JP2006241471A - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】空洞含有構造に由来する優れた特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)と良好なハンドリング性とを併せ持ったフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂と、当該ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなり、当該ポリエステル樹脂中に粒子状に分散した当該非相溶の熱可塑性樹脂に起因する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、当該非相溶の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むとともに、以下の要件(a)−(c)の全てを満足することを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
(a)見掛け比重:1.3以下
(b)ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径d:15μm以下
(c)リングクラッシュ強度G (単位:kg/mm) とフィルム厚みt(単位:mm)が以下の式を満足する。
G/t>15
【選択図】なし

Description

本発明は、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)および後加工時のハンドリング性の両方を併せ持った空洞含有ポリエステル系フィルムに関する。更に詳しくは、低誘電性に優れかつ良好なハンドリング性(実装性等)を有する、電気絶縁材として好適な空洞含有ポリエステル系フィルム、並びにクッション性に優れかつ良好なハンドリング性(搬送性等)を有する、各種印刷用フィルムとして好適な空洞含有ポリエステル系フィルムに関する。
合成樹脂を主原料とする合成紙は、耐水性、表面光沢、平滑な表面による印刷適性等に優れている点から様々な用途展開が進んでいる。特にポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系樹脂は、合成紙原料の中では耐熱性が高く、剛性が高いという特徴を有し、使用範囲を拡大しつつある。例えば、空洞含有構造に由来する低誘電性を利用し、電気モータ用絶縁材としての活用が検討されている(例えば、特許文献1を参照)。また、空洞含有構造に由来するクッション性により、熱転写印刷用途を始め、各種印刷用フィルムとしても広く利用されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平9−149576号公報 特開昭63−280687号公報
このような用途に用いられる空洞含有ポリエステル系フィルムとしては、ポリエステル樹脂中に無機微粒子を混合して延伸することにより、粒子周辺に空洞を形成したものや、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂等をポリエステル樹脂中に混合して粒子状に分散させ、延伸することにより、粒子周辺に空洞を形成したものが知られている。特に後者は、フィルムを軽量化できる点から広く採用されている。
この空洞形成のために用いられる、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂(以下、空洞形成剤ともいう)としては、ポリプロピレンやポリメチルペンテンに代表されるポリオレフィン系樹脂、またポリスチレン系樹脂、等が提案されている(例えば、特許文献3〜5を参照)。
特開昭49−34755号公報 特公昭49−2016号公報 特公昭54−2955号公報
この中でも、ポリオレフィン系樹脂、特にポリメチルペンテンは優れた空洞形成能を有しており、フィルム内部に効率よく空洞を形成できる点では非常に優れている。その反面、ポリエステル樹脂中への微分散化が困難であり、空洞の粗大化や不均質化が生じやすく、フィルムの可撓性(変形に対するフィルムの追従性)が低下し、ひいてはフィルムのハンドリング性が大きく低下する。具体的には、電動モータ用絶縁材として使用する際の打ち抜き性不良、搬送性不良、機械挿入適性(実装性)不良といった問題を生じてしまう。そして、これらの問題を解決するためには、フィルム中の空洞含有率を制限しなければならず、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)を犠牲にせざるを得ない。
このようなハンドリング性の低下は、上記電気絶縁材としての用途だけではなく、各種印刷方式等での高速ハンドリング時においても、搬送性(給紙不良、紙詰まり等)、しわ位置での印刷不良等の問題を生じる。これらの問題を解決するためには、やはり空洞含有率を制限しなければならず、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)を犠牲にせざるを得ない。
一方、ポリスチレン系樹脂を空洞形成剤として用いた場合には、ポリオレフィン系樹脂と比べてポリエステル樹脂中への微分散化が容易であり、フィルムのハンドリング性は非常に優れたものが得られる。しかし、ポリスチレン系樹脂はポリオレフィン系樹脂よりも空洞形成能が低く、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)を十分に発現させることはできない。
ポリオレフィン系樹脂(例えばポリメチルペンテン)をポリエステル樹脂中へ微分散させる方法もいくつか試みられている。例えば、界面活性剤の使用、ポリエチレングリコールの使用、またはポリエーテルエステル共重合体の使用等の方法が提案されている(例えば、特許文献6〜8を参照)。
特公平7−17779号公報 特開平2−235942号公報 特開平4−264141号公報
確かに、これらの方法によって、空洞の粗大化や不均質化が少なくなって、フィルムの可撓性がある程度向上し、従ってフィルムのハンドリング性がある程度向上する。しかし、界面活性剤を用いる方法では、ポリエステル樹脂とポリオレフィン系樹脂(例えばポリメチルペンテン)との接着性が高くなり、延伸した際の空洞の形成を阻害する。また、ポリエチレングリコールやポリエーテルエステル共重合体を使用する方法では、これらの成分がポリエステル樹脂に対して可塑剤として作用する性質を有しているため、ポリエステル系フィルムが本来の有する剛直性(腰の強さ)を著しく低下させる。そして、剛直性の低下は、フィルムのハンドリング性を逆に低下させるという問題を生じてしまう。また、これらのエーテル成分は容易に酸化劣化し、それ自身がフィルムの着色の原因となったり、場合によってはポリエステル樹脂の劣化を促進してしまうという問題点も有している。
このように、上記の従来技術においては、空洞含有構造に由来する優れた特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)と良好なハンドリング性とを併せ持ったフィルムは得られていない。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、空洞含有構造に由来する優れた特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)と良好なハンドリング性とを併せ持ったフィルムを得ることである。
本発明は、以下の通りである。
(1)ポリエステル樹脂と、当該ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなり、当該ポリエステル樹脂中に粒子状に分散した当該非相溶の熱可塑性樹脂に起因する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、当該非相溶の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むとともに、以下の要件(a)−(c)の全てを満足することを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
(a)見掛け比重:1.3以下
(b)ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径d:15μm以下
(c)リングクラッシュ強度G (単位:kg/mm) とフィルム厚みt(単位:mm)が以下の式を満足する。
G/t>15
(2)ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子のフィルム長手方向に平行な切断面におけるアスペクト比が1〜10であることを特徴とする上記(1)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(3)本文中に規定する座屈限界半径r( 単位:mm) およびフィルム厚み t (単位:mm) とが以下の式を満足することを特徴とする上記(1)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
r/t<25
(4)誘電率が2.9未満であることを特徴とする上記(1)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(5)ポリオレフィン系樹脂がポリメチルペンテンおよび/またはポリプロピレンであることを特徴とする上記(1)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(6)ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂として、さらにポリスチレン系樹脂を含有することを特徴とする上記(5)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(7)フィルム中の、ポリスチレン系樹脂の含有量a(重量%)、ポリメチルペンテンの含有量b(重量%)、およびポリプロピレンの含有量c(重量%)が以下の式を満足することを特徴とする上記(6)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
0.01≦a/(b+c)≦1
c/b≦1
3≦a+b+c≦20
(8)ポリエステル樹脂中の環状3量体の含有量が、フィルム全体重量に対して0.5重量%以下であることを特徴とする上記(1)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(9)電動モータ用絶縁材であることを特徴とする上記(8)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(10)ポリエステル樹脂の極限粘度が0.68〜1.0dl/gであることを特徴とする上記(8)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(11)ポリエステル樹脂が、290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.5重量%以下であるポリエステル樹脂であることを特徴とする上記(8)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
(12)ポリエステル樹脂が、重縮合後チップ状で水処理したポリエステル樹脂であって、当該ポリエステル樹脂は主として芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールを原料としてGe化合物および/またはTi化合物を触媒に用いて得られるものであることを特徴とする上記(8)記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)および後加工時のハンドリング性の両方を併せ持つので、低誘電性およびハンドリング性(実装性等)が要求される電気絶縁材(例えば、電動モータ用絶縁材)として、またクッション性およびハンドリング性(搬送性等)が要求される各種印刷用フィルムとして、大きく寄与することができる。
本発明におけるポリエステル樹脂とは、好ましくは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分の85モル%以上含むポリエステル樹脂であり、特に好ましくは、芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分の90モル%以上含むポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂を構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4' −ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
また前記ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール等の脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂中に共重合して使用される上記以外の酸成分としては、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体;p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸およびそのエステル形成性誘導体;アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂中に共重合して使用される上記以外のグリコール成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール;ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
更にポリエステル樹脂が実質的に線状である範囲内で、多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合してもよい。
前記ポリエステル樹脂の好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステル樹脂であり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステル樹脂である。
また前記ポリエステル樹脂の好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステル樹脂であり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステル樹脂であり、特に好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂、特に主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステル樹脂の極限粘度は、好ましくは0.50〜1.30dl/g、より好ましくは0.55〜1.20dl/g、さらに好ましくは0.60〜0.90dl/gの範囲である。極限粘度が0.50dl/g未満では、得られたフィルムの機械的特性が悪くなるおそれがあり、逆に1.30dl/gを超えると、溶融押出し時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、環状3量体等の低分子量化合物が増加したり、フィルムが黄色に着色する等の問題が起こるおそれがあり、好ましくない。
また前記ポリエステル樹脂、特に主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステル樹脂の極限粘度は、好ましくは0.40〜1.00dl/g、より好ましくは0.42〜0.95dl/g、さらに好ましくは0.45〜0.90dl/gの範囲である。極限粘度が0.40dl/g未満では、得られたフィルムの機械的特性が悪くなるおそれがあり、逆に1.00dl/gを超えると、溶融押出し時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、環状3量体等の低分子量化合物が増加したり、フィルムが黄色に着色する等の問題が起こるおそれがあり、好ましくない。
さらに本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムを電動モータ用絶縁材として用いる場合には、前記ポリエステル樹脂として、主として芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールを原料としてGe化合物または/およびTi化合物を触媒に用いて得られるポリエステル樹脂を用いることが好ましい。この場合の極限粘度は0.68dl/g〜1.0dl/gの範囲、特に0.68dl/g〜0.90dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が0.68dl/g未満では、電動モータ用絶縁材として高温・長期間の使用期間中に著しい強度低下を生じる恐れがあるために好ましくない。極限粘度が1.0dl/gを超えると、ポリマーの溶融押出し成型工程における押出し機への負荷やフィルターの圧損が著しくなり、ポリマー吐出量を大幅に制限する必要が生じる。その結果、メルトライン中での滞留時間が長くなって環状3量体が大量に析出し、電動モータ系への環状3量体の放出によるモータの信頼性低下の原因となるおそれがあるために好ましくない。
更に、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムを電動モータ用絶縁材として用いる場合、ポリエステル樹脂の環状3量体の含有量がフィルム全体重量に対して0.5重量%以下であることが好ましく、0.4重量%以下であることがより好ましい。ここで、ポリエステル樹脂の環状3量体の含有量が、フィルム全体重量に対して0.5重量%を超える場合には、電動モータ系への環状3量体の放出が急激に増加し、モータの信頼性が低下するおそれがあるため好ましくない。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムを電動モータ用絶縁材として用いる場合、ポリエステル樹脂は、290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.5重量%以下であることが好ましく、更には0.2重量%以下であることが好ましい。ここで、環状3量体の増加量が0.5重量%を超える場合には、ポリマーの溶融押出し成型工程における環状3量体の析出量が多くなり、ポリエステル樹脂の環状3量体の含有量をフィルム全体重量に対して0.5重量%以下とすることが困難となるおそれがあるため好ましくない。環状3量体の増加量は後述する方法により測定される。
前記特性を有するポリエステル樹脂は、例えば、ポリエステルチップを処理槽中において処理水で接触処理することにより製造することができる。接触処理の方法としては、水中に浸ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間であり、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルム中の空洞は、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を、ポリエステル樹脂中に混合して粒子状に分散させ、延伸することにより、当該分散粒子とポリエステル樹脂との界面に形成される。
本発明で使用される、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を含むことは必須要件であるが、その他成分としてポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等を含んでいてもかまわない。なお、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの開環重合物、環状オレフィンとその他オレフィンとの共重合ポリマー等が例示されるが、これらに制限されるものではない。
ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の含有量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィルム中、好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜18重量%である。この含有量が3重量%未満の場合は、空洞の生成量を多くすることに限界があり、空洞含有構造に由来する特性(例えば、低誘電性、クッション性、軽量性)を発揮できないおそれがあり、逆に、20重量%を超えると、ポリエステル樹脂が本来有する特性、即ち、フィルムの延伸性、耐熱性、強度、剛直性等が損なわれるおそれがあり、好ましくない。
特に好ましい実施態様として、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを特定の比率、即ち、ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂が0.01〜1で混合して用いる場合が例示され、さらに、ポリオレフィン系樹脂として、ポリメチルペンテンおよびポリプロピレンを用いる、つまり、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテンおよびポリプロピレンを混合して用いることが好ましい。
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のホモポリマーの他、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとのグラフト共重合体等)、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
本発明において、ポリメチルペンテンとは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチルペンテン−1から誘導される単位を含むポリマーであり、他の単位としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1等からの誘導単位が例示される。
本発明において、ポリプロピレンとしては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のホモポリマーの他、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂も含まれる。上記ポリプロピレンは、上記ポリメチルペンテン中に共重合させた状態、即ちプロピレン単位を共重合単位として導入した状態で使用してもよい。
これらの樹脂は特定の比率で混合して用いることが好ましく、フィルム中のポリスチレン系樹脂の含有量a(重量%) 、ポリメチルペンテンの含有量b(重量%) およびポリプロピレンの含有量c(重量%) が以下の式を満足する場合が特に好ましい。
0.01≦a/(b+c)≦1
c/b≦1
3≦a+b+c≦20
ここで、a/(b+c)が0.01未満であると、ポリスチレン系樹脂によるポリオレフィン系樹脂(ポリメチルペンテンおよび/またはポリプロピレン)に対する分散効果が不安定となり、フィルムのムラや可撓性が不良となってハンドリング性が劣るおそれがあり、好ましくない。逆に、a/(b+c)が1を超えると、空洞の生成量を多くすることに限界があり、空洞含有構造に由来する特性(例えば、低誘電性、クッション性、軽量性)を発揮できないおそれがあり、好ましくない。a/(b+c)の値の上限は0.5、下限は0.1が特に好ましい。
同様に、c/bが1を超える場合にも、空洞の生成量を多くすることに限界があるため、好ましくない。c/bの下限は特に限定されないが、0.01未満であると、フィルムのムラや可撓性が不良となってハンドリング性が劣るおそれがあり、好ましくない。c/bの値の上限は0.5、下限は0.1が特に好ましい。
また、a+b+cが3重量%未満であると、空洞の生成量を多くすることに限界があり、空洞含有構造に由来する特性(例えば、低誘電性、クッション性、軽量性)を発揮できないおそれがあり、逆に、a+b+cが20重量%を超えると、ポリエステル樹脂が本来有する特性、即ち、フィルムの延伸性、耐熱性、強度、剛直性等が損なわれてハンドリング性が劣るおそれがあり、好ましくない。a+b+cの上限は18重量%、下限は5重量%が特に好ましい。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルム中に、隠蔽性等を向上させるため、無機または有機の粒子を必要に応じて含有させてもよい。使用可能な粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、有機白色顔料等が例示されるが特に限定されるものではない。これらの粒子は、予めポリエステル樹脂中および/またはポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂中に添加することにより、フィルム内に含有させることができる。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムの製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば、前述の組成からなる混合物をフィルム状に成形して未延伸フィルムとした後、該未延伸フィルムを延伸するという一般的な方法を用いる事が出来る。
未延伸フィルムを延伸・配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。以下では、最も好んで用いられる逐次2軸延伸方法、特に未延伸フィルムを縦方向(長手方向)次いで横方向(幅方向)に延伸する方法を例にとり、延伸・配向条件を説明する。まず、第1段の縦延伸工程では、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。ただし、ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂との界面に空洞を多数発現させるためには、延伸温度をポリエステル樹脂の2次転移温度Tg+50℃以下で3〜5倍に延伸する。次いで1軸延伸フィルムをテンターに導入し、横方向にポリエステル樹脂の融点Tm−10℃以下の温度で2.5〜5倍に延伸する。
このようにして得られた2軸延伸フィルムに対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエステル樹脂の融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは単層であっても、同種または異種の合成樹脂フィルム層を複合した複層構成としてもよい。かかる複合に用いられる合成樹脂フィルム層は、共押出し法によって得られる他、コーティング法、接着剤層等を介するラミネート法によっても形成することが出来る。
また、かかる合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレートまたはポリイミドの1種または2種以上を主成分とするフィルムを用いることができるが、これらに制限されるものではない。
また、前記合成樹脂フィルム層には、必要に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤等を添加することも可能である。また、前述の無機粒子や有機粒子を添加してもよい。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、少なくともそのいずれか一方の表面に塗布層を有していても構わない。そして、塗布層を設けることにより、インキやコーティング剤等の塗れ性や接着性を改良することができる。塗布層を構成する化合物としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂等、通常のポリエステルフィルムの接着性を向上させる手段として開示されている化合物等が適用可能である。
塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップコート方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式等の通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、延伸処理の終了したフィルム表面に塗布する方法等のいずれの方法も可能である。
このようにして得られた空洞含有ポリエステル系フィルムは、空洞含有構造に由来する優れた特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)と良好なハンドリングとを有している。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、見掛け比重が1.3以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.15以下である。見掛け比重が1.3より大きい場合は、フィルムに内在する空洞の量が少な過ぎて、空洞含有構造に由来する特性(例えば、低誘電性、クッション性、軽量性)が不十分となる。見掛け比重の下限は特に制限されるものではないが、見掛け比重が0.8を下回ると、後述する座屈限界半径rを好適な範囲とすることができず、良好なハンドリング性が得られないおそれがあり、好ましくない。本発明においては、見掛け比重を1.3以下とするためには、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の混合量を適宜選択する方法、ポリオレフィン系樹脂を含む、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の組合せを適宜選択する方法、フィルムの製造条件(延伸倍率、延伸温度、熱処理温度等)を適宜選択する方法等が採用できる。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径d(単位:μm)が15μm以下、好ましくは10μm以下である。ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径dが15μmを超えたフィルムでは、分散粒子が粗大化しており、フィルムの可撓性が劣り、よってハンドリング性が劣る。なお、本発明においては、ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径dとは、分散粒子の最大径の平均値をいう。本発明においては、ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径dを15μm以下とするためには、ポリオレフィン系樹脂とともにポリスチレン系樹脂を含有させる方法、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合比率を適宜選択する方法(ポリスチレン系樹脂の比率を大きくすることによってdを小さくすることができる)、フィルムの製造条件においてメルトライン中でのポリマーに加わる剪断履歴を制御する(より大きい剪断を長時間加えることによって、dを小さくすることができる)方法等が採用できる。
さらに、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、リングクラッシュ強度G(単位:kg/mm)とフィルム厚みt(単位:mm)が下記式を満足する。
G/t>15
本発明においては、リングクラッシュ強度Gは、後述する実施例に記載した方法により規定される。G/tが15以下の場合、ポリエステル系フィルムが本来有する剛直性が損なわれ、機械による実装性の向上、荷重下での座屈折れに対する耐性等が不良となって、良好なハンドリング性は得られない。本発明においては、G/tは、好ましくは20以上である。本発明においては、リングクラッシュ強度Gとフィルム厚みtとが上記式を満足するためには、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを特定の比率、即ち、ポリスチレン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂が0.01〜1の割合で混合して用いることによって達成出来る。具体的には、ポリオレフィン系樹脂として、ポリメチルペンテンとポリプロピレンを使用し、前述のとおり、フィルム中のポリスチレン系樹脂の含有量a(重量%) 、ポリメチルペンテンの含有量b(重量%) およびポリプロピレンの含有量c(重量%) が以下の式を満足する場合が特に好ましい。
0.01≦a/(b+c)≦1
c/b≦1
3≦a+b+c≦20
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムが、上記要件(a)〜(c)、(a)見掛け比重が1.3以下であり、(b)ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径dが15μm以下であり、かつ(c)リングクラッシュ強度G (単位:kg/mm) とフィルム厚みt(単位:mm)とが上記式を満足する、を全て満足して初めて、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)を確保しつつ、良好なハンドリング性を有する空洞含有ポリエステル系フィルムを得ることができる。これらのいずれかの1つの要件でも満足しない場合には、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)を確保しつつ、良好なハンドリング性を有する空洞含有ポリエステル系フィルムは得られない。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、フィルム長手方向に平行な切断面における、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子のアスペクト比が1〜10であることが好ましく、更には2〜8であることが好ましい。アスペクト比が10を超えると、空洞の生成量が少なく、見掛け比重を上記範囲とすることが困難となるおそれがある。なお、本発明において、アスペクト比とは、(ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子の長径/短径)の平均値を意味する。本発明においては、アスペクト比を1〜10とするためには、融点あるいはガラス転移点が異なる複数のポリオレフィン系樹脂を適宜組合せて用いる方法、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合比率を適宜選択する方法、フィルムの製造条件において、熱処理温度を適宜選択する(高温で熱処理するほどアスペクト比が大きくなる)方法等が採用できる。
さらに、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、座屈限界半径r(単位:mm)とフィルム厚みt(単位:mm)とが下記式を満足することが好ましい。
r/t<25
本発明においては、座屈限界半径rは、後述する実施例に記載した方法により規定される。r/tが25以上である場合、ポリエステル系フィルム本来の剛直性が損なわれ、機械による実装性の向上、荷重下での座屈折れに対する耐性等が不良となって、良好なハンドリング性は得られないおそれがある。本発明においては、r/tは、より好ましくは20未満である。本発明においては、座屈限界半径rとフィルム厚みtとが上記式を満足するためには、前記ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径dを15μm以下とするための方法と同様の方法、即ち、ポリオレフィン系樹脂とともにポリスチレン系樹脂を含有させる方法、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合比率を適宜選択する方法(ポリスチレン系樹脂の比率を大きくすることによってrを小さくすることができる)、フィルムの製造条件においてメルトライン中でのポリマーに加わる剪断履歴を制御する(より大きい剪断を長時間加えることによって、rを小さくすることができる)方法等が採用できる。
さらに、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、誘電率が、好ましくは2.9未満、より好ましくは2.7以下、最も好ましくは2.6以下である。誘電率が2.9以上であると、電気絶縁材として用いた場合に、漏れ電流の低減効果(標準PETフィルムの漏れ電流に対する減少率)が不十分となるおそれがあり、好ましくない。本発明においては、誘電率を2.9未満とするためには、フィルムの見かけ比重を1.3以下にする必要がある。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、電気絶縁材(例えば、電動モータ用絶縁材、特にハーメテックモータ用絶縁材)、印刷用フィルム(例えば、熱転写用)として、特に有用なフィルムとなる。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の分散剤として、界面活性剤やポリアルキレングリコール、ポリエーテル系樹脂等を必要としないため、耐熱性にも優れており、自己回収原料を再使用しても色調の変化が小さく、フィルム製造時の安定性にも優れている。自己回収原料を再使用する場合の好ましい使用比率は、5〜50重量%である。
また本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、PETボトルからの回収ポリマーあるいは磁気カード、ICカード等からの回収ポリマーも再使用してもよい。
次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
1)見かけ比重
JIS K−7112浮沈法に従った。
2)ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径d
フィルムを1.0g細かく切り出し、これを50mlメスフラスコにいれ、次いで40℃に加温したヘキサフルオロイソプロパノールを加えた。該フラスコを2時間40℃に加熱してフィルムを溶解した。これを0.45μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行い、未溶解物(ポリオレフィン系樹脂粒子)を取りだした。これを乾燥した後、無作為に20点選び、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、1500倍に拡大して、最大径を直径として計測し平均値をdとした。
3)ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子のアスペクト比
フィルムを縦方向に平行に切断し、更にミクロトームで断面の面だしを行い、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子を無作為に50点選び、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて300〜1000倍に任意に拡大して、個々の分散粒子の長径/短径を測定し、その平均値をアスペクト比とした。
4)座屈限界半径r(単位:mm)
フィルムを長手方向/幅方向にそれぞれ2本ずつ10mm×100mmに切り出した。くちばし長が50mm以上あるノギスを用い、フィルムを軽く湾曲させてノギスのくちばしの間にU字型に挿入し、フィルムを挟み押しつぶす方向に寸法を縮めた。フィルムが湾曲に耐え切れず角の発生を伴いながら座屈した時点での曲げ幅をノギスの目盛りで読み取り、その半分値をフィルムの座屈限界半径 r(単位:mm) とした。値は4点の平均をとった。
5)リングクラッシュ強度G
JIS P−8126に示す板紙の圧縮強さ試験方法(リングクラッシュ法)を用いた。
使用試験機:東洋ボールドウィン製万能圧縮/引張り試験機を使用し、フルスケール100kgにてロードセルを使用し荷重値を読み取った。試験速度13mm/minで圧縮した。
試験片支持具:JIS P−8126に示す直径50mm、深さ6.35mmの溝を有するステンレス治具を使用した。
試験片:フィルムを長手方向/幅方向それぞれ2本ずつ長さ152.4mm、幅12.07mmに切り出した。
測定方法:試験片を試験片支持具に挿入し、これを試験機にかけ、試験速度13mm/minで圧縮しながら荷重を読み取った。試験片に座屈が生じた時点の応力を試験片長さ152.4mmで割った値をリングクラッシュ強度G(単位kg/mm) とした。値は4点の平均をとった。
6)フィルム厚みt
Sony Precision Technology Inc.製 Digital Micrometer M−30を使用し、ランダムに20点フィルムの厚みを測定し、その平均値をフィルム厚みt(mm)とした。
7)フィルムのハンドリング性−1(低圧誘導電動機スロット絶縁部分への実装性)
各サンプルを図1に示す大きさに100枚切り出し、これをそれぞれ図2に示す形状に折り曲げて、図3に示すモータースロットモデル3のフィルム挿入部4に挿入し、実装性を評価した。判定基準は次の通り。
○:100枚中で潰れ、折れ曲りによる挿入不良なし
△:100枚中で潰れ、折れ曲りによる挿入不良は5回未満
×:100枚中で潰れ、折れ曲りによる挿入不良は5回以上
8)フィルムのハンドリング性−2(枚葉フィルムの搬送性)
フィルム表面に帯電防止・ブロッキング防止加工を施した後、A6はがきサイズに裁断したサンプルを100枚準備した。このサンプルをオフセット印刷機(テクセル社製AR−010)に供し、搬送テストを実施した。このテストによって生じた折れ、シワ、紙詰まり等による搬送不良発生頻度によってハンドリング性を評価した。
○:100枚中で搬送不良発生なし
△:100枚中で搬送不良発生は5回未満
×:100枚中で搬送不良発生は5回以上
9)誘電率
JIS C 2151−1990「電気用プラスチックフィルム試験方法」に従った。
10)熱転写感度特性
下記組成の塗工液を乾燥後重量が4g/m2 となるようにフィルム表面に塗工し、寸法固定して160℃で30秒間熱処理して記録層を形成し、熱転写受像シートを作成した。
水分散性共重合ポリエステル樹脂 : 2重量部
水分散性アクリル・スチレン共重合樹脂: 5重量部
水分散性イソシアネート系架橋剤 : 0.5重量部
水 :67.4重量部
イソプロピルアルコール : 25重量部
界面活性剤 : 0.1重量部
このようにして得た熱転写受像シートをA6サイズにカットしたサンプルについて、市販のインクリボン(株式会社キャラベルデータシステム製昇華転写プリンター用プリントセットP−PS100)と市販熱転写プリンタ(ボン電気株式会社製熱転写型ラベルプリンターBLP−323)を用いて、印字スピード100mm/秒、ヘッド電圧18Vで印字した。印字パターンには、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、およびそれらを重ね印字したK(ブラック)の4色について、各色9mm×9mmの正方形のベタ文字を7個ずつ(計28個)A6シート内に配置したパターンを用いた。
印字後、マクベス濃度計(TR−927)を用いて、CMYK各色の反射濃度を計測し、4色(計28カ所)の平均反射濃度を求めた。同様に、市販の受像紙(株式会社キャラベルデータシステム製昇華転写プリンター用プリントセットP−PS100:天然紙の両面に発泡ポリプロピレンフィルムをラミネートし、記録層を形成したもの)についても同様の方法で平均反射濃度を求め、市販受像紙の平均反射濃度に対するサンプルの平均反射濃度の比率(%)で熱転写感度特性を評価した。
11)ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
12)ポリエステル樹脂の環状3量体の含量(以下「CT含量」という)
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロホルム30mlを加えて希釈した。これにメタノール15mlを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過した。濾液を蒸発乾固し、ジメチルホルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状3量体を定量した。
13)ポリエステル樹脂の溶融時の環状3量体増加量(△CT)
乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させた。溶融時の環状3量体増加量は、次式により求めた。
溶融時の環状3量体増加量(重量%)
=溶融後の環状3量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重量%)
14)伸度保持率
冷媒としてHFC−134a(CHF−CF)20g、滑剤としてPOE(ポリオールエステル)合成オイル50gを用い、140℃、30気圧の120ccオートクレーブ中に測定試料を入れ2000時間処理した。なお、冷媒・オイル投入に先立ち、測定試料をオートクレーブ内で140℃、26Pa(0.2Torr)の真空下にて3時間の脱水処理を施した。また、使用オイルは、予め乾燥・調湿して水分率を300ppmに制御して用いた。この試験前後での破断伸度を測定し、試験前の試料の破断伸度に対する試験後の試料の破断伸度の比率を伸度保持率として評価した。なお、破断伸度の測定は、JIS−C2318に規定された方法に従った。
15)漏れ電流の減少率
冷媒としてのHFC−134aと滑剤としてのPOEオイルを組み合わせて使用した。冷蔵庫用密閉型コンプレッサーの電動機に標準の電気絶縁用PETフィルムを挿入して漏れ電流の初期値(X1 )を測定した。次いで、サンプルを標準の電気絶縁用PETフィルムと入れ替えて電動機に挿入し、サンプルの漏れ電流の初期値(X2 )を測定した。以下の式から漏れ電流の減少率を算出した。
漏れ電流の減少率(%)=[1−(X2 /X1 )]×100
実施例1
(空洞形成剤の調製)
原料として、極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート70重量%に、メルトフローレート2.0のポリスチレン(三井東圧株式会社製トーポレックス570−57U)6重量%、メルトフローレート1.7のポリプロピレン(三井東圧株式会社製ノーブレンF0−50F)6重量%、およびメルトフローレート8のポリメチルペンテン(三井石油化学株式会社製TPX,DX−845)18重量%をペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤を含有するマスターペレット(Pa)を調製した。次いで極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート75重量%と、上記の空洞形成剤含有マスターペレット(Pa)25重量%とをペレット混合して真空乾燥を施し、フィルムの原料とした。
(未延伸フィルムの作製)
次いで上記のフィルムの原料を押出し機に供給し、Tダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、厚み約1900μmの未延伸フィルムを作成した。
(2軸延伸フィルムの作製)
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、周速が異なる2対のニップロール(低速ロール速度=1m/min、高速ロール速度=3.4m/min)間で3.4倍に延伸した。このとき、フィルムの補助加熱装置として、ニップロール中間部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒータ(定格20W/cm)をフィルムの両面に対向して設置(フィルム表面から1cmの距離)、加熱した。このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、150℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して、220℃で5秒間の熱処理を施し、更に210℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例1)を得た。
比較例1
原料として、真空乾燥を施した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート90重量%にメルトフローレート2.0のポリスチレン(三井東圧株式会社製トーポレックス570−57U)10重量%を混合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例1)を得た。
比較例2
原料として、真空乾燥を施した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート90重量%にメルトフローレート1.7のポリプロピレン(三井東圧株式会社製ノーブレンF0−50F)10重量%を混合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例2)を得た。
比較例3
原料として、真空乾燥を施した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート83重量%に、メルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井石油化学株式会社製TPX,DX−820)チップ7重量%および分子量4000のポリエチレングリコールフレーク10重量%を混合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例3)を得た。
実施例2
原料として、極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート49.5重量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のアナターゼ型二酸化チタン(富士チタン株式会社製TA−300)50重量%および蛍光増白剤(イーストマンケミカル社製OB−1)0.5重量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット(Pb)を調製した。次いで、実施例1で調製した空洞形成剤含有マスターペレット(Pa)30重量%、前記微粒子含有マスターペレット(Pb)5重量%および極限粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート65重量%をペレット混合して真空乾燥を施し、フィルム原料(A)とした。一方、前記微粒子含有マスターペレット(Pb)50重量%と、極限粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート50重量%を混合して真空乾燥を施し、フィルム原料(B)とした。これらのフィルム原料(A)および(B)を別々の押出し機に供給し、フィードブロックを用いてフィルム原料(A)の両面に均等にフィルム原料(B)を積層(B/A/B=5/90/5)し、厚み約700μmの未延伸フィルムを作成した。次いで、実施例1と同様の方法(ただし、低速ロール速度=2m/min、高速ロール速度=6.8m/min)により、厚み100μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例2)を得た。
比較例4
極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート80重量%に、実施例2で調製された微粒子含有マスターペレット(Pb)10重量%を混合して真空乾燥を施し、更にメルトフローレート2.0のポリスチレン(三井東圧株式会社製トーポレックス570−57U)10重量%を加えてフィルムの原料とした。次いで、実施例1と同様の方法(ただし、低速ロール速度=2m/min、高速ロール速度=6.8m/min)により、厚み100μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例4)を得た。
比較例5
極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート78重量%に、実施例2で調製された微粒子含有マスターペレット(Pb)10重量%を混合して真空乾燥を施し、更にメルトフローレート1.7のポリプロピレン(三井東圧株式会社製ノーブレンF0−50F)12重量%を加えてフィルムの原料とした。次いで、実施例1と同様の方法(ただし、低速ロール速度=2m/min、高速ロール速度=6.8m/min)により、厚み100μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例5)を得た。
比較例6
原料として、真空乾燥を施した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート80重量%に、メルトフローレート180のポリメチルペンテンチップ(三井石油化学株式会社製TPX,DX−820)10重量%および分子量4000のポリエチレングリコールフレーク10重量%を混合したものを用いた。次いで、実施例1と同様の方法(ただし、低速ロール速度=2m/min、高速ロール速度=6.8m/min)により、厚み100μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例6)を得た。
実施例3
(空洞形成剤の調製)
原料として、メルトフローレート2.0のポリスチレン(三井東圧株式会社製トーポレックス570−57U)20重量%、メルトフローレート1.7のポリプロピレン(三井東圧株式会社製ノーブレンF0−50F)20重量%、およびメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井石油化学株式会社製TPX,DX−820)60重量%をペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤を含有するマスターペレット(Pc)を調製した。
(フィルムの製造)
次いで、Sb触媒を用いて製造した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート90重量%に、前記空洞形成剤を含有するマスターペレット(Pc)10重量%をペレット混合して真空乾燥を施し、フィルム原料(C)とした。一方、Sb触媒を用いて製造した極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート単独でフィルム原料(D)とした。これらのフィルム原料(C)および(D)をそれぞれ別々の押出し機に供給した。290℃で溶融し、フィードブロックを用いてフィルム原料(C)の両面に均等にフィルム原料(D)を積層(D/C/D=7.5/85/7.5)し、厚み約2600μmの未延伸フィルムを作成した。このとき、原料を押出し機に投入して未延伸フィルムを成型するまでの溶融樹脂の滞留時間は約10分であった。次いで、実施例1と同様の方法により、上記未延伸フィルムを延伸・熱処理し、厚み250μmで見かけ比重1.05の空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例3)を得た。
実施例4
実施例3で用いたポリエチレンテレフタレートに代えて、Ge触媒を用いて製造した、極限粘度0.75dl/g、環状3量体量0.30重量%、ΔCT=0.6重量%のポリエチレンテレフタレートチップを用いたこと以外は実施例3と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例4)を得た。
実施例5
実施例3で用いたポリエチレンテレフタレートに代えて、実施例4で用いたポリエチレンテレフタレートチップを水処理(95℃、5時間)して得た、極限粘度0.75dl/g、環状3量体量0.30重量%、ΔCT=0.07重量%のポリエチレンテレフタレートチップを用いたこと以外は実施例3と同様の方法により、空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例5)を得た。
Figure 2006241471
Figure 2006241471
Figure 2006241471
以上の方法で得られた空洞含有ポリエステル系フィルムの測定結果一覧を、表1 〜表3に示した。表1〜3の測定結果から、以下のように考察する事ができる。実施例1〜5のフィルムでは、本発明で規定される要件を満足しているので、空洞含有構造による優れた特性と良好なハンドリング性が得られることが解る。
これに対し、見掛け比重が本発明で規定される要件を超える比較例1では誘電率が高く、また同様に見掛け比重が本発明で規定される要件を超える比較例4では熱転写感度特性が低く、いずれも空洞含有構造に由来する優れた特性が損なわれていることが判る。
また、ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径が本発明で規定される要件を超える比較例2および、リングクラッシュ強度が本発明で規定される要件に満たない比較例3では、いずれも電動機スロット絶縁部分への実装性テスト時の潰れ、折れ曲りによる挿入不良を多発した。
同様に、ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径が本発明で規定される要件を超える比較例5、リングクラッシュ強度が本発明で規定される要件を外れる比較例6では、いずれ
も枚葉フィルムの搬送性テスト時に搬送不良を多発した。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、空洞含有構造に由来する特性(例えば、クッション性、低誘電性、軽量性)および後加工時のハンドリング性の両方を併せ持つので、低誘電性およびハンドリング性(実装性等)が要求される電気絶縁材(例えば、電動モータ用絶縁材)として、またクッション性およびハンドリング性(搬送性等)が要求される各種印刷用フィルムとして、極めて有用である。
図1は裁断されたフィルムであり、破線は折り返し位置を示す。なお図中の長さの単位はmmである。 図2は図1のフィルムを破線で折り返し、u字形に曲げた状態を示す。 図3は図2のフィルムを挿入するモータースロットモデルである。なお図中の長さの単位はmmである。
符号の説明
1:フィルム
2:フィルムを折り曲げたもの
3:モータースロットモデル
4:フィルム挿入部

Claims (12)

  1. ポリエステル樹脂と、当該ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなり、当該ポリエステル樹脂中に粒子状に分散した当該非相溶の熱可塑性樹脂に起因する空洞をフィルム内部に多数含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、当該非相溶の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むとともに、以下の要件(a)−(c)の全てを満足することを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
    (a)見掛け比重:1.3以下
    (b)ポリオレフィン系樹脂の平均分散粒子径d:15μm以下
    (c)リングクラッシュ強度G (単位:kg/mm) とフィルム厚みt(単位:mm)が以下の式を満足する。
    G/t>15
  2. ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂の分散粒子のフィルム長手方向に平行な切断面におけるアスペクト比が1〜10であることを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  3. 座屈限界半径r(単位:mm) およびフィルム厚み t(単位:mm)が以下の式を満足することを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
    r/t<25
  4. 誘電率が2.9未満であることを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  5. ポリオレフィン系樹脂がポリメチルペンテンおよび/またはポリプロピレンであることを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  6. ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂として、さらにポリスチレン系樹脂を含有することを特徴とする請求項5記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  7. フィルム中の、ポリスチレン系樹脂の含有量a(重量%)、ポリメチルペンテンの含有量b(重量%)、およびポリプロピレンの含有量c(重量%)が以下の式を満足することを特徴とする請求項6記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
    0.01≦a/(b+c)≦1
    c/b≦1
    3≦a+b+c≦20
  8. ポリエステル樹脂中の環状3量体の含有量が、フィルム全体重量に対して0.5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  9. 電動モータ用絶縁材であることを特徴とする請求項8記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  10. ポリエステル樹脂の極限粘度が0.68〜1.0dl/gであることを特徴とする請求項8記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  11. ポリエステル樹脂が、290℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.5重量%以下であるポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項8記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  12. ポリエステル樹脂が、重縮合後チップ状で水処理したポリエステル樹脂であって、当該ポリエステル樹脂は芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールを原料としてGe化合物および/またはTi化合物を触媒に用いて得られ、芳香族ジカルボン酸成分を全酸成分の85モル%以上含むことを特徴とする請求項8記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016054629A (ja) * 2014-09-04 2016-04-14 日東シンコー株式会社 モータ用絶縁シート
JP2020011494A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 東洋紡株式会社 空洞含有ポリエステル系樹脂フィルム

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