JP2006250185A - 円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受の組付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軌道輪の軸方向移動を許容しながら、軸受の取付部分の幅を短くすること。
【解決手段】 円筒ころ3の幅の中心(X)は、外・内輪1,2の幅の中心(Y)に対して、熱膨張時に内輪2が移動する矢印(Z)の方向に、所定距離だけ変位してある。すなわち、図(a)のように、左右で鍔部6,7が非対称であって、その軸方向幅が異なっており、鍔部6の方が鍔部7より長くなっている。また、図(b)に示すように、軸の膨張する方向が矢印(Z)の方向であるとき、軸がもっとも膨張した時、内輪2の軸方向の許容移動量を(a1)に設定する。このとき、軸受の取付部分に必要な幅は、(B+a1)である。ここで、2a=a1+a2,al>a2とすることによって、鍔部6,7の幅を左右対称にした場合に比べて、軸受の取付部分の幅を短くできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸の熱膨張時等に、軌道輪の軸方向移動を許容する円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受の組付方法に関する。
連続鋳造機のロールサポート軸受のうち、自由端側には、調心輪付の円筒ころ軸受が用いてある。この場合、特許文献1及び2に開示してあるように、調心輪の中心軸と外輪の中心軸とが不一致になる傾向になると、外輪と調心輪とが相対的に揺動変位し、この不一致に基づいて円筒ころ軸受の一部に、エッヂロード等の局部荷重が加わる事を防止する。
また、その内輪は、軸の熱膨張とともに軸方向に動く。よって、そのとき、自由端側の軸受には、内輪/外輪が相対的に軸方向に逃げられるように、円筒ころ軸受が用いてある。
図3(a)は、従来例に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。
図3(a)に示すように、外輪1と内輪2との間に、円筒ころ3が介装してあり、外輪1の外周側には、調心輪4が設けてある。
外輪1の軌道面5は、円筒ころ3を軸方向に保持するような左右対称の鍔部6,7を有する一方、内輪2の軌道面8は、軸の熱膨張・収縮時に、円筒ころ3に対して内輪2の軸方向移動を許容するように形成してある。
外輪1の外周面9は、凸球面形状に形成してあり、調心輪4の内周面10は、凹球面形状に形成してあり、これにより、外輪1等を揺動可能にしている。
ところで、軸の熱膨張・収縮時、内輪2の軸方向の許容移動量は、通常、内輪2の軌道幅から円筒ころ3の長さを引いた分である。
すなわち、図3(b)(c)に示すように、内輪2は、軸の熱膨張・収縮に伴って、軸方向左右に移動し、この際、内輪2の軸方向の許容移動量は、内輪2の軌道幅(B)から円筒ころ3の長さを引いた分(2a)である。
そのため、内輪2の軌道幅を(B)とすると、軸受の取付部分に必要な幅としては、(B+2a)が必要である。
特開平11−182542号公報 特開2001−271832号公報
しかしなら、図3に示した調心輪付の円筒ころ軸受の構造では、軸受の取付部分の実際のスペースが限られていて、この取付部分の幅として(B+2a)を確保できないときには、円筒ころ3の長さを短くせざるをえず、軸受の定格荷重が下がってしまうといったことがある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、軌道輪の軸方向移動を許容しながら、軸受の取付部分の幅を短くすることができる、円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受の組付方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る円筒ころ軸受は、一対の軌道輪の間に、円筒ころを介装し、
一つの軌道輪の軸方向移動を許容する円筒ころ軸受に於いて、
円筒ころの幅の中心は、軌道輪の幅の中心に対して、軸方向に変位して組み付けてあることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る円筒ころ軸受は、移動しない方の軌道輪の鍔部の幅は、異なっていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る円筒ころ軸受の組付方法は、一対の軌道輪の間に、円筒ころを介装し、
一つの軌道輪の軸方向移動を許容する円筒ころ軸受の組付方法に於いて、
円筒ころの幅の中心は、軌道輪の幅の中心に対して、軸方向に変位して組み付けることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る円筒ころ軸受の組付方法は、移動しない方の軌道輪の鍔部の幅は、異なっていることを特徴とする。
本発明によれば、円筒ころの幅の中心は、軌道輪の幅の中心に対して、軸方向に変位して組み付けてあることから、軌道輪の軸方向移動を許容しながら、軸受の取付部分の幅を短くすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る円筒ころ軸受及び円筒ころ軸受の組付方法を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1実施の形態に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。
図1(a)に示すように、外輪1と内輪2との間に、円筒ころ3が介装してあり、外輪1の外周側には、調心輪4が設けてある。
外輪1の軌道面5は、円筒ころ3を軸方向に保持する左右非対称の鍔部6,7を有する一方、内輪2の軌道面8は、軸の熱膨張・収縮時に、円筒ころ3に対して内輪2の軸方向移動を許容するように形成してある。
外輪1の外周面9は、凸球面形状に形成してあり、調心輪4の内周面10は、凹球面形状に形成してあり、これにより、外輪1等を揺動可能にしている。
本実施の形態では、円筒ころ3の幅の中心(X)は、外・内輪1,2の幅の中心(Y)に対して、熱膨張時に内輪2が移動する矢印(Z)の方向に、所定距離だけ変位してある。
すなわち、図1(a)のように、左右で鍔部6,7が非対称であって、その軸方向幅が異なっており、鍔部6の方が鍔部7より長くなっている。
また、図1(b)に示すように、軸の膨張する方向が矢印(Z)の方向であるとき、軸がもっとも膨張した時、内輪2の軸方向の許容移動量を(a1)に設定する。
このとき、軸受の取付部分に必要な幅は、(B+a1)である。
ここで、
2a=a1+a2,al>a2
とすることによって、鍔部6,7の幅を左右対称にした場合に比べて、(al−a2)の長さ分だけ、軸受の取付部分の幅を短くできるという利点を生むことができる。
図2(a)は、本発明の第1実施の形態の変形例に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。
上述した実施の形態では、外輪1の外周面9の凸球面形状と、調心輪4の内周面10の凹球面形状との頂部は、外・内輪1,2の幅の中心(Y)に一致してある。
これに対して、本変形例では、外輪1の外周面9の凸球面形状と、調心輪4の内周面10の凹球面形状との頂部は、円筒ころ3の幅の中心(X)に一致してある。
その他の構成、作用、及び効果は、上述した実施の形態と同様である。
(第2実施の形態)
図5(a)は、従来例に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、二つ割軸受である。
外輪1と内輪2との間に、円筒ころ3が介装してある。
外輪1の軌道面5は、軸の熱膨張・収縮時に、円筒ころ3に対して外輪1の軸方向移動を許容するように形成してある。内輪2の軌道面8は、円筒ころ3を軸方向に保持するような左右対称の鍔部11,12を有する。
外輪1の外周面9は、凸球面形状に形成してあり、ハウジング等の内周面の凹球面形状に対して揺動可能にしている。
ところで、軸の熱膨張・収縮時、外輪1の軸方向の許容移動量は、(a)だけである。
図4(a)は、本発明の第2実施の形態に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、二つ割軸受である。
本実施の形態では、円筒ころ3の幅の中心(X)は、外・内輪1,2の幅の中心(Y)に対して、熱膨張時に外輪1が移動する矢印(Z)の方向に、所定距離だけ変位してある。
すなわち、図4(a)のように、左の鍔部11のみが形成してあり、従来より長くなっている。
こののように、軸受や鍔部11を非対称にすることにより、外輪1の許容移動量は(2a)になる。
別のいいかたをすれば、外輪1で幅方向に必要なスペースは、従来ものも、本実施の形態のものも、ともに(B+2a)である。しかし、許容移動量は、本実施の形態の非対称の軸受の方が従来の対称な軸受の2倍ある。
(第3実施の形態)
図7(a)は、従来例に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、NU型である。
外輪1と内輪2との間に、円筒ころ3が介装してある。
外輪1の軌道面5は、円筒ころ3を軸方向に保持するような左右対称の鍔部6,7を有する一方、内輪2の軌道面8は、軸の熱膨張・収縮時に、円筒ころ3に対して内輪2の軸方向移動を許容するように形成してある。
ところで、軸の熱膨張・収縮時、内輪2の軸方向の許容移動量は、通常、内輪2の軌道幅から円筒ころ3の長さを引いた分である。
すなわち、図7(b)(c)に示すように、内輪2は、軸の熱膨張・収縮に伴って、軸方向左右に移動し、この際、内輪2の軸方向の許容移動量は、内輪2の軌道幅(B)から円筒ころ3の長さを引いた分(2a)である。
そのため、内輪2の軌道幅を(B)とすると、軸受の取付部分に必要な幅としては、(B+2a)が必要である。
図6(a)は、本発明の第3実施の形態に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、NU型である。
本実施の形態では、円筒ころ3の幅の中心(X)は、外・内輪1,2の幅の中心(Y)に対して、熱膨張時に内輪2が移動する矢印(Z)の方向に、所定距離だけ変位してある。
すなわち、図6(a)のように、左右で鍔部6,7が非対称であって、その軸方向幅が異なっており、鍔部6の方が鍔部7より長くなっている。
また、図6(b)に示すように、軸の膨張する方向が矢印(Z)の方向であるとき、軸がもっとも膨張した時、内輪2の軸方向の許容移動量を(a1)に設定する。
このとき、軸受の取付部分に必要な幅は、(B+a1)である。
ここで、
2a=a1+a2,al>a2
とすることによって、鍔部6,7の幅を左右対称にした場合に比べて、(al−a2)の長さ分だけ、軸受の取付部分の幅を短くできるという利点を生むことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
(a)は、本発明の第1実施の形態に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。 (a)は、本発明の第1実施の形態の変形例に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。 (a)は、従来例に係る調心輪付の円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した調心輪付の円筒ころ軸受の作用図である。 (a)は、本発明の第2実施の形態に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、二つ割軸受である。 (a)は、従来例に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、二つ割軸受である。 (a)は、本発明の第3実施の形態に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)は、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、NU型である。 (a)は、従来例に係る円筒ころ軸受の断面図であり、(b)(c)は、夫々、(a)に示した円筒ころ軸受の作用図である。なお、円筒ころ軸受は、NU型である。
符号の説明
1 外輪
2 内輪
3 円筒ころ
4 調心輪
5 外輪の軌道面
6,7 鍔部
8 内輪の軌道面
9 外輪の外周面
10 調心輪の内周面
11,12 鍔部
X 円筒ころの幅の中心
Y 外・内輪の幅の中心
Z 軌道輪の移動方向

Claims (4)

  1. 一対の軌道輪の間に、円筒ころを介装し、
    一つの軌道輪の軸方向移動を許容する円筒ころ軸受に於いて、
    円筒ころの幅の中心は、軌道輪の幅の中心に対して、軸方向に変位して組み付けてあることを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 移動しない方の軌道輪の鍔部の幅は、異なっていることを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。
  3. 一対の軌道輪の間に、円筒ころを介装し、
    一つの軌道輪の軸方向移動を許容する円筒ころ軸受の組付方法に於いて、
    円筒ころの幅の中心は、軌道輪の幅の中心に対して、軸方向に変位して組み付けることを特徴とする円筒ころ軸受の組付方法。
  4. 移動しない方の軌道輪の鍔部の幅は、異なっていることを特徴とする請求項3に記載の円筒ころ軸受の組付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008146704A1 (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Jtekt Corporation 円筒ころ軸受装置
JP2010089508A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Heidelberger Druckmas Ag 印刷機

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