JP2006249749A - 掘進機と地下構造物の構築方法 - Google Patents

掘進機と地下構造物の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な設備により構成されて、地山状況に限定されることなく掘削が可能で、かつ、分解することなく発進立坑から搬出することが可能な掘進機とこの掘進機を利用した地下構造物の構築方法を提案する。
【解決手段】 セグメント20の内径よりも小さい外径を有する本体部11と、本体部11の掘進方向側の先端に配置されて、トンネル1の直径方向にスライド可能に設けられた一対のカッタ12a,12bを有するカッタヘッド12とから構成される掘進機10であって、掘削時におけるカッタヘッド12の幅が、セグメント20の外径以上であって、非掘削時におけるカッタヘッド12の幅が、セグメント20の内径以下となるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シールド工法や推進工法等において使用される掘進機とこの掘進機を使用した地下構造物の構築方法に関する。
例えば、シールド工法や推進工法では、発進立坑において所定の深さに掘進機を据え付けた後、この掘進機によりトンネルの掘削を行い、トンネルの到達部に予め設けられた到達立坑において、掘進機を回収している。また、トンネルの到達部が既設の構造物である場合には、既設構造物内から掘進機を回収する場合があった。
これらの掘進機の回収時には、トンネルの到達部において確保できる用地が狭いため十分な大きさの到達立坑が構築できないことや、トンネルが接続する既設構造物が掘進機を回収するために必要な形状を有していないことなどの理由により、掘進機を分割して回収する場合があった。
また、掘進機を分割しても、トンネル到達部における掘進機の回収が困難な場合には、掘進機を構築された新設のトンネル内を後進させることで発進立坑から回収する場合があった。
ところが、通常、掘進機の外径は、構築されるトンネルの外径と同形状に形成されており、トンネルの内径よりも大きく形成されているため、トンネル内を後進させて掘進機を回収する場合にも、掘進機を解体して回収することが多かった。
このように、掘進機を分割する場合は、狭い箇所に作業員が入って解体作業を行うため、作業に手間を要していた。また、回収した掘進機を別の工事ヶ所において再利用する場合には、再度掘進機を組み立て直す手間を要し、工事期間の長期化の原因になっていた。
そのため、従来、掘削完了後に解体することなく回収することを可能とした掘進機として、例えば、図5(a)および(b)に示すように、複数の三角形状のカッタ112a,112b,112cを有したカッタヘッド112により掘進する掘進機110が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この掘進機110は、掘削時は各カッタ112a,112b,112cを回転させるとともにこのカッタヘッド112を回転させることにより本体部111の外径よりも大きな直径のトンネルの掘削を可能とし(図5(b)参照)、非掘削時は本体部111の外径内に各カッタ112a,112b,112cを収納して(図5(a)参照)、掘削後のトンネル内から解体することなく、回収することを可能としている。
また、図5(c)および(d)に示すように、伸長可能なスポークタイプのカッタヘッド122を有し、掘削時はカッタ122a,122bを伸長させて、カッタ122a,122bのみを本体部121の外径よりも外側に突出させることにより掘削断面積を広げて、非掘削時は、カッタ122a,122bを収納することにより本体部121の断面内に収める掘進機120がある(例えば特許文献2参照)。この掘進機120によれば、掘進時は掘進機120よりも大きな断面積で掘削し(図5(d)参照)、掘削後は、カッタ122a,122bを収納することでトンネル内を挿通可能な形状にして(図5(c)参照)、後退させて掘進機120を回収することが可能となる。
特開2003−247391号公報([0013]−[0023]、図1−図2) 特開2004−044306号公報([0011]−[0027]、図1−図3)
ところが、前者の三角形状のカッタ112a,112b,112cを有した掘進機110は、各カッタ112a,112b,112cを回転させる駆動系と、カッタヘッド112を回転させるための駆動系と、多数の駆動系を配置する必要があり、本体部111内の限られた空間への多数の設備の配置が困難な場合があるとともに、これらの複雑な設備の管理に手間がかかるという問題点を有していた。
また、後者のスポークタイプの掘進機120は、カッタ122a,122bのみが掘削機120の断面よりも突出している構成のため、岩盤や玉石混じりの地盤などでは、この突出部分が破損する場合や、突出部分が地山に引っかかることにより、掘削不能となる場合があり、施工可能な土質が限られていた、という問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、簡易な設備により構成されて、地山状況に限定されることなく掘削が可能で、かつ、分解することなく発進立坑から搬出することが可能な掘進機と、この掘進機を利用した地下構造物の構築方法を提案することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、トンネルの覆工の内径よりも小さい外径を有する本体部と、前記本体部の掘進方向側の先端に配置されて、前記トンネルの直径方向にスライド可能に設けられた一対のカッタを有する掘削部と、から構成される掘進機であって、掘削時における前記掘削部のカッタ幅が、前記トンネルの覆工の外径以上であって、非掘削時における前記掘削部のカッタ幅が、前記トンネルの覆工の内径以下であることを特徴としている。
かかる掘進機は、掘進機の前面に配置された一対のカッタをそれぞれ相反する半径方向にずらすことにより、掘削部のカッタ幅(掘削断面積)を広げることを可能としている。そのため、本発明の掘進機によれば、カッタをスライドさせてカッタ幅を本体部の外径よりも広げた状態で掘進した後、カッタを元の状態に戻せば、掘進機を分解することなくトンネル覆工内を後退させて、掘進機を回収することが可能となる。したがって、複数の工事ヶ所において、同一の掘進機を使用する場合において、掘進機の分解・組立作業がない分、前の工事ヶ所における掘進機の回収から次の工事ヶ所での掘進開始までの時間を短縮することが可能となる。ここで、カッタ幅とは、一対のカッタが有する最大幅を示し、一対のカッタが円形を呈している場合はその直径をいい、一対のカッタをそれぞれ相反する方向にスライドさせた場合は、それぞれのカッタの突出した側の端部から端部までの長さをいう。
また、当該掘進機によれば、一対のカッタからなる掘削部により地山の掘削を行うため、多数の駆動系を要することのない簡易な構造により構成が可能で、本体部内に広い作業スペースを確保することが可能となるとともに、維持管理も容易である。
また、掘削部のカッタがスライド可能に設けられているため、トンネルの掘進時に、カッタ幅を変更すれば、断面積が変化するトンネルの構築が可能となる。さらに、工事ヶ所毎にカッタ幅を変化させれば、断面積の異なるトンネルを工事ヶ所毎に構築することが可能である。
また、本発明の掘進機が、本体部の外径よりも大きな内径を有し、トンネル覆工の外径以上の外径を有していて、本体部の外周に取り外し可能に配置される外殻部を有していれば、掘削時に本体部の周囲の地山の崩壊を抑止するとともに、掘削後は、掘進機と分離して地中に残置することによりトンネル先端の覆工としての役目を果たすため好適である。
また、本発明の地下構造物の構築方法は、本体部と一対のカッタからなる掘削部とを有する掘進機により地山を掘進して地下構造物を構築する方法であって、前記一対のカッタをそれぞれ相反する方向へずらしてカッタ幅を前記本体部の外径より広げた状態で掘進するとともに、前記掘進機の後方に前記本体部の外径よりも大きな内径を有するトンネル覆工を配置する工程と、前記カッタを元の状態に戻してカッタ幅を前記トンネル覆工の内径よりも小さくし、前記掘進機を前記トンネル覆工の内部を後退させることにより前記掘進機を回収する工程とを含むことを特徴としている。
かかる地下構造物の構築方法によれば、トンネルの掘進に伴いトンネル覆工を形成した後、掘進機を解体することなくこのトンネル覆工内を通して掘進機を回収するため、到達立坑を構築することができないトンネルに関しても、容易に掘進機を回収することが可能となる。また、この掘進機を別の工事ヶ所において再利用する場合に、掘進機の組立作業を省略することが可能となるため、工期の短縮が可能となる。
本発明の掘進機およびこの掘進機を利用した地下構造物の構築方法によれば、簡易な設備により構成されて、地山状況に限定されることなく掘削が可能で、かつ、分解することなく発進立坑から搬出できるため、地下構造物の構築を短期間で行うことが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係る掘進機を示す斜視図であって、(a)はカッタを縮径した状態を示し、(b)はカッタをスライドさせた状態を示している。また、図2の(a)〜(f)は、図1に示す掘進機による地下構造物の構築方法の各段階を示す図であり、同じく図3の(a)〜(d)も図1に示す掘進機による地下構造物の構築方法の各段階を示す図である。さらに図4の(a)および(b)は、本発明の地下構造物の構築方法による施工例を示す概略図である。
本実施形態に係る掘進機10は、図1(a)および(b)に示すように、地山の掘進とともに掘進機10の後方においてセグメント(トンネル覆工)20を組み立てることによりトンネル覆工を行い、このセグメント20から反力を取って掘進するシールド工法に使用するものである。
掘進機10は、セグメント20の内径よりも小さい外径を有する本体部11と、本体部11の掘進方向側の先端に配置されて、非掘削時の外径が、本体部11の外径と同等であるカッタヘッド(掘削部)12と、セグメント20の外径以上の外径を有していて本体部11の外周に取り外し可能に配置されるスキンプレート(外殻部)13とを有している。
本実施形態に係るカッタヘッド12は、スポーク形カッタヘッドであって、鋼製部材からなる一対の半円形状のカッタ12a,12bから構成されている。このカッタヘッド12は、非掘削時は図1(a)に示すように、両カッタ12a,12bが縮径した状態で円形を呈している。また、掘削時には、カッタ12aとカッタ12bとを、図1(b)に示すように、それぞれカッタヘッド12の相対する半径方向(すなわち、カッタヘッド12の直径方向)にスライドさせて、カッタ幅D(図2(c)参照)をスキンプレート13の外径と同じ幅、あるいはこれよりも僅かに大きい幅に広げた状態とする。以下、本明細書において、カッタ12a,12bをスライドさせてカッタ幅Dを広げることを「拡幅」という場合がある。
つまり、カッタヘッド12は、縮径した状態で、トンネルを構成するセグメントの設計断面の内径以下の直径を有し、拡幅した状態で、同セグメントの外径よりも大きな幅となるように構成されている。
なお、カッタヘッド12には、図示しないカッタビットが複数配置されており、各カッタビットは、カッタヘッド12を拡幅させた状態で、掘削断面において切削に最適な状態となるように配置されている。
ここで、カッタヘッド12の材質は、鋼材に限定されるものではなく、地山の状況に応じて、適宜適切な材料から構成すればよい。また、カッタヘッド12はスポーク形に限定されるものではなく、掘削方式や地山の状況に応じて面板形を採用してもよい。
本体部11は、カッタヘッド12の図示しない駆動系、掘削機10の掘進に伴い発生する土砂を一時的に収容する図示しないチャンバ、チャンバ内の土砂を搬送するための図示しない土砂搬出手段、および図示しないシールドジャッキ等が収容されており、その外周は鋼製の円筒形状の部材からなるスキンプレート13により保護されている。
スキンプレート13は、カッタヘッド12により切削された掘削孔と同等の外径を有した鋼製の円筒形状の部材からなり、土圧に対して、十分な耐力を発現することが可能な部材厚を有している。また、スキンプレート13の外周は、地山との摩擦抵抗力により、掘進機の掘進を妨げにならないように、滑らかに形成されている。そして、本実施形態に係るスキンプレート13は、シール部材13aとスペーサ13bとを介して本体部11に固定されている(図2(a)参照)。なお、スキンプレート13は、鋼製部材に限定されるものではなく、土圧に対して十分な耐力を有し、本体部11の収容が可能な厚みに形成することが可能な材料から、適宜選定して行えばよい。また、スキンプレート13の本体部11への固定方法は、掘進時には一体に固定されて、掘進完了後に簡易に取り外すことが可能な方法であれば限定されるものではない。
スキンプレート13のカッタヘッド12側先端には、本体部11とスキンプレート13との隙間に、掘削に伴う土砂や泥水などが流入することがないように、シール部材13aが配置されている。本実施形態では、シール部材13aは、正面視がリング状で、断面形状が三角形状に形成されており(図2(a)参照)、掘削した土砂等を本体部11のチャンバに誘導するように構成されている。また、シール部材13aは、その内径が本体部11の外径よりも小さく形成されており、その中心側先端が本体部11の進行方向先端に係止されていることにより固定されている。また、本体部11とスキンプレート13との隙間の所定箇所には、円周方向において複数個のスペーサ13bが配置されており、本体部11とスキンプレート13とを接合している。この構成により、スキンプレート13は、本体部11の前進と共に前進し、本体部11の後退時には、シール部材13aとスペーサ13bとを本体部11から取り外すことにより、スキンプレート13を本体部11から容易に分離することが可能な構成となっている。なお、シール部材13aおよびスペーサ13bの構成は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
次に、本実施形態の掘進機10による、トンネル(地下構造物)の構築方法について説明する。
本実施形態に係るトンネルの構築方法は、掘進機10を所定の位置に配置して、カッタヘッド12の幅を拡幅する準備工程(図2(a)〜(d)参照)と、カッタヘッド12が拡幅された状態で地山を掘進する掘進工程(図2(e)および(f)参照)と、所定の位置までの掘進が完了した後カッタヘッド12を縮径する格納工程(図3(a)および(b)参照)と、掘進機10を回収する回収工程(図3(c)および(d)参照)とから構成されている。本実施形態では、立坑3から既設構造物2まで掘進機10により掘進してトンネル1を構築した後、トンネル1内を通って掘進機10を回収する場合について説明する(図4(a)参照)。
[準備工程]
まず、掘進機10を、カッタヘッド12を縮径した状態で搬入し、立坑3の所定の位置に形成されたトンネル坑口に据え付ける(図2(a)および(b)参照)。掘進機10の据え付けが完了したら、カッタ12aおよびカッタ12bをそれぞれカッタヘッド12の半径方向で相対する方向にスライドさせて、カッタ幅Dを拡幅する(図2(c)および(d)参照)。なお、カッタヘッド12は、拡幅されることにより、設計されたトンネル掘削断面の直径と同じ幅を有している。
[掘進工程]
次に、図2(e)および(f)に示すように、カッタヘッド12が拡幅された状態で、トンネルの掘進を行う。トンネルの掘進は、カッタヘッド12による地山の切削とともに、掘削機10の後方にセグメント20を組み立てて、トンネル1の覆工を行う。なお、セグメント20は、スキンプレート13の内径と同等の外径を有し、スキンプレート13の内部において随時組み立てられて、地中に形成された掘削孔内に配置される。
なお、地山の掘進は、スキンプレート13と地山との摩擦抵抗を軽減させることを目的として、スキンプレート13と地山との隙間に潤滑材を充填しながら掘進してもよい。また、セグメント20と地山との間に隙間が形成される場合には、この隙間に充填材を充填することはいうまでもない。
[格納工程]
図3(a)および(b)に示すように、掘進機10が既設構造物2に到達したら、掘進を停止し、カッタヘッド12を元の状態に縮径する。このとき、図3(b)に示すように、スキンプレート13の先端が既設構造物2の内面と平面をなす位置まで掘進機10が押し込まれている。なお、既設構造物2が管体の場合は、スキンプレート13を既設構造物2の内部に突出させて、既設構造物2とスキンプレート13との間に隙間が形成されないように構成する。
[回収工程]
続いて、図3(d)に示すように、本体部11およびカッタヘッド12をセグメント20により構成されたトンネル1内を後退させることにより、掘進機10の回収を行う。このとき、スキンプレート13は、既設構造物2に接合した状態で、残置する。なお、既設構造物2とスキンプレート13との接合部周囲の地山は、接合部の隙間からの地下水の浸透を防止することを目的として、図3(c)および(d)示すように、地盤改良21を施すとよい。
以上に示した掘進機10およびこの掘進機10を利用した地下構造物の構築方法は、さまざまなトンネル施工に適用可能である。
例えば、図4(a)に示すように、発進立坑3から既設構造物2および到達立坑4までの2工区について、同形状のトンネル1およびトンネル1’を構築する場合には、まず、発進立坑3から既設構造物2まで掘進した後、掘進機10を、トンネル1内を後退させることにより回収する。そして、発進立坑3において向きを変えることにより、到達立坑4までのトンネル1’の掘進を行うことが可能である。つまり、掘進機10は、解体することなくそのまま回収することが可能なため、発進立坑3内において向きを変更するのみで、次の掘進作業を開始することが可能となり、掘進機10を再利用することによる機械費用の削減とともに、掘進機10の解体・組立作業を省略することにより、工期の短縮が可能となる。
また、掘進機10は、掘進方向を変更することで、横方向のみではなく、縦方向(上下方向)、斜め方向への掘進に使用してもよい。例えば、図4(b)に示すように、既設の大深度トンネル5から、比較的浅い箇所に設けられた既設構造物2に接続するトンネル1と、地上に挿通する人孔用のトンネル1’の施工を行う場合にも有効である。
つまり、大深度トンネル5の内部に搬入された掘進機10を利用して、上向きにトンネル1を掘進して既設構造物2に接合した後、トンネル1から掘進機10を回収する。続いて、大深度トンネル5内において掘進機10を所定の位置まで移動した後、新たに地上まで掘進するトンネル1’を構築することが可能である。この時、掘進機10は地上において回収せずに大深度トンネル5まで後退させて回収することが可能なため、地上に掘進機10を回収するための設備を別途配置する必要がなく、簡易な設備による施工が可能となる。
本実施形態の掘進機10は、半円形状に形成されたカッタ12a,12bをスライドさせて、掘削幅を拡幅する構成であるため、従来のスポークからカッタを突出させて掘削幅を拡幅する掘進機(図5(d)参照)に比べて、カッタ12a,12b自体が耐力的に優れており、強固な岩盤や玉石混じりの地山などにおいても、カッタヘッド12が破損することなく掘進することが可能となり、地山に限定されずに採用可能で優れている。
また、掘進機10は、カッタヘッド12のスライド用のジャッキとカッタヘッド12のモータ等、駆動系が少数なため、駆動系に必要な本体部11の内部の占有面積を省略化することが可能となる。また、装置が少数なため、本体部11内の配線や配置が複雑にならず、掘進機10の維持管理の面でも優れている。また、本体部11内に配置する装置に要する空間が少なくてすむため、本体部11内の作業スペースを広く確保することや、掘進機10の小断面化等が可能となる。
本実施形態に係る掘進機10は、カッタヘッド12がトンネル覆工(セグメント20)の内径よりも小さく縮径されるため、掘削機10を解体することなく回収することが可能なため、機械の解体に要する作業の手間と時間を削減し、掘削機10の搬入から搬出までの時間を大幅に削減することが可能となる。
また、スキンプレート13を除いた全ての装置をそのまま回収するため、掘進機10の再利用が可能となり、機械費の負担を大幅に削減することが可能となるとともに、別の工事ヶ所において掘進機10を据え付けるのみで、新たな掘進が開始できるため、工期の短縮も可能となる。
また、スキンプレート13は、その先端に断面形状が三角形のシール部材13aを有しているため、地山の掘進に伴う掘削土砂や泥水などを本体部11のチャンバに誘導して、本体部11とスキンプレート13との間に、土砂や泥水が浸透することを防止している。
また、トンネル1と既設構造物2との接合部には、スキンプレート13をトンネル1の一部分として残置するため、この接合部における地山の崩壊を抑止し、安全なトンネル施工を可能としている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、本発明の掘進機をシールド工法に採用するものとしたが、本発明の掘進機は、本体部に収容する各種設備を変更することにより推進工法等にも適用可能であり、トンネルの規模、用途、地山状況等に応じて、適宜選定して採用すればよい。
また、前記実施形態では、スキンプレートを有する構成としたが、例えば、セグメントの組立までの間に地山が崩壊する恐れのない安定した地山における施工であれば必ずしもスキンプレートは必要ではなく、スキンプレートの有無は適宜決定すればよい。
また、前記実施形態では、カッタの形状を半円形状としたが、カッタの形状は限定されるものではなく、適宜適切な形状に設定すればよい。
また、前記実施形態ではカッタヘッドの縮径時のカッタ幅を本体部の外径と同等とする構成としたが、カッタ幅は、セグメントの内径よりも小さく、トンネル内を通って回収が可能な形状であればよく、必ずしも本体部と同等に形成する必要はない。
また本発明の掘進機に中折れ連結部を備えれば、カーブを有した曲線施工も可能であることはいうまでもない。
本実施形態に係る掘進機を示す斜視図であって、(a)はカッタを縮径した状態を示し、(b)はカッタをスライドさせた状態を示している。 (a)〜(f)は、図1に示す掘進機による地下構造物の構築方法の各段階を示す図である。 (a)〜(d)は、図1に示す掘進機による地下構造物の構築方法の各段階を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の地下構造物の構築方法による施工例を示す概略図である。 従来の掘進機を示す正面図であって、(a)および(b)は三角形状のカッタを有する掘進機、(c)および(d)は伸長式のカッタを有する掘進機をそれぞれ示している。
符号の説明
1 トンネル
10 掘進機
11 本体部
12 カッタヘッド
12a,12b カッタ
13 スキンプレート(外殻部)
20 セグメント(トンネル覆工)
D カッタ幅

Claims (3)

  1. トンネルの覆工の内径よりも小さい外径を有する本体部と、
    前記本体部の掘進方向側の先端に配置されて、前記トンネルの直径方向にスライド可能に設けられた一対のカッタを有する掘削部と、から構成される掘進機であって、
    掘削時における前記掘削部のカッタ幅が、前記トンネルの覆工の外径以上であって、
    非掘削時における前記掘削部のカッタ幅が、前記トンネルの覆工の内径以下であることを特徴とする、掘進機。
  2. 前記掘進機が、前記本体部の外周に取り外し可能に配置される外殻部を有し、
    前記外殻部は、前記本体部の外径よりも大きな内径を有し、かつ、前記トンネルの覆工の外径以上の外径を有していることを特徴とする、請求項1に記載の掘進機。
  3. 本体部と一対のカッタからなる掘削部とを有する掘進機により地山を掘進して地下構造物を構築する方法であって、
    前記一対のカッタをそれぞれ相反する方向へずらしてカッタ幅を前記本体部の外径より広げた状態で掘進するとともに、前記掘進機の後方に前記本体部の外径よりも大きな内径を有するトンネル覆工を配置する工程と、
    前記カッタを元の状態に戻して前記カッタ幅を前記トンネル覆工の内径よりも小さくし、前記掘進機を前記トンネル覆工の内部を後退させることにより前記掘進機を回収する工程と、を含むことを特徴とする、地下構造物の構築方法。
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