JP2006241513A - 磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面が高い平滑性となると共に、優れた耐衝撃性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 Mg:7質量%以上15質量%以下、Si:0.005質量%以上0.1質量%以下、Fe:0.005質量%以上0.1質量%以下、Cr:0.02質量%以上0.35質量%以下を含み、さらに、Cu:0.01質量%以上0.2質量%以下、Zn:0.01質量%以上0.4質量%未満のうち少なくとも1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、Al−Fe系金属間化合物が最大長さ7μm以下のものからなり、かつ、Mg−Si系金属間化合物が最大長さ4μm以下のものからなる磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法に関する。より詳しくは、下地処理層としてNiPメッキ膜を形成し、ここに磁性膜を付着させてなる形式の磁気ディスクに使用されるアルミニウム合金基板およびその製造方法に関する。
一般的に、外部記録装置の一つである磁気ディスク装置(Hard Disk Drive)は、情報を記録(保存)するための磁気ディスクと、磁気ディスクに情報を書き込みまたは再生するための磁気ヘッドとを備えている。
そして、磁気ディスク用基板としては、軽量および非磁性であるとともに、加工性が優れていることから、アルミニウム合金基板が使用されている。しかしながら、アルミニウム合金基板単独では、磁気ディスク用基板として必要とされる表面の硬度が得難いといった側面がある。
このため一般的には、アルミニウム合金基板の表面にNiPメッキ膜を約10μmの厚さに形成したものが、磁気ディスク用基板として使用されている。このような磁気ディスク用基板は、次のようにして作製されている。
まず、アルミニウム合金を溶解、鋳造(例えば、半連続鋳造法(DC鋳造法:Direct Chill Casting))、均質化熱処理、熱間圧延、冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する。そして、作製されたアルミニウム合金板をプレスにより所定の円環状基板に打ち抜く。次に、円環状基板内の加工残留応力除去および平坦度の向上のために、打ち抜かれた複数枚の円環状基板を高平坦度のスペーサ間に積み付けし、全体を加圧しながら焼鈍する(加圧焼鈍)。一般に、この加圧焼鈍した円環状基板をブランクという。その後、ブランクの内周縁および外周縁の端面に対し、所定の端面加工を施す。
そして、端面加工が施されたブランクを、ブランク表面の切削加工、或いは両面研削機に予めセットされたキャリアのポケット内にセットし、砥石により目標の板厚になるまで研削加工してアルミニウム合金基板を作製する。その後、さらに、アルミニウム合金基板の表面に、無電解NiPメッキ処理によりNiPメッキ膜を形成し、その表面を研磨することによって、磁気ディスク用基板が作製される。
そして、一般的な磁気ディスクでは、前記磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜上に、磁気特性を高めるための下地膜、Co基合金からなる磁性膜、および磁性膜を保護するためのCからなる保護膜をスパッタリングにより形成し、磁気ディスクとしている。
近時、磁気ディスク装置を構成する磁気ディスクおよび磁気ヘッドの性能は大幅に向上し、近い将来には、面記録密度200Gb/in2が達成されようとしている。そして、磁気ディスクの記録密度を高めるためには、磁気ヘッドが磁気ディスク上を低浮上量で安定浮上する必要がある。そのためには、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面が高平滑性である必要がある。また、高平滑性と共に、磁気ディスクの耐衝撃性向上のために、磁気ディスク用基板の高強度化(高硬度化)も望まれるようになってきた。
従来、特許文献1では、磁気ディスク用基板の作製に使用されるアルミニウム合金として、JIS規定の5086合金の成分組成を所定範囲に限定したアルミニウム合金が提案されている。また、特許文献2では、アルミニウム合金成分のうちで、特にSi含有量を少量に限定した磁気ディスク用アルミニウム合金基板が提案されている。
特開平1−225739号公報(第2頁左上欄第15〜19行目、右下欄第2〜16行目、第5頁8〜12行目) 特開平11−140577号公報(段落番号0004、0023)
しかしながら、従来のアルミニウム合金または磁気ディスク用アルミニウム合金基板においては、以下のような問題がある。
第1に、特許文献1のアルミニウム合金においては、Fe:0.1質量%以下、Si:0.1質量%以下と、FeおよびSiの含有量が多く、作製されるアルミニウム合金板の表面には、最大長さが7μmを超える粗大なAl−Fe系金属間化合物、および、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が存在している。
そのため、前記アルミニウム合金板を使用して磁気ディスク用基板を作製すると、アルミニウム合金基板の表面に無電解NiPメッキ処理を行なう際に、そのメッキ前処理で、Al−Fe系金属間化合物は溶解し、アルミニウム合金基板の表面に窪みが生じる。そして、Al−Fe系金属間化合物が最大長さが7μmを超える粗大なものであるため窪みが大きく、無電解NiPメッキ処理により窪みが埋まりきらずにNiPメッキ膜表面にピットが生じ、作製される磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性が低下する。
また、Mg−Si系金属間化合物は、メッキ前処理で、Mgのみが溶解し、Siが残存する。そして、無電解NiPメッキ処理において、残存したSi上ではNiPメッキ膜が成長しないため、アルミニウム合金基板とNiPメッキ膜との密着性が悪くなる。そのため、無電解NiPメッキ処理の後に行われる磁性膜成膜時などの加熱で、NiPメッキ膜の表面にフクレを生じ、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性が低下する。
また、アルミニウム合金中のSi濃度が増加すると、アルミニウム合金板からなるブランクの研削性が悪化し、ブランクの表面を鏡面加工(切削あるいは研削加工、又は切削加工後に研削加工)して、アルミニウム合金基板を作製するのに長時間を要する。
さらに、特許文献2の磁気ディスク用アルミニウム合金基板においては、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の作製に使用されるアルミニウム合金中のSi含有量が少量であるため、前記のMg−Si系金属間化合物の発生は少ないものの、Si含有量の低減化には高純度地金が必要となり、製造コストが高くなる。
第2に、磁気ディスク用基板の高強度化(高硬度化)のためには、磁気ディスク用基板の作製に使用されるアルミニウム合金が、アルミニウム合金板の強度(硬度)向上に寄与するMgを多く含有する必要がある。しかしながら、特許文献1においてはMg含有量が2.0〜6.0質量%、特許文献2においてはMg含有量が3.5〜5.0質量%と、特許文献1、2共にMg含有量が低いため、作製されたアルミニウム合金板は強度(硬度)が低いものである。
そのため、特許文献1、2においてMg含有量を増加することが検討されたが、アルミニウム合金板の作製には、前記したようにDC鋳造法が使用されるため、Mgの含有量を増加して鋳塊を作製すると、次工程の熱間圧延時に、圧延板の端部割れ(耳割れ)が発生する。したがって、アルミニウム合金においてMg含有量を増加することができなかった。
DC鋳造法は、図3に示すような鋳造装置20が用いられ、底部が開放された金属製の水冷鋳型21に、上方よりアルミニウム合金溶湯Mを注入し、水冷鋳型21の底部より凝固したアルミニウム合金を連続的に取り出し、所定長さの鋳塊26を得るものである。このとき、アルミニウム合金溶湯Mは、桶22からノズル23、フロート24およびグラススクリーン25を介して水冷鋳型21に供給される。水冷鋳型21に供給されたアルミニウム合金溶湯Mは、冷却水Wで冷却された水冷鋳型21の内壁面に接することにより凝固し凝固殻27となる。さらに、水冷鋳型21の下部から冷却水Wが、直接、凝固殻27の表面に噴射され、連続的に鋳塊26が製造される。
したがって、DC鋳造法では、鋳塊26の板厚が厚く(板厚500mm程度)、冷却速度が遅いため(0.5〜3℃/秒程度)、鋳塊26内に発生したAl−Fe系金属間化合物、およびMg−Si系金属化合物が粗大化しやすい。また、次工程の熱間圧延での加工率が大きいため、熱間圧延時に圧延板の端部割れ(耳割れ)が発生しやすい。また、作製されるアルミニウム合金板の表面に、最大長さ7μmを超える粗大なAl−Fe系金属間化合物、および最大長さ4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が存在することとなり、前記したように、NiPメッキ膜表面にピット、フクレが生じ、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性が低下する。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面が高い平滑性を有すると共に、優れた耐衝撃性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、請求項1の発明は、Mg:7質量%以上15質量%以下、Si:0.005質量%以上0.1質量%以下、Fe:0.005質量%以上0.1質量%以下、Cr:0.02質量%以上0.35質量%以下を含み、さらに、Cu:0.01質量%以上0.2質量%以下、Zn:0.01質量%以上0.4質量%未満のうち少なくとも1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、Al−Fe系金属間化合物が最大長さ7μm以下のものからなり、かつ、Mg−Si系金属間化合物が最大長さ4μm以下のものからなる磁気ディスク用アルミニウム合金基板として構成したものである。
前記構成によれば、アルミニウム合金基板のMg、Si、Fe、Crの含有量、およびAl−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金基板の表面に析出する金属間化合物(Al−Fe系、Al−Cr系、Al−Mg系、Mg−Si系等)のサイズ、個数が少なくなる。その結果、ブランクの研削加工処理、または、アルミニウム合金基板の無電解NiPメッキ処理のメッキ前処理で、金属間化合物が脱落または溶解することが少なくなり、また、脱落または溶解してもその痕(窪み)のサイズが極めて小さく、個数も少ないものとなる。
また、Mgの含有量を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金基板の強度が向上し、Crの含有量を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金板(鋳造組織)に微細な化合物として析出し、結晶粒成長が抑制され、鋳造組織が安定化(均質化)する。さらに、Cu、Znの含有量を所定範囲に限定することによって、Cu、Znがアルミニウム合金板中に均一に固溶し、アルミニウム合金基板のNiPメッキ性が改善される。
また、請求項2の発明は、前記アルミニウム合金が、さらにTi:0.005質量%を超え0.1質量%以下を含む磁気ディスク用アルミニウム合金基板として構成したものである。前記構成によれば、Tiの含有量を所定範囲に限定することによって、鋳造組織がさらに微細化、均質化する。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金の溶湯から薄板連続鋳造により、板厚50mm以下のアルミニウム合金板を作製する第1工程と、前記アルミニウム合金板を円環状に打ち抜き、加圧焼鈍を行ってブランクを作製する第2工程と、前記ブランクの表面を鏡面加工してアルミニウム合金基板を作製する第3工程とを含む磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法として構成したものである。
前記構成によれば、アルミニウム合金のMg、Si、Fe、Crの含有量を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金板の表面に析出する金属間化合物(Al−Fe系、Al−Cr系、Al−Mg系、Mg−Si系等)のサイズ、個数が少なくなる。その結果、ブランクの研削加工処理、または、アルミニウム合金基板の無電解NiPメッキ処理のメッキ前処理で、金属間化合物が脱落または溶解することが少なくなり、また、脱落または溶解してもその痕(窪み)のサイズが極めて小さく、個数も少ないものとなる。
また、Mgの含有量を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金基板の強度が向上し、Crの含有量を所定範囲に限定することによって、アルミニウム合金板の鋳造組織が安定化(均質化)する。さらに、Cu、Znの含有量を所定範囲に限定することによって、Cu、Znがアルミニウム合金板中に均一に固溶し、アルミニウム合金基板のNiPメッキ性が改善される。
また、アルミニウム合金の溶湯を薄板連続鋳造することによって、鋳造の際の冷却速度が速くなり、アルミニウム合金板に発生するAl−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物等が微細化する。
また、請求項4の発明は、前記第1工程の薄板連続鋳造が、相対するロールを用いて、前記溶湯を回転する前記ロールの外周面間に供給して、前記ロールを冷却することにより、アルミニウム合金板を作製するものである磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法として構成したものである。前記構成によれば、鋳造の際の冷却速度がより一層速くなり、アルミニウム合金板に発生するAl−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物等がより一層微細化する。
本発明によれば、アルミニウム合金板の表面に析出する金属間化合物が少なく、また、組織(鋳造組織)が微細化、安定化(均質化)されると共に、アルミニウム合金基板にピット等の表面欠陥が発生せず、また、NiPメッキ性も改善され、かつ、強度(硬度)も向上する。そのため、高い平滑性、優れた耐衝撃性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金基板を提供することが可能となる。また、高い平滑性、優れた耐衝撃性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金基板が製造される。
以下、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板(以下、アルミニウム合金基板と称す)について説明し、その後でアルミニウム合金基板の製造方法について説明する。
(1)アルミニウム合金基板
本発明のアルミニウム合金基板は、所定範囲のMg、Si、Fe、Crを含み、さらに、所定範囲のCu、Znのうち少なくとも1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、Al−Fe系金属間化合物が最大長さ7μm以下のものからなり、かつ、Mg−Si系金属間化合物が最大長さ4μm以下のものからなる。以下、各構成の所定範囲の限定理由ついて詳細に説明する。
〔Mg:7質量%以上15質量%以下〕
Mgは、アルミニウム合金板の強度向上に有効な元素である。Mgの含有量が7質量%未満では、アルミニウム合金板が十分な強度(耐力、硬度)を有さず、作製される磁気ディスク用基板の耐衝撃性が低下する。また、Mgの含有量が15質量%を超えると、粗大なAl−Mg系金属間化合物が生じ、NiPメッキ膜表面のピット、フクレの原因になる。よって、Mgの含有量は7質量%以上15質量%以下の範囲とする。
〔Si:0.005質量%以上0.1質量%以下〕
Siは、通常、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入するものであり、アルミニウム合金板を鋳造する工程(後記第1工程)等において、アルミニウム合金板の表面にMg−Si系金属間化合物を生じさせる。Siの含有量が0.1質量%を超えると、4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物がアルミニウム合金板表面に生じる。そして、このアルミニウム合金板を使用してアルミニウム合金基板を作製すると、この粗大なMg−Si系金属間化合物は、ブランクの研削加工などの所謂鏡面加工時(後記第3工程)に、ブランク表面から脱落し、また、アルミニウム合金基板のメッキ前処理において、アルミニウム合金基板から溶解し、アルミニウム合金基板に窪みが生じ、NiPメッキ膜表面にピットを発生させ、平滑性を低下させる原因となる。それと共に、Mgのみが溶解し、Siが溶け残った場合も、メッキ前処理のジンケート工程で、Si上では亜鉛の置換反応が起こらないため、無電解NiPメッキ処理でもSi上にNiPメッキ膜が成長せず、NiPメッキ膜の密着性不足が生じ、磁性膜成膜時などの加熱によりNiPメッキ膜にフクレを生じ、平滑性を低下させる。また、Siの含有量が0.005質量%未満であると、地金が高純度となり、コストが高くなってしまう。よってSiの含有量は0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲とする。
〔Fe:0.005質量%以上0.1質量%以下〕
Feも、通常、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入し、アルミニウム合金板を鋳造する工程(後記第1工程)等において、アルミニウム合金板の表面にAl−Fe系金属間化合物を生じさせる。このAl−Fe系金属間化合物は、メッキ前処理において、アルミニウム合金基板から溶解し、アルミニウム合金基板に窪みが生じ、NiPメッキ膜表面にピットを発生させる原因となる。Feの含有量が0.1質量%を超える場合には、最大長さ7μmを超えるサイズのAl−Fe系金属間化合物が増加し、ブランクの研削加工などの所謂鏡面加工時(後記第3工程)にブランク表面から脱落し、アルミニウム合金基板に窪みが生じ、NiPメッキ膜表面にピットを発生させる。また、Feの含有量が0.005質量%未満であると、地金が高純度となり、コストが高くなってしまう。よってFeの含有量は0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲とする。
〔Cr:0.02質量%以上0.35質量%以下〕
Crは、アルミニウム合金板を鋳造する工程(後記第1工程)において、アルミニウム合金板(鋳造組織)に微細な化合物として析出し、結晶粒成長を抑制し組織を均質化(安定化)する効果がある。また、第1工程(鋳造)の後に、焼鈍処理を伴う冷間圧延を行う場合にも、結晶粒成長を抑制し、再結晶粒の異常成長を抑制し組織を均質化(安定化)する効果がある。Crの含有量が0.02質量%未満では前記の効果が期待できない。また、Crの含有量が0.35質量%を超えると、結晶粒を安定化する効果が大きすぎるため、鋳造工程、焼鈍工程において、等軸な再結晶組織とならず、取出方向(圧延方向)に伸びた変形組織が残存した組織となるため、組織の異方性が大きくなり、NiPメッキ膜表面の平滑性が悪化する。それと共に、初晶として粗大なAl−Cr系金属間化合物が晶出し、アルミニウム合金基板作製時の研削加工などの所謂鏡面加工(後記第3工程)等で脱落し、NiPメッキ膜表面のピットの原因となる。よって、Crの含有量は、0.02質量%以上0.35質量%以下の範囲とする。
〔Cu:0.01質量%以上0.2質量%以下〕
Cuは、アルミニウム合金基板のNiPメッキ性改善のために有効な元素である。Cuはアルミニウム合金板中に均一に固溶し、メッキ前処理のジンケート工程において、ジンケート浴中のZnイオンがアルミニウム合金基板の表面へ均一に微細析出する効果を有する。これによってNiPメッキ膜表面のノジュールの発生を抑制することができる。Cuの含有量が0.01質量%未満では、前記の効果が期待できない。また、Cuの含有量が0.2質量%を超えると、メッキ前処理において、粒界にCuが析出して粒界部が過エッチングを受け、NiPメッキ膜表面のノジュールの発生が多大となる。よって、Cuの含有量は0.01質量%以上0.2質量%以下の範囲とする。
〔Zn:0.01質量%以上0.4質量%未満〕
Znも、アルミニウム合金基板のNiPメッキ性改善のために有効な元素である。ZnもCuと同様、アルミニウム合金板中に均一に固溶し、ジンケート工程において、ジンケート浴中のZnイオンがアルミニウム合金基板の表面へ均一に微細析出する効果を有する。また、含有量の増加に伴いZnがアルミニウム合金基板中に均一に析出してメッキ前処理時の酸エッチング工程でのエッチング起点、及びジンケート工程時のZnイオン析出拠点になる。このため、結晶粒による段差を抑制する効果を有する。Znの含有量が0.01質量%未満では、前記の効果が期待できない。また、Znの含有量が0.4質量%以上であると、Znの析出核が大きくなるのに伴って、メッキ前処理時に形成されるエッチングピットも大きくなり、NiPメッキ膜表面のピットの原因となる。よって、Znの含有量は0.01質量%以上0.4質量%未満の範囲とする。
〔不可避的不純物〕
不可避的不純物は、例えば、Ti、V、B等である。不可避的不純物の含有量は、それぞれ0.005質量%以下であって、その範囲内であれば、本発明のアルミニウム合金基板の特性に影響しない。
〔Al−Fe系金属間化合物は、最大長さ7μm以下のものからなる〕
Al−Fe系金属間化合物は、前記したように、ブランクの鏡面加工時に脱落、メッキ前処理において溶解することによって、NiPメッキ膜表面にピットを発生させる原因となる。よって、Al−Fe系金属間化合物は、最大長さ7μm以下のものからなる。したがって、後記する実施例にて測定する最大長さ7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度は、0個/mm2である。
〔Mg−Si系金属間化合物は、最大長さ4μm以下のものからなる〕
Mg−Si系金属間化合物は、前記したように、ブランクの鏡面加工時に脱落、メッキ前処理において溶解すると共に、Mgのみが溶解しSiが溶け残る。残ったSi上では、NiPメッキ膜が成長しないため、粗大なSiが残った場合、NiPメッキ膜がつかず、NiPメッキ膜表面のピットの原因になる。あるいは、周囲からNiPメッキ膜で覆われる際に、NiPメッキ液を取り込み、磁性膜成膜時のスパッタリング工程で加熱された際、NiPメッキ膜にフクレを生じる原因になる。よって、Mg−Si系金属間化合物は、最大長さ4μm以下のものからなる。したがって、後記する実施例にて測定する最大長さ4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度は、0個/mm2である。
また、本発明のアルミニウム合金基板は、前記アルミニウム合金に、さらに所定範囲のTiを含むアルミニウム合金から構成されたアルミニウム合金板であってもよい。
〔Ti:0.005質量%を超え0.1質量%以下〕
Tiは、アルミニウム合金板を鋳造する工程(後記第1工程)において、結晶粒成長を抑制し組織を微細化する効果がある。また、第1工程(鋳造)の後に、焼鈍処理を伴う冷間圧延を行う場合にも、結晶粒成長を抑制し、再結晶粒の異常成長を抑制し組織を微細化する効果がある。Tiの含有量が0.005質量%以下では前記の効果が期待できない。また、TiはTiBとしてアルミニウム合金に添加され、Tiの含有量が0.1質量%を超えると、このTiBの凝集物が発生し、アルミニウム合金基板作製時の研削加工などの所謂鏡面加工(後記第3工程)等で脱落し、NiPメッキ膜表面のピットの原因となる。よって、Tiの含有量は、0.005質量%を超え0.1質量%以下の範囲とする。
(2)アルミニウム合金基板の製造方法
本発明のアルミニウム合金基板の製造方法は、前記アルミニウム合金の溶湯から薄板連続鋳造によりアルミニウム合金板を作製する第1工程と、アルミニウム合金板からブランクを作製する第2工程と、ブランクからアルミニウム合金基板を作製する第3工程とを含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
〔第1工程〕
まず、化学成分の含有量を所定範囲に限定したアルミニウム合金を溶解し、溶湯を作製する。各成分の含有量を数値限定した理由については、前記と同様である。
次に、その溶湯から薄板連続鋳造、すなわち、溶湯を回転する回転鋳型に供給して、回転鋳型を冷却することにより、板厚50mm以下のアルミニウム合金板を作製する。板厚を50mm以下とした理由は、板厚50mmを超えるとアルミニウム合金板の冷却速度の向上が少なくなり(冷却速度が遅くなる)、Al−Fe系金属間化合物およびMg−Si系金属間化合物の微細化の作用が低下するからである。
薄板連続鋳造の方法としては、例えば、双ロール鋳造法、ベルト鋳造法、単ロール鋳造法、ブロック鋳造法等が挙げられる。以下、詳細に説明する。なお、図1(a)、(b)は双ロール鋳造法に使用される鋳造装置の概略を示す模式図、図2はベルト鋳造法に使用される鋳造装置の概略を示す模式図である。
(a)双ロール鋳造法
双ロール鋳造法は、回転鋳型として相対するロールを使用する鋳造方法であって、図1(a)、(b)に示すように、一対のロール2、2と、その一対のロール2、2の間に設けられたサイド堰3と、ロール2、2を冷却する冷却装置(冷却管、冷却ノズル)6とを備えた鋳造装置1a、1bが用いられる。そして、注湯ノズル4を介してサイド堰3に溶湯Mを供給し、この溶湯Mをサイド堰3の底部から回転するロール2、2の外周面間に供給し、供給直後からロール2、2を冷却することによって、溶湯Mから、直接、板厚3〜10mm程度のアルミニウム合金板5が連続的に鋳造される。
ここで、サイド堰3は、図1(a)に示すようにロール2、2端面に押し付けられた形態、図1(b)に示すようにロール2、2周面上に押し付けられた形態のいずれでもよく、サイド堰3も複数に分割された形態であってもよい。また、アルミニウム合金板5の鋳造方向は、図1(a)、(b)では垂直方向であるが、水平方向、斜め(傾斜)方向であってもよく、溶湯Mが上方から供給されているが、溶湯Mを下方から供給してもよい。さらに、相対するロール2、2は、図1(a)、(b)では一対であるが、鋳造方向に複数対のロール2、2を設けてもよい。なお、双ロール鋳造法でのアルミニウム合金板5の冷却速度は200〜1000℃/秒となる。
さらに、冷却装置によるロールの冷却方法としては、図1(a)、(b)のように、ロール2の内方に冷却管6等を配し、この冷却管6等を介して、ロール2の内周面に冷却水Wを噴射して冷却する方式等が採用される。また、図示しないが、ロールとそのロール内方に配したコア胴との間に設けた流路に冷却水を導入して、ロールを内方から冷却する方式でもよい。
(b)ベルト鋳造法
ベルト鋳造法は、回転鋳型として相対するベルトを使用する鋳造方法であって、図2に示すように、2対のロール13、13と、各対のロール13、13に掛け渡されたループ状のベルト11と、そのベルト11を冷却する冷却装置(冷却ノズル)17とを備えた鋳造装置10が用いられる。そして、溶湯Mを樋12に供給し、この溶湯Mを樋12の側部のノズル16から回転するベルト11、11間に供給し、供給直後からベルト11、11を冷却ノズル17等から噴射された冷却水Wで冷却することによって、溶湯Mから、直接、板厚15〜25mm程度のアルミニウム合金板15が連続的に鋳造される。ここで、アルミニウム合金板15の鋳造方向は、図2では水平方向であるが、垂直方向、斜め(傾斜)方向であってもよい。また、ベルト11、11によるアルミニウム合金板15の移送を安定化させるために、バックアップロール14、14・・・をロール13、13間に設けてもよい。なお、ベルト鋳造法でのアルミニウム合金板15の冷却速度は5〜300℃/秒となる。
(c)単ロール鋳造法
単ロール鋳造法は、回転鋳型として1つのロールを使用する鋳造方法であって、図1(a)、(b)の鋳造装置1a、1bの一対のロール2、2の代わりに、1つのロール2で鋳造する鋳造装置(図示せず)を用いる。そして、ロール2に接して配されたサイド堰3内の溶湯Mを、ロール2の側方に引き出して冷却凝固させて、アルミニウム合金板5を連続的に鋳造する。また、回転鋳型としてホイールおよびベルトを使用したプロペルチ鋳造法も単ロール鋳造法の1つとして挙げることができる。プロペルチ鋳造法には、溝付きホイールとその溝を塞ぐベルトとを備えた鋳造装置(図示せず)が用いられる。そして、溝に溶湯を供給し、供給直後からベルト側を水冷することによって、溶湯から、直接、板厚50mm以下程度のアルミニウム合金板が連続的に鋳造される。なお、プロペルチ鋳造法でのアルミニウム合金板の冷却速度は、前記(a)双ロール鋳造法の冷却速度と(b)ベルト鋳造法の冷却速度との中間程度の冷却速度となる。
(d)ブロック鋳造法
ブロック鋳造法は、回転鋳型としてブロックを使用する鋳造方法であって、図2の鋳造装置10のベルト11の代わりに、多数個のブロックをループ状に連結したブロックチェーンを使用して鋳造する鋳造装置(図示せず)を用いる。なお、作製されるアルミニウム合金板の板厚は15〜40mm、冷却速度は5〜300℃/秒である。
前記した薄板連続鋳造法(a)〜(d)の中で、(a)双ロール鋳造法が、アルミニウム合金板の冷却速度が最も速いため、アルミニウム合金板に発生するAl−Fe系およびMg−Si系金属間化合物を微細化させる効果が大きく、前記したように、NiPメッキ膜表面にピットが生じにくく、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性が低下することを防止する効果が大きい。したがって、第1工程では、双ロール鋳造法を用いて行うことが好ましい。
また、必要に応じて、前記第1工程(薄板連続鋳造)後に焼鈍および冷間圧延を行ってもよい。焼鈍温度は300〜400℃、冷間圧延率は30〜75%が好ましい。
〔第2工程〕
前記第1工程で作製されたアルミニウム合金板を,打ち抜きプレスにより、例えば、外径20〜96mm,内径3〜25mmの円環状基板に打ち抜く、打ち抜かれた円環状基板を10〜30枚積み重ね,スペーサ―と呼ばれる円筒状の冶具で、両端を挟み、250〜400℃で加圧焼鈍してブランクを作製する。
〔第3工程〕
前記第2工程で作製されたブランクの端面を切削加工し、ブランク表面を切削あるいは研削加工、またはこの組合せにより鏡面加工してアルミニウム合金基板を作製する。
次に、本発明の特許請求の範囲を満たす実施例の効果について、本発明の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
(実施例1〜3)
表1に示す組成を有するアルミニウム合金の溶湯を、実施例1、2では図1(a)の鋳造装置(双ロール鋳造装置)、実施例3では図2に示す鋳造装置(ベルト鋳造装置)に流し、板厚3mmのアルミニウム合金板を鋳造した。その後、冷間圧延して、アルミニウム合金板の板厚を1.0mmに調整した。
(比較例1、6)
表1に示すアルミニウム合金の溶湯を、図3の鋳造装置(DC鋳造装置)に流し、板厚500mmの鋳塊を作製した。作製した鋳塊を面削した後、540℃で8時間加熱して均質化熱処理し、板厚が3mmになるように熱間圧延した。その後、冷間圧延して、板厚が1.0mmのアルミニウム合金板を作製した。
(比較例2〜5、7〜11)
表1に示す組成を有するアルミニウム合金の溶湯を、比較例2、4、5、7〜11では図1(a)の鋳造装置(双ロール鋳造装置)、比較例3では図2に示す鋳造装置(ベルト鋳造装置)に流し、板厚3mmのアルミニウム合金板を鋳造した。その後、冷間圧延して、アルミニウム合金板の板厚を1.0mmに調整した。
実施例1〜3、比較例1〜11のアルミニウム合金板について、以下の方法でAl−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物の個数密度を測定し、その結果を表1に示す。
〔Al−Fe系、Mg−Si系金属間化合物の個数密度〕
アルミニウム合金板の表面をダイヤモンドバイトで切削して鏡面とし、この表面を走査型電子顕微鏡(SEM)のCOMPO像で1000倍の倍率で20視野観察した。観察の結果、マトリックスより白く写る部分をAl−Fe系金属間化合物、黒く写る部分をMg−Si系金属間化合物としてカウントを行った。そして、最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の単位面積当たりの個数(個数密度:個/mm2)と、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の単位面積当たりの個数(個数密度:個/mm2)を計算した。なお、比較例9においては、マトリックスより白く写る部分はAl−Cr系金属間化合物であり、最大長さが7μmを超えるAl−Cr系金属間化合物の単位面積当たりの個数(個/mm2)を計算した。また、Al−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物およびAl−Cr系金属間化合物のいずれの個数密度も、0個/mm2を合格とした。
Figure 2006241513
次に、実施例1〜3、比較例1〜11のアルミニウム合金板を外径95mm、内径25mmの円環状に打抜いた後、所定枚数を積み付け、350℃で3時間加圧焼鈍し、端面加工を行ない、3.5インチタイプのブランクを作製した。その後、ブランク表面を砥石によって、片面10μmで両面研削加工(鏡面加工)して、アルミニウム合金基板を作製した。
こうして作製したアルミニウム合金基板について、AD−68Fで70℃、5minで脱脂を行った後、AD−101Fで68℃、2minで酸エッチングを行い、30%硝酸でデスマットを行った。その後、AD−301F−3Xで20℃、30secでジンケート処理を行った後、一旦、30%硝酸でZnを溶解させた後、再び20℃、15secでジンケート処理を行った。その後、HDX−7G液を使用して、90℃、2hで無電解NiPメッキ処理を行い、10μm厚さ程度のNiPメッキ膜を形成した後、両面を研磨して磁気ディスク用基板を作製した。なお、前記のAD−68F、AD−101F、AD−301F−3XはNiPメッキ前処理液、HDX−7G液はNiPメッキ液で、いずれも上村工業製のものを使用した。
前記のようにして得られたアルミニウム合金板、磁気ディスク用基板を対象として、以下の評価を行った。
〔表面状態〕
前記のアルミニウム合金板の表面状態を目視にて観察した。その際、端部割れ(耳割れ)の発生のないものを「○(良好)」、端部割れ(耳割れ)の発生のあるものを「△(やや不良)」、著しい端部割れ(耳割れ)の発生のあるものを「×(不良)」とした、その結果を表2に示す。
〔耐力〕
前記のアルミニウム合金板でJISZ2241規定の引張試験を行った。ここでは耐力には0.2%耐力を使用した。耐力150MPa以上は「○(良好)」、150MPa未満はアルミニウム合金板(磁気ディスク用基板)の耐衝撃性が低下するために「×(不良)」とした。その結果を表2に示す。
〔ビッカース硬度〕
前記のアルミニウム合金板でビッカース硬度計を用いて表面硬度を測定した。硬度70Hv以上は「○(良好)」、70Hv未満はアルミニウム合金板(磁気ディスク用基板)の耐衝撃性が低下するために「×(不良)」とした。その結果を表2に示す。
〔メッキ面の平滑性〕
前記の磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面と、その磁気ディスク用基板を300℃で1時間加熱した後のNiPメッキ膜表面をSEMにより観察した。その際、いずれのNiPメッキ膜表面にも幅1μm以上のピット、幅1μm以上のフクレまたはメクレ欠陥に起因した疵がないものを「○(良好)」、どちらか一方のNiPメッキ膜表面でピット、フクレまたは疵が生じたものを「×(不良)」とした。その結果を表2に示す。
Figure 2006241513
表1、2に示すように、実施例1〜3は、本発明の特許請求の範囲を満たしているので、アルミニウム合金板の表面状態、耐力およびビッカース硬度が良好で、耐衝撃性に優れるものであった。また、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性も優れるものであった。
比較例1は、本発明と異なる従来のDC鋳造法で鋳造を行ったため、最大長さ7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度が高く、熱間圧延時に著しい端部割れ(耳割れ)が発生した。その結果、磁気ディスク用基板を作製することができなかった。
比較例2、3は、Si、Feの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えているため、最大長さ4μmを超えるMg−Si系金属間化合物および最大長さ7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度が高く、NiPメッキ膜表面にフクレ、疵またはピットが生じ、NiPメッキ膜表面の平滑性が劣るものであった。
比較例4は、Mgの含有量が特許請求の範囲の下限値未満であるため、アルミニウム合金板の耐力、ビッカース硬度が低下し、耐衝撃性に劣るものであった。比較例5は、Cu、Znの含有量が特許請求の範囲の下限値未満であるため、NiPメッキ膜表面にノジュール、粒間段差が生じ、NiPメッキ膜表面の平滑性が劣るものであった。
比較例6は、本発明と異なる従来のDC鋳造法で鋳造を行ったため、最大長さ7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物および最大長さ4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度が高く、熱間圧延時に端部割れ(耳割れ)が発生した。また、NiPメッキ膜表面にピット、フクレまたは疵が生じ、NiPメッキ膜表面の平滑性も劣るものであった。
比較例7は、Mgの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えるため、粗大なAl−Mg系金属間化合物が晶出した。そのため、鋳造後に、450℃で8時間の熱処理を行って、Al−Mg系金属間化合物を固溶させた。しかしながら、Mg量の増加により融点が低下するため,500℃以上に温度を上げることができず、熱処理中にMg−Si系金属間化合物の析出が促進され、その個数密度が高くなった。その結果、NiPメッキ膜表面の平滑性が劣るものであった。
比較例8は、Crの含有量が特許請求の範囲の下限値未満であるため、鋳造組織が安定化(均質化)せず、NiPメッキ膜表面の平滑性が劣るものであった。比較例9は、Crの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えるため、最大長さ7μmを超えるAl−Cr系金属間化合物が多く、NiPメッキ膜表面にピットが発生し、平滑性が劣るものであった。
比較例10は、Cuの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えるため、NiPメッキ膜表面にノジュールが発生し、メッキ面の平滑性が劣るものであった。比較例11は、Znの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えるため、NiPメッキ膜表面にピットが発生し、NiPメッキ膜表面の平滑性が劣るものであった。
(実施例4)
実施例4は、表3に示すように、表1のアルミニウム合金成分にさらにTiを含有したアルミニウム合金の溶湯を、図1(a)の鋳造装置(双ロール鋳造装置)に流し、板厚3mmのアルミニウム合金板を鋳造したものである。その後、冷間圧延して、アルミニウム合金板の板厚を1.0mmに調整した。なお、表3には、参照例として実施例1の成分含有量も合わせて記載した。
(比較例12)
比較例12は、表3に示すアルミニウム合金(Tiの含有量が特許請求の範囲の上限値を超える)を使用した以外は、前記実施例4と同様とした。
実施例4、比較例12のアルミニウム合金板について、前記方法でAl−Fe系金属間化合物、Mg−Si系金属間化合物の個数密度を測定し、その結果を表3に示す。なお、表3には、参照例として実施例1の測定結果を合わせて記載した。
Figure 2006241513
実施例4、比較例12のアルミニウム合金板を、前記実施例1〜3、比較例1〜12と同様にして、ブランク、アルミニウム合金基板、磁気ディスク用基板を作製した。次に、前記した評価方法で、アルミニウム合金板の表面状態、耐力およびビッカース硬度、さらに、磁気ディスク用基板のNiPメッキ膜表面の平滑性を評価し、その結果を表4に示す。なお、表4には、参照例として実施例1の評価結果も合わせて記載した。
Figure 2006241513
表3、4に示すように、実施例4は、本発明の特許請求の範囲を満たしているので、アルミニウム合金板の表面状態、耐力および硬度が良好で、耐衝撃性に優れるものであった。また、磁気ディスク用基板のメッキ面の平滑性も優れるものであった。
比較例12は、Tiの含有量が特許請求の範囲の上限値を超えるため、TiBの凝集物が発生し、メッキ面の平滑性が劣るものであった。
(a)、(b)は、本発明に係る双ロール鋳造法に使用される鋳造装置の概略を示す模式図である。 本発明に係るベルト鋳造法に使用される鋳造装置の概略を示す模式図である。 従来のDC鋳造法に使用される鋳造装置の概略を示す模式図である。
符号の説明
1a、1b、10 鋳造装置
2 ロール(回転鋳型)
3 サイド堰
4 注湯ノズル
5、15 アルミニウム合金板
6 冷却装置(冷却管)
11 ベルト(回転鋳型)
12 樋
13 ロール
14 バックアップロール
16 ノズル
17 冷却装置(冷却ノズル)
M 溶湯(アルミニウム合金溶湯)

Claims (4)

  1. Mg:7質量%以上15質量%以下、Si:0.005質量%以上0.1質量%以下、Fe:0.005質量%以上0.1質量%以下、Cr:0.02質量%以上0.35質量%以下を含み、さらに、Cu:0.01質量%以上0.2質量%以下、Zn:0.01質量%以上0.4質量%未満のうち少なくとも1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、Al−Fe系金属間化合物が最大長さ7μm以下のものからなり、かつ、Mg−Si系金属間化合物が最大長さ4μm以下のものからなることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
  2. 前記アルミニウム合金が、さらにTi:0.005質量%を越え0.1質量%以下を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金の溶湯から薄板連続鋳造により、板厚50mm以下のアルミニウム合金板を作製する第1工程と、
    前記アルミニウム合金板を円環状に打ち抜き、加圧焼鈍を行ってブランクを作製する第2工程と、
    前記ブランクの表面を鏡面加工してアルミニウム合金基板を作製する第3工程とを含む
    ことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法。
  4. 前記第1工程の薄板連続鋳造が、相対するロールを用いて、前記溶湯を回転する前記ロールの外周面間に供給して、前記ロールを冷却することにより、アルミニウム合金板を作製するものであることを特徴とする請求項3に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法。
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