JP5002943B2 - 接着補助剤付金属箔及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、接着補助剤付金属箔及びそれを用いたプリント配線板に関する。さらに、本発明は、接着補助剤付金属箔を用いた多層配線板、半導体チップ搭載基板及び半導体パッケージ基板に関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・高速化の要求が高まり、プリント配線板の高密度化が進んでおり、近年、電気めっきを用いたセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法が注目されている。このセミアディティブ法は、例えば、特許文献1にあるように回路を形成したい樹脂表面にIVHとなる穴を形成した後に、化学粗化により凹凸を樹脂上に形成し、Pd触媒を付与し、無電解めっきを行い、パターン電気めっきレジストを形成し、パターン電気めっきにより回路形成を行う手法であり、サイドエッチングの大きいサブトラクティブ法に比べ、より微細な配線形成を可能とするものである。さらに、樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法もある。近年は金属箔の厚みを薄くするために、例えば、特許文献2にあるような絶縁樹脂の両面に5μm以下の銅箔を貼り合わせた基板材料が用いられる。この手法では、導体回路間のショート不良が少なく回路形成性のよいプリント配線板を作製できる。また、特許文献3にあるようにポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、給電層とする方法もある。
上記公知の方法の内、数μmの凹凸を樹脂上に形成する方法や樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法は、粗化形状が微細配線形成の妨げになるだけでなく、粗化形状により電気特性が低下する不具合が発生する。また、ポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、給電層とする方法は粗化形状を形成しないため、微細配線形成や電気特性上有利であるが、基板自体が高価になってしまい汎用性が乏しい。
また、特許文献4に示すように平滑な極薄銅箔を給電層に用いて回路形成を行うことで安価に微細配線を形成するという手法がある。この方法は、絶縁層の上の平滑な極薄銅箔の上から層間接続のためにインタースティシャルビアホール(IVH)を形成し、層間接続のための無電解銅めっきを行い、レジストの像形成後、回路形成を行うという手法である。ここでIVHを形成する方法には銅箔上に直接レーザー光を照射するダイレクトレーザー穴あけ法やIVH径と同じ大きさの窓穴をフォトリソ法により形成した後、窓穴より大きなレーザー光を照射することでIVHを形成するコンフォーマル穴あけ法、IVH径より大きな窓穴を銅箔上に形成した後、IVH径と同じ大きさのレーザー光を照射して穴あけを行うラージウインドウ法の3種類が存在する。この内特許文献4に記載の方法ではダイレクトレーザー穴あけ法以外は使い難い。何故なら窓穴をフォトリソ法により形成する際に基板端部にレジストを形成することが困難であるため、基板端部は樹脂が剥き出しになってしまう。平滑な樹脂の上では無電解銅めっきピールが得られない為、量産工程時に無電解銅が剥離してしまう等の不具合が発生する。或いはラージウインドウ法にてIVH径より大きな窓穴を銅箔上に形成すると、IVHの外側は樹脂が剥き出しになってしまう。ここでもIVH周辺のめっき剥離といった問題が生じていた。
特開平10−4254 特開2003-158364 特開平7-221444 特開2004-025835
本発明は公知の方法の不具合点を解消し、微細配線形成や電気特性、製造コストの上で有利な配線板を提供するものであり、尚且つ信頼性が高く、高周波特性が良好な配線板を提供するものである。
本発明は以下のことを特徴とする。
(1) 厚さ0.1〜10μmの接着補助剤の層を表面の十点平均粗さがRz=2.0μm以下の金属上に有し、前記接着補助剤が(A)エポキシ樹脂,(B)化学粗化可能な高分子成分,(C)エポキシ樹脂硬化剤,及び(D)硬化促進剤を含むことを特徴とする接着補助剤付金属箔。
(2) (A)成分がノボラック型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする(1)に記載の接着補助剤付金属箔。
(3) (A)成分はビフェニル構造を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の接着補助剤付金属箔。
(4) (B)成分は架橋ゴム粒子であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の接着補助剤付金属箔。
(5) (B)成分はアクリロニトリルブタジエンゴム,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子,ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする(1)〜(4)に記載の接着補助剤付金属箔。
(6) (B)成分がポリビニルアセタール樹脂およびカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする(1)〜(3)に記載の接着補助剤付金属箔。
(7) (A)成分の100重量部に対し,(B)成分が0.5〜25重量部である(1)〜(6)のいずれに記載の接着補助剤付金属箔。
(8) (C)成分がノボラック型フェノール樹脂であることを特徴とする(1)〜(7)に記載の接着補助剤付金属箔。
(9) (C)成分がトリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂であることを特徴とする(1)〜(8)に記載の接着補助剤付金属箔。
(10) 金属の表面に、接着力の促進を目的とする粗化処理を施していないことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
(11) 金属は、亜鉛,クロム、ニッケル及びこれらの酸化物から選択される少なくとも一種により防錆処理された銅箔を特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
(12) 金属は、シランカップリング処理が表面に施された金属であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
(13) (1)〜(12)のいずれかに記載の金属箔を用いて作製したプリント配線板であって、接着補助剤付絶縁層の接着補助剤層と導体回路との20℃での引き剥がし強さが0.6kN/m以上であることを特徴とするプリント配線板。
(14) (1)〜(12)のいずれかに記載の金属箔を用いて作製したスルホール構造及び非貫通スルホール構造のいずれかを有するプリント配線板であって、そのスルホール構造及び非貫通スルホール構造のいずれかを作製する際に、化学粗化後無電解銅めっきにより下地めっきが形成されたことを特徴とするプリント配線板。また、本発明により、工程中のめっき剥離を抑えることが可能である。
本発明によると、微細配線形成や電気特性、製造コストの上で有利であって、尚且つ信頼性が高く、高周波特性が良好な配線板を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図1を参照して詳細に説明する。
まず、2層より成るコア基板を作製する。コア基板の製造方法は本発明では特に限定しない。本発明で述べるコア基板とは基板を作製するための中間体となる配線が形成された基板である。以下に述べるのはコア基板に微細配線を形成する方法の一例である。コア基板は絶縁層と金属層からなるものであって、これを作製する場合、図1(a)に示すようなプリプレグ1の両側に金属箔2を有する積層板を作成する方法が安価で好ましい。
プリプレグは樹脂組成物を基材に含浸又は塗工してなるものであり、基材としては各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。基材の材質の例としては、Eガラス,Dガラス,Sガラス又はQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル又はテトラフルオロエチレン等の有機繊維、及びそれらの混合物等が挙げられる。
これらの基材は、例えば織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され必要により単独もしくは2種類以上の材質及び形状からの使用が可能である。基材の厚みには特に制限はないが、通常0.03〜0.5mm程度のものを使用し、シランカップリング剤等で表面処理したものや機械的に開繊処理を施したものは耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁材料として用いられる公知慣例の樹脂組成物を用いることができる。通常、耐熱性、耐薬品性の良好な熱硬化性樹脂がベースとして用いられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニル樹脂などが例示されるが、これらに限定されるわけではない。熱硬化性樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
熱硬化性樹脂の中でも、エポキシ樹脂は耐熱性、耐薬品性、電気特性に優れ、比較的安価であることから、絶縁樹脂として広く用いられており特に重要である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが例示される。エポキシ樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。また、このエポキシ樹脂とともに用いる硬化剤はエポキシ樹脂を硬化させるものであれば、限定することなく使用でき、例えば、多官能フェノール類、多官能アルコール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物及びこれらのハロゲン化物などがある。これらのエポキシ樹脂硬化剤は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
シアネートエステル樹脂は、加熱によりトリアジン環を繰り返し単位とする硬化物を生成する樹脂であり、硬化物は誘電特性に優れるため、特に高周波特性が要求される場合などに用いられることが多い。シアネートエステル樹脂としては、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノールノボラック及びアルキルフェノールノボラックのシアネートエステル化物等が挙げられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンは硬化物の誘電特性と硬化性のバランスが特に良好であり、コスト的にも安価であるため好ましい。またシアネートエステル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、ここで用いられるシアネートエステル化合物は予め一部が三量体や五量体にオリゴマー化されていても構わない。さらに、シアネート樹脂に対して硬化触媒や硬化促進剤を入れても良い。硬化触媒としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩等の有機金属塩及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。硬化促進剤としてはフェノール類を使用することが好ましく、ノニルフェノール、パラクミルフェノールなどの単官能フェノールや、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどの二官能フェノールあるいはフェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多官能フェノールなどを用いることができる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
絶縁材料として用いられる樹脂組成物には、誘電特性、耐衝撃性、フィルム加工性などを考慮して、熱可塑性樹脂がブレンドされてあっても良い。熱可塑性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエンなどが例示されるが、これらに限定されるわけではない。熱可塑性樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
熱可塑性樹脂の中でも、ポリフェニレンエーテルおよび変性ポリフェニレンエーテルを配合すると、硬化物の誘電特性が向上するので有用である。ポリフェニレンエーテルおよび変性ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとポリスチレンのアロイ化ポリマ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン−ブタジエンコポリマのアロイ化ポリマ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン−無水マレイン酸コポリマのアロイ化ポリマ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとポリアミドのアロイ化ポリマ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルとスチレン−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマのアロイ化ポリマなどが挙げられる。また、ポリフェニレンエーテルに反応性、重合性を付与するために、ポリマー鎖末端にアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、スチリル基、メタクリル基などの官能基を導入したり、ポリマー鎖側鎖にアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、スチリル基、メタクリル基などの官能基を導入したりしてもよい。
熱可塑性樹脂の中でも、ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐湿性に優れることに加え、金属に対する接着性が良好であるので有用である。ポリアミドイミドの原料のうち、酸成分としては、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸モノクロライド、アミン成分としては、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどが例示されるが、これに限定されるわけではない。乾燥性を向上させるためにシロキサン変性としても良く、この場合、アミノ成分にシロキサンジアミンが用いられる。フィルム加工性を考慮すると、分子量は5万以上のものを用いるのが好ましい。
絶縁材料として用いられる樹脂組成物には、無機フィラーが混合されてあっても良い。
無機フィラーとしては、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、溶融シリカ、ガラス粉、石英粉、シラスバルーンなどが挙げられる。これら無機フィラーは単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。
絶縁材料として用いられる樹脂組成物は、有機溶媒を含有しても良い。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンのような芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒;テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系溶媒;2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノールのようなエーテルアルコール系溶媒;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒などを、適宜、併用しても良い。プリプレグを作製する場合におけるワニス中の溶媒量は40〜80重量%の範囲とするのが好ましく、また、ワニスの粘度は20〜100cPの範囲とするのが好ましい。
絶縁材料として用いられる樹脂組成物は難燃剤を含有しても良い。難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ無水フタル酸、トリブロモフェノールなどの臭素化合物、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートなどのリン化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、赤リン及びその変性物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、メラミン、シアヌール酸、シアヌール酸メラミンなどのトリアジン化合物など公知慣例の難燃剤を用いることができる。
絶縁材料として用いられる樹脂組成物に対して、さらに必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性粒子、着色剤、紫外線不透過剤、酸化防止剤、還元剤などの各種添加剤や充填剤を加えて調合する。
通常、基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で20〜90重量%となるように基材に含浸又は塗工した後、通常100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化状態(Bステージ状態)のプリプレグを得る。このプリプレグを通常1〜20枚重ね、その両面に金属箔を配置した構成で加熱加圧する。成形条件としては通常の積層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、通常、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形したり、真空ラミネート装置などを用いてラミネート条件50〜150℃、0.1〜5MPaの条件で減圧下又は大気圧の条件で行う。絶縁層となるプリプレグ層の厚みは用途によって異なるが、通常0.1〜5.0mmの厚みのものが良い。
本発明に用いる金属箔の表面粗さはJIS−B−0601に示す10点平均粗さ(Rz)が両面とも2.0μm以下であることが電気特性上好ましい。金属箔には銅箔、ニッケル箔、アルミ箔などを用いることができるが、通常は銅箔を使用する。銅箔の製造条件は、硫酸銅浴の場合、硫酸50〜100g/L、銅30〜100g/L、液温20℃〜80℃、電流密度0.5〜100A/dmの条件、ピロリン酸銅浴の場合、ピロリン酸カリウム100〜700g/L、銅10〜50g/L、液温30℃〜60℃、pH8〜12、電流密度1〜10A/dmの条件が一般的によく用いられ、銅の物性や平滑性を考慮して各種添加剤をいれる場合もある。銅箔は通常粗し処理とよばれる粗面化処理を行うが、本発明では実質的な粗し処理を行わず、銅箔が足を有さないことを特徴とする。「銅箔が足を有さない」とは、銅箔の凹凸が少ないことを意味する。銅箔の凹凸が少ないと、エッチングの際に樹脂上の回路がない部分に銅箔残さが残らない。
金属箔の厚みは,特に限定されるものではない。一般にプリント配線板に用いられている厚み105μm以下の金属箔で構わないが,表面粗さRzが両面とも2.0μm以下である金属箔を用いると良い。
微細配線を形成するために、好ましくは、厚みが3.0μm以下のピーラブルタイプであり、かつ表面粗さRzが両面とも2.0μm以下である金属箔を用いると良い。ここで、ピーラブルタイプの金属箔とは、キャリアを有する金属箔であり、キャリアが引き剥がし可能な金属箔である。例えば、ピーラブルタイプの極薄銅箔の場合、厚み10〜50μmのキャリア箔上に剥離層となる金属酸化物或いは有機物層を形成し、その上に硫酸銅浴であれば硫酸50〜100g/L、銅30〜100g/L、液温20℃〜80℃、電流密度0.5〜100A/dmの条件、ピロリン酸銅浴であればピロリン酸カリウム100〜700g/L、銅10〜50g/L、液温30℃〜60℃、pH8〜12、電流密度1〜10A/dmの条件で厚み0.3〜3.0μmの金属箔を形成し、製造される。このような箔を給電層に用いた場合、後述するように配線形成性が良好である。尚、ピーラブルタイプの代わりにアルミキャリアやニッケルキャリアを有するエッチャブルタイプの銅箔を用いることもできる。
金属箔の樹脂接着面に行う防錆処理は、ニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルト又はこれらの酸化物のいずれか、若しくはそれらの合金を用いて行うことができるが、亜鉛及びクロムから選択される少なくとも一種により行われることが好ましい。これらはスパッタや電気めっき、無電解めっきにより金属箔上に薄膜形成を行うものであるが、コストの面から電気めっきが好ましい。具体的にはめっき層にニッケル、錫、亜鉛、クロム、モリブデン、コバルトの内一種類以上の金属塩を含むめっき層を用いてめっきを行う。後の信頼性等の観点から、亜鉛を含むめっきを行うのが好適である。金属イオンの析出を容易にするためにクエン酸塩、酒石酸塩、スルファミン酸等の錯化剤を必要量添加することも出来る。めっき液は通常酸性領域で用い、室温〜80℃の温度で行う。めっきは通常電流密度0.1〜10A/dm2、通電時間1〜60秒、好ましくは1〜30秒の範囲から適宜選択する。防錆処理金属の量は、金属の種類によって異なるが、合計で10〜2000μg/dm2が好適である。防錆処理が厚すぎるとエッチング阻害と電気特性の低下を引き起こし、薄すぎると樹脂とのピール強度低下の要因となりうる。
さらに、防錆処理上にクロメート処理層が形成されていると樹脂とのピール強度低下を抑制できるため有用である。具体的には六価クロムイオンを含む水溶液を用いて行われる。クロメート処理は単純な浸漬処理でも可能であるが、好ましくは陰極処理で行う。重クロム酸ナトリウム0.1〜50g/L、pH1〜13、浴温0〜60℃、電流密度0.1〜5A/dm、電解時間0.1〜100秒の条件で行うのが良い。重クロム酸ナトリウムの代わりにクロム酸或いは重クロム酸カリウムを用いて行うことも出来る。
本発明においては、金属箔の最外層にさらにシランカップリング剤が吸着していることが好ましい。シランカップリング剤としては例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ官能性シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のオレフィン官能性シラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル官能性シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル官能性シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シランなどが用いられる。後に塗工する接着補助剤との相性を考えると、分子内にエポキシ基あるいはアミノ基を有することが望ましい。
これらは単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。これらのカップリング剤は、水などの溶媒に0.1〜15g/Lの濃度で溶解させて室温〜50℃の温度で金属箔に塗布したり、電着させたりして吸着させる。これらのシランカップリング剤は金属箔表面の防錆金属の水酸基と縮合結合することで皮膜を形成する。シランカップリング処理後は加熱、紫外線照射等によって安定的結合を形成する。加熱であれば100〜200℃の温度で2〜60秒乾燥させる。紫外線照射であれば200〜400nm、200〜2500mJ/cmの範囲で行う。
シランカップリング剤処理を行った銅箔上にエポキシ樹脂を必須成分とする接着補助剤を銅箔上に塗布する。塗布する厚みは0.1〜10μmとなることが望ましく、0.1〜5.0μmの範囲であることが更に望ましい。0.1〜5.0μmの範囲であると、層間絶縁材料の有する耐熱性や誘電特性等の特徴を低下させることがほとんどない。
本発明の接着補助剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)化学粗化可能な高分子成分、(C)エポキシ樹脂硬化剤および(D)硬化促進剤を含むことが好ましい。
(A)成分はノボラック型エポキシ樹脂、又はノボラック型エポキシ樹脂を含むことが望ましい。本発明におけるノボラック型エポキシ樹脂は(A)ビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。(A)ビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂とは、分子中にビフェニル誘導体の芳香族環を含有したノボラック型のエポキシ樹脂をいい、例えば、式(1):
Figure 0005002943
(式中、pは、1〜5を示す)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
市販品としては、日本化薬株式会社製のNC−3000S(pが平均1.7の式(1)のエポキシ樹脂)、NC−3000S−H(pが平均2.8の式(1)のエポキシ樹脂)が挙げられる。
(B)成分はとしては、架橋ゴム粒子であることが好ましく、具体的には、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子,ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子から選択される少なくとも一種からなることが好ましい。
アクリロニトリルブタジエンゴム粒子とは、アクリロニトリル、ブタジエンを共重合させ、かつ共重合する段階で、部分的に架橋させ、粒子状にしたものである。またアクリル酸,メタクリル酸等のカルボン酸を併せて共重合することにより,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子を得ることも可能である。ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子は,乳化重合でブタジエン粒子を重合させ,引き続きアクリル酸エステル,アクリル酸等のモノマーを添加して重合を続ける二段階の重合方法で得ることができる。粒子の大きさは、一次平均粒子径で、50nm〜1μmにすることができる。これらは、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
例えば、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子の市販品としては日本合成ゴム株式会社製のXER−91が挙げられ,ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子は呉羽化学工業株式会社製のEXL−2655や武田薬品工業株式会社のAC−3832が挙げられる。
また、(B)成分として、ポリビニルアセタール樹脂およびカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂から選択される少なくとも一種からなることも好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の種類、水酸基量、アセチル基量は特に限定されないが、重合度は1000〜2500のものが好ましい。この範囲にあると、はんだ耐熱性が確保でき、また、ワニスの粘度、取り扱い性も良好である。ここでポリビニルアセタール樹脂の数平均重合度は、たとえば、その原料であるポリ酢酸ビニルの数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定する)から決定することができる。また、カルボン酸変性品などを用いることもできる。
ポリビニルアセタール樹脂は、たとえば、積水化学工業(株)製の商品名、エスレックBX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BX−7、BH−3、BH−S、KS−3Z、KS−5、KS−5Z、KS−8、KS−23Z、電気化学工業(株)製の商品名、電化ブチラール4000−2、5000A、6000C、6000EP等を使用することができる。これらの樹脂は単独で、または2種類以上混合して用いることもできる。
(B)成分として架橋ゴム粒子とポリビニルアセタール樹脂を併用すると金属箔の引き剥がし強さや化学粗化後の無電解めっきの引き剥がし強さが向上しさらに好ましい。
(A)成分の100重量部に対し,(B)成分が0.5〜25重量部であることが好ましい。(B)成分が0.5重量部より少ないと,ピール強度や化学粗化後の無電解めっきのピール強度が低くなる傾向がある。また、25重量部を超えると、はんだ耐熱性等や絶縁信頼性が低下する傾向がある。特に架橋ゴム粒子とポリビニルアセタール樹脂をそれぞれ1重量部以上であると,金属箔の引き剥がし強さや化学粗化後の無電解めっきの引き剥がし強さが向上し,さらに好ましい。
(C)成分はノボラック型フェノール樹脂であることが好ましく、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂であると金属箔の引き剥がし強さや化学粗化後の無電解めっきの引き剥がし強さが向上し,さらに好ましい。
本発明における、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂とは、ノボラック型フェノール樹脂の主鎖にトリアジン環を含むノボラック型フェノール樹脂を示し,トリアジン環を含むクレゾールノボラック型フェノール樹脂でも構わない。窒素含有量は、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂中、10〜25重量%が好ましく、より好ましくは12〜19重量%である。分子中の窒素含有量がこの範囲であると、誘電損失が大きくなりすぎることもなく、接着補助剤をワニスとする場合に、溶剤への溶解度が適切で、未溶解物の残存量が抑えられる。トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂は、数平均分子量が、500〜600であるものを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
なお、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂は、フェノールとアデヒドとトリアジン環含有化合物を、pH5〜9の条件下で反応させて得ることができる。フェノールに換えクレゾールを用いるとトリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂となる。クレゾールは、o−、m−、p−クレゾールのいずれも使用することができ、トリアジン環含有化合物としてはメラミン、グアナミン及びその誘導体、シアヌル酸及びその誘導体を使用することができる。
市販品としては、大日本インキ化学工業(株)製のトリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂フェノライトEXB−9829(窒素含有量18重量%)が挙げられる。(C)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の重量の合計中5〜19重量%が好ましく、6〜11重量%がより好ましい。)
(D)成分の反応促進剤として、どのようなものを用いても構わないが,潜在性の熱硬化剤である各種イミダゾール類やBFアミン錯体を配合することが好ましい。接着補助剤の保存安定性、Bステージにした際の取り扱い性及びはんだ耐熱性の点から、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテートが好ましい。
(D)成分の配合量は、接着補助剤中の(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲が好ましく,0.3〜1重量部の範囲がより好ましい。これらの範囲にあると、十分なはんだ耐熱性、良好な接着補助剤の保存安定性及びBステージにした際の良好な取り扱い性が得られる。
本発明の接着補助剤には難燃性を向上させるため、(E)フェノール性水酸基含有リン化合物を含有させても良い。
(E)フェノール性水酸基含有リン化合物は、式(2):
Figure 0005002943
(式中、nが1の場合、R4は、水素原子、直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nが2の場合、それぞれのR4は独立して、水素原子、直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であるか、2つのR4は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、非置換又はアルキル基若しくはシクロアルキル基で置換されているベンゼン環を形成し、xは、2以上の自然数である)で示されるような、フェノール性水酸基を含有するリン化合物である。これらは、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。
式(2)において、R4が直鎖状若しくは分枝状のアルキル基の場合、C1〜C6アルキル基が好ましく、シクロアルキル基の場合は、C6〜C8シクロアルキル基が好ましい。アリール基の場合、フェニル基が好ましく、アラルキルの場合、C7〜C10アラルキル基が好ましい。xは、2が好ましい。また、式(2)において、nが2であり、2つのR4が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、2つのR4は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、非置換又はアルキル基若しくはシクロアルキル基で置換されているベンゼン環を形成する場合は、非置換又はC1〜C4アルキル基若しくはC6〜C8シクロアルキル基で置換されているベンゼン環が好ましい。
具体的には、式(3)又は式(4):
Figure 0005002943
(式中、R5は、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル基、シクロヘキシル基を表す)で示されるリン化合物が挙げられる。
特に、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド及びそれらの誘導体が好ましい。
市販品としては、三光株式会社製のHCA−HQが挙げられる。
難燃性を付与する場合、本発明の接着補助剤における、(E)フェノール性水酸基含有リン化合物の配合量は、(A)〜(D)成分の重量の合計中、リン原子換算で、1.5〜3.5重量%の範囲であり、より好ましくは1.8〜2.5重量%の範囲である。配合量がこの範囲にあると、難燃性が良好で、絶縁信頼性に優れ、かつ硬化塗膜のTgが低すぎることもない。
本発明における接着補助剤には信頼性向上のため、(F)無機フィラーを含有していても良い。
本発明における、(F)無機フィラーは、特に限定されないが、シリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、アエロジル及び炭酸カルシウムが挙げられる。無機フィラーには、分散性を高める等の目的で、これらをシランカップリング剤等の各種カップリング剤で処理したものを含む。これらは、単独でも、2種以上を組み合せて用いてもよい。なお、誘電特性や低熱膨張の点からシリカが好ましい。
(F)成分である無機フィラーの配合量は、(A)〜(E)成分の容積の合計中、5〜35容積%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、10〜30容積%である。配合量がこの範囲にあると、熱膨張係数と誘電損失が大きくなることもなく、絶縁層を内層回路上に形成するのに、十分なフローが得られる。なお、本発明の接着補助剤に無機フィラーを分散させるには、例えば、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練方法を用いることができる。
本発明の接着補助剤には、必要に応じて、顔料、レベリング剤、消泡剤、イオントラップ剤等の添加剤を配合してもよい。
以上のように作製した接着補助剤は溶剤に希釈してワニスにして、銅箔に塗工する。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、エチルエトキシプロピオネート等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられる。これらの溶剤は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。接着補助剤に対する溶剤の使用量は、特に限定されず、従来から使用されている量とすることができる。
本発明の接着補助剤、及び上記のワニスを、金属箔の片面に塗工し、半硬化させることにより、接着補助剤付金属箔が完成する。
接着補助剤をワニスとして、コンマコータやグラビアコータで金属箔に塗工する場合は、接着補助剤の全固形分量が、10〜30重量%となるように溶剤の使用量を調節することが好ましいが、またフィルム形成用の設備にあわせて量を調整することもできる。
以上のような接着補助剤付金属箔を用いた基板の製造方法の例を以下に示す。接着補助剤付金属箔とプリプレグとは従来公知の方法により積層一体化され、積層板を得ることができる。図1(a)に、プリプレグ1、金属箔2および接着補助層3からなる積層板を示す。
次に上記積層体に層間接続用の貫通スルーホール4を形成する(図1(b))。スルーホール径が100μm以上であればドリルによる加工が適しており、スルーホール径が100μm以下であればCOやCO、エキシマ等の気体レーザーやYAG等の固体レーザーが適している。スルーホール径が100μm程度ならどちらでもよい。
次いで金属箔上及びスルーホール内部に触媒核を付与する。触媒核の付与には、パラジウムイオン触媒であるアクチベーターネオガント(アトテック・ジャパン株式会社製、商品名)やパラジウムコロイド触媒であるHS201B(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用する。パラジウム触媒を付与する場合、CLC-201(日立化成工業株式会社製、商品名)のようなコンディショニング処理を事前に行う。
次に図1(c)に示すように触媒核を付与した金属箔上及びスルーホール内部に薄付けの無電解めっき層5を形成する。この無電解めっきには、CUST2000(日立化成工業株式会社製、商品名)やCUST201(日立化成工業株式会社製、商品名)等の市販の無電解銅めっきが使用できる。これらの無電解銅めっきは硫酸銅、ホルマリン、錯化剤、水酸化ナトリウムを主成分とする。めっきの厚さは次の電気めっきが行うことができる厚さであればよく、0.1〜1μm程度で十分である。尚、層間接続が必要ない場合は、無電解銅めっきを省略することができる。
次に図1(d)に示すように無電解めっきを行った上にめっきレジスト6を形成する。
めっきレジストの厚さは、その後めっきする導体の厚さと同程度かより厚い膜厚にするのが好適である。めっきレジストに使用できる樹脂には、PMER P−LA900PM(東京応化株式会社製、商品名)のような液状レジストや、HW−425(日立化成工業株式会社、商品名)、RY−3325(日立化成工業株式会社、商品名)等のドライフィルムがある。ビアホール上と導体回路となるべき個所はめっきレジストを形成しない。
次に図1(e)に示すように電気めっきにより回路パターン7を形成する。電気めっきには、通常プリント配線板で使用される硫酸銅電気めっきが使用できる。めっきの厚さは、回路導体として使用できればよく、1〜100μmの範囲である事が好ましく、5〜50μmの範囲である事がより好ましい。
次に図1(f)に示すようにアルカリ性剥離液や硫酸あるいは市販のレジスト剥離液を用いてレジストの剥離を行い、パターン部以外の銅をエッチング除去する。この場合高圧スプレー等によりエッチングを行うのが一般的であるが、配線の微細な部分はどうしても液の交換が悪くなる。従って銅とエッチング液の反応は拡散律速ではなく、反応律速であることが望ましい。銅とエッチング液の反応が反応律速であれば、拡散をそれ以上強めたとしてもエッチング速度は変わらない。即ち液交換の良い場所と悪い場所でのエッチング速度差があまり生じない。具体的には過酸化水素とハロゲン元素を含まない酸とを主成分とするエッチング液を用いるのが良い。酸化剤に過酸化水素を用いると、過酸化水素濃度を管理することで厳密なエッチング速度制御が可能になる。尚、エッチング液にハロゲン元素が混入すると、溶解反応が拡散律速になりやすい。ハロゲンを含まない酸としては、硝酸、硫酸、有機酸等が使用できるが、硫酸であることが安価で好ましい。更に硫酸と過酸化水素が主成分である場合には、それぞれの濃度を5〜300g/L,5〜200g/Lとする事がエッチング速度、液の安定性の面から好ましい。
以上パターン電気めっき法で基板を作製する方法を示したが、サブトラクティブ法であっても構わない。以上示した方法により2層より成るコア基板が完成する。以上のように作製したコア基板は導体回路の表面粗さがRz=2.0μm以下であり、コア基板の絶縁層の表面粗さがRz=2.0以下であることが電気特性上望ましい。
以上のように作製した平滑な導体回路、絶縁層はアンカー効果が見込めないため、図1(g)に示す様に接着性を促進するための接着補助剤層8を形成することが信頼性を考慮すると好ましい。接着補助剤層の厚みは0.1〜10μmの間であることが好ましく、0.1〜5μmの間であることが更に好ましい。接着補助剤層の厚みが0.1μmより少ないと接着性が不十分な場合があり、10μmより大きいと伸び率や誘電率、誘電正接といった各種特性に影響を及ぼす場合がある。接着補助剤は銅箔に塗工した樹脂と同様でよい。
導体回路上にニッケルやクロム、錫、亜鉛、パラジウム又はこれらの酸化物により防錆処理を行い、カップリング剤処理を行った後に接着補助剤層を形成すると効果が大きい。防錆処理やカップリング剤処理を行う方法は銅箔に行う場合と同様でよいが、防錆処理は無電解めっきで行った方が良い。
接着補助剤層の塗膜方法は、接着補助剤溶液にコア基板を浸漬させる。浸漬する前に酸やアルカリ、各種界面活性剤溶液に浸漬し、酸化層の除去や濡れ性を向上させることができるが、処理後の導体回路の表面粗さはRz=2.0μm以下であることが望ましい。接着補助剤の固形分濃度は特に限定しないが、浸漬後の樹脂厚を考えると1%〜50%の範囲がよく、3%〜25%の範囲であることがさらに望ましい。接着補助剤処理温度は室温で十分であるが、10〜50℃の範囲で液温をコントロールしても良い。
浸漬後は温風ブロー等で乾燥する。乾燥温度は90℃〜210℃の範囲がよく、120℃〜190℃の範囲であることが更に望ましい。乾燥後に残溶剤が1%以下となるようにする。残溶剤が1%以上あると最終的に作製したプリント配線板の信頼性が低下する。乾燥時間は乾燥温度等によって異なるが、1分〜60分の間がよい。乾燥後の樹脂は完全硬化ではなく半硬化のBステージ状態にしておく。樹脂を完全硬化するとその上に積層する絶縁層との接着力が弱くなる場合がある。
次に接着補助剤で処理したコア基板の上に、図1(h)に示す様に絶縁層9と金属層10からなる片面金属箔付樹脂をラミネートとする。絶縁層9と金属層10の間に接着補助剤層11を設けてもよい。絶縁層の厚みは10から100μm程度、望ましくは20から60μmがよく、金属箔10の厚みは0.3から35μmが好適である。片面金属箔付樹脂の作製に用いる樹脂、銅箔は積層板の時と同様のものを用い、樹脂ワニスを金属箔にキスコーター、ロールコーター、コンマコーター等を用いて塗布するか或いはフィルム状の樹脂を金属箔にラミネートして行う。樹脂ワニスを金属箔に塗布する場合は、その後、加熱ならびに乾燥させるが、条件は100〜200℃の温度で1〜30分とするのが適当であり、加熱、乾燥後の樹脂組成物中における残留溶剤量は、0.2〜10%程度が適当である。フィルム状の樹脂を金属箔にラミネートする場合は、50〜150℃、0.1〜5MPaの条件で真空或いは大気圧の条件が適当である。絶縁層にエポキシ樹脂が入ることでBステージのポリアミドイミドとの接着性が向上する。また、コア基板とプリプレグ、銅箔を積層プレスする方法もある。この場合用いるプリプレグはコア基板と同様の方法で作製する。接着補助剤層と銅箔との引き剥がし強さは、接着補助剤付絶縁層と1mm幅の導体回路の20℃での引き剥がし強さが0.6kN/m以上であることが好ましく、150℃で240時間加熱した後の接着補助剤付絶縁層と1mm幅の導体回路の20℃における引き剥がし強さが0.4kN/m以上であることがさらに好ましい。
次いで図1(i)に示す様に金属箔の上から層間樹脂絶縁層にIVH12を形成する。IVHを形成する方法としては、レーザーを用いるのが好適である。ここで用いることが出来るレーザーとしては、COやCO、エキシマ等の気体レーザーやYAG等の固体レーザーがある。COレーザーが容易に大出力を得られる事からφ50μm以上のIVHの加工に適している。φ50μm以下の微細なIVHを加工する場合は、より短波長で集光性のよいYAGレーザーが適している。
IVH形成にコンフォーマル法を用いることができる。コンフォーマル法とは、フォトリソ法により、銅箔に窓穴を形成し、窓穴より大きいレーザー径でIVH形成を行うものである。このフォトリソ法による窓穴形成時に、一般に基板の端部にレジストを形成することが困難であるため、基板端部の樹脂がむき出しになった場所が生じる。この場合、本発明による接着補助剤を用いることで、樹脂がむき出しになった箇所(基板の端部)へのめっき付性が向上するため、基板端部のめっき剥離といった不具合が発生しにくい。
さらに、フォトリソ法により銅箔にIVH径より大きな窓穴を形成し、IVH径のレーザでIVH形成を行うラージウィンドウ工法もある。この場合、本発明による接着補助剤を用いることで、コンフォーマル法で課題となった樹脂が剥き出しとなった基板端部と共に、IVH径周辺の大きな窓穴部分の樹脂が剥き出しになった部分のめっき付性が向上するため、めっき剥離といった不具合が発生しにくい。
次いで過マンガン酸塩、クロム酸塩、クロム酸のような酸化剤を用いてIVH内部の樹脂残さの除去を行い、次いで金属箔上及びIVH内部に触媒核を付与する。本発明ではIVH内部の樹脂残さの除去を行うと同時に樹脂が剥き出しになった箇所を粗面化できるため、後のめっき工程でのめっき付性が向上する。
次に図1(j)に示すように触媒核を付与した金属箔上及びIVH内部に薄付けの無電解めっき層13を形成する。この無電解めっきには、CUST2000(日立化成工業株式会社製、商品名)やCUST201(日立化成工業株式会社製、商品名)等の市販の無電解銅めっきが使用できる。これらの無電解銅めっきは硫酸銅、ホルマリン、錯化剤、水酸化ナトリウムを主成分とする。めっきの厚さは次の電気めっきが行うことができる厚さであればよく、0.1〜1μm程度で十分である。
次に図1(k)に示すように無電解めっきを行った上にめっきレジスト14を形成する。めっきレジストの厚さは、その後めっきする導体の厚さと同程度かより厚い膜厚にするのが好適である。めっきレジストに使用できる樹脂には、PMER P−LA900PM(東京応化株式会社製、商品名)のような液状レジストや、HW−425(日立化成工業株式会社、商品名)、RY−3325(日立化成工業株式会社、商品名)等のドライフィルムがある。ビアホール上と導体回路となるべき個所はめっきレジストを形成しない。
次に図1(l)に示すように電気めっきにより回路パターン15を形成する。電気めっきには、通常プリント配線板で使用される硫酸銅電気めっきが使用できる。めっきの厚さは、回路導体として使用できればよく、1〜100μmの範囲である事が好ましく、5〜50μmの範囲である事がより好ましい。
次にアルカリ性剥離液や硫酸あるいは市販のレジスト剥離液を用いてレジストの剥離を行う。
次にパターン部以外の銅を好ましくは10〜300g/Lの硫酸及び10〜200g/Lの過酸化水素を主成分とするエッチング液を用いて除去することで回路形成が終了する(図1(m))。
さらに回路上に無電解金めっきを行い金めっき層16を形成する(図1(n))。金めっきの方法としては、SA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)のような活性化処理液で導体界面の活性化処理を行い、NIPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)のような無電解ニッケルめっきを1〜10μm程度行い、HGS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)のような置換金めっきを0.01〜0.1μm程度行った後にHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)のような無電解金めっきを0.1〜1μm程度行う。また特開平11−140659にあるように無電解ニッケルめっきと無電解金めっきの間に無電解パラジウムめっきを行うと、接続信頼性が更に向上する。無電解パラジウムめっきはパレット(小島化学薬品株式会社製、商品名)等を0.01〜1μm程度行う。電気特性を考慮した場合、無電解ニッケルめっきを省略することもできる。これらの組み合わせは製品用途によって異なり、コスト、電気特性、接続信頼性を考慮した上で決まる。本発明はいずれの手法を用いた場合でも有効である。
(実施例1)
下記に示す金属箔Aを作製した。
(金属箔A)
幅510mm、厚み35μmの電解銅箔(キャリア銅箔)の光択面に下記の条件でクロムめっきを連続的に行って1.0mg/dm2の厚さのクロムめっき層(剥離層)を形成した。クロムめっき形成後の表面粗度Rz=0.5μmであった。なお、表面粗さはJIS−B−0601に基づき測定した。
クロムめっき条件
液組成:三酸化クロム250g/L、硫酸2.5g/L
浴温:25℃
アノード:鉛
電流密度20A/dm2
次に下記に示す光択めっき条件で厚さ2.0μmの電気銅めっきを行った。電気銅めっき終了後の金属箔表面粗さRz=0.6μmであった。
硫酸銅めっき条件
液組成:硫酸銅5水和物100g/L、硫酸150g/L、塩化物イオン30ppm
浴温:25℃
アノード:鉛
電流密度:10A/dm2
次に下記に示すように電気めっきにより亜鉛防錆処理を行った。
液組成:亜鉛20g/L,硫酸70g/L
浴温:40℃
アノード:鉛
電流密度:15A/dm2
電解時間:10秒
次に引き続き下記に示すクロメート処理を行った。
液組成:クロム酸5.0g/L
pH11.5
浴温:55℃
アノード:鉛
浸漬時間:5秒
次に下記に示すシランカップリング処理を行った。
液組成:3-アミノプロピルトリメトキシシラン5.0g/L
液温25℃
浸漬時間10秒
シランカップリング処理後、金属箔を120℃で乾燥してカップリング剤を金属箔表面に吸着させた。そのときの金属箔表面粗さはRz=0.6μmであった。
下記の組成よりなる樹脂組成物Aを作成した。樹脂組成物Aは、後で接着補助剤層に用いる。
(樹脂組成物A)
・ビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、NC3000S−H(日本化薬株式会社製) 65重量部
・カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、XER−91SE−15(JSR株式会社製) 5重量部
カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂,KS−23Z(積水化学工業株式会社製)
10重量部
・トリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂、フェノライトEXB−9829(窒素含有量18%、水酸基当量151、大日本インキ化学工業株式会社製)
20重量部
・イミダゾール誘導体化合物、1−シアノエチル−2フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製) 0.3重量部
・溶剤、メチルエチルケトン
下記に示す金属箔Bを作製した。
(金属箔B)
金属箔Aのシランカップリング剤処理面に樹脂組成物Aを塗工した。塗工後は残溶剤が5%以下になるように160℃で10分程度の乾燥し、金属箔Bを作製した。なお、塗工した樹脂組成物Aの厚みは3.0μmであった。
次に、日立化成工業株式会社製 ガラス布基材高Tgエポキシ樹脂プリプレグGEA−679F (厚み0.1mm)4枚とその上下に樹脂組成物Aが塗工された面がプリプレグに接するように金属箔Bを積層し、180℃、2.5MPaの条件で1時間プレス成形し、銅箔上のキャリア箔を引き剥がすことで図1(a)に示すようなプリプレグ1、接着補助剤層3及び金属箔2よりなる銅張積層板を製造した。
図1(b)に示すように、金属箔上から炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、直径80μmの貫通スルーホール4をあけ、過マンガン酸カリウム65g/リットルと水酸化ナトリウム40g/リットルの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、スミアの除去を行なった。
その後、パラジウム触媒であるHS-201B(日立化成工業株式会社製、商品名)を付与した後、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行ない、図1(c)に示すように厚さ0.5μmの無電解銅めっき層5を形成した。パラジウム触媒の付与条件を表1に示す。
Figure 0005002943
図1(d)に示すように、ドライフィルムフォトレジストであるRY−3325(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行う箇所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像してめっきレジスト6を形成した。
図1(e)に示すように、硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dm2の条件で、電解銅めっきを20μmほど行い、最小回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=23/17μmとなるように回路パターン7を形成した。
次に図1(f)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)でドライフィルムの除去を行った後にH2SO4100g/L、H2210g/Lの組成のエッチング液を用いてパターン部以外の銅をエッチング除去し、コア基板を作製した。コア基板の絶縁層の表面粗さRz=0.5μmであり、導体回路の表面粗さRz=1.2μmであった。なお、表面粗さはJIS−B−0601に基づき測定した。
次に導体回路表面に1μmの無電解ニッケルめっきを行った後、下記に示すシランカップリング処理を行った。
液組成:3-アミノプロピルトリメトキシシラン5.0g/L
液温25℃
浸漬時間10秒
次に基板全体を樹脂組成物Aの溶液に浸漬し、引き上げた後160℃ 10分乾燥を行うことで残溶剤を1%以下にし、図1(g)に示すように基板全体を樹脂組成物Aでコーティングして接着補助剤層8を形成した。コーティング厚は乾燥後約2μmであった。
コーティング後のコア基板上に厚み0.1μmのプリプレグであるGEA-679F(日立化成工業株式会社製、商品名)と金属箔Bを積層し、180℃、2.5MPaの条件で1時間プレス成形し、銅箔上のキャリア箔を引き剥がすことで図1(h)に示すような絶縁層9,接着補助剤層11及び金属箔10が形成された基板を作製した。
図1(i)に示すように、IVH形成を行った。IVHの形成はフォトリソ法により銅箔に最小直径100μmの窓穴を形成し、窓穴上から炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、最小直径50μmのIVH12をあけ、過マンガン酸カリウム65g/リットルと水酸化ナトリウム40g/リットルの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、スミアの除去を行なうと同時に剥き出しの部分の樹脂表面の粗面化を行った。
その後、パラジウム触媒であるHS-201B(日立化成工業株式会社製、商品名)を付与した後、CUST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行ない、図1(j)に示すように厚さ0.5μmの無電解銅めっき層13を形成した。パラジウム触媒の付与条件を表2に示す。
Figure 0005002943
図1(k)に示すように、ドライフィルムフォトレジストであるRY−3325(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行う箇所をマスクしたフォトマスクを介して紫外線を露光し、現像してめっきレジスト14を形成した。
図1(l)に示すように、硫酸銅浴を用いて、液温25℃、電流密度1.0A/dm2の条件で、電解銅めっきを20μmほど行い、最小回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=23/17μmとなるように回路パターン15を形成した。
次に図1(m)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)でドライフィルムの除去を行った後にH2SO4100g/L、H2210g/Lの組成のエッチング液を用いてパターン部以外の銅をエッチング除去した。
エッチング後の最小回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=20/20μmであった。
次に図1(n)に示すように最外層に無電解金めっきを行い、金めっき層16を形成した。無電解金めっきの条件を表3に示す。
Figure 0005002943
注) Z−200(株式会社ワールドメタル製、商品名)
SA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)
NIPS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)
トップケミアロイ66(奥野薬品工業株式会社製、商品名)
パレット(小島化学薬品株式会社製、商品名)
HGS−100(日立化成工業株式会社製、商品名)
HGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)
(実施例2)
実施例1において、金属箔Bを作製する際、樹脂組成物Aを8μmの厚みに塗布したこと以外は実施例1と同様に基板を作製した。
(実施例3)
実施例1において、樹脂組成物A中のビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(NC3000S−H)の配合量を80重量部、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子(XER−91SE−15の配合量を2重量部,カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂(KS−23Z)の配合量を5重量部,トリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂(フェノライトEXB−9829)の配合量を13重量部とした。その他は、実施例1と同様にして行った。
(実施例4)
実施例1において,樹脂組成物A中のカルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子5重量部の代わりに,ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子,EXL−2655(呉羽化学工業株式会社)5重量部を用いた。その他は、実施例1と同様にして行った。
(実施例5)
実施例1において,樹脂組成物A中のトリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂20重量部の代わりに,フェノールノボラック樹脂,HP−850N(日立化成工業株式会社)15重量部を用いた。その他は、実施例1と同様にして行った。
(実施例6)
実施例1において、樹脂組成物A中のビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(NC3000S−H)の配合量を55重量部、トリアジン環含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂(フェノライトEXB−9829)の配合量を15重量部とし,さらにフェノール性水酸基含有リン化合物、HCA−HQ(三光株式会社製)15重量部とした。その他は、実施例1と同様にして行った。
(実施例7)
実施例6において、樹脂組成物A中に無機フィラー、球状シリカ、アドマファインSC−2050(株式会社アドマテックス社製) 20重量部さらに配合した。その他は、実施例1と同様にして行った。
(比較例1)
実施例1の工程(h)において、金属箔Bを積層する代わりに金属箔Aを積層したこと以外は実施例1と同様に基板を作製した。
(導体引き剥がし強さの測定)
実施例1〜7、比較例1用の評価サンプルの導体引き剥がし強さを測定した。引き剥がしは垂直引き剥がし強さを測定した。銅箔上に無電解めっきを行った部分について、サンプルを室温で放置後に常態の導体引き剥がし強さ、および150℃で240時間加熱後に導体引き剥がし強さを測定した。また、樹脂上に直接無電解銅めっきを行った部分については、室温放置後に常態の導体引き剥がし強さを測定した。測定は常に20℃で行った。測定条件を表4に示す。
Figure 0005002943
(吸湿耐熱試験)
実施例1〜7、比較例1用基板及び評価用サンプルの吸湿耐熱試験を行った。基板の試験は各サンプルを121℃、湿度100%、2気圧の条件で2時間処理し、その後260℃のはんだ浴に20秒浸漬して,基板に膨れ等が発生しないかどうかの確認を行った。試験には平山製作所製飽和型PCT装置PC−242を用いた。
(接続信頼性評価)
実施例1〜7、比較例1用基板及び評価用サンプルの接続信頼性試験を行った。接続信頼性評価は図2に示すパターンを用いた。図2中、導体回路は17,IVHは18および絶縁層は19である。図2に示すパターンの仕様を表5に示す。接続信頼性評価は−65℃ 30分から125℃ 30分を1サイクルとし、1000サイクル後の抵抗値変化が±10%以内であれば合格とした。
Figure 0005002943
(試験結果)
試験結果を表6に示す。実施例1〜7で作製した基板及び評価用サンプルは導体引き剥がし強さはすべて0.6kN/m以上と高い値であった。一方比較例1で得られた基板及び評価用サンプルは導体引き剥がし強さが弱く、吸湿耐熱試験後、絶縁層と導体との間で膨れが発生した。また接続信頼性も良好な結果が得られなかった。
Figure 0005002943
本発明によるプリント配線板の製造工程の一例を示す断面図である。 接続信頼性評価用の基板の断面図である。
符号の説明
1 プリプレグ
2 金属箔
3 接着補助剤層
4 貫通スルーホール
5 無電解めっき層
6 めっきレジスト
7 回路パターン
8 接着補助剤層
9 絶縁層
10 金属箔
11 接着補助剤層
12 IVH
13 無電解めっき層
14 めっきレジスト
15 回路パターン
16 金めっき層
17 導体回路
18 IVH
19 絶縁層

Claims (13)

  1. 厚さ0.1〜10μmの接着補助剤の層を表面の十点平均粗さがRz=2.0μm以下の金属上に有し、前記接着補助剤が(A)エポキシ樹脂,(B)化学粗化可能な高分子成分,(C)エポキシ樹脂硬化剤,及び(D)硬化促進剤を含み、
    前記(A)成分はビフェニル構造を有することを特徴とする接着補助剤付金属箔。
  2. 前記(A)成分はノボラック型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の接着補助剤付金属箔。
  3. 前記(B)成分は架橋ゴム粒子であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  4. 前記(B)成分はアクリロニトリルブタジエンゴム,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム,カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子,ブタジエンゴム−アクリル樹脂のコアシェル粒子から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  5. 前記(B)成分はポリビニルアセタール樹脂およびカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  6. 前記(A)成分の100重量部に対し,前記(B)成分が0.5〜25重量部である、請求項1〜のいずれに記載の接着補助剤付金属箔。
  7. 前記(C)成分がノボラック型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  8. 前記(C)成分がトリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  9. 前記金属の表面に、接着力の促進を目的とする粗化処理を施していないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  10. 前記金属は、亜鉛,クロム、ニッケル及びこれらの酸化物から選択される少なくとも一種により防錆処理された銅箔であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  11. 前記金属は、シランカップリング処理が表面に施された金属であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の金属箔を用いて作製したプリント配線板であって、接着補助剤付絶縁層の接着補助剤層と導体回路との20℃での引き剥がし強さが0.6kN/m以上であることを特徴とするプリント配線板。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の接着補助剤付金属箔を用いて作製したスルホール構造及び非貫通スルホール構造のいずれかを有するプリント配線板であって、前記スルホール構造及び非貫通スルホール構造のいずれかを作製する際に無電解銅めっきにより下地めっきが形成されたプリント配線板。
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