JP2010019029A - 監視領域の開閉システム - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な換気性と防犯性とを両立可能な監視領域の開閉システムを提供すること。
【解決手段】監視領域の開閉システム1は、ガレージ2に対して開閉自在に設置されたシャッター3と、ガレージ2における一酸化炭素を検出する一酸化炭素センサ5と、一酸化炭素センサ5によって検出された一酸化炭素の濃度に基づいて、シャッター3の位置制御を行う制御部とを備える。制御部は、シャッター3によってガレージ2が閉鎖されている場合において、一酸化炭素センサ5によって検出された一酸化炭素の濃度が第1の濃度以上であった場合、ガレージ2に対するシャッター3の開放幅が第1の幅となるように、シャッター3を位置させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガレージ等の監視領域を遮蔽するシャッター等の遮蔽体を開閉するための、監視領域の開閉システムに関する。
従来から、シャッターによって内部を外部から遮蔽するガレージが用いられている。このタイプのガレージにおいては、シャッターを閉鎖することにより、高い防犯性や高い気密性が得られるというメリットがある。一方、気密性の高さ故に、シャッターを閉めたまま車の暖機運転を行うと、ガレージ内に排気ガスが滞留するという問題があった。
このため、従来は、ガレージの壁面の上端部と屋根との間にガレージ内部空間と外界とを連通する開口部を形成すると共に、当該開口部を幕板部材によって外部から被覆することで、通風・換気を可能にしつつ、雨の降り込みを防止したガレージ等が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−56196号公報
ところで、近年は住宅の一階部分を車庫とするビルトインタイプのガレージが増加している。このビルトインタイプのガレージにおいては、上述の従来技術の如き開口部を設けることができないため、十分な換気を確保することができなかった。このため、シャッターを閉じた状態で車の暖機運転等を行った場合、車の排気ガスがガレージ内部に滞留し、当該排気ガスに含まれている一酸化炭素を吸引することによる一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあったほか、ガレージ内部に充満した一酸化炭素が上部の住宅に流入してしまう可能性もあった。
一方、ガレージの内部において一酸化炭素が検出された場合、シャッターを全開としてガレージの内部の換気を行う開閉システムも提案されている。しかし、シャッターが全開とされた後は何人も容易にガレージの内部に侵入可能となるため、防犯上の問題が生じていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、十分な換気性と防犯性とを両立可能な監視領域の開閉システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の監視領域の開閉システムは、監視領域に対して開閉自在に設置された遮蔽体と、前記監視領域における検出対象ガスを検出するガス検出手段と、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記遮蔽体の位置制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の監視領域の開閉システムは、請求項1に記載の監視領域の開閉システムにおいて、前記制御手段は、前記遮蔽体によって前記監視領域が閉鎖されている場合において、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が第1の濃度以上であった場合、前記監視領域に対する前記遮蔽体の開放幅が第1の幅となるように、当該遮蔽体を位置させることを特徴とする。
また、請求項3に記載の監視領域の開閉システムは、請求項2に記載の監視領域の開閉システムにおいて、前記第1の幅を、人体通過可能な最少幅より狭くしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の監視領域の開閉システムは、請求項2または3に記載の監視領域の開閉システムにおいて、前記監視領域の換気を行う換気手段を備え、前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が前記第1の濃度よりも低い第2の濃度以上であった場合、前記換気手段を動作させることを特徴とする。
また、請求項5に記載の監視領域の開閉システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の監視領域の開閉システムにおいて、前記遮蔽体の動作範囲に存在する物体を検出する物体検出センサを備え、前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて前記遮蔽体の位置制御を行った場合において、前記物体検出センサによって前記遮蔽体の動作範囲に物体が検出された場合、当該物体が検出された旨を示す警報信号を出力することを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、ガス検出手段によって検出された検出対象ガスの濃度に応じて、監視領域における換気性を確保するために必要な位置となるように遮蔽体の位置を制御手段が制御するので、防犯性を確保しつつ、必要な換気性を得ることができる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、検出対象ガスの濃度が第1の濃度以上であった場合には、制御手段は開放幅が第1の幅となるように遮蔽体を位置させるので、監視領域の内部への不審者の侵入や、当該監視領域に保管されている自動車の盗難等を抑止しつつ、十分な換気性を確保することができる。
また、請求項3に記載の本発明によれば、第1の幅を人体通過可能な最小幅より狭くすることにより、監視領域の内部への不審者の侵入を困難とすることができ、且つ、十分な換気性を確保することができる。
また、請求項4に記載の本発明によれば、検出対象ガスの濃度が第1の濃度よりも低い第2の濃度以上となった場合、制御手段は換気手段を動作させるので、検出対象ガスの濃度が低い場合においては遮蔽体を全閉状態として高い防犯性を維持しつつ、必要な換気性を確保することができる。
また、請求項5に記載の本発明によれば、換気性を確保するために遮蔽体を開放させている場合において、物体検出センサを用いて遮蔽体の動作範囲における物体を検出させると共に、物体検出時には警報を出力させることができる。これにより、必要な換気性を確保しつつ、監視領域に対する不審者の侵入を通報することができ、防犯性を高めることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る監視領域の開閉システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、〔III〕各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る監視領域の開閉システムは、ガレージ等の監視領域を遮蔽するためのシャッター等の遮蔽体の開閉制御を目的とするものである。
各実施の形態に係る監視領域の開閉システムの設置対象は任意であり、例えば、住宅、ビルやマンションの一階部分を車庫とするビルトインタイプのガレージや、屋外に設置されるプレハブタイプのガレージ等に設置できる。
各実施の形態に係る監視領域の開閉システムの特徴の一つは、概略的に、ガス検出手段によって監視領域における検出対象ガスを検出し、当該検出した検出対象ガスの濃度に基づいて、監視領域に対して開閉自在に設置されている遮蔽体の位置制御を行う点にある。すなわち、検出対象ガスの濃度に応じて、監視領域に対する遮蔽体の開放幅を十分な換気性を確保するために必要な幅に制御することができるので、防犯性を確保しつつ、十分な換気性を得ることができる。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず実施の形態1について説明する。この形態は、検出対象ガスの濃度が第1の濃度以上であった場合、監視領域に対する遮蔽体の開放幅を第1の幅とする形態である。上述のように、本発明に係る監視領域の開閉システムの設置対象は任意であるが、本願では、屋外に設置されているプレハブタイプのガレージに適用し、当該ガレージの内部を監視領域とした場合を例に挙げて説明する。
(監視領域の開閉システムの構成)
まず、監視領域の開閉システムの構成を説明する。図1は本実施の形態1に係る監視領域の開閉システムの外観を示す斜視図(一部を破断して示す)、図2は図1に示した監視領域の開閉システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。図1及び図2に示すように、監視領域の開閉システム1はガレージ2(図2に図示せず)に設置され、シャッター3、換気扇4、一酸化炭素(以下、COという)センサ5、警報出力部6、制御部7(図1に図示せず)、及び、操作部8(図1に図示せず)を備えている。ガレージ2は、開閉自在に設置されたシャッター3を有する前面部2a、壁面部2b、及び屋根部2cを備え、これらに囲繞されたガレージ内部空間に車両等を収容する。
(監視領域の開閉システムの構成−シャッター)
シャッター3は、ガレージ2の内部を外部から遮蔽するためのものであり、特許請求の範囲における遮蔽体に対応している。シャッター3は、スラット30、ガイドレール33(図2に図示せず)、巻取りシャフト34(図2に図示せず)、及び開閉機31(図1に図示せず)を備えている。スラット30は、ガレージ2の内部を遮蔽する遮蔽面となる部分であり、複数の羽根板が相互に回動自在に結合されて構成されている。このスラット30は、ガレージ2の天井近傍において、引出し自在に巻上げ収納されている。開閉機31は、スラット30の巻上げ及び引出しを行うものであり、後述する制御部7によって制御される。この開閉機31に隣接してエンコーダ32が設けられている。エンコーダ32は、開閉機31によるスラット30の巻上げ量を検出する検出手段である。このエンコーダ32としては、公知のロータリエンコーダを用いることができる。
シャッター3によってガレージ2の内部を遮蔽する場合には、開閉機31によってスラット30が引き出されてガレージ2の内部を遮蔽する。一方、ガレージ2の内部を開放する場合には、開閉機31によってスラット30がガレージ2の天井近傍に巻上げ収納される。
(監視領域の開閉システムの構成−換気扇)
換気扇4は、ガレージ2の内部を換気するためのものであり、特許請求の範囲における換気手段に対応している。換気扇4の配置位置は任意であり、例えば、図1に示したように、ガレージ2の壁面上部に設置してもよい。また、換気扇4の具体的な構成は任意であり、公知の換気扇を用いることができる。
(監視領域の開閉システムの構成−COセンサ)
COセンサ5は、ガレージ2の内部に滞留しているCOを検出するためのものであり、特許請求の範囲におけるガス検出手段に対応している。COセンサ5の配置位置は任意であり、例えば、図1に示したように、ガレージ2の天井近傍に配置することができる。なお、COセンサ5によるCO検出の具体的な原理は公知であるため、その説明は省略する。
(監視領域の開閉システムの構成−警報出力部)
警報出力部6は、ガス検出に関する警報を出力するためのものであり、後述する制御部7によって制御される。なお、警報出力部6の設置場所は任意であるが、使用者等に警報が認識されやすい場所であることが望ましく、例えば、ガレージ2の天井近傍や、シャッター3の近傍に設置される。また、警報出力部6によって出力される警報の具体的な態様は任意であり、例えば、音声や画面表示によって出力させてもよい。さらに、ガレージ2に隣接している家屋に設置された受信機等に移報させてもよい。
(監視領域の開閉システムの構成−制御部)
制御部7は、COセンサ5から入力された情報に基づいてシャッター3を制御するものであり、特許請求の範囲における制御手段に対応している。制御部7は、機能概念的には、検出処理部70、シャッター制御部71、警報処理部72、及び、換気扇制御部73を備えている。検出処理部70は、COセンサ5から入力された信号出力に基づき、ガレージ2の内部のCO濃度算出を行い、算出結果に基づいて処理を行うためのものである。シャッター制御部71は、検出処理部70からの指示に基づいて、シャッター3の制御を行う。シャッター制御部71による具体的なシャッター3の制御方法は任意であり、例えば、リミットスイッチ(例えば、近接スイッチ。図示省略)を追加し、全開ではない開放停止位置を設定し(2段リミットとする)、リレー・タイマ回路を設けて、後述する開閉制御処理においてCO濃度に基づきシャッター3を開放する場合に、シャッター3の停止位置を前記開放停止位置に切り替えることができる。あるいは、タイマを設け、CO濃度に基づいてシャッター3を開放する場合、任意の時間だけシャッター3を開放した後、シャッター電源を遮断し、シャッター3の動作を強制的に停止させることができる。警報処理部72は、検出処理部70からの指示に基づいて、警報出力部6の制御を行う。換気扇制御部73は、検出処理部70からの指示に基づいて、換気扇4の制御を行う。なお、制御部7の具体的構成は任意であるが、例えば、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定した組み込みプログラム、所要データを格納するための内部メモリ、及び、これらのプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備えて構成される。
(監視領域の開閉システムの構成−操作部)
操作部8は、監視領域の開閉システム1に対する操作を受け付ける部分である。操作部8を介して入力操作が行われると、入力に応じた信号が操作部8から制御部7に出力され、この信号に基づいて制御部7によってシャッター3が制御される。操作部8の具体的な構成は任意であり、例えば、シャッター3の近傍に設置して制御部7と有線接続してもよく、あるいは、操作部8をリモコンとし、無線を用いて制御部7に信号を送信させてもよい。また、操作部8に対する操作項目の具体的な内容についても任意であり、例えば、シャッター3の開閉や、COセンサ5の動作状態、警報の出力状態の切替等に関する操作項目を含めることができる。
(ガレージにおけるシャッターの開放幅とCO濃度の時間変化との関係)
次に、ガレージ2の内部で自動車のエンジンを動作させた場合における、シャッター3の開放幅とCO濃度の時間変化との関係について説明する。図3は、ガレージ2の内部におけるCO濃度の時間変化を示したグラフであり、横軸はエンジン始動からの経過時間、縦軸はガレージ2の内部のCO濃度を表している。この図3には、シャッター3の開放幅を0cm(全閉)、25cm、100cm、200cm(全開)とした場合の各々におけるCO濃度の時間変化が示されている。
図3に示したように、ガレージ2の内部におけるCO濃度は時間経過と共に増加し、一定時間の経過後に平衡状態に達する。この平衡状態に達した時点でのCO濃度は、シャッター3の開放幅を0cm(全閉)とした場合は約2000ppm、25cmでは約700ppm、100cmでは約600ppm、200cm(全開)で約400ppmとなっている。この結果から、シャッター3を全開状態とすることにより、シャッター3を全閉状態とした場合と比較して、ガレージ2の内部のCO濃度を大幅に低減できることが分かる。さらに、シャッター3の開放幅を25cmとした場合でも、シャッター3を全開状態とした場合にはわずかに及ばないものの、全閉状態とした場合と比較すると大幅にCO濃度を低減できていることが分る。これは、シャッター3の開放幅を25cmとすることで、ガレージ2の内部の換気性が大幅に向上するためである。
一方、防犯上の観点からは、シャッター3の開放幅をなるべく小さくすることが望ましい。具体的には、人間が通過不可能、あるいは通過が非常に困難な幅とし、侵入を意図する者に対して侵入を躊躇させることが好ましい。例えば、住宅性能表示制度の評価方法基準(最終改正平成19年国土交通省告示第1522号)における評価項目「防犯に関すること」においては、「侵入が可能な規模の開口部」について、「(1)400×250mmの長方形、(2)400×300mmの楕円形、(3)直径が350mmの円、の大きさの断面のブロックのいずれかが通過可能な開口部」として定義されている。すなわち、シャッター3の開口幅を250mm以下とすることで侵入を困難なものとすることができる。従って、シャッター3の開放幅を25cmとすることにより、ガレージ2の内部におけるCO濃度の増加を効果的に抑制できるとともに、防犯性の低下を回避することができる。
(監視領域の開閉システムにおけるシャッターの制御)
次に、監視領域の開閉システム1におけるシャッター3の制御について説明する。図4は制御部7が実行するシャッター3の開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、操作部8を介した入力操作によって、ガレージ2の内部のCO濃度監視を開始させる旨の指示が制御部7に対して入力されると、制御部7は、COセンサ5から入力された信号に基づき、検出処理部70を介してガレージ2の内部のCO濃度を監視する。この監視状態においては、制御部7によって、シャッター3は全閉状態とされ、警報出力部6、および換気扇4は停止状態とされている(ステップSA−1)。
監視の結果、CO濃度が第2の濃度未満と判定された場合(ステップSA−2、No)、制御部7は上述の監視状態を継続する(ステップSA−1)。一方、CO濃度が第2の濃度以上であり(ステップSA−2、Yes)、かつ、当該第2の濃度よりも高い第1の濃度未満であった場合(ステップSA−3、No)、制御部7は、警報処理部72を介して警報出力部6に第1の警報を出力させると共に(ステップSA−4)、換気扇制御部73を介して換気扇4を動作状態とし、ガレージ2の内部の換気をさせる(ステップSA−5)。その後、制御部7はステップSA−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。ここで、第2の濃度は、緊急性は低いものの、長時間吸気すると人体に害を及ぼす可能性が生じるレベルの濃度として設定されている。
一方、CO濃度が第1の濃度以上であり(ステップSA−3、Yes)、かつ、当該第1の濃度より高い第3の濃度未満であった場合(ステップSA−6、No)、制御部7は、警報処理部72を介して警報出力部6に第2の警報を出力させると共に(ステップSA−7)、シャッター制御部71を介して開閉機31を動作させ、シャッター3の開放幅が第1の幅となるように当該シャッター3を位置させる(ステップSA−8)。その後、制御部7はステップSA−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。なお、第1の幅をどの程度の開放幅とするかは任意であるが、例えば25cmとすることにより、ガレージ2の内部への不審者の侵入を抑止しつつ、ガレージ2の内部の換気性を確保することができる。また、第1の幅を100cm程度とした場合は、ガレージ2の内部に保管されている自動車の盗難等を防止しつつ、換気性をさらに向上させることができる。ここで、第1の濃度は、短時間のうちに人体に害を及ぼす可能性が高く、早急に換気が必要なレベルの濃度として設定されている。
ステップSA−6において、CO濃度が第3の濃度以上であった場合(ステップSA−6、Yes)、制御部7は、警報処理部72を介して警報出力部6に第3の警報を出力させると共に(ステップSA−9)、シャッター制御部71を介して開閉機31を動作させ、シャッター3を全開状態にさせる(ステップSA−10)。シャッター3を全開状態とすることにより、最大限の換気性が確保される。その後、制御部7はステップSA−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。ここで、第3の濃度は、吸気すると即座に致命的な状態に至る可能性が高く、緊急に換気が必要となるレベルの濃度として設定されている。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、COセンサ5によって検出されたCOの濃度に応じて、制御部7がシャッター3の開放幅を換気性を確保するために必要な幅に制御するので、防犯性を確保しつつ、必要な換気性を得ることができる。
また、CO濃度が第1の濃度以上であった場合には、制御部7は開放幅が第1の幅となるようにシャッター3を位置させるので、ガレージ2内部への不審者の侵入や、当該ガレージ2に保管されている自動車の盗難等を抑止しつつ、十分な換気性を確保することができる。
特に、第1の幅を25cmとすることにより、ガレージ2内部への不審者の侵入を困難とすることができ、且つ、十分な換気性を確保することができる。
また、CO濃度が第1の濃度よりも低い第2の濃度以上となった場合、制御部7は換気扇4を動作させるので、CO濃度が低い場合においてはシャッター3を全閉状態として高い防犯性を維持しつつ、必要な換気性を確保できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、物体検出センサを備えた形態である。
なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(監視領域の開閉システムの構成−物体検出センサ)
本実施の形態2における、監視領域の開閉システム1について説明する。図5は、本実施の形態2に係る監視領域の開閉システム1の電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。本実施の形態2では、監視領域の開閉システム1は物体検出センサ9を備えている。この物体検出センサ9は、シャッター3の動作範囲に存在する物体を検出する検出手段である。なお、物体検出センサ9による物体の検出方法任意であり、例えば赤外線、超音波、マイクロ波振動等を利用して物体の検出を行わせることができる。これらの検出方法の詳細については公知の技術であるので説明を省略する。
(監視領域の開閉システムの構成−検出処理部)
本実施の形態2における検出処理部70は、COセンサ5から入力された信号出力に基づく処理に加えて、物体検出センサ9から入力された信号出力に基づき、シャッター3の動作範囲における物体の有無の判定を行い、当該判定結果に基づいて処理を行う。
(監視領域の開閉システムにおけるシャッターの制御)
次に、本実施の形態2における、監視領域の開閉システム1におけるシャッター3の制御について説明する。図6は制御部7が実行するシャッター3の開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、ステップSB−1からSB−10は、上述のステップSA−1からSA−10までと同様であるので、説明を省略する。
ステップSB−8においてシャッター3の開放幅が25cmとされた後、あるいは、ステップSB−10においてシャッター3が全開状態とされた後、制御部7は、物体検出センサ9から入力された信号に基づき、検出処理部70を介してシャッター3の動作範囲における物体の有無を監視する。その結果、シャッター3の動作範囲に物体の存在が検出された場合(ステップSB−11、Yes)、制御部7はガレージ2の内部に対する侵入の可能性があるものと判断し、警報処理部72を介してその旨を示す第4の警報を警報出力部6に出力させる(ステップSB−12)。第4の警報を出力した後、あるいは物体の存在が検出されなかった場合(ステップSB−11、No)、制御部7はステップSB−2に戻り、再度CO濃度の判定を行う。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、換気性を確保するためにシャッター3を開放させている場合において、物体検出センサ9を用いてシャッター3の動作範囲における物体を検出させると共に、物体検出時には警報を出力させることができる。これにより、必要な換気性を確保しつつ、ガレージ2に対する不審者の侵入を通報することができ、防犯性を高めることができる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(ガス検出手段について)
上述の各実施の形態においては、ガス検出手段としてCOセンサを用いた場合を説明したが、COセンサに限らず、ニオイセンサ、NOxセンサ、Oセンサ、COセンサ等を用いて空気清浄度を検出させ、検出値に応じてシャッター3を制御してもよい。
(シャッターについて)
上述の各実施の形態においては、シャッター3がスラットを吊り上げる形態のシャッターである場合を例示して説明したが、観音開きタイプや、スラットを巻き取らずにそのまま天井内にスライドして格納するタイプのシャッターを用いてもよい。
(物体検出センサについて)
上述の実施の形態2においては、監視領域の開閉システム1は物体検出センサ9を備えているが、当該物体検出センサ9を、シャッター3による挟み込み防止のためのセンサとして共用するように構成してもよい。これにより、COが検出されていない通常状態でのシャッター3の開閉時において物体検出センサ9によりシャッター3の動作範囲に物体が検出された場合、制御部7によってシャッター3の動作を緊急停止させ、安全を確保させることができる。
この発明に係る監視領域の開閉システムは、ガレージ等の監視領域を遮蔽するシャッター等の遮蔽体を開閉するための、監視領域の開閉システムに適用でき、十分な換気性と防犯性とを両立可能な監視領域の開閉システムに有用である。
監視領域の開閉システムの外観を示す斜視図である。 図1に示した監視領域の開閉システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。 ガレージの内部におけるCO濃度の時間変化を示したグラフである。 制御部が実行するシャッターの開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。 監視領域の開閉システムの電気的構成を機能概念的に示したブロック図である。 制御部が実行するシャッターの開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 監視領域の開閉システム
2 ガレージ
2a 前面部
2b 壁面部
2c 屋根部
3 シャッター
4 換気扇
5 COセンサ
6 警報出力部
7 制御部
8 操作部
9 物体検出センサ
30 スラット
31 開閉機
32 エンコーダ
33 ガイドレール
34 巻取りシャフト
70 検出処理部
71 シャッター制御部
72 警報処理部
73 換気扇制御部

Claims (5)

  1. 監視領域に対して開閉自在に設置された遮蔽体と、
    前記監視領域における検出対象ガスを検出するガス検出手段と、
    前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて、前記遮蔽体の位置制御を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする監視領域の開閉システム。
  2. 前記制御手段は、前記遮蔽体によって前記監視領域が閉鎖されている場合において、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が第1の濃度以上であった場合、前記監視領域に対する前記遮蔽体の開放幅が第1の幅となるように、当該遮蔽体を位置させること、
    を特徴とする請求項1に記載の監視領域の開閉システム。
  3. 前記第1の幅を、人体通過可能な最少幅より狭くしたこと、
    を特徴とする請求項2に記載の監視領域の開閉システム。
  4. 前記監視領域の換気を行う換気手段を備え、
    前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度が前記第1の濃度よりも低い第2の濃度以上であった場合、前記換気手段を動作させること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の監視領域の開閉システム。
  5. 前記遮蔽体の動作範囲に存在する物体を検出する物体検出センサを備え、
    前記制御手段は、前記ガス検出手段によって検出された前記検出対象ガスの濃度に基づいて前記遮蔽体の位置制御を行った場合において、前記物体検出センサによって前記遮蔽体の動作範囲に物体が検出された場合、当該物体が検出された旨を示す警報信号を出力すること、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の監視領域の開閉システム。
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