JP2006239989A - 金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属箔と樹脂組成物からなる樹脂組成物層の間の接着力をさらに向上させ、微細配線形成性や電気特性の面で有利な金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供し、尚且つ信頼性が高く、高周波特性が良好なプリント配線板を提供する。
【解決手段】 硬化剤を含む樹脂組成物と積層し接着させる金属箔の製造方法において、金属箔を準備する工程、金属箔の少なくとも片面にカップリング剤処理を施す工程、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液を金属箔に塗布する工程を有する金属箔の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・高速化の要求が高まるにつれて、プリント配線板の高密度化が進んでおり、電気めっきを用いたセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法が注目されている。このセミアディティブ法は、特開平10−4254号公報にあるように回路を形成したい樹脂表面にレーザ等でIVHとなる穴を形成した後に、化学粗化やプラズマ処理等により数μmの凹凸を樹脂上に形成し、Pd触媒を付与し、1μm程度の無電解めっきを行い、パターン電気めっきレジストを形成し、パターン電気めっきにより回路形成を行った後にレジスト及び回路以外の部分に存在する給電層を除去する手法であり、サイドエッチングの大きいサブトラクティブ法に比べ、より微細な配線形成を可能とするものである。
さらに、樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法もある。近年は金属箔の厚みを薄くするために、特開2003−158364号公報にあるような支持金属箔上に5μm以下の厚みの金属箔が形成されている引き剥がし可能なタイプの金属箔が用いられる。この手法では、絶縁樹脂層の表面に無電解めっきを施す必要がなく、より信頼性の高いプリント配線板を作製できる。また、特開平7−221444号公報にあるようにポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、給電層とする方法もある。
特開平10−4254号公報 特開2003−158364号公報 特開平7−221444号公報
上記公知の方法の内、数μmの凹凸を樹脂上に形成する方法や樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法は、粗化形状が微細配線形成の妨げになるだけでなく、粗化形状により電気特性が低下する不具合が発生する。また、ポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、給電層とする方法は粗化形状を形成しないため、微細配線形成や電気特性上有利であるが、基板自体が高価になってしまい汎用性が乏しい。
そこで、粗化形状がなく微細配線を安価に形成可能な手法として、銅箔と接着剤層を用いた配線の形成方法が考案されている。この方法を用いると、アンカーを形成することなく、絶縁層との間の接着性を確保することができるが、従来のアンカー効果による接着力には及ばない。本発明は金属箔と樹脂組成物からなる絶縁層(樹脂組成物層)の間の接着力をさらに向上させ、微細配線形成性や電気特性の面で有利な金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供するものであり、尚且つ信頼性が高く、高周波特性が良好なプリント配線板を提供するものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.硬化剤を含む樹脂組成物と積層し接着させる金属箔の製造方法において、金属箔を準備する工程、金属箔の少なくとも片面にカップリング剤処理を施す工程、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液を金属箔に塗布する工程を有する金属箔の製造方法。
2.更に金属箔を40℃以上300℃以下に加熱する工程を有する項1に記載の金属箔の製造方法。
3.更に金属箔を有機溶剤または水を含む溶液で洗浄する工程を有する項1または2に記載の金属箔の製造方法。
4.溶液が硬化剤を含む溶液である項3に記載の金属箔の製造方法。
5.溶液が樹脂組成物を含む溶液である項3または4に記載の金属箔の製造方法。
6.樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である項1〜5いずれかに記載の金属箔の製造方法。
7.金属箔が銅箔である項1〜6いずれかに記載の金属箔の製造方法。
8.金属箔を準備する工程で準備された金属箔の少なくとも片面に防錆処理またはクロメート処理が施されている項1〜7いずれかに記載の金属箔の製造方法。
9.防錆処理がニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトのいずれか、若しくはそれらの合金を用いて行われている防錆処理である項8に記載の金属箔の製造方法。
10.金属箔を準備する工程で準備された金属箔の少なくとも片面のRz(10点平均粗さ)が2μm以下である項1〜9のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
11.金属箔を準備する工程で準備された金属箔が支持体を有する金属箔であり、かつ支持体を除く金属箔の厚さが5μm以下である項1〜10のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
12.カップリング剤処理に用いるカップリング剤がアミノ基またはエポキシ基を有するカップリング剤である項1〜11のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
13.項1〜12のいずれかに記載の金属箔の製造方法により製造された金属箔。
14.項13に記載の金属箔の少なくとも片面に樹脂組成物層が形成された樹脂つき金属箔。
15.樹脂組成物層の少なくとも片面に金属箔を有する金属張積層板において、金属箔が、請求項13の金属箔または項14記載の樹脂つき金属箔である金属張積層板。
16.項15記載の金属張積層板を準備する工程、金属張積層板の金属箔を使用し回路を形成する工程を有するプリント配線板の製造方法。
17.金属張積層板の金属箔を使用し回路を形成する工程が、金属張積層板の金属箔を給電層としたパターン電気めっき法により回路を形成する工程である項16記載のプリント配線板の製造方法。
18.項16または17記載のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板。
本発明により、金属箔と樹脂組成物からなる樹脂組成物層の間の接着力をさらに向上させ、微細配線形成性や電気特性の面で有利な金属箔の製造方法、これを用いた金属箔、樹脂付き金属箔、金属張積層板、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供し、尚且つ信頼性が高く、高周波特性が良好なプリント配線板を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態を、図1を参照して詳細に説明する。
本発明の金属箔の製造方法は、硬化剤を含む樹脂組成物と積層し接着させる金属箔の製造方法において、金属箔を準備する工程、金属箔の少なくとも片面にカップリング剤処理を施す工程、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液を金属箔に塗布する工程を有している。
本発明において準備される金属箔は特に限定しない。ただし、金属箔は、その表面にこぶ状の電着物層(俗にやけめっきといわれる)の形成や酸化処理、還元処理、エッチングなどによる粗し処理が実質的に施されていないものが好ましい。ここで「実質的に」という用語は、従来の、十分なピール強度が得られない程度に粗化処理された金属箔をも用いることができるという意味であり、好ましくは、粗し処理が全く施されていない金属箔を用いる。したがって、本発明に用いる金属箔の表面粗さはJIS B0601に示す10点平均粗さ(Rz)が両面とも2.0μm以下であることが好ましく、0.01〜1.5μm以下であることがより好ましく、0.01〜1.0μm以下であることが特に好ましい。
また、本発明に用いる金属箔としては、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミ箔などを用いることができるが、銅箔が好ましい。本発明に用いる銅箔の製造方法としては、特に限定されず、例えば、図1(a)に示すようなキャリア箔1を有するピーラブルタイプの銅箔(極薄平滑銅箔)2を製造する場合、厚み10〜50μmのキャリア箔1上に剥離層となる金属酸化物或いは有機物層を形成し、その上に硫酸銅浴であれば、硫酸50〜100g/L、銅30〜100g/L、液温20℃〜80℃、電流密度0.5〜100A/dmの条件で、ピロリン酸銅浴であれば、ピロリン酸カリウム100〜700g/L、銅10〜50g/L、液温30℃〜60℃、pH8〜12、電流密度1〜10A/dmの条件で製造することができ、銅箔の物性や平滑性を考慮して各種添加剤をいれる場合もある。なお、ピーラブルタイプの金属箔とは、支持体であるキャリア箔1を有する金属箔であり、キャリア箔1が引き剥がし可能な金属箔である。
また、本発明に用いる金属箔の厚みとしては、特に限定されないが、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。支持体であるキャリア箔を有するピーラブルタイプの金属箔を用いる場合、支持体であるキャリア箔引き剥がし後に金属箔が5μm以下になるものであることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。このような金属箔を給電層に用いた場合、後述するように配線形成性が良好なものを得ることができる。また、5μmを超える金属箔を使用して本発明を適用した金属張積層板を得てから5μm以下にエッチングすることもできる。
また、本発明の金属箔の製造方法において、金属箔の少なくとも片面にカップリング剤処理を施す工程、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液を金属箔に塗布する工程を有している。これらの工程は、金属箔と硬化剤を含む樹脂組成物との密着性を実用レベルもしくはそれ以上とするための表面処理である。更に金属箔上への表面処理としては、例えば、防錆処理、クロメート処理のいずれか、もしくはこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、その他にどのような表面処理を施すかは樹脂組成物に合わせて適宜選択することが好ましい。
上記防錆処理は、例えば、ニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトなどの金属のいずれか、若しくはそれらの合金を、スパッタや電気めっき、無電解めっきにより金属箔上に薄膜形成することで施すことができる。コストの面からは電気めっきが好ましい。金属イオンの析出を容易にするためにクエン酸塩、酒石酸塩、スルファミン酸等の錯化剤を必要量添加することも出来る。めっき液は通常酸性領域で用い、室温(25℃)〜80℃の温度で行う。めっきは通常電流密度0.1〜10A/dm、通電時間1〜60秒、好ましくは1〜30秒の範囲から適宜選択する。防錆処理金属の量は、金属の種類によって異なるが、合計で10〜2000μg/dmが好適である。防錆処理が厚すぎるとエッチング阻害と電気特性の低下を引き起こし、薄すぎると樹脂とのピール強度低下の要因となりうる。
また、樹脂組成物中にシアネート樹脂を含む場合には、防錆処理がニッケルを含む金属により行われていることが好ましい。この組み合わせにおいては、耐熱劣化試験や耐湿劣化試験におけるピール強度の低下が少なく有用である。
上記クロメート処理として、好ましくは六価クロムイオンを含む水溶液を用いる。クロメート処理は単純な浸漬処理でも可能であるが、好ましくは陰極処理で行う。重クロム酸ナトリウム0.1〜50g/L、pH1〜13、浴温0〜60℃、電流密度0.1〜5A/dm、電解時間0.1〜100秒の条件で行うことが好ましい。重クロム酸ナトリウムの代わりにクロム酸或いは重クロム酸カリウムを用いて行うことも出来る。また、上記クロメート処理は上記防錆処理上に施すことが好ましく、これにより樹脂組成物と金属箔との密着性をより向上させることができる。
上記カップリング処理に用いるカップリング剤としては、特に限定せず、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤が挙げられ、シランカップリング剤が好ましい。更にアミノ基またはエポキシ基を有するカップリング剤がより好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ官能性シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のオレフィン官能性シラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル官能性シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランなどが用いられる。これらは単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。これらのカップリング剤は、水などの溶媒に0.1〜15g/Lの濃度で溶解させて室温(25℃)〜50℃の温度で金属箔に塗布したり、電着させたりして吸着させる。これらのシランカップリング剤は金属箔表面の防錆処理金属の水酸基と縮合結合することで皮膜を形成する。カップリング処理後は加熱、紫外線照射等によって安定的結合を形成する。加熱であれば100〜200℃の温度で2〜60秒乾燥させる。紫外線照射であれば200〜400nm、200〜2500mJ/cmの範囲で行う。
また、カップリング処理に用いるシランカップリング剤としては、40〜200℃、より好ましくは80〜150℃の加熱により後述する樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液と化学反応するものであることが好ましい。これによれば、処理溶液中の成分とシランカップリング剤の官能基が化学反応し、より優れた密着性を得ることが可能となる。例えば、エポキシ樹脂が含まれる処理溶液に対しては、アミノ官能性シランを含むシランカップリング剤を用いることが好ましい。また、エポキシ樹脂の硬化剤を含む処理溶液に対しては、エポキシ官能性シランを含むシランカップリング剤を用いることが好ましい。これは、熱によりエポキシ基とアミノ基などが容易に強固な化学結合を形成し、この結合が熱や水分に対して極めて安定であることに起因する。このように化学結合を形成する組み合わせとして、エポキシ基−アミノ基、エポキシ基−エポキシ基、エポキシ基−メルカプト基、エポキシ基−水酸基、エポキシ基−カルボキシル基、エポキシ基−シアナト基、アミノ基−水酸基、アミノ基−カルボキシル基、アミノ基−シアナト基などが例示される。
金属箔と接着する樹脂組成物としては、プリント配線板の絶縁材料として用いられる公知慣例の樹脂組成物を用いることができる。通常、耐熱性、耐薬品性の良好な熱硬化性樹脂がベースとして用いられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂などが例示されるが、これらに限定されるわけではない。熱硬化性樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。熱硬化性樹脂のうち、特にエポキシ樹脂は信頼性の観点から好ましく、シアネート樹脂は低誘電率の観点から好ましい。さらに、誘電特性、耐衝撃性、フィルム加工性などを考慮して、熱可塑性樹脂がブレンドされてあっても良く、熱可塑性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエンなどが例示される。
前記熱硬化性樹脂の中でも、エポキシ樹脂は耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れ、比較的安価であることから、絶縁樹脂として広く用いられており、特に好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが例示される。エポキシ樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
また、樹脂組成物に含まれる硬化剤としては特に限定せず、例えば、多官能フェノール類、多官能アルコール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物及びこれらのハロゲン化物などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
前記樹脂組成物の形態は特に限定せず、例えば樹脂フィルムとして提供されるものであってもよいし、プリプレグとして基材に含浸または塗工されたものであってもよく、樹脂組成物層として用いられる。コア基板を作製する場合、プリプレグの両側に金属箔を有する積層板を用いる方法が安価で好ましい。プリプレグの基材としては各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。基材の材質の例としては、Eガラス,Dガラス,Sガラス又はQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル又はテトラフルオロエチレン等の有機繊維、及びそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され必要により単独もしくは2種類以上の材質及び形状からの使用が可能である。基材の厚みには特に制限はないが、通常0.03〜0.5mm程度のものを使用し、シランカップリング剤等で表面処理したものや機械的に開繊処理を施したものは耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
金属箔に塗布する処理溶液は、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液である。あるいは樹脂組成物およびカップリング剤と反応する成分、または樹脂組成物の硬化剤およびカップリング剤と反応する成分を含む処理溶液でもよい。例えば、樹脂組成物としてエポキシ樹脂を含む場合、金属表面に処理するカップリング剤をエポキシ官能性シランカップリング剤とし、処理溶液はエポキシ樹脂の硬化剤を含む処理溶液とすることが好ましい。処理溶液中には硬化促進剤などの別の添加物を加えてもよい。これにより、カップリング剤と処理溶液中の硬化剤がまず反応し、その後樹脂組成物のワニスを塗布、または樹脂組成物のフィルム若しくはプリプレグをプレスすることで、カップリング剤と樹脂組成物の間の結合をより強固なものにすることができる。もしこのような処理を行わないと、硬化剤を含む樹脂組成物とシランカップリング剤が直接反応することになるが、通常樹脂組成物中の硬化剤は樹脂と十分に反応するものを選んでいるためにシランカップリング剤よりも樹脂とよく反応し、処理を行った場合に比べて樹脂とカップリング剤の反応が不十分である。
このため、本発明の処理を行うことで、従来よりも接着力を向上させることができる。別の例として、樹脂組成物としてエポキシ樹脂を含む樹脂の場合、金属表面に処理するカップリング剤をアミノ官能性シランカップリング剤とし、処理溶液はエポキシ樹脂を含む処理溶液とすることが好ましい。この場合、まずエポキシ樹脂とカップリング剤が反応し、その後硬化剤を含むエポキシ樹脂ワニスを塗布することで、同様に従来よりもシランカップリング剤と樹脂との反応を十分に進行させることができる。樹脂ワニスの代わりにフィルム上の樹脂やプリプレグを使用してもよい。
以上、前記処理溶液は、樹脂組成物中のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂など熱硬化性樹脂、またはその硬化剤を含むことが好ましい。そして処理溶液に含まれる熱硬化性樹脂または硬化剤は、金属箔を接着させる樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂または硬化剤と同一であることがより好ましい。このように樹脂または樹脂の硬化剤であらかじめ金属箔を処理することで従来よりも金属箔と樹脂組成物の接着性を向上させることができるが、処理溶液を塗布した後に加熱することで、カップリング剤と処理溶液との反応を促進することができる。加熱温度はカップリング剤の種類や処理溶液の種類などによって最適温度が異なるが、40℃以上300℃以下が好ましく、80℃以上160℃以下がより好ましい。
本発明の金属箔の製造方法は、更に金属箔を有機溶剤または水を含む溶液で洗浄する工程を有することが好ましい。処理溶液を塗布後、余分な処理溶液を有機溶剤または水を含む溶液で洗浄することで接着力が向上する。洗浄に使用する溶液としては通常の有機溶剤や水、またはそれらの混合物、若しくはそれらに別の物質を溶解させたものなど洗浄できれば何でもよく、処理溶液の溶剤と同じ物質または類似の物質が好ましい。また更に前記溶液が、樹脂組成物や硬化剤を含むことがより好ましく、樹脂組成物や硬化剤としては、処理溶液に含まれる樹脂組成物や硬化剤と同一であることが特に好ましい。また、前記加熱工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。洗浄後、加熱乾燥を行ってもよい。
こうして得られた金属箔は、そのまま樹脂フィルムやプリプレグに積層してもよいが、樹脂組成物のワニスを塗布および乾燥し、図1(b)に示すような樹脂組成物からなる樹脂組成物層3が形成された樹脂つき金属箔とすることができる。樹脂組成物のワニスの塗布方法は特に限定せず、各種コーターを用いて塗布してもよく、スプレーやディップで塗布してもよい。塗布後加熱ならびに乾燥させるが、条件は80〜200℃の温度で1〜30分とするのが適当であり、加熱、乾燥後の樹脂組成物中における残留溶剤量は、0.2〜10重量%が適当である。また、樹脂組成物のワニスを塗布する代わりに樹脂フィルムをラミネートする方法もある。フィルム状の樹脂を金属箔にラミネートする場合は、50〜150℃、0.1〜5MPaの条件で真空或いは大気圧の条件が適当である。
例えば前記金属箔や樹脂つき金属箔は、樹脂フィルムまたはプリプレグのような樹脂組成物層4とともに積層して図1(c)に示すような金属張積層板とすることができる。樹脂フィルムまたはプリプレグを介さずに、樹脂つき金属箔と別の金属箔、または樹脂つき金属箔どうしを張り合わせることもできる。また、図1(i)に示すように内層回路板の上に樹脂組成物層9である樹脂フィルムやプリプレグを重ねてから、または内層回路板に樹脂組成物のワニスを塗工後乾燥してから、金属箔を積層することもできる。積層板とするには、加熱・加圧による手法を用いることができ、一般的な真空プレス機を用いることが好ましい。加熱・加圧の条件としては、樹脂組成物層の材料特性にあった条件が好ましく、例えば、温度150℃〜250℃、圧力1MPa〜5MPaが好ましい。
例えば金属箔がピーラブルタイプの場合、キャリア箔を引き剥がし、エッチャブルタイプの場合、キャリア箔をエッチングして、金属箔の厚みが5μm以下である積層板となる。ピーラブルタイプの場合、キャリア箔との剥離層となる金属酸化物あるいは有機物層を除去することができる。金属酸化物あるいは有機物層の除去方法は、酸またはアルカリによる化学的なエッチングや物理的な研磨、またそれらを組み合わせたものなど何でもよい。また、金属酸化物や有機物の層のみを除去しても、金属箔の一部とともに除去してもよい。また、エッチャブルタイプで金属箔を銅箔、キャリア箔をAl箔とした場合、アルカリ溶液であれば、キャリア箔のみをエッチングでき好ましい。さらに、金属箔は給電層として機能する範囲であれば薄いほど微細配線形成に適するため、エッチングにより厚みを低減することができ、ピーラブルタイプの場合、離型層の除去と同時に行うと効率的で好ましい。
以上のような金属張積層板は図1(d)に示すようにレーザ加工によりスルーホール5穴明けを行ってもよい。レーザ光源としては、COレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザなど、公知のレーザ光を用いることができ、COレーザは加工速度が速く好ましく、UV−YAGレーザはビア穴の小径化に適しており好ましい。レーザ穴明け方法としては、コンフォーマルマスクを用いる方法やダイレクトレーザ加工などがある。コンフォーマルマスクによる方法は、金属箔のビア穴を形成する場所にエッチングにより開口を形成し、金属箔をマスクとして開口径より大きい径のレーザ光を照射して樹脂組成物層を除去する。ダイレクトレーザ加工は、ビア径に絞ったレーザ光を直接金属箔に照射して穴明けする方法である。ダイレクトレーザ加工の場合、金属箔表面のレーザ吸収率を高くするために、粗化処理や黒化処理を行うことができる。このようなレーザ加工において、金属箔と樹脂組成物層とのピール強度が0.5kN/m未満であると、ビア穴周辺の金属箔に剥離が起こりやすく、レーザ条件の設定が困難になる。ピール強度が0.5kN/m以上であると金属箔剥離は発生し難くなり、0.8kN/m以上がより好ましい。このようなビア穴内には、スミアが発生しているため、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸などを用いて除去することが好ましい。レーザ穴明けやドリル穴明けによってスルーホール5を形成してもよい。
本発明の金属張積層板を用い、金属箔を利用して回路を形成してプリント配線板を製造してもよい。例えば回路を形成する方法としては、パネルめっきを行い、エッチングで回路形成する方法や、パターン電気めっきにより回路形成する方法があるが、微細配線形成性の点からパターン電気めっきにより回路形成する方法が好ましい。例えば、パターン電気めっきにより回路形成する方法としては、図1(e)に示すように無電解めっきにより穴内に無電解銅めっき層6を形成し、図1(f)に示すように電気めっきレジスト7を形成した後、図1(g)に示すように金属箔(極薄平滑銅箔2)と無電解銅めっき層6を給電層とし、電気めっき8により回路導体パターンを形成し、図1(h)に示すように電気めっきレジスト7剥離後、最後に不要な個所の金属箔と無電解銅めっき層をエッチング除去して回路を形成することでプリント配線板を製造する。このように製造したプリント配線板を内層基板として、図1(i)〜(m)に示すようにさらに多層化することもできる。ビア穴やスルーホールを有さない場合には、無電解銅めっきは行わなくてもよい。
例えば無電解銅めっきは、無電解銅めっきの核となる触媒を付与し、これに無電解銅めっきを薄付けすることで形成する。触媒としては、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができ、特にパラジウムは樹脂への密着性が高く好ましい。無電解銅めっきとしては、硫酸銅、錯化剤、ホルマリン、水酸化ナトリウムを主成分とする、一般的な配線板で用いる無電解銅めっき液を用いることができる。めっき厚みとしては、給電層として給電可能な厚みがあれば良く、0.1〜1μmの範囲が好ましい。0.1μmより薄いと無電解めっき層にピンホールが発生する恐れがあり、1μmより厚いと微細配線形成が困難になる。
例えば金属箔の回路となる以外の個所に電気めっきレジストを形成する。電気めっきレジストの厚さは、その後めっきする配線導体の厚さと同程度か、より厚い膜厚にするのが好ましい。電気めっきレジストに使用できる樹脂には、液状レジストやドライフィルムレジストがある。
回路となる電気銅めっきには、通常配線板で使用される硫酸銅電気めっきやピロリン酸電気めっきが使用できる。電気銅めっきの厚さは、回路として使用できればよく、1〜100μmの範囲であることが好ましく、微細回路形成には5〜50μmの範囲であることがより好ましい。また、金属箔を銅箔とした場合、電気銅めっき層形成時の電流密度は銅箔作製時の電流密度よりも小さければよいが、好ましくは0.5〜5A/dmである。電気銅めっき層形成時の電流密度が銅箔作製時の電流密度よりも高いと後のエッチング工程で過剰に溶解されやすくなってしまい良好な回路形成を為すのに支障をきたす。
次にアルカリ性剥離液や硫酸あるいは市販のレジスト剥離液を用いて電気めっきレジストの剥離を行い、パターン部以外の金属箔をエッチング除去して回路が形成できる。例えば、金属箔として銅箔を用いた場合、エッチング液は、ハロゲン以外の酸及び過酸化水素を主成分とし、主成分に加えて溶媒、添加剤からなる溶液であり、溶媒としては、コスト、取り扱い性、安全性の面から水が好ましく用いられ、水にはアルコール等が添加されていても構わない。また、添加剤としては過酸化水素の安定剤等が添加されうる。さらに、ハロゲン以外の酸としては、硫酸、硝酸等が挙げられ、好ましくは、硫酸が用いられる。このようなエッチング液を用いて回路部以外の銅箔をエッチング除去し、設計通りの回路のトップ幅、ボトム幅を得るためには電気銅めっきのエッチング速度が銅箔のエッチング速度の80%以下であることが好ましい。また、銅箔のエッチングの際に回路もエッチングされて回路幅が減少するため、銅箔は5μm以下が好ましく、0.1μm以上3μm以下がより好ましい。
また、ハロゲン以外の酸として硫酸を用いる場合、エッチング液の主成分の濃度として、10〜300g/Lの硫酸および10〜200g/Lの過酸化水素水を用いることが好ましい。上記濃度域以下の濃度ではエッチング速度が遅いために作業性が悪く、上記濃度域以上の濃度ではエッチング速度が速いためにエッチング量のコントロールが難しい。また、銅箔のエッチング速度としては1〜15μm/分となるようにコントロールすることが作業性の面から好ましい。また、結晶構造の差異によるエッチング速度の差はエッチング液の温度に依存するため、エッチング除去の際にエッチング液の温度は20〜50℃とすることが好ましく、20〜40℃とすることがより好ましい。さらにエッチング時間としては、所望の回路幅が形成されるような時間を実験により適宜求めればよいが、作業性、エッチングの均一性等のために10秒〜10分の範囲であることが好ましい。
こうして得られた配線板の上に、さらに絶縁層を介して外側に既知の方法で回路を形成してもよい。また、得られた回路の必要な箇所にソルダレジストの形成、外層回路へのめっき処理を行うことができる。このようなソルダレジストとしては、一般的な配線板で用いる液状レジストやフィルム状レジストを用いることができる。また、ワイヤボンド端子やフリップチップ端子に金めっきや錫めっきを施すことが好ましい。金めっきとしては、金の銅配線への拡散を抑えるために、電解Ni/Auめっきや無電解Ni/Pd/Auめっきを用いることができる。
こうして得られたプリント配線板の樹脂組成物層と回路の引き剥がし強さは、1.0kN/m以上であることが好ましい。また、150℃で240時間加熱した後の樹脂組成物層と回路の引き剥がし強さは0.4kN/m以上であることが好ましく、0.6kN/m以上であることがより好ましく、0.8kN/m以上であることがさらに好ましい。また、121℃2気圧の飽和水蒸気圧下に96時間置いた後の樹脂組成物層と回路の引き剥がし強さは0.4kN/m以上であることが好ましく、0.6kN/m以上であることがより好ましく、0.8kN/m以上であることがさらに好ましい。なお前記のプリント配線板の回路の引き剥がし強さを測定評価する際の回路の幅は特に限定しないが、1mm幅であることが好ましい。
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記に示す金属箔Aを作製した。
(金属箔A)
幅510mm、厚み35μmの電解銅箔(キャリア箔)の光沢面に下記の条件でクロムめっきを連続的に行って1.0mg/dmの厚さのクロムめっき層(剥離層)を形成した。クロムめっき形成後の表面粗度Rz=0.5μmであった。なお、表面粗さはJIS−B−0601に基づき測定した。
クロムめっき条件
・液組成:三酸化クロム250g/L、硫酸2.5g/L
・浴温:25℃
・アノード:鉛
・電流密度20A/dm
次に下記に示す光沢めっき条件で厚さ2.0μmの電気銅めっきを行った。電気銅めっき終了後の金属箔表面粗さRz(10点平均粗さ)=0.6μmであった。
硫酸銅めっき条件
液組成:硫酸銅5水和物100g/L、硫酸150g/L、塩化物イオン30ppm
・浴温:25℃
・アノード:鉛
・電流密度:10A/dm
次に下記に示すように電気めっきにより亜鉛防錆処理を行った。
液組成:亜鉛20g/L,硫酸70g/L
・浴温:40℃
・アノード:鉛
・電流密度:15A/dm
・電解時間:10秒
次に引き続き下記に示すクロメート処理を行い、本発明に用いる金属箔を準備した。
液組成:クロム酸5.0g/L
・pH11.5
・浴温:55℃
・アノード:鉛
・浸漬時間:5秒
次に、前記金属箔に下記に示すカップリング剤処理を行った。
・液組成:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5.0g/L
・液温25℃
・浸漬時間10秒
カップリング処理後、金属箔を120℃で乾燥してカップリング剤を金属箔表面と反応させ、金属箔Aを作製した。そのときの金属箔表面粗さはRz(10点平均粗さ)=0.6μmであった。
次に、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液として、下記の組成よりなる処理溶液Aを作製した。
(処理溶液A)
・トリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂、フェノライトEXB−9829(窒素含有量18重量%、水酸基当量151、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)100g/L
・硬化促進剤:キュアゾール2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名)10g/L
・溶剤:メチルエチルケトン
下記に示す金属箔Bを作製した。
(金属箔B)
金属箔Aのシランカップリング剤処理面に処理溶液Aを塗布した。塗布後160℃で10分間加熱し、その後有機溶剤または水を含む溶液として、有機溶剤であるメチルエチルケトンを用いて表面を十分に洗浄した。以上により、本発明の金属箔である金属箔Bを作製した。
下記の組成よりなる樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂組成物A)
・ビフェニル系エポキシ樹脂、NC3000S−H(日本化薬株式会社製、商品名)80重量部
・カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、XER−91SE−15(JSR株式会社、商品名)5重量部
・トリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂、フェノライトEXB−9829(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)9重量部
・リン含有化合物、HCA−HQ(三光株式会社製、商品名)26重量部
・イミダゾール誘導体化合物、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製、商品名)0.24重量部
・溶剤:メチルエチルケトン
下記に示す樹脂つき金属箔Cを作製した。
(樹脂つき金属箔C)
金属箔Bの処理面に樹脂組成物Aを塗工した後、90℃5分の加熱乾燥を行い、樹脂組成物Aからなる厚み2.0μmの樹脂組成物層が形成された樹脂つき金属箔Cを作製した。
樹脂組成物層としてGEA−679F(エポキシ樹脂含有プリプレグ、日立化成工業株式会社製、商品名)4枚と上下に樹脂つき金属箔Cを、キャリア箔を外側にし、積層し、185℃、2.45MPaの条件で1時間プレス成形し、銅箔上のキャリア箔を引き剥がすことで樹脂組成物層と金属箔よりなる金属張積層板(銅張積層板)を製造した。
金属箔上から炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、直径80μmの貫通スルーホールをあけ、過マンガン酸カリウム65g/リットルと水酸化ナトリウム40g/リットルの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、スミアの除去を行なった。
その後、パラジウム触媒であるHS−201B(日立化成工業株式会社製、商品名)を付与した後、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行い、厚さ0.5μmの無電解銅めっき層を形成した。なおパラジウム触媒の付与条件を下記表1に示した。
Figure 2006239989
ドライフィルムフォトレジストであるRY−3325(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層の表面にラミネートし、電気銅めっきを行う箇所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像して電気めっきレジストを形成した。硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dmの条件で、電気銅めっきを20μmほど行い、最小回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=23/17μmとなるように回路パターンを形成した。また一部に、回路の引き剥がし強さ測定用の幅1mmの回路パターンを形成した。
次にレジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)で電気めっきレジストの除去を行った後に、HSO100g/L、H10g/Lの組成のエッチング液を用いてパターン部以外の銅をエッチング除去し、プリント配線板を作製した。
(実施例2)
処理溶液Aを、以下に示す処理溶液Bに変更した以外は実施例1と同様にしてプリント配線板を作製した。
(処理溶液B)
・フェノールノボラックおよびメラミン樹脂、フェノライトLA−3018−50P(大日本インキ化学工業株式会社製):100g/L
・硬化促進剤:キュアゾール2E4MZ(四国化成工業株式会社製、商品名):10g/L
・溶剤:メチルエチルケトン
(比較例1)
処理溶液Aによる処理を行わなかった以外は実施例1と同様にしてプリント配線板を作製した。
(回路の引き剥がし強さの測定)
実施例1〜2、比較例1のプリント配線板の回路の引き剥がし強さを測定した。引き剥がしは垂直引き剥がし強さを測定した。測定は常に20℃で行った。測定条件を以下に示した。また測定結果を下記表2に示した。
・装置:株式会社島津製作所製オートグラフAC−100C
・引き剥がし速度:50mm/min
・回路の幅:1mm
Figure 2006239989
実施例1および2のプリント配線板の回路の引き剥がし強さは1.0kN/mであった。また、比較例1のプリント配線板の回路の引き剥がし強さは0.8kN/mであった。この結果から、本発明によって金属箔と樹脂組成物層の接着強度が向上していることがわかる。以上示したように本発明により、金属箔と樹脂組成物層の接着強度を向上させることができ、これによって電気特性良好で密着性にすぐれる、信頼性良好なプリント配線板を提供することができる。
本発明によるプリント配線板の製造工程の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 ・・・・・キャリア箔
2、2’・・・極薄平滑銅箔
3、3’・・・樹脂組成物層
4 ・・・・・樹脂組成物層
5 ・・・・・スルーホール
6、6’・・・無電解銅めっき層
7、7’・・・電気めっきレジスト
8、8’・・・電気めっき
9 ・・・・・樹脂組成物層
10 ・・・・IVH



Claims (18)

  1. 硬化剤を含む樹脂組成物と積層し接着させる金属箔の製造方法において、金属箔を準備する工程、金属箔の少なくとも片面にカップリング剤処理を施す工程、樹脂組成物、硬化剤、カップリング剤のうちいずれかと反応する成分を含む処理溶液を金属箔に塗布する工程を有する金属箔の製造方法。
  2. 更に金属箔を40℃以上300℃以下に加熱する工程を有する請求項1に記載の金属箔の製造方法。
  3. 更に金属箔を有機溶剤または水を含む溶液で洗浄する工程を有する請求項1または2に記載の金属箔の製造方法。
  4. 溶液が硬化剤を含む溶液である請求項3に記載の金属箔の製造方法。
  5. 溶液が樹脂組成物を含む溶液である請求項3または4に記載の金属箔の製造方法。
  6. 樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である請求項1〜5いずれかに記載の金属箔の製造方法。
  7. 金属箔が銅箔である請求項1〜6いずれかに記載の金属箔の製造方法。
  8. 金属箔を準備する工程で準備された金属箔の少なくとも片面に防錆処理またはクロメート処理が施されている請求項1〜7いずれかに記載の金属箔の製造方法。
  9. 防錆処理がニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトのいずれか、若しくはそれらの合金を用いて行われている防錆処理である請求項8に記載の金属箔の製造方法。
  10. 金属箔を準備する工程で準備された金属箔の少なくとも片面のRz(10点平均粗さ)が2μm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
  11. 金属箔を準備する工程で準備された金属箔が支持体を有する金属箔であり、かつ支持体を除く金属箔の厚さが5μm以下である請求項1〜10のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
  12. カップリング剤処理に用いるカップリング剤がアミノ基またはエポキシ基を有するカップリング剤である請求項1〜11のいずれかに記載の金属箔の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の金属箔の製造方法により製造された金属箔。
  14. 請求項13に記載の金属箔の少なくとも片面に樹脂組成物層が形成された樹脂つき金属箔。
  15. 樹脂組成物層の少なくとも片面に金属箔を有する金属張積層板において、金属箔が、請求項13の金属箔または請求項14記載の樹脂つき金属箔である金属張積層板。
  16. 請求項15記載の金属張積層板を準備する工程、金属張積層板の金属箔を使用し回路を形成する工程を有するプリント配線板の製造方法。
  17. 金属張積層板の金属箔を使用し回路を形成する工程が、金属張積層板の金属箔を給電層としたパターン電気めっき法により回路を形成する工程である請求項16記載のプリント配線板の製造方法。
  18. 請求項16または17記載のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板。



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