JP2012162957A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】規制装置30によって縦框14A,14Bを引き寄せる際に、操作ハンドル22の回動操作により、上側の突出ピン35を受け部32の当接部39下面に当接させ、突出ピン35によって受け部32を上方に移動させるとともに、下方に移動する突出ピン36と上方に移動する係止部38とを係合させることで、突出ピン36と受け部32の係止部38とが互いに逆向きに移動する相対移動距離を大きくすることができる。従って、連動バー33,34のスライド距離を増幅させるための複雑な機構や、操作ハンドル22の回動操作量を大きくする必要がなく、非係止状態においては突出ピン36と係止部38とを確実に離隔させ、かつ係止状態においては突出ピン36と係止部38とを確実に係合させることができる。
【選択図】図4
Description
特許文献1に記載の建具は、2枚のドア(面材)を備えた両開きドアであって、一方の面材における戸先框に引き寄せ装置の本体が設けられ、他方の面材における戸先框に受け具が設けられている。また、一方の面材には、ハンドルと、このハンドル操作に連動して上下移動する移動杆とが設けられ、引き寄せ装置の本体には、移動杆に連動して揺動する揺動駒と、この揺動駒に固定された支軸とが設けられている。この支軸は、揺動駒の揺動に伴い他方の面材に向かって突出し、支軸と受け具とが係合することで、面材の戸先框同士が閉鎖方向に引き寄せられるようになっている。また、特許文献1に記載の建具において、他方の面材における戸先框には、ハンドルおよび錠杆を有したグレモン錠(ドアロック装置)が設けられており、ハンドル操作によって錠杆を上下に進退移動させ、戸先框の上下端部から突出した錠杆を上下枠に係合させることで、面材が施錠されるように構成されている。
なお、揺動駒を設けずに移動杆に支軸を固定し、移動杆とともに支軸を上下動させる構成が考えられるものの、この場合に面材を開放するためには、上下いずれかの非係止位置に移動させた支軸と受け具とが干渉しないように、移動杆の上下移動量を拡大する必要がある。このため、従来のハンドル操作を移動杆の上下移動に変換する機構を改良しなければならず、この変換機構が大型化あるいは複雑化し、その結果戸先框の見付け寸法や面材の見込み寸法を小型化することが困難となる。
このような構成によれば、当接部に第1当接部と第2当接部とを設け、第2突出部の規制方向および非規制方向の移動に対応して第1当接部または第2当接部と当接させることで、受け部を係止位置および非係止位置の両方へ確実に移動させることができる。
なお、ここでは、第1および第2の当接部を設けて各々を第2突出部と当接させるように構成したが、これに限らず、第2突出部を2箇所に設け、これらの規制方向および非規制方向の移動に対応していずれかの第2突出部と当接部とを当接させるように構成してもよい。
このような構成によれば、上下方向に移動自在な受け部として非係止位置を下方にもうけたことで、第2突出部が非規制方向に移動して当接部との当接が外れた場合に、受け部が重力で落下して自動的に非係止位置に戻り、面材の開放移動の規制が解除された状態とすることができる。すなわち、受け部が非係止位置まで自由落下するように構成すれば、第2突出部などの非規制方向への移動を用いて強制的に非係止位置に復帰させる場合と比較して、非係止位置における当接部と第2突出部との上下方向におけるクリアランスを確保することができ、面材の開閉に伴う当接部と第2突出部との干渉を防止することができる。なお、受け部が非係止位置へ自由落下するように構成した場合であっても、第2突出部などを用いた受け部の強制移動を併用することが可能であり、強制移動させることで自由落下のきっかけとなり、非係止位置へ受け部を確実に復帰させることができる。
このような構成によれば、受け部を一体成形することで、安価かつ簡便に受け部を製造することができるとともに、戸先部および対向部の他方に対する受け部の支持構造も簡単化することができる。さらに、受け部の当接部に第2突出部を当接させて係止位置に移動させつつ係止部に第1突出部を係止させる際に、当接部と係止部とに逆向きに作用する力に対し、それによって生じる反力を支持部が保持することで、戸先部や対向部に余分な付加応力を生じさせないようにでき、補強材などを不要にして戸先部や対向部の大型化を防止することができる。
図1〜図3において、本実施形態の建具としての両開き窓1は、建物開口部に設けられる枠体としての窓枠2と、この窓枠2で囲まれた内部に開閉自在に支持される面材としての2枚の障子10とを有して構成されている。窓枠2は、上枠3、下枠4および左右の縦枠5,6とを四周枠組みして構成されている。2枚の障子10は、それぞれ上框11、下框12および左右の縦框13,14を四周框組みした内部に、ガラスパネル15を嵌め込んで構成されている。2枚の障子10のうち、図1、3の左側の障子10Aは、吊り元側の縦框13Aが丁番16を介して縦枠5に支持され、図1、3の右側の障子10Bは、吊り元側の縦框13Bが丁番16を介して縦枠6に支持され、これらの障子10A,10Bは、それぞれ戸先側の縦框(戸先框)14A,14Bを互いに突き合わせた状態で閉じるとともに、屋外側に向かって開放可能に構成されている。ここで、障子10Aは、障子10Bを閉じた状態で閉鎖可能であり、障子10Bは、障子10Aが開放された状態で開閉可能に構成されている。
第1形態の規制装置30は、図7にも示すように、縦框14Aに設けられる主動部31と、縦框14Bに設けられる受け部32とを備えて構成されている。主動部31は、障子10Aに設けられるグレモン錠20と部品の一部を兼用するものであって、操作部としての前記操作ハンドル22と、上下のリンケージバー24,25に各々連結される一対の移動部としての連動バー33,34と、各連動バー33,34に固定されて縦框14B側に突出する一対の突出部としての突出ピン35,36とを備えて構成されている。ここで、突出ピン36が第1突出部であり、突出ピン35が第2突出部である。受け部32は、縦框14Bの見込み面141Bに支持される支持部37と、この支持部37から縦框14A側に突出して突出ピン36を係止可能な係止部38と、支持部37から縦框14A側に突出して突出ピン35に当接可能な当接部39とを備え、これらの支持部37、係止部38および当接部39が金属板材から折り曲げ加工によって一体に形成されている。なお、受け部32としては、金属板材から折り曲げ加工によって一体に形成するものに限らず、樹脂の射出成形等、他の材料で一体に形成してもよく、また、別体の複数部材を連結することで形成してもよい。
第2形態の規制装置30Aは、前記第1形態と比較して、受け部32Aの形態が相違するもので、主動部31の構成は第1形態と同様である。
受け部32Aは、図9に示すように、支持部37と、係止部38と、当接部39とを備え、当接部39が第1当接部39Aおよび第2当接部39Bの上下一対で構成されている。これら第1および第2の当接部39A,39Bは、それぞれ支持部37から縦框14A側に略水平に突出するとともに屋内側に折れ曲がる断面L字状に形成されるとともに、第1当接部39Aの下側に突出ピン35が当接可能で、第2当接部39Bの上側に突出ピン35が当接可能になっている。すなわち、図9に実線で示す非係止位置の状態から、係止位置に向かって移動する突出ピン35が第1当接部39Aに当接することで、図9に二点鎖線で示す係止位置まで受け部32Aが押し上げられ、逆に非係止位置に向かって移動する突出ピン35が第2当接部39Bに当接することで、非係止位置に向かって受け部32Aが押し下げられるか、または、落下のきっかけとなって受け部32Aが非係止位置に自然落下するように構成されている。なお、第1および第2の当接部39A,39Bは、断面L字状に形成するものに限らず、第1形態の規制装置同様に、支持部37から縦框14A側に向かって略水平に突出して形成してもよい。
例えば、前記実施形態においては、両開き窓1を例示したが、本発明の建具としては、両開き窓1に限らず、各種の開閉形式や開閉方向の窓であってもよい。具体的には、例えば、窓枠内部に1枚の障子が開閉可能に設けられた開き窓(片開き窓)に前記規制装置を設けてもよい。この開き窓の場合には、障子の戸先側縦框(戸先部)に主動部を設けるとともに窓枠の縦枠(対向部)に受け部を設けてもよいし、戸先側縦框(戸先部)に受け部を設けて縦枠(対向部)に主動部を設けてもよい。さらに戸先部としては、縦框に限らず、上框や下框の戸先側であってもよく、その場合の対向部としては、窓枠の上枠や下枠であればよい。なお、開き窓以外の建具としては、縦、横辷り出し窓や、突き出し窓、内倒し窓などが例示でき、面材の開放方向は屋外側、屋内側のいずれであってもよく、規制装置は開放方向と逆向きに面材を引き寄せる構成であればよい。さらに、本発明の建具は、面材がスライド開閉自在な引き違い窓や片引き窓などであってもよく、この場合には、主動部の突出部を適宜な方向に突出させるとともに受け部の係止部を適宜な形状とすることで、面材を閉鎖方向に引き寄せるような構成にできる。
また、前記実施形態では、縦框14A,14Bの高さ方向略中央の1箇所に規制装置30,30Aを設けたが、適宜な間隔で2箇所以上に規制装置を設けてもよい。
さらに、前記実施形態の規制装置30,30Aでは、主動部31の突出ピン35,36が連動バー33,34に設けられ、これらの連動バー33,34がグレモン錠20のリンケージバー24,25に連結されていたが、これに限らず、突出ピン35,36をリンケージバー24,25に取り付けてもよいし、連動バー33,34を変換機構23に連結してもよい。
また、前記実施形態の規制装置30Aでは、受け部32Aに第1および第2の当接部39A,39Bを設けて、これらに突出ピン35を当接させる構成としたが、これに限らず、突出ピン35に替えて上下2つの突出部を設け、これらの間に受け部32の当接部39を配置する構成としてもよい。
また、当接部39の下面において、屋内側に向かうにつれて下方に向かう傾斜面(第2形態の規制装置では、第1当接部39Aの下面に同傾斜面、第2当接部39Bの上面に屋内側に向かうにつれて上方に向かう傾斜面)を設けてもよい。このようにすることで、障子10Aを開放状態から閉鎖方向へ移動させる際に、突出ピン35と当接部39(第1当接部39A、第2当接部39B)とが何らかの理由により離間せずクリアランスが確保できていなかった場合でも、前述した傾斜面に突出ピン35が摺接して突出ピンを当接部39の下方に位置(第1当接部39Aと第2当接部39Bの間に位置)させることが可能となる。
また、第2形態の規制装置では、係止部38に対して第1当接部39Aおよび第2当接部39Bが上方となる位置に設けたが、これに限らず、係止部38に対して下方となる位置に設けてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 開閉自在に設けられる面材と、この面材を閉じた際に当該面材の戸先部と対向する対向部と、この対向部に対して前記戸先部を係止して前記面材の開放移動を規制する規制装置とを備えた建具であって、
前記規制装置は、前記戸先部および対向部のうちの一方に設けられる主動部と、前記戸先部および対向部のうちの他方に設けられる受け部とを備え、
前記主動部は、規制位置と非規制位置とに切り換え操作可能な操作部と、この操作部に連動して互いに逆向きにスライド移動する一対の移動部と、これら一対の移動部の各々に設けられて前記受け部側に突出する一対の突出部とを有し、
前記受け部は、前記一対の突出部のうちの第1突出部を係止可能な係止部と、前記一対の突出部のうちの第2突出部に当接可能な当接部とを有して形成されるとともに、前記戸先部および対向部の他方に支持されて係止位置と非係止位置との間を移動自在に設けられ、
前記面材を閉じた状態において、前記操作部の規制位置への操作によって前記一対の移動部が互いに逆向きの規制方向に移動することで、前記第2突出部が前記当接部に当接して前記受け部が係止位置に向かって移動され、この受け部と逆向きに移動する前記第1突出部が前記係止部に係止され、この係止によって前記面材の開放移動が規制され、
前記操作部の非規制位置への操作によって前記一対の移動部を互いに逆向きの非規制方向に移動させることで、前記受け部が非係止位置に向かって移動されるとともに、前記係止部による前記第1突出部の係止が外れて前記面材の規制が解除される建具。 - 前記受け部の当接部は、規制方向に移動する前記第2突出部と当接可能な第1当接部と、非規制方向に移動する前記第2突出部と当接可能な第2当接部とを有し、
前記操作部の規制位置への操作に伴って前記第2突出部を規制方向に移動させることで、この第2突出部が前記第1当接部に当接して前記受け部が係止位置に向かって移動され、前記操作部の非規制位置への操作に伴って前記第2突出部を非規制方向に移動させることで、この第2突出部が前記第2当接部に当接して前記受け部が非係止位置に向かって移動される請求項1に記載の建具。 - 前記面材は、その吊り元側が上下方向に延びる回動軸によって回動支持され、前記戸先部および対向部は、それぞれ上下に延びて設けられており、
前記受け部は、上下方向に移動自在かつ係止位置が上方で非係止位置が下方に位置して設けられ、前記係止部によって前記第1突出部の見込み方向への移動を規制することで前記面材の開放移動を規制可能に構成されている請求項1または請求項2に記載の建具。 - 前記受け部は、前記係止部と前記当接部とに渡って設けられるとともに前記戸先部および対向部の他方に支持される支持部を有し、前記係止部、当接部および支持部が一体に形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
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