除去するときに、絶縁層をエッチングストッパとして用いることでエッチングの深さを制御するのが容易になる。これにより、可撓部の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサの感度の精度を向上させることができる。
図1は、本発明の製造方法により製造した半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。図1を参照してこの実施例を説明する。
半導体センサ1は例えば平面サイズが2.0×2.5mm(ミリメートル)、厚みが400μm(マイクロメートル)程度のSOI基板3から形成されたものである。例えば、SOI基板3は、膜厚が380μm程度のシリコンからなる第2半導体層5と、膜厚が2μm程度のシリコン酸化膜からなる絶縁層7と、膜厚が10μm程度のシリコンからなる半導体層9が積層されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる4本の可撓部13が形成されている。例えば可撓部13の長さ寸法は0.4mm、幅寸法は0.09mmである。可撓部13の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、可撓部13に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる錘配置部15が形成されている。錘配置部15の、絶縁層7の半導体層9とは反対側の面に錘部17が形成されている。錘配置部15及び錘部17の平面サイズは0.9×0.9mm、錘部17の高さは370μmである。錘部17は支持部11とは間隔をもって配置されている。錘部17は半導体層及び絶縁層7よりも比重が重い金属ペースト、ここでは銀ペーストにより形成されている。
これにより、ピエゾ抵抗型3軸半導体加速度センサが形成されている。
SOI基板3の表面3aに、例えば膜厚が0.8μmの絶縁膜21が形成されている。絶縁膜21としては、シリコン酸化膜、例えばNSG(non-doped silicon glass)膜、BPSG(Borophospho silicate grass)膜、PSG(phospho silicate glass)膜などを用いることができる。
絶縁膜21上に、例えば膜厚が1.0μmのアルミニウムからなる複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。例えば、金属配線パターン23の線幅は1.4μm、ピッチは1.5μmであり、パッド電極25の平面サイズは70×70mmである。パッド電極25は支持部11に配置されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に絶縁膜からなる保護膜27が形成されている。保護膜27としては例えば下層がシリコン酸化膜、上層がシリコン窒化膜の積層膜からなるパッシベーション膜を用いることができる。パッド電極25上の保護膜27には、開口部が形成されている。(A)及び(B)では保護膜27の図示は省略している。
SOI基板3の裏面3b側の、支持部11の第2半導体層5の面に、錘部17の移動範囲を規制するための規制板としてのガラス基板29が、例えば陽極接合により接合されている。錘部17とガラス基板29の間隔は例えば10μmである。
図2は、図1の半導体センサを製造するための、製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図2は図1のA−A’位置に対応している。図3はこの実施例で用いる半導体センサの製造装置の一例を示す概略構成図である。まず、図3を参照して半導体センサの製造装置について説明する。
ピエゾ抵抗体19が形成されたSOI基板3を、裏面3bを上方側にして保持するための基板保持部31が設けられている。基板保持部31にはSOI基板3を保持する面に真空吸着用の小さな開口部(図示は省略)が設けられており、その開口部は吸引経路を介して排気装置(図示は省略)に接続されている。これにより、基板保持部31にSOI基板3を吸着保持できるように構成されている。基板保持部31には、SOI基板3を加熱するためのヒーター33と、基板保持部31の温度を測定するための温度センサ35が設けられている。
基板保持部31を位置決めするためのステージ部37が設けられている。ステージ部37はモータなどの駆動部(図示は省略)により、基板保持部31を水平方向及び高さ方向に移動させ、水平面で回転させる機能を備えている。
ステージ部37の上方に、液状錘部材料を噴出するための吐出ヘッド39と、SOI基板3の画像情報を取得するための画像情報カメラ61が設けられている。
図4は吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。
吐出ヘッド39のSOI基板3と対向する面に複数の吐出ノズル41が直線上又はアレイ状に配置されている。吐出ノズル41を図3では2個のみ、図4では1個のみ示している。吐出ノズル41ごとに液状錘部材料を収容するための液収容部43が設けられている。
液収容部43は液供給流路45及び吐出容器47を介して吐出ノズル41に接続されている。液供給流路45の壁面の一部は可撓性を有する薄膜49により構成されている。薄膜49の液供給流路45とは反対側にピエゾ素子51が設けられている。吐出ヘッド39には液状錘部材料を加熱するためのヒーター53と液状錘部材料の温度を測定するための温度センサ55も設けられている。
吐出ヘッド39の動作について説明する。吐出ヘッド39では、ピエゾ素子51が変形する際の圧力を利用して液状錘部材料の液滴40aの噴出を行なう。例えばピエゾ素子51に電圧がかかるとピエゾ素子51は伸張し、液供給流路45が加圧され、その圧力により所定量の液状錘部材料の液滴40aが吐出ノズル41から噴出される(図4(B)参照。)。
ピエゾ素子51が復元するとき、液収容部43から液供給流路45に液状錘部材料が吸引される(図4(A)参照。)。吐出ヘッド39から噴出される液状錘部材料の液滴量は例えば0.05ナノリットルである。この実施例で用いている吐出ヘッド39はインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式プリンタヘッドと同様の構造をもっている。
図3に戻って説明を続けると、ステージ部37及び吐出ヘッド39に電気的に接続され、それらの動作を制御するための制御部57が設けられている。ステージ部37の近傍に、ステージ部37の位置情報を取得するためのステージ位置検出器59が設けられている。制御部57は温度センサ35、画像情報カメラ61及びステージ位置検出器59にも電気的に接続されている。温度センサ35及び温度センサ55の温度情報、画像情報カメラ61の画像情報、ステージ位置検出器59のステージ位置情報は制御部57へ送られる。制御部57には設定情報などを表示するためのモニター63も電気的に接続されている。
図1、図2及び図3を参照して半導体センサの製造方法の一実施例を説明する。図2では半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として金属ペースト、ここでは直径2〜3nmの銀粒子を溶剤(テトラデカン)に溶かした銀ペースト(ファインスフェア(登録商標)、日本ペイント株式会社の製品、ペースト固形分50wt%(重量パーセント)、比重10、粘度は20Pa・s)を用いた。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の、可撓部13の形成領域半の導体層9にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aにピエゾ抵抗体19を覆って絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成した後、絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図1を参照。)を形成する。金属配線パターン23及びパッド電極25の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図2(A)参照。)。
(2)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11の形成領域を覆い、可撓部13及び錘配置部15の形成領域に開口部をもつ膜厚が10μm程度のレジストパターン30を形成する。エッチング技術により、レジストパターン30をマスクにして、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を含む、支持部11の形成領域に囲まれた領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図2(B)参照。)。
(3)レジスト30を除去した後、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部13及び錘配置部15の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部13及び錘配置部15を形成する(図1及び図2(C)参照。)。
ここでは可撓部13及び錘配置部15を形成するためのエッチングをSOI基板3の裏面3b側から行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、SOI基板3の表面3a側からエッチングを行なってもよい。
(4)SOI基板3の裏面3bを上方側にして、図3及び図4を参照して説明した製造装置の基板保持部31に配置する。基板保持部31は保護膜27を真空吸着して保持する。
図3及び図4で説明した制御部57により、温度センサ55からの温度情報に基づいてヒーター53の加熱を制御し、吐出ヘッド39の液収容部43内、液供給流路45内及び吐出容器47内の液状錘部材料、ここでは銀ペーストの温度を制御する。また、温度センサ35からの温度情報に基づいてヒーター33の加熱を制御して、SOI基板3の温度を制御する。
制御部57の制御により、画像情報カメラ61からの画像情報に基づいてステージ部37を動作させて基板保持部31に保持された半導体ウエハSOI基板3の位置合わせを行なう。制御部57は画像情報カメラ61からの半導体SOI基板3の画像情報に基づいて、銀ペーストの液滴40aを付着させるべきSOI基板3の錘配置部15の位置を判断する。
ステージ位置検出器59からのステージ位置情報と照らし合わせ、ステージ部37及び吐出ヘッド39へ駆動信号を送り、半導体SOI基板3を吸着した基板保持部31を順次位置決めするとともに、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15に銀ペーストを塗布して銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば絶縁層7上での銀ペーストの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図2(D)参照。)。
SOI基板3を加熱しながら塗布することにより、液だれを防ぐことができ、これにより厚い銀ペースト層42aの形成が可能となる。
吐出ヘッド39から噴出される銀ペーストの液滴40aの容積は、例えば最小で5ナノリットル程度にまで精度よく制御できるので、液滴40aは周囲の境界に精度が必要な場合は、例えば数μm程度の精度に対応できる液滴量に制御することもできる。
(5)SOI基板3を製造装置から取り出し、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて錘部17を形成する(図2(E)参照。)。例えば、SOI基板3を真空雰囲気下に置くことにより、銀ペーストに含まれる有機物を揮発させることができる。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図2(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部17が銀ペーストで形成されている半導体センサ1の製造工程が完了する(図1参照。)。
上記の半導体センサ1では錘部17は錘配置部13及び可撓部13とは異なる材料である銀ペーストによって形成されているようにし、製造方法の上記実施例では、ピエゾ抵抗体19を形成する工程と、SOI基板3の所定の領域をSOI基板3の裏面3b側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部15及び可撓部13を形成する錘配置部形成工程と、錘配置部15のSOI基板3の裏面3b側の面に錘部17を形成する錘部形成工程を含んでいるので、錘部17と可撓部13を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部13を形成した後であって錘部17を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部13が破損することを防ぐことができ、半導体センサ1の製造工程における可撓部13の破損を防止することができる。
さらに、上記の半導体センサ1では錘部13の材料は錘配置部15及び可撓部13を形成している材料、ここでは半導体層9及び絶縁層7よりも比重の重い金属材料、ここでは銀ペーストにより形成されているようにし、製造方法の上記実施例では、液状錘部材料として銀ペーストを用いているので、錘部75が可撓部73及び支持部11と同じ材料で形成されている従来の半導体センサ71(図10参照。)の錘部75と比べて、同じ重量を錘部17にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部17の体積を小さくすることができる。これにより、錘部17の形成面積を小さくすることができ、半導体センサ1の平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサ71の錘部75と同程度の体積の錘部17を備えているようにすれば、半導体センサ1において錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
さらに、上記の半導体センサ1はSOI基板3から加工されているようにし、製造方法の上記実施例では、半導体基板としてSOI基板3を用い、絶縁層7をエッチングストッパ層として錘配置部15及び可撓部13の形成領域の第2半導体層5を除去しているので、第2半導体層5をエッチングして可撓部13及び錘配置部15の形成領域の第2半導体層5を除去するときにエッチングの深さを制御するのが容易になり、可撓部13の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサ1の感度の精度を向上させることができる。
図5は半導体センサの製造方法の他の実施例を説明するための工程断面図である。図5(E)は半導体センサの他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図5(E)を参照して半導体センサの他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17bと樹脂部上に形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17bはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものであり、金属部17aは銀ペーストによって形成されたものである。第2樹脂部17bは錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための密着性向上層として機能する。第2樹脂部17bの膜厚は例えば1μmである。
図5を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図5では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図2を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
未硬化のエポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40bを適宜噴出させて、錘配置部15にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42bを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上でのエポキシ樹脂層42bの膜厚が1μm程度になるようにSOI基板3の温度を120℃に制御しながら、エポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図5(A)参照。)。
(2)SOI基板3を、例えば温度は150℃、時間は30分の条件で熱処理を施し、エポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する(図5(B)参照。)。
(3)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、第2樹脂部17bに銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば第2樹脂部17b上での銀ペースト層42aの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図5(C)参照。)。
(4)図2(E)を参照して説明した上記工程(5)と同様にして、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する。これにより、金属部17aと第2樹脂部17bからなる錘部が形成される(図5(D)参照。)。
(5)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと第2樹脂部17bで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図5(E)参照。)。
この半導体センサの製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための第2樹脂部17bを備えているので、錘配置部15から金属部17aが脱落するのを防止することができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図5を参照して説明した製造方法の上記実施例では、第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する工程(上記工程(2)及び図5(B)参照。)と、金属ペースト層としての銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する工程(上記工程(4)及び図5(D)参照。)を別々の工程で行なっているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層と金属ペースト層を同時に硬化させて第2樹脂部と金属部を形成するようにしてもよい。
図6は半導体センサの製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図である。図6(D)は半導体センサのさらに他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図6(D)を参照して半導体センサのさらに他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された金属部17aと、錘配置部15上及び金属部17a上に形成された樹脂部17cによって形成されている点である。例えば、樹脂部17cはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものである。樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。
図6を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図6では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図6を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15の中央側に錘配置部15の面積よりもわずかに小さく銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上での銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図6(A)参照。)。
(2)エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40cを適宜噴出させて、銀ペースト層42aを覆うように錘配置部15上及び銀ペースト層42a上にエポキシ樹脂層(未硬化樹脂層)42cを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42a上でのエポキシ樹脂層42cの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図6(B)参照。)。
(3)銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cを硬化させて金属部17a及び樹脂部17cを形成する。これにより、金属部17aと、金属部17aを覆っている樹脂部17cからなる錘部が形成される(図6(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと、金属部17aを覆う樹脂部17cで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図6(D)参照。)。
この半導体センサ製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された銀ペーストからなる金属部17aと、金属部17a上に形成されたエポキシ樹脂からなる樹脂部17cを備えているので、金属部17aよりも柔らかい樹脂部17cにより、硬い金属部17aがガラス基板29に衝突することを防ぐことができ、ガラス基板29及び金属部17aの損傷を防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っているので、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
図6に示した実施例では、錘配置部15に金属部17a及び樹脂部17cが直接接しているが、金属部17a及び樹脂部17cと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていてもよい。この場合、少なくとも金属部17aと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていることが好ましい。
また、図6を参照して説明した製造方法の上記実施例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42cを同時に硬化させて金属部17aと樹脂部17cを形成しているが(上記工程(3)及び図6(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成した後、少なくとも金属部上に未硬化樹脂層を形成し、その後、未硬化樹脂層を硬化させて樹脂部を形成するようにしてもよい。
図7は半導体センサの製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図である。図7(D)は半導体センサのさらに他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図7(D)を参照して半導体センサのさらに他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17dと、第2樹脂部17dに形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17dはエポキシ樹脂が硬化されて形成されたものである。
図7を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図7では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図7を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40dを適宜噴出させて、錘配置部15上にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42dを形成する。ここでは、エポキシ樹脂層42dの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図7(A)参照。)。
(2)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、エポキシ樹脂層42d上に銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図7(B)参照。)。
(3)エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aを硬化させて金属部17a及び第2樹脂部17dを形成する。これにより、第2樹脂部17dと金属部17aからなる錘部が形成される(図7(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が第2樹脂部17dと金属部17aで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図7(D)参照。)。
この半導体センサ製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した実施例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図7を参照して説明した製造方法の上記実施例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42dを同時に硬化させて金属部17aと第2樹脂部17dを形成しているが(上記工程(3)及び図7(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層を硬化させて第2樹脂部を形成した後、第2樹脂部上に金属ペースト層を形成し、その後、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成するようにしてもよい。
図8(A)から(F)は半導体センサのさらに他の例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図7と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらのにおいても図1及び図2を参照して説明したと同じ効果を得ることができる。
(A)に示したでは、錘部が錘配置部15側から順に第2樹脂部17d、金属部17a、樹脂部17cが順に積層されて形成されている。
したでは、第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された金属部17aと金属部17a上に形成された樹脂部17cを備えているので、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cと第2樹脂部17dは同じ材料、ここではエポキシ樹脂で形成されたものである。これにより、吐出ノズルを用いた本発明の製造方法において、樹脂部17c用の未硬化樹脂と第2樹脂部17d用の第2未硬化樹脂として同じ材料を用いることができ、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができるので、用いるノズルの種類を減らすことができる。
(B)に示したでは、(A)に示したと比較して、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。これにより、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
(C)に示したでは、錘部は樹脂部17cのみによって形成されている。これにより、金属ペーストにより形成された錘部と体積が同じ場合に、半導体センサの重量を軽くすることができる。
(D)にしたでは、(B)に示したと比較して、第2樹脂部17dは密着性向上層として機能する第2樹脂部17bを介して錘配置部15上に形成されている。これにより、錘部の脱落を防止することができる。
図8(A)から(D)に示したは、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例と同様にして形成することができる。
(E)に示したでは、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁層9が除去されて可撓部13及び錘配置部15は半導体層9で形成されている。
このの構造は、図2を参照して説明した上記実施例の上記工程(2)又は上記工程(3)において、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁膜7を除去する工程を含むことにより形成することができる。
(F)に示したでは、半導体センサの基材となる半導体基板として、SOI基板ではなくシリコン基板69が用いられている。
このの構造は、図2を参照して説明した上記実施例と同様の工程によって、半導体基板としてシリコン基板を用いることで形成することができる。
また、錘部17及び金属部17aの材料として例えば鉄やニッケルなどの磁性金属を含むものを用いてもよい。これにより、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
図9(A)から(D)は半導体センサのさらに他の例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図8と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらのにおいても図1及び図2を参照して説明したと同じ効果を得ることができる。
(A)に示したでは、図7(D)に示したと比較して、第2樹脂部17dの上面に凹部が形成されており、金属部17aは第2樹脂部17dの凹部内に形成されている。
金属部17aが第2樹脂部17dの上面に形成された凹部内に形成されていることにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第2樹脂部17dの凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(B)に示したでは、(A)に示したと比較して、金属部17a上及び第2樹脂部17d上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c及び第2樹脂部17dによって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
図9(A)及び(B)に示したは、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例と同様にして形成することができる。
(C)に示したでは、錘配置部15の周縁部に第3樹脂部17eが枠状に形成されており、第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部に金属部17aが形成されている。これにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(D)に示したでは、(C)に示したと比較して、樹脂部17c錘配置部15の周縁部に枠状に形成された第3樹脂部17eと、その内部に形成された金属部17aを覆うように形成されている。これにより、金属部17a上に樹脂部17cを備えているので、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aの損傷を防ぐことができる。
(D)に示したでは、(C)に示したと比較して、金属部17a上及び第3樹脂部17e上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c、第3樹脂部17d及び錘配置部15によって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、金属部17aの腐食等を防止して半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、寸法、形状、材料、配置、温度等の製造工程の条件などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、金属材料を含む金属ペーストとして銀ペーストの材料に銀を用いたが、金、白金、チタン、銅、ビスマス、ニッケルなどの他の銀も利用することができる。
また、上記の製造方法の実施例では、錘部17の形成をガラス板29の貼付け及び切出し前に実施しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、可撓部13及び錘配置部15を形成した後、半導体センサを個片化するための切り出しを実施し、その後、錘部17を形成し、チップ単位でガラスをはりあわせてもよい。この場合、切出し時の振動による機械的影響や水圧等による錘部17への影響が軽減されて、可撓部11の破損を防ぐことができる。
また、上記の製造方法の実施例では、SOI基板3を加熱しながら錘部17、金属部17a及び樹脂部17b,17c,17d,17eを形成しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
液状錘部材料として揮発性が高い溶剤を用いたものを用いるようにすれば、SOI基板3を加熱することなく、錘部を形成することができる。例えば、金属部17aの形成に関して、図9(A)から(D)に示すように、金属部17aを樹脂部17d又は17eによって形成された凹部に形成するようにすれば、金属部17a用の金属ペーストとして、揮発性が高い溶剤を媒体とし流動性が高い金属ペーストを用いることができる。
また、本発明の製造方法で行なうエッチング技術は、ドライエッチング技術であってもよいし、ウエットエッチング技術であってもよい。
本発明の製造方法により製造した半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。 同実施例で用いる製造装置の一例を示す概略構成図である。 製造装置の吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。 製造方法の他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサの他の例を示す断面図である。 製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 製造方法のさらに他の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の製造方法により製造した半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の製造方法により製造した半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 従来の半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 従来の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
本発明は、半導体加速度センサや半導体角速度センサなどのピエゾ抵抗体を用いた半導体センサの製造方法に関し、特に、ピエゾ抵抗体が形成されている可撓部によって支持されている錘部の位置が変化することにより可撓部が撓んだときのピエゾ抵抗体の抵抗値の変化を検出することにより加速度等を検出するのに用いられる半導体センサの製造方法に関するものである。
半導体センサは、例えば走行中の自動車に加わる進行方向又は横方向の加速度の測定や、ビデオカメラの手ぶれの測定などに用いられる。
特許請求の範囲及び本明細書において、半導体基板の語は、半導体材料のみからなるものの他、内部に絶縁膜が形成されているSOI(Silicon-on-Insulator)基板も含む。
半導体センサとしては、自動車等に搭載される加速度センサが知られており、例えば、図10に示すようなピエゾ抵抗体を用いた片持梁式の加速度検出装置がある(例えば特許文献1参照。)。
図10は従来の半導体センサを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)でのA−A’における断面図、(D)は(B)でのB−B’における断面図である。
半導体センサ71は、例えば第2半導体層5と半導体層9によって絶縁層7が挟み込まれて形成されたSOI基板3が加工されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して半導体層9からなる可撓部73が形成されている。可撓部73の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、支持部11とは間隔をもって半導体層9、絶縁層7及び第2半導体層5からなる錘部75が配置されている。錘部75の半導体層9は可撓部73の半導体層9に連続して形成されており、錘部75は可撓部73によって支持されている。
SOI基板3の表面3aに絶縁膜21が形成されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。絶縁膜21上には、複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27が形成されている。パッド電極25上の保護膜27には開口部が形成されている。(A)及び(B)では、保護膜27の図示は省略している。
支持部11の領域の裏面3bにガラス基板29が陽極接合により接合されている。錘部75の端面とガラス基板29は間隔をもっている。
図11は、図10のA−A’位置に対応する工程断面図である。図10及び図11を参照して従来の半導体センサの製造方法を簡単に説明する。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の裏面3bに熱酸化膜69を形成した後、SOI基板3の表面3a側の半導体層9表面近傍にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aに絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成し、スルーホールの形成領域を含んで絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図10を参照。)を形成した後、絶縁膜21の表面に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図11(A)参照。)。
(2)写真製版技術及びエッチング技術により、少なくとも支持部11の形成領域を除いて可撓部73及び錘部75の形成領域の熱酸化膜69を選択的に除去する(図11(B)参照。)。
(3)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11及び錘部75の形成領域を覆い、可撓部73の形成領域に開口部をもつレジストパターン77を形成する。エッチング技術により、レジストパターン77をマスクにして、可撓部73の形成領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図11(C)参照。)。
(4)レジストパターン77を除去した後、錘部75の形成領域の第2半導体層5をSOI基板3の裏面3b側からエッチングし、錘部75の形成領域の第2半導体層5の膜厚を薄くして錘部75を形成する。可撓部73及び錘部75の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部73及び錘部75の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部73及び錘部75を形成する(図10及び図11(D)参照。)。
(5)熱酸化膜69を除去する。このとき、可撓部73の形成領域の絶縁膜7も同時に除去され、半導体層9からなる可撓部13が形成される。(図11(E)参照。)。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図11(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことにより、半導体センサ1を製造工程が完了する(図10参照。)。
ここでは半導体基板としてSOI基板3を用いて半導体センサ71を形成したものを説明したが、半導体基板として半導体材料のみからなるものを用いて半導体センサを形成することもある。
特公平8−7228号公報
従来の半導体センサの製造方法では、半導体基板から錘部及び可撓部を形成していたので、錘部及び可撓部を形成した後の機械的振動や水洗処理等による水圧等の影響により、可撓部が錘部の慣性に耐えられずに破損するという問題があった。
そこで本発明は、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することを目的とするものである。
本発明の半導体センサの製造方法は、半導体基板の表面にピエゾ抵抗体を形成する工程と、支持部の形成領域を少なくとも除く上記半導体基板の所定の領域を上記半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで上記半導体基板の表面側に錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部の上記半導体基板裏面側の面上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより錘部を形成する錘部形成工程をその順に含み、上記液状錘部材料として、上記錘配置部及び上記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を含んでいる金属ペーストと、未硬化樹脂を用い、上記錘部形成工程において、上記錘配置部上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成する。
ここで液状錘部材料とは、流動性をもつものであって、吐出ノズルから噴出できる程度の粘度をもつ材料をいう。
また、本発明の他の局面では、上記錘部形成工程において、上記液状錘部材料として第2未硬化樹脂をさらに用い、上記錘配置部上に上記第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に上記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に上記未硬化樹脂を塗布して上記未硬化樹脂層を形成し、上記第2未硬化樹脂層上記金属ペースト層及び上記未硬化樹脂層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、上記第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部と、上記金属部上に形成された樹脂材料からなる上記樹脂部をもつ錘部を形成する。
さらに、上記第2樹脂部は上記錘配置部と上記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するようにしてもよい。
また、上記未硬化樹脂層の形成領域を制御して上記樹脂部を上記金属部が周辺雰囲気と接しないように上記金属部を覆って形成することが好ましい。
また、上記未硬化樹脂と上記第2未硬化樹脂は同じ材料である例を挙げることができる。
また、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにしてもよい。
また、上記半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、上記錘配置部形成工程において、上記絶縁層をエッチングストッパ層として上記錘配置部及び上記可撓部の形成領域の上記第2半導体層を除去するようにしてもよい。
本発明の半導体センサの製造方法では、ピエゾ抵抗体を形成する工程と、半導体基板の所定の領域を半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部の上記半導体基板裏面側の面上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより錘部を形成する錘部形成工程をその順に含んでいるようにしたので、
錘部と可撓部を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部を形成した後であって錘部を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部が破損することを防ぐことができ、半導体センサの製造工程における可撓部の破損を防止することができる。
さらに、本発明の製造方法において、上記錘部形成工程は、吐出ノズルから液状錘部材料を上記錘配置部上に滴下し、上記錘配置部上に滴下された上記液状錘部材料を硬化させることにより上記錘部を形成するようにしたので、例えばインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式(ピエゾジェット方式とも呼ばれる)プリンタヘッドと同様の構造をもつ吐出ノズルを用いて錘部を容易かつ高精度に形成することができる。
さらに、本発明の製造方法において、液状錘部材料として、錘配置部及び可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいる金属ペーストを用いるようにしたので
錘部が可撓部と同じ材料で形成されている従来の半導体センサと比べて、同じ重量を錘部にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部の体積を小さくすることができる。これにより、錘部の形成面積を小さくすることができ、半導体センサの平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサの錘部と同程度の体積の錘部を備えているようにすれば、錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
さらに、本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として上記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、錘配置部上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにしたので
錘部の移動範囲を規制するために半導体センサの裏面(可撓部とは反対側の面)に配置される規制板、例えばガラス基板に金属部が衝突することを防ぐことができる。これにより、規制板及び金属部の損傷を防ぐことができる。
また、本発明の他の局面では、本発明の製造方法の錘部形成工程において、液状錘部材料として第2未硬化樹脂をさらに用い、錘配置部上に第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、第2未硬化樹脂層金属ペースト層及び未硬化樹脂層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部と、金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成するようにしたので
錘部の重心を錘配置部から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、第2樹脂部は錘配置部と金属部の密着性を向上させるための密着性向上層として機能するものであるようにすれば、錘部が錘配置部から脱落するのを防止することができる。
さらに、本発明の製造方法において、未硬化樹脂と第2未硬化樹脂は同じ材料であるようにすれば、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができ、用いるノズルの種類を減らすことができる。
本発明の製造方法の錘部形成工程において、未硬化樹脂層の形成領域を制御して樹脂部を金属部が周辺雰囲気と接しないように金属部を覆って形成するようにすれば、
金属部を錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部の腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
本発明の製造方法において、上記金属材料は磁性金属を含んでいるようにすれば、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
本発明の製造方法において、半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、錘配置部形成工程において、絶縁層をエッチングストッパ層として錘配置部及び可撓部の形成領域の第2半導体層を除去するようにすれば、
第2半導体層をエッチングして可撓部及び錘配置部の形成領域の第2半導体層を除去するときに、絶縁層をエッチングストッパとして用いることでエッチングの深さを制御するのが容易になる。これにより、可撓部の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサの感度の精度を向上させることができる。
図1は、参考例の製造方法により製造した半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。図1を参照してこの参考例を説明する。
半導体センサ1は例えば平面サイズが2.0×2.5mm(ミリメートル)、厚みが400μm(マイクロメートル)程度のSOI基板3から形成されたものである。例えば、SOI基板3は、膜厚が380μm程度のシリコンからなる第2半導体層5と、膜厚が2μm程度のシリコン酸化膜からなる絶縁層7と、膜厚が10μm程度のシリコンからなる半導体層9が積層されて形成されたものである。
SOI基板3からなる枠状の支持部11のSOI基板3の表面3a側に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる4本の可撓部13が形成されている。例えば可撓部13の長さ寸法は0.4mm、幅寸法は0.09mmである。可撓部13の半導体層9にピエゾ抵抗体19が形成されている。
支持部11の中央側に、可撓部13に連続して絶縁層7及び半導体層9からなる錘配置部15が形成されている。錘配置部15の、絶縁層7の半導体層9とは反対側の面に錘部17が形成されている。錘配置部15及び錘部17の平面サイズは0.9×0.9mm、錘部17の高さは370μmである。錘部17は支持部11とは間隔をもって配置されている。錘部17は半導体層及び絶縁層7よりも比重が重い金属ペースト、ここでは銀ペーストにより形成されている。
これにより、ピエゾ抵抗型3軸半導体加速度センサが形成されている。
SOI基板3の表面3aに、例えば膜厚が0.8μmの絶縁膜21が形成されている。絶縁膜21としては、シリコン酸化膜、例えばNSG(non-doped silicon glass)膜、BPSG(Borophospho silicate grass)膜、PSG(phospho silicate glass)膜などを用いることができる。
絶縁膜21上に、例えば膜厚が1.0μmのアルミニウムからなる複数の金属配線パターン23及び複数のパッド電極25が形成されている。例えば、金属配線パターン23の線幅は1.4μm、ピッチは1.5μmであり、パッド電極25の平面サイズは70×70mmである。パッド電極25は支持部11に配置されている。金属配線パターン23は絶縁膜21に形成されているスルーホールを介してピエゾ抵抗体19と電気的に接続されている。(A)及び(B)では便宜上、ピエゾ抵抗体19を図示している。
金属配線パターン23の形成領域を含んで絶縁膜21上に絶縁膜からなる保護膜27が形成されている。保護膜27としては例えば下層がシリコン酸化膜、上層がシリコン窒化膜の積層膜からなるパッシベーション膜を用いることができる。パッド電極25上の保護膜27には、開口部が形成されている。(A)及び(B)では保護膜27の図示は省略している。
SOI基板3の裏面3b側の、支持部11の第2半導体層5の面に、錘部17の移動範囲を規制するための規制板としてのガラス基板29が、例えば陽極接合により接合されている。錘部17とガラス基板29の間隔は例えば10μmである。
図2は、図1の半導体センサを製造するための、製造方法の参考例を説明するための工程断面図である。図2は図1のA−A’位置に対応している。図3はこの参考例及び後述する実施例で用いる半導体センサの製造装置の一例を示す概略構成図である。まず、図3を参照して半導体センサの製造装置について説明する。
ピエゾ抵抗体19が形成されたSOI基板3を、裏面3bを上方側にして保持するための基板保持部31が設けられている。基板保持部31にはSOI基板3を保持する面に真空吸着用の小さな開口部(図示は省略)が設けられており、その開口部は吸引経路を介して排気装置(図示は省略)に接続されている。これにより、基板保持部31にSOI基板3を吸着保持できるように構成されている。基板保持部31には、SOI基板3を加熱するためのヒーター33と、基板保持部31の温度を測定するための温度センサ35が設けられている。
基板保持部31を位置決めするためのステージ部37が設けられている。ステージ部37はモータなどの駆動部(図示は省略)により、基板保持部31を水平方向及び高さ方向に移動させ、水平面で回転させる機能を備えている。
ステージ部37の上方に、液状錘部材料を噴出するための吐出ヘッド39と、SOI基板3の画像情報を取得するための画像情報カメラ61が設けられている。
図4は吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。
吐出ヘッド39のSOI基板3と対向する面に複数の吐出ノズル41が直線上又はアレイ状に配置されている。吐出ノズル41を図3では2個のみ、図4では1個のみ示している。吐出ノズル41ごとに液状錘部材料を収容するための液収容部43が設けられている。
液収容部43は液供給流路45及び吐出容器47を介して吐出ノズル41に接続されている。液供給流路45の壁面の一部は可撓性を有する薄膜49により構成されている。薄膜49の液供給流路45とは反対側にピエゾ素子51が設けられている。吐出ヘッド39には液状錘部材料を加熱するためのヒーター53と液状錘部材料の温度を測定するための温度センサ55も設けられている。
吐出ヘッド39の動作について説明する。吐出ヘッド39では、ピエゾ素子51が変形する際の圧力を利用して液状錘部材料の液滴40aの噴出を行なう。例えばピエゾ素子51に電圧がかかるとピエゾ素子51は伸張し、液供給流路45が加圧され、その圧力により所定量の液状錘部材料の液滴40aが吐出ノズル41から噴出される(図4(B)参照。)。
ピエゾ素子51が復元するとき、液収容部43から液供給流路45に液状錘部材料が吸引される(図4(A)参照。)。吐出ヘッド39から噴出される液状錘部材料の液滴量は例えば0.05ナノリットルである。この参考例で用いている吐出ヘッド39はインクジェットプリンタで用いられるピエゾ式プリンタヘッドと同様の構造をもっている。
図3に戻って説明を続けると、ステージ部37及び吐出ヘッド39に電気的に接続され、それらの動作を制御するための制御部57が設けられている。ステージ部37の近傍に、ステージ部37の位置情報を取得するためのステージ位置検出器59が設けられている。制御部57は温度センサ35、画像情報カメラ61及びステージ位置検出器59にも電気的に接続されている。温度センサ35及び温度センサ55の温度情報、画像情報カメラ61の画像情報、ステージ位置検出器59のステージ位置情報は制御部57へ送られる。制御部57には設定情報などを表示するためのモニター63も電気的に接続されている。
図1、図2及び図3を参照して半導体センサの製造方法の参考例を説明する。図2では半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この参考例では液状錘部材料として金属ペースト、ここでは直径2〜3nmの銀粒子を溶剤(テトラデカン)に溶かした銀ペースト(ファインスフェア(登録商標)、日本ペイント株式会社の製品、ペースト固形分50wt%(重量パーセント)、比重10、粘度は20Pa・s)を用いた。
(1)第2半導体層5、絶縁層7及び半導体層9からなるSOI基板3の、可撓部13の形成領域半の導体層9にピエゾ抵抗体19を形成する。半導体層9の表面3aにピエゾ抵抗体19を覆って絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の所定の領域にスルーホールを形成した後、絶縁膜21上に金属配線パターン23及びパッド電極25(図1を参照。)を形成する。金属配線パターン23及びパッド電極25の形成領域を含んで絶縁膜21上に保護膜27を形成する。パッド電極25上の保護膜27に開口部(図示は略)を形成する(図2(A)参照。)。
(2)写真製版技術により、SOI基板3の裏面3bに、支持部11の形成領域を覆い、可撓部13及び錘配置部15の形成領域に開口部をもつ膜厚が10μm程度のレジストパターン30を形成する。エッチング技術により、レジストパターン30をマスクにして、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を含む、支持部11の形成領域に囲まれた領域の第2半導体層5を選択的に除去する(図2(B)参照。)。
(3)レジスト30を除去した後、可撓部13及び錘配置部15の形成領域を画定するためのレジストパターン(図示は省略。)をSOI基板3の裏面3b側に形成し、支持部11の形成領域に囲まれた領域の可撓部13及び錘配置部15の形成領域以外の絶縁層7、半導体層9、絶縁膜21及び保護膜27をエッチング技術により除去して可撓部13及び錘配置部15を形成する(図1及び図2(C)参照。)。
ここでは可撓部13及び錘配置部15を形成するためのエッチングをSOI基板3の裏面3b側から行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、SOI基板3の表面3a側からエッチングを行なってもよい。
(4)SOI基板3の裏面3bを上方側にして、図3及び図4を参照して説明した製造装置の基板保持部31に配置する。基板保持部31は保護膜27を真空吸着して保持する。
図3及び図4で説明した制御部57により、温度センサ55からの温度情報に基づいてヒーター53の加熱を制御し、吐出ヘッド39の液収容部43内、液供給流路45内及び吐出容器47内の液状錘部材料、ここでは銀ペーストの温度を制御する。また、温度センサ35からの温度情報に基づいてヒーター33の加熱を制御して、SOI基板3の温度を制御する。
制御部57の制御により、画像情報カメラ61からの画像情報に基づいてステージ部37を動作させて基板保持部31に保持された半導体ウエハSOI基板3の位置合わせを行なう。制御部57は画像情報カメラ61からの半導体SOI基板3の画像情報に基づいて、銀ペーストの液滴40aを付着させるべきSOI基板3の錘配置部15の位置を判断する。
ステージ位置検出器59からのステージ位置情報と照らし合わせ、ステージ部37及び吐出ヘッド39へ駆動信号を送り、半導体SOI基板3を吸着した基板保持部31を順次位置決めするとともに、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15に銀ペーストを塗布して銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば絶縁層7上での銀ペーストの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図2(D)参照。)。
SOI基板3を加熱しながら塗布することにより、液だれを防ぐことができ、これにより厚い銀ペースト層42aの形成が可能となる。
吐出ヘッド39から噴出される銀ペーストの液滴40aの容積は、例えば最小で5ナノリットル程度にまで精度よく制御できるので、液滴40aは周囲の境界に精度が必要な場合は、例えば数μm程度の精度に対応できる液滴量に制御することもできる。
(5)SOI基板3を製造装置から取り出し、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて錘部17を形成する(図2(E)参照。)。例えば、SOI基板3を真空雰囲気下に置くことにより、銀ペーストに含まれる有機物を揮発させることができる。
(6)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する(図2(F)参照。)。
(7)その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部17が銀ペーストで形成されている半導体センサ1の製造工程が完了する(図1参照。)。
上記の半導体センサ1では錘部17は錘配置部13及び可撓部13とは異なる材料である銀ペーストによって形成されているようにし、製造方法の上記参考例では、ピエゾ抵抗体19を形成する工程と、SOI基板3の所定の領域をSOI基板3の裏面3b側から選択的に除去する工程を含んで錘配置部15及び可撓部13を形成する錘配置部形成工程と、錘配置部15のSOI基板3の裏面3b側の面に錘部17を形成する錘部形成工程を含んでいるので、錘部17と可撓部13を別々の工程で形成することができる。これにより、可撓部13を形成した後であって錘部17を形成する前における機械的振動や水洗処理等による水圧等によって可撓部13が破損することを防ぐことができ、半導体センサ1の製造工程における可撓部13の破損を防止することができる。
さらに、上記の半導体センサ1では錘部13の材料は錘配置部15及び可撓部13を形成している材料、ここでは半導体層9及び絶縁層7よりも比重の重い金属材料、ここでは銀ペーストにより形成されているようにし、製造方法の上記参考例では、液状錘部材料として銀ペーストを用いているので、錘部75が可撓部73及び支持部11と同じ材料で形成されている従来の半導体センサ71(図10参照。)の錘部75と比べて、同じ重量を錘部17にもたせてセンサ感度を維持しつつ、錘部17の体積を小さくすることができる。これにより、錘部17の形成面積を小さくすることができ、半導体センサ1の平面サイズを小さくすることができる。また、従来の半導体センサ71の錘部75と同程度の体積の錘部17を備えているようにすれば、半導体センサ1において錘部の重量を大きくすることができ、センサ感度を向上させることができる。
さらに、上記の半導体センサ1はSOI基板3から加工されているようにし、製造方法の上記参考例では、半導体基板としてSOI基板3を用い、絶縁層7をエッチングストッパ層として錘配置部15及び可撓部13の形成領域の第2半導体層5を除去しているので、第2半導体層5をエッチングして可撓部13及び錘配置部15の形成領域の第2半導体層5を除去するときにエッチングの深さを制御するのが容易になり、可撓部13の膜厚の精度を向上させることができ、半導体センサ1の感度の精度を向上させることができる。
図5は半導体センサの製造方法の他の参考例を説明するための工程断面図である。図5(E)は半導体センサの他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図5(E)を参照して半導体センサの他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17bと樹脂部上に形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17bはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものであり、金属部17aは銀ペーストによって形成されたものである。第2樹脂部17bは錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための密着性向上層として機能する。第2樹脂部17bの膜厚は例えば1μmである。
図5を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の参考例を説明する。
図5では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この参考例では液状錘部材料として図2を参照して説明した参考例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
未硬化のエポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40bを適宜噴出させて、錘配置部15にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42bを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上でのエポキシ樹脂層42bの膜厚が1μm程度になるようにSOI基板3の温度を120℃に制御しながら、エポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図5(A)参照。)。
(2)SOI基板3を、例えば温度は150℃、時間は30分の条件で熱処理を施し、エポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する(図5(B)参照。)。
(3)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、第2樹脂部17bに銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば第2樹脂部17b上での銀ペースト層42aの膜厚が370μm程度になるようにSOI基板3の温度を150℃に制御しながら、銀ペーストを繰り返し塗布した(図5(C)参照。)。
(4)図2(E)を参照して説明した上記工程(5)と同様にして、銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する。これにより、金属部17aと第2樹脂部17bからなる錘部が形成される(図5(D)参照。)。
(5)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと第2樹脂部17bで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図5(E)参照。)。
この半導体センサの製造方法の参考例においても、図1及び図2を参照して説明した参考例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘配置部15と金属部17aの密着性を向上させるための第2樹脂部17bを備えているので、錘配置部15から金属部17aが脱落するのを防止することができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図5を参照して説明した製造方法の上記参考例では、第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42bを硬化させて第2樹脂部17bを形成する工程(上記工程(2)及び図5(B)参照。)と、金属ペースト層としての銀ペースト層42aを硬化させて金属部17aを形成する工程(上記工程(4)及び図5(D)参照。)を別々の工程で行なっているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層と金属ペースト層を同時に硬化させて第2樹脂部と金属部を形成するようにしてもよい。
図6は半導体センサの製造方法のさらに実施例を説明するための工程断面図である。図6(D)は半導体センサのさらに他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図6(D)を参照して半導体センサのさらに他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された金属部17aと、錘配置部15上及び金属部17a上に形成された樹脂部17cによって形成されている点である。例えば、樹脂部17cはエポキシ樹脂液状材料が硬化されて形成されたものである。樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。
図6を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の実施例を説明する。
図6では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この実施例では液状錘部材料として図を参照して説明した参考例と同じ銀ペーストと、未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料(CEL−C−3140(日立化成工業株式会社の製品)、粘度は0.6Pa・s)を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、錘配置部15の中央側に錘配置部15の面積よりもわずかに小さく銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば錘配置部15上での銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図6(A)参照。)。
(2)エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40cを適宜噴出させて、銀ペースト層42aを覆うように錘配置部15上及び銀ペースト層42a上にエポキシ樹脂層(未硬化樹脂層)42cを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42a上でのエポキシ樹脂層42cの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図6(B)参照。)。
(3)銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、銀ペースト層42a及びエポキシ樹脂層42cを硬化させて金属部17a及び樹脂部17cを形成する。これにより、金属部17aと、金属部17aを覆っている樹脂部17cからなる錘部が形成される(図6(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が金属部17aと、金属部17aを覆う樹脂部17cで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図6(D)参照。)。
この半導体センサの製造方法の実施例においても、図1及び図2を参照して説明した参考例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された銀ペーストからなる金属部17aと、金属部17a上に形成されたエポキシ樹脂からなる樹脂部17cを備えているので、金属部17aよりも柔らかい樹脂部17cにより、硬い金属部17aがガラス基板29に衝突することを防ぐことができ、ガラス基板29及び金属部17aの損傷を防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っているので、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
図6に示した実施例では、錘配置部15に金属部17a及び樹脂部17cが直接接しているが、金属部17a及び樹脂部17cと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていてもよい。この場合、少なくとも金属部17aと錘配置部15の間に密着性向上層としての第2樹脂部が形成されていることが好ましい。
また、図6を参照して説明した製造方法の上記実施例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42cを同時に硬化させて金属部17aと樹脂部17cを形成しているが(上記工程(3)及び図6(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成した後、少なくとも金属部上に未硬化樹脂層を形成し、その後、未硬化樹脂層を硬化させて樹脂部を形成するようにしてもよい。
図7は半導体センサの製造方法のさらに他の参考例を説明するための工程断面図である。図7(D)は半導体センサのさらに他の例を示している。図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。まず、図7(D)を参照して半導体センサのさらに他の例を説明する。
この半導体センサが図1を参照して説明した半導体センサと異なる点は、錘部が錘配置部15上に形成された第2樹脂部17dと、第2樹脂部17dに形成された金属部17aによって形成されている点である。例えば、第2樹脂部17dはエポキシ樹脂が硬化されて形成されたものである。
図7を参照してこの半導体センサを製造するための製造方法の参考例を説明する。
図7では図2と同様に半導体センサの製造装置については吐出ノズル39のみを図示し、他の部分の図示は省略している。この参考例では液状錘部材料として図を参照して説明した実施例と同じ銀ペーストと、第2未硬化樹脂としてのエポキシ樹脂液状材料を用いた。
(1)図2(A)、(B)及び(C)を参照して説明した上記工程(1)から(3)と同じ工程により、SOI基板3にピエゾ抵抗体19、絶縁膜21、保護膜27を形成し、SOI基板3の表面3a側に可撓部13及び錘配置部15を形成する。
エポキシ樹脂液状材料を充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39からエポキシ樹脂液状材料の液滴40dを適宜噴出させて、錘配置部15上にエポキシ樹脂層(第2未硬化樹脂層)42dを形成する。ここでは、エポキシ樹脂層42dの膜厚が330μm程度になるようにエポキシ樹脂液状材料を繰り返し塗布した(図7(A)参照。)。
(2)銀ペーストを充填した吐出ヘッド39を用い、図2(D)を参照して説明した上記工程(4)と同様にして、吐出ヘッド39から銀ペーストの液滴40aを適宜噴出させて、エポキシ樹脂層42d上に銀ペースト層42aを形成する。ここでは、例えば銀ペースト層42aの膜厚が40μm程度になるように銀ペーストを繰り返し塗布した(図7(B)参照。)。
(3)エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aの溶剤を揮発などによって乾燥させることで、エポキシ樹脂層42d及び銀ペースト層42aを硬化させて金属部17a及び第2樹脂部17dを形成する。これにより、第2樹脂部17dと金属部17aからなる錘部が形成される(図7(C)参照。)。
(4)支持部11の形成領域を含むSOI基板3の裏面3b側の第2半導体層5の面に陽極接合などで規制板29を接合する。その後、SOI基板3から半導体センサ1を切り出すことで、錘部が第2樹脂部17dと金属部17aで形成されている半導体センサの製造工程が完了する(図7(D)参照。)。
この半導体センサの製造方法の参考例においても、図1及び図2を参照して説明した参考例と同じ効果を得ることができる。
さらに、錘部は第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
図7を参照して説明した製造方法の上記参考例では、金属ペースト層としての銀ペースト層42aと第2未硬化樹脂層としてのエポキシ樹脂層42dを同時に硬化させて金属部17aと第2樹脂部17dを形成しているが(上記工程(3)及び図7(C)参照。)、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、第2未硬化樹脂層を硬化させて第2樹脂部を形成した後、第2樹脂部上に金属ペースト層を形成し、その後、金属ペースト層を硬化させて金属部を形成するようにしてもよい。
図8(A)から(F)は半導体センサのさらに他の例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図7と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらの例においても図1及び図2を参照して説明した例と同じ効果を得ることができる。
(A)に示した例では、錘部が錘配置部15側から順に第2樹脂部17d、金属部17a、樹脂部17cが順に積層されて形成されている。
した例では、第2樹脂部17bと第2樹脂部17b上に形成された金属部17aを備えていているので、錘部の重心を錘配置部15から遠い位置に配置することができ、センサの感度を向上させることができる。
さらに、錘部は錘配置部15上に形成された金属部17aと金属部17a上に形成された樹脂部17cを備えているので、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
さらに、樹脂部17cと第2樹脂部17dは同じ材料、ここではエポキシ樹脂で形成されたものである。これにより、吐出ノズルを用いた本発明の製造方法において、樹脂部17c用の未硬化樹脂と第2樹脂部17d用の第2未硬化樹脂として同じ材料を用いることができ、同じ吐出ノズルを用いて未硬化樹脂と第2未硬化樹脂を滴下することができるので、用いるノズルの種類を減らすことができる。
(B)に示した例では、(A)に示した例と比較して、樹脂部17cは金属部17aが周辺雰囲気と接しないように金属部17aを覆っている。これにより、金属部17aを錘部の周辺雰囲気とは遮断することができ、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。
(C)に示した例では、錘部は樹脂部17cのみによって形成されている。これにより、金属ペーストにより形成された錘部と体積が同じ場合に、半導体センサの重量を軽くすることができる。
(D)にした例では、(B)に示した例と比較して、第2樹脂部17dは密着性向上層として機能する第2樹脂部17bを介して錘配置部15上に形成されている。これにより、錘部の脱落を防止することができる。
図8(A)から(D)に示した例は、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例及び参考例と同様にして形成することができる。
(E)に示した例では、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁層9が除去されて可撓部13及び錘配置部15は半導体層9で形成されている。
この例の構造は、図2を参照して説明した上記参考例の上記工程(2)又は上記工程(3)において、可撓部13及び錘配置部15の形成領域の絶縁膜7を除去する工程を含むことにより形成することができる。
(F)に示した例では、半導体センサの基材となる半導体基板として、SOI基板ではなくシリコン基板69が用いられている。
この例の構造は、図2を参照して説明した上記参考例と同様の工程によって、半導体基板としてシリコン基板を用いることで形成することができる。
また、錘部17及び金属部17aの材料として例えば鉄やニッケルなどの磁性金属を含むものを用いてもよい。これにより、磁場を用いることで半導体センサの感度テストを行なうことができる。
図9(A)から(D)は半導体センサのさらに他の例をそれぞれ示す断面図である。図1及び図5から図8と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付している。これらの例においても図1及び図2を参照して説明した例と同じ効果を得ることができる。
(A)に示した例では、図7(D)に示した例と比較して、第2樹脂部17dの上面に凹部が形成されており、金属部17aは第2樹脂部17dの凹部内に形成されている。
金属部17aが第2樹脂部17dの上面に形成された凹部内に形成されていることにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第2樹脂部17dの凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(B)に示した例では、(A)に示した例と比較して、金属部17a上及び第2樹脂部17d上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c及び第2樹脂部17dによって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、水分の付着等による金属部17aの腐食等を防止して、半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
図9(A)及び(B)に示した例は、図2から図7を参照して説明した製造方法の上記実施例及び参考例と同様にして形成することができる。
(C)に示した例では、錘配置部15の周縁部に第3樹脂部17eが枠状に形成されており、第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部に金属部17aが形成されている。これにより、金属部17aを形成する際に金属部17aの材料として流動性の高いものを用いても、金属部17aの形成領域は第3樹脂部17e及び錘配置部15によって形成された凹部により画定されているので、金属部17aを所定の領域に形成することができる。
(D)に示した例では、(C)に示した例と比較して、金属部17a上及び第3樹脂部17e上に樹脂部17cが形成されており、金属部17aは樹脂部17c、第3樹脂部17d及び錘配置部15によって錘部の周辺雰囲気とは遮断されている。これにより、金属部17aの腐食等を防止して半導体センサの劣化を防ぐことができる。さらに、樹脂部17cにより、金属部17aがガラス基板29に衝突してガラス基板29及び金属部17aが損傷するのを防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、寸法、形状、材料、配置、温度等の製造工程の条件などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、金属材料を含む金属ペーストとして銀ペーストの材料に銀を用いたが、金、白金、チタン、銅、ビスマス、ニッケルなどの他の銀も利用することができる。
また、上記の製造方法の実施例では、錘部17の形成をガラス板29の貼付け及び切出し前に実施しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではなく、可撓部13及び錘配置部15を形成した後、半導体センサを個片化するための切り出しを実施し、その後、錘部17を形成し、チップ単位でガラスをはりあわせてもよい。この場合、切出し時の振動による機械的影響や水圧等による錘部17への影響が軽減されて、可撓部11の破損を防ぐことができる。
また、上記の製造方法の実施例では、SOI基板3を加熱しながら錘部17、金属部17a及び樹脂部17b,17c,17d,17eを形成しているが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
液状錘部材料として揮発性が高い溶剤を用いたものを用いるようにすれば、SOI基板3を加熱することなく、錘部を形成することができる。例えば、金属部17aの形成に関して、図9(A)から(D)に示すように、金属部17aを樹脂部17d又は17eによって形成された凹部に形成するようにすれば、金属部17a用の金属ペーストとして、揮発性が高い溶剤を媒体とし流動性が高い金属ペーストを用いることができる。
また、本発明の製造方法で行なうエッチング技術は、ドライエッチング技術であってもよいし、ウエットエッチング技術であってもよい。
本発明の製造方法の参考例により製造した半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 製造方法の参考例を説明するための工程断面図である。 参考例及び実施例で用いる製造装置の一例を示す概略構成図である。 製造装置の吐出ヘッドの概略構成図であり、(A)は待機状態、(B)は吐出状態を示す。 製造方法の他の参考例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサの他の例を示す断面図である。 製造方法の実施例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 製造方法のさらに他の参考例を説明するための工程断面図であり、(E)は半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の製造方法及び参考例により製造した半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の製造方法及び参考例により製造した半導体センサのさらに他の例を示す断面図である。 従来の半導体センサの一例を示す概略構成図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)のA−A’位置での断面図、(D)は(B)のB−B’位置での断面図である。 従来の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。

Claims (24)

  1. 少なくとも一部が半導体層からなる錘配置部と、前記錘配置部に配置された錘部と、前記錘部の周囲に設けられた支持部と、前記錘配置部を支持するために、前記支持部の表面側に設けられ、少なくとも一部が半導体層からなる可撓部と、前記可撓部の半導体層に形成された複数のピエゾ抵抗体を備え、前記錘部は少なくとも前記錘配置部及び前記可撓部を形成している材料とは異なる材料により形成されている半導体センサ。
  2. 前記錘部の材料は前記錘配置部及び前記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいる請求項1に記載の半導体センサ。
  3. 前記錘部は前記金属材料を含んでいる金属ペーストで形成されたものである請求項は2に記載の半導体センサ。
  4. 前記錘部は前記錘配置部上に形成された前記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部と、前記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部を備えている請求項2に記載の半導体センサ。
  5. 前記錘部は前記錘配置部上に形成された樹脂材料からなる第2樹脂部と前記第2樹脂部上に形成された前記金属材料を含んでいる金属ペーストからなる金属部を備えている請求項2に記載の半導体センサ。
  6. 前記第2樹脂部は前記錘配置部と前記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層である請求項5に記載の半導体センサ。
  7. 前記金属部上に樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えている請求項5又は6に記載の半導体センサ。
  8. 前記樹脂部は前記金属部が周辺雰囲気と接しないように前記金属部を覆っている請求項4又は7に記載の半導体センサ。
  9. 前記金属材料は磁性金属を含んでいる請求項2から8のいずれかに記載の半導体センサ。
  10. 前記錘部は樹脂材料のみで形成されている請求項1に記載の半導体センサ。
  11. 前記錘配置部、前記支持部及び前記可撓部は、表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板から加工されたものであり、前記錘配置部及び前記可撓部は前記半導体層を少なくとも含み、前記支持部は前記半導体層、前記絶縁層及び前記第2半導体層を少なくとも含んでいる請求項1から10のいずれかに記載の半導体センサ。
  12. 半導体基板の表面にピエゾ抵抗体を形成する工程と、支持部の形成領域を少なくとも除いて前記半導体基板の所定の領域を前記半導体基板の裏面側から選択的に除去する工程を含んで前記半導体基板の表面側に錘配置部及び可撓部を形成する錘配置部形成工程と、前記錘配置部の前記半導体基板裏面側の面に錘部を形成する錘部形成工程を少なくとも含む半導体センサの製造方法。
  13. 前記錘部形成工程において、吐出ノズルから液状錘部材料を前記錘配置部上に滴下し、前記錘配置部上に滴下された前記液状錘部材料を硬化させることにより前記錘部を形成する請求項12に記載の半導体センサの製造方法。
  14. 前記液状錘部材料として、前記錘配置部及び前記可撓部を形成している材料よりも比重の重い金属材料を少なくとも含んでいるものを用いる請求項13に記載の半導体センサの製造方法。
  15. 前記液状錘部材料として、前記金属材料を含んでいる金属ペーストを用いる請求項14に記載の半導体センサの製造方法。
  16. 前記錘部形成工程において、前記液状錘部材料として前記金属材料を含んでいる金属ペーストと未硬化樹脂を用い、前記錘配置部上に前記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、さらにその上に前記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、前記金属ペースト層及び前記未硬化樹脂層を硬化させて、金属ペーストからなる金属部と、前記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をもつ錘部を形成する請求項14又は15に記載の半導体センサの製造方法。
  17. 前記錘部形成工程において、前記液状錘部材料として第2未硬化樹脂と前記金属材料を含んでいる金属ペーストを用い、前記錘配置部上に前記第2未硬化樹脂を塗布して第2未硬化樹脂層を形成し、さらにその上に前記金属ペーストを塗布して金属ペースト層を形成し、前記第2未硬化樹脂層及び前記金属ペースト層を硬化させて、第2樹脂材料からなる第2樹脂部と、前記第2樹脂部上に形成された金属ペーストからなる金属部をもつ錘部を形成する請求項14又は15に記載の半導体センサの製造方法。
  18. 前記第2樹脂部は前記錘配置部と前記金属部の密着性を向上させるための密着性向上層である請求項17に記載の半導体センサの製造方法。
  19. 前記液状錘部材料として未硬化樹脂をさらに用い、前記金属ペースト層を形成した後さらにその上に前記未硬化樹脂を塗布して未硬化樹脂層を形成し、前記第2未硬化樹脂層、前記金属ペースト層及び前記未硬化樹脂層を硬化させて、前記金属部上に形成された樹脂材料からなる樹脂部をさらに備えた錘部を形成する請求項17又は18に記載の半導体センサの製造方法。
  20. 前記未硬化樹脂と前記第2未硬化樹脂は同じ材料である請求項17、18又は19に記載の半導体センサの製造方法。
  21. 前記未硬化樹脂層の形成領域を制御して前記樹脂部を前記金属部が周辺雰囲気と接しないように前記金属部を覆って形成する請求項16又は19に記載の半導体センサの製造方法。
  22. 前記金属材料は磁性金属を含んでいる請求項14から21のいずれかに記載の半導体センサの製造方法。
  23. 前記液状錘部材料として未硬化樹脂を用いる請求項13に記載の半導体センサの製造方法。
  24. 前記半導体基板として表面側から順に半導体層、絶縁層、第2半導体層が積層されてなるSOI基板を用い、
    前記錘配置部形成工程において、前記絶縁層をエッチングストッパ層として前記錘配置部及び前記可撓部の形成領域の前記第2半導体層を除去する請求項12から23のいずれかに記載の半導体センサの製造方法。
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