JP2006244845A - グラビア印刷用導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 グラビア印刷に最適な粘度範囲を与え得る導電性ペーストを提供する。
【解決手段】 導電性粉末、バインダ樹脂および添加剤を含有する、グラビア印刷用導電性ペーストであって、バインダ樹脂として、酸価が3〜15mgKOH/gでありかつ重量平均分子量Mwが50000〜150000である、カルボキシル基を有するアクリル樹脂を用い、添加剤として、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤を用いる。この導電性ペーストのずり速度10s-1での粘度をη10とすると、η10=0.25〜1.0Pa・sであり、かつ、ずり速度100s-1および500s-1での各粘度を、それぞれ、η100およびη500とすると、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sである、
【選択図】 なし

Description

この発明は、グラビア印刷用導電性ペーストおよびそれを用いて実施される積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
たとえば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品に備える導体膜を形成するため、導電性ペーストを印刷する方法が適用されることが多い。この印刷の形態の1つとして、グラビア印刷がある。
グラビア印刷において用いる導電性ペーストにとって、その適性を評価する重要な尺度として粘度がある。たとえば、グラビア印刷の場合には、印刷版の目詰まりが起こらないようにするため、スクリーン印刷に比べて、導電性ペーストはより低粘度でなければならない。しかし、導電性ペーストが低粘度であればあるほど良いわけではなく、被印刷対象物上で不所望なにじみが発生しない程度の粘度は必要である。
上述のことからわかるように、導電性ペーストは、ある一定範囲の粘度であることが重要である。そして、導電性ペーストは、通常、導電性粉末、バインダ樹脂、添加剤、有機溶剤等が混練されて得られたものであるが、特に、粘度に大きく影響を与えるのがバインダ樹脂である。
グラビア印刷に用いる導電性ペーストの樹脂構成を開示した文献の一例として、特開平10−335167号公報(特許文献1)がある。この特許文献1の請求項3によると、用いる樹脂をエチルセルロースとすることが記載されている。また、別の例として、特開平2000−76930号公報(特許文献2)の段落「0088」では、エチルセルロースにポリビニルブチラールまたはアクリル樹脂を配合して粘度調整した樹脂についての記載がある。
しかしながら、特許文献1および2のいずれに記載の導電性ペーストにおいても共通して使われているエチルセルロースは、これを良溶媒中に溶解させた樹脂溶液中に導電性粉末を分散させた場合、樹脂−導電性粉末−樹脂という三次元的な網目構造を形成し、さらに、その樹脂が溶剤中に広がって存在することにより、それら三次元的な網目構造の絡み合いが強くなり、粘度が上昇する度合いが高くなると考えられ、低粘度の導電性ペーストを得るための樹脂材料としては好ましくない。
また、エチルセルロースは、天然樹脂であるため、原材料として一定の品質のものを入手することが難しく、そのため、同一品質となるように調整するための煩雑な作業が必要であるという問題がある。
特開平10−335167号公報(請求項3) 特開2000−76938号公報(段落「0088」)
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を生じさせずにグラビア印刷に最適な粘度範囲を与え得る導電性ペースト、およびそれを用いて実施される積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、導電性粉末、バインダ樹脂および添加剤を含有する、グラビア印刷用導電性ペーストにまず向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、バインダ樹脂は、酸価が3〜15mgKOH/gでありかつ重量平均分子量Mwが50000〜150000である、カルボキシル基を有するアクリル樹脂であり、添加剤は、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤であることを特徴とするとともに、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストは、ずり速度10s-1での粘度をη10とすると、η10=0.25〜1.0Pa・sであり、かつ、ずり速度100s-1および500s-1での各粘度を、それぞれ、η100およびη500とすると、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sであることを特徴としている。
なお、酸価とは、樹脂中のアルカリと反応する部分を水酸化カリウム(KOH)で滴定して表した数であり、この値が大きければ大きいほど、酸性の度合いが高いことになる。
この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストにおいて、アミン系添加剤の含有率は、0.5〜5重量%であることが好ましく、アニオン系分散剤の含有率は、0.5〜5重量%であることが好ましい。
また、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストにおいて、導電性粉末は、卑金属粉末であることが好ましい。
この発明は、また、積層セラミック電子部品の製造方法にも向けられる。
この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを用意する工程と、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストを用意する工程と、セラミックグリーンシート上の所定の位置に、グラビア印刷用導電性ペーストをグラビア印刷し、それによって、導体膜を形成する工程と、導体膜が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層しかつ圧着し、それによって、生の積層体を作製する工程と、生の積層体を焼成する工程とを備えることを特徴としている。
この発明に係る導電性ペーストによれば、これをセラミックグリーンシート上にグラビア印刷するために用いるとき、粘度がグラビア印刷適正粘度範囲域に収まるととともに、印刷塗膜形状が平滑になる。
たとえば、積層セラミックコンデンサの製造において、導電性ペーストを印刷することによって、セラミックグリーンシート上の複数の領域に分布するように内部電極を形成したとする。もし、内部電極の印刷領域が所望の面積よりも大きくなると、隣り合って印刷された内部電極間で接触する可能性が高くなる。また、もし、印刷塗膜表面が平滑でなく凹凸が大きいとすると、焼成時に導電成分同士が凝集する影響を受けて、焼成後には、その凹凸がさらに大きくなる。そして、最悪の場合には、凹凸した内部電極がセラミック層を突き破り、その結果、積層方向に隣り合う内部電極同士が接触した状態となるショート不良が生じることもある。
これに対して、この発明に係る導電性ペーストを用いて、たとえば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を製造すると、上述したショート不良の発生率が低くなり、歩留まりが向上するという効果が奏される。
また、この発明に係る導電性ペーストは、バインダ樹脂としてアクリル樹脂が用いられ、アクリル樹脂は合成樹脂であるので、天然樹脂であるエチルセルロースの場合に比べて、同一品質のものを安定的に入手することができ、導電性ペーストを安定した品質をもって製造することができる。
図1は、この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストを用いて実施される製造方法によって得られる積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、部品本体としての積層体2を備えている。積層体2は、誘電体セラミックからなり、かつ積層された、複数のセラミック層3と、セラミック層3を介して互いに対向するようにセラミック層3間の界面に沿ってそれぞれ形成される、導体膜としての各々複数の第1および第2の内部電極4および5とをもって構成される。
積層体2の相対向する第1および第2の端面6および7上には、それぞれ、第1および第2の外部電極8および9が形成される。第1の外部電極8は第1の内部電極4と電気的に接続され、第2の外部電極9は第2の内部電極5と電気的に接続され、第1の内部電極4と第2の内部電極5とは、積層体2の積層方向に関して交互に配置されている。
このような積層セラミックコンデンサ1において、内部電極4および5がこの発明に係る導電性ペーストを用いたグラビア印刷によって形成される。
積層セラミックコンデンサ1を製造するにあたって、セラミック層3となるべきセラミックグリーンシートが用意されるとともに、内部電極4および5を形成するためのグラビア印刷用導電性ペーストが用意される。このグラビア印刷用導電性ペーストの組成については後述する。
次に、セラミックグリーンシート上の所定の位置に、グラビア印刷用導電性ペーストをグラビア印刷し、それによって、内部電極4および5を形成する工程が実施される。
次に、内部電極4および5が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートが積層されかつ圧着されることによって、積層体2の生の状態のものが作製される。この生の積層体2は、必要に応じて、カットされる。
次に、生の積層体2が焼成され、焼結した積層体2が得られる。そして、積層体2の端面6および7上に、それぞれ、外部電極用の導電性ペーストを塗布し焼き付けることによって、外部電極8および9が形成され、積層セラミックコンデンサ1が完成される。
内部電極4および5の形成のために用いられるグラビア印刷用導電性ペーストは、導電性粉末、バインダ樹脂および添加剤を含有している。
導電性粉末としては、たとえばニッケル粉末のような卑金属粉末が用いられることが好ましい。
バインダ樹脂としては、酸価が3〜15mgKOH/gでありかつ重量平均分子量Mwが50000〜150000である、カルボキシル基を有するアクリル樹脂が用いられる。
添加剤としては、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤が用いられる。アミン系添加剤としては、たとえば3級アミンまたはジアミンが用いられる。アニオン系分散剤としては、たとえばポリカルボン酸系分散剤または無水マレイン酸系分散剤が用いられる。これらアミン系添加剤およびアニオン系分散剤の各々の含有率の好ましい範囲は、アミン系添加剤の種類およびアニオン系分散剤の種類によって異なるが、一般的に、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤の各々について、0.5〜5重量%の範囲に選ばれることが好ましい。
この導電性ペーストは、上述のアクリル樹脂等を溶解する溶剤の量を調整するなどして、グラビア印刷にとって適正な粘度を有するように調整される。このグラビア印刷適正粘度範囲域は、ずり速度10s-1での粘度をη10とすると、η10=0.25〜1.0Pa・sで、かつ、ずり速度100s-1および500s-1での各粘度を、それぞれ、η100およびη500とすると、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sである。
次に、この発明の範囲を決定するため、およびこの発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
(1) 導電性ペーストの作製
Figure 2006244845
導電性ペーストとなったときに40重量%の含有率となるように調整した平均粒径0.3μmのニッケル粉末と、同じく、導電性ペーストとなったときに表1の「アミン」および「分散剤」の各欄における「含有率」となるように調整したアミン系添加剤およびアニオン系分散剤と、溶剤としてのエチルベンゼンとを混合し、これらを玉石(5mm径)とともに容積1リットルの樹脂ポット中で調合した。そして、この樹脂ポットを、150rpmで12時間回転させてポットミル分散処理を行ない、第1スラリーを得た。
次に、表1の「アクリル樹脂」の欄に示す酸価および重量平均分子量を有するアクリル樹脂とエチルベンゼンとを重量比で2:8の割合で混合して有機ビヒクルを作製し、この有機ビヒクルが導電性ペーストとなったときに5重量%の含有率となるように、前述の第1スラリーを収容する樹脂ポット中に添加し、この樹脂ポットを、さらに、150rpmで12時間回転させてポットミル分散処理を行ない、第2スラリーを得た。
次に、第2スラリーを加温した状態でスラリー粘度を0.5Pa・s以下に調整した後、目開きが20μm、10μm、5μm、3μmおよび最終段に金属粉末平均一次粒径(すなわち、0.3μm)の2倍の目開きのメンブレン式フィルタを用いて、圧力1.5kg/cm2 未満の加圧ろ過により、塊状物を除去するろ過処理を行ない、各試料に係る導電性ペーストを得た。
(2) 積層セラミックコンデンサの製造
次に、厚さ3μmの誘電体セラミックグリーンシートを用意し、この誘電体セラミックグリーンシート上に、各試料に係る導電性ペーストをグラビア印刷法により印刷し、内部電極となる厚み1μmの導電性ペースト膜を形成し、乾燥させた。
次に、上記導電性ペースト膜を形成した300枚の誘電体セラミックグリーンシートを含む複数枚の誘電体セラミックグリーンシートを積層しかつ圧着し、それによって、生の積層体を作製し、この生の積層体を、3.2mm×2.5mmの平面寸法となるようにカットした。このようにして得られた生のチップを、最高温度280℃で脱脂し、その後、水素/窒素混合ガス中において1200℃の温度で焼成した。焼成後、導電性ペーストの塗布および焼付けによって、外部電極を形成し、各試料に係る積層セラミックコンデンサを得た。
(3) 評価
(3)−1.導電性ペーストの粘度
各試料に係る導電性ペーストの粘度を、ずり速度制御方式の回転式粘度測定機により測定した。より具体的には、25±0.5℃の環境下にて、10s-1、100s-1および500s-1の各々のずり速度が導電性ペーストに加わったときの粘度を測定した。これらの結果が表2の「粘度」の欄に示されている。
(3)−2.印刷塗膜形状
前述したグラビア印刷後の誘電体セラミックグリーンシートにおいて、導電性ペーストの塗膜形状を、三次元形状測定装置にて観察し、塗膜が平滑かどうかを調査した。その結果が表2の「塗膜形状」の欄に示されている。塗膜表面の最大凹凸が0.5μm以下のとき、塗膜が平滑であるとして「○」で表し、逆に、最大凹凸が0.5μmを超えるとき、「×」で表した。
(3)−3.沈降状態
導電性ペーストに含まれる固形成分の沈降状態を観察するため、作製直後の導電性ペーストを試験管に詰め、静止状態のまま24時間放置した後、目視により固形成分粉末(ニッケル粉末)の沈降度合いを評価した。その結果が表2の「粉末沈降」の欄に示されている。固形成分の沈降が生じなかった場合は「○」で表し、沈降が生じた場合は「×」で表している。
(3)−4.ショート不良率
各試料について、各々100個の積層セラミックコンデンサの静電容量を、LCRメータにて測定し、ショート不良の発生の有無を評価し、不良が発生している試料数の比率を算出した。その結果が表2の「ショート率」の欄に示されている。
Figure 2006244845
表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の比較例である。
この発明の範囲内にある試料1〜3、6、7、13〜16、19および20によれば、表2に示すように、粘度に関して、ずり速度10s-1での粘度をη10とすると、η10=0.25〜1.0Pa・sで、かつ、ずり速度100s-1および500s-1での各粘度を、それぞれ、η100およびη500とすると、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sであるという条件を満足しているので、グラビア印刷時の転写性が最適化され、また、塗膜形状が平滑になり、粉末分離も防止でき、ショート不良率を低減できるといった良好な結果が得られた。
これは、カルボキシル基を有するアクリル樹脂の系では、アクリル樹脂のカルボキシル基が、アミン系添加剤とアニオン系分散剤とを添加したときに、固形成分(ニッケル粉末)との間で適度に可逆的な架橋結合をして、グラビア印刷に適している粘度となるような、三次元的な網目構造を形成していることが寄与していると考えられる。
また、このペーストにおいては、粘度は、低ずり域ではチクソトロピー的挙動を示すが、高ずり域(500s-1辺り)ではダイラタンシー的挙動を示し、全体としてはニュートニアン的挙動に近い、η10=0.25〜1.0Pa・s、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sの挙動を示すことが確認された。これにより、グラビア印刷機に備えるドクターブレード等によってグラビアロールの周面に形成されるセルに導電性ペーストを充填する際、適度に粘度の低下が起こり、セルへの充填を容易にすることができると推定される。
なお、チクソトロピー的挙動とは、ずり速度の上昇に従い、粘度が下がる流体の挙動であり、ダイラタンシー的挙動とは、ずり速度の上昇とともに、粘度も上がる流体の挙動である。また、ニュートニアン的挙動とは、ずり速度を変えても、粘度が一定の流体の挙動のことである。
また、転写前でのセル内では、せん断力が働かないため、適度にペーストの粘度が回復(=増加)し、転写時にせん断力が再度かかっても、粘度がニュートニアン的挙動に近いため、急激なペースト粘度の減少または増加が生じず、ペーストの分断等が生じず、良好な印刷転写性が得られているものと考えられる。
他方、比較例としての試料4では、表1に示すように、アクリル樹脂の酸価が大きい(カルボキシル基が多い)ため、ニッケル粉末との結合が強固になり、表2に示すように、10s-1での粘度および500s-1での粘度がかなり高くなった。その結果、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時において不具合が生じ、かつ粘度が高いため、レベリング性が阻害され、表2に示すように、塗膜形状において凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。
また、比較例としての試料5では、表1に示すように、アクリル樹脂の酸価が小さい(カルボキシル基が少ない)ため、ニッケル粉末との結合が弱まり、ニッケル粉末とバインダ樹脂との間で可逆的な架橋結合ができず、三次元的な網目構造が弱まり、表2に示すように、10s-1での粘度がかなり低く、また、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり(ダイラタンシー的挙動の消失)、粉末の沈降分離による凝集および印刷の転写時に急激な粘度の減少によるペーストの分断などの不具合が起こり、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。
また、同じく比較例としての試料8では、表1に示すように、アクリル樹脂の重量平均分子量が大きいため、三次元的な架橋構造が強まり、ニッケル粉末との結合が強固になり、前述した試料4の場合と同様、10s-1での粘度および500s-1での粘度がかなり高くなった。その結果、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時に不具合が生じ、かつ粘度が高いため、レベリング性が阻害され、表2に示すように、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。
同じく比較例としての試料9では、表1に示すように、アクリル樹脂の重量平均分子量が小さいため、三次元的な架橋構造が弱まり、ニッケル粉末との結合が弱まり、前述した試料5の場合と同様、ニッケル粉末とアクリル樹脂とが可逆的な架橋結合ができず、三次元的な網目構造が弱まり、表2に示すように、10s-1での粘度がかなり低く、また、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、粉末の沈降分離による凝集および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断などの不具合が起こり、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。
また、比較例としての試料10では、表1に示すように、アミン系添加剤が添加されていないので、ニッケル粉末との相互作用(=結合)が弱く、試料5および9の場合と同様、ニッケル粉末とアクリル樹脂とが可逆的な架橋結合ができず、表2に示すように、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、粉末の沈降分離による凝集および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断などの不具合が起こり、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。また、試料10において得られた結果から、ニッケル粉末は、アミン系添加剤を介してアクリル樹脂と強固に結合しているものと推測される。
比較例としての試料11では、表1に示すように、アニオン系分散剤が添加されていないため、ニッケル粉末とアクリル樹脂とがアミン系添加剤を介して強固に結合し、ニッケル粉末との相互作用(=結合)が強すぎることから、可逆的な結合ではなくなり、表2に示すように10s-1での粘度の上昇が生じ、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、ダイラタンシー的挙動が消失しているものと推定される。その結果、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断等の不具合が生じ、表2に示すように、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。また、試料11において得られた結果から、アニオン系分散剤は、ニッケル粉末表面に吸着し、アミン系添加剤の吸着を阻害し、アクリル樹脂との結合を弱めるように作用しているものと推測される。
比較例としての試料12では、表1に示すように、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤のいずれもが添加されていないため、アミン系添加剤が添加されていない試料10の場合と同様、ニッケル粉末との相互作用(=結合)が弱く、また、試料5および9の場合と同様、ニッケル粉末とアクリル樹脂とが可逆的な架橋結合ができず、ダイラタンシー的な挙動が消失し、表2に示すように、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、粉末の沈降分離による凝集および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断などの不具合が起こり、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。
また、比較例としての試料17では、表2に示すように、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、粉末の沈降分離による凝集および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断などの不具合が起こり、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。なお、試料17では、表1に示すように、アミン系添加剤が0.1重量%しか添加されていないので、ニッケル粉末との相互作用(=結合)が弱く、ニッケル粉末とアクリル樹脂とが可逆的な架橋結合が十分にできず、ダイラタンシー的な挙動がほとんど消失したものと推測される。
同じく比較例としての試料18では、表2に示すように、10s-1での粘度が比較的高くなり、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時に不具合が生じ、レベリング性が阻害され、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。なお、試料18では、表1に示すように、アミン系添加剤が10重量%と多く添加されているので、アクリル樹脂とニッケル粉末との結合が強固になりすぎ、上述したような不具合が生じたものと推測される。
比較例としての試料21では、表2に示すように、10s-1での粘度の上昇が生じ、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、ダイラタンシー的挙動がほとんど消失し、その結果、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時に急激な粘度の減少による導電性ペーストの分断等の不具合が生じ、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。なお、試料21では、表1に示すように、アニオン系分散剤が0.1重量%しか添加されていないため、ニッケル粉末とアクリル樹脂とがアミン系添加剤を介して比較的強固に結合し、ニッケル粉末との相互作用(=結合)が強すぎることから、可逆的な結合ではなくなり、上述したような不具合が生じたものと推測される。
同じく比較例としての試料22では、表2に示すように、100s-1での粘度が500s-1での粘度より高くなり、セルへの導電性ペースト充填時および印刷の転写時に不具合が生じ、レベリング性が阻害され、塗膜形状の凹凸が大きくなり、ショート不良率が上昇したと考えられる。なお、試料22では、表1に示すように、アニオン系分散剤が10重量%と多く添加されているので、これがニッケル粉末表面に吸着し、アミン系添加剤の吸着を阻害する作用が過大に働き、アクリル樹脂とニッケル粉末との結合が弱まり、上述したような不具合が生じたものと推測される。
この発明に係るグラビア印刷用導電性ペーストを用いて実施される製造方法によって得られる積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
符号の説明
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 セラミック層
4,5 内部電極

Claims (5)

  1. 導電性粉末、バインダ樹脂および添加剤を含有し、
    前記バインダ樹脂は、酸価が3〜15mgKOH/gでありかつ重量平均分子量Mwが50000〜150000である、カルボキシル基を有するアクリル樹脂であり、
    前記添加剤は、アミン系添加剤およびアニオン系分散剤であり、
    ずり速度10s-1での粘度をη10とすると、η10=0.25〜1.0Pa・sであり、かつ、ずり速度100s-1および500s-1での各粘度を、それぞれ、η100およびη500とすると、η100≦η500、かつη500≦1.5Pa・sである、
    グラビア印刷用導電性ペースト。
  2. 前記アミン系添加剤の含有率は、0.5〜5重量%である、請求項1に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
  3. 前記アニオン系分散剤の含有率は、0.5〜5重量%である、請求項1または2に記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
  4. 前記導電性粉末は、卑金属粉末である、請求項1ないし3のいずれかに記載のグラビア印刷用導電性ペースト。
  5. セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のグラビア印刷用導電性ペーストを用意する工程と、
    前記セラミックグリーンシート上の所定の位置に、前記グラビア印刷用導電性ペーストをグラビア印刷し、それによって、導体膜を形成する工程と、
    前記導体膜が形成された前記セラミックグリーンシートを含む複数の前記セラミックグリーンシートを積層しかつ圧着し、それによって、生の積層体を作製する工程と、
    前記生の積層体を焼成する工程と
    を備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
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