JP2006247049A - 不正検出装置、及びこれを用いた遊技機 - Google Patents

不正検出装置、及びこれを用いた遊技機 Download PDF

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Abstract

【課題】不正にメダルの投入を行うゴト行為を防止する。
【解決手段】メダル通路には、発光された光を受光するか否かによって、メダル通路をメダルが転動したか否かを検知する第1、第2メダルセンサ75,76が設けられている。これらメダルセンサ75,76で使用する光が通過する導光孔66,67を遮蔽する、或いは露呈するシャッタを設ける。シャッタ55にはメダル通路に突出する当接片64,65が設けられており、これら当接片64,65がメダルの外周と当接することによってシャッタ55を移動させ、導光孔66,67を露呈させる。また、このシャッタ55がメダルによって最大移動位置まで移動したことを検知するシャッタ検知センサ78を設け、メダルセンサ75,76及びシャッタ検知センサ78の出力によって、正規のメダルが投入されたか否かを判定する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、メダル投入時に不正行為が行われたか否かを検出する不正検出装置、及びこれを用いた遊技機に関するものである。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となるメダルに一定の価値が与えられて、ゲーム(遊技)を行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。なお、遊技媒体には、上記メダルの他に、コインやパチンコ玉、或いは、スロットマシン専用のカード等も含まれるが、本明細書中では、メダルを例にして説明する。また、メダルの投入には、メダルをメダル投入口から投入することの他に、クレジットされたメダルを使用する場合も含まれるが、本明細書中では、「メダルの投入」は、メダルをメダル投入口から投入することを例にして説明する。
このようなスロットマシンにおいて、メダル投入口からメダルを投入すると、投入されたメダルが正規であるか否かの判定(真贋判定)が行われ、正規ではないメダルがスロットマシンに設けられたメダル受け皿へと排出されるようになっている(特許文献1)。このようなスロットマシンは、スロットマシンの内部にセレクタと呼ばれるメダル振り分け装置が設けられ、このセレクタによって投入されたメダルの真贋を選別することが一般的に行われている。このセレクタは、略L字状に屈曲されたメダル通路を備えている。例えば投入されたメダルが正規なメダルの場合には、メダル通路の内部を案内され、ホッパー装置の貯留タンク内へと案内される。この際、セレクタに設けられた光電センサによって検知される。一方、投入されたメダルが、正規なメダルとは大きさの異なるメダルや、不適切なタイミングで投入されたメダルである場合は、セレクタに設けられたメダル通路から逸脱し、最終的にメダル受け皿に払い出されることになる。
特開2002−260048号公報
ところで、近年、正規の方法とは異なる方法によってメダルの投入を行う、いわゆる、ゴト行為が行われることがある。このゴト行為の一つとして、例えば略L字形状に屈曲した板の先端部に複数のLEDを直列に配置したゴト器具を、メダル投入口からメダル通路の屈曲方向に沿うように挿入させることが挙げられる。この場合、前記複数のLEDを光電センサと対面させた後に、これらLEDを点滅させる。なお、複数のLEDは、それぞれ異なるタイミングでの点滅制御を行って、メダルが通過したことを光電センサに誤って検知させる。これにより、実際にはメダル投入口からメダルを投入してはいないが、スロットマシンの内部ではメダルが投入されていることになる。例えば上記行為を複数回行うことで、メダルのクレジットが行われることになり、ゴト器具を用いたメダルの投入を行う遊技者は、クレジットされたメダルを引き出す、あるいは、投入したメダルによって遊技を行うなどの行為によって不正に利益を得ることができる。
このようなゴト行為によって一部の遊技者が不正に利益を得ることは遊技場の利益に損失が生じさせ、遊技者に、公平な遊技を行うことができないことを理由に遊技に対する興味を失わせることになる。これにより、ゴト行為を防止することは、遊技場の管理者だけではなく、遊技場にスロットマシン提供しているメーカーにとっても最大の課題の1つとなっているが、ゴト行為を防止するための有効な対策が行われていないのが実情である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、不正にメダルの投入を行うゴト行為を防止することができるようにした不正検出装置、及びこれを用いた遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の不正検出装置は、投入されたメダルを通過させるメダル通路と、前記メダル通路を構成する壁面のうち、メダルの両面の一方に対峙する面に設けられ、前記メダル通路を通過するメダルを該メダルの通過毎に検知する光センサと、前記光センサを遮蔽する遮蔽位置と、該遮蔽位置から所定量離れた最大移動位置との間で移動し、前記遮蔽位置から最大移動位置に移動する途中で前記光センサを露呈する遮蔽部材と、前記遮蔽部材を前記遮蔽位置に向けて付勢する付勢手段と、前記遮蔽部材に設けられ、一端が前記メダル通路に向けて突出し、該メダル通路を通過するメダルの外周に当接することで、前記遮蔽部材とともに前記閉じ位置から最大移動位置まで退避する突起と、を備えたシャッタ装置と、前記最大移動位置まで移動した前記遮蔽部材を検知するシャッタ検知センサと、前記光センサ及びシャッタ検知センサからの検知信号に基づいて不正行為が行われているか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。なお、メダルの両面とは、メダルが円盤形状からなる場合に、メダルの径方向に沿う面を示す。また、メダルの外周とは、メダルの外周面の他に、メダルの径方向に沿う面と、メダルの外周面との稜線を含むものとする。
また、前記突起は、前記光センサの上流側及び下流側に設けられ、前記光センサの上流側に設けられた突起が前記メダル通路を通過するメダルの外周に当接することによって前記最大移動位置まで移動された前記遮蔽部材が、前記付勢手段の復帰力を受けて前記遮蔽位置に向けて移動したときに下流側に設けられた突起が前記メダルの外周に当接することによって、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、前記下流側に設けられた突起とメダルの外周との当接によって前記遮蔽部材を再度最大移動位置まで移動させるとともに、前記メダル通路を連続して複数のメダルが通過するときに、先行するメダルと後続するメダルとによって生じる隙間に前記突起のそれぞれが位置したときに、前記上流側に設けられた突起が後続するメダルの外周に当接し、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、後続するメダルの外周と上流側に設けられた突起との当接によって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させるように、前記上流側に設けられる突起と、前記下流側に設けられる突起とを間隔を空けて配置したことが好ましい。
また、前記突起は、前記メダル通路を通過するメダルが当接されたときに、該メダルの勢いによって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させる斜面と、前記メダル通路の内部をメダルが逆流することを防止する逆流防止面とを備えていることが好ましい。
また、本発明の遊技機としては、上述した不正検出装置を備えたものである。
本発明の不正検出装置によれば、投入されたメダルを通過させるメダル通路と、前記メダル通路を構成する壁面のうち、メダルの両面の一方に対峙する面に設けられ、前記メダル通路を通過するメダルを該メダルの通過毎に検知する光センサと、前記光センサを遮蔽する遮蔽位置と、該遮蔽位置から所定量離れた最大移動位置との間で移動し、前記遮蔽位置から最大移動位置に移動する途中で前記光センサを露呈する遮蔽部材と、前記遮蔽部材を前記遮蔽位置に向けて付勢する付勢手段と、前記遮蔽部材に設けられ、一端が前記メダル通路に向けて突出し、該メダル通路を通過するメダルの外周に当接することで、前記遮蔽部材とともに前記閉じ位置から最大移動位置まで退避する突起と、を備えたシャッタ装置と、前記最大移動位置まで移動した前記遮蔽部材を検知するシャッタ検知センサと、前記光センサ及びシャッタ検知センサからの検知信号に基づいて不正行為が行われているか否かを判定する判定手段と、を備えたから、例えば正規のメダルが投入された場合には、光センサやシャッタ検知センサによって正規の検出が行われるのに対して、例えば正規でないメダルが排出されずに検出された場合や、ゴト器具を使用した不正行為を行った場合には、光センサのみの検知信号しか出力されない、或いはシャッタ検知センサからの検知信号が出力されたとしても、その検知信号の出力が正規のメダルが投入された場合と異なるから、正規のメダルを使用せずに、ゴト器具を使用して、不正にメダルの投入を行わせようとする行為を防止することが可能となる。また、略L字形状に屈曲した板が薄い板からなるゴト器具を用いて上述したゴト行為を行おうとする場合には、仮に、板の先端が光センサの位置まで届いたとしても、光センサが遮蔽部材によって被覆されているから、光センサによってゴト器具の検出が行えないので、ゴト器具を用いたゴト行為を防止することが可能となる。
また、前記突起は、前記光センサの上流側及び下流側に設けられ、前記光センサの上流側に設けられた突起が前記メダル通路を通過するメダルの外周に当接することによって前記最大移動位置まで移動された前記遮蔽部材が、前記付勢手段の復帰力を受けて前記遮蔽位置に向けて移動したときに下流側に設けられた突起が前記メダルの外周に当接することによって、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、前記下流側に設けられた突起とメダルの外周との当接によって前記遮蔽部材を再度最大移動位置まで移動させるとともに、前記メダル通路を連続して複数のメダルが通過するときに、先行するメダルと後続するメダルとによって生じる隙間に前記突起のそれぞれが位置したときに、前記上流側に設けられた突起が後続するメダルの外周に当接し、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、後続するメダルの外周と上流側に設けられた突起との当接によって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させるように、前記上流側に設けられる突起と、前記下流側に設けられる突起とを間隔を空けて配置したから、正規のメダルを投入するときに、複数枚連続して投入した場合、或いはランダムに投入された場合であっても、投入された1枚1枚のメダルに対して、シャッタ検知センサからの検知信号が同一数出力されることになる。これにより、例えばゴト器具を使用して不正にメダルが投入された場合には、シャッタ検知センサからの検知信号は、連続して出力される、光センサからの検知信号は出力されるがシャッタ検知手段からの検知信号は出力されない、或いは光センサからの検知信号が、正規のメダルが投入されたときと同一のタイミングで出力されるが、シャッタ検知センサからの検知信号が光センサの出力に対して一定しないことになるので、正規のメダルが投入された場合と、ゴト器具を用いて不正にメダルを投入する場合とを明確に差別化することができる。
また、前記突起は、前記メダル通路を通過するメダルが当接されたときに、該メダルの勢いによって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させる斜面と、前記メダル通路の内部をメダルが逆流することを防止する逆流防止面とを備えているから、例えば、ゴト器具の先端部の幅が、他の箇所の幅よりも長い形状となる場合には、ゴト器具の先端部が突起の逆流防止面に引掛かることになるので、ゴト器具をメダル投入口から抜き出すことができなくなる。これにより、周囲の遊技者に、ゴト行為を行っていたことが認識されやすくなり、ゴト行為が行われることを未然に防ぐことができるようになる。
図1に示すように、スロットマシン2は、収納箱4と、この収納箱4の前面に設けられた前面扉5とからなる筐体3の内部に、第1リール10、第2リール11、第3リール12、ホッパー装置35(図2参照)、電源装置36(図2参照)等が配設された構成となっている。
前面扉5は、上部扉6と下部扉7との2枚の扉から構成される。上部扉6には表示窓8が設けられている。表示窓8の奥には第1リール10、第2リール11、第3リール12が配設されている。周知のように、第1リール10、第2リール11、第3リール12の外周には例えば複数種類の図柄が一定間隔で複数個配列されている。これらリールが停止すると、1リール当たり3個の図柄が表示窓8を通して表示され、第1リール10、第2リール11、第3リール12の全てのリールが停止した場合には、計9個の図柄が表示窓8を介して表示される。
この表示窓8の側方には、液晶表示装置15が設けられている。この液晶表示装置15は、遊技の実行の際にアニメーション表示を用いた演出を行ったり、遊技が行われていない場合のデモ表示等を行う。
下部扉7の上部には、遊技の開始時に操作される1枚ベットボタン20、MAXベットボタン21、ペイアウトボタン22などの各種の操作ボタンが設けられる。なお、これらのボタンの機能はいずれも周知であるので、その詳細については省略する。また、これらボタンの近傍には、メダルベットが行われた後に操作されるスタートレバー23や、回転するリールを停止させる第1ストップボタン25、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27が設けられる。なお、メダルベットとは、メダル投入口30からメダル120(図8参照)を投入した後に、或いはクレジットされたメダル50(図3参照)を用いて、1ベットボタン20、或いはMAXベットボタン21を押圧操作することによって行われるものである。
下部扉7の上部には、上述したボタンやレバーの他に、メダル50を投入するメダル投入口28が設けられている。また、下部扉7の下部には、入賞を得た場合に、メダル50が払い出される払い出し口29や、該払い出し口29から払い出されたメダル50を貯留するメダル受け皿30が設けられる。
図2に示すように、下部扉7を開けると、収納箱4の下部に設けられたホッパー装置35、電源装置36等が露呈される。ホッパー装置35は、スロットマシン2における遊技で入賞した場合に入賞に応じた払い出し枚数のメダル50を払い出す。また、クレジットされたメダル50があるときにペイアウトボタン22が押圧操作された場合に作動し、クレジットされたメダル50を、そのクレジット枚数分払い出す。このホッパー装置35の上部には、メダル50を貯留する貯留タンク37が設けられ、後述するメダルセレクタ40を通過した正規なメダル50がこの貯留タンク37に貯留される。
一方、開けられた下部扉7の後面には、メダルセレクタ40や、メダルセレクタ40によって不正規であると判断されたメダルや、ホッパー装置35から排出されたメダルが案内される排出通路(図示せず)が設けられる。
図3に示すように、メダルセレクタ(不正検出装置)40は、本体基部45、振分装置46、シャッタ装置47の他に、後述する第1メダルセンサ(図6参照)75、第2メダルセンサ(図6参照)76、シャッタ検知センサ(図6参照)78から構成されている。本体基部40は樹脂で形成されている。本体基部45には、導電性の部材からなるメダル50の直径よりも幅がやや広い溝からなるメダル通路51が形成されている。メダルセレクタ40が下部扉7に取り付けられると、メダル通路51のメダル入口45aはメダル投入口28と連通するようになっており、メダル投入口28から投入されたメダル50はメダル入口45aからメダル通路51の内部に送り込まれる。メダル通路51は、略L字形に屈曲するように形成されており、メダル入口45aからメダル通路51に送り込まれたメダル50は、メダル通路51の屈曲した部分まで落下した後に、その進行方向が、落下方向(図3中A方向)と略直交した方向(図3中B方向)に変化するようになっている。なお、このメダル通路51のメダル入り口45aに連通する端部は、長方筒形状となっており、落下するメダル50が、メダル通路51から逸脱することを防止している。
本体基部45のメダル通路51を形成する一方の壁面で、メダル入口45aから見てメダル通路51の屈曲した部分よりも下流側のメダル通路51の上方には、振分装置取付部45bが設けられている。振分装置取付部45bは、前記壁面の上方部に、凹状の溝空間を形成し、この溝空間にメダル通路51に臨むように振分装置46が設けられている。
振分装置46は、本体基部45の壁面に取り付けられる取り付け板52、取り付け板52に図3中C方向、或いはD方向に回動自在に取り付けられる回動板53、この回動板53に励磁作用を与えて回動させるソレノイド120(図8参照)及び回動板53を付勢するバネ(図示せず)から構成されている。
取り付け板52及び回動板53は、金属製の薄板で形成されている。取り付け板52は矩形状に形成されており、本体基部45の振分装置取付部45bの壁面と直交して突出するように本体基部45に取り付けられている。回動板53は、下方に向かって広がる略T字状に形成されており、取り付け板52の突出方向の先端を回動軸にして、振分装置取付部45bの壁面と対面するように取り付け板52に取り付けられている。回動板53が取り付け板52に取り付けられると、回動板の幅が広い部分であるメダル振り分け部53aと振分装置取付部45bの壁面とによって、1枚のメダル50が通過可能な隙間を形成する。メダル振り分け部53aが、振分装置取付部45bの壁面と略平行に対峙した状態では、メダル振り分け部53aの下側端縁と、メダル50の接触面となるメダル通路51の底面との距離が、メダル50の直径よりも短くなり、メダル50の上部を支持できるように、回動板53が取り付けられている。
これにより、メダル50が正規の大きさの場合は、メダル振り分け部53aがメダル通路51におけるメダル50の転動を支持するため、メダル50はメダル通路51を通過可能となり、メダル案内部材54によって貯留タンク37に導かれる。一方、メダル50が正規の大きさでない場合は、メダル振り分け部53aがメダル通路51におけるメダル50の転動を支持しないため、メダル50が図3中E方向に落下して排出通路を介して払い出し口29から排出される。
また、回動板53は、前述したソレノイド120の励磁作用とバネの復元力によって、取り付け板52の突出方向の先端を回動軸にして、メダル50の通過を可能にする通過位置(図3中の実線で示す位置)と、メダル通路からメダルを図3中E方向に落下させる排出位置(図3中の二点鎖線で示す位置)との間で回動される。
スロットマシン2の電源がオンされると、ソレノイド120による励磁作用が働くことで、回動板53の回動駆動が行われて通過位置にセットされる。これにより、メダル50が正規の大きさであれば、メダル50はメダル通路51を通過可能となる。
また、メダル50がクレジットされている枚数が貯留数上限(例えば、50枚)に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー23を操作して第1、第2、第3リール10,11,12が回転してから、全てのリール10,11,12が停止されるまでの状態)などにはソレノイド120の励磁作用が断たれ、回動板53はバネの復元力によって通過位置から排出位置に回動される。これにより、メダル50は、図3中E方向に落下して排出通路を介して払い出し口29から払い出される。
シャッタ装置47は、メダル通路51の下流側端部に設けられている。図4、図5に示すように、シャッタ装置47は、シャッタ(遮蔽部材)55、コイルバネ(付勢手段)56,57から構成されている。シャッタ55は、その下面が開口された溝部60を備えた形状から構成されている。このシャッタ55は、本体基部45の開口58の下方に設けられた導光孔66,67を、メダル通路51を構成する壁面側から覆う第1遮蔽部62、及び本体基部45の裏側から遮蔽する第2遮蔽部63を備えており、第1遮蔽部62と、第2遮蔽部63との間に前記溝部60が設けられている。この溝部60は、開口58に連なる本体基部45の壁面が挿通され、溝部60を構成する壁面60aが、開口58の内壁面のうちの下壁面58aに当接される。このとき、第1遮蔽部62と第2遮蔽部63とによって本体基部45の導光孔66,67が遮蔽されている。なお、以下では、この状態となるシャッタ55の位置を遮蔽位置として説明する。なお、以下では、溝部60を構成する壁面60aと、開口58の下壁面58aとが当接されたときのシャッタ55の位置を遮蔽位置として説明する。
第1遮蔽部62の外壁面には、当接片(突起)64,65が設けられている。当接片64は、本体基部45に設けられた導光孔66よりも上流側に、当接片65は本体基部45に設けられた導通孔67よりも下流側に配置され、それぞれの当接片64,65の先端部がメダル通路51に突出している。
当接片64の壁面であって、メダル通路51の上流側となる壁面64aの先端部には、メダル通路51の下流側に向けて傾斜する斜面64bを備えている。この斜面64bは、メダル通路51を転動するメダル50の外周と当接し、転動するメダル50の勢いによって、シャッタ55を図9中F方向に押し上げるために設けられている。また、この壁面64aとは反対側となる壁面64cは長方形状から形成され、例えばメダル50がメダル通路51を逆流した場合に、メダル50の逆流を防止する逆流防止面として機能する。なお、メダル通路51を転動するメダル50の外周は、当接片64の斜面64b、斜面64b及び先端面64dの稜線64e、先端面64dの順で当接された後に、逆流防止面64cと先端面64dとの稜線64fと当接する。そして、当接片64の先端面64dと、メダル50の外周とが当接した場合に、シャッタ55の移動量が最大となる。なお、シャッタ55の移動量が最大となる位置を、以下では最大移動位置として説明する。
一方、当接片65は、当接片64と同様に、その先端部がメダル50と当接することによってシャッタ55を押し上げるための部材である。この当接片65は、メダル通路51の上流側の壁面65aの先端部がメダル通路51の下流側に向けて傾斜した斜面65bを備えている。また、当接片65の先端面65cと、メダル50の外周が当接すると、遮蔽位置からのシャッタ55の移動量が、当接片64の先端面64aと当接した時のシャッタ55の移動量と同一となる。また、当接片65を構成する壁面65dは、当接片64の逆流防止片64cと同様に、メダル50の逆流を防止する逆流防止面である。
なお、メダル50の外周と、当接片64の逆流防止面64c及び端面64dの稜線64fとが当接したときに、シャッタ55はコイルバネ56,57の復帰力によって遮蔽位置に向けて移動することになるが、遮蔽位置に向けて移動するシャッタ55を前記導光孔66,67が露呈された位置で当接片65の先端部がメダル50の外周に当接するように、当接片65が当接片64に対して所定の間隔を空けて配置される。なお、当接片65がメダル50の外周と当接する箇所は、本実施形態の場合は、斜面65a及び端面65bとの稜線65eとなるが、この他に、斜面65aにメダル50の外周を当接させることも可能である。
第2遮蔽部63の両側面にはガイド片63a,63bが設けられており、このガイド片63a,63bは、メダル通路51を構成する壁面とは反対側となる壁面、つまり本体基部45の裏側の壁面に設けられたガイドレール70,71の溝部70a,71aにそれぞれ挿通される。これにより、シャッタ55が移動した場合に、シャッタ55の移動方向が規制される。
図6、図7に示すように、第1メダルセンサ(光センサ)75は、メダルセレクタ40の本体基部45の裏面側に配置され、検知光を照射する発光部75aと、発光部75aからの検知光を受光する受光部75bとから構成されている。なお、これら発光部75a及び受光部75bは、検知光の光軸が、導光孔66の中心軸と一致するように配置されている。例えば、シャッタ55が遮蔽位置にあるときや、メダル50の通過時(図6参照)には、導光孔66は遮蔽されるから、発光部75aからの検知光を受光部75bにおいて受光することができない。これにより、第1メダルセンサ75からの信号はオフとなる。一方、導光孔66が露呈された場合(図7参照)には、発光部75aから照射された検知光は、導光孔66を通過して受光部75bで受光されることになる。これにより、第1メダルセンサ75からの信号はオンとなる。
第2メダルセンサ(光センサ)76は、第1メダルセンサ75と同様に、発光部76aと受光部76bとから構成されている。この第2メダルセンサ76における検知方法は、第1メダルセンサ75と同一のため、その説明を省略する。この第2メダルセンサ76は、第1光センサ75の下流側に、且つ、メダル50の通過時に、第1メダルセンサ75におけるメダル50の検知が行われている際に、同一のメダル50を検知できる位置に配置されている。なお、第2メダル先76によるメダル50の検知は、導光孔67を利用して行われる。
シャッタ検知センサ78は、上述したシャッタ50が最大移動位置に位置したことを検知するものである。このシャッタ検知センサ78は、メダルセレクタ40の本体基部45の裏面側に配置され、検知光を照射する発光部78aと、発光部78aからの検知光を受光する受光部78bとから構成されている。図6に示すように、シャッタ55が遮蔽位置にある場合には、発光部78aからの検知光は、開口58を介して受光部78bにて受光される。これにより、シャッタ検知センサ78がオンとなる。一方、図7に示すように、シャッタ55が最大移動位置にある場合には、発光部78aからの検知光がシャッタ55によって遮断されることにより、受光部78bにおいて検知光を受光することができない。この場合、シャッタ検知センサ78はオフとなる。なお、シャッタ55に位置検出片を設け、この位置検出片をシャッタ検知センサによって検知することによって、シャッタが最大移動位置にあることを検知することも可能である。
図8は、スロットマシン2の電気的構成を示す機能ブロック図である。スロットマシン2の遊技制御は、制御装置(不正検出装置)90によって行われる。この制御装置90は、CPU91、ROM92及びRAM93を備えた構成となっている。CPU91は、ROM92に記憶された遊技制御プログラム95に基づいて、遊技における処理を行う。
スタートスイッチセンサ96は、スタートレバー23の内部に設けられ、スタートレバー23が操作されることによってオンとなり、そのオン信号(遊技開始信号)をCPU91に向けて出力する。これを受けて、CPU91は第1リール10、第2リール11、第3リール12の回転制御を行う。
第1リール10、第2リール11、第3リール12の各リールの基準位置には、インデックス10a,11a,12aがそれぞれ設けられ、その一回転ごとにフォトセンサ100,101,102によって、それぞれのインデックス10a,11a,12aの通過が光電検出される。フォトセンサ100,101,102による検知信号は、リールごとのリセット信号としてCPU91に出力される。なお、第1リール10、第2リール11、第3リール12には、ステッピングモータ105,106,107の駆動軸がそれぞれ圧入されており、ステッピングモータ105,106,107の作動によって、これら第1リール10、第2リール11、第3リール12が回転する。図8では、便宜上、第1リール10とステッピングモータ105、第2リール11とステッピングモータ106、第3リール13とステッピングモータ107とをそれぞれ実線で囲って示してある。なお、符号108,109,110は、ステッピングモータ100,101,102をそれぞれ駆動させるドライバである。
なお、CPU91には、ステッピングモータごとにパルスカウンタ(図示せず)が設けられ、各々のステッピングモータに供給された駆動パルスの個数を計数する。これにより、フォトセンサ100,101,102からのリセット信号が入力されるたびにクリアされ、再びアップカウントされる。CPU91は、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、また、どの程度リールを回転させれば目的の図柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
第1ストップボタン25、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27の内部にはストップスイッチセンサがそれぞれ設けられており、各ストップスイッチセンサからのオン信号がCPU91に入力されると、CPU91はROM92に記憶された図柄テーブル(図示せず)を参照して、目的の図柄が表示窓8から停止されるように、或いは、目的の図柄が表示窓から表示できない場合には他の図柄を表示させるように、対応するステッピングモータへ駆動パルスを供給した後に、駆動パルスの供給を致死する。そして、入賞が得られたときに、CPU91はホッパー装置35を作動させ、入賞に対する枚数のメダルを払い出す。なお、符号112は液晶コントローラであり、液晶表示装置15の表示画面に画像を表示させるために設けられている。
CPU(判定手段)91には、メダルセレクタ40に設けられた第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76及びシャッタ検知センサ78からの出力信号がそれぞれ入力される。CPU91は、ROM92に記憶された判定プログラム115を読み出しているから、入力される第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76及びシャッタ検知センサ78からのオン信号から、投入されたメダル50が実際のメダルであるか否かを判定する。そして、投入されたメダル50が、実際のメダルであることが判定された場合は、そのメダルに対するベット処理を行う。一方、投入されたメダル50が不正な操作、つまりゴト器具を用いて擬似的に投入されたものであることが判定された場合には、ROM92に記憶されたエラー判定プログラム116を読み出して、例えば液晶表示装置15に警告表示を行う他に、図示しないスピーカによる警報音の再生を行う、或いはスロットマシン2に設けられたLED等の電飾を、遊技における点灯・消灯制御とは異なる警報時の点灯・消灯制御を行う。また、遊技場に配設されたスロットマシン2の管理を行うホールコンピュータ(図示せず)へ警告信号を出力する。
また、CPU91は、何枚のメダルがクレジットされているかをRAM93を参照して確認しており、例えば、RAM93に記憶されたクレジット枚数が50枚に到達すると、ソレノイド120への給電を停止させる。これにより、メダル投入口28からメダル50が投入されたとしても、払い出し口29からメダル50が排出されることになる。
次に、本実施形態の作用について、図9〜図13、及び図14,15のタイムチャートを基に説明する。なお、図9〜図13については、図の煩雑さを防止するために、コイルバネ56,57を省略して示す。なお、メダル50の投入が行われていない場合には、導光孔66,67はシャッタ55の第1遮蔽部62及び第2遮蔽部63によって遮蔽された状態、つまりシャッタ55が遮蔽位置に位置している。このため、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76の受光部75b,76bは、発光部75a,76aからの検査光を受光できないので、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76は、それぞれオフとなる。
遊技を行う際に遊技者がメダル投入口28からメダル50を投入すると、投入されたメダル50は、メダル投入口28からメダルセレクタ40のメダル入口45aからメダルセレクタ40に設けられたメダル通路51へと落下する。メダル通路51は、略L字状に屈曲しているから、メダル通路51に落下したメダル50は、図3中A方向に案内されることになる。そして、L字状に屈曲した部分まで落下したメダル50は、屈曲した部分よりも下流側となるメダル通路51を図3中B方向に転動する。なお、メダル通路51の屈曲した部分よりも下流側に設けられた振り分け装置46の回動板53は、スロットマシン2に給電が行われた時点から図3中実線となる位置に保持されている。これにより、メダル通路51の屈曲した部分よりも下流側となるメダル通路51を転動するメダル50が、正規の大きさとなる場合には、転動するメダル50の上端部が回動板53に設けられたメダル振り分け部53aによって支持されながら、メダル通路51の下流側へと転動する。
メダル50の径方向の面の上部端部がメダル振り分け部53aによって支持されたメダル50がさらにメダル通路51を転動すると、メダル50の外周がメダル通路51に突出して設けられた当接片64の斜面64bに当接する。このとき、当接片64の斜面64bには、図9中S方向の押圧力が掛かることになる。
斜面64bは、壁面64aに対して下流側に傾斜した面から構成されているので、メダル50からの当接片64への押圧力は斜面64bの法線方向(図9中T方向)と、斜面64bの水平方向(図9中U方向)とに分解することができる。このうち、図9中T方向に分解された押圧力によって、当接片64は図9中X方向の押圧力を受けることになる。これにより、シャッタ55が遮蔽位置から図9中F方向に移動することになる。
メダル通路51を転動するメダル50によってシャッタ55が図9中F方向に移動すると、当接片64の斜面64bと先端面との稜線64eがメダル50の外周に当接され、さらに当接片64を押し上げることになる。この当接片64が押し上げられる過程でシャッタ55の第1遮蔽部62及び第2遮蔽部63による導光孔66,67の遮蔽が解除され、導光孔66,67が露呈されることになる。第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76の発光部75a,76aは、常に検知光を受光部75b,76bに向けて発光しているから、導光孔66,67が露呈されることによって、検知光が導光孔66,67を通過して、受光部75b,76bにて受光される。これにより、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76がオンとなる。
第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76がオンになった後も、メダル50はメダル通路51を転動しており、シャッタが図9中F方向に移動する。そして、転動するメダル50の径方向の面(メダルの径方向に沿う面)のうち、壁面45cと対峙する面によって導光孔66が遮蔽されていき、完全に導光孔66が遮蔽されることによって、第1メダルセンサ75がオフとなる。そして、図10に示すように、当接片64の先端面64dが、メダル50の外周ののち、最上部となる部分(頂点)に当接すると、シャッタ55の図9中F方向への移動が停止され、最大移動位置に到達する。なお、シャッタ55が最大移動位置に到達すると、シャッタ検知センサ78がオンとなり、その出力がCPU91に出力される。
メダル50は引き続きメダル通路51を転動しているから、メダル50の径方向の面のうち、壁面と対峙する面によって導光孔67が遮蔽されていく。そして完全に導光孔67が遮蔽されることによって、第2メダルセンサ76がオフとなる。なお、当接片64の先端面64dとメダル50の外周が当接した後は、当接片64の先端面64d及び壁面64cとの稜線64fが、メダル50の外周と当接される。なお、メダル50の外周は頂点に到達した後は下り傾斜となるので、シャッタ55を遮蔽位置に付勢するコイルバネ56,57によって、シャッタ55は最大移動位置から遮蔽位置に向けて(図10中G方向に)移動する。これにより、シャッタ検知センサ78がオンとなる。
第2メダルセンサ76がオフとなった後、転動するメダル50の外周が当接片65の先端面65b及び先端面65bの稜線65eと当接する。これにより、シャッタの図10中G方向の移動が停止される。なお、当接片65の稜線65eは、メダル50の外周のうち、最上部(頂点)に向けて上り傾斜している部分に当接されるから、転動するメダル50の外周によって当接片65が押し上げられる、つまりシャッタ55が最大移動位置に向けて(図11中F方向に)移動することになる。なお、シャッタ55が最大移動位置に到達する前に、メダル50による導光孔66の遮蔽が解除され、第1メダルセンサ75がオンとなる。その後、当接片65の先端面65cがメダル50の外周のうち、最上部(頂点)と当接されることによって、シャッタ55が再び最大移動位置に位置し、シャッタ検知センサ78がオフとなる。
当接片65がメダル50の外周の最上部(頂点)に当接した後は、メダル50の外周が下り傾斜していることから、当接片65がメダル50の外周と当接した状態で、且つシャッタ55がコイルバネ56,57の付勢によって最大移動位置から遮蔽位置に向けて(図12中G方向に)移動する。これにより、シャッタ検知センサ78がオンとなる。なお、当接片とメダル50の外周との当接が解除される前に、メダル50による導光孔67の遮蔽が解除されることによって、第2メダルセンサ76がオンとなる。
そして、メダル50の外周と当接片との当接が解除される前に、導光孔66,67がシャッタ55の第1遮蔽部62、第2遮蔽部63によって遮蔽される。これにより、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76がそれぞれオフとなる。そして、シャッタ55が遮蔽位置に到達すると、開口58の内壁面58aと溝部60の壁面60aとが当接され、シャッタ55が遮蔽位置で保持される。
一方、2枚のメダル50が連続してメダル通路51を転動する場合がある。この場合、先行するメダル50によって移動するシャッタ55の動作は、正規のメダルが投入されたときと同様の動作を行うので、ここでは省略する。そして、先行するメダル50が当接片65と当接した状態で、シャッタ55が遮蔽位置に移動すると、後続するメダル50が当接片64の斜面64bと当接することになるので、シャッタ55の遮蔽位置への移動が停止される。なお、当接片65は、当接片64に対して所定の間隔を空けて配置されているから、当接片65の先端面65c及び壁面65dの稜線65fが先行するメダル50に、当接片64の斜面64bが後続するメダル50にそれぞれ当接した場合、導光孔66,67は露呈されているので、この状態では、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76はオンとなる。その後、先行するメダル50の外周と当接片65の先端面65c及び壁面65dの稜線65fとの当接は解除され、先行するメダル50は、メダル案内部材54によって、ホッパー装置35の貯留タンク37に貯留される。
一方、後続するメダル50によって、再びシャッタ55が最大移動位置まで移動すると、シャッタ検知センサ78がオフになる。なお、後続するメダル50と、当接片64の先端面64dが当接した後のシャッタ及びメダル50の動きは、上述した動作となるので、ここでは、その詳細を省略する。これにより、図14、図15に示すように、正規のメダル50が投入された場合には、第1メダルセンサ75がオンとなってからシャッタ検知センサ78がオフとなり、その後一端シャッタ検知センサ78はオフとなるが、第2メダルセンサ76がオンになった後に、再度シャッタ検知センサ78がオフとなる。また、各メダルセンサにおけるメダル検知から、最大移動位置に到達したシャッタ55の検知までの時間が同一であることから、メダル通路51を通過するメダル50と、各メダル検知センサ、或いはシャッタ検知センサ78との相対位置を把握することが可能である。
遊技者の中には、メダル投入口28から正規のメダル50を投入せずに、ゴト器具を用いて、あたかも正規のメダル50を投入したように不正な操作を行う者がいる。例えば図16に示すように、ゴト器具130の板の厚みがある場合には、メダル通路51に突出する当接片64,65を押し上げることが可能となる。ゴト器具130を、図16中H方向に移動させて第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76を順次オフさせることができる。しかしながら、シャッタ55を最大移動位置まで移動させて、ゴト器具130を図中H方向に移動させた場合には、第1メダルセンサ75がオンとなった後、或いは第1メダルセンサ75がオンとなる前に、シャッタ検知センサ78はオフとなるが、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76がゴト器具130の先端部130aによってオンオフされている間、シャッタ検知センサ78がオフのままとなる(図14参照)。
また、図17に示すように、ゴト器具130によってシャッタを最大移動位置まで移動させずに導光孔66,67を露呈させ、正規のメダル50が通過するタイミングで、第1メダルセンサ75、第2メダルセンサ76を順次オフさせる場合が考えられるが、この場合、シャッタ検知センサ78はオンのままである(図14参照)。これにより、正規のメダルが投入された場合の各センサのオンオフの状態が異なるから、不正にメダルの投入を行う行為が行われたことを判定することができる。
更に、例えば板が薄いゴト器具130の場合には、ゴト器具130の先端130aが、当接片64,65と当接しても当接片64,65の厚みがメダル通路51の幅よりも狭いので、ゴト器具130の当接片64,65を押し上げることが難しくなる。これにより、シャッタ130は遮蔽位置に保持されたままとなるから、ゴト器具130を用いた不正なメダル投入を行わせることを防止することができる。
なお、ゴト器具130を改良して第1メダルセンサ75がオフとなる場合に、シャッタ検知センサ78をオフさせる、また、第2メダルセンサ76がオフとなる場合に、シャッタ検知センサ78をオフさせることができたとしても、第1メダルセンサ75がオフとなってから、シャッタ検知センサ78がオフとなる間での経過時間、或いは、第2メダルセンサ76がオフとなってから、シャッタ検知センサ78がオフとなる間での経過時間が、正規のメダルが投入された場合の経過時間と同一でなければ、不正にメダルの投入を行う行為が行われたか否かを判定することができる。なお、CPU91によって、不正にメダル投入が行われていることが判定プログラム115によって判定された場合には、CPU91はROM92からエラー処理プログラム116を読み出して、液晶表示装置15に警告表示を行わせる、図示しないスピーカによる警報音の再生等を行わせる、或いは遊技場のホストコンピュータに警報信号を出力する。
さらに、ゴト器具130を用いて、各センサのオンオフを正規のメダル50が投入された場合と同一のタイミングで行われる場合もある。図18に示すように、例えばゴト器具130の先端部130aの幅が、当接片64,65の先端面64d,65cからメダル通路51の底面との距離よりも大きい場合には、ゴト器具130の先端部130aが当接片65によって係止され、図18中J方向に移動させることができなくなるので、ゴト器具130をメダル投入口28から抜き出すことができなくなる。これにより、不正を行おうとする遊技者は、ゴト器具130を懸命に抜き出そうとするから、周囲に不正にメダルを投入する行為をしていることを認識させることができる。また、ゴト器具130をメダル投入口28から抜き出すことを諦めたとしても、ゴト器具を使用したことが周囲にわかるので、ゴト器具を用いて不正にメダルの投入を行おうとする行為を防止することができる。
本実施形態では、メダル通路に突出する当接片をシャッタに設け、メダル通路を転動するメダルを当接片に当接させ、転動するメダルの勢いを利用してシャッタを押し上げる要にしたが、これに限定する必要はなく、例えば、シャッタの第1遮蔽部をメダル通路に突出させ、メダルを第1遮蔽部に当接させた後に、メダルの勢いを利用してシャッタを押し上げることも可能である。
本実施形態では、シャッタの移動方向は、メダルの径方向の面に平行となり、且つメダルの転動方向と直交する方向としたが、これに限定する必要はなく、メダルの転動方向にスライドし、かつそのスライドする過程で、当接片がメダル通路から退避するようにしてもよい。
本実施形態では、導通孔の位置は、メダル通路の上端部としたが、これに限定する必要はなく、メダル通路の下端部に設けることも可能である。
本実施形態では、不正検出装置をスロットマシンに組み込んだ場合についての例を取り上げたが、これに限定する必要はなく、メダルやコインを投入する他の遊技機や装置に本発明の不正検出装置を組み込むことが可能である。
本実施形態では、連続してメダルが投入された時に、先行するメダルがメダル通路のうち、シャッタが配置される箇所を通過する過程で、一端シャッタを最大移動位置から、遮蔽位置と最大移動位置との間であり、導光孔が露呈する位置まで移動させたときに、後続するメダルの外周と上流側の当接片とが当接するようにしたが、これに限定する必要はなく、例えば先行するメダルが通過した後に、一端シャッタを遮蔽位置まで移動させるようにしてもよい。
本発明のスロットマシンの外観を示す斜視図である。 スロットマシン内部の構成を示す斜視図である。 メダルセレクタの構成を示す斜視図である。 シャッタ装置の構成を示す斜視図である。 シャッタの後面側の構成を示す斜視図である。 遮蔽位置にあるシャッタと、メダルセンサ、シャッタ検知センサとの位置関係を示す斜視図である。 最大移動位置にあるシャッタと、メダルセンサ、シャッタ検知センサとの位置関係を示す斜視図である。 スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図である。 メダルが上流側の当接片に当接した状態を示す正面図である。 シャッタが最大移動位置まで移動した状態を示す正面図である。 メダルが下流側の当接片に当接した状態を示す正面図である。 シャッタが再度最大移動位置まで移動した状態を示す正面図である。 上流側の当接片が後続するメダルに、下流側の当接片が先行するメダルにそれぞれ当接された状態を示す正面図である。 第1メダルセンサ、第2メダルセンサ及びシャッタ検知センサのオンオフの状態を示すタイミングチャートである。 メダルが連続して投入された場合の第1メダルセンサ、第2メダルセンサ及びシャッタ検知センサのオンオフの状態を示すタイミングチャートである。 ゴト器具を用いて、シャッタを最大移動位置まで移動させ、不正にメダルの投入動作を行わせる場合の一例を示す正面図である。 ゴト器具を用いて、シャッタを最大移動位置まで移動させずに、不正にメダルの投入動作を行わせる場合の一例を示す正面図である。 当接片によって、ゴト器具をメダル投入口から抜き出せないようにした場合の一例を示す正面図である。
符号の説明
2 スロットマシン
28 メダル投入口
40 メダルセレクタ(不正検出装置)
47 シャッタ装置
50 メダル
51 メダル通路
55シャッタ(遮蔽部材)
56,57 コイルバネ(付勢手段)
64,65当接片(突起)
64b,65b 斜面
66,67 導光孔
64c,65d 壁面(逆流防止面)
75 第1メダルセンサ(光センサ)
76 第2メダルセンサ(光センサ)
78 シャッタ検知センサ
90 制御装置(不正検出装置)
91 CPU(判定手段)

Claims (4)

  1. 投入されたメダルを通過させるメダル通路と、
    前記メダル通路を構成する壁面のうち、メダルの両面の一方に対峙する面に設けられ、前記メダル通路を通過するメダルを該メダルの通過毎に検知する光センサと、
    前記光センサを遮蔽する遮蔽位置と、該遮蔽位置から所定量離れた最大移動位置との間で移動し、前記遮蔽位置から最大移動位置に移動する途中で前記光センサを露呈する遮蔽部材と、前記遮蔽部材を前記遮蔽位置に向けて付勢する付勢手段と、前記遮蔽部材に設けられ、一端が前記メダル通路に向けて突出し、該メダル通路を通過するメダルの外周に当接することで、前記遮蔽部材とともに前記閉じ位置から最大移動位置まで退避する突起と、を備えたシャッタ装置と、
    前記最大移動位置まで移動した前記遮蔽部材を検知するシャッタ検知センサと、
    前記光センサ及びシャッタ検知センサからの検知信号に基づいて不正行為が行われているか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする不正検出装置。
  2. 前記突起は、前記光センサの上流側及び下流側に設けられ、
    前記光センサの上流側に設けられた突起が前記メダル通路を通過するメダルの外周に当接することによって前記最大移動位置まで移動された前記遮蔽部材が、前記付勢手段の復帰力を受けて前記遮蔽位置に向けて移動したときに下流側に設けられた突起が前記メダルの外周に当接することによって、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、前記下流側に設けられた突起とメダルの外周との当接によって前記遮蔽部材を再度最大移動位置まで移動させるとともに、
    前記メダル通路を連続して複数のメダルが通過するときに、先行するメダルと後続するメダルとによって生じる隙間に前記突起のそれぞれが位置したときに、前記上流側に設けられた突起が後続するメダルの外周に当接し、前記遮蔽部材を前記最大移動位置と前記遮蔽位置との間であり、且つ前記光センサを露呈する位置に保持した後に、後続するメダルの外周と上流側に設けられた突起との当接によって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させるように、前記上流側に設けられる突起と、前記下流側に設けられる突起とを間隔を空けて配置したことを特徴とする請求項1記載の不正検出装置。
  3. 前記突起は、前記メダル通路を通過するメダルが当接されたときに、該メダルの勢いによって、前記遮蔽部材を最大移動位置まで移動させる斜面と、前記メダル通路の内部をメダルが逆流することを防止する逆流防止面とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の不正検出装置。
  4. 請求項1〜3いずれかの不正検出装置を備えたことを特徴とする遊技機。
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