JP2006241676A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防犯性を確保しつつ通風、換気が可能となる建具を提供すること。
【解決手段】上部障子20を、閉鎖位置と開放位置との間を開閉自在に設けるとともに、閉鎖位置、および半開放位置の少なくとも2箇所において施錠装置70で施錠することで、この上部障子20によって形成される開口O1からの人の浸入が防止でき、防犯性を確保することができるとともに、形成された開口O1を通して室内外の空間が連通されることから、通風や換気が可能となり、良好な室内環境を得ることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、建具に関し、詳しくは、窓枠と、この窓枠内に支持された可動障子とを備えた建具に関する。
住宅等の外壁開口部に設けられる建具(サッシ窓)として、上下一対の障子を備えた上げ下げ窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された上げ下げ窓は、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子と、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた室内障子(下部障子)とを備えて構成されている。そして、上げ下げ窓は、固定障子の下框(外召合せ框)に設けられたクレセント受けに、下部障子の上框(内召合せ框)に設けられたクレセント錠が係合することで、施錠されるようになっている。また、上げ下げ窓において、固定障子よりも室外側には、下部障子を開放した際に障子の下側に形成される開口部を覆う網戸が設けられており、通気や換気を行う際に網戸によって虫等の浸入が防止できるようになっている。
特開2003−27809号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の上げ下げ窓では、内外の召合せ框に設けられたクレセント錠およびクレセント受けで固定障子と下部障子とが施錠されるため、下部障子が閉鎖位置にある状態でしか施錠することができず、通風、換気時における防犯性が確保できないという問題がある。
本発明の目的は、防犯性を確保しつつ通風、換気が可能となる建具を提供することにある。
本発明の建具は、上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に支持された少なくとも上下二段の障子とを備え、前記少なくとも上下二段の障子のうち、少なくとも上側の障子は、閉鎖位置と開放位置との間を上下スライド開閉自在に設けられ、前記上側の障子および前記縦枠には、当該上側の障子を施錠する上部施錠装置が設けられ、この上部施錠装置は、少なくとも閉鎖位置と開放位置との間の半開放位置において当該上側の障子を施錠可能に構成され、前記可動障子は、閉鎖位置から開放位置に向かって開操作されて半開放位置まで移動された場合には、この半開放位置において前記施錠装置で自動施錠され、開放位置から閉鎖位置に向かって閉操作されて半開放位置まで移動された場合には、施錠されずに半開放位置を通過することを特徴とする。
ここで、建具としては、引違い窓や片引き窓等のように可動障子が左右にスライド開閉自在に設けられたものでもよく、また、上げ下げ窓のように可動障子が上下にスライド開閉可能に設けられたものでもよい。
また、障子としては、少なくとも1枚の可動障子を備えていればよく、室内外(左右または上下)一対の2枚の障子から構成されていてもよく、3枚以上の障子から構成されていてもよい。複数の障子を備える場合において、可動障子以外の障子は、開閉可能に構成されていてもよく、また開閉不能な固定障子であってもよい。
そして、可動障子の半開放位置としては、通気や換気を行うことができ、かつ人が通過できない程度の隙間(開口)が形成される位置であり、例えば、可動障子と窓枠との隙間寸法が10cm程度となる位置が望ましい。ただし、可動障子の半開放位置は、閉鎖位置と開放位置との間における1箇所に限らず、2箇所以上であってもよい。
以上の本発明によれば、少なくとも半開放位置に開放した状態の可動障子を施錠装置によって施錠することで、この可動障子によって形成される開口部からの人の侵入が防止でき、防犯性を確保することができるとともに、形成された開口部を通して室内外の空間が連通されることから、通風や換気が可能となり、良好な室内環境を得ることができる。
さらに、通気や換気のために可動障子を開操作すれば半開放位置で自動的に施錠されるので、半開放位置よりも開きすぎたり、施錠し忘れたりすることがなく、防犯性を向上させることができる。さらに、半開放位置よりも大きく開放された可動障子を閉操作する場合には、半開放位置を通過するために閉操作を継続でき、操作性が良好にできる。
また、本発明の建具では、前記施錠装置は、前記窓枠に設けられた錠装置本体と、前記可動障子に設けられた錠受けとを有して構成され、前記錠装置本体には、前記可動障子の半開放位置に対応して当該可動障子に向かって出没自在に設けられたロックピンと、このロックピンを前記可動障子に向かって付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗して前記ロックピンを没入位置に規制する規制手段と、この規制手段の規制を外すトリガとが設けられ、前記可動障子には、当該障子の開閉移動に伴って前記錠装置本体の前記トリガに当接し、この当接により前記規制手段の規制を外して前記ロックピンを前記錠受けに係合させる当接部が設けられていることが好ましい。
さらに、本発明の建具では、前記施錠装置は、前記窓枠に設けられた錠装置本体と、前記可動障子に設けられた錠受けとを有し、閉鎖位置および半開放位置の少なくとも2箇所において前記可動障子を施錠可能に構成され、前記錠装置本体には、前記可動障子の閉鎖位置および半開放位置に対応して当該可動障子に向かって出没自在に設けられた少なくとも2本のロックピンと、これらのロックピンを前記可動障子に向かって付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗して前記ロックピンを没入位置に規制する規制手段と、この規制手段の規制を外すトリガとが設けられ、前記可動障子には、当該障子の開閉移動に伴って前記錠装置本体の前記トリガに当接し、この当接により前記規制手段の規制を外して前記ロックピンを前記錠受けに係合させる当接部が設けられていてもよい。
このような構成によれば、開移動または閉移動された可動障子の当接部がトリガに当接し、この当接により規制手段の規制が外れ、付勢手段で付勢されたロックピンが障子側に突出して錠受けに係合することになるので、利用者が施錠操作しなくても可動障子の開閉操作に伴って自動的に施錠されるため、操作性をさらに良好にすることができる。
さらに、本発明の建具では、前記規制手段は、長孔を有して形成され、前記トリガは、前記錠装置本体に対して回動自在に軸支されるとともに、一端が前記可動障子の当接部に当接可能に前記縦枠から前記可動障子に向かって突出して設けられ、他端が前記規制手段の長孔に挿入され、前記トリガの一端に所定の一方側から前記当接部が当接した場合には、当該トリガの他端が前記規制手段の長孔端部を押圧して前記ロックピンの規制が解除され、前記トリガの一端に他方側から前記当接部が当接した場合には、当該トリガの他端が前記規制手段の長孔に沿って移動して前記ロックピンの規制が解除されないことが好ましい。
このような構成によれば、可動障子の移動方向、つまり障子が開移動または閉移動のいずれの方向に移動されるかに応じて、規制手段によるロックピンの規制の解除または非解除を切り替えることができる。従って、少なくとも2本のロックピンの各々において、規制手段およびトリガを適宜に配置することで、開移動時に施錠されるか、または閉移動時に施錠されるかを設定することができる。これにより、前述したように可動障子を半開放位置まで開操作すれば自動的に施錠され、逆に閉操作時の半開放位置では施錠されないように設定することができる。
また、本発明の建具では、前記窓枠には、上下二段の障子が支持され、これら上下二段の障子のうちの少なくとも上側の障子が前記窓枠に上下スライド開閉自在に支持された前記可動障子であり、前記施錠装置には、前記上側の障子から離れた室内位置に設けられて当該上側の障子を解錠するための解錠操作部と、この解錠操作部および前記ロックピンに接続されて当該解錠操作部の操作により進退移動する進退部材とが設けられ、前記進退部材は、当該進退部材の進退移動に伴って前記ロックピンを前記付勢手段の付勢力に抗して没入させる傾斜面部を有して形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、室内から手が届きにくく操作しにくい上部障子の施錠装置による施錠を解錠操作部で解錠することで、この解錠操作部を操作しやすい位置(例えば、縦枠の下部位置)に設ければ解錠操作が容易にでき、操作性をより一層向上させることができる。そして、傾斜面部を有した進退部材を解錠操作部の操作により進退移動させることで、傾斜面部に沿ってロックピンが上部錠装置本体側(縦枠側)に没入するように構成したので、簡単な構造で確実に解錠操作を実施することができる。
さらに、建物の1階に当該建具が設置される場合において、室外側から容易に手が届く下部障子ではなく、手が届きにくい上部障子のさらに上方(窓枠の上部)に開口部が形成された半開放位置で施錠することで、防犯性をさらに高めることができる。
さらに、本発明の建具では、前記錠装置本体は、前記左右の縦枠のうちの一方の縦枠に設けられており、前記上部障子における前記一方の縦枠側側面に前記錠受けが設けられ、当該上部障子の横材には、前記錠受けに一端が挿入され他端が他方の縦枠側に延びたスライドピンが設けられ、前記スライドピンは、前記一方の縦枠側に付勢されるとともに、前記錠受けに係合した前記ロックピンに押圧されて他方の縦枠側にスライド可能に構成され、前記他方の縦枠には、前記スライドしたスライドピンの他端と係合する第2錠受けが設けられていることが好ましい。
ここで、上部障子の横材は、障子の上框や下框であってもよく、また障子の縦框同士を連結して水平方向に延びる中桟であってもよい。
このような構成によれば、一方の縦枠に設けた錠装置本体から突出するロックピンで障子の一方側が施錠され、このロックピンで押圧されたスライドピンと第2錠受けとで障子の他方側が施錠されるので、上部障子の左右両側においてバランスよく施錠することができるとともに、施錠強度を高めることができる。
また、上部障子の左右両側を施錠する場合には、左右両方の縦枠に錠装置本体を設け、障子の左右両側に錠受けを設けてもよいが、このような構成では、錠装置本体が少なくとも2箇所に必要となり部品点数が増加してしまうとともに、両側の錠装置本体を同時に解錠操作するための機構が複雑になってしまう。これに対して、スライドピンを介して障子の他方側を施錠できるようにしたことで、部品点数の増加を防止して、解錠操作の機構を簡単にすることができ、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3は、上げ下げ窓1を示す横断面図であって、上部障子位置における横断面図である。図4は、上げ下げ窓1を示す横断面図であって、下部障子位置における横断面図である。
図1〜図4において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部3に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面よりも所定寸法(例えば、600mm〜900mm)だけ高い位置に設けられた腰窓である。
上げ下げ窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に開閉自在に支持された上部障子(上側の障子)20および下部障子(下側の障子)30とを備えて構成されている。窓枠10は、開口部3周辺の柱や壁パネル等の建物躯体4に固定されている。上部障子20および下部障子30は、それぞれ上框21,31、下框22,32、および左右の縦框23,33を四周框組みした内部に、ガラスパネル(複層ガラス)24,34を嵌め込んで構成されている。また、窓枠10の室外側には、外部ブラインド40が設けられ、上部障子20の室内側における窓枠10には、網戸50が取り付けられている。
上部障子20および下部障子30は、それぞれ窓枠10の縦枠13に案内されて上下にスライド可能に支持されるとともに、上部障子20が下部障子30よりも室外側に設けられている。すなわち、上部障子20によって室外側障子が構成され、下部障子30によって室内側障子が構成されている。そして、上部障子20の下框(外召合せ框)22と下部障子30の上框(内召合せ框)31とが見込み方向に重なって上げ下げ窓1が閉じられるようになっている。上部障子20は、その上框21が上枠11に当接した閉鎖位置から、閉じた状態の下部障子30の上框31に上框21が略重なる開放位置までの間を、開閉移動可能に構成されている。一方、下部障子30は、その下框32が下枠12に当接した閉鎖位置から、その上框31が上枠11に近接する開放位置までの間を、開閉移動可能に構成されている。
また、上部障子20の高さ寸法、つまり上框21上端縁から下框22下端縁までの長さ寸法は、下部障子30の高さ寸法よりも小さく形成され、具体的には、上部障子20は、下部障子30の略半分の高さ寸法に設定されている。すなわち、下部障子30が閉鎖位置にある状態で上部障子20を開放位置まで全開した場合には、上部障子20が下部障子30の略上半分室外側に重なった状態となり、これら上下の障子20,30の上方に開口が形成されて上げ下げ窓1が開かれるようになっている。一方、上部障子20が閉鎖位置にある状態で下部障子30を開放位置まで全開した場合にも、下部障子30の略上半分が上部障子20および網戸50の室内側に重なった状態となり、下部障子30の下方に開口が形成されて上げ下げ窓1が開かれるようになっている。
次に、図5も参照して上げ下げ窓1の各部詳細について説明する。
図5は、上げ下げ窓1の一方の縦枠13および上部障子20の縦框23を拡大して示す横断面図である。
縦枠13は、図5に示すように、それぞれアルミ押出形材製の室内部材131、室外部材132、室内レール部材133、および室外レール部材134と、室内部材131と室外部材132とを連結する樹脂製の断熱部材135と、室内レール部材133と室外レール部材134とを連結する樹脂製の断熱部材136とを備えて中空状に形成されている。室内レール部材133および室外レール部材134は、見付け方向内側に向かって開口した断面略C字形に形成されており、それぞれ上部障子20および下部障子30を上下に案内可能に構成されている。
上部障子20の縦框23は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材231および室外部材232と、これらの室内部材231と室外部材232とを連結する樹脂製の断熱部材233とを備えて形成されている。そして、縦框23は、見付け方向内側に開口した溝状に形成されており、室内部材231と室外部材232との間に、断面略コ字形のガスケットを介してガラスパネル24の側端縁が挟持されて支持されている。室内部材231の室内側側面には、上部アタッチメント14Aに当接して気密性を確保する気密材231Aが取り付けられており、室外部材232の見付け方向外側側面には、縦枠13の室外レール部材134に当接して埃等の浸入を防止するモヘヤ232Aが取り付けられている。
そして、上部障子20の縦框23(または上下框21,22)には、室外レール部材134の溝内に挿入されるスライドシュー75,76が設けられており、これらのスライドシュー75,76が室外レール部材134に沿って案内されることで、上部障子20が上下にスライド開閉されるようになっている。この上部障子20の開閉操作は、図2および図4に示すように、一方の縦枠13の下部に設けた遠隔操作部としてのダイヤル16を回転させることによって実行される。このダイヤル16は、図示しない駆動機構を介して上部障子20に接続されている。
一方、下部障子30の下框32には、室内レール部材133に挿入されるスライドシューが設けられており、下部障子30の上框31には、ラッチ装置が設けられており、このラッチ装置から突出した突出片が室内レール部材133に挿入されている。そして、これらのスライドシューおよびラッチ装置の突出片が室内レール部材133に沿って案内されることで、下部障子30が上下にスライド開閉されるようになっている。また、下部障子30は、下框32に設けられた図示しない錠装置と下枠12に設けられた錠受けとが係合することで施錠されるようになっている。
次に、上部障子20の開閉および施錠操作について、図6〜図12に基づいて説明する。
図6(A)〜(C)は、上部障子20の動作を説明する図である。図7は、窓枠10および上部障子20に設けられた施錠装置70を示す縦断面図である。図8は、施錠装置70の施錠装置本体部72を拡大して示す縦断面図である。図9(A)〜(C)は、上部障子20の開操作時における施錠装置70の動作を説明する図である。図10(A)〜(C)は、上部障子20の半開放位置における施錠装置70の動作を説明する図である。図11(A),(B)および図12(A),(B)は、それぞれ施錠装置70におけるトリガおよび規制手段の動作を説明する図である。
図6〜図7において、窓枠10の縦枠13および上部障子20の下端部には、施錠装置(上部施錠装置)70が設けられている。この施錠装置70は、一方(図中、右側)の縦枠13室内側側面に設けられた解錠操作部71と、一方の縦枠13内部に設けられた施錠装置本体部(錠装置本体)72と、他方(図中、左側)の縦枠13に設けられた上下2箇所の錠受け部(第2錠受け)73と、横材である下框22内部に設けられたスライドピン74とを備えて構成されている。スライドピン74は、上部障子20における一方の縦枠13側下端部に設けられて錠受けを兼用したスライドシュー75の挿通孔751に一端が挿通され、他方の縦枠13側下端部に設けられたスライドシュー76の挿通孔761に他端が挿通されて、下框22に沿って左右にスライド自在に支持されている。さらに、スライドピン74は、左右のスライドシュー75,76に係止される止め具741を有してスライド範囲が制限されるとともに、図7中、左側の止め具741とスライドシュー76との間に介装されたコイルばね742によって、一方の縦枠13側に付勢されている。そして、スライドピン74がコイルばね742の付勢力に抗して他方の縦枠13側にスライドされた場合には、その他端部がスライドシュー76から突出して錠受け部73の受け孔731に係合可能になっている。
施錠装置本体部72は、縦枠13に固定される本体部材72Aを有しており、この本体部材72Aには、縦枠13から見付け方向内側に向かって突没自在な上下一対のロックピン721と、これらのロックピン721を上部障子20に向かって付勢する付勢手段としてのコイルばね722と、このコイルばね722の付勢力に抗してロックピン721を没入位置に規制する規制部材(規制手段)723と、この規制部材723の規制を外すトリガ724とが支持されている。
ロックピン721は、上部障子20のスライドシュー75が後述する所定位置にある状態で、コイルばね722の付勢力により上部障子20側に突出し、スライドシュー75の挿通孔751に挿入されて係合可能になっている。そして、ロックピン721が挿通孔751に挿入されることで、このロックピン721に押圧されてスライドピン74が他方の縦枠13側にスライドされるようになっている。すなわち、ロックピン721を付勢するコイルばね722の付勢力は、スライドピン74を付勢するコイルばね742の付勢力よりも大きく設定されている。
また、規制部材723およびトリガ724は、上側のロックピン721の下方および下側のロックピン721の上方にそれぞれ一組ずつ設けられている。規制部材723は、上下方向に進退自在に本体部材72Aに支持された板状部材であり、その部材中間部分に上下に延びる長孔723Aが形成されている。そして、規制部材723は、ロックピン721に向かってばね723Bで付勢されるとともに、その先端部でロックピン721の基端部に形成された爪部721Aを係止し、ロックピン721の没入位置からの突出移動を規制するようになっている。一方、トリガ724は、上下方向に回動自在に本体部材72Aに軸支され、この軸支位置を挟んだ一端部724Aを縦枠13の室外レール部材134から上部障子20に向かって突出し、他端部724Bを規制部材723の長孔723Aに挿入して設けられている。そして、トリガ724の一端部724Aには、上部障子20のスライドシュー75に形成された当接部である突部752が当接可能になっている。この突部752は、上部障子20の開閉移動に伴ってトリガ724の一端部724Aに当接するとともに、トリガ724を回動させてその他端部724Bを上下に移動させ、規制部材723をロックピン721から離れる方向に移動させて規制部材723の規制を外し、ロックピン721を突出させることができるようになっている。
このようにして上部障子20側に突出移動されたロックピン721は、解錠操作部71の操作により没入されて、スライドシュー75の挿通孔751との係合が外れる(解錠される)ように構成されている。解錠操作部71は、上下にスライド操作可能なつまみを有して構成され、このつまみには、そのスライド操作により縦枠13に沿って上下に進退移動する進退部材711が接続部材712を介して接続されている。この進退部材711は、上下のロックピン721にそれぞれ対応して設けられるとともに、その下方へのスライドに伴って各ロックピン721を没入方向へ押圧する傾斜面部711Aを有して形成されている。従って、解錠操作部71のつまみを下方にスライド操作することで、進退部材711が下方に移動され、その傾斜面部711Aに押圧されたロックピン721が上部障子20から離れる方向に没入移動されるようになっている。また、進退部材711は、ばね711Bによって本体部材72Aに支持されており、解錠操作部71のつまみや進退部材711の重量がロックピン721に作用せず、その突出を阻害しないようになっている。
以上のような施錠装置70において、図6(A)および図9(A)に示すように、上部障子20が閉鎖位置にある場合には、施錠装置本体部72における上側のロックピン721が上部障子20に向かって突出し、スライドシュー75の挿通孔751に挿入されるとともに、ロックピン721に押圧されたスライドピン74の他端部が他方の縦枠13に向かって突出し、上側の錠受け部73の受け孔731に挿入されている。このように、上部障子20は、一方の縦枠13側ではスライドシュー75がロックピン721と係合し、他方の縦枠13側ではスライドピン74が錠受け部73に係合することで、開移動が規制されて施錠されることとなる。
このように閉鎖位置で施錠された状態において、解錠操作部71のつまみを下方にスライド操作することで、図9(B)に示すように、進退部材711の傾斜面部711Aに押圧されたロックピン721が没入移動され、このロックピン721の移動に伴ってスライドピン74がコイルばね742に付勢されて一方の縦枠13側にスライド移動される。さらに、解錠操作部71のつまみを下方にスライド操作することで、図9(C)に示すように、ロックピン721が本体部材72A側に完全に没入してスライドシュー75との係合が外れ、ロックピン721の爪部721Aが規制部材723に係止される。また、スライドピン74の一端部が一方側のスライドシュー75の挿通孔751に挿入され、他端部が他方側のスライドシュー76の挿通孔761に収納されることで、スライドピン74と錠受け部73との係合が外れる。これにより上部障子20が解錠されて開移動可能となる。
次に、前記ダイヤル16を回転操作して上部障子20を開移動させ、図6(B)および図10に示すように、閉鎖位置と開放位置との間の半開放位置、すなわち下側のロックピン721がスライドシュー75の挿通孔751に挿入可能な位置の近傍まで開放されると、図10(A)に示すように、スライドシュー75の突部752がトリガ724の一端部724Aに当接する。そして、図10(B)に示すように、突部752によってトリガ724が回動され、回動したトリガ724の他端部724Bが規制部材723の長孔723A上端を押圧し、規制部材723が上方に移動されてロックピン721の爪部721Aの係止が外れ、下側のロックピン721が上部障子20に向かって突出移動される。このようにして突出移動されたロックピン721は、図10(C)に示すように、スライドシュー75の挿通孔751に挿入される。これに伴ってスライドピン74の他端部が他方の縦枠13における下側の錠受け部73の受け孔731に挿入され、半開放位置において上部障子20が施錠されることとなる。この際、上部障子20の上框21と窓枠10の上枠11との間には、図6(B)に示すように、開口O1が形成され、この開口O1の高さ寸法は、例えば、10cm程度に設定されている。
次に、上部障子20が半開放位置で施錠された状態において、解錠操作部71のつまみを操作してロックピン721を本体部材72A側に没入させれば、上部障子20が下方に開移動可能になる、あるいは上方に閉移動可能になる。図6(C)に示すように、開放位置まで開放された状態において、上部障子20の上框21と窓枠10の上枠11との間には、開口O2が形成されている。そして、この状態の上部障子20は、ロックピン721が本体部材72A側に没入されているため、解錠操作部71のつまみを操作しなくてもダイヤル16を回転操作するだけで閉移動可能となる。そして、上部障子20が閉操作されて半開放位置まで閉鎖された際には、後述するように、トリガ724により規制部材723がスライドされず、ロックピン721が突出しない状態のままで、この半開放位置を通過できるようになっている。さらに、閉操作を継続して上部障子20が閉鎖位置まで閉鎖された際には、前述と同様、図11に示すように、スライドシュー75の突部752がトリガ724の一端部724Aに当接してトリガ724が回動され、回動したトリガ724の他端部724Bが長孔723A下端を押圧して規制部材723が下方に移動され、規制が外れた上側のロックピン721が上部障子20に向かって突出移動されてスライドシュー75の挿通孔751に挿入される。従って、図6(A)に示すように、上部障子20は、閉鎖位置において、上側のロックピン721、スライドピン74、および上側の錠受け部73によって施錠されることとなる。
一方、図12に示すように、上部障子20が閉鎖位置から開移動される場合には、スライドシュー75の突部752が上側のトリガ724の一端部724Aに当接してトリガ724が回動されるものの、トリガ724の他端部724Bは、規制部材723の長孔723A内部に沿って上方に移動するだけで、長孔723Aの端部に当接しない(空回りする)ようになっている。これと同様に、上部障子20が閉移動されて下方から半開放位置を通過する場合にも、突部752に当接された下側のトリガ724が回動されるものの、トリガ724の他端部724Bは、規制部材723の長孔723A内部に沿って下方に移動するだけで、長孔723Aの端部に当接しない(空回りする)ようになっている。これにより、上部障子20が閉鎖位置から開移動される場合、および上部障子20が下方から半開放位置を通過する場合には、規制部材723が進退移動することなく、規制部材723によるロックピン721の爪部721Aの係止が外れず、ロックピン721の規制状態が維持されるようになっている。
以上のように、上部障子20は、閉鎖位置から開放位置に向かって開操作されて半開放位置まで移動された場合には、この半開放位置において施錠装置70で自動施錠され、開放位置から閉鎖位置に向かって閉操作されて半開放位置まで移動された場合には、施錠されずに半開放位置を通過するとともに、閉鎖位置において施錠装置70で自動施錠されるように構成されている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、半開放位置に開放した状態の上部障子20を施錠装置70によって施錠することで、この上部障子20によって形成される開口O1からの人の浸入が防止でき、防犯性を確保することができるとともに、形成された開口O1を通して室内外の空間が連通されることから、通風や換気が可能となり、良好な室内環境を得ることができる。
(2)また、上部障子20を半開放位置で施錠した状態の開口O1が窓枠10の上部に形成されることとなるため、この開口O1に室外側から手が届かないようにでき、より一層防犯性を向上させることができる。
(3)そして、窓枠10の上部に開口O1,O2が形成されるので、下部障子30を通した室外の景観が損ねられることがない。
(4)また、通気や換気のために上部障子20を開操作すれば半開放位置において自動的に施錠装置70で施錠されるので、半開放位置よりも開きすぎたり、施錠し忘れたりすることがなく、防犯性を向上させることができる。さらに、半開放位置よりも大きく開放された上部障子20を閉操作する場合には、半開放位置で自動施錠されずに通過するために閉操作を継続でき、操作性が良好にできるとともに、閉鎖位置で自動的に施錠装置70で施錠されるため、より一層防犯性を向上させることができる。
(5)さらに、室内からも手が届きにくい上部障子20を縦枠13下部に設けたダイヤル16で開閉操作するとともに、縦枠13下部に設けた施錠装置70の解錠操作部71で解錠操作することで、操作性を一層向上させることができる。
(6)さらに、上部障子20が下部障子30よりも高さ寸法が小さく形成されているので、通風や換気のために開閉操作される上部障子20の重量が小さくなって開閉操作が容易にでき、操作性を向上させることができる。さらに、上部障子20の取付位置が窓枠10のより高い位置になることから、防犯性を高めることができるとともに、室内から目立たなくなって意匠性を高めることができる。また、下部障子30の高さ寸法が大きくなるため、室外の景観がより見えやすくなって開放感を高めることができ、居住性や快適性を一層向上させることができる。
(7)また、一方の縦枠13に設けた施錠装置本体部72から突出するロックピン721と上部障子20の一方側のスライドシュー75とが係合し、このロックピン721で押圧されたスライドピン74と他方の縦枠13の錠受け部73と係合して上部障子20が施錠されるので、左右両側においてバランスよく施錠することができるとともに、施錠強度を高めることができる。さらに、左右両方の縦枠13に施錠装置本体部72を設ける必要がないので、部品点数の増加を防止して、解錠操作の機構を簡単にすることができ、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態においては、上げ下げ窓1を例示して説明したが、本発明の建具は、上げ下げ窓1に限らず、引違い窓や片引き窓等のように可動障子が左右にスライド開閉自在に設けられたものでもよい。この際、引違い窓や片引き窓においては、上枠および下枠の少なくとも一方に施錠装置本体部を設け、可動障子の上框および下框の少なくとも一方に錠受けを設ければよい。
また、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部障子20および下部障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、3枚以上の障子を有して構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、上部障子20および下部障子30がそれぞれ上下にスライド開閉可能に構成されていたが、これに限らず、下部障子30が開閉不能な固定障子であってもよい。
また、上部障子(可動障子)20の半開放位置としては、上部障子20の上框21と窓枠10の上枠11との隙間寸法が10cm程度であることが望ましいが、これに限らず、通気や換気を行うことができ、かつ人が通過できない程度の隙間(開口)が形成される位置であればよい。さらに、前記実施形態では、上部障子20の半開放位置は、閉鎖位置と開放位置との間における1箇所に設定されていたが、これにに限らず、2箇所以上に設定されていてもよい。
また、前記実施形態では、縦框13に施錠装置本体部72を設け、上部障子20のスライドシュー75を錠受けとして利用したが、これに限らず、窓枠側に錠受けを設け、可動障子側に錠装置本体を設けてもよい。
また、前記実施形態では、ロックピン721に押圧されたスライドピン74が他方の縦枠13の錠受け部73に係合して上部障子20の左右両側が施錠される構成としたが、これに限らず、図13に示すように、左右両方の縦枠13に施錠装置本体部72を設け、前記スライドピン74を省略して施錠装置70を構成してもよい。すなわち、図13の上げ下げ窓1では、左右両方の縦枠13に設けられた各々の施錠装置本体部72と、一方の縦枠13に設けられた解錠操作部71とが、接続部材712,713で接続されている。一方の接続部材712は、前記実施形態と同様であり、他方の接続部材713は、一方の縦枠13内部を下方に延び、下枠12内部を通って他方の縦枠13内部を上方に延びて設けられ、他方の縦枠13に設けられたワイヤ等で構成され、折れ曲がり部分が滑車等によって支持されている。このような構成によれば、解錠操作部71のつまみを操作することで、左右両方の施錠装置本体部72を解錠することができ、上部障子20の下框22のスライドピン74を省略できるので、上部障子20の構造を簡単化することができる。
また、前記実施形態では、上部障子20が施錠装置70によって閉鎖位置および半開放位置の2箇所で施錠される、つまり施錠装置本体部72が2本のロックピン721を有して構成されていたが、これに限らず、図14に示すように、半開放位置に対応した1本のロックピン721を有して施錠装置70Aを構成してもよい。すなわち、図14の上げ下げ窓1Bでは、上部障子20および下部障子30の召合せ框にクレセント錠77が設けられ、このクレセント錠77によって、図14(A)に示すように、閉鎖位置にある上部障子20および下部障子30が施錠されるようになっている。そして、図14(B)に示すように、上部障子20が半開放位置に開移動された際には、施錠装置70Aのロックピン721と上部障子20の錠受け(スライドシュー75)とが係合して上部障子20が施錠されるようになっている。なお、閉鎖位置にある上部障子20を施錠するものとしては、クレセント錠77に限らず、上部障子20の上框21および上枠11に設けられた錠装置であってもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る建具を室外側から見た正面図である。 前記建具を示す縦断面図である。 前記建具を示す横断面図であり、上部障子位置での横断面図である。 前記建具を示す横断面図であり、下部障子位置での横断面図である。 前記建具における縦枠および上部障子の縦框を拡大して示す横断面図である。 (A)〜(C)は、前記上部障子の動作を説明する図である。 前記建具の窓枠および上部障子に設けられた施錠装置を示す縦断面図である。 前記施錠装置の錠装置本体を拡大して示す縦断面図である。 (A)〜(C)は、前記上部障子の開操作時における施錠装置の動作を説明する図である。 (A)〜(C)は、前記上部障子の半開放位置における施錠装置の動作を説明する図である。 (A),(B)は、施錠装置におけるトリガおよび規制手段の動作を説明する図である。 (A),(B)は、施錠装置におけるトリガおよび規制手段の動作を説明する図である。 本発明の変形例に係る建具を示す正面図である。 (A)〜(C)は、本発明の他の変形例に係る建具の動作を説明する図である。
符号の説明
10…窓枠、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、20…可動障子である上部障子、22…横材である下框、30…下部障子、70,70A…施錠装置、71…解錠操作部、72…錠装置本体である施錠装置本体部、73…第2錠受けである錠受け部、74…スライドピン、75…錠受けであるスライドシュー、711…進退部材、721…ロックピン、722…付勢手段であるコイルばね、723…規制手段である規制部材、723A…長孔、724…トリガ、724A…一端部、724B…他端部、752…当接部である突部。

Claims (6)

  1. 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に支持されて閉鎖位置と開放位置との間をスライド開閉自在に設けられた可動障子とを備え、
    前記可動障子および前記窓枠には、当該可動障子を施錠する施錠装置が設けられ、この施錠装置は、少なくとも閉鎖位置と開放位置との間の半開放位置において当該可動障子を施錠可能に構成され、
    前記可動障子は、閉鎖位置から開放位置に向かって開操作されて半開放位置まで移動された場合には、この半開放位置において前記施錠装置で自動施錠され、開放位置から閉鎖位置に向かって閉操作されて半開放位置まで移動された場合には、施錠されずに半開放位置を通過する建具。
  2. 前記施錠装置は、前記窓枠に設けられた錠装置本体と、前記可動障子に設けられた錠受けとを有して構成され、
    前記錠装置本体には、前記可動障子の半開放位置に対応して当該可動障子に向かって出没自在に設けられたロックピンと、このロックピンを前記可動障子に向かって付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗して前記ロックピンを没入位置に規制する規制手段と、この規制手段の規制を外すトリガとが設けられ、
    前記可動障子には、当該障子の開閉移動に伴って前記錠装置本体の前記トリガに当接し、この当接により前記規制手段の規制を外して前記ロックピンを前記錠受けに係合させる当接部が設けられている請求項1に記載の建具。
  3. 前記施錠装置は、前記窓枠に設けられた錠装置本体と、前記可動障子に設けられた錠受けとを有し、閉鎖位置および半開放位置の少なくとも2箇所において前記可動障子を施錠可能に構成され、
    前記錠装置本体には、前記可動障子の閉鎖位置および半開放位置に対応して当該可動障子に向かって出没自在に設けられた少なくとも2本のロックピンと、これらのロックピンを前記可動障子に向かって付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力に抗して前記ロックピンを没入位置に規制する規制手段と、この規制手段の規制を外すトリガとが設けられ、
    前記可動障子には、当該障子の開閉移動に伴って前記錠装置本体の前記トリガに当接し、この当接により前記規制手段の規制を外して前記ロックピンを前記錠受けに係合させる当接部が設けられている請求項1に記載の建具。
  4. 前記規制手段は、長孔を有して形成され、前記トリガは、前記錠装置本体に対して回動自在に軸支されるとともに、一端が前記可動障子の当接部に当接可能に前記縦枠から前記可動障子に向かって突出して設けられ、他端が前記規制手段の長孔に挿入され、
    前記トリガの一端に所定の一方側から前記当接部が当接した場合には、当該トリガの他端が前記規制手段の長孔端部を押圧して前記ロックピンの規制が解除され、前記トリガの一端に他方側から前記当接部が当接した場合には、当該トリガの他端が前記規制手段の長孔に沿って移動して前記ロックピンの規制が解除されない請求項2または請求項3に記載の建具。
  5. 前記窓枠には、上下二段の障子が支持され、これら上下二段の障子のうちの少なくとも上側の障子が前記窓枠に上下スライド開閉自在に支持された前記可動障子であり、
    前記施錠装置には、前記上側の障子から離れた室内位置に設けられて当該上側の障子を解錠するための解錠操作部と、この解錠操作部および前記ロックピンに接続されて当該解錠操作部の操作により進退移動する進退部材とが設けられ、
    前記進退部材は、当該進退部材の進退移動に伴って前記ロックピンを前記付勢手段の付勢力に抗して没入させる傾斜面部を有して形成されている請求項2から請求項4のいずれかに記載の建具。
  6. 前記錠装置本体は、前記左右の縦枠のうちの一方の縦枠に設けられており、
    前記上部障子における前記一方の縦枠側側面に前記錠受けが設けられ、当該上部障子の横材には、前記錠受けに一端が挿入され他端が他方の縦枠側に延びたスライドピンが設けられ、
    前記スライドピンは、前記一方の縦枠側に付勢されるとともに、前記錠受けに係合した前記ロックピンに押圧されて他方の縦枠側にスライド可能に構成され、
    前記他方の縦枠には、前記スライドしたスライドピンの他端と係合する第2錠受けが設けられている請求項5に記載の建具。
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