JP2006249321A - テトラアザポルフィリン化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
金属フタロシアニン化合物は、青色色素として種々の用途に使用されている。例えば、特開平3−195783号公報では、インクジェット記録用インクに金属フタロシアニンスルホン酸アミド化合物を使用しているが、金属フタロシアニンスルホン酸アミド化合物の最大吸収波長が670nm附近であるため、鮮明な青色は得られない。
また特開平2−276866号公報では、光記録媒体用の色素として、本発明の化合物とは中心金属が異なる化合物であるが、テトラアザポルフィン化合物が開示されている。しかしながら、この化合物をインクジェット用インク等に使用した場合、最大吸収波長は650nm附近であり鮮明な青色とは言えない。
そこで、特に600nm附近に強い吸収をもつ有機溶媒可溶型の着色剤に対する要望が強くなってきている。
また、最近では、高分子材料の着色剤等に、作業環境および安全性に優れる極性有機溶媒、例えば乳酸メチル、乳酸エチル等に対する溶解性の高い着色剤が特に求められている。
すなわち、本発明は下記一般式(1)
これらのうちでも、R1、R2の少なくとも一方が、下記式(2)であるものが特に好ましい。
R3、R4が酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合、および/またはエステル結合の形で含むアルキル基であるものとしては、酸素原子を1〜4個含む炭素数2〜10のアルキル基が好ましい。例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシメチル基、ブトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシエトキシメチル基、ブトキシエトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエトキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシエトキシエトキシメチル基、ブトキシエトキシエトキシエトキシメチル基、アセチルメチル基、プロピオニルメチル基、テトラヒドロフルフリルオキシメチル基、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メトキシメチル基、2−(1,3−ジオキソラン)エトキシメチル基、2−(1,3−ジオキサン)エトキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、ペントキシカルボニルメチル基が挙げられる。
特にR1、R2の少なくとも一方が、下記一般式(2)
で表される置換アルキル基であるテトラアザポルフィリン化合物が特に好ましい。
一般式(1)のテトラアザポルフィリン化合物におけるmは1〜8個の整数であるが、1〜6個が好ましく、吸光度の高さから、1〜4個が特に好ましい。
またnは1〜4の整数であるが、2〜3が好ましく,2が特に好ましい。
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、一般式(1)で表され、 A1、 A2、 A3及びA4で表わされる環は、
本発明の前記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物の製造方法を以下に説明する。
代表的な製造方法の概略は、次のとおりである。
(1)フタル酸、ブロモ置換フタル酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸およびブロモ置換ピリジン−2,3−ジカルボン酸の群から適宜選択される混合物を反応させてブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物の基本骨格を製造する。
(2)次いでこれをクロルスルホニル化する。
(3)得られたブロモ置換テトラアザポルフィリンのクロルスルホニル化物にアミンを反応させてアミド化することにより目的物を得る。
別の合成法として、フタル酸およびピリジン−2,3−ジカルボン酸の混合物を反応させてテトラアザポルフィリン化合物を合成し、クロルスルホニル化し、アミド化した後臭素化するか、若しくは、テトラアザポルフィリン化合物を臭素化した後、クロルスルホニル化し、アミド化することによっても得ることが可能である。
(1)のブロモ置換テトラアザポルフィリン環形成工程
テトラアザポルフィリン環を形成させる方法としては、フタル酸、ブロモ置換フタル酸、ピリジン−2、3ージカルボン酸およびブロモ置換ピリジン−2,3−ジカルボン酸の群から適宜選択される混合物と銅粉、銅酸化物または銅塩とを、アンモニアガス、アンモニウム化合物叉は尿素の存在下で、モリブデン酸アンモニウム塩等を触媒として、無溶媒またはテトラリン、1−クロロナフタリン、ニトロベンゼン、トリクロロベンゼン、DMI等の溶媒中で120〜300℃に加熱して得られる。
ブロモ置換フタル酸の具体例としては、3−ブロモフタル酸、4−ブロモフタル酸、3、4、5、6−テトラブロモフタル酸等が挙げられる。ブロモ置換ピリジン−2、3ージカルボン酸の具体例としては、5−ブロモピリジン−2、3ージカルボン酸、6−ブロモピリジン−2、3ージカルボン酸等が挙げられる。
上記(1)の工程で得られたブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物を5〜20倍重量のクロロスルホン酸中に20℃以下を保つように少量ずつ添加する。同温で1時間攪拌後、155〜160℃で4時間反応させる。80℃まで冷却し、テトラアザポルフィリン化合物の2〜5倍重量の塩化チオニルを70〜80℃に保ちながら、1〜2時間要して滴下する。同温で2〜10時間攪拌後、15〜20℃まで冷却し、同温で12時間攪拌する。この反応液を、使用したクロロスルホン酸量の50〜200倍重量の氷水中に少量ずつ排出後、析出物を濾別、氷水で中性になるまで洗浄、ブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物のスルホニルクロリド体を得る。
上記した反応条件は主としてテトラスルホニルクロリドを得る条件であるが、モノ、ジあるいはトリ置換スルホニルクロリドを得たい場合には、クロロスルホン酸中での反応条件をより穏和にしていくことで可能となる。即ち、反応温度を下げるまたは反応時間を短縮することにより達成される。
上記で得たブロモ置換テトラアザポルフィリンスルホニルクロリドを氷水中に懸濁させ、
下記式(8):
NHR1R2 (8)
(式中、R1,R2は前記式(1)におけるものと同じ)
で表される有機アミン化合物(ブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物の2〜8倍モル比)を15℃以下を保つように滴下する。滴下後、20〜30℃で15〜24時間攪拌し、濾別、水洗、乾燥することにより、目的とする式(1)のブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物が得られる。
この混合物は、必要に応じ、酢酸エチル、アセトン、メタノール等の有機溶剤で再結晶したり、さらにカラムクロマトグラフィーを用いて精製する等の通常の精製法により、精製でき、単品の化合物を得ることもできる。
無水フタル酸29.6g、4−ブロモフタル酸無水物22.2g、ピリジン−2,3−ジカルボン酸16.7g、尿素144g、塩化第一銅9.9g、モリブデン酸アンモニウム1.6gを1ークロロナフタレン400mLに懸濁させ190℃〜220℃で5時間撹拌した。反応混合物をメタノール250mL中にあけ、ろ過し、メタノール、水、アセトンの順で洗浄した後、乾燥させ青色のブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物31.3gを得た。
この青色結晶0.3gとアクリル系樹脂(デルペット80N:旭化成株式会社製)0.5g及び乳酸エチル9.5gの色素樹脂溶液を調製し、ガラス板にスピンコート法で塗布し、60℃にて1時間乾燥させた後、透過スペクトルの測定を行った。この透過スペクトルを図1に示す。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、1.5gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1100.2よりピリジン環が1個導入された具体例−28の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
無水フタル酸14.8g、4−ブロモフタル酸無水物45.4g、ピリジン−2,3−ジカルボン酸16.7g、尿素144g、塩化第一銅9.9g、モリブデン酸アンモニウム1.6gを1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン400mLに懸濁させ190℃〜220℃で5時間撹拌した。実施例1と同様の後処理を行いブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物41.1gを得た。実施例1と同様にクロロスルホン化、アミド化及び後処理を行って青色結晶15.5gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は2.1個、臭素原子は2.2個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。この透過スペクトルを図2に示す。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、1.0gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は2個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1178.1よりピリジン環が1個導入された具体例―29の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
4−ブロモフタル酸無水物68.1g、ピリジン−2,3−ジカルボン酸16.7g、尿素144g、塩化第一銅9.9g、モリブデン酸アンモニウム1.6gを1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン400mLに懸濁させ190℃〜220℃で5時間撹拌した。実施例1と同様の後処理を行いブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物25gを得た。実施例1と同様にクロロスルホン化、アミド化及び後処理を行って青色結晶9.9gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は1.9個、臭素原子は3.1個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。この透過スペクトルを図3に示す。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、3.0gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は3個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1256.0よりピリジン環が1個導入された具体例―30の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
実施例1において、2−アミノ−1(2−エトキシエトキシ)ブタン30gの代わりに、3−ブトキシプロピルアミン25gを用いた以外は実施例1と同様に行って青色結晶13gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は1.9個、臭素原子は1.1個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、3.0gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1040.1よりピリジン環が1個導入された具体例―7の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
実施例1において、2−アミノ−1(2−エトキシエトキシ)ブタン30gの代わりに、2−エチルヘキシルアミン40gを用いた以外は実施例1と同様に行って青色結晶11gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は2.2個、臭素原子は1.2個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、1.0gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1036.2よりピリジン環が1個導入された具体例―16の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
無水フタル酸14.8g、4−ブロモフタル酸無水物22.7g、ピリジン−2,3−ジカルボン酸33.4g、尿素144g、塩化第一銅9.9g、モリブデン酸アンモニウム1.6gを1ークロロナフタレン400mLに懸濁させ190℃〜220℃で5時間撹拌した。実施例1と同様の後処理を行いブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物28gを得た。実施例1と同様にクロロスルホン化、アミド化及び後処理を行って青色結晶6.8gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は1.8個、臭素原子は0.9個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、1.0gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1179.1よりピリジン環が2個導入された具体例―65の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
実施例1において、2−アミノ−1(2−エトキシエトキシ)ブタン30gの代わりに、L−バリンメチル塩酸塩20g、トリエチルアミン15gを用いた以外は実施例1と同様に行って、青色結晶6.7gを得た。 この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は1.9個、臭素原子は1.2個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。
この青色結晶5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、0.5gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は2個、臭素原子は1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z1040.1よりピリジン環が1個導入された具体例―33の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
4−ブロモフタル酸無水物22.7g、ピリジン−2,3−ジカルボン酸50.1g、尿素144g、塩化第一銅9.9g、モリブデン酸アンモニウム1.6gを1ークロロナフタレン400mLに懸濁させ190℃〜220℃で5時間撹拌した。実施例1と同様の後処理を行いブロモ置換テトラアザポルフィリン化合物15gを得た。実施例1と同様にクロロスルホン化(反応温度125〜130℃)、アミド化及び後処理を行って青色結晶4.5gを得た。
この青色結晶は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は1.2個、臭素原子は1.1個であることが確認された。この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。
この青色結晶3.5gを、酢酸エチル/メタノール混合溶液にてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、0.8gの精製青色粉末を得た。この精製青色粉末は、蛍光X線分析の結果、ブロモ置換テトラアザポルフィリン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子および臭素の強度比により1分子あたりのスルホンアミド基は1個、臭素原子は1個であることが確認され、FD−MS分析の結果:m/z879.1よりピリジン環が3個導入された具体例―101の化合物を主成分とした化合物であることを確認した。
反応液を氷水1000gに少量づつ排出した後、析出物を濾過分離し、氷水で中性になるまで洗浄し、含水ペースト状のフタロシアニンのスルホニルクロリドを得た。直ちにこれを、氷水400gに注入し、10℃以下で30分間分散撹拌後、3−ブトキシプロピルアミン20gを滴下した。次に、20〜30℃まで昇温し、同温度で18時間撹拌後、生成物を濾過分離し、水200gにて分散、濾過の操作を2回行った後、60℃で15時間乾燥し、青色粉末15gを得た。さらに酢酸エチルで再結晶し、青色結晶6.4gを得た。蛍光X線分析よりフタロシアニン骨格の中心金属である銅とスルホンアミド基の硫黄原子との強度比により1分子あたりの平均スルホンアミド基は3.8個であった。
この青色結晶の透過スペクトルの測定を実施例1と同様に行った。この透過スペクトルを図4に示す。
本願発明のテトラアザポルフィリン化合物の透過スペクトルが、600nm附近に強い吸収を持ち、鮮明な青色であるのに対して、本比較例化合物の透過スペクトルは、680nm付近に吸収を示し、緑味の青色であった。
各実施例及び比較例で透過スペクトル測定時作成した各ガラス基板に対して、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)した後、色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)を用いて照射前後でのパターン像における色度変化、すなわち△Eab値を測定した。得られた色差△Eab値は耐光性の程度を示す指標として、下記基準に基づいて評価した。△Eab値の小さい方が耐光性に優れることを示す。
○:△Eab値が2未満
△:△Eab値が2以上5未満
×:△Eab値が5以上
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、鮮明な青色で耐光性に優れ、600nm附近に強い吸収をもち有機溶媒や樹脂への溶解性が高いため、透明性の高いトナーや鮮明な青色インクジェット用インク、高分子材料の着色用途に好適である。
Claims (6)
- R1、R2がそれぞれ独立に、水素原子(ただし R1、R2が同時に水素原子であることはない);非置換アルキル基;または酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合、および/またはエステル結合の形で含む置換アルキル基である請求項1のテトラアザポルフィリン化合物。
- R1、R2がそれぞれ独立に、水素原子(ただし R1、R2が同時に水素原子であることはない);炭素数1〜12の非置換アルキル基;または酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合および/またはエステル結合の形で1〜4個含む炭素数2〜12の置換アルキル基であり、mが1〜4の整数である請求項1または2のテトラアザポルフィリン化合物。
- R1、R2の少なくとも一方が、酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合および/またはエステル結合の形で1〜4個含む炭素数2〜12の置換アルキル基である請求項1〜3いずれかのテトラアザポルフィリン化合物。
- R3、R4がそれぞれ独立に、水素原子;炭素数1〜8の非置換アルキル基;酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合、および/またはエステル結合の形で1〜4個含む炭素数2〜10の置換アルキル基;炭素数2〜10のアルキルカルボニル基;または炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基であり、R3、R4のうち少なくとも一方は、酸素原子をエーテル結合、カルボニル結合、および/またはエステル結合の形で含むアルキル基;アルキルカルボニル基;またはアルコキシカルボニル基である請求項5のテトラアザポルフィリン化合物。
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