JP2009084785A - 錠装置および建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを抑えつつ防火性能の向上を図ることができる錠装置および建具を提供すること。
【解決手段】リンケージバー26を施錠位置に移動させた状態において、その切欠き261が抑え部品28の板ばね283で係止されることで、リンケージバー26の下方への移動が規制され、操作ハンドルの操作によらない解錠が防止できる。従って、例え火災時の熱で操作ハンドルや中間作動部等が溶融したとしても、リンケージバー26が下降せずに施錠状態が維持でき、障子が開放されてしまうことがないので、外気流入による火災の激化や外部への延焼などが防止でき、防火性能の向上を図ることができる。そして、操作ハンドルや中間作動部に、比較的防火性能の低い材料を用いることができ、原材料費や加工性などに応じて最適な材料選択が可能になり、製造コストの抑制や製造効率の向上を図ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、錠装置および建具に関し、詳しくは、面材の施錠、解錠を切り替え操作可能な錠装置、この錠装置を備えた建具に関する。
従来、開き窓や縦辷り出し窓等の建具に設けられる錠装置として、ハンドルを回転操作することで錠本体がロッド(摺動桿)を上下動させ、そのロッドに固定した係止部が錠受けに係合し、これにより障子(面材)を施錠するグレモン錠が知られている(例えば、特許文献1参照)。このグレモン錠では、ハンドル、錠本体およびロッドが障子の縦框に取り付けられ、錠受けが窓枠(枠体)の縦枠に取付けられている。そして、縦框には、中空部が形成されており、この中空部に錠本体が設置されるとともに、縦框の見込み面に設けた切り欠きを通してロッドと連結されている。このロッドは、縦框の長手方向に沿って上下移動自在に支持されており、ロッドが上方に移動した際に係止部が錠受けに係合して施錠されるようになっている。このような施錠状態において、ハンドルの回転軸と錠本体との連結による回転抵抗や、錠本体の内部に設けられた位置決め機構の摩擦抵抗などにより、ロッドが下降することがなく施錠状態が維持されるようになっている。
特開2001−55854号公報
ところで、従来のグレモン錠では、ハンドルや錠本体における抵抗によってロッドの下降が防止されているのであるが、火災の熱によってハンドルや錠本体が溶融してしまうと、ロッドの下降を防止する抵抗力が低下してしまう可能性がある。そして、火災時にロッドが下降して施錠状態が解除され、障子が解錠されてしまうと障子が開く可能性があり、火災の激化や延焼などの可能性がある。このため、従来のグレモン錠では、ハンドルや錠本体の構成部品に防火仕様のものを用いる必要があり、原材料費が高くなったり加工手間が増加したりなど、製造コストが増大するという問題がある。
本発明の目的は、製造コストを抑えつつ防火性能の向上を図ることができる錠装置および建具を提供することにある。
本発明の錠装置は、枠体に開閉自在に支持された面材の施錠および解錠状態を切り替え操作可能に構成された錠装置であって、前記枠体を構成する枠材と前記面材を構成する框材とのうち、いずれか一方に設けられる錠装置本体と、他方に設けられる錠受け部とを備え、前記錠装置本体は、前記枠材および前記框材の一方の室内側に設けられる錠操作部と、この錠操作部の操作に連動する錠連動部と、この錠連動部に連結されて上下移動自在に設けられた移動部材と、この移動部材に取り付けられて前記錠受け部と係合可能な錠係合部とを少なくとも有して構成され、前記移動部材は、上方に移動して前記錠係合部が前記錠受け部と係合する施錠位置と、下方に移動して前記錠係合部が前記錠受け部から外れる解錠位置との間を移動自在に支持されるとともに、前記施錠位置において、下方への移動が移動規制手段によって規制され、前記移動規制手段は、前記移動部材が施錠位置に移動された際に当該移動部材を係止し、前記錠操作部の操作によって前記施錠位置から前記移動部材を下方に移動させる操作力が作用した際に係止が外れる係止部を有して構成されていることを特徴とする。
ここで、本発明の錠装置を適用する建具としては、開き窓や縦辷り出し窓等の建具に限らずドアなどの出入り口用建具であってもよい。また、錠操作部としては、手で掴むことができる操作ハンドルを有したもののみならず、各種のレバーやつまみ等を用いたものであってもよい。さらに、錠連動部としては、錠操作部と移動部材とを連動可能に接続するカムやギアなどを有したものや、その他各種の連動機構を有したものが利用可能である。また、錠受け部としては、枠材や框材に取り付けられた錠受け部材(ピンや係止片)であってもよく、枠材や框材に形成されて錠係合部と係合可能な係合孔や突起であってもよい。
以上の錠装置によれば、施錠位置において移動規制手段の係止部で係止して移動部材の下方への移動を規制することで、錠操作部による操作時以外の移動部材の下降、つまり意図しない解錠が防止できる。従って、例え火災時の熱で錠装置本体の錠操作部や錠連動部が溶融したとしても、係止部の材質を適宜設定(例えば、防火仕様)し、この係止部に係止された移動部材が下降せずに施錠状態が維持され、すなわち面材が開放されないことで、火災の激化や延焼などが防止でき、防火性能の向上を図ることができる。さらに、火災時に溶融しない(あるいは溶融しにくい)材料からなる防火仕様の部品を錠操作部や錠連動部に用いる必要がなくなり、原材料費や加工性などに応じて最適な材料選択が可能になり、製造コストの抑制や製造効率の向上を図ることができる。また、移動規制手段の係止部は、施錠位置に移動された移動部材を係止し、錠操作部の操作で移動部材を下方に移動させれば係止が外れるように構成されているので、利用者が係止部を操作する必要がなく、錠装置の操作性を阻害することなく上述の効果を得ることができる。
この際、本発明の錠装置では、前記移動規制手段の係止部は、少なくとも鋼製、ステンレス製または黄銅製のばね部材を有して構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、ばね部材を鋼製やステンレス製、黄銅製としたことで係止部を容易に防火仕様とすることができ、製造コストをさらに抑制することができる。ここで、鋼製やステンレス製、黄銅製以外(例えば、アルミ製や樹脂製など)のばね部材を用いることも可能であるが、鋼製等と比較して融点が低い材料を用いて防火仕様の係止部を構成するためには、断熱材で被覆したり、金属製の枠材や框材で隠蔽された位置に設けたりなど、他の防火措置を施す必要があるため製造コストの抑制が困難になってしまう。これに対して、融点の高い鋼製やステンレス製、黄銅製のばね部材を用いれば、他の防火措置が不要にでき、係止部の構造を簡単化することもできる。
さらに、本発明の錠装置では、前記枠材および前記框材の一方には、前記ばね部材および当該ばね部材に係止される切欠きのうちの一方が設けられ、前記移動部材には、前記ばね部材および当該ばね部材に係止される切欠きのうちの他方が設けられていることが好ましい。
また、本発明の錠装置では、前記枠材および前記框材の一方には、前記移動部材を上下移動自在に案内する案内部材が設けられ、前記案内部材および前記移動部材の一方に前記ばね部材が設けられ、前記案内部材および前記移動部材の他方に前記ばね部材に係止される切欠きが形成されている構成であってもよい。
これらの構成によれば、錠装置本体の構造が複雑にならずに移動規制手段を設けることができる。従って、従来の錠装置の構成部品や構成材料を大幅に変更することなく、防火性能の向上を図ることができるとともに、既存の錠装置に後付けで移動規制手段を設けることもできる。
一方、本発明の建具は、建物開口部に固定される枠体と、この枠体に開閉自在に支持される面材と、請求項1から請求項4のいずれかに記載の錠装置とを備えた建具であって、前記枠体は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして構成され、前記面材は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部にパネル材を取り付けて構成され、前記錠装置を構成する錠装置本体および錠受け部は、それぞれ前記縦框および当該縦框と対向する前記縦枠に設けられ、前記錠装置本体を構成する錠係合部と前記錠受け部との係合により前記面材の閉鎖方向に当該縦框が引き寄せられることを特徴とする。
このような建具によれば、前述と同様に、火災時における面材の開放を防止して防火性能の向上を図ることができるとともに、原材料選択の幅が拡がることで製造コストの抑制や製造効率の向上を図ることができる。
この際、本発明の建具では、前記移動規制手段の係止部は、金属製のばね部材を有して構成され、前記ばね部材の付勢力と、前記錠係合部および前記錠受け部の係合による引き寄せ力とが互いに逆向きに前記移動部材に作用することが好ましい。
このような構成によれば、移動規制手段のばね部材の付勢力と、錠係合部および錠受け部の係合による引き寄せ力とが互いに逆向きに移動部材に作用する、つまり引き寄せ力によってばね部材の付勢力が増加するように係止部が設けられることで、施錠状態において移動部材を係止部で確実に係止し移動を規制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である開き窓1を示す外観姿図である。図2および図3は、それぞれ開き窓1の要部を拡大して示す横断面図である。
図1〜図3において、開き窓1は、それぞれアルミ形材製の上枠2、下枠3および左右の縦枠4,5を四周枠組みした枠体としての窓枠6と、この窓枠6の内部に開閉自在に支持された面材としての障子10とを有して構成されている。障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13,14を四周框組みした内部に、パネル材としてのガラスパネル15を嵌め込んで構成されている。この障子10は、一方側(図1の右側)の縦框13が図示しないヒンジ装置などを介して窓枠6に支持され、他方側の縦框14が室外側に開放可能に構成されている。そして、障子10は、錠装置としてのグレモン錠20によって施錠状態と解錠状態とが切り替え可能になっており、このグレモン錠20は、開放側の縦框14を、この縦框14に対向する他方側の縦枠5に係合させることで、閉じた状態の障子10を施錠し、係合を解除することで解錠できるように構成されている。
障子10の框材である上框11、下框12および縦框13,14は、それぞれアルミ形材製の框材本体14Aと、この框材本体14Aの室内側に係合してガラスパネル15を支持するアルミ形材製の押縁材とを有して構成されている。そして、縦框14における框材本体14Aは、ガラスパネル15の端縁に対向した第1見込み面部141と、第1見込み面部141の室外側端部から見付け方向内方に延びるパネル保持片142と、第1見込み面部141の見付け方向外側に対向する第2見込み面部143とを有している。さらに、框材本体14Aは、第1および第2見込み面部141,143の室内側端部同士を連結する室内見付け面部144と、パネル保持片142に連続して第2見込み面部143よりも見付け方向外方に延びる室外見付け面部145とを有して形成されている。
一方、縦枠5は、縦框14の第2見込み面部143に対向する縦枠見込み面部51と、この縦枠見込み面部51の室内側端部から見付け方向に延びる縦枠室内見付け面部52と、縦枠見込み面部51の室外側端部から見付け方向外方に延びる縦枠室外見付け面部53とを有して形成されている。そして、縦枠5の縦枠室内見付け面部52の室外側から気密材54を介して縦框14の室内見付け面部144が当接し、縦枠室外見付け面部53の室外側から気密材55を介して室外見付け面部145が当接することで、障子10が閉じるようになっている。従って、障子10が閉じた状態において、縦枠5と縦框14との間には、縦枠見込み面部51、縦枠室内見付け面部52、縦框14の第2見込み面部143、室外見付け面部145および気密材54,55で囲まれ、室内空間および室外空間から区画された中間空間56が形成されるようになっている。
次に、グレモン錠20の構造について、図4〜図6も参照して詳しく説明する。
図4は、グレモン錠20を室外側から見た斜視図であり、窓枠6および障子10を省略した図である。図5および図6は、それぞれグレモン錠20の錠装置本体を室内側から見た斜視図であり、図5には施錠状態が示され、図6には解錠状態が示されている。
グレモン錠20は、縦框14に設けられる錠装置本体21と、縦枠5の縦枠見込み面部51に固定される複数(例えば上下2箇所)の錠受け部22とを備えて構成されている。錠受け部22は、図2に示すように、縦枠見込み面部51にビス止め固定される固定片部221と、この固定片部221の室外側端縁から見付け方向内方に折れ曲がった係合片部222とを有し、金属板材から曲げ加工により形成されている。
錠装置本体21は、縦框14の第1見込み面部141に固定される台座23と、この台座23から室内側に突出して設けられる錠操作部としての操作ハンドル24と、台座23の内部に設けられて操作ハンドル24の操作に連動する錠連動部としての中間作動部25とを有して構成されている。さらに、錠装置本体21には、中間作動部25に連結されて縦框14の第1見込み面部141に沿って上下移動自在に設けられた移動部材としてのリンケージバー26と、このリンケージバー26の長手方向所定位置に取り付けられて錠受け部22と係合可能な錠係合部としての複数(例えば上下2箇所)の係合ピン27と、第1見込み面部141に固定されてリンケージバー26を上下スライド案内する案内部材としての抑え部品28とが設けられている。
台座23は、押縁材と同様に縦框14の第1見込み面部141に係合固定されており、この台座23の室内側側面を貫通して操作ハンドル24の回動軸241が中間作動部25の角穴251に連結されている。この角穴251は、中間作動部25において揺動自在に支持されたカム252に設けられており、このカム252は、操作ハンドル24の回動操作で揺動するように構成されている。そして、カム252には、ピンを介して上下移動自在なスライダ253が連結されており、カム252の揺動に伴ってスライダ253が上下スライドするように構成されている。このスライダ253とリンケージバー26とが連結部材254で連結され、これにより操作ハンドル24の回動操作がカム252、スライダ253および連結部材254を介してリンケージバー26に伝達され、リンケージバー26が上下移動するようになっている。
リンケージバー26は、図2、図3に示すように、縦框14の第1見込み面部141側に向かって開口した断面略コ字形に形成されたアルミ押出材から構成されている。そして、前記係合ピン27は、リンケージバー26のコ字形内部に設けられた裏板271を介し、第1見込み面部141側からリンケージバー26を貫通するビス等で固定されている。このようなリンケージバー26は、縦框14の第1見込み面部141に固定された抑え部品28によって見込み方向および見付け方向の移動が拘束されるとともに、上下スライド自在に支持されている。そして、図5に示すように、リンケージバー26が上方に移動した状態(施錠位置)において、係合ピン27が錠受け部22の係合片部222の室内側に係合し、障子10の室外側への開放移動が規制される(施錠状態)。一方、図6に示すように、リンケージバー26が下方に移動した状態(解錠位置)において、係合ピン27が錠受け22から外れ、障子10の規制が解除される(解錠状態)。この解錠状態から操作ハンドル24を操作してリンケージバー26を上方に移動させると、係合ピン27が錠受け部22の係合片部222に当接して室内側に押されつつ係合片部222に係合する。すなわち、施錠状態において、係合ピン27、リンケージバー26および抑え部品28を介し、錠受け部22によって縦框14が室内側に引き寄せられるようになっている。
抑え部品28は、図7にも示すように、リンケージバー26の室内側に沿って延びる直状部281と、この直状部281の上下端部からそれぞれ室外側に延びる一対の抑え部282とを有し、アルミダイカスト等の金属から全体略コ字形に形成されている。抑え部282は、縦框14の第1見込み面部141に向かって断面略コ字形に形成され、このコ字形内部と第1見込み面部141との間にリンケージバー26を保持するように構成されている。従って、リンケージバー26は、見込み方向および見付け方向への移動が抑え部282によって拘束され、かつ抑え部282と摺接しつつ上下スライド自在に支持されている。このような抑え部品28は、前記錠受け部22に対応した位置(例えば上下2箇所)に設けられており、係合ピン27が上下の抑え部282間に位置するように設置されている。従って、前述した錠受け部22からの引き寄せ力が係合ピン27およびリンケージバー26を介して抑え部品28および縦框14に伝達されやすくなり、高い引き寄せ効果が得られるようになっている。
また、抑え部品28における直状部281の室外側には、ばね部材としての板ばね283が見込み方向に進退自在に取り付けられている。この板ばね283は、黄銅等の防火性能に優れた金属材料から室外側に凸な曲面を有して形成され、リンケージバー26の室内側側面に摺接した状態でリンケージバー26を室外側に付勢するように設置されている。一方、リンケージバー26の室内側側面には、施錠位置(図7に実線で示す位置)に移動された際に、板ばね283を受け入れ可能な切欠き261が形成されている。この切欠き261は、上方かつ室内側に向かって傾斜した傾斜面262を有し、この傾斜面262と板ばね283とが当接することで、施錠位置に移動されたリンケージバー26が板ばね283に係止され、施錠位置から下方への移動が規制されている。ただし、図6に示すように、操作ハンドル24を操作してリンケージバー26を解錠位置方向に移動すれば、図7に仮想線(二点鎖線)で示すように、傾斜面262に押圧された板ばね283が室内側に後退し、板ばね283の係止が解除されることで、前述のように解錠できるようになっている。以上のように、抑え部品28の板ばね283およびリンケージバー26の切欠き261によって、本発明の移動規制手段が構成されている。
なお、以上において、各部品を構成する材料としては、防火仕様の材料(火災の熱に対して所定時間以上溶融することなく、主要部に用いることができる材料)と、比較的防火性能の低い材料(火災時に所定時間以内に溶融する可能性がある材料)とが適宜使い分けられている。すなわち、防火仕様の材料としては、鋼材やステンレス、黄銅などが例示でき、これらの材料であれば、その使用箇所および厚さ寸法に関わらず防火性能が高いと認められる。一方、防火性能の低い材料としては、亜鉛ダイカストや熱可塑性樹脂などが例示できる。さらに、使用箇所によって防火仕様と認められる材料としては、アルミダイカスト等などが例示でき、露出部分では防火仕様と認められないものの、隠蔽部分では防火仕様と認められる。また、使用箇所および厚さ寸法によって防火仕様と認められる材料としては、アルミニウム押出形材やアルミニウム板などが例示できる。
ただし、以上の各種材料は一例であって、他の材料であってもよいし、法令や基準、指針等の改訂や、個別の試験、実験等によって防火性能が認められる(あるいは認められない)場合もある。従って、本発明における各部品を構成する材料としては、前述のものに限定されず、適宜な材料が使用可能である。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、リンケージバー26を施錠位置に移動させた状態において、その切欠き261が抑え部品28の板ばね283で係止されることで、リンケージバー26の下方への移動が規制され、操作ハンドル24の操作によらない解錠が防止できる。従って、例え火災時の熱で錠装置本体21の操作ハンドル24や中間作動部25等が溶融したとしても、リンケージバー26が下降せずに施錠状態が維持でき、障子10が開放されてしまうことがないので、外気流入による火災の激化や外部への延焼などが防止でき、開き窓1における防火性能の向上を図ることができる。
(2)さらに、操作ハンドル24や中間作動部25を防火仕様の材料から製造する必要がなくなり、比較的防火性能の低い材料からなる部品を用いることができるようになる。従って、原材料費や加工性などに応じて最適な材料選択が可能になり、製造コストの抑制や製造効率の向上を図ることができる。一方、移動規制手段を構成するリンケージバー26や抑え部品28、板ばね283を融点の高い金属材料から形成しておくことで、開き窓1の防火性能が確保できるので、防火仕様の窓と通常仕様の窓とで操作ハンドル24や中間作動部25等が共通化でき、部品の製造コストや管理コストの低減を図ることができる。
(3)また、抑え部品28に設けた板ばね283と、リンケージバー26に設けた切欠き261とで移動規制手段が構成されるので、中間作動部25の構造を変更する必要がなく、比較的簡単な部品の追加によって防火性能の向上を図ることができるとともに、既存の錠装置に後付けで移動規制手段を設けることもできる。
(4)また、板ばね283によってリンケージバー26を付勢する付勢力の方向(室外方向)が、錠受け部22による係合ピン27およびリンケージバー26の引き寄せ力の方向(室内方向)と逆向きになっている。従って、施錠時に錠受け部22でリンケージバー26を室内側に引き寄せた際に、リンケージバー26が板ばね283に近づく方向、つまり切欠き261に入り込む方向に引き寄せ力が作用することで、施錠状態において板ばね283によって切欠き261を確実に係止させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、外開きの開き窓1について説明したが、本発明の錠装置は、内開きの窓や縦辷り出し窓などにも利用でき、またドアなどの出入り口用建具に用いることも可能である。
また、前記実施形態では、錠装置本体21を面材である障子10の縦框14に設け、錠受け部22を枠体である窓枠6の縦枠5に設けたが、これに限らず、枠体側に錠装置本体を設け、面材側に錠受け部を設けてもよい。
また、前記実施形態では、錠装置本体21の錠連動部(中間作動部25)がカム252やスライダ253を有した構成としたが、これに限らず、錠連動部としては、例えば、適宜なギアの噛み合わせを利用した機構や、円盤同士の摩擦を利用したクラッチ機構など、任意の構造を有したものが採用可能である。さらに、錠連動部としては、錠操作部(操作ハンドル24)の回動軸を利用したものであってもよく、この場合には、上下移動可能に構成された回動軸の先端側を移動部材(リンケージバー26)に連結することで、移動部材を上下駆動するような連動機構が採用できる。
また、前記実施形態では、ばね部材である板ばね283を抑え部品28(案内部材)に設けたが、これに限らず、板ばね283をリンケージバー26(移動部材)側に設けるとともに、抑え部品28側に切欠き261を設けてもよい。
また、前記実施形態では、抑え部品28に設けた板ばね283と、リンケージバー26に設けた切欠き261とで移動規制手段が構成されていたが、移動規制手段としては、例えば、次の図8に示すような構成であってもよい。
図8において、ばね部材としての板ばね29は、縦框14の第1見込み面部143に固定されており、この板ばね29は、黄銅等の防火性能に優れた金属材料から見付け方向外側に凸な曲面状の突部291を有して形成されている。そして、突部291は、縦框14の見付け方向に進退自在に構成されている。一方、リンケージバー26の上端部側面には、突部291を受け入れ可能な切欠き263が形成されており、図8に仮想線(二点鎖線)で示すように、施錠位置に移動されたリンケージバー26の切欠き263に突部291が挿入される。従って、施錠位置のリンケージバー26が板ばね29の突部291に係止され、施錠位置から下方への移動が規制されるようになっている。すなわち、縦框14に固定された板ばね29およびリンケージバー26の切欠き263によって、移動規制手段が構成されている。
なお、以上の構成に限らず、リンケージバー26の上端側に板ばね29を設けるとともに、縦框14側に切欠き263を形成するか、あるいは縦框14に取り付けた別部品に切欠き263を形成してもよい。
また、移動規制手段の係止部としては、板ばね29,283のみで構成されるものに限らず、コイルばねとボールとを組合せて構成されるものなど、任意の形態が利用可能である。さらに、係止部を移動部材側に設け、この係止部に係止される被係止部を縦框14や案内部材(抑え部品28)に設けてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る建具を示す外観姿図である。 前記建具の要部を拡大して示す横断面図である。 前記建具に設けられる錠装置を示す斜視図である。 前記錠装置の施錠状態を示す斜視図である。 前記錠装置の解錠状態を示す斜視図である。 前記錠装置における移動規制手段を示す側面図である。 本発明の変形例に係る移動規制手段を示す斜視図である。
符号の説明
1…建具である開き窓、2…上枠、3…下枠、4,5…縦枠、6…枠体である窓枠、10…面材である障子、11…上框、12…下框、13,14…縦框、15…パネル材であるガラスパネル、20…錠装置であるグレモン錠、21…錠装置本体、22…錠受け部、24…錠操作部である操作ハンドル、25…錠連動部である中間作動部、26…移動部材であるリンケージバー、27…錠係合部である係合ピン、28…案内部材である抑え部品、29,283…ばね部材、261,263…切欠き。

Claims (6)

  1. 枠体に開閉自在に支持された面材の施錠および解錠状態を切り替え操作可能に構成された錠装置であって、
    前記枠体を構成する枠材と前記面材を構成する框材とのうち、いずれか一方に設けられる錠装置本体と、他方に設けられる錠受け部とを備え、
    前記錠装置本体は、前記枠材および前記框材の一方の室内側に設けられる錠操作部と、この錠操作部の操作に連動する錠連動部と、この錠連動部に連結されて上下移動自在に設けられた移動部材と、この移動部材に取り付けられて前記錠受け部と係合可能な錠係合部とを少なくとも有して構成され、
    前記移動部材は、上方に移動して前記錠係合部が前記錠受け部と係合する施錠位置と、下方に移動して前記錠係合部が前記錠受け部から外れる解錠位置との間を移動自在に支持されるとともに、前記施錠位置において、下方への移動が移動規制手段によって規制され、
    前記移動規制手段は、前記移動部材が施錠位置に移動された際に当該移動部材を係止し、前記錠操作部の操作によって前記施錠位置から前記移動部材を下方に移動させる操作力が作用した際に係止が外れる係止部を有して構成されている錠装置。
  2. 前記移動規制手段の係止部は、少なくとも鋼製、ステンレス製または黄銅製のばね部材を有して構成されている請求項1に記載の錠装置。
  3. 前記枠材および前記框材の一方には、前記ばね部材および当該ばね部材に係止される切欠きのうちの一方が設けられ、
    前記移動部材には、前記ばね部材および当該ばね部材に係止される切欠きのうちの他方が設けられている請求項2に記載の錠装置。
  4. 前記枠材および前記框材の一方には、前記移動部材を上下移動自在に案内する案内部材が設けられ、前記案内部材および前記移動部材の一方に前記ばね部材が設けられ、前記案内部材および前記移動部材の他方に前記ばね部材に係止される切欠きが形成されている請求項2に記載の錠装置。
  5. 建物開口部に固定される枠体と、この枠体に開閉自在に支持される面材と、請求項1から請求項4のいずれかに記載の錠装置とを備えた建具であって、
    前記枠体は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして構成され、前記面材は、上框、下框および左右の縦框を四周框組みした内部にパネル材を取り付けて構成され、
    前記錠装置を構成する錠装置本体および錠受け部は、それぞれ前記縦框および当該縦框と対向する前記縦枠に設けられ、前記錠装置本体を構成する錠係合部と前記錠受け部との係合により前記面材の閉鎖方向に当該縦框が引き寄せられる建具。
  6. 前記移動規制手段の係止部は、金属製のばね部材を有して構成され、
    前記ばね部材の付勢力と、前記錠係合部および前記錠受け部の係合による引き寄せ力とが互いに逆向きに前記移動部材に作用する請求項5に記載の建具。
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