JP2005060594A - 粘着層付熱伝導性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層を熱伝導性シートの表面に薄く形成することで、熱抵抗値の上昇を抑えつつ貼着性が高く、貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性を向上した粘着層付熱伝導性シートの提供
【解決手段】シリコーン粘着材100重量部に,液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布し形成した粘着層の層厚が、5μm〜25μmである粘着層付熱伝導性シート
【解決手段】シリコーン粘着材100重量部に,液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布し形成した粘着層の層厚が、5μm〜25μmである粘着層付熱伝導性シート
Description
本発明は、電子機器内における発熱電子部品と放熱器の間や発熱電子部品と金属製伝熱板との間に介在して用いられる粘着層付熱伝導性シートに関する。
近年、コンピュータのCPUに代表される電子機器内の電子素子の高性能化に伴い、電子素子の消費電力が増え、電子素子の発熱量が大きくなってきている。電子素子の性能は熱によって著しく低下することから、電子素子の蓄熱防止が非常に重要な技術となってきている。
電子機器内の電子素子の蓄熱防止方法として、発熱電子素子と放熱器の間や発熱電子素子と金属製伝熱板との間に熱伝導性シートを介在し、電子素子から発生する熱を他の部材に伝え、電子素子に蓄熱させない蓄熱防止方法が一般的である。
この種の熱伝導性シートは、特開昭63−20340号公報記載のように、熱伝導性シート中に熱伝導性充填剤を高充填させることによって熱伝導率を高めたものである。
熱伝導性シートにはいくつかの種類があるが、多く用いられているのは軟質のものであって、硬度はJIS K 6253 タイプEの測定値で表すと、35以下の硬度のものである。さらに、熱伝導性シートの素材は、低硬度が可能でかつ充填剤を高充填できるシリコーンゴムが多い。このような軟質の熱伝導性シートは、電子素子と放熱器の間や電子素子と金属製伝熱板の間に狭持した時に、電子素子の表面と密接でき高い伝熱効率を示すことから多く用いられている。
熱伝導性シートを電子機器内に組み付ける作業は、電子素子あるいは放熱器等のどちらか一方に熱伝導性シートを貼着してからもう一方を整合して行う。このため熱伝導性シートの少なくとも片面は、貼着後に位置ずれが生じないよう高い粘着力が必要とされる。
特開昭63−20340号
しかしながら、熱伝導性シートは、粒状の熱伝導性充填剤を高充填することにより熱伝導性を高めているため、充填剤を含まない時の熱伝導性シート素材の粘着性が高いものであっても、熱伝導性充填剤を高充填した熱伝導性シートは粘着性が低下し、貼着後の位置ずれや落下が生じ易くなり、組み付ける作業性が悪くなるという問題点があった。
この問題点を回避する方法として、熱伝導性シートの表面に粘着材を塗布して粘着層を形成し、高い粘着力を持たせる検討が行われた。しかし、シリコーンゴムからなる熱伝導性シートには接着性の点からシリコーン系の粘着材を塗布してシリコーン粘着層を形成することになるが、このシリコーン粘着層はシリコーンゴムのような軟質では無いため、電子素子等と熱伝導性シートの粘着層との間に微細な空間が生じ易くなり、熱伝導効率が低下するという新たな問題点が生じた。
これは、シリコーン粘着材が、有機基がないシロキサン結合の四官能性のQ単位と、有機基が3個ついたシロキサン結合の一官能性のM単位との重合体であり、粘着力の高いQ単位に僅かにM単位が重合していることから、シリコーンレジンの性状であるQ単位の性質上、シリコーン粘着材は硬くなることにある。
本発明は、熱伝導性シートにおいて、熱伝導性シートの熱伝導効率を低下させずに粘着層を付与することを目的としている。
本発明は、熱伝導性シートにおいて、熱伝導性シートの熱伝導効率を低下させずに粘着層を付与することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層を熱伝導性シートの表面に薄く形成することで、熱抵抗値の上昇を抑えつつ貼着性が高く、貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性を向上した粘着層付熱伝導性シートを提供するものである。
すなわち、シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布し形成した粘着層の層厚が、5μm〜25μmである粘着層付熱伝導性シートである。
本発明は、シリコーン粘着材に液状シリコーンゴムを配合することで、シリコーン粘着材に柔軟性を付与し電子素子等と粘着層付熱伝導性シートの粘着層との間に微細な空間が生じることを無くし、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層を形成でき、貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性が向上する。そして、シリコーン粘着層は薄層であることから、熱抵抗値の上昇も抑えることができる粘着層付熱伝導性シートである。本発明の粘着層付熱伝導性シートの粘着力が、15N/10mm以上を保持でき、熱抵抗値の上昇が20%以内に抑えられる。
本発明のシリコーン粘着組成物の配合は、シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部であることが好ましい。液状シリコーンゴムが25重量部未満では粘着層に軟質性が付与できず、液状シリコーンゴムが50重量部を超えると粘着性が劣るため好ましくない。
本発明の粘着層の層厚は、5μm〜25μmであることが好ましい。層厚が5μm未満では十分な粘着性が付与できずまた粘着層の強度も弱く層剥離し易い、層厚が25μmを超えると粘着層が断熱層として働き熱抵抗値が上昇し好ましくない。
さらに、粘着層の硬度が、JIS K 6253 タイプEで10〜35である粘着層付熱伝導性シートである。本発明は、熱伝導性シートの粘着層の硬度をJIS K 6253 タイプEで10〜35とすることで、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とすることで、電子素子等と粘着層との間に微細な空間を生じることなく、また熱伝導性シートが無理のない柔軟性を示す粘着層付熱伝導性シートとなる。
本発明の粘着層の硬度は、JIS K 6253 タイプEで10〜35であることが好ましい。硬度が10未満では軟らかすぎて層として機能せず、硬度が35を超えると電子素子等と粘着層との間に微細な空間を生じることがあるため好ましくない。
本発明の粘着層付熱伝導性シートは、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層の薄層を熱伝導性シートの表面に形成することで、熱抵抗値の上昇を抑えつつ貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性を向上させた。
本発明は、シリコーン粘着材に液状シリコーンゴムを配合することで、シリコーン粘着材に柔軟性を付与し電子素子等と熱伝導性シートの粘着層との間に微細な空間が生じることを無くし、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層が形成できることから、貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性が向上する。そして、シリコーン粘着層は薄層であることから、熱抵抗値の上昇も抑えることができる。本発明の粘着層付熱伝導性シートの粘着力が、15N/10mm以上を保持でき、熱抵抗値の上昇が20%以内に抑えられる。
本発明は、熱伝導性シートの粘着層の硬度をJIS K 6253 タイプEで10〜35とすることで、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とすることで、熱伝導性シートが無理のない柔軟性を示す粘着層付熱伝導性シートとなっている。
通常、シリコーン粘着材は、トルエン等の有機溶剤にて希釈し用いるが、本発明では、有機溶剤を用いないため、生産環境や作業者に高い安全性を与える粘着層付熱伝導性シートである。
通常、シリコーン粘着材は、トルエン等の有機溶剤にて希釈し用いるが、本発明では、有機溶剤を用いないため、生産環境や作業者に高い安全性を与える粘着層付熱伝導性シートである。
以下に、本発明の最良の形態を説明する。
本発明の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布して粘着層を形成し、その粘着層の層厚が、5μm〜25μmであり、さらに、粘着層の硬度がJIS K 6253 タイプEで10〜35として、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とする粘着層付熱伝導性シートである。
本発明の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布して粘着層を形成し、その粘着層の層厚が、5μm〜25μmであり、さらに、粘着層の硬度がJIS K 6253 タイプEで10〜35として、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とする粘着層付熱伝導性シートである。
本発明は、シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合することで、シリコーン粘着層に柔軟性を付与して電子素子等と粘着層との間に微細な空間が生じることを無くし、粘着力が15N/10mm以上という高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層が形成できることから、貼着後の熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止し、組み付け作業性が向上する。
そして、シリコーン粘着層は5μm〜25μmと薄層であることから、熱抵抗値の上昇が20%以内に抑えることができる粘着層付熱伝導性シートである。熱抵抗値の上昇を20%以内に抑えることができれば、熱伝導性シートの熱伝導機能の低下にはならない。
さらに、熱伝導性シートの粘着層の硬度をJIS K 6253 タイプEで10〜35とすることで、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とすることで、電子素子等と粘着層との間に微細な空間を生じることなく、また熱伝導性シートが無理のない柔軟性を示す粘着層付熱伝導性シートである。
さらに、熱伝導性シートの粘着層の硬度をJIS K 6253 タイプEで10〜35とすることで、粘着層の硬度を熱伝導性シートの硬度の同等以下とすることで、電子素子等と粘着層との間に微細な空間を生じることなく、また熱伝導性シートが無理のない柔軟性を示す粘着層付熱伝導性シートである。
本発明のシリコーン粘着材は、粘着力の高いQ単位に僅かにM単位が重合しているシリコーン粘着材であるが、具体的には、Q単位100にM単位が1〜3重合しているシリコーン粘着材である。
シリコーン系粘着材と液状シリコーンゴムは同様の架橋硬化反応型のものが適しており、特に大気中でも硬化反応ができる付加反応型であるのが望ましい。同じ付加反応型であることにより、シリコーン系粘着材を構成する未架橋部分と液状シリコーンゴムの未架橋部分が架橋し、本来硬度が非常に高いシリコーン系粘着材の硬度を低下させることができる。これにより、熱伝導性シートの表面に塗布される粘着層の硬度を低下させることができ、発熱体や放熱板との密着性を高められることから、結果的に粘着層付熱伝導性シートの熱抵抗を低下させることができる。
本発明のシリコーン粘着組成物の粘度は、4Pa・s〜15Pa・sが好ましい。粘度が4Pa・s未満だと軟らかすぎて塗布後硬化前にだれてしまい所定の層厚を形成することができず、粘度が15Pa・sを超えると塗布時に熱伝導性シートを薄く圧縮してしまい所定の層厚を形成することができず好ましくない。
以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説明する。また、以下で使用する熱伝導性シートは全て同様の熱伝導性シートである。
粘着力の測定は、JIS Z 0237(粘着テープ、粘着シート試験方法)の粘着力試験の90度引きはがし法に準じて測定し、被着体はアルミ板を用いた。
硬度の測定は、同様の組成物で硬度測定用の試料を作製し、JIS K 6253 タイプEにて測定した。
粘着力の測定は、JIS Z 0237(粘着テープ、粘着シート試験方法)の粘着力試験の90度引きはがし法に準じて測定し、被着体はアルミ板を用いた。
硬度の測定は、同様の組成物で硬度測定用の試料を作製し、JIS K 6253 タイプEにて測定した。
熱抵抗値上昇率は、所定の粘着層を片面に形成した熱伝導性シートを測定サンプル10mm×10mm×1mmに加工し、その測定サンプルを発熱量4Wのヒーターとヒートシンクとで4kgfの荷重で狭持し、ヒーターの温度(t1)とヒートシンクの温度(t2)から式1にて各サンプルの熱抵抗値を求め、粘着層の無い熱伝導性シートをブランクとして、各サンプルの熱抵抗値上昇率を算出した。
熱抵抗値(℃/W)=(t1−t2)/4
熱抵抗値(℃/W)=(t1−t2)/4
粘着層付熱伝導性シートの粘着層の層厚を20μm一定にし、シリコーン粘着組成物の配合調整による粘着層の粘着力と硬度について表1に示す。さらに、熱抵抗値上昇率も示す。
本実施例1の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)25重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例1の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
本実施例2の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)35重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例2の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
本実施例3の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例3の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
本実施例1の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)50重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例4の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
比較例1の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)20重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。比較例1の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
比較例2の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)60重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が20μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。比較例2の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表1に示した。
各実施例の粘着層の粘着力は15N/10mm以上と高い粘着性を有し、粘着層の硬度もタイプEで10〜35の範囲内であるため、各実施例の粘着層は、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層であり、貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止でき、また、粘着層が軟質で電子素子等と粘着層との間に微細な空間が生じることが無く、熱抵抗値の上昇が20%以内に抑えることができる粘着層付熱伝導性シートとなった。
比較例1は、粘着力は高く貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止はできるが粘着層の硬度が高いため電子素子等と粘着層との間に微細な空間が生じ熱抵抗値の上昇が大きくなり熱伝導機能が低下することとなった。比較例2は、粘着層の硬度は低いが粘着力が低く貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下が生じた。
次に、粘着層付熱伝導性シートのシリコーン粘着組成物の配合を適宜選択により粘着層の硬度をタイプEで25とし、粘着層の層厚調整による粘着層の粘着力について表1に示す。さらに、熱抵抗値上昇率も示す。。
次に、粘着層付熱伝導性シートのシリコーン粘着組成物の配合を適宜選択により粘着層の硬度をタイプEで25とし、粘着層の層厚調整による粘着層の粘着力について表1に示す。さらに、熱抵抗値上昇率も示す。。
本実施例5の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が5μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例5の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
本実施例6の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が15μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例6の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
本実施例7の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が25μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。本実施例7の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
比較例3の熱伝導性シートは、粘着層を形成してない熱伝導性シートである。比較例3の粘着層の粘着力、硬度、及び粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
比較例4の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が3μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。比較例4の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
比較例5の粘着層付熱伝導性シートは、シリコーン粘着材(Q単位:M単位=100:2 付加反応型シリコーン粘着材 東芝GEシリコーン(株)製)100重量部に、液状シリコーンゴム(付加反応型ゲルタイプ 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)45重量部を配合し振動攪拌にて混練してシリコーン粘着組成物を得た。このシリコーン粘着組成物を、クオーターを用いて熱伝導性シートの表面に塗布し粘着層を形成した。片面に層厚が30μmの粘着層を設けた粘着層付熱伝導性シートを得た。比較例5の粘着層の粘着力、硬度、および粘着層を設けたことによる熱抵抗値の上昇率を表2に示した。
各実施例の粘着層の粘着力は15N/10mm以上と高い粘着性を有し、粘着層の硬度もタイプEで18であるため、各実施例の粘着層は、高い粘着性と軟質性を併せ持つシリコーン粘着層であり、貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止できた。また、粘着層が軟質で電子素子等と粘着層との間に微細な空間が生じることが無く、熱抵抗値の上昇が20%以内に抑えることができる粘着層付熱伝導性シートとなった。
比較例3は、粘着層が無いため貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下が生じ易く作業性が悪い。比較例4は、粘着層の層厚が薄いため熱抵抗値の上昇は抑えられるが粘着力が低く貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下が生じた。比較例5は、粘着層の層厚が厚いため粘着力は高く貼着後の粘着層付熱伝導性シートの位置ずれや落下を防止はできるが熱抵抗値の上昇が大きくなり熱伝導機能が低下することとなった。
Claims (2)
- シリコーン粘着材100重量部に液状シリコーンゴム25重量部〜50重量部配合したシリコーン粘着組成物を、熱伝導性シートの少なくとも片面に塗布し形成した粘着層の層厚が、5μm〜25μmであることを特徴とする粘着層付熱伝導性シート。
- 粘着層の硬度が、JIS K 6253 タイプEで10〜35であることを特徴とする請求項1に記載の粘着層付熱伝導性シート。
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