JP4674203B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された規制装置は、障子の縦框に一端が軸支された規制アームと、窓縦枠に設けられて規制アームの他端のピンを摺動支持する支持部材と、この支持部材に設けられた開口を閉鎖または開放して規制アームのピンと支持部材との係脱状態を切り替える操作部材と備えて構成されている。この規制装置では、障子を閉じた状態で操作部材を規制位置にスライド操作することで、支持部材の開口を閉鎖して規制アームのピンが支持部材に支持され、この状態で障子を開放すれば規制アームによって障子の開き角度が規制されるようになっている。一方、障子を閉じた状態で操作部材を解除位置にスライド操作することで、支持部材の開口が開放され、この状態で障子を開放すれば、規制アームのピンが開口を通って支持部材から外れ、規制装置に規制されることなく障子が全開できるようになっている。
ここで、窓機能部材としては、例えば、障子の室内側を覆って取り付けられる網戸や、障子の室内側において遮光状態と透光状態とが切り替え可能に設けられたブラインドやロールスクリーンなどが例示できる。そして、窓機能部材が網戸である場合には、その四周枠を構成する框材の室外面に規制部が設けられることが好ましく、また窓機能部材がブラインドやロールスクリーンである場合には、その案内レールや窓枠への取付枠の室外面に規制部が設けられることが好ましい。
このような構成によれば、窓機能部材を窓枠に取り付けた状態(通常使用状態)において、窓機能部材の規制部によって操作部材の被規制部の移動を規制することで、操作部材の誤操作を防止することができる。また、窓機能部材の室外面に設けた規制部で操作部材の被規制部を移動規制することで、これらの規制部や被規制部が室内側から目立たないようにでき、建具の意匠性を良好にすることができる。
この際、前記凹部は、前記網戸の框材に形成された孔と、この孔を塞ぐとともに室内側に凹んだ塞ぎ材とで構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、網戸の框材に設けた凹部を被規制部と嵌合させて操作部材の移動操作を規制することで、別途の部材を用意しなくても、網戸を窓枠に取り付けるだけで操作規制手段を構成することができる。そして、位置規制しようとする側(規制位置および解除位置の一方側)に操作部材が位置しない場合には、凹部以外の箇所に被規制部がぶつかってしまい、網戸が正常に取り付けられないことから、操作部材の位置が適切でないことを利用者に認知させることができる。
また、凹部を孔と塞ぎ材とで構成すれば、孔から框材内部への埃やゴミ、虫等が入り込むことが防止できる。
このような構成によれば、網戸の框材に突出部材を取り付けるだけで規制部を構成することができ、框材の加工を少なくして製造工程を簡単化することができるとともに、後付けで網戸に規制部を設けることも可能になる。そして、位置規制しようとする側(規制位置および解除位置の一方側)に操作部材が位置しない場合には、前述した当接箇所とは別の箇所で被規制部と突出部材とがぶつかってしまい、網戸が正常に取り付けられないことから、操作部材の位置が適切でないことを利用者に認知させることができる。
このような構成によれば、窓機能部材の取り付け前において、位置規制しようとする側(規制位置および解除位置の一方側)に操作部材が位置しない場合であっても、規制部に設けた移動案内部で被規制部(操作部材)を位置規制しようとする側に移動させることで、通常使用状態において、操作部材を適切な位置にて移動規制することができる。
このような構成によれば、角度規制アームの他端を窓枠または障子に連結させる規制位置に操作部材が位置決めされることで、意図せずに操作部材が解除位置に移動してしまうことが防止でき、不用意に障子が大きく開きすぎてしまうことが防止できるとともに、角度規制アームが連結されない状態で障子が開くことが防止でき、防犯性を向上させることもできる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である縦辷り出し窓1の一部を示す横断面図である。図2は、縦辷出し窓1の障子6を省略して示す縦断面図である。図3は、縦辷り出し窓1の要部を拡大して示す横断面図である。図4、図5は、それぞれ縦辷出し窓1に設けた障子の開放角度規制装置20を示す側面図である。
そして、障子6の開放側の縦框7と、この縦框7に気密材5A,5Bを介して当接可能な縦枠5との間には、これらを連結することで障子6の開放角度を規制する開放角度規制装置(開放角度規制手段)20が設けられている。
一方、網戸10を取り外して操作つまみ25を解除位置に押し上げ操作した状態(非位置規制の状態)から、網戸10を窓枠2に取り付けようとしても、突出片部25Aが縦框13室外面(窓機能部材の凹部以外の箇所)に当接するために所定の見込み位置に納まらず、網戸10を取り付けることができない。従って、操作つまみ25が解除位置に位置し、障子6の開放角度規制が解除されていることが利用者に判別できるようになっている。
(1)網戸10の縦框13に形成した挿通孔13Aに突出片部25Aを挿入して操作つまみ25を規制位置に位置規制したことで、操作つまみ25の誤操作を防止することができる。また、操作つまみ25が規制位置に位置規制されていることが利用者から判別できることから、障子6の開放操作の際に勢いよく操作することが抑制され、利用者の利便性を向上させることができる。さらに、通常使用状態において、操作つまみ25が規制位置に位置規制されていることで、障子6が大きく開きすぎてしまうことがなく、防犯性を向上させることもできる。
次に、本発明の第2実施形態を図6および図7に基づいて説明する。
図6は、第2実施形態に係る縦辷出し窓1に設けた障子の開放角度規制装置20Aを示す側面図である。図7および図8は、それぞれ本実施形態の変形例に係る開放角度規制装置20B,20Cを示す側面図である。
本実施形態において、縦辷出し窓1の窓枠2や障子6は、前記第1実施形態と同一の構成を有したものであり、開放角度規制装置20A,20B,20Cは、前記第1実施形態の開放角度規制装置20と略同一の基本構成を有し、その操作規制手段の構成が第1実施形と相違するものである。以下、相違点について詳しく説明する。
図6〜図8に示す開放角度規制装置20A,20B,20Cでは、前記開放角度規制装置20の操作つまみ25に替えて、室内側に突出した被規制部としての操作つまみ26が延出片24の室内位置に固定されている。
一方、網戸10を取り外して操作つまみ26を解除位置に押し上げ操作した状態から、網戸10を窓枠2に取り付けようとしても、操作つまみ26と突出部材15とが前述した突出部材15の下端面と操作つまみ26の上端面以外の箇所、つまり突出部材15の室外側面と操作つまみ26の室内側面とが当接するために所定の見込み位置に納まらず、網戸10を取り付けることができない。従って、操作つまみ26が解除位置に位置し、障子6の開放角度規制が解除されていることが利用者に判別できるようになっている。
また、突出部材16の室外側かつ下側には、移動案内部としての傾斜面16Aが形成されており、網戸10を取り外して操作つまみ26を解除位置に押し上げ操作した状態から、網戸10を窓枠2に取り付けようとした場合には、操作つまみ26と突出部材16の傾斜面16Aとが当接することで、操作つまみ26が押し下げられて規制位置に移動されるようになっている。
また、網戸10を取り外して操作つまみ26を解除位置に押し上げ操作した状態から、網戸10を窓枠2に取り付けようとした場合には、操作つまみ26とカバー17の傾斜面17Aとが当接することで、操作つまみ26が押し下げられて規制位置に移動されるようになっている。
(5)図6、図7のような突出部材15,16を網戸10の縦框13室外面に取り付けて、この突出部材15,16で操作つまみ26の移動を規制することで、縦框13の孔開け加工をなくして製造工程を簡単化することができるとともに、後付けで網戸10に規制部を設けることも容易になる。
例えば、前記実施形態においては、操作規制手段の被規制部を開放角度規制装置20,20A,20B,20Cの操作つまみ25,26で構成し、規制部を網戸10の縦框13に設けた挿通孔13Aや突出部材15,16、カバー17で構成したが、操作規制手段は前記構成に限らず、操作部材の移動を規制できるものであれば任意の構成が採用可能である。すなわち、規制部は、窓機能部材としての網戸10の一部に設けられるものに限らず、次の図9に示すように、窓枠2に固定した規制部材30で構成されてもよい。
図9において、規制部材30は、縦枠5にビス止め固定される規制部本体31と、規制部本体31の上下端部から室外側に延びる一対の規制片部32とを有して構成されている。一対の規制片部32は、前記第2実施形態と同様の操作つまみ26の上下端面に沿って位置し、操作つまみ26の移動操作を規制するものであり、これにより操作つまみ26の誤操作が防止できるようになっている。そして、規制部材30は、ビスを外すことで縦枠5から取り外し可能になっており、規制部材30を取り外せば操作つまみ26の位置規制が解除され、操作つまみ26を規制位置から解除位置に移動操作することで、必要に応じて障子6を全開することができる。
また、前記実施形態では、開放角度規制装置20,20A,20B,20Cの支持部21および角度規制アーム22が縦枠5(窓枠2)側に設けられ、連結受け部23が縦框7(障子6)側に設けられた構成について説明したが、開放角度規制装置(手段)の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、任意の構成が採用可能である。さらに、前記実施形態では、操作部材としての延出片24および操作つまみ25が縦枠5(窓枠2)側に設けられていたが、操作部材が障子6側に設けられていてもよい。
また、前記第1実施形態では、網戸10の縦框13に形成した挿通孔13Aに操作つまみ25の突出片部25A(被規制部)を挿入する構成としたが、挿通孔13Aに適宜な塞ぎ材を設けて凹部を形成し、この凹部に被規制部が挿入されるようにしてもよい。さらに、挿通孔13Aをゴムや樹脂等の弾性材料からなる塞ぎ材で塞ぎ、この塞ぎ材を撓ませて被規制部が挿入されるようにしてもよい。このような塞ぎ材を設けることで、框材への埃やゴミ、虫等が入り込むことが防止できる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (7)
- 窓枠と、この窓枠に開放可能に支持された障子と、この障子を所定の開放角度に規制する開放角度規制手段とを備えた建具であって、
前記開放角度規制手段は、前記窓枠および障子のいずれか一方に一端が連結されるとともに他端が当該窓枠および障子の他方に係脱可能に連結される角度規制アームと、この角度規制アームの他端を前記窓枠または障子に連結させる規制位置と連結を解除させる解除位置との間を移動操作可能に設けられた操作部材と、この操作部材を前記規制位置および解除位置のいずれか一方に位置規制する操作規制手段とを備えて構成されている建具。 - 前記操作規制手段は、前記操作部材に設けられて室内側に向かって突出した被規制部と、この被規制部に当接して前記操作部材を移動不能にする規制部とで構成され、
前記規制部は、前記障子よりも室内側において前記窓枠に取り付けられる窓機能部材の室外面に設けられている請求項1に記載の建具。 - 前記窓機能部材は、前記障子の室内側を覆う網戸であり、この網戸の框材に設けられて前記被規制部と嵌合可能な凹部で前記規制部が構成され、
前記被規制部が非位置規制の状態では、当該被規制部が前記窓機能部材の前記凹部以外の箇所と干渉して当該窓機能部材が前記窓枠に取り付け不能となる請求項2に記載の建具。 - 前記凹部は、前記網戸の框材に形成された孔と、この孔を塞ぐとともに室内側に凹んだ塞ぎ材とで構成されている請求項3に記載の建具。
- 前記窓機能部材は、前記障子の室内側を覆う網戸であり、この網戸の框材から室外側に突出して取り付けられて前記被規制部と当接可能な突出部材で前記規制部が構成され、
前記被規制部が非位置規制の状態では、当該被規制部と前記突出部材とが前記当接した箇所以外の箇所で干渉して当該窓機能部材が前記窓枠に取り付け不能となる請求項2に記載の建具。 - 前記規制部には、前記操作部材が前記規制位置および解除位置の他方に位置した状態で前記窓機能部材を室内側から前記窓枠に取り付ける際に、前記被規制部に当接して前記規制位置および解除位置の一方に向かって前記操作部材を移動させる移動案内部が設けられている請求項2から請求項5のいずれかに記載の建具。
- 前記操作規制手段は、前記操作部材を前記規制位置に位置規制する請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。
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