JP2016054629A - モータ用絶縁シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難い絶縁シートを提供することにある。
【解決手段】 繊維が用いられて形成された紙状シートを備えており、該紙状シートの表面に、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方を含有する塗料が塗布されることにより被膜が形成され、該被膜が表面部分となっていることを特徴とするモータ用絶縁シートを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータ用絶縁シートに関し、例えば、回転電機のコアと巻線コイルとの間、又は巻線コイルどうしの間の絶縁に用いられるモータ用絶縁シートに関する。
従来、モータやジェネレーターなどの回転電機などにおいてコアに巻き掛けられた状態で装着される巻線コイルとコアとの間、あるいは、相の異なる電流が流される巻線コイルどうしの間に、モータ用絶縁シート(以下、単に「絶縁シート」ともいう。)を介装し、更に、絶縁シート及び巻線コイルにワニスを塗布し、そして、ワニスを硬化させることにより、巻線コイル間の絶縁信頼性を向上させることが行われている。
斯かる絶縁シートについては、適度なコシや表面のすべり性が求められるような場合においては紙状のシートがその表面を構成する部材として用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2010−153121号公報
しかし、回転電機の使用および停止に伴う巻線コイルの熱膨張および冷却収縮により、ワニスの硬化物が引っ張られ、その結果、この硬化物がモータ用絶縁シートから剥離するのを十分に抑制できないという問題がある。
特に、近年では、回転電機の小型化に伴いステータスロット内のコイル占積率が高くなる傾向にあるため、ワニスをステータスロット内に入れ難くなっている。これにより、絶縁シートにおける、ワニスが付着する面積が小さくなり、その結果、ワニスの硬化物がモータ用絶縁シートから剥離するのを十分に抑制できないという問題がある。
そして、これにより、巻線コイル間の絶縁信頼性が低下するのを抑制できないという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難い絶縁シートを提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、絶縁シートは、紙状シートの表面に、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方を含有する塗料が塗布されることにより被膜が形成され、該被膜が表面部分となっていることによって、ワニスがこの表面部分に塗布されることで形成される硬化物がこの表面部分から剥離し難いものとなることを見出し、本発明を想到するに至った。
即ち、本発明は、繊維が用いられて形成された紙状シートを備えており、
該紙状シートの表面に、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方を含有する塗料が塗布されることにより被膜が形成され、
該被膜が表面部分となっていることを特徴とするモータ用絶縁シートにある。
本発明によれば、ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難い絶縁シートを提供しうる。
一実施形態に係る絶縁シートの概略断面図。 一実施形態に係る絶縁シートの概略平面図。 一実施形態に係る絶縁シートの概略平面図。 固着力を測定するために絶縁シートにフッ素樹脂テープを張った状態を示す概略平面図。 固着力を測定するための絶縁シートの配置を示した概略側面図。 浸透力及び固着力を測定するための絶縁シートの概略平面図。 浸透力及び固着力を測定するための絶縁シートの配置を示した概略側面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態の絶縁シート1は、5層の積層構造を有するモータ用絶縁シートである。
また、本実施形態の絶縁シート1は、繊維が用いられて形成された紙状シートで構成された紙状シート層2、2を2層備えている。
さらに、本実施形態の絶縁シート1は、これらの紙状シート層2、2の間に、ポリエステルフィルムで構成されたポリエステル樹脂層3を備えている。
また、本実施形態の絶縁シート1は、接着剤が硬化して形成された接着剤層4、4を2層備え、接着剤層4、4を介して紙状シート層2、2が前記ポリエステル樹脂層3に積層された構成となっている。
前記紙状シート層2、2の形成に用いられる繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリエーテルスルフィド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アリレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などの有機繊維や、ガラス繊維、ロックウール、アスベスト、ボロン繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維などの無機繊維が挙げられる。また、絹、木綿などの天然繊維や、セルロースなどの半合成繊維なども挙げられる。
なお、紙状シートは、これらの繊維の内の1種類のみが用いられたものであっても良く、これらの内の複数種類のものが混抄されたものであってもよい。
なかでも、全芳香族ポリアミド樹脂繊維を主たる材料とした、いわゆる、“アラミド紙”などと呼ばれる紙状シートは、すべり性にも優れており好適である。
このアラミド紙としては、フェニレンジアミンとフタル酸との縮合重合物のごとく、アミド基以外がベンゼン環で構成された樹脂材料からなる繊維(全芳香族ポリアミド繊維)を主たる構成材として形成されたシート状物を用いることができる。
このアラミド紙としては、厚みが、50〜250μmのものが絶縁シート1に高い機械的特性を付与することができるとともに折り曲げ加工された際の保形性に優れることなどから紙状シート2、2として好適に用いられうる。
前記紙状シート層2、2の少なくとも一の層の表面には、ポリアミド樹脂を含有する塗料が塗布されて被膜が形成されている。
該被膜は、絶縁シート1の表面部分となっている。
前記塗料に含有されるポリアミド樹脂としては、アミド基部位の少なくとも一部がメトキシメチル化されたメトキシメチル化ポリアミド樹脂が好適に用いられる。メトキシメチル化ポリアミド樹脂としては、6−ナイロン樹脂にホルムアルデヒドとメタノールを反応させて化学的に変性し、アルコールに可溶にしたポリアミド樹脂が好適である。また、メトキシメチル化ポリアミド樹脂としては、アミド基の25〜35%をメトキシメチル化させたものを好適に用いることができ、例えば、長瀬ケムテックス社から商品名「トレジン」として市販されているものを用いることができる。
前記塗料は、前記ポリアミド樹脂に加えて、エポキシ樹脂を含有してもよい。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記塗料は、前記ポリアミド樹脂に加えて、ポリエステル樹脂を含有してもよい。
該ポリエステル樹脂としては、ポリエステルウレタン樹脂が好適に用いられる。
該ポリエステルウレタン樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂と線状ウレタン樹脂とを反応させたものを好適に用いることができる。この好適なポリエステルウレタン樹脂は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂40質量%、線状ウレタン樹脂30質量%、エポキシ樹脂15質量%、シリカ15質量%で混合し、非晶性ポリエステル樹脂と線状ウレタン樹脂と反応させることで得ることができる。
前記塗料は、更に、有機溶媒を含有する。該有機溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン等が挙げられる。
前記塗料は、固形樹脂と有機溶媒との配合割合が下記式の範囲であることが好ましい。
30% ≦ 固形樹脂の質量/(固形樹脂の質量+有機溶媒の質量) ≦ 50%
前記塗料の塗布量としては、絶縁シートにワニスがより一層浸透しやすくなるという観点から、10g/m以上40g/m以下が好ましい。
また、前記塗料の塗布量としては、紙状シートの表面のすべり性を十分に発揮させるという観点から、20g/m以下が好ましく、10g/m以下がより好ましい。
前記被膜は、前記紙状シート層2、2の少なくとも一の層の表面に前記塗料を塗布し、100〜110℃で1〜3分間(特に好ましくは2分間)加熱することにより塗料に含まれる有機溶媒を揮発させて形成される。
前記ポリエステル樹脂層3のポリエステルフィルムに含有されるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
該ポリエステルフィルムは、含有される樹脂成分に占める前記ポリエステル樹脂が、好ましくは29〜76質量%、より好ましくは56〜62質量%である。
前記ポリエステル樹脂層3の厚みは、好ましくは16〜250μm、より好ましくは50〜125μmである。
前記接着剤層4、4の形成に用いられる接着剤としては、ポリウレタン樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を主成分とするものが挙げられる。
接着剤の塗布量としては、10〜20g/mが好ましい。塗布量が10g/m以上であることにより、十分な接合強度が得られるという利点がある。また、塗布量が20g/m以下であることにより、接着剤層4、4を薄くすることができ、絶縁シート1を狭小な箇所により介装しやすいものとすることができるという利点がある。
前記接着剤層4、4の厚みは、好ましくは5〜30μm、より好ましくは7〜15μmである。
本実施形態の絶縁シートは、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
即ち、本実施形態の絶縁シートは、紙状シートの表面に、ポリアミド樹脂を含有する塗料が塗布されることにより被膜が形成され、該被膜が表面部分となっていることによって、ワニスがこの表面部分に塗布されることで形成される硬化物がこの表面部分から剥離し難いものとなる。
なお、前記ワニスは、樹脂、および、重合性モノマーを備えている。
前記ワニスにおける重合性モノマーとしては、スチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、テトラメチルピペリジニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の不飽和モノマーが挙げられる。
前記ワニスにおける樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、等が挙げられる。
ワニスに含有されるポリエステル樹脂としては、イミド変性ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂としては、イミド変性脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
ワニスに含有されるエポキシ樹脂としては、エポキシエステル等が挙げられる。
ワニスの粘度は、好ましくは0.5〜30dPas、より好ましくは0.8〜25dPasである。ワニスの粘度は、後述する実施例の方法で測定することができる。
図2には、本実施形態に係る絶縁シート1の概略平面図を示す。
図2に示すように、本実施形態の絶縁シート1は、表面に付着したワニスの該表面に沿った移動を促進させるべく、前記紙状シートを露出させた、被膜5がない箇所が前記表面に形成されている。
これにより、本実施形態の絶縁シート1は、ステータスロットなどの狭小箇所に絶縁シートを挿入した後に絶縁シートにワニスを供給する際に、毛細管現象によって前記被膜5がない箇所を伝って、表面に付着したワニスの該表面に沿った移動を促進させることができる。その結果、本実施形態の絶縁シート1は、ワニスの硬化物が剥離し難くなるという利点を有する。
前記被膜5は、図2に示すように、前記表面にストライプ状に形成されている。
TD方向及びMD方向の何れの方向側からワニスを供給しても、表面に付着したワニスの該表面に沿った移動を促進させることができるという観点から、前記被膜5のストライプの長手方向と、TD方向とのなす角は、30°〜60°であることが好ましい。
被膜の幅は、ストライプ状の被膜の形成がしやすいという観点から2mm以上が好ましく、被膜5にワニスを浸透させやすくすることができるという観点から5mm以下が好ましい。
隣接する被膜間の距離は、ストライプ状の被膜の形成がしやすいという観点から2mm以上が好ましく、被膜5にワニスを浸透させやすくすることができるという観点から5mm以下が好ましい。
また、前記被膜5は、図3に示すように、前記表面にドット状に形成されていてもよい。
前記ドットは、多角形状に形成されていてもよく、例えば、図3に示すようにひし形状に形成されていてもよい。また、前記ドットは、円形や楕円形状に形成されていてもよい。
前記被膜5(ドット)の幅(ひし形の場合は、辺の長さ。円形の場合は、直径。)は、ドット状の被膜5の形成がしやすいという観点から2mm以上が好ましく、被膜5にワニスを浸透させやすくすることができるという観点から5mm以下が好ましい。
前記被膜5がひし形状に形成されている場合には、TD方向及びMD方向の何れの方向にワニスを流下させても、絶縁シート1の外縁から内向きにワニスを流下させやすくすることができるという観点から、前記被膜5のひし形の一辺と、TD方向とのなす角は、30°〜60°であることが好ましい。
なお、本発明に係る絶縁シートは、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る絶縁シートは、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る絶縁シートは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
即ち、本実施形態の絶縁シートの被膜は、ポリアミド樹脂を含有する塗料により形成されているが、本発明の絶縁シートの被膜は、ポリアミド樹脂を含有せずにポリエステル樹脂を含有する塗料により形成されていてもよい。
なお、前記被膜を形成するのに用いられる塗料としては、ワニスがポリエステル樹脂を含有する場合には、ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難いという観点から、ポリアミド樹脂を含有することが好ましい。
また、前記被膜を形成するのに用いられる塗料としては、ワニスがエポキシ樹脂を含有する場合には、ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難いという観点から、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(「PETフィルム」ともいう。)の両面にウレタン接着剤(ポリウレタン樹脂を有する接着剤)を介してアラミド紙を張ったシート(日東シンコー社製、品名:NTN)(厚み:0.18mm)を用いた。このシートの一面側に、下記の塗料を20g/m塗布し、120℃で2分加熱することにより塗料に含まれる有機溶媒を揮発させることにより被膜を形成し、実施例1の絶縁シート(厚み:0.18mm+0.03mm)を得た。
<塗料>
・固形樹脂:ポリアミド樹脂としてのメトキシメチル化ポリアミド樹脂(長瀬ケムテックス社製、トレジン)と、エポキシ樹脂と、を40:60の質量比で混合したもの
・有機溶媒 : メタノールとトルエンとを50:50の質量比で混合したもの
・固形樹脂の質量/(固形樹脂の質量+有機溶媒の質量)=35質量%
(参考例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(「PETフィルム」ともいう。)の両面にウレタン接着剤(ポリウレタン樹脂を有する接着剤)を介してアラミド紙を張ったシート(日東シンコー社製、品名:NTN)(厚み:0.18mm)を用いた。このシートの一面側にコロナ処理を行い、参考例1の絶縁シート(厚み:0.18mm)を得た。なお、コロナ処理は、機器として春日電機製「AGF−B10」を用いて、大気圧下で、出力250W、処理速度5m/分、試料幅0.3mの条件により行った。
(実施例2)
ポリアミド樹脂の代わりにポリエステル樹脂としてのポリエステルウレタン樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして絶縁シート(厚み:0.18mm+0.03mm)を得た。
(比較例1)
比較例1の絶縁シートとして、アラミド紙(厚み:0.188mm)を用いた。
(比較例2)
比較例2の絶縁シートとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(厚み:0.125mm)を用いた。
(比較例3)
比較例3の絶縁シートとして、ポリイミド(PI)フィルム(厚み:0.125mm)を用いた。
(比較例4)
比較例4の絶縁シートとして、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム(厚み:0.100mm)を用いた。
<ワニス>
後述する試験に用いるワニスとして以下の組成のワニスA、及び、ワニスBを用いた。
(A)ワニスA
ポリエステル樹脂としてのイミド変性ポリエステル樹脂と、重合性モノマーとしてのスチレンモノマーとの混合物(日東シンコー製「NV−800」)(粘度:1.3±0.5dPas)
(B)ワニスB
ポリエステル樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂と、重合性モノマーとしてのブタンジオールジメタクリレートとの混合物(Dupont製「Voltrex4200」)(粘度:22.5±2.5dPas)
なお、ワニスの粘度は、25℃下でDIN 53019に準拠して測定した。
<接触角>
JIS R3257:1999の静滴法に準拠して、絶縁シートに水(蒸留水)1μLを滴下し、水1μLに対する接触角を25℃下で測定した。
なお、実施例については、被膜側の面に水を滴下した。
また、ワニスAに対する接触角、及び、ワニスBに対する接触角も測定した。さらに、ワニスAに対する接触角、及び、ワニスBに対する接触角については、絶縁シートを120℃に加熱し、すぐにワニスを滴下し、25℃下で測定を行った。
<固着力の試験>
絶縁シートを切断して、150mm(縦)×25mm(幅)の試験片を2枚作製した。次に、図4に示すように、一の試験片10にフッ素樹脂テープ11(幅:2.5mm、厚み:0.08mm)を貼り付けた。そして、一の試験片10上における、フッ素樹脂テープ11で囲まれた部分に、フッ素樹脂テープ11の厚みの高さまで上記ワニス12(ワニスA又はワニスB)が満たすように上記ワニス12をスポイトで1滴垂らして、上記ワニス12を塗布した。次に、図5に示すように、一の試験片10に他の試験片10を重ね合わせた。そして、ワニス12を130℃で30分間加熱することにより硬化させて、固着力の試験用試料13を得た。次に、引張試験機を用いて、固着力の試験用試料13を長手方向に5mm/minの速度で引張り、最大荷重を求め、また、破壊された箇所を確認した。
なお、実施例については、ワニスと接する面が、被膜側の面となるようにした。
試験結果を表1、2に示す。
Figure 2016054629
Figure 2016054629
表1、2に示すように、実施例1、2の絶縁シートは、比較例の絶縁シートに比べて、固着力の試験での最大荷重が大きかった。
従って、本願発明に係る絶縁シートは、ワニスが塗布されることで形成される硬化物が剥離し難いことがわかる。
(実施例3)
PETフィルムの両面にウレタン接着剤(ポリウレタン樹脂を有する接着剤)を介してアラミド紙を張ったシート(日東シンコー社製、品名:NTN)(厚み:0.18mm)を切断して、150mm(縦)×20mm(幅)の試験片を2枚作製した。
次に、図6に示すように、一の試験片10の一端側の20mm×20mmの箇所に、実施例1で用いた塗料をストライプ状に20g/m塗布し、120℃で2分加熱することにより塗料に含まれる有機溶媒を揮発させることにより被膜5を形成した(厚み:0.18mm+0.03mm)。なお、被膜の幅は、3mmとし、隣接する被膜間の距離は、3mmとし、ストライプの長手方向と、シートの長手方向(TD方向)とのなす角は、45°とした。
そして、図7に示すように、被膜の箇所が他の試験片との重なり部分となるように、一の試験片10と他の試験片10とを重ね合わせ、この重ね合わせた部分をクリップ(LIONクリップNo.54)で挟み、試験片の面を水平面に対して45°傾斜させ、重ね合わせた部分にワニス12を浸透させるべく、試験片10にワニス12としての上記ワニスBをスポイトで3滴滴下した。なお、ワニスBは、60℃に加温したものを用いた。
次に、ワニスを130℃で30分間加熱することにより硬化させて、固着力の試験用試料を得た。次に、引張試験機を用いて、固着力の試験用試料を長手方向に5mm/minの速度で引張り、最大荷重を求め、また、破壊された箇所を確認した(引張試験)。
(実施例4)
一の試験片の一端側の20mm×20mmの箇所全面に、実施例1で用いた塗料を塗布したこと以外は、実施例3と同様にして引張試験を行った。
(参考例2)
塗料を塗布しなかったこと以外は、実施例3と同様にして引張試験を行った。
試験結果を表3に示す。
Figure 2016054629
1:絶縁シート、2:紙状シート層、3:ポリエステル樹脂層、4:接着剤層、5:被膜、
10:試験片、11:フッ素樹脂テープ、12:ワニス、13:固着力の試験用試料

Claims (7)

  1. 繊維が用いられて形成された紙状シートを備えており、
    該紙状シートの表面に、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一方を含有する塗料が塗布されることにより被膜が形成され、
    該被膜が表面部分となっていることを特徴とするモータ用絶縁シート。
  2. 前記塗料が、ポリアミド樹脂を含有する請求項1に記載のモータ用絶縁シート。
  3. 前記ポリアミド樹脂は、アミド基部位の少なくとも一部がメトキシメチル化されたメトキシメチル化ポリアミド樹脂を含有する請求項2に記載のモータ用絶縁シート。
  4. 前記塗料が、さらに、エポキシ樹脂を含有する請求項2又は3に記載のモータ用絶縁シート。
  5. 前記塗料が、ポリエステル樹脂を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載のモータ用絶縁シート。
  6. 前記ポリエステル樹脂が、ポリエステルウレタン樹脂を含有する請求項5に記載のモータ用絶縁シート。
  7. 表面に付着したワニスの該表面に沿った移動を促進させるべく、前記紙状シートを露出させた、被膜がない箇所が前記表面に形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のモータ用絶縁シート。
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