JP4528649B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された上げ下げ窓は、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子と、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた室内障子(下部障子)とを備えて構成されている。そして、上げ下げ窓は、固定障子の下框(外召合せ框)に設けられたクレセント受けに、下部障子の上框(内召合せ框)に設けられたクレセント錠が係合することで、施錠されるようになっている。
また、障子としては、少なくとも1枚の可動障子を備えていればよく、室内外(左右または上下)一対の2枚の障子から構成されていてもよく、3枚以上の障子から構成されていてもよい。複数の障子を備える場合において、可動障子以外の障子は、開閉可能に構成されていてもよく、また開閉不能な固定障子であってもよい。
また、第2操作部が第1操作部の突出部に向かって解錠操作される、つまり戸先側の框材に当接する枠材から離れる方向であって、可動障子の開放操作方向と同一方向に第2操作部が解錠操作されるので、施錠装置の解錠および可動障子の開移動が一連の操作で実行でき、当該建具の開放操作の操作性を良好にすることができる。
さらに、錠部材を戸先側の框材の見込み内に設けたことで、錠部材が目立たないようにでき、これによっても防犯性を向上させることができるとともに、建具の意匠性を良好にすることができる。また、錠部材を複数設けた場合でも、第2操作部を操作するだけで、複数の錠部材を連動させて解錠することができ、この点でも操作性を良好にすることができる。
このような構成によれば、前述の効果を有し、かつ少なくとも下側の障子(下部障子)が開放可能な上げ下げ窓を構成することができる。そして、下側の障子の施錠装置を構成する第1および第2の操作部が下框に設けられているので、これらの操作部に室内側から手が届きやすく、下側の障子の解錠および開放操作を容易に実行することができる。
このような構成によれば、錠部材の係合部材が自動的に錠受けに係合しかつ規制部材で回動が規制されるので、利用者が施錠操作しなくても閉操作を実行するだけで可動障子を施錠することができ、さらに操作性を向上させることができる。
また、第2操作部が室内側に設けられ錠部材が框材内部に設けられていても、框材の挿通孔に挿通された延出部によって、規制部材の規制を外して係合部材を解錠位置に回動させ、錠部材を解錠することができるので、錠部材を室内側からも見えないあるいは目立たないようにして建具の意匠性を向上させることができる。
このような構成によれば、長尺状の第2操作部であっても安定した操作性を確保することができる。すなわち、第2操作部をスライド自在に第1操作部に支持させてもよいが、この場合、第2操作部は、その長手方向に略直交する方向に解錠操作されるものであるため、長尺状の第2操作部を安定して操作することが困難になる。これに対して、第2操作部を、その長手方向に沿った回動軸回りに軸支する構造であれば、その解錠(回動)操作を安定させることができるとともに、軸支部の構造も簡単化することができる。
このような構成によれば、補助錠部を第1操作部の突出部と第2操作部との間に挿入するだけで、第2操作部が解錠操作不能になるので、簡単な構造で二重ロックを構成することができ、防犯性をより一層向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3は、上げ下げ窓1を示す横断面図であって、下部障子位置における横断面図である。
図1〜図3において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部3に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面よりも所定寸法(例えば、600mm〜900mm)だけ高い位置に設けられた腰窓である。
一方、上部障子20が閉鎖位置にある状態で下部障子30を開放位置まで全開した場合にも、下部障子30の略上半分が上部障子20および網戸50の室内側に重なった状態となり、下部障子30の下方に開口が形成されて上げ下げ窓1が開かれるようになっている。
図4は、上げ下げ窓1の下枠12および下部障子30の下框32を拡大して示す縦断面図である。
下枠12は、図4に示すように、それぞれアルミ押出形材製の室内部材121および室外部材122と、室内部材121と室外部材122とを連結する樹脂製の断熱部材123とを備えて形成されている。そして、室外部材122が建物躯体4にビス止め固定されるとともに、室内部材121および室外部材122が建物躯体4上に載置されて支持されている。室内部材121は、断熱部材123よりも上方に延びて形成されており、この室内部材121の上端部室外側側面には、下部障子30の下框32に当接して埃等の浸入を防止するモヘヤ121Aが取り付けられている。一方、室外部材122は、室外側に向かって下がった上面部122Aを有して中空状に形成されており、この上面部122Aにおける下部障子30の下框32下方位置には、下框32に当接して気密性を確保する気密材122Bが取り付けられている。
また、下部障子30の下框32には、縦枠13のレール部に挿入されるスライドシュー(スライド部材)36(図3)が設けられており、下部障子30の縦框33上端部には、図示しないラッチ装置が設けられ、このラッチ装置から突出した突出片が縦枠13のレール部に設けられた内部レール137(図5)に挿入されている。そして、これらのスライドシュー36およびラッチ装置の突出片が縦枠13のレール部および内部レール137に沿って案内されることで、下部障子30が上下にスライド開閉されるようになっている。
図5(A)〜(C)は、下部障子30の動作を説明する図である。
図5(A)に示すように、下部障子30が閉鎖位置にある場合には、下框32および下枠12に設けられた施錠装置80(後述)によって下部障子30が施錠されるようになっている。この施錠状態において、把手操作部352を操作しつつ把手35を上方に持ち上げるように開操作すると、図5(B)に示すように、下部障子30が開放位置まで開放でき、把手35を下方に押し下げて下部障子30を図5(A)の閉鎖位置まで閉操作すれば、自動的に施錠できるようになっている。
図6は、施錠装置80を示す斜視図である。図7は、施錠装置80の一部を示す分解斜視図である。図8は、施錠装置80の錠部材82を示す斜視図である。図9(A),(B)は、錠部材82の動作を示す側面図である。図10(A),(B)は、施錠装置80の解錠状態を示す正面図および断面図である。図11(A),(B)は、施錠装置80の施錠状態を示す正面図および断面図である。図12(A),(B)は、施錠装置80の解錠操作を示す正面図および断面図である。図13は、施錠装置80における補助錠部353を示す断面図である。
把手本体部351は、下框32の長手方向に沿って連続した長尺状の部材であって、下框32の室内側側面に沿った固定面部351Aと、この固定面部351A上端縁から室内側に延びる突出面部(突出部)351Bとを有して断面略L字形に形成されている。そして、把手本体部351は、固定面部351Aが下框32の室内側側面にビス止め固定されている。把手操作部352は、把手本体部351に沿って長尺状の部材であって、鉛直面部352Aおよび水平面部352Bを有して断面略L字形に形成されている。把手操作部352の水平面部352Bは、把手本体部351の突出面部351Bに対して所定の隙間を有して設けられ、鉛直面部352Aは、把手本体部351の固定面部351Aを固定したビスを覆って設けられ、室内側からビスが見えないようになっている。
錠部材82は、図8および図9に示すように、下框32にビス止め固定される錠部材本体821と、この錠部材本体821に回動自在に支持された係合部材822と、この係合部材822の回動を規制する規制部材823と、これらの係合部材822および規制部材823を連結するコイルばね824とを有して構成されている。
係合部材822は、受けピン811に係合可能な施錠位置(図9(A)の位置)と係合不能な解錠位置(図9(B)の位置)との間を回動自在に設けられ、解錠位置において錠部材本体821の位置決め片821Bで位置決めされるようになっている。そして、係合部材822は、受けピン811に係合する鉤状の係合部822Aと、下部障子30の閉操作時に受けピン811に当接する当接部822Bと、規制部材823に規制される非規制部822Cと、コイルばね824の一端を係止するばね取付部822Dとを有して形成されている。
また、コイルばね824は、係合部材822および規制部材823のばね取付部822D,823C同士を互いに近づける方向に付勢力を作用させている。すなわち、係合部材822を解錠位置に向かって付勢する付勢手段であるとともに、規制部823Aが規制可能位置になるように規制部材823を付勢しているものでもある。
(1)すなわち、下部障子30における下框32の室内側側面に把手本体部351を固定し、この把手本体部351の突出面部351Bの下面側(下枠12側)に把手操作部352が設けられているので、室外側からは施錠位置を特定することができず、ガラス破り等の不法行為を未然に防止して防犯性を向上させることができる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1を例示して説明したが、本発明の建具は、上げ下げ窓1に限らず、引違い窓や片引き窓等のように可動障子が左右にスライド開閉自在に設けられたものでもよい。この際、引違い窓や片引き窓においては、可動障子の戸先框および戸先框が当接する縦枠に施錠装置を設ければよく、第1および第2の操作部を戸先框に沿って上下に長尺に形成すればよい。さらに、本発明の建具は、可動障子が窓枠に軸支された開き形式や、突出し形式、内倒し形式等でもよく、辷出し形式の窓であってもよい。
また、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部障子20および下部障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、3枚以上の障子を有して構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、上部障子20および下部障子30がそれぞれ上下にスライド開閉可能に構成されていたが、これに限らず、上部障子20が開閉不能な固定障子であってもよい。
さらに、前記実施形態では、錠部材82および錠受け81を2箇所ずつに設けたが、これらの部材は、1箇所ずつでもよく、また3箇所ずつ以上設けられていてもよい。そして、錠部材82の設置位置は、把手操作部352の長さ寸法内に収まっている必要はなく、把手操作部352から長手方向に離れた位置に設けられていてもよい。このように離れた位置に錠部材82を設置した場合には、適宜な伝達手段(例えば、ワイヤやリンク機構、ギヤ等)を設けて把手操作部352の解錠操作を錠部材82に伝達するように構成すればよい。これにより把手操作部352の長さ寸法に関わらず、錠部材82および錠受け81の設置位置を任意に設定することができるようになる。
また、錠受け81を下枠12ではなく縦枠13の下端部に設けてもよく、この場合には、錠部材82から縦枠13側に延びるロックボルト等が錠受け81に係合するように構成すればよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持された可動障子とを備え、
前記可動障子の戸先側の框材およびこの戸先側の框材に当接する前記窓枠の枠材には、当該可動障子を施錠する施錠装置が設けられ、
前記施錠装置は、前記戸先側の框材の室内側側面に沿って固定された第1操作部と、この第1操作部に支持されて操作可能に設けられた第2操作部と、この第2操作部の操作で解錠される少なくとも1つの錠部材と、この錠部材に係合可能に前記窓枠に設けられた錠受けと、を備えて構成され、
前記第1操作部は、前記戸先側の框材に沿って連続した長尺状、かつ当該框材の室内側側面から室内側に突出した突出面部と、前記框材の見付け方向に延びて当該框材に固定される固定面部とを有して形成され、
前記第2操作部は、鉛直面部および水平面部を有して断面略L字形かつ前記第1操作部に沿った長尺状に形成されるとともに、前記第1操作部の長手方向に沿った回動軸回りに回動操作可能に当該第1操作部に軸支され、前記水平面部が前記第1操作部の突出面部に対して所定の隙間を有して設けられるとともに当該突出面部に向かって解錠操作可能に設けられ、前記鉛直面部が前記第1操作部の固定面部における前記框材への固定位置を覆って設けられ、
前記第2操作部は、前記第1操作部よりも長手方向に短い長さ寸法を有して形成され、当該第2操作部の長手方向両端部における前記鉛直面部と水平面部との交差部分にて当該長手方向に突没自在に設けられた回動軸が前記第1操作部における前記突出面部と固定面部との交差部分近傍に軸支されることで回動自在に支持され、
前記錠部材は、前記戸先側の框材の見込み内に設けられ、当該框材の室内側側面を通して前記第2操作部の解錠操作により解錠可能に構成されている建具。 - 前記窓枠には、上下二段の障子が支持され、これら上下二段の障子のうちの少なくとも下側の障子が前記窓枠に上下スライド開閉自在に支持された前記可動障子であり、
前記下側の障子を施錠する施錠装置において、前記第1操作部、第2操作部、および錠部材は、前記下側の障子の下框に設けられ、前記錠受けは、前記窓枠の下枠に設けられている請求項1に記載の建具。 - 前記錠部材は、前記錠受けに係合可能な施錠位置と係合不能な解錠位置との間を回動自在に設けられた係合部材と、この係合部材を解錠位置に向かって付勢する付勢手段と、前記施錠位置に回動された係合部材の回動を規制する規制部材とを有して構成され、前記可動障子を閉じることで、前記錠受けに当接した前記係合部材が施錠位置に回動されるとともに、前記規制部材で当該係合部材の解錠位置への回動が規制され、
前記第2操作部は、前記戸先側の框材の室内側側面に形成された挿通孔から当該框材内部に延びる延出部を有して形成され、この延出部で規制部材の規制を解除可能に構成されている請求項1または請求項2に記載の建具。 - 前記第1操作部には、前記突出部と前記第2操作部との間に挿入されることで当該第2操作部の解錠操作を不能にする補助錠部が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
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