JP2006242368A - シール構造及び筒状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筒状部材の防水性、気密性等の確保により適したシール構造を提供することにある。
【解決手段】 このシール構造3は、パイプ5の内周側スペースを外部からシールするためのものであって、パッキン11と、第1部材13と、第2部材15と、ネジ17とを備えている。パッキン11は、パイプ5の内周側に配置され、変形可能な環状の部材である。第1部材13は、パイプ5の内周側に配置され、パッキン11の第1面11aに当接可能な第1テーパ面13aを外周部に有する。第2部材15は、第1部材13に対し軸方向に接離可能に配置され、パッキン11の第2面11bに当接可能な第2テーパ面15aを外周部に有する。ネジ17は、第1部材13及び第2部材15を軸方向に接離させるためのものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シール構造、特に、筒状部材の内周側スペースを外部からシールするためのシール構造に関する。
又、本発明は、そのようなシール構造を備えた筒状体に関する。
防水性、気密性等を確保するためのシール構造として、従来、例えば、一口瓶の開口部と蓋との間に環状の平パッキンを介在させて、蓋を開口部に締め付けるものがある。なお、平パッキンは、円板上部材の内周部が開口された形状の部材であり、ここでは、蓋と開口部との軸方向間に挟持される。
また、他の従来のシール構造として、例えば、2つの管路の軸方向端部にそれぞれ形成されたフランジを、環状の平パッキンやOリングを介在させてボルト及びナットで締め付けるものがある。
関連する技術として、例えば、特許文献1乃至3に示すようなものが既に提案されている。
特開2003−138622号公報 特開平11−241974号公報 特開平9−152086号公報
しかしながら、例えば、水中で用いられる筒状体の内周側スペースを外部からシールしたい場合に、上記のように平パッキンを介して瓶に蓋を装着する技術では、一般的に、高い防水性、気密性が期待できない。
また、2つのフランジを平パッキン等を介して締め付ける技術では、管路の端部にフランジを設けることを前提とするため、形状や重量など、設計時に種々の制約を受けることとなる。
本発明の課題は、筒状部材の防水性、気密性等の確保により適したシール構造を提供することにある。
また、本発明の課題は、そのようなシール構造を利用した筒状体を提供することにある。
請求項1に係るシール構造は、筒状部材の内周側スペースを外部からシールするためのシール構造であって、シール部材と、第1部材と、第2部材と、操作部材とを備えている。シール部材は、筒状部材の内周側に配置され、変形可能な環状の部材である。第1部材は、筒状部材の内周側に配置され、シール部材の内周部に当接可能な第1当接部を外周部に有する。第2部材は、第1部材に対し軸方向に接離可能に配置され、シール部材の内周部に対し第1当接部とは異なる軸方向部位に当接可能な第2当接部を外周部に有する。操作部材は、第1部材及び第2部材を軸方向に接離させるためのものである。
この構造では、筒状部材の軸方向端部において、第1部材と第2部材との軸方向間にシール部材を配置し、操作部材を操作して第1及び第2部材が互いに接近させると、シール部材は、その内周部の2カ所において2つの当接部によって軸方向に押圧されることで、外周側に拡径するよう変形し、筒状部材の内周壁に対し所定の押圧力をもって当接する。
したがって、ここでは、筒状部材の軸方向端部において、その内周側スペースが外部から確実にシールされ、高い防水性、気密性等を確保できる。
なお、本発明において、筒状部材は、その径方向断面が真円のものに限定されない。
シール部材は、ゴム等のように弾性変形を行うもののみでなく、樹脂のように非弾性変形を行うものも含まれ、特に後者の場合、第1部材及び第2部材によって締め付けられたシール部材が元の形状に復元し得なくなる程度に変形するものであっても良い。
内周部に当接可能という場合は、第1又は第2部材が、筒状部材の内周部の一部に当接できれば良く、内周部の全部に当接できる必要はない。
請求項2に係るシール構造は、請求項1の構造において、第1当接部は、第2部材に向かう軸方向に先細りに形成された第1テーパ面を有している。また、第2当接部は、第1部材に向かう軸方向に先細りに形成された第2テーパ面を有している。
この構造では、2つのテーパ面によって、第1部材と第2部材との間に、軸方向断面視して外周側に開く三角形形状のスペースが形成され、シール部材は、この外周側に開く三角形形状のスペースにより外周側に押圧されるようにして拡径することとなる。
請求項3に係るシール構造は、請求項2の構造において、第1当接部は、第1テーパ面の外周側に隣接しかつ第1テーパ面よりも緩い傾斜を有する第3テーパ面を有している。また、第2当接部は、第2テーパ面の外周側に隣接しかつ第2テーパ面よりも緩い傾斜を有する第4テーパ面を有している。
この構造では、第1及び第2テーパ面よりも緩やかに傾斜する第3及び第4テーパ面が設けられたことで、シール部材が、第1及び第2テーパ面と筒状部材の内周壁との間に挟まれて、損傷したり復元し得なくなる程に変形したりするのを抑えることができる
請求項4に係るシール構造は、請求項2又は3の構造において、シール部材は、第1テーパ面に対し当接される第1被当接面と、第2テーパ面に対し当接される第2被当接面と、筒状部材の内周壁に当接する第3被当接面とを有する。
この構造では、シール部材は、第1テーパ面と第1被当接面との間、第2テーパ面と第2被当接面との間、及び筒状部材の内周壁と第3被当接面との間の3カ所において、他の部材と面接触するので、各部位からより均一な力を受けて変形し、より確実な防水性、気密性の発揮に貢献する。
なお、シール部材としては、軸方向断面視して外側に開く三角形(好ましくは、内周側端部が切り欠かれた台形や、3つの頂点が丸みを帯びたおむすび型)形状部分を有するものが挙げられるが、従来のOリングであっても良い。
請求項5に係るシール構造は、請求項1から4のいずれか1項の構造において、第1及び第2部材は、軸方向に貫通された貫通孔をそれぞれ有している。
この構造では、例えば、筒状部材をシールする際に、貫通孔を通して外部からコンプレッサ等により筒状部材の内部を高圧な状態にすることができ、これにより、高い水圧のかかる水中でも使用可能な筒状体を得ることができる。
請求項6に係るシール構造は、請求項1から5のいずれか1項の構造において、第2部材は、第1部材の軸方向外方に配置されている。また、この構造は、第2部材のさらに軸方向外方に配置されるとともに、筒状部材の軸方向端部の外周部に対し外周側から当接可能な鍔部を有する第3部材をさらに備えている。操作部材は、第3部材を第2部材に対し接離可能である。
筒状部材は、例えば、外部から水圧がかかると、軸方向中央部が凹むとともにこれに応じて両端部が拡径しようとして、筒状部材のシール性が損なわれるおそれがあるが、この構造では、鍔部によりそのような端部の拡径を防止して、シール性を維持することができる。
なお、軸方向外方とは、筒状部材の軸方向中央部から端部側に向かう方向をいう。
請求項7に係る筒状体は、請求項1から6のいずれか1項に記載のシール構造と、シール構造によってシールされる筒状部材とを備えている。
この筒状体では、請求項1から6のシール構造を備えたことで、筒状部材の軸方向端部において、その内周側スペースが外部から確実にシールされ、高い防水性、気密性等を確保できる。
本発明によれば、筒状部材の内周側スペースが外部から確実にシールされ、高い防水性、気密性等を確保できる。
<筒状体の構成>
図1及び図2に、本発明の一実施形態が採用された筒状体1の要部を示す。
この筒状体1は、シール構造3と、シール構造3によってシールされるパイプ5(筒状部材)とを備えている。
シール構造3は、パイプ5の内周側スペースを外部からシールするためのシール構造であって、パッキン11(シール部材)と、第1部材13と、第2部材15と、2本のネジ17(操作部材)とを備えている。
パッキン11は、パイプ5の内周側に配置される、シリコンゴム製の環状のシール部材である。パッキン11は、その外径がパイプ5の内径より僅かに小さいものである。パッキン11は、図示されるように、第1面11a(第1被当接面)と、第2面11b(第2被当接面)と、底面11c(第3被当接面)と、上面11dとを有する台形状に形成されている。第1面11aは、第1部材13の第1テーパ面13a(後述)に対し当接され、第2面11bは、第2部材15の第2テーパ面15aに対し当接されるとともに、底面11cは、パイプ5の内周壁5aに当接可能である。
第1部材13は、パイプ5の内周側に配置される金属製部材であり、第1テーパ面13aと、第3テーパ面11bとを有している。第1テーパ面13aは、第2部材15に向かう軸方向にかけて先細りに形成された面であり、軸方向に対し60°だけ傾斜している。第3テーパ面13bは、第1テーパ面13aの外周側に隣接し、軸方向に対し30°だけ傾斜している。
また、第1部材13は、内周部に第2部材15側に突出するボス部13dを有しており、ボス部13dの軸方向端面には、ネジ17の先端部が螺号可能な2つのネジ孔13cが形成されている。
第2部材15は、パイプ5の内周側に配置される金属製部材であり、第2テーパ面15aと、第4テーパ面15bとを有している。第2テーパ面15aは、第1部材13に向かう軸方向にかけて先細りに形成された面であり、軸方向に対し60°だけ傾斜している。第4テーパ面15bは、第2テーパ面15aの外周側に隣接し、軸方向に対し30°だけ傾斜している。これにより、第1部材13及び第2部材15が軸方向に接近した状態では、第1テーパ面13a、第2テーパ面15a及びパイプ5の内周壁5aに囲まれる領域が、外周側に開く略三角形形状のスペースが形成される。
また、第2部材15は、内周部に第1部材13のボス部13dを受け入れ可能な凹部15dを有しており、ネジ17が貫通して螺号可能な2つのネジ孔15cが形成されている。
各ネジ17は、第1部材13及び第2部材15を軸方向に接離させるためのものであり、第1部材13のネジ孔13c及び第2部材15のネジ孔15cに螺号する。
<筒状体の使い方>
次に、筒状体1の使い方について説明する。
この筒状体1において、内周側スペースを外部からシールするためには、、図1に示すように、パイプ5の軸方向端部に、各部品11,13,15,17を配置し、ネジ17を締め付ける。すると、第1部材13と第2部材とが接近し、第1テーパ面13a及び第2テーパ面15aがパッキン11の第1面5a及び第2面5bにそれぞれ当接する。この状態でさらにネジ17を締め付けると、パッキン11が、図2に示すように、2つのテーパ面13a,15aが接近することにより外周側に押圧されて拡径し、パイプ5の内周壁5aに圧接される。
これにより、パイプ5の内周側スペースが外部からシールされ、高い防水性、気密性等を確保できるようになる。
また、このとき、パッキン11の底面11cの軸方向両端部は、軸方向に延びようとするが、第3及び第4テーパ面13b,15bによってそのような延びが許容されるので、パッキン11の損傷等を回避することができる。
そして、以上のような筒状体1を用いて、例えば、透光性を有するパイプの内周側スペースに、軸方向に延びる蛍光ランプを配置するととともに、パイプの軸方向両端をシール構造を用いてシールすれば、水中でも使用可能な防水性の高い照明器具が得られる。
又、例えば、パイプ内に、発信器を配置するとともに、パイプの軸方向両端部をシール構造によりシールすれば、防水性の高い発信装置が得られる。この発信装置は、例えば、航空機から海上に複数個投棄しておき、近海を潜行する潜水艦及び航空機との間で通信可能な探索発信装置として用いることができる。
さらに、例えば、筒状体の内側にさらに他の小さい筒状体を、二重又は三重等に配置して多重構造とし、最内側の筒状体の内側に蛍光ランプを配置すれば、気密性の高い、外部からの熱伝導抑制に優れた照明器具が得られる。このような照明器具は、例えば、−60℃付近の気温下でも蛍光ランプが点灯可能であり、一方のシール構造の第1及び第2部材に後述する貫通孔を設けて各筒状体の内側スペースを減圧すると、さらに外部からの熱伝導を抑制可能になり、より低温でも使用可能である。
<他の実施形態>
(a)操作部材として、ネジに代えて、図3に示すように、ロックナット19(第3部材)が採用されても良い。この場合、第1部材13には、ボス部13dからさらに外方に延びる雄ねじ13eが形成されるとともに、第2部材15には、この雄ねじ13eに挿通される貫通孔15eが形成される。ロックナット19は、雄ねじ13eに螺号可能なネジ孔19aが形成される。なお、このシール構造の各構成部品11,13,15,19は、図4に示すような縦断面をそれぞれ有している。
かかる構成のシール構造によりシールをする際は、ロックナット19を手で回して雄ねじ13eに締め付けることにより、第1及び第2部材が接近してパッキンがパイプに圧接される。ここでは、ネジ17を締め付けるためのドライバ等の専用工具が不要なため、IP68規格を達成することができる。
(b)上記(a)において、ロックナット19は、図5に示すように、パイプの軸方向端部の外周部に対し外周側から当接可能な鍔部19bを有していても良い。
かかる構成によれば、例えば、筒状体は、水圧が作用した場合に、軸方向端部が第1部材等を支点に拡径しようとするのを鍔部19bによって抑えることができる。
なお、このようなロックナットを省略して、鍔部を、第2部材と一体に形成しても良い。
(c)上記実施形態において、筒状体は、例えば、一方のシール構造において、第1部材は、図6に示すように、軸方向に貫通された貫通孔13fを有していてもよい。
かかる構成によれば、例えば、貫通孔13fに自転車のタイヤの虫ゴムを挿通し、バルブ及びコンプレッサに順に接続して、パイプ内を加圧又は減圧することができる。
例えば、加圧した場合は、軸方向両端部に配置された第1部材が外方に押圧力を受けるので、パッキンが第2部材との間でより強く押圧される結果パイプに強く圧接し、より高い防水性、気密性の確保が可能となる。
(d)シール部材は、上記実施形態で説明したものに代えて、軸方向断面形状が、三角形の各頂点が丸みを帯びたおむすび型でも良く、また、従来のOリング等であっても良い。
(e)各テーパ面の傾斜角度は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
(f)ネジ17の本数、配置位置等は、上記実施形態で説明したものに限定されない。また、第2部材には、ネジ孔が設けられる必要はなく、ネジ孔に代えて、ネジが螺号せずに挿通可能な貫通孔が形成されても良い。
(g)シール構造は、筒状部材の軸方向端部のみでなく、例えば、軸方向中央部に配置されても良い。
本発明の一実施形態が採用された筒状体の要部を示す縦断面図。 図1の筒状体を示す要部縦断面図。 本発明の他の実施形態が採用された筒状体の要部を示す縦断面図。 図3の筒状体に用いられるシール構造を分解して示す縦断面図。 本発明の他の実施形態が採用された筒状体の要部を示す縦断面図。 本発明の他の実施形態が採用された筒状体を示す縦断面図。
符号の説明
1 筒状体
3 シール構造
5 パイプ(筒状部材)
11 パッキン(シール部材)
11a 第1面(第1被当接面)
11b 第2面(第2被当接面)
11c 底面(第3被当接面)
13 第1部材
13a 第1テーパ面
13b 第3テーパ面
13f 貫通孔
15 第2部材
15a 第2テーパ面
15b 第4テーパ面
15e 貫通孔
17 ネジ(操作部材)
19 ロックナット(第3部材)
19b 鍔部

Claims (7)

  1. 筒状部材の内周側スペースを外部からシールするためのシール構造であって、
    前記筒状部材の内周側に配置され、変形可能な環状のシール部材と、
    前記筒状部材の内周側に配置され、前記シール部材の内周部に当接可能な第1当接部を外周部に有する第1部材と、
    前記第1部材に対し軸方向に接離可能に配置され、前記シール部材の内周部に対し前記第1当接部とは異なる軸方向部位に当接可能な第2当接部を外周部に有する前記第2部材と、
    前記第1部材及び第2部材を軸方向に接離させるための操作部材と、
    を備えたシール構造。
  2. 前記第1当接部は、前記第2部材に向かう軸方向に先細りに形成された第1テーパ面を有し、
    前記第2当接部は、前記第1部材に向かう軸方向に先細りに形成された第2テーパ面を有している、
    請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記第1当接部は、前記第1テーパ面の外周側に隣接しかつ前記第1テーパ面よりも緩い傾斜を有する第3テーパ面を有し、
    前記第2当接部は、前記第2テーパ面の外周側に隣接しかつ前記第2テーパ面よりも緩い傾斜を有する第4テーパ面を有している、
    請求項2に記載のシール構造。
  4. 前記シール部材は、前記第1テーパ面に対し当接される第1被当接面と、前記第2テーパ面に対し当接される第2被当接面と、前記筒状部材の内周壁に当接する第3被当接面とを有する、請求項2または3に記載のシール構造。
  5. 前記第1及び第2部材は、軸方向に貫通された貫通孔をそれぞれ有している、請求項1から4のいずれか1項に記載のシール構造。
  6. 前記第2部材は、前記第1部材の軸方向外方に配置され、
    前記第2部材のさらに軸方向外方に配置されるとともに、前記筒状部材の軸方向端部の外周部に対し外周側から当接可能な鍔部を有する第3部材をさらに備え、
    前記操作部材は、前記第3部材を前記第2部材に対し接離可能である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のシール構造。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のシール構造と、
    前記シール構造によってシールされる筒状部材と、
    を備えた筒状体。

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