以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための光電スイッチ及び光電スイッチの設定方法を例示するものであって、本発明は光電スイッチ及び光電スイッチの設定方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図2に、本発明の一実施の形態に係る光電スイッチとして、透過型光電センサを構成する投光ヘッド400と受光ヘッド500とを、コントローラ200に接続した光電スイッチのブロック図を示す。この図に示す光電スイッチは投光ヘッド400と受光ヘッド500とがヘッドケーブル300によって接続されている。投光ヘッド400は投光部10を、受光ヘッド500は受光部50をそれぞれ備える。投光部10は対象物に対して光を投光し、この光が対象物で遮光されることなく受光部50で受光するか、あるいは遮光されて受光量が低下するかを検出することで対象物の有無を判定する。コントローラ200は投光部10を駆動するために所定のパルスを投光ヘッド400に出力する。発光素子12は、制御部40によって投光電源制御回路22から発される発振パルスによって駆動されて、パルス光を外部の検出対象に向って発する。受光された光は受光素子にて光電変換され、受光素子増幅回路56、コントローラ増幅回路68、A/D変換器70を経て制御部40に送られる。これによって、パルス光に同期した検波が施され、検波信号は更に直流信号等に変換された後、I/O回路から、検出結果を表わすON/OFF信号として出力される。
(投光部10)
投光部10は、投光用の発光素子12と、発光素子12を駆動するための投光回路14とを備える。発光素子12は、LEDやLDなどが利用できる。特にLDはLEDに比べて光量が多く指向性が高いので、スポット径を絞って検出の精度が向上する。また、LDが照射されるスポット径が視認できるので、設置時の作業性にも優れる。よって、本実施の形態では光学特性に優れるLDを発光素子12として利用している。さらにLDを駆動する投光回路14は、投光APC回路16と、モニタPD等のモニタ用受光素子18を備える。投光APC回路16は、LDを駆動する駆動電力をLDに供給し、LDの出力すなわち発光量が所定値となるよう制御する。
さらに投光ヘッド400は、発光量などを表示するための表示灯20を備える。これら投光APC回路16や表示灯20は、投光電源ラインを介してコントローラ200の投光電源制御回路22、ヘッド表示灯電源制御回路24から各々駆動電力の供給を受ける。一方モニタPDは、モニタ信号増幅回路26と接続されており、ヘッドケーブル300に含まれるモニタラインを介してコントローラ200のLD発光量モニタ回路28に受光量を送出する。LD発光量モニタ回路28は、A/D変換器30でアナログ信号をデジタル信号に変換した後制御部40に対し、モニタPDで検出したLDの発光量を出力する。これによって制御部40は、モニタPDで検出した発光量に基づき、発光量が所定値となるように投光電源制御回路22を制御し、投光APC回路16の電流量を調整してLDを駆動するというフィードバック制御を行う。図2に示す例では、投光APC回路16はLD及びモニタ用受光素子18であるモニタPDと接続されており、モニタPDはLDの漏れ光などを受光できる位置に隣接されている。モニタPDは、LDパッケージに内蔵させることもできる。
(受光部50)
一方、受光ヘッド500に含まれる受光部50は受光用の受光素子52と、受光素子52を駆動するための受光回路54とを備える。受光回路54は受光素子増幅回路56、受光部電源回路58等を備える。受光素子52はPDなどが利用できる。この受光素子52は受光素子増幅回路56と接続されており、受光素子52で受光した受光量は受光素子増幅回路56で増幅されて、ヘッドケーブル300に含まれる信号ラインを介してコントローラ200側のコントローラ増幅回路68に送出される。コントローラ増幅回路68で増幅されたアナログ信号は、A/D変換器70を介してデジタル信号に変換され、制御部40に入力される。これによって、受光素子52の受光量をコントローラ200側で検出して検出の判定を行い、最終的にI/O回路の出力から判定結果を出力する。このI/O回路は、2系統の出力1、2と1系統の入力1を備えている。また受光部電源回路58は、受光ヘッド500の駆動電力を供給するため部材であり、ヘッドケーブル300の電源ラインを介してコントローラ200のヘッド電源回路60に接続される。ヘッド電源回路60は、コントローラ200の制御部40によって制御される。
なお、複数種のセンサヘッドをコントローラに接続可能とする場合、各センサヘッドを識別する識別機能を備えることができる。図2の例では、コントローラ200に投光ヘッド400を識別するための投光ヘッド識別回路63、受光ヘッド500を識別するための受光ヘッド識別回路62をそれぞれ設けている。これらヘッド識別回路を各々信号ラインに接続して投光ヘッド400、受光ヘッド500の識別信号を検出し、A/D変換器64、65を介して制御部40に送出することで、制御部40で各センサヘッドを識別している。また、制御部が各センサヘッドとデータ通信を行い、識別番号を割り当てることもできる。
コントローラ200は、上述のように制御部40に、投光電源制御回路22、ヘッド表示灯電源制御回路24、LD発光量モニタ回路28、コントローラ増幅回路68、ヘッド識別回路62、ヘッド電源回路60などを接続している。さらに制御部40は、各種設定値などを記憶するための記憶部44、コントローラ200側の情報を表示するための表示回路46、設定値調整を受け付けるためのユーザインタフェースである操作部を接続したスイッチ入力回路48、加えて外部との入出力を行うI/O回路などを接続している。またコントローラ200は、これらの回路を駆動するためのコントローラ電源回路66も備えている。以上の構成のコントローラ200にヘッドケーブル300を介して投光ヘッド400と受光ヘッド500の組を一又は複数接続して、発光素子12で投光した光を受光素子52で受光し、対象物を検出してその結果を出力する。
次に、光電スイッチの調整機能を実現する構成を、図3のブロック図に基づいて説明する。この図に示す光電スイッチは、説明を簡略化するため、図2で説明した各部材を適宜簡素化して図示している。この例では投光ヘッド及び受光ヘッドを個別に配置して透過光を検出する透過型光電センサを構成している。なお、検出光の反射光の受光量を検出する反射型の光電センサを構成する場合は、投光ヘッドから投光された光が検出対象物で反射して受光ヘッドに入射するように、投光ヘッド及び受光ヘッドの位置及び方向がセットされる。あるいは、投光ヘッド及び受光ヘッドを一体化した投受光ヘッドとすることもできる。その他光電センサには種々のタイプがあり、例えばコントローラに発光素子及び/又は受光素子を一体化することもできる。また、センサヘッドとコントローラとの間を接続するヘッドケーブル300は電気ケーブルの他、光ファイバ等も利用できる。
図3に示すコントローラ200は、各種制御を行うための制御部40と、設定値などを記憶するための記憶部44と、閾値や検出値、目標値などを表示するための表示部600と、各種操作や設定を行うための操作部45と、表示部600における表示モードを切り替えるための表示切替部47と、検出結果を出力するための出力部42と、受光部50で受光した受光量のアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器70とを備える。また制御部40は、表示用変換率調整部410と、閾値調整部420と、判定部430と、検出値を保持する検出値保持部402と、閾値を保持する閾値保持部404とを含む。さらに制御部40は記憶部44と接続されており、記憶部44には閾値記憶部442と、表示用基準目標値記憶部444と、基準検出値記憶部446と、表示用変換率記憶部448が含まれる。制御部40はCPU等のマイクロプロセッサで構成でき、システムプログラムを格納したROMやプログラムの実行に必要なワーキングRAMなどを内蔵してもよい。さらにまた操作部45は、表示用基準目標値設定部452と、基準検出値取得部454とを含む。この構成の光電スイッチは、投光部10で検出対象に向けて発した検出光を受光部50で受光し、その受光量を検出値として判定部430が閾値と比較し、判定結果を出力部42より出力する。判定部は、入力された検出値のデジタル値を閾値と比較して、その結果を検出対象物の有無を示す二値信号として出力部から外部機器へ出力する。
また表示部600では、検出値や閾値を表示用検出値、表示用閾値として表示する。この例では表示部600は、第1表示領域と第2表示領域の2画面を有しており、第1表示領域として検出値を表示する検出値表示領域610と、第2表示領域として閾値を表示する閾値表示領域620とを備えている。この表示部600は、表示切替部47によって検出値及び閾値をそのまま表示する無変換表示モードと、後述する表示用変換率で変換した表示用検出値及び表示用閾値を各々表示する変換表示モードとを切り替えることができる。図3においては、説明を簡単にするため一の投光部10及び受光部50、表示部600を図示しているが、複数の投光部及び受光部並びにこれに対応する表示部を備えることができる。
図3に示す光電スイッチは、投光ヘッドと、受光ヘッドとが、ヘッドケーブルによってコントローラ200に接続されている。投光部10は対象物に対して光を投光し、この光が対象物で遮光されることなく受光部50で受光するか、あるいは遮光されて受光量が低下するかを検出することで対象物の有無を判定する。コントローラ200は投光部10を駆動するために所定のパルスを投光ヘッドに出力する。発光素子12は、制御部40から発される発振パルスによって駆動されて、パルス光を外部の検出対象に向って発する。受光された光は受光素子にて光電変換され、A/D変換器70を経て制御部40に送られる。これによって、パルス光に同期した検波が施され、検波信号は更に直流信号等に変換された後、出力部42を構成するI/O回路から、検出結果を表わすON/OFF信号として出力される。
コントローラ200は、上述のように制御部40を中心として、記憶部44と、表示用変換率調整部410と、表示部600と、表示切替部47と、操作部45とを備えている。制御部40は、検出値保持部402と、閾値保持部404と、判定部430と、閾値調整部420とを有する。検出値保持部402は、受光部50が検出した受光量をA/D変換器70を介してデジタル信号に変換して保持する。また閾値保持部404は、操作部45で設定された閾値あるいは閾値調整部420で調整された閾値を保持する。これら保持部は、データを一時的に保持するメモリなどが使用できる。判定部430は、これら検出値保持部402で保持された検出値と、閾値保持部404で保持された閾値とを比較して、判定結果を出力部42に送出する。一方、表示用変換率調整部410は、検出値保持部402及び閾値保持部404で保持される値に、所定の表示用変換率を乗算した表示値を、それぞれ表示部600にて表示させる。また記憶部44は、各種設定値などを記憶するための部材であり、ここでは基準検出値を記憶するための基準検出値記憶部446と、表示用変換率を記憶するための表示用変換率記憶部448と、表示用基準目標値を記憶するための表示用基準目標値記憶部444と、閾値を記憶するための閾値記憶部442を有する。これらの記憶部44は、個別の部材とする構成に限られず、記憶領域を分割するなどして記憶部を共通化することができる。制御部40及び表示用変換率調整部410は、適宜記憶部44にアクセスして記憶された値を読み取ることができる。これら記憶部44は、揮発性メモリや不揮発性メモリなどが使用できる。
操作部45は、必要な設定を行うための部材であり、表示用基準目標値を設定するための表示用基準目標値設定部452と、基準検出値の取得を命令する基準検出値取得部454の機能を実現する。例えば各種ボタンやキー、スイッチ、キーボード、ジョグダイヤルやコンソール、UP/DOWNスイッチなどを含む。また、外部機器からトリガを取得するなど、外部から設定や命令を指示する構成とすることもできる。
表示切替部47は、検出値及び閾値をそのまま表示する無変換表示モードと、後述する表示用変換率で変換した表示用検出値及び表示用閾値を各々表示する変換表示モードとを切り替えるための手段であり、例えばモード切替スイッチとしてユーザが操作したり、あるいは外部から切り替え入力を受けるなどよってモード切り替えを行う。ユーザが手動で表示モードを切り替える場合、モード切替スイッチを専用に設ける他、所定の操作で表示モードを遷移させることもできる。後述する図8の例では、操作部45に設けられたMODEボタン45Dの長押しにより表示部600の表示画面をモード画面へ遷移させることができる。
この構成の光電スイッチは、投光部10で検出対象に向けて発した検出光を受光部50で受光し、その受光量を検出値として判定部430が閾値と比較し、判定結果を出力部42より出力する。また表示部600では、検出値や閾値を表示用検出値、表示用閾値として表示する。表示部600における表示は、検出値を表示する検出値表示領域610と、閾値を表示する閾値表示領域620とを備えている。また後述する検出目標値やその他の設定値を表示させるように切り替えることもでき、あるいは表示領域を3以上に増やすこともできる。
なお、図3の例では、コントローラ200に表示部600、表示切替部47、操作部45、出力部42などを別部材として接続する状態を図示しているが、これらを一体としたコントローラに構成することもできる。また、コントローラを構成する部材並びにこれに接続される部材は、複数の部材の機能を一の部材に統合させたり、逆に一の部材の機能を複数の部材で実現するように構成することも可能であることはいうまでもない。
(コントローラの外観)
次に、コントローラの外観を図4、図5、図6、図7に示す。これらの図において、図4はコントローラ200の斜視図、図5はコントローラ200の(a)背面、(b)平面、(c)正面、(d)右側面の四面図をそれぞれ示している。また図6は、複数のコントローラ200を並べて配置した状態を示す斜視図、図7は図6の平面図である。これらの図に示すコントローラ200は、光電センサのアンプ部(センサアンプ)を構成している。
コントローラ200は、光ファイバ型の光電センサの例であり、図4に示すように外形を薄型直方体形状に形成されたケース202の前面側(図4において左側)に、投光用及び受光ヘッドとの接続部(図示しないが、例えばケーブルの挿入口)が設けられている。また背面側(図4において右側)には、電源供給や検出信号出力等のための外部入力接続部(図示せず)が設けられている。外部入力接続部には、外部入力線が接続され、例えば表示スケーリング機能や閾値設定などに使用される。外部入力接続部で使用できる機能は、光電センサで予め設定できる。
下面の窪み部203は、図6に示すようにDINレールDにコントローラ200を取り付けるための取付部である。通常は複数のコントローラ200を重ねるように並べてDINレールDに取り付ける。そして隣接するコントローラ200同士は、一方の側面に設けられた雄コネクタ204と他方の側面に設けられた雌コネクタ(図示せず)とによって機械的及び電気的に連結される。また図4に示すコントローラ200は、コントローラ200の上面に透明プラスチック製の防塵カバー206を被せている。
(表示部)
図8に、図7の詳細として、各々投光部及び受光部を接続した複数のコントローラ200を並べた構成例を示す。この図に示すように、コントローラ200の上面には、表示部として8桁(4桁×2)の7セグメントLEDを用いたLED表示器と、投光出力中に点灯するインジケータ205が設けられている。図8に示すように、表示部の幅はケース202の幅の寸法とほぼ等しい。7セグメントLEDは、点灯させるセグメントの組み合わせによって数字やアルファベット文字、記号などを表示できる。この例では、8桁の7セグメントLEDの左4桁を閾値を表示する閾値表示領域620、右4桁を検出値を表示する検出値表示領域610としている。これにより、表示部の下位4桁で検出値を10進数表示し、上位4桁で閾値を10進数表示できる。あるいは、下位4桁で検出値又は閾値を10進数表示し、上位4桁の各桁の一部セグメントを用いて検出値又は閾値をバーグラフ表示するといった使用形態も可能である。7セグメントLEDは、赤色などの単色LEDで構成する他、2色LEDや3色LEDで構成してもよい。また表示部は、セグメント式表示器の他、白黒又はカラー液晶(LCD)で構成することもできる。
なお、表示部は図8に示すように横に並べる構成のみならず、縦に配置する構成も利用できる。図9に示すコントローラ200Bでは、検出値表示領域610Bと閾値表示領域620Bとを縦に配置した表示部600Bを採用している。さらに、桁数を5桁以上あるいは3桁以下としたり、正負を表現するための符号を付加することもできる。また7セグメント式の表示のみならず、9セグメントとや11セグメントを使用したり、各種インジケータやボタン類を追加してもよい。
(操作部45)
また操作部45として、検出判定のための閾値の設定、表示モードやモード画面の切り替え等に使用されるスイッチ類が設けられている。図8の例では、表示部の左に、押釦式のSETボタン45Aが設けられており、SETボタン45Aを操作して閾値の設定などを行う。またSETボタン45Aの左でケース202の長手方向一端部には、インジケータ205が配置される。さらに表示部の右側には、スイング式のUP/DOWNボタン45Bが配置されている。UP/DOWNボタン45Bは、閾値その他の数値の設定、選択肢の決定などに使用される。スイング式のボタンは、選択的に一方側又は他方側を押し下げることにより、値を調整することができる。さらにUP/DOWNボタン45Bの右下でケース202の長手方向他端部には、スライドスイッチ45Cが配置されている。このスライドスイッチ45Cは、2種類の閾値を設定する場合にこれらを切り替えるためのスイッチである。さらにまた、スライドスイッチ45Cの上方には、MODEボタン45Dが配置されている。MODEボタン45Dは、表示部における表示モードを切り替えるために使用される。
このように、表示部で閾値表示領域620、検出値表示領域610を横並びに隣接して配置することで、閾値と受光量などの2つの情報を横並びで表示することができ、ユーザは目線を移動させることなく2つの情報を読みとることができるので都合がよい。また、ケース202の狭い上面には、横並びの表示部の表示領域を挟んで、一方側にSETボタン45Aが配置され、他方側にUP/DOWNボタン45B、MODEボタン45Dが配置されている。このように頻繁に操作する必要のあるMODEボタン45DやUP/DOWNボタン45Bと、設定の決定などを行うSETボタン45Aとを離した配置とすることで、設定中に誤ってSETボタン45Aを押してしまう誤操作を防止できる。特に、閾値を調整するためのUP/DOWNボタン45Bと、調整された値に決定するためのSETボタン45Aとを隣接させず、大きく離間させることで、例えばUP/DOWNボタン45Bの操作中にSETボタン45Aに指が触れてしまうおそれを回避できる。
図6は、複数のコントローラ200をDINレールDに取り付け、重ねるように連結した状態の一例を示している。この例では、4台のコントローラ200が連結され、DINレールDに固定されている。なお、端部に位置するコントローラ200は、通信エンドユニットを内蔵しており、コントローラ同士を接続するコネクタ類を側面に設けていない。通信エンドユニットは、連結した複数台のコントローラの端部を機械的に保持する機能と、管理装置(例えばパーソナルコンピュータ)との通信機能を有する。
このように、複数のコントローラをDINレールD上で連結して使用する場合、各表示部も並んで表示されるため、閾値や検出値などの表示値がコントローラ毎に異なると、正常値か異常値かといった判断がし辛くなる。複数の表示部を並べて使用する態様においては、表示値を揃えることで見易くでき、一瞥しただけで正常値か異常値かの判断を判り易くできる。
(変換表示モード)
以下、変換表示モードについて詳述する。ここでは、表示スケーリング機能を用いて、表示値を揃えるよう調整する動作を図10に示す。図8に示すように複数の光電センサ1〜3を並べて使用する場合は、各光電センサの表示値が揃うように表示させることが、表示値を観測するユーザが把握する上で好ましい。このため変換表示モードを使用して検出特性を一致させる。ここで、2台のセンサAとセンサBを、同じ距離に受光部と投光部を設置し、同じ方法で光軸を調整した状態での検出値を比較する場合を考える。センサAとセンサBでは光学特性の違いから、センサAで100%の入光状態において検出値が4850であり、一方センサBで100%の入光状態において検出値が5150であったとする。この例において、検出光を50%遮光した状態で出力部42の動作すなわち出力のON/OFFを切り替えるとすると、センサAでは閾値を2425に設定し、センサBでは閾値を2575に設定する必要がある。
このような場合、従来は複数のセンサの検出特性が異なるため、各光学センサ毎に異なる閾値に設定する必要があった。例えば特許文献1などの従来技術では、センサAとセンサBの検出特性を同様に調整するために、図1の投光電流調整回路922や受光増幅率調整回路920などで調整していた。この例では、100%入光状態での検出値が目標値の5000になるように、センサAでは変換率を5000/4850に調整し、センサBでは変換率を5000/5150に調整する。これによりセンサAとセンサBは、同一の設置条件での検出値が5000に揃うため、50%の遮光状態でON/OFF動作を切り変える場合には閾値を2500に設定することで、光学特性の異なる複数のセンサの検出特性を揃えることができた。しかしながらこの方法では上述のように、S/N比が悪くなる、余分な回路が必要となる、処理が重くなるなどの問題があった。
これに対して本実施の形態では、表示用変換率調整部410で表示用変換率を変更している。上記の例では、センサAとセンサBが100%入光状態での表示用検出値が5000になるように、図10のように表示用変換率調整部410で表示用変換率を変更することにより、センサAでは表示用変換率が5000/4850に変更され、センサBでは表示用変換率が5000/5150に変更される。
同時に、閾値についても、表示用閾値が表示用変換率の変更の前後で変化しないように、閾値調整部420により調整が行われる。この例では、センサAの閾値は2500*4850/5000の計算を行うことで2425に調整され、センサBの閾値は2500*5150/5000の計算を行うことで、2575に調整される。
これによりセンサAの表示用検出値は4850*5000/4850=5000、表示用閾値は2425*5000/4850=2500となる。一方、センサBの表示用検出値は5150*5000/5150=5000、表示用閾値は2575*5000/5150=2500となるので、センサAとセンサBの表示値は検出値、閾値とも等しくなり、検出特性を同様にすることができる。この結果、光学センサの内部では検出値や閾値が変更されず、光学特性を変更することなく表示のみを所望の値に調整でき、複数の光電センサを使用しても表示値を揃えることができる。
また、上記の構成の光学センサは、図1に示す従来の構成と比較して受光増幅率や投光電流などの調整回路が不要となり、回路のコストを低減すると共に処理量も減らして低負荷に、すなわち高速な応答速度で動作できる。また、実際に投光量を調整しているのでないので、投光量を最大にすることができ、その結果機器の仕様上許容される最大のS/N比にて検出動作させることができる。この点においても、検出値を検出目標値に合わせるために投光電流を実際に調整し、その結果としてS/N比の低下を生じることとなる従来技術に対して優位である。特に、検出値を検出目標値に調整する従来技術では、受光量から検出値への感度調整を行う処理が、検出値を生成する度に必要となるため、処理が重くなり応答速度が遅くなる。
これに対して、本実施の形態では表示用変換率調整部410により、表示用検出値と表示用閾値を生成するときには変換率計算を行う必要があるが、出力信号を生成する時にはこの計算が不要であるため応答速度が遅くなるということは無く、従来技術と比べて圧倒的に制御部での処理を軽くすることができる。すなわち、表示部における更新周期(リフレッシュレート)は、制御部における演算の更新周期と異なり遅いため、表示のための計算量は少なくて済み、その結果として処理負担は大きく軽減できる。近年の光電センサの応答速度は数十μsオーダーになっており、既存技術ではこの数十μsに一度変換率計算を行う必要があるが、本実施の形態では表示値を更新する周期である数十msに一度変換率計算を行えば十分なため、既存技術と比較して制御部の負荷を軽くすることができる。
さらに、従来技術では投光量や受光ゲインを変えながらベストな状態に調整していく必要があるため、感度などの調整動作と受光量の検出動作とを同時に行えないという問題もあった。これに対して本実施の形態では、検出動作を行いながら新たな表示用変換率と表示用閾値とを演算し、演算が終了したタイミングで同時に表示用変換率と表示用閾値とを変更することができる。このように、受光量の検出中でも表示値の演算を実行するができ、このため瞬時に動作を切り替えることができ、応答速度の低下も見られない。また、表示部のリフレッシュレートも従来技術に比べ高速にできる。
(全体のフローチャート)
ここで、上述した表示値の調整機能をマイコン等を使って実施する場合の全体フローチャートを、図11及び図12に示す。光電センサは電源投入後、図11のメインループから動作を開始し、ステップS1101で初期化処理を行った後、ステップS1102のキー入力処理からステップS1105の機能実行処理までの処理をループして実行し続ける。具体的には、ステップS1102でキー入力を処理し、ステップS1103で外部入力を処理する。次にステップS1104でパラメータ表示変更処理、すなわち表示切替部47等によりパラメータの表示変更処理を実行を許可、又は禁止状態に切り替える。その後ステップS1105に進み、機能実行処理、すなわちステップS1104での処理に従って調整機能を実際に実行する。
一方、光電センサでは、投受光処理は図11に示すメインループの実行周期よりも短い周期で行う必要があるため、図12に示すようにマイコン内臓のタイマを使用して定周期割り込みで処理する。図12のフローチャートは、投光周期毎に行う割り込み処理を示しており、ステップS1201で投受光処理を行った後、ステップS1202のON/OFF判定処理を行う。ここでON/OFF判定処理は、上述した光電センサ内部の閾値と検出値を比較することでON/OFF判定を行い、判定結果を出力する処理である。
次に、図11のステップS1104のパラメータ表示変更処理で行われる工程の具体的な手順を、図13のフローチャートに基づいて説明する。まずステップS1301でキー入力の変化を監視し、変化がない場合はステップS1306にジャンプする。キー入力とは、操作部45におけるMODEボタン45Dの押下などである。キー入力があった場合はステップS1302に進み、該キー入力が表示画面の変更の指示であるかどうかを判定する。表示画面の変更指示でない場合はステップS1304にジャンプする。一方、表示画面の変更指示の場合は、ステップS1303に進み、指示された番号の表示画面が表示部に表示されるよう表示画面番号を変更する。次にステップS1304に進んで設定値の変更があったかどうかを判定する。設定値が変更されていない場合はステップS1306にジャンプする。一方設定値が変更された場合は、ステップS1305で設定値を更新し、ステップS1306で更新された設定値を表示部に表示する。
表示部における表示は、表示モードにより変化する。例えば図14のイメージ図に示すように、操作部45のMODEボタン45Dを押す毎に検出値表示画面を変更できる。またMODEボタン45Dの長押しによりモード画面へ遷移し、さらにこのモード画面中でMODEボタン45Dを押す毎にモード画面を変更できる。また各モード画面でUP/DOWNボタン45Bを操作することで、パラメータの設定値を変更することができる。このように、図13のステップS1302「表示画面変更?」における判定は、MODEボタン45Dの押下と長押しを判定する工程であり、ステップS1304「設定値変更?」における判定は、UP/DOWNボタン45Bの押下を判定する工程である。
以下、画面遷移の詳細を図14に基づいて説明する。図14(a)は、光電センサの動作中に閾値と検出値とを表示部に表示させる状態を示している。この状態からMODEボタン45Dを長押しすると各種の設定を行うモード画面へ遷移する。モード画面に含まれる設定画面の例としては、閾値と検出値の大小によるON/OFF動作の切替画面、LDの出力を切り替える動作モードの設定画面、操作の簡易設定と詳細設定を切り替えるEASY/FULL切替画面、タイマ設定画面、検出モードの設定画面、パーセントチューニング動作設定画面、表示スケーリング機能設定画面、表示値シフト動作設定画面、入力部から入力される制御入力に応じて実行される機能の切替画面、入力部のフィルタ回路の入力時定数の設定画面、出力部が2系統ある場合の出力2の機能選択画面、回路ゲインの設定画面、バンク毎のパラメータ詳細変更画面、画面表示形式の切替画面等がある。これらのモード画面は、MODEボタン45Dを短押しすることで切り替えられる。モード画面が一巡した後は、図14(d)に示すようにモード画面を抜けて元の閾値と検出値との表示画面に戻る。また、モード画面が一巡したことを示すため表示部の表示をOFFする消灯画面を加えても良い。この場合は、表示部の表示が一定時間OFFされた後、元の閾値と検出値との表示画面に復帰させることができる。あるいは、トグル状に各設定画面を循環させることもできる。さらに、モード画面の各設定画面は、使用頻度に応じて出現順を変更できる。例えば、表示スケーリング機能の設定がモード画面における他の設定画面よりも頻繁に使用される場合は、モード画面に遷移した後、他の設定画面よりも先に表示させても良い。
ここでは、モード画面に含まれる設定画面の設定例として、表示スケーリング機能設定画面について、図14(b)に基づいて説明する。表示スケーリング機能は、上述した表示部における表示値を統一させる機能である。この画面では、表示スケーリング機能設定画面であることを示す「SCAL」を閾値表示領域に表示させ、具体的な設定内容を検出値表示領域に表示させる。選択中の項目は表示を点滅させることで示される。図14(b)の例では、「SCAL」項目が「off」となっており、この状態でUP/DOWNボタン45Bを操作することで「on」すなわち表示スケーリング機能を実行できる。「on」に切り替えた後MODEボタン45Dを短押しすることで、図14(c)に示すように表示スケーリング機能の目標値設定画面となり、UP/DOWNボタン45Bを操作して目標値を変更する。目標値に設定されると、SETボタン45Aを押下して目標値を確定し、これに従い表示用変換率が演算される。なお図14(b)の状態で「SCAL」項目が「off」の場合は、図14(c)の目標値設定画面に移行せず、次の設定項目画面に移行される。
(複数の光電センサの検出特性を揃える手順)
次に、複数の光電センサの検出特性を揃える手順を、図15の表示部の表示状態を示すイメージ図、図16の表及び図17のフローチャートに基づいて説明する。これらの例では、図15の1〜3の3台の光電センサについて、検出特性を揃える、すなわち表示部における表示値を揃えて図8の状態とするまでの動作を説明する。
図15に示す3台の光電センサは同一機種の光電センサであり、同一の検出対象物を検出している状態を示している。ただ、同じ状態を検出する場合でも、光電センサの個体ばらつきなどに起因して、図16(a)に示すように検出値が光電センサ1では4800、光電センサ2では5000、光電センサ3では5200と異なっている。このため、閾値を2500と揃えたとしても検出特性はそれぞれの光電センサで異なっている。また閾値と検出値の比率が異なるため動作点も異なり、また見た目の検出値もそれぞれの光電センサで異なっている。そこで、この3台の光電センサの検出特性をすべて同じに揃えるよう、ここでは光電センサ1及び3閾値と検出値の比率を光電センサ2と同一にすることで動作点を同一にし、表示部における表示用検出値と表示用閾値の表示値を同じにする。
(調整実行要求)
まず図17のステップS1701において、調整作業の実行許可を行う。ここでは、図3の表示切替部47で表示部における表示を変換表示モードとする。次にすべての光電センサの検出特性を光電センサ2の検出特性に揃えるため、光電センサ2の検出値である5000を表示用検出値の目標値(表示用検出値目標値)に設定する。そして、設定の実行を命令する。命令は、ユーザが基準検出値取得部454を操作するなどして手動で指示する他、トリガなどの外部入力により実行させることもできる。図17の例では、ステップS1702においてユーザのキー入力による実行開始命令を監視し、ステップS1703において外部入力による実行開始命令を監視している。なお、調整作業の実行許可と、実行開始とを別々のステップとせず、同時に行うように構成してもよい。
(表示用検出値の調整工程)
ステップS1702又はS1703において実行開始命令が発されると、ステップS1704において受光量の検出値取得が開始される。そしてステップS1705において基準検出値を取得する。基準検出値は、一度の検出で得られた値とせず、複数回のサンプル値に基づいて決定することにより精度を向上させることができる。基準検出値の例としては、所定時間内に得られた複数の検出値の平均値、あるいは複数の検出値内の最大値、最低値、平均値、中間値などとすることができる。さらにステップS1706において、設定された目標値と基準検出値から変換率を演算して表示スケーリング機能を実行し、同時にステップS1707において、閾値と変換率に基づいて閾値を調整する閾値調整機能を実行する。この手順を図15に基づいて詳述する。
(表示スケーリング機能)
図15に示す3台の光電センサは、それぞれ表示部600の検出値表示領域610、閾値表示領域620において、調整を実行する前の表示値を表示している。検出値表示領域610に表示される検出表示値は光電センサ1が4800,光電センサ2は5000,光電センサ3は5200をそれぞれ表示している。また閾値を表示する閾値表示領域620は、光電センサ1〜3をすべて2500に設定している。上述の通り、光電センサ2の表示用検出値5000、及び動作点50%となるように、光電センサ1及び3の検出特性を調整する。
光電センサ1は、光電センサ内部の検出値である4800が表示用検出値の目標値である5000となるように表示用変換率が制御部で再計算される。ここでは、図16(a)に示すように表示用変換率=5000/4800(=1.04166...)となる。表示用変換率調整部410は、表示用変換率を初期値(変換のない場合1)から上記表示用変換率5000/4800に設定されるので、表示部における表示用検出値として4800*5000/4800=5000が計算されて、表示部には表示用検出値5000が設定される。同様に光電センサ3では、表示用変換率=5000/5200(=0.96153...)となり、表示用検出値は5200*5000/5200が演算されて5000となる。さらに光電センサ2では、表示用変換率=5000/5000(=1)となり、表示用検出値は5000*5000/5000が計算され5000となる。これによって、図16(b)に示すように表示部における表示用検出値は光電センサ1〜3がすべて5000に揃う。
(閾値調整機能)
一方、表示用変換率調整部410で表示用変換率のみを一律に変更すると、図16(b)に示すように表示用検出値のみならず表示用閾値も光電センサ1〜3でそれぞれ、2604、2500、2403と変化してしまう。そこで、本実施の形態では上記の手順で表示用変換率を変更すると同時に、表示部における表示用閾値を上記表示用検出値の調整工程の前後で変化させないように維持する。ここでは光電センサ2での検出値と閾値の比率と一致するように、各光電センサに設定された閾値を調整する。具体的には、各光電センサに設定された表示用変換率の逆数を閾値変換率として乗算する。その結果、光電センサ1では表示用閾値として2500であった閾値が、2500*1/(5000/4800)=2500*4800/5000=2400となる。また光電センサ3では、表示用閾値として2500であった閾値が、2500*1/(5000/5200)=2500*5200/5000=2600となる。なお光電センサ2では表示用閾値として2500であった閾値が、2500*1/(5000/5000)=2500*5000/5000=2500となり、変化しない。この結果、図16(c)に示すように表示値を揃えつつ、光電センサ内部において閾値を適切に調整できる。以上のように、表示用検出値の調整及び表示用閾値の調整を同時に行うことにより、図8に示すように光電センサ1〜3の表示用閾値及び表示用検出値がそれぞれ2500、5000に揃え、かつ光電センサ内部での閾値を調整できる。
以上の調整作業により、検出特性が異なる初期の状態では、検出値と閾値の比率が各光電センサでばらばらであったため動作点が異なり、また表示されている検出値も異なっていた。これに対して調整後の光電センサでは、センサ内部の閾値と表示用変換率を変更した結果、センサ内部の閾値と検出値の比率がセンサ間で同じに統一されることで動作点が同じになっている(この例では3台共、検出値の50%を閾値としている)。また表示用の検出値と閾値は表示用変換率が乗算されているため、3台とも同じ表示値となっており、見栄えがよくユーザに混乱を生じない。
なお、表示切替部47で表示モードを変換表示モードから無変換表示モードに切り替えることにより、調整作業の実行を禁止状態とし、光電センサ内部の値をそのまま表示値として表示する状態に戻すこともできる。
(感度変化(光量変化)を補正する場合の遷移例)
以上は複数の光電センサの検出特性を揃える手順を説明したが、本実施の形態を使用することで感度変化による検出特性の変化も補正することができる。この操作は先の操作手順と同様である。上記の例で使用した光電センサ2を感度変化前の検出特性として捉え、光電センサ1が感度が低下した状態の検出特性と捉えると、以上の手順により光電センサ1の検出特性を光電センサ2の検出特性と同様に補正することができる。以下、感度補正の詳細な手順を図18に基づいて説明する。図18は、感度変化(光量変化)を補正する場合の遷移例を示している。
まず図18(a)に示すように、感度が低下する前(初期状態)の光電センサの状態を、閾値が2500、検出値が5000とする。また表示用閾値、表示用検出値も同様に2500、5000とする。この状態では光電センサは閾値と検出値が1:2の比率で動作しており、基準としている検出状態での表示用検出値は5000となる。次に、この状態から投受光面の汚れや、周囲環境の変化、光電センサの使用部品の劣化などによって光量が低下したと仮定する。ここでは、図18(b)に示すように閾値は同じままで基準としている検出状態における検出値が4200に低下したとする。この状態では、光電センサは閾値が2500で検出値が25:42の比率で動作することになり、初期状態の動作比率1:2と比べると検出特性が変化している。また経年変化等により感度が低下した結果、基準としている検出状態での表示用検出値が4200に低下している。
この状態で、表示切替部47によりパラメータの表示変更処理を可能な状態、すなわち調整作業実行許可状態に切り替える。次に補正後の検出特性を初期状態に近付けるため、初期状態の検出値である5000を表示用検出値の目標値として設定する。さらに基準としている検出状態で、キー入力や外部入力等により調整作業を実行する。これにより、劣化状態での検出値である4200が表示用検出値の目標値である5000になるように表示用変換率が表示用変換率部によって調整され、表示用変換率=5000/4200(=1.19047...)となる。表示用変換率が調整されることで、図18(c)に示すように、表示用検出値は4200*5000/4200=5000となる。
このままでは、変換比率が変更された結果表示用検出値は5000となるが、一方で表示用閾値は図18(c)に示すように2500から2976となる。このため、同時に光電センサ内部の閾値には実行前の表示用変換率/変換後の表示用変換率が乗算され、図18(d)に示すように閾値=2500*1/(5000/4200)=2500*4200/5000=2100とする。このように調整された閾値は光電センサ内部での処理に使用され、外部には表れない。代わりに、表示用閾値として、光電センサ内部の閾値2100に表示用変換率5000/4200が乗算される結果、表示用閾値は2500となる。この結果、劣化後の表示用閾値及び表示用検出値は、初期状態の表示用閾値及び表示用検出値と一致され、劣化補正作業が終了する。この状態を初期状態と比較すると、光電センサ内部の閾値と検出値の比率が共に1:2になっているため動作点が同様に補正されており、表示用検出値も5000と同じに維持される。
またこの状態においても、上記と同様に表示切替部で劣化補正機能をOFFとすることで光電センサ内部の値をそのまま表示値として表示部に表示させることも可能であることはいうまでもない。
以上のように、本実施の形態に係る光電センサは、複数の光電センサ間で表示値を一致させる表示スケーリング機能と、閾値をセンサの内部で調整する閾値調整機能を併せ持つことで、表示スケーリング機能の前後で、検出値を目標値に揃えつつ、表示部における表示用閾値をずらすことなく、表示し続けることができる。また複数の光電センサを使用して閾値と検出値を表示部で同時に表示する場合に、光電センサ間の個体差による表示上のばらつきを、同一検出条件で抑えることができる。
(設定画面の一巡表示機能)
また本実施の形態に係る光電センサは、各種の設定を行う設定画面において、設定項目が一巡したことを何らかの手段でユーザに意識させる一巡表示機能を備えている。光電センサが多機能化される一方で小型化も求められ、結果として限られたスイッチやボタン類で数多くの機能を設定する必要が生じた。このため、本願出願人は設定項目の選択画面として、使用頻度の高い機能に限定した設定項目群と、種々の付加機能を含めたすべての機能を設定可能な設定項目群とを用意した光電スイッチを開発した(特許文献2参照)。具体的には、光電スイッチの動作に関連した基本的な設定に関するもの又はユーザの使用頻度や必要性の度合いの高い項目だけを表示する部分表示モード(「Easy」モード:標準モード)と、すべての項目を表示する全表示モード(「Pro」モード:Professionalモード)とを択一的にユーザが選択できるように構成している。
図19に光電スイッチの表示部における表示の遷移を示すフローチャートを示す。この図に示すように、第1群の項目を表示する基本表示画面である「受光量及び/又はしきい値関連表示」モードから、第2群の項目を表示する第2表示画面である「動作機能設定」モードへの移行は、MODEボタン45Dを継続的に3秒以上押し続ける「長押し」により行うことができる。その途中で、「Easy」又は「Pro」の何れかをユーザに選択させる選択画面が表示され、この選択画面で、ユーザが「Easy」又は「Pro」のいずれか一方を選択してこれを設定することにより、第2表示画面での表示モードが設定される。この「Easy」又は「Pro」の選択つまりメニューの切り替えは、UP/DOWNボタン45Bを操作することにより行うことができる。次いで、MODEボタン45Dを、比較的短い時間押すことにより、選択されたモードの設定が行われると共に第2表示画面である「動作機能設定」モードに移行する。そして、この第2表示画面での表示は、選択された「Easy」又は「Pro」モードで実行される。
これによって、ユーザの選択により、すべての項目を表示させることもできるし、その一方で限定した項目だけを表示させることができる。したがって、例えば一般的なユーザは、制限した項目だけを表示させるようにすれば、光電スイッチは特別に設定する必要のない項目を表示することなく、限定的な機能しか備えていない光電スイッチと同等のそれほど煩わしくない操作で、検出環境に見合った設定を完了することができる。他方、光電スイッチの知識が豊富であり、光電スイッチを使いこなすことのできるユーザであれば、光電スイッチの表示部にすべての項目を表示させることで、多機能な光電スイッチのすべての機能を任意に設定又は調整することができる。
ただ、この場合に「Pro」モードから抜けるときには、そのモードから「Pro」モード中の設定画面切り替えと同じ操作で、通常運転画面に戻ってしまうので、通常運転画面に戻ったときに、切り替え操作を行いすぎて、所望の表示モードを行き過ぎてしまうことがあった。
そこで、表示画面グループ内の表示切替が一巡した際に、その終了を伝えるEnd表示を行い、及び/又は操作を所定時間無効にする切替無効化手段を有することによって、ユーザにグループ内の設定が一巡したことを喚起し、操作を連続的に行うことによりそのグループ内で所望の設定から行き過ぎてしまったり、他の表示グループに遷移した場合にも他の表示グループ内での行き過ぎを防止することができる。
この例を、図20のフローチャートに基づいて説明する。光電センサの電源投入後、ステップb1に示すように、センサは「閾値関連表示モード」の中にある複数の表示画面のいずれかの画面を表示している。この状態では、切替手段の一形態であるMODEボタンが押される毎に「閾値関連表示モード」に含まれる表示画面を順番に表示していき、最後の画面に来た状態でさらにMODEボタンを押すと先頭の画面にループして戻る。ここで、「閾値関連表示モード」の詳細なフローチャートを図21に、各画面での具体的な表示例を図22のイメージ図に、それぞれ示す。
図20のステップb1の段階では、MODEボタンを押すだけでは「閾値関連表示モード」の表示画面をトグル状にループするだけであるが、MODEボタンを長押しすると、ステップb2に示す「共通動作機能設定モード」の先頭画面へ遷移する。ここで長押しとは、所定の時間以上MODEボタンを押下したままとすることを意味する。例えば、MODEボタンを2秒以上押すと「共通動作機能設定モード」の先頭画面へ遷移させ、2秒以内のMODEボタンの押下(「短押し」ともいう)では「閾値関連表示モード」の画面切り替えとなる。「共通動作機能設定モード」の中にも複数の画面があり、MODEボタンを短押しする毎に、「共通動作機能設定モード」の中にある複数の画面を順番に表示していき、最後の画面に来た状態でさらにMODEボタンを短押しすると、ステップb3のEndとFullの選択画面ステップに移行する。
ステップb3では、図23のような「End」と「Full」のいずれかを選択する「End or Full画面遷移選択画面」が表示される。この画面から、UP/DOWNボタン45Bによって「Full」を選択した状態でMODEボタンを短押しすると、「詳細動作機能設定モード」の先頭画面へ遷移する。すなわち、図20のステップb4に移行する。「詳細動作機能設定モード」にも複数の画面があり、MODEボタンを短押しするたびに、「詳細動作機能設定モード」の中にある複数の画面を順番に表示していき、最後の画面に来た状態でさらにMODEキーを短押しすると、ステップb5に進みEnd画面を表示する。
一方、ステップb3の「End or Full画面遷移選択画面」で、UP/DOWNボタン45BによってEndを選択した状態でMODEボタンを短押しすると、ステップb4を介すことなく直接ステップb5に進んでEnd画面を表示する。End画面は無効化手段を構成し、キー操作に拘わらず一定時間表示され、また表示中のキー操作は受け付けない。一定時間経過後は、ステップb1に戻り、「共通動作機能設定モード」から「閾値関連表示モード」に復帰する。ここでは、「共通動作機能設定モード」に遷移する際に選択されていた「閾値関連表示モード」の表示画面に戻る。あるいは、遷移の際に選択されていた画面に戻るのではなく、「閾値関連表示モード」の先頭の表示画面(閾値・検出値画面)や任意の表示画面に戻ることもできる。
このように、図20の例では動作機能の設定画面が終了した場合、すぐに先頭の画面にループするのではなく、設定画面が終了したことを示す終了画面を追加している。また終了画面では画面を遷移させるキー入力を無効にし、一定時間終了画面を表示させ、一定時間経過後はキー入力に関わらず先頭の画面にループするように構成している。これにより、先頭の画面に戻るために画面を遷移させるキーを連続して押していっても、どこで設定画面が終了したかを認識することができる。また終了画面が表示されている間はキー入力が無効なので、終了画面でキーを連打するなど、多少多めにキーを入力してしまっても終了画面が表示されたことに気づいてキー入力をやめれば容易に先頭の画面に戻ることができる。このEnd表示機能は、ステップb4の付加機能を利用に関わらず有効であり、また特別なキー操作を行わなくても、動作機能の設定画面が終了したことが容易に認識できる。
(「閾値関連表示モード」)
次に、「閾値関連表示モード」の詳細について、図21のフローチャート及び図22のイメージ図に基づいて説明する。「閾値関連表示モード」は、光電センサの動作時において得られた検出値や、設定された閾値に関する表示画面である。上述の通り表示部は2画面すなわち第1表示領域及び第2表示領域を備えており、それぞれの画面に同時に表示させる閾値関連の値を変更できる。この例では、閾値関連の第1表示画面群として、図22に示す3種類を用意している。すなわち、図22(a)は、第1表示領域に表示用検出値、第2表示領域に表示用閾値を表示させる「閾値・検出値画面」、図22(b)は、第1表示領域に表示用検出値、第2表示領域に余裕度を表示させる「余裕度・検出値画面」、図22(c)は、第1表示領域に表示用検出値の最小値、第2表示領域に表示用検出値の最大値を表示させる「最大値・最小値画面」であり、このいずれかを切り替えて表示部に表示させる。なお余裕度とは、閾値に対する現在の検出値の相対値であり、表示用検出値/表示用閾値×100(%)で表される。また表示用検出値の最大値とは、光電センサ動作中にセンサが取り込んだ表示用検出値の最大値を示しており、表示用検出値の最小値とは、表示用検出値の最小値を示している。図21のフローチャートに示すように、MODEボタン45Dの短押しによって「閾値・検出値画面」、「余裕度・検出値画面」、「最大値・最小値画面」を順に切り替えることができる。
なお、「閾値関連表示モード」は、図19に示すように「しきい値関連表示」に関する表示項目の一部の項目だけを表示する部分表示モード(「Std」モード)と、すべての項目を表示する全表示モード(「Full」モード)とを選択可能とすることもできる。部分表示モードには、ユーザの使用頻度や必要性の度合いなどを考慮に入れて、特に使用頻度や必要性の度合いの高い項目だけを表示する。これにより、例えば一般的なユーザは、制限した項目だけを表示させるようにすれば、光電スイッチは特別に設定する必要のない項目を表示することなく、限定的な機能しか備えていない光電スイッチと同等のそれほど煩わしくない操作で、検出環境に見合った設定を完了することができる。他方、光電スイッチの知識が豊富であり、光電スイッチを使いこなすことのできるユーザであれば、光電スイッチの表示部にすべての項目を表示させることで、多機能な光電スイッチのすべての機能を任意に設定又は調整することができる。
(「共通動作機能設定モード」)
以上の「閾値関連表示モード」から、MODEボタン45Dの長押しにより図20のステップb2に示す「共通動作機能設定モード」に移行できる。ステップb2以降は、光電センサの機能に関連した設定項目である第2群の表示を行う複数種類の第2表示画面群を選択する。「共通動作機能設定モード」では、各種の設定を行う設定画面を複数切り替えて表示させる。以下、「共通動作機能設定モード」の詳細について、図24のフローチャート及び図25のイメージ図に基づいて説明する。「共通動作機能設定モード」は、光電スイッチの基本的な設定に関するもの、又はユーザの使用頻度や必要性の度合いの高い項目だけを表示する第1モードに相当する部分表示モード(「Easy」モード)としている。ここでは、光電センサの動作機能設定として、図25(a)に示す「ライトON/ダークON機能選択画面」と、図25(b)に示す「パワーモード機能選択画面」を備えている。これらは、各設定画面で設定項目を選択後、MODEボタン45Dを短押しすることで設定値が保存され、次の設定画面に移行する。
(「ライトON/ダークON機能選択画面」)
「ライトON/ダークON機能選択画面」は、光電センサの出力を、検出値が閾値以上のときに出力をONさせるか、検出値が閾値を下回る場合にONさせるかを設定する。この例では、光電センサが2系統の出力としてout1とout1を備えており、それぞれについて、検出値が閾値以上のときに出力トランジスタをONさせる「ライトON(L−on)」とするか、検出値が閾値を下回る場合に出力トランジスタをONさせる「ダークON(d−on)」とするかを設定する。ここでは、スライドスイッチを操作することで、out1とout2を切り替えることができる。out1とout2それぞれについて、UP/DOWNボタン45Bを操作して「L−on」、「d−on」のいずれかを選択する。図25(a)の例では、out1をL−on、out2をd−onに、それぞれ設定している。なお、表示部600には簡略化されたアルファベットで選択中の内容が表示される。
(「パワーモード機能選択画面」)
また、「パワーモード機能選択画面」は、投光素子の投光量、受光回路の受光ゲイン、デジタル演算精度等を調整する項目である。ここでは、これらのパラメータの調整を組み合わせることで、光電センサの応答速度を調整した5種類の動作モードを用意している。各動作モードには性能に応じた名称を付しており、応答速度の速い順にそれぞれ、応答速度80μsの「ハイスピード(hSP)」、応答速度250μsの「ファイン(FiNE)モード」、応答速度500μsの「ターボ(turb)モード」、応答速度2msの「スーパー(SuPr)モード」、応答速度4msの「ウルトラ(ULtr)モード」としている。これら5種類の動作モードは、検出対象物の大きさや距離等に応じて適切な投光量(発光素子22の駆動パルス幅)や感度(増幅回路25の増幅度)等の回路定数を最適化するために備えられている。UP/DOWNボタン45Bを操作すると、各動作モードが正逆両方向に遷移するので、ユーザは検出対象物の移動速度などに応じて適切な動作モードを選択する。
(「End or Full画面遷移選択画面」)
以上のようにして、「共通動作機能設定モード」の設定が終了すると、図20のステップb2からb3に移行して、選択手段による表示画面の画面遷移選択ステップとなる。ここでは、上述の通り図24で「パワーモード機能選択画面」からMODEボタン45Dの短押しにより、「共通動作機能設定モード」の設定が終了し、選択手段の一形態である図23に示す「End or Full画面遷移選択画面」に切り替わる。図23の画面から、UP/DOWNボタン45Bにより「共通動作機能設定モード」の終了(End)もしくは「詳細動作機能設定モード」への移行(Full)を選択する。Endを選択すると、図20のフローチャートにおいてステップb5に移行し、後述するEnd画面表示ステップを経てステップb1の「閾値関連表示モード」に戻る。この意味で「End or Full画面遷移選択画面」は、第1の表示画面群の表示画面の切り替えが終了したことを示す終了表示手段を構成する。またFullを選択すると、ステップb4の「詳細動作機能設定モード」に移行する。いずれの場合も、UP/DOWNボタン45BによりEndもしくはFullを選択後にMODEボタン45Dを短押しすることで画面遷移が実行される。
なお、「共通動作機能設定モード」の設定画面の数が少ない場合は、「End or Full画面遷移選択画面」でEndを選択したときステップb5のEnd画面表示を省略こともできる。数が少ない場合は誤操作も少ないと考えられるからである。逆に「共通動作機能設定モード」の設定画面の数が多い場合は、MODEボタン45Dの連打回数が多くなるので、End画面表示を行うことで設定画面が終了したことをユーザに認識させることができ、MODEボタン45Dの押しすぎによる誤操作を回避できる。
このように、光電センサの各種機能設定に際して、すべての設定項目をそのまま表示するのでなく、優先度の高い「共通動作機能設定モード」をまず表示させ、次いでより詳細な「詳細動作機能設定モード」に選択的に移行させる構成により、ユーザの熟練度や使用目的に応じた設定が可能となる。特に光電センサの付加機能が多くなると、それにつれて設定画面も多くなり、設定画面の選択も複雑になる。そこで優先度の高い項目や必須項目のみをまず表示させ、さらに詳細な設定が必要な場合のみ詳細設定に移行するかどうかをユーザに選択させる構成を採用することで、付加機能が増えても表示画面を整理でき、画面遷移を判り易くできる。さらに後述するEnd表示を使用すれば、遷移画面の見過ごしにも対処できる。
(「詳細動作機能設定モード」)
「共通動作機能設定モード」の設定終了後に、さらに詳細な動作機能設定を行う場合は、図20のステップb3の画面遷移選択ステップでFullを選択し、付加機能の動作機能が設定可能なステップb4の「詳細動作機能設定モード」に移行する。以下、「詳細動作機能設定モード」について、図26のフローチャート及び図27のイメージ図に基づいて説明する。この例では「詳細動作機能設定モード」として、図27(a)に示すタイマ機能選択画面、図27(b)に示す検出モード選択画面、図27(c)に示す表示スケーリング選択画面の3つを第2モード(「Pro」モード)として備えている。これらは、各設定画面で設定項目を選択後、MODEボタン45Dを短押しすることで設定値が保存され、次の設定画面に移行する。設定項目を、基本的な「共通動作機能設定モード」と、詳細な「詳細動作機能設定モード」に、優先度や使用頻度、重要性等に基づいてグループ分けすることにより、ユーザの熟練度に応じた操作の省力化を図ることができる。なおこのようなグループ分けは、ユーザがその目的に応じて選択できるようにしてもよい。また通常の使用状態で必要な設定項目であるか、特別な使用状態で必要とされる設定項目であるかに応じてグループ分けを行うようにしてもよい。
また一方で、「詳細動作機能設定モード」では、上記「共通動作機能設定モード」での設定項目を含めたすべての設定項目を設定可能とすることもできる。この場合は、動作機能設定モードとして、「詳細動作機能設定モード」又は「共通動作機能設定モード」のいずれかを選択させることもできる。これによって、例えば一般的なユーザは、制限した項目だけを表示させるようにすれば、光電スイッチは特別に設定する必要のない項目を表示することなく、限定的な機能しか備えていない光電スイッチと同等のそれほど煩わしくない操作で、検出環境に見合った設定を完了することができる。他方、光電スイッチの知識が豊富であり、光電スイッチを使いこなすことのできるユーザであれば、光電スイッチの表示部にすべての項目を表示させることで、多機能な光電スイッチのすべての機能を任意に設定又は調整することができる。
(タイマ機能選択画面)
タイマ機能選択画面では、出力タイマの設定を行う。ここでは、光電センサの出力信号のON/OFF切り替えに対して、ONディレイやOFFディレイ等の処理に関する設定を行う。図27(a)に示す例では、出力タイマ機能をOFFする「タイマOFF(toff)」、OFFディレイタイマを設定する「OFFディレイタイマ設定(offd)」、ONディレイタイマを設定する「ONディレイタイマ設定(on−d)」、ワンショットタイマを設定する「ワンショットタイマ設定(shot)」、更にONディレイタイマとOFFディレイタイマを共に設定する「ONディレイ+OFFディレイタイマ設定(on−d offd)」、ONディレイタイマとワンショットタイマを共に設定する「ONディレイ+ワンショットタイマ設定(on−d shot)」の6種類から、UP/DOWNボタン45Bを操作して選択する。
(検出モード選択画面)
検出モード選択画面は、通常の表示用検出値と表示用閾値の大小関係で動作する通常検出モードに加えて、表示用検出値が2つの表示用閾値の範囲内にある場合だけ出力をON又はOFFするエリア検出モードや、表示用検出値の単位時間当たりの光量変化と表示用閾値の大小関係で動作する微分モード等を選択する画面である。図27(b)に示す例では、通常検出モード(std)と、エリア検出モード(ArEA)と、微分検出モードで、単位時間当たりの光量増加分で動作するモード(_| ̄d)と、微分検出モードで、単位時間当たりの光量減少分で動作するモード( ̄|_d)と、微分検出モードで、単位時間当たりの光量増加分と光量減少分のいずれでも動作するモード(_| ̄|_d)の5種類から、UP/DOWNボタン45Bを操作して選択する。
(表示スケーリング選択画面)
表示スケーリング選択画面は、上述の通り表示部における表示値を揃えるよう調整する表示スケーリング機能のON/OFFを選択する画面である。図27(c)の例では、表示スケーリング機能OFF(SCAL off)と、表示スケーリング機能ON(SCAL on)のいずれかを、UP/DOWNボタン45Bを操作して選択する。表示スケーリング機能のONを選択した場合は、図27(d)に示すように表示スケーリング機能の目標値を、UP/DOWNボタン45Bを操作して指定する。
(End画面表示ステップ)
以上の「詳細動作機能設定モード」終了後、MODEボタン45Dを短押しすると、図20のフローチャートにおいてステップb5に移行し、End画面表示ステップに移行する。ステップb5では一定時間End画面表示した後、ステップb1の「閾値関連表示モード」に戻る。すなわちEnd画面表示は、第2の表示画面群の表示画面の切り替えが終了したことを示す終了表示手段、又は第2表示群終了表示手段を構成する。End画面の一例を、図28のイメージ図に示す。またEnd画面は、切替無効化手段を構成し、MODEボタン45Dのキー操作は無効となり、一定時間経過後、図20に示すように自動的に閾値関連表示モードに戻る。このようにキー操作を一定時間無効にすることで、ユーザがボタンを連打して所望の設定画面を行き過ぎて元の画面に戻ってしまう誤操作を防止できる。
切替無効化手段でキー操作を無効化できる一定時間は、例えば1秒〜3秒とする。またこの値をユーザが設定できるようにしてもよい。なお、ステップb5のEnd画面と、ステップb3の「End or Full画面遷移選択画面」とは、図23及び図28に示すように、画面表示を変更することが好ましい。これにより、どのEnd画面が表示されているかをユーザが区別できるので、現在の表示位置を確認できる。
また、End表示画面での表示内容は「End」の文字に限られず、「E」やその他の文字、数字、記号、図形等に変更してもよい。またEnd表示画面で表示を点滅、強調させたり、表示色を変更させたり、文字を「E」→「n」→「d」の順に表示させたり、「End」を左右、上下に移動させるなどして、終了表示を強調させることもできる。あるいは逆に何も表示させず、キー入力を一定時間無効にするのみでも同様の効果を得られる。又は、「閾値関連表示モード」の表示画面に戻しつつ、キー入力を一定時間無効にすることでも、同様の効果が得られる。
また、上記の例では「閾値関連表示モード」の表示画面ではEnd画面の表示を行っていないが、「閾値関連表示モード」においても、表示画面をループして先頭画面に戻る際に、End画面を表示することで、「閾値関連表示モード」が一巡したことをユーザに認識させることもできる。特に、「閾値関連表示モード」の表示画面数が多い場合にはEnd画面表示が有効である。
また、「共通動作機能設定モード」の最後の画面の状態でMODEボタンを押した場合に、「共通動作機能設定モード」の先頭画面に戻ることも考えられ、戻る際にEnd表示画面を表示させることもできる。同様に、「詳細動作機能設定モード」の最後の画面の状態でMODEボタンを押した場合に、「詳細動作機能設定モード」の先頭画面に戻ることも考えられ、戻る際にEnd表示画面を表示させてもよい。さらにまた、「共通動作機能設定モード」や「詳細動作機能設定モード」からMODEボタンの長押しなどによって、「閾値関連表示モード」に戻った後、MODEボタンの長押しで「共通動作機能設定モード」で先ほどまで表示していた画面に戻り、「共通動作機能設定モード」画面を一巡するタイミングでEnd表示画面を表示するという方法も利用できる。
以上の構成の光電センサにおいては、付加機能を増やして、「共通動作設定モード」や「詳細動作設定モード」での設定画面の種類が増えた場合でも、必ずEnd表示画面が表示されるため、ユーザは動作設定モードがどこで終了したかを認識できる。また動作設定モードを早く終了したいため、MODEボタンの短押しを連続して行っている場合でも、End画面が表示されたのを見てからキー操作を中止すれば、一定時間後に「閾値関連表示モード」に戻ることができ、誤って「閾値関連表示モード」のループを回ってしまうことも無いので、操作ミスを減らして快適な操作環境を実現できる。