JP2006246580A - ケーブル引留部の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ケーブル引留部の主として耐捻回特性を向上させる。
【解決手段】 引留金具本体20に引き留められたケーブル5の金具口元部近傍の外周に補強用編組35を被せ、この補強用編組35を例えばその上に被せた収縮チューブ36でケーブル5に密着保持させる。補強用編組35によりケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上するので、捻れはケーブル全体に分散される。捻れがケーブルの金具口元部近傍に集中して強度低下を招くことを防止できる。編組構造であることが、往復捻れに対する捻れ剛性を有効に高めている。また、ケーブル5の金具口元直近部に、留金具本体20と一体の筒状部20aの上からゴムモールド37を施すことで、耐捻回特性がさらに向上し、また繰り返し圧縮による強度低下を防止できる。
【選択図】 図2
【解決手段】 引留金具本体20に引き留められたケーブル5の金具口元部近傍の外周に補強用編組35を被せ、この補強用編組35を例えばその上に被せた収縮チューブ36でケーブル5に密着保持させる。補強用編組35によりケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上するので、捻れはケーブル全体に分散される。捻れがケーブルの金具口元部近傍に集中して強度低下を招くことを防止できる。編組構造であることが、往復捻れに対する捻れ剛性を有効に高めている。また、ケーブル5の金具口元直近部に、留金具本体20と一体の筒状部20aの上からゴムモールド37を施すことで、耐捻回特性がさらに向上し、また繰り返し圧縮による強度低下を防止できる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、引留金具本体に引き留められたケーブルの金具口元部近傍を補強するケーブル引留部の補強構造に関する。
種々の機器において、ケーブル(電気ケーブルあるいは光ケーブルあるいは電気・光複合ケーブル)を、機器側に固定した引留金具で当該機器に引き留める場合、ケーブルの機器内部の部分にまで引張り力が作用しないような引留構造とする必要がある。
ケーブルコアの外周にテンションメンバを設けその外側にシースを施した構造のケーブルは一般的であるが、このようなケーブルの場合、引留金具にテンションメンバを固定することでケーブル引留めを行う構造が一般的である。
上記のように、単にテンションメンバを引留金具に固定してケーブル引留めを行う構造の場合、ケーブルに「捻り力」や「圧縮力」が作用した時、ケーブルの金具口元部近傍が変形を受け強度低下を招き、ひいては損傷に至る場合がある。
特に、ケーブルの金具口元部近傍のシースを除去した状態で、ケーブル引留めを行う必要がある場合には、テンションメンバが露出した開口部(シース端の近傍)という捻れ剛性の低い部分が存在するため、捻れがその一箇所に集中し、許容量を超えた捻れの繰り返しでテンションメンバーが座屈し、強度が低下する恐れがある。
また、圧縮力については、特に機器が振動するものである場合には、機器の縦振動とケーブルの動きの不一致により、ケーブルに圧縮力が繰り返し作用し、その際、テンションメンバーの移動が容易な開口部に座屈が繰返し起こり、強度が低下する恐れがある。
また、圧縮力については、特に機器が振動するものである場合には、機器の縦振動とケーブルの動きの不一致により、ケーブルに圧縮力が繰り返し作用し、その際、テンションメンバーの移動が容易な開口部に座屈が繰返し起こり、強度が低下する恐れがある。
本発明は上記背景のもとになされたもので、引留金具で引き留められたケーブルの金具口元部近傍に捻れや圧縮による強度低下、さらには損傷が生じることのないケーブル引留部の引留め構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、引留金具本体に引き留められたケーブルの金具口元部近傍を補強するケーブル引留部の補強構造であって、
ケーブルの金具口元部近傍の外周に補強用編組を被せ、この補強用編組を編組保持手段によりケーブル外周に密着保持したことを特徴とする。
ケーブルの金具口元部近傍の外周に補強用編組を被せ、この補強用編組を編組保持手段によりケーブル外周に密着保持したことを特徴とする。
請求項2は、請求項1のケーブル引留部の補強構造において、編組保持手段として、補強用編組の上から収縮チューブを被せて補強用編組をケーブル外周に密着させたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2のケーブル引留部の補強構造において、引留金具本体に、ケーブルの金具口元直近部を、補強用編組の上から又は補強用編組に被せた収縮チューブの上から覆う筒状部を一体に形成するとともに、前記筒状部とケーブルの金具口元直近部とを一体化するようにゴムモールドを施したことを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3のケーブル引留部の補強構造において、補強用編組の先端部近傍をケーブル外周に接着固定したことを特徴とする。
請求項5は、請求項1〜4のケーブル引留部の補強構造において、補強用編組が、束状の多数の芳香族ポリアミド系繊維の外周にナイロン被覆を施した線材からなる編組であることを特徴とする。
請求項6は、請求項1〜5のケーブル引留部の補強構造において、ケーブルが、ケーブルコアの外周にテンションメンバーを配置しその上にシースを被覆した構造であり、前記テンションメンバーが引留金具本体に引き留められていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2のケーブル引留部の補強構造において、引留金具本体に、ケーブルの金具口元直近部を、補強用編組の上から又は補強用編組に被せた収縮チューブの上から覆う筒状部を一体に形成するとともに、前記筒状部とケーブルの金具口元直近部とを一体化するようにゴムモールドを施したことを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3のケーブル引留部の補強構造において、補強用編組の先端部近傍をケーブル外周に接着固定したことを特徴とする。
請求項5は、請求項1〜4のケーブル引留部の補強構造において、補強用編組が、束状の多数の芳香族ポリアミド系繊維の外周にナイロン被覆を施した線材からなる編組であることを特徴とする。
請求項6は、請求項1〜5のケーブル引留部の補強構造において、ケーブルが、ケーブルコアの外周にテンションメンバーを配置しその上にシースを被覆した構造であり、前記テンションメンバーが引留金具本体に引き留められていることを特徴とする。
本発明によれば、補強用編組がケーブルの金具口元部近傍の外周に密着した状態で被せられているので、ケーブルの金具口元部近傍の捻れ剛性が向上し、したがって、捻れはケーブル全体に分散される。したがって、捻れがケーブルの金具口元部近傍に集中して捻れ許容量を超えることがなく、強度低下を招くことを防止できる。これにより、ケーブルの金具口元部近傍に損傷が発生することを防止される。なお、補強のためにケーブル外周に密着させる部材が編組構造であることは、往復捻れに対する捻れ剛性を高める上で有効に機能している。
請求項3によれば、ケーブルの金具口元直近部が留金具本体側の筒状部の上からゴムモールドされているので、ケーブルが引留金具本体と一体化する。したがって、ケーブルに圧縮力が作用した時にケーブルと引留金具本体との間に相対移動が発生することはなく、ケーブルの金具口元直近部に座屈が繰返し起きて強度低下を招くことを防止できる。これにより、ケーブルの金具口元部近傍に損傷が発生することを防止される。
請求項4によれば、補強用編組の先端部近傍がケーブル外周に接着固定されていることで、ケーブルと引留金具本体との間の相対移動がさらに有効に抑止され、ケーブルの金具口元直近部の強度低下の防止効果がさらに高くなる。この場合、補強用編組の全体をケーブル外周に接着固定したとすれば、捻れを分散させる効果が低下するが、中間部は接着固定されていないので、捻れを分散させる効果を有効に維持しつつケーブルと引留金具本体との間の相対移動を抑止することができ、ケーブルの金具口元部近傍の強度低下の防止効果がさらに高くなる。
以下、本発明を実施したケーブル引留部の補強構造について、図面を参照して説明する。
以下に述べる実施例は、図6に示すような海洋無人探査機用のケーブル5のケーブル引留部7に適用したものである。海洋探査船1上のケーブルドラム2から繰り出されるケーブル3で吊られた中継器4から延出するケーブル5に無人探査機6が接続され、無人探査機(以下、単に探査機と呼ぶ)6は通常は2点鎖線で示すように中継器4の底面に装着され、探査時に図示のようにケーブル5に繋がれた状態で移動して無人探査の作業をする。
実施例のケーブル5は図3に示した構造である。このケーブル5は、電力線11と制御線12と光ケーブル13とをシース14で被覆してなるケーブルコア15の外周に編組からなるテンションメンバー(場合によりテンションメンバー編組と呼ぶ)16を設け、さらにその外周をシース17で被覆した構造である。
図1は前記ケーブル引留部7の外観を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は側面図である。同図において、20は引留金具本体である。引留金具本体20は取付金具24を介して探査機6に、鉛直線に対して任意の方向に傾動可能に取り付けられている。
ケーブル引留部7の内部構造を図2に示す。ケーブル引留部7は、ケーブル5のシース17を除去して、テンションメンバー16を露出させ、引留金具本体20に、直接的にはテンションメンバー16を引き留めることでケーブル5を引き留めて、ケーブルコア15を探査機6内に引き込んでいる。
露出させたテンションメンバー16を留金具本体20に固定する手段は任意であるが、模式的に示した図示例の場合は、ケーブルコア15の外周に沿って引留金具本体20のケーブル引込み穴20a内に引き入れ、充填した接着剤で固定している。
露出させたテンションメンバー16を留金具本体20に固定する手段は任意であるが、模式的に示した図示例の場合は、ケーブルコア15の外周に沿って引留金具本体20のケーブル引込み穴20a内に引き入れ、充填した接着剤で固定している。
本発明では、引留金具本体20に引き留められたケーブル5の金具口元部近傍の外周に補強用編組35を被せ、この補強用編組35を何らかの編組保持手段によりケーブル外周に密着保持する。図示例では、補強用編組35の上から例えば熱収縮チューブ36を被せて補強用編組35をケーブル外周に密着させている。
また、引留金具本体20に、補強用編組35及び熱収縮チューブ36が被せられたケーブル5の金具口元直近部(引留金具本体20の端面20bに近い部分)を覆う筒状部20cを一体に形成している。そして、前記筒状部20cと前記補強用編組35の金具口元直近部とを一体化するようにゴムモールド37を施している。筒状部20cの先端側の外周にはゴムモールド37が筒状部20cと堅固に結合するように凹凸20dを形成している。
さらに、図示例では、補強用編組35の先端部近傍をケーブル5の外周に接着固定している。接着部を38で示す。
また、引留金具本体20に、補強用編組35及び熱収縮チューブ36が被せられたケーブル5の金具口元直近部(引留金具本体20の端面20bに近い部分)を覆う筒状部20cを一体に形成している。そして、前記筒状部20cと前記補強用編組35の金具口元直近部とを一体化するようにゴムモールド37を施している。筒状部20cの先端側の外周にはゴムモールド37が筒状部20cと堅固に結合するように凹凸20dを形成している。
さらに、図示例では、補強用編組35の先端部近傍をケーブル5の外周に接着固定している。接着部を38で示す。
前記補強用編組35としては、例えば、多数本の束状のケブラーをナイロンで被覆した線材(すなわちナイロン被ケブラー)による編組(ナイロン被ケブラー編組)を用いると好適である。但し、補強用編組35の素材は、捻れ剛性を高める上で有効な素材であれば、種々の素材を用いることができる。
また、前記熱収縮チューブ36としては、電線の直線接続部等に用いられている一般的な熱収縮チューブを用いることができる。また、熱収縮チューブに限らず、常温収縮チューブを用いることもできる。
前記ゴムモールドとしては、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)が好適である。この場合、EPDMテープを巻きそれを加熱して加硫することでゴムモールドを施すことができる。
また、前記熱収縮チューブ36としては、電線の直線接続部等に用いられている一般的な熱収縮チューブを用いることができる。また、熱収縮チューブに限らず、常温収縮チューブを用いることもできる。
前記ゴムモールドとしては、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)が好適である。この場合、EPDMテープを巻きそれを加熱して加硫することでゴムモールドを施すことができる。
探査機6が上下左右の種々の方向に移動した場合、ケーブル5の金具口元部には、図1の矢印aで示す回転方向の捻り力や矢印bで示す上下方向の圧縮力が作用する場合がある。
捻り力に対しては、補強用編組35がケーブル5の金具口元部近傍の外周に密着した状態で被せられているので、ケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上する。また、ケーブル5の金具口元直近部がゴムモールド37により留金具本体20の筒状部20cと一体結合しているので、この点でもケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上する。したがって、捻れはケーブル全体に分散される。このため、捻れがケーブル5の金具口元部近傍に集中して捻れ許容量を超えるということはなく、強度低下を招くことを防止でき、ケーブル5が損傷することを防止できる。なお、補強のためにケーブル外周に密着させる部材(補強用編組35)が編組構造であることは、往復捻れに対する捻れ剛性を高める上で有効に機能している。
捻り力に対しては、補強用編組35がケーブル5の金具口元部近傍の外周に密着した状態で被せられているので、ケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上する。また、ケーブル5の金具口元直近部がゴムモールド37により留金具本体20の筒状部20cと一体結合しているので、この点でもケーブル5の金具口元部近傍の捻れ剛性が向上する。したがって、捻れはケーブル全体に分散される。このため、捻れがケーブル5の金具口元部近傍に集中して捻れ許容量を超えるということはなく、強度低下を招くことを防止でき、ケーブル5が損傷することを防止できる。なお、補強のためにケーブル外周に密着させる部材(補強用編組35)が編組構造であることは、往復捻れに対する捻れ剛性を高める上で有効に機能している。
また、圧縮力に対しては、補強用編組35及び熱収縮チューブ36が被せられたケーブル5の金具口元直近部は、ゴムモールド37により筒状部20cと一体結合して引留金具本体20と一体化しているので、ケーブル5に圧縮力が作用した時にケーブル5と引留金具本体20との間に相対移動が発生することはなく、ケーブル5の金具口元直近部に座屈が繰返し起きて強度低下を招くことを防止でき、ケーブル5が損傷することを防止できる。
また、補強用編組35の先端部近傍がケーブル5の外周に接着固定(接着部38)されているので、ケーブル5と引留金具本体20との間の相対移動がさらに有効に抑止され、ケーブル5の金具口元直近部の強度低下の防止効果がさらに高くなる。
この場合、仮に補強用編組35の全体をケーブル5の外周に接着固定したとすれば、捻れを分散させる効果が低下するが、中間部は接着固定されていないので、捻れを分散させる効果を有効に維持しつつケーブル5と引留金具本体20との間の相対移動を抑止することができ、ケーブル5の金具口元部近傍の強度低下を防ぐ効果がさらに高くなる。但し、補強用編組35の全体をケーブル5の外周に接着固定することを除外するものではない。
この場合、仮に補強用編組35の全体をケーブル5の外周に接着固定したとすれば、捻れを分散させる効果が低下するが、中間部は接着固定されていないので、捻れを分散させる効果を有効に維持しつつケーブル5と引留金具本体20との間の相対移動を抑止することができ、ケーブル5の金具口元部近傍の強度低下を防ぐ効果がさらに高くなる。但し、補強用編組35の全体をケーブル5の外周に接着固定することを除外するものではない。
上述したケーブル引留部の補強構造の耐捻回特性を評価するために、図7(イ)に示した従来構造の試験片A及び(ロ)に示した本発明構造の試験片Bを作製し、繰り返し捻回試験を行った。従来品試験片Aはケーブル5に従来通りの開口部(テンションメンバー16の露出部)18を設けたものである。本発明品試験片Bはケーブル5の金具口元部近傍に、開口部をなくして上述した補強構造、すなわち、補強用編組35、熱収縮チューブ36、ゴムモールド37及び接着による補強を施した構造である。両試験片A、Bは間隔が1mとなるように両端を試験用の引留金具41で引き留めた。
試験方法は、両試験片A、Bについて、図7の下方の引留金具41を固定し上方の引留金具41を下記の条件にて繰り返し往復回転させることで、開口部あるいは補強部に繰り返し捻回力を加えた。
張力:0(フリー)
捻回角度:±90°
捻回回数:(0)、1000、3000、5000(回)
上記試験を実施した試験片A、Bの引張破断試験を実施し、破断張力値を測定した。
その引張破断試験結果を図8に示す。従来品はすべて開口部18で破断したが、本発明品は補強端では破断せずに、補強されていないケーブル部の各所で破断が見つかった。
図8に示された通り、本発明品は捻回試験後の残存引張強度が従来品の約2倍という結果であった。従来品の場合、テンションメンバー編組の張り・緩みが開口部という一部分に集中するのに対して、本発明品の場合、補強部では全く捻れずに補強のないケーブル部に捻れが分散されていた。このことから、ケーブルの金具口元部近傍の捻れ剛性を向上させることは、捻れをケーブル部に逃がし分散させるため、テンションメンバーの極端な強度低下を抑える効果があると考えられる。
試験方法は、両試験片A、Bについて、図7の下方の引留金具41を固定し上方の引留金具41を下記の条件にて繰り返し往復回転させることで、開口部あるいは補強部に繰り返し捻回力を加えた。
張力:0(フリー)
捻回角度:±90°
捻回回数:(0)、1000、3000、5000(回)
上記試験を実施した試験片A、Bの引張破断試験を実施し、破断張力値を測定した。
その引張破断試験結果を図8に示す。従来品はすべて開口部18で破断したが、本発明品は補強端では破断せずに、補強されていないケーブル部の各所で破断が見つかった。
図8に示された通り、本発明品は捻回試験後の残存引張強度が従来品の約2倍という結果であった。従来品の場合、テンションメンバー編組の張り・緩みが開口部という一部分に集中するのに対して、本発明品の場合、補強部では全く捻れずに補強のないケーブル部に捻れが分散されていた。このことから、ケーブルの金具口元部近傍の捻れ剛性を向上させることは、捻れをケーブル部に逃がし分散させるため、テンションメンバーの極端な強度低下を抑える効果があると考えられる。
上述の実施例では、補強用編組35及び熱収縮チューブ36がシース端からさらに延びてテンションメンバー16の露出部にかかる状態で被せられているが、シース端から出ない状態であってもよい。また、さらに引留金具本体20の内部まで延びて、テンションメンバー16とともに引留金具本体20に固定されている構造としてもよい。
なお、本発明においてケーブルコア15の外周のテンションメンバー16は、特に限定されない。テンションメンバ16としてケブラーによる編組を用いてもよいし、その他の素材による編組でもよいし、また、編組でなくてもよい。また、図9に示したケーブル5’のように、ケーブルコア15’の外周に複数本のFRPロッドを横巻き(螺旋巻)したテンションメンバー16’でもよい。同図において、17’はシース、19’は複数本のFRPロッドからなるテンションメンバー16’の層に充填した樹脂である。
また、図10に示したケーブル5”のように、ケーブルコア15”の外周にケブラー等のフィラメントを横巻き(螺旋巻き)したテンションメンバー16”でもよい。同図において、17”はシースである。この場合、多数のフィラメントからなるテンションメンバー16”の層に樹脂(図示略)を含浸させる。
また、図10に示したケーブル5”のように、ケーブルコア15”の外周にケブラー等のフィラメントを横巻き(螺旋巻き)したテンションメンバー16”でもよい。同図において、17”はシースである。この場合、多数のフィラメントからなるテンションメンバー16”の層に樹脂(図示略)を含浸させる。
上述の実施例では海洋無人探査機用のケーブル5の探査機6側のケーブル引留部に適用したものであるが、ケーブル5の中継器4側のケーブル引留部に本発明を適用することもできる。また、探査船1側のケーブル3の中継器4側のケーブル引留部に適用することもできる。また、海洋無人探査機用のテザーケーブルに限らず、ケーブルコアの外周にテンションメンバーを持つ種々のケーブルに適用可能である。
さらにまた、例えばキャブタイヤケーブル等のような、テンションメンバーを持たないケーブルに本発明を適用することも可能である。要するに、引留金具で引き留められたケーブルの金具口元部に応力・歪が集中する場合であれば、そのケーブル引留部に本発明を適用することで、応力・歪を分散することができ、ケーブルの寿命を長くすることができる。
さらにまた、例えばキャブタイヤケーブル等のような、テンションメンバーを持たないケーブルに本発明を適用することも可能である。要するに、引留金具で引き留められたケーブルの金具口元部に応力・歪が集中する場合であれば、そのケーブル引留部に本発明を適用することで、応力・歪を分散することができ、ケーブルの寿命を長くすることができる。
1 海洋探査船
2 ケーブルドラム
4 中継器
5 ケーブル
5’、5” ケーブル
6 探査機(海洋無人探査機)
7 ケーブル引留部
11 電力線
12 制御線
13 光ケーブル
14 シース
15 ケーブルコア
16 テンションメンバー(テンションメンバー編組)
16’、16” テンションメンバー
17 シース
20 引留金具本体
20c 筒状部
24 取付金具
25 ヒンジ連結部
35 補強用編組
36 熱収縮チューブ(収縮チューブ)
37 ゴムモールド
38 接着部
2 ケーブルドラム
4 中継器
5 ケーブル
5’、5” ケーブル
6 探査機(海洋無人探査機)
7 ケーブル引留部
11 電力線
12 制御線
13 光ケーブル
14 シース
15 ケーブルコア
16 テンションメンバー(テンションメンバー編組)
16’、16” テンションメンバー
17 シース
20 引留金具本体
20c 筒状部
24 取付金具
25 ヒンジ連結部
35 補強用編組
36 熱収縮チューブ(収縮チューブ)
37 ゴムモールド
38 接着部
Claims (6)
- 引留金具本体に引き留められたケーブルの金具口元部近傍を補強するケーブル引留部の補強構造であって、
ケーブルの金具口元部近傍の外周に補強用編組を被せ、この補強用編組を編組保持手段によりケーブル外周に密着保持したことを特徴とするケーブル引留部の補強構造。 - 前記編組保持手段として、補強用編組の上から収縮チューブを被せて補強用編組をケーブル外周に密着させたことを特徴とする請求項1記載のケーブル引留部の補強構造。
- 前記引留金具本体に、ケーブルの金具口元直近部を、前記補強用編組の上から又は補強用編組に被せた収縮チューブの上から覆う筒状部を一体に形成するとともに、前記筒状部とケーブルの金具口元直近部とを一体化するようにゴムモールドを施したことを特徴とする請求項1又は2記載のケーブル引留部の補強構造。
- 前記補強用編組の先端部近傍をケーブル外周に接着固定したことを特徴とする請求項1〜3記載のケーブル引留部の補強構造。
- 前記補強用編組が、束状の多数の芳香族ポリアミド系繊維の外周にナイロン被覆を施した線材からなる編組であることを特徴とする請求項1〜4記載のケーブル引留部の補強構造。
- 前記ケーブルは、ケーブルコアの外周にテンションメンバーを配置しその上にシースを被覆した構造であり、前記テンションメンバーが引留金具本体に引き留められていることを特徴とする請求項1〜5記載のケーブル引留部の補強構造。
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Legal Events
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