JP2006241333A - 熱伝導性組成物および熱伝導性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 CPUやMPU等の発熱体部品から発生する熱を、ヒートシンクやヒートパイプ等の放熱部品に効率良く伝えるための熱伝導性組成物を提供することである。特に、発熱体部品の急激な温度上昇にも対応できる形状追従性と柔軟性、密着性に優れ、取り扱い性やリサイクル性にも優れる熱伝導性組成物および熱伝導性シートを提供することである。
【解決手段】 CPU4の発熱温度で軟化する側鎖結晶化可能ポリマーAを50〜95重量部と、前記側鎖結晶化可能ポリマーAと非相溶でありかつCPU4の発熱温度で流動性を示す側鎖結晶化可能ポリマーBを50〜5重量部含み、さらにこの側鎖結晶化可能ポリマーAと側鎖結晶化可能ポリマーBの混合ポリマー1の固形分100重量部に対して、熱伝導性充填剤2を10〜300重量部を含む熱伝導性組成物100および熱伝導性シートを、CPU4とヒートシンク5の間に介在させる。
【選択図】 図3
【解決手段】 CPU4の発熱温度で軟化する側鎖結晶化可能ポリマーAを50〜95重量部と、前記側鎖結晶化可能ポリマーAと非相溶でありかつCPU4の発熱温度で流動性を示す側鎖結晶化可能ポリマーBを50〜5重量部含み、さらにこの側鎖結晶化可能ポリマーAと側鎖結晶化可能ポリマーBの混合ポリマー1の固形分100重量部に対して、熱伝導性充填剤2を10〜300重量部を含む熱伝導性組成物100および熱伝導性シートを、CPU4とヒートシンク5の間に介在させる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、CPUやMPU等の発熱体から発生する熱をヒートシンクやヒートパイプ等の放熱部品に効率良く伝えるための熱伝導性組成物および熱伝導性シートに関する。
ノートブックパソコンや、ディスクトップパソコンなどの電子製品の中で発熱する発熱体部品としてCPUやMPU等の半導体部品がある。これらの半導体部品は近年、高性能化に伴い高周波数化が進んでおり、それに伴い消費電力が増大し発熱量も増加する傾向にある。また、このような半導体部品にあっては、発熱量の増大に比例して熱による誤作動や性能の劣化が発生し易くなっている。このため、従来より、これらの発熱体にヒートシンクやシートパイプ等の放熱部品を取り付けて空冷方式または水冷方式で発熱体の温度上昇を抑えて、誤作動や性能の劣化を抑えることが一般的に行われている。しかしながら、発熱体の表面は平滑でないことが多いため、発熱体と放熱部品との間の密着性を向上させるため柔軟性を有する熱伝導性の接着シートを介在させ、発熱体と放熱部品との接触を確保し放熱効果を向上させていた。
前記接着シートとして、アクリル酸エステルを主成分とする接着剤に、この接着剤に非相溶な高級脂肪酸などの化合物と熱伝導性微粒子を添加した熱伝導性接着シートが知られている。このような熱伝導性接着シートは、発熱体から熱を受けることで、前記化合物が融点以上の温度に達し溶融し、接着シートとして適度な柔軟性や形状追従性を有し、放熱効果をもたらしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−105299号公報(頁1)
しかしながら、前記特許文献1に記載の接着シートは、主成分となる接着剤が熱を受けた状態では柔軟性が不十分であることから、発熱体と放熱部品を完全に密着させることは困難であった。また発熱体の温度は、徐々に上昇するのではなく、発熱体(CPU)の演算処理の量により、急激な上昇と下降を繰り返す。そのため、瞬時に上昇する発熱をいかに放熱部品に伝達して効率よく温度を下げるかが重要とされていた。その点からも、前記接着シートを発熱体と放熱部品との間に介在させたとしても、急な温度上昇による発熱体表面の微細な変化に追従できず、高い放熱効果は得られなかった。
また、前記接着シートは室温で粘着性を有するため、発熱体に貼付ける際、接着シート同士がくっつくために、発熱体への貼り直し時などにおいて作業性や取り扱い性に問題があった。
また、CPUやヒートシンク等のリサイクルを考えた場合、前記接着シートは、発熱時においても粘着力の低下が小さいため、発熱体から放熱部品を容易に分離できず、無理に取外そうとすると、前記接着剤の一部が発熱体や放熱体の表面に残る、いわゆる糊残りが生じてしまい、リサイクル性に乏しかった。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、CPUやMPU等の発熱体部品から発生する熱を、ヒートシンクやヒートパイプ等の放熱部品に効率良く伝えるための熱伝導性組成物および熱伝導性シートを提供することを目的とし、特にCPUの急激な温度上昇にも対応できる形状追従性と密着性に優れ、取り扱い性やリサイクル性にも優れる熱伝導性組成物および熱伝導性シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の熱伝導性組成物および熱伝導性シートは以下のとおりである。
発熱体の発熱温度で軟化する第1側鎖結晶化可能ポリマーを50〜95重量部と、前記第1側鎖結晶化可能ポリマーと非相溶であり発熱体の発熱温度で流動性を示す第2側鎖結晶化可能ポリマーを50〜5重量部含み、前記第1側鎖結晶化可能ポリマーと前記第2側鎖結晶化可能ポリマーの混合ポリマーの固形分100重量部に対して、熱伝導性充填剤10〜300重量部を含むことを特徴とする。
また、前記第1側鎖結晶化可能ポリマーと第2側鎖結晶化可能ポリマーの融点がともに温度30℃以上であり、かつ融点未満の温度では結晶化することを特徴とする。
また、前記第1側鎖結晶化可能ポリマーおよび前記第2側鎖結晶化可能ポリマーが、ともに炭素数が16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを30〜100重量部と、炭素数1〜12のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを70〜0重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であることを特徴とする。
本発明の熱伝導性組成物または熱伝導性シートを発熱体と放熱部品の間に介在させることで、発熱体の発熱温度で前記熱伝導性組成物が軟化、流動化し柔軟性が増すことで、発熱体と放熱部品との密着性がアップし、発熱体の熱を良好に放熱部品に伝え放熱することができる。特に、発熱体の急激な温度上昇においても、発熱体の表面形状の変化に熱伝導性組成物の形状が追従し変化することで、各部材間との密着性を維持し、良好に発熱体の熱を放熱部品へ伝えることができる。また室温では、前記熱伝導性組成物はほとんど粘着性がないことから、発熱体への貼付けや貼直しが容易である。
また、同様な理由から発熱体から放熱部品を容易に分離できリサイクル性が向上できる。さらにその際、各部材表面で前記熱伝導性組成物が糊残りもなく容易に剥離できることで、リサイクルにおける後工程への負担が少ない。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の熱伝導性組成物の実施形態を、図1を用いて説明する。本発明の熱伝導性組成物100は、発熱体の発熱温度で軟化する側鎖結晶化可能ポリマーAに、前記側鎖結晶化可能ポリマーAと非相溶であり、かつ発熱体の発熱温度で流動性を示す側鎖結晶化可能ポリマーBを加えた混合ポリマー1を含み、さらに熱伝導性充填剤2を加えた組成物である。
本発明における前記側鎖結晶化可能ポリマーA,Bは、温度変化に反応して結晶状態と軟化状態(側鎖結晶化可能ポリマーAの場合)、および流動状態(側鎖結晶化可能ポリマーBの場合)との間を可逆的に相転移できるポリマーである。この相転移特性は、両ポリマーが側鎖結晶化可能ポリマーであることから、温度変化にすばやく反応して相転移することが可能である。よって、前記熱伝導性組成物100は、急激な温度変化に瞬時に反応して、前記側鎖結晶化可能ポリマーAが軟化、前記側鎖結晶化可能ポリマーBが流動化することで、即座に柔軟性を示すことが可能となる。
前述したように、CPUのような発熱体は、その使用量により瞬時に発熱し温度が上昇する。その際、発熱体と放熱部品との間に、実施形態の熱伝導性組成物100を介在させることで、急激な温度変化による発熱体表面の微細な変化に対し、前記熱伝導性組成物100の形状がすばやく追従変化し、発熱体表面に隙間なく密着することができる。このように、密着性が向上することで熱抵抗が減り、前記熱伝導性組成物100は、発熱体からの熱を効率よく放熱部品に伝え、放熱を行うことが可能である。
前記熱伝導性組成物100において、前記側鎖結晶化可能ポリマーA、Bの割合は、側鎖結晶化可能ポリマーAが50〜95重量部で、側鎖結晶化可能ポリマーBが50〜5重量部である。割合として軟化特性を持つ側鎖結晶化可能ポリマーAが多いことから、側鎖結晶化可能ポリマーAを母材として、非相溶な側鎖結晶化可能ポリマーBをその中に均一に分散させた、いわゆる海島構造をとっている。重量部の値が前記以外の割合になると、側鎖結晶化可能ポリマーA、Bでの海島構造のバランスが崩れ、熱伝導性組成物100としての機能が低下する。
特に、流動特性を持つ側鎖結晶化可能ポリマーBの割合が前記割合より多くなると、前記海島構造の島の部分が連続した形となってしまい、側鎖結晶化可能ポリマーAに側鎖結晶化可能ポリマーBが均一に分散できない状態となる。そのような分散状態において前記熱伝導性組成物100は、室温において粘性がなく脆い状態であり、たとえシート状に成形できたとしても、ぼろぼろと崩れ易く取り扱い難い。また発熱温度では、側鎖結晶化可能ポリマーBの流動化が熱伝導性組成物100内で支配的となって、熱伝導性組成物100が発熱体と放熱部品との間から流れ落ちてしまうおそれが高い。
また、前記側鎖結晶化可能ポリマーA、Bが互いに非相溶の関係であることで、側鎖結晶化可能ポリマーAの軟化特性と側鎖結晶化可能ポリマーBの流動特性が、互いに干渉せずに発現できる。このことから、前記熱伝導性組成物100は、発熱体の発熱温度で十分な柔軟性を示すとともに、流動化による表面の濡れ性をもアップできる。
したがって、発熱体と放熱部品との間に実施形態の前記熱伝導性組成物100を介在させることで、発熱体と放熱部品との密着性が向上し、隙間なく前記熱伝導性組成物100がこれらの表面に密着して、各部材間の擬似的な接触面積を大きくすることで、高い放熱効果をあげることができる。
また、前記熱伝導性組成物100に使われる前記側鎖結晶化可能ポリマーA,Bは、いずれも、例えば融点が30℃以上であって、かつ融点未満の温度では結晶化するポリマーが好ましい。このことで、前記熱伝導性組成物100は、室温においては非粘着(もしくは微粘着性)であることで、ハンドリングがし易くなり、発熱体への貼り直し時などにおいて作業が行い易い。また、室温において発熱体から放熱部品を容易に分離でき、分離に際し、各部材への糊残りの現象が発生せず、リサイクル性に優れる。
また、前記熱伝導性組成物100の相転移特性は、側鎖結晶化可能ポリマーA、Bの融点を境にした可逆的な化学特性であることから、各部材の分離の後、熱伝導性組成物100は再度繰り返しの使用が可能である。
また、前記側鎖結晶化可能ポリマーA,Bは、いずれも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜100重量部と、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル70〜0重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であるのが好ましい。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(以下、(メタ)アクリレートという)としては、例えば、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数18〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等があげられる。
極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体や;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が用いられるが、このうち特に好適なものはアクリル酸である。
また、前記側鎖結晶化可能ポリマーAの重量平均分子量は、1万〜30万であるのがよい。前記側鎖結晶化可能ポリマーAの重量平均分子量が1万未満であると、前記熱伝導性組成物100の凝集力が不足し、シートの形状が維持できず、取り扱い性に劣る。また、前記側鎖結晶化可能ポリマーAの重量平均分子量が30万より大きいと、組成物が硬くなり柔軟性に劣るため、発熱体や放熱部品への密着性が低下し放熱効果が低下する。
また前記側鎖結晶化可能ポリマーBの重量平均分子量は、1000〜10000であるのが好ましい。前記側鎖結晶化可能ポリマーBの重量平均分子量が1000未満であると、側鎖結晶化可能ポリマーAに対する分散性が低下し、前記海島構造の島の部分が連続した形態となってしまい、発熱時の流動性にバラツキが発生してしまう。また、前記重量平均分子量が10000より大きいと流動性が低下するため、発熱体と放熱部品との密着性が劣るおそれがある。
また、本発明の前記熱伝導性組成物100は、温度23℃における貯蔵弾性率が1.0×106Pa以上〜1.0×108Pa以下の範囲であって、温度23℃と80℃における貯蔵弾性率の比(23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率)が100以上、好ましくは200以上であるのが好ましい。この貯蔵弾性率の比の値が大きいことは、前記熱伝導性組成物100が室温時(例えば、温度23℃)に比較して高温時(例えば、温度80℃)に柔軟性を激増させることを意味している。前記温度23℃の貯蔵弾性率の値や、温度23℃と80℃の貯蔵弾性率の比の値が上記以外になると、前記熱伝導性組成物100の室温での作業性や、発熱温度での柔軟性とのバランスが悪くなるおそれがある。
本発明の前記熱伝導性組成物100には、熱伝導性を高めるために熱伝導性充填剤2が添加される。前記熱伝導性充填剤2としては、特に限定されるものではないが、たとえば、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、グラファイトなどが挙げられる。また、形状としては、特に限定されるものではないが、平均粒子径が1〜50μmの微粒子状のものが好ましい。
前記熱伝導性充填剤2は、前記側鎖結晶化可能ポリマーA,Bの混合ポリマー1の固形分100重量部に対して、10〜300重量部の割合で配合するのが好ましい。これにより、前記熱伝導性組成物100が発熱温度で発熱体や放熱部品に密着した際に、発熱体から放熱体へ熱を良好に伝えることができる。前記熱伝導性充填剤2の配合量が10重量部未満であると、前記熱伝導性組成物100の柔軟性は維持できるが、熱伝導性が不足する。また、前記配合量が300重量部より高いと、前記熱伝導性組成物100の剛性が高くなり、柔軟性が低下するため各部材への密着性が低下し放熱効果が減少する。
また、本発明の前記熱伝導性組成物100は、耐熱性や凝集力を上げるために、柔軟性を阻害しない範囲で、架橋剤や老化防止剤、可塑剤、充填剤等を適宜添加してもよい。
また、本発明の前記熱伝導性組成物100の使用形態は、取り扱い性の上でシート状の形態であるのが好ましい。シート状であることで、発熱体表面への貼付けが容易となり、取り扱い易くなる。特にシート状の場合は、前記熱伝導性組成物100の両面に離型フィルムを設けることで、取り扱い性が向上できる。
前記熱伝導性シートの厚さは20〜200μmであるのがよい。前記熱伝導性シートの厚さが20μm未満であると、発熱体の熱でシートの柔軟性が増加した際、シートのボリューム不足から発熱体や放熱部品の表面形状に追従するのが困難になる。また、前記シートの厚さが200μmより厚くなると、発熱体の熱を効率よく放熱部品へ伝達できなくなるおそれがある。
また、本発明の他の実施形態として、図2に示すような熱伝導性を有する基材フィルム3の両面に、前記熱伝導性組成物100を設けた熱伝導性シート200であってもよい。熱伝導性のある前記基材フィルム3を熱伝導性組成物100で挟んだ構造にすることで、熱伝導性を低下させずに、熱伝導性シート200としての剛性が増し、ハンドリング性が向上する。導電性を有する前記基材フィルム3としては、特に制限されるものではないが、たとえば、PETやPEなどの樹脂フィルムの中に熱伝導性充填剤を添加したものや、銅やアルミニウムなどの金属フィルム、金属メッシュ、金属繊維織布、グラファイトシートが挙げられる。
これらの前記基材フィルム3の両面に設けられる前記熱伝導性組成物100の厚さは、それぞれ20〜100μmであるのが形状追従性を発現させる上で好ましい。また、この熱伝導性シート200の両面には、離型フィルムを貼り付けてもよい。
次に、本発明の熱伝導性組成物100の使用方法の一実施形態を、図3を参照して説明する。上述した熱伝導性組成物100は、CPU4とヒートシンク5の間に介在される形で使用され、ヒートシンク5は、CPU4にボルト等で固定される。
熱伝導性組成物100は、室温においては非粘着であることからCPU4への貼り直しやヒートシンク5の位置の修正などは容易に行なえるという利点を持つ。
この熱伝導性組成物100を介して、CPU4とヒートシンク5は密着状態を維持することができる。この状態でCPU4が発熱した場合、CPU4の表面温度がこの熱伝導性組成物100の融点に達すると、熱伝導性組成物100は、即座に相転移し軟化、流動し、CPU4表面の微細凹凸形状の変化に追従変化することで、CPU4の熱をヒートシンク5へ良好に伝えることができる。よって、発熱によるCPU4の誤作動や性能の劣化を防ぐことが可能となる。
一方、CPU4の使用量が減り発熱が少なくなって、CPU4の表面温度がこの熱伝導性組成物100の融点未満になると、熱伝導性組成物100は結晶化し、粘着性を失う。
前記熱伝導性組成物100は、融点未満での結晶化状態と融点以上での軟化、流動化状態を、温度をトリガーとして、化学的な相転移により、すばやく繰り返すことが可能であり、そのことで、CPU4の発熱を効率よくヒートシンク5へ伝えることができ、結果として、CPU4の誤作動や性能の劣化を防ぐことが可能である。
また、前述の通り前記熱伝導性組成物100は融点未満では粘着性を失っている。この状態で、ヒートシンク5はCPU4から容易に取り外すことができる。また取り外しに際し、ヒートシンク5やCPU4への糊残りの現象が発生せず、リサイクル性に優れる。また、この熱伝導性組成物100は、前述の化学的な相転移特性から繰り返して使用することが可能である。
以下、合成例および実施例を挙げて、本発明の熱伝導性組成物100および熱伝導性シートについて詳細に説明する。
まず、前記側鎖結晶化可能ポリマーAの合成例を以下に示す。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート45重量部、メチルアクリレート50重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤としてパーブチルND(日本油脂製)1重量部を用い、酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230重量部を溶媒として、60℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は15万、融点は57℃であった。
ベヘニルアクリレート45重量部、メチルアクリレート50重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤としてパーブチルND(日本油脂製)1重量部を用い、酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230重量部を溶媒として、60℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は15万、融点は57℃であった。
ここで、融点について説明する。本発明でいう「融点」は、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態となる温度を表している。実際の測定では、作成された側鎖結晶化可能ポリマーAを示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の昇温条件で測定した値である。以下の合成例においても、同様に測定を行った。
(合成例2)
メチルアクリレート50重量部の代わりにブチルアクリレート50重量部を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は15万、融点は45℃であった。
メチルアクリレート50重量部の代わりにブチルアクリレート50重量部を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は15万、融点は45℃であった。
(合成例3)
ベヘニルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤としてパーブチルND1重量部を用い、n−ヘプタン150重量部を溶媒とし、合成例1と同様な条件でポリマーを重合した。得られたポリマーの重量平均分子量は10万、融点は70℃であった。
次に前記側鎖結晶化可能ポリマーBの合成例を以下に示す。
ベヘニルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、重合開始剤としてパーブチルND1重量部を用い、n−ヘプタン150重量部を溶媒とし、合成例1と同様な条件でポリマーを重合した。得られたポリマーの重量平均分子量は10万、融点は70℃であった。
次に前記側鎖結晶化可能ポリマーBの合成例を以下に示す。
(合成例4)
ステアリルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、ドデシルメルカプタン5重量部、パーヘキシルPV(日本油脂製)1重量部をトルエン100重量部を溶媒として80℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は7000、融点は50℃であった。
ステアリルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、ドデシルメルカプタン5重量部、パーヘキシルPV(日本油脂製)1重量部をトルエン100重量部を溶媒として80℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は7000、融点は50℃であった。
(合成例5)
ステアリルアクリレート95重量部の代わりにベヘニルアクリレート95重量部を用いた以外は、合成例4と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は8000、融点は70℃であった。
ステアリルアクリレート95重量部の代わりにベヘニルアクリレート95重量部を用いた以外は、合成例4と同様にしてポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量は8000、融点は70℃であった。
(合成例6)
ステアリルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、パーヘキシルPV(日本油脂製)1重量部を、トルエン100重量部を溶媒として80℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は3万、融点は50℃であった。
ステアリルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、パーヘキシルPV(日本油脂製)1重量部を、トルエン100重量部を溶媒として80℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は3万、融点は50℃であった。
次に、前記側鎖結晶化可能ポリマーA,Bには該当しないポリマーとしての合成例を以下にあげる。
(合成例7)
2−エチルヘキシルアクリレート92重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤としてパーブチルND1重量部を酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230重量部を溶媒として60℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は15万であった。融点は測定したが、明確な融点は示さなかった。
2−エチルヘキシルアクリレート92重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤としてパーブチルND1重量部を酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230重量部を溶媒として60℃で5時間攪拌して、これらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの重量平均分子量は15万であった。融点は測定したが、明確な融点は示さなかった。
(実施例1)
合成例1のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した後、前記混合ポリマー1の固形分100重量部に対し、熱伝導性充填剤2として窒化ホウ素粉末50重量部を添加し、均一に分散させて熱伝導性組成物100を作成した。前記熱伝導性組成物100を、PETの離型フィルム上に厚さ50μmで塗布し、熱伝導性シートを得た。
合成例1のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した後、前記混合ポリマー1の固形分100重量部に対し、熱伝導性充填剤2として窒化ホウ素粉末50重量部を添加し、均一に分散させて熱伝導性組成物100を作成した。前記熱伝導性組成物100を、PETの離型フィルム上に厚さ50μmで塗布し、熱伝導性シートを得た。
(実施例2)
合成例1のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例1のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例3)
合成例2のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例2のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例4)
合成例2のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例2のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例5)
合成例3のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例3のポリマー90重量部と合成例4のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(実施例6)
合成例3のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性熱伝導性シートを得た。
合成例3のポリマー90重量部と合成例5のポリマー10重量部を混合して混合ポリマー1を調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性熱伝導性シートを得た。
(比較例1)
合成例1のポリマー40重量部と合成例4のポリマー60重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートの作成を試みた。が、シートに粘性がなく、ぼろぼろとした状態で脆く、十分なシートの作成は出来なかった。
合成例1のポリマー40重量部と合成例4のポリマー60重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートの作成を試みた。が、シートに粘性がなく、ぼろぼろとした状態で脆く、十分なシートの作成は出来なかった。
(比較例2)
合成例1のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例1のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例3)
合成例2のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例2のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例4)
合成例3のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例3のポリマー90重量部と合成例6のポリマー10重量部を混合して混合ポリマーを調整した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(比較例5)
合成例7のポリマーの固形分100重量部に対し、熱伝導性充填剤として窒化ホウ素粉末50重量部を均一に分散させて熱伝導性組成物を作成した。以下、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
合成例7のポリマーの固形分100重量部に対し、熱伝導性充填剤として窒化ホウ素粉末50重量部を均一に分散させて熱伝導性組成物を作成した。以下、実施例1と同様にして熱伝導性シートを得た。
(熱伝導性シートとしての性能評価)
(評価−1:熱抵抗の測定)
以下に示す方法で、実施例1乃至6および比較例2乃至5で作成した熱伝導性シートの熱抵抗を測定した。前記熱伝導性シートの離型フィルムを剥がし、発熱体を想定したヒーター部材と放熱部品との間に挟み、ヒーターに5Wの電力を1分間印加した。その直後のヒーター部材表面と放熱部品表面の温度差(△T)を測定し、得られた温度差の数値から、熱抵抗(℃/W)を次式から求めた。熱抵抗=△T/電力。ここで電力=5Wとして、得られた測定結果を表2に示す。尚、比較例1は、前述したように十分なシートが得られなかったことから、本評価を含め、以下に示す評価を全て行うことができなかった。
(評価−1:熱抵抗の測定)
以下に示す方法で、実施例1乃至6および比較例2乃至5で作成した熱伝導性シートの熱抵抗を測定した。前記熱伝導性シートの離型フィルムを剥がし、発熱体を想定したヒーター部材と放熱部品との間に挟み、ヒーターに5Wの電力を1分間印加した。その直後のヒーター部材表面と放熱部品表面の温度差(△T)を測定し、得られた温度差の数値から、熱抵抗(℃/W)を次式から求めた。熱抵抗=△T/電力。ここで電力=5Wとして、得られた測定結果を表2に示す。尚、比較例1は、前述したように十分なシートが得られなかったことから、本評価を含め、以下に示す評価を全て行うことができなかった。
(評価−2:熱伝導率の測定)
また、上記測定結果を利用し、熱伝導率(W/m・K)を次式から求めた。熱伝導率=(電力×T)/(S×△T)。ここで、電力=5W、Tは前記熱伝導性シートの厚さ(50μm:5×10-5m)であり、Sは前記熱伝導性シートの面積(m2)である。測定結果を表2に示す。
また、上記測定結果を利用し、熱伝導率(W/m・K)を次式から求めた。熱伝導率=(電力×T)/(S×△T)。ここで、電力=5W、Tは前記熱伝導性シートの厚さ(50μm:5×10-5m)であり、Sは前記熱伝導性シートの面積(m2)である。測定結果を表2に示す。
(評価−3:熱伝導性シート表面の流動性(ぬれ性)の評価)
実施例1乃至6および比較例2乃至5で作成した前記熱伝導性シートを温度80℃まで温めた後、表面の離型フィルムを剥がし、前記熱伝導性シートの表面を指でなぞり、表面状態を触感により評価した。熱伝導性シート表面が流動し、べたつき感があり、表面のぬれが確認できる:○、熱伝導性シート表面は流動しておらず、ぬれていない:×、の判断基準により評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1乃至6および比較例2乃至5で作成した前記熱伝導性シートを温度80℃まで温めた後、表面の離型フィルムを剥がし、前記熱伝導性シートの表面を指でなぞり、表面状態を触感により評価した。熱伝導性シート表面が流動し、べたつき感があり、表面のぬれが確認できる:○、熱伝導性シート表面は流動しておらず、ぬれていない:×、の判断基準により評価を行った。結果を表2に示す。
(リサイクル性の評価)
(評価−1:温度23℃における熱伝導性シートの粘着力の評価)
リサイクル性に関し、室温(例えば、温度23℃)における前記熱伝導性シートの粘着力について評価を行った。まず、前記熱伝導性シートを幅25mm×長さ15cmの大きさにカットし、離型フィルムを剥がしてステンレス板に貼付けた。次いで、作った試料を温度80℃まで温め、温度80℃の状態で10分間放置した。その後、室温へ戻し、ステンレス板から前記熱伝導性シートを180°でピール剥離を行い、その際の剥離強度を測定した。測定結果を表2に示す。
(評価−1:温度23℃における熱伝導性シートの粘着力の評価)
リサイクル性に関し、室温(例えば、温度23℃)における前記熱伝導性シートの粘着力について評価を行った。まず、前記熱伝導性シートを幅25mm×長さ15cmの大きさにカットし、離型フィルムを剥がしてステンレス板に貼付けた。次いで、作った試料を温度80℃まで温め、温度80℃の状態で10分間放置した。その後、室温へ戻し、ステンレス板から前記熱伝導性シートを180°でピール剥離を行い、その際の剥離強度を測定した。測定結果を表2に示す。
(評価−2:糊残り性の評価)
評価−1での剥離強度測定の後、ステンレス板表面に残る熱伝導性組成物100の量を目視観察し、外観上、糊残りなし:○、外観上、糊残りが明らかにある:×、での評価を行った。評価結果を表2に示す。
評価−1での剥離強度測定の後、ステンレス板表面に残る熱伝導性組成物100の量を目視観察し、外観上、糊残りなし:○、外観上、糊残りが明らかにある:×、での評価を行った。評価結果を表2に示す。
(貯蔵弾性率の測定)
作成した熱伝導性シートを使って、温度23℃と80℃における貯蔵弾性率の比(23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率)を測定した。測定には、レオロジカ社製の回転・振動型レオメータを使用し、温度23℃と80℃での各温度における貯蔵弾性率を測定し、貯蔵弾性率の比を、「23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率」から求めた。結果を表2に示す。
作成した熱伝導性シートを使って、温度23℃と80℃における貯蔵弾性率の比(23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率)を測定した。測定には、レオロジカ社製の回転・振動型レオメータを使用し、温度23℃と80℃での各温度における貯蔵弾性率を測定し、貯蔵弾性率の比を、「23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率」から求めた。結果を表2に示す。
表2に示す評価結果から、本発明の実施例1〜6は、熱抵抗の値が低くかつ熱伝導率が高く、熱伝導性シートとしての適性を十分に有しているとともに、リサイクル性に関しても優れていることが判った。また、比較例2乃至5に挙げた熱伝導性シートは、いずれも熱抵抗の数値が高かったり、熱伝導率が低かったりして、熱伝導性シートとしては不適と判断できる。特に、比較例5は室温における粘着力が高く、また糊残り性も悪く、リサイクル性に乏しいことが判った。
1:混合ポリマー、2:熱伝導性充填剤、3:基材フィルム、4:CPU、5:ヒートシンク、100:熱伝導性組成物、200:熱伝導性シート
Claims (10)
- 発熱体の発熱温度で軟化する第1側鎖結晶化可能ポリマーを50〜95重量部と、前記第1側鎖結晶化可能ポリマーと非相溶であり発熱体の発熱温度で流動性を示す第2側鎖結晶化可能ポリマーを50〜5重量部含み、
前記第1側鎖結晶化可能ポリマーと前記第2側鎖結晶化可能ポリマーの混合ポリマーの固形分100重量部に対して、熱伝導性充填剤10〜300重量部を含む
ことを特徴とする熱伝導性組成物。 - 前記第1側鎖結晶化可能ポリマーおよび前記第2側鎖結晶化可能ポリマーの融点がともに温度30℃以上であり、かつ前記融点未満の温度では結晶化することを特徴とする請求項1記載の熱伝導性組成物。
- 前記第1側鎖結晶化可能ポリマーおよび前記第2側鎖結晶化可能ポリマーがともに
炭素数が16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを30〜100重量部と、
炭素数1〜12のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを70〜0重量部と、
極性モノマー0〜10重量部と
を重合させて得られる重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性組成物。 - 前記第1側鎖結晶化可能ポリマーの重量平均分子量が1万〜30万であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の熱伝導性組成物。
- 前記第2側鎖結晶化可能ポリマーの重量平均分子量が1000〜10000であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性組成物の温度23℃と80℃における貯蔵弾性率の比(23℃の貯蔵弾性率÷80℃の貯蔵弾性率)が100以上であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項5いずれか1項に記載の熱伝導性組成物。
- 前記熱伝導性組成物の温度23℃における粘着力が50g/25mm以下であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載の熱伝導性組成物。
- 前記請求項1の前記熱伝導性組成物の形態がシート状であることを特徴とする熱伝導性シート。
- 前記シートの厚さが20μm以上〜200μm以下であることを特徴とする請求項8の熱伝導性シート。
- 前記請求項1の前記熱伝導性組成物が熱伝導性を有する基材フィルムの両面に設けられていることを特徴とする熱伝導性シート。
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JP2005059784A JP2006241333A (ja) | 2005-03-04 | 2005-03-04 | 熱伝導性組成物および熱伝導性シート |
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