以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1、図2は、本発明を適用した光電センサを示す。図1は光電センサの斜視図であり、図2は、その平面図である。図示の光電センサ100は、光ファイバを通じて受光する形式の光電センサである。また、この光電センサ100は、増幅器やCPUなどを組み込んだ本体の内部に発光素子と受光素子を配置した光電センサである。
光電センサ100は、幅狭の比較的細長いボックス状のケーシング11を有し、ケーシング11の内部には、発光素子12と受光素子13(図3参照)とが設けられ、この両素子12、13に臨む光ファイバ14、15がケーシング11の一端面から外部に延出している。光電センサ100への電源供給及び光電センサ100の典型的にはPLC(図示せず)への出力は、ケーシング11の他端面から延出するケーブル16(図1)を通じて行われる。
このケーシング11の細長い矩形の上面11aには、長手方向に横並びに隣接して配置された第1、第2の表示部17、18が設けられている。第1、第2の表示部17、18は、上面11aの幅と実質的に同じ幅を有し、第1、第2の表示部17、18は、上面11aの長手方向寸法の約半分を占める長手方向長さを有している。第1、第2の表示部17、18は、共に、横並びに隣接して配置された4つセクションを有し、各セクションは7セグメントLEDで構成されている。これにより、第1、第2の表示部17、18は一体となって8桁の数値、8つの文字又はこれらの組み合わせをデジタル表示することができ、また、必要であれば合計8個の7セグメントLEDを使ってバー表示することができる。また、各表示部17、18で夫々4桁の数値又は4つの文字又はこれらの組み合わせを横並びに表示することができる。第1、第2の表示部17、18を構成する7セグメントは、これを1色LEDで構成してもよく、また、2色LEDで構成してもよい。また、第1の表示部17と第2の表示部18とを異なる色で表示するようにしてもよい。また、第1、第2の表示部17、18は、これを一つ又は2つの白黒又はカラー液晶(LCD)で構成してもよい。
ケーシング11の上面11aには、また、出力切替ボタン19、モードボタン(Mキースイッチ)20、スイング式のしきい値調整(上下)スイッチ21、スライド式の動作モードセレクタスイッチ22、セットキースイッチ23、動作表示灯24が設けられている。なお、ケーシング11の上面11aは、光電センサ100の上記の各種のスイッチやボタンを操作しないときには、図示を省いた片開き式の透明の蓋蓋によって覆うことができるようになっている。
モード切替スイッチ(Mキースイッチ)20は、これを3秒以上押し続ける(長押し)ことにより、第1、第2の表示部17、18の画面の表示モードを切り替えることができ、表示モードとしては、通常の検出動作中の表示モード(運用モード)と、各種の設定を行うための表示モード(設定モード)とを有する。Mキースイッチ20を3秒よりも短い時間押すと(短押し)、各表示モードで、第1、第2の表示部17、18の画面を切り替えることができる。
スイング式のしきい値調整(上下)スイッチ21は、アップ(△)側を押すとしきい値を大きくする方向に調整することができ、ダウン(▽)側を押すとしきい値を小さくする方向に調整することができる。また、この上下スイッチ21は、設定モード中では、パラメータの選択に用いられる。
スライド式の動作モードセレクタスイッチ22は2接点を有し、この動作モードセレクタスイッチ22を操作することにより、予め設定されている動作モードと、複数の他の動作モードからユーザが任意に選択した動作モードとの切替えを行うことができる。光電センサ100で選択可能な複数の動作モードは下記のとおりであるが、各種の動作モードは、受光量の大小に違いがあり、この受光量を増加させるのに、例えば、(i)受光の周期を長く設定してパルス発光のデュティーを小さくする代わりに投光電流を増加させることで投光量を増加させる、(ii)受光した信号を複数回加算することによって受光量を大きくすると共にS/Nも向上させる手法を採用することができる。
(1)ファインモード:このファインモードは、例えばベアリングの刻印の有無を検出するのに適するように受光量が設定されており、微小な刻印の有無による僅かな光量変化を的確に判別することができるという特徴を備えている。
(2)ターボモード:ファインモードよりも実質的に受光量が増大する設定になっており、例えば台紙上のシールの検出するのに適している。
(3)スーパーターボモード:ターボモードよりも更に実質的に受光量が増大する設定になっている。このスーパーターボモードは、例えば発光素子又は発光素子からの光を導くファイバ及び/又は受光素子又は受光素子に光を導くファイバと検出物Tとを離間させた状態で検出物Tの有無を検出するのに適している。
(4)ウルトラターボモード:スーパーターボモードよりも更に実質的に受光量が増大する設定になっており受光感度は、ここに列挙の選択肢の動作モードのなかで最大である。このウルトラターボモードは、例えば、スーパーターボモードよりも遠く離れた検出物Tの有無を検出する、或いは、埃、汚れなどの多い悪環境下で検出物Tを検出する際に用いるのに適している。
(5)ハイスピードモード:ハイスピードモードは、上述した各種の運用モードよりも応答速度を高める設定になっており、比較的早く通過する検出物Tを検出するのに適している。
例えば、工場出荷段階で動作モードセレクタスイッチ22の第1接点に例えばウルトラターボモードが割り付けられ、第2接点は、後に説明する設定操作により上記(1)〜(5)からユーザが選択した動作モードに関連付けられる。これにより、ユーザは、動作モードセレクタスイッチ22を操作することで、工場出荷時に設定されているところの最大感度のウルトラターボモードと、例えば比較的使用頻度の高い他の動作モードとを瞬時に切り替えることができる。
セットキースイッチ23は、しきい値を自動的に設定するのに用いられる。すなわち、検出物T(図3参照)を検出エリアに配置した状態で、セットキースイッチ23を押し、次いで、検出エリアから検出物Tを取り除いた状態で、セットキースイッチ23を再び押すと、検出物Tが存在しているときの最大受光量と、検出物Tを取り除いたときの最小受光量との間の値(典型的には中間値)がしきい値として自動的に設定される。
図3は、光電センサ100の全体概要を示すブロック図である。光電センサ100は、例えば発光ダイオード(LED)などからなる発光素子12を発光させるための駆動回路30を有し、また、フォトダイオードなどからなる受光素子13に接続された受光回路32と、この受光回路32からの出力信号をA/D変換するA/D変換器33と、第1、第2の表示部17、18を制御するゲートアレイ又はCPU34と、このゲートアレイ又はCPU34からの信号を外部に送出する出力回路35とを有し、先に説明した各種のスイッチ又はボタン19〜23を含む操作部36からの信号はゲートアレイ又はCPU34に入力される。
光電センサ100は、基本的な検出モードでは、受光素子13が獲得した受光量をしきい値と比較し、その大小によって検出物Tの有無を検出し、その結果を出力するものである。そして、この基本的な検出モードでは、受光素子13が獲得した現在の受光量(現在値)と、検出物Tの有無を検出するために設定されているしきい値が、上述した第1、第2の表示部17、18に横並びの状態で同時に表示される。現在の受光量を左側の第1表示部17に表示するか右側の第2表示部18に表示するかは任意である。
運用モード:
図4は、運用モードでの第1、第2表示部17、18の画面の変遷を例示するものである。この画面の変遷は、前述したようにMキースイッチ20を短押しすることにより行われる。第1画面では第1表示部17に「しきい値」が表示され、第2表示部18に「現在の受光量(現在値)」が表示される。「しきい値」を第2表示部18に表示し、「現在値」を第1表示部17に表示する、というように第1、第2の表示部17、18に表示する内容を逆にしてもよく、このことは第2画面以降でも同様である。
画面の変遷の順に、表示画面の変遷を説明すると、(1)第1画面:「しきい値」×「現在値」、(2)第2画面:「余裕度(数値)」×「現在値」、(3)第3画面:「余裕度(バー形式)」×「現在値」、(4)第4画面:「スケーリングしきい値」×「スケーリング現在値」、(5)第5画面:「第1ホールド値」×「第2ホールド値」、(6)第6画面:「第1余裕度ホールド値」×「第2余裕度ホールド値」、(7)第7画面:「第1時間幅」×「第2時間幅」、(8)第8画面:「動作モード」×「現在値」である。
第2画面の「余裕度(数値)」とは、余裕度(数値)=(現在値÷しきい値)×100の式で表される%数値である。第3画面の「余裕度(バー形式)」とは、余裕度=(現在値÷しきい値)をバー形式で表示するものであり、このバー表示としては、例えば図5に例示するように4つの7セグメントLEDの上側と下側に位置する縦セグメントを使って余裕度が表示される。バー表示では、余裕度が増加するに従って、例えば順次左側に位置する縦セグメントを発光させることにより、余裕度の大小を知ることができる。また、余裕度を示すバーが右から左に向けて延びる途中で段差を設けることにより、この段差がしきい値のレベルであることをユーザに教えることができる。
第4画面の「スケーリングしきい値」、「スケーリング現在値」とは、第1画面(「しきい値」×「現在値」)のしきい値及び現在値を予め設定モードで設定したスケーリング目標値に拡大又は縮小させた値を言う。例えば第1画面のしきい値が「1600」であり、設定モードで予め設定したスケーリング目標値が「2000」であれば(拡大率2000÷1600=1.25)、第1画面の現在値が「4000」であれば、スケーリング現在値は4000×1.25=5000になる。このときには、「スケーリングしきい値」として「2000」が表示され、「スケーリング現在値」として「5000」が表示される。すなわち、第4画面の「スケーリングしきい値」、「スケーリング現在値」は、しきい値及び受光量の表示において、その数値をユーザが任意に設定した数値分だけ拡大又は縮小した状態で表示するものである。
第5画面では、後にダイレクトアクセスメニューで説明する5種類のホールド値から選択して表示することができる。例えば、ONからOFFへのエッジからONからOFFへのエッジまでの最大値、最小値や、OFFからONへのエッジからOFFからONへのエッジまでの最大値、最小値をホールドしてこれを「第1ホールド値」、「第2ホールド値」として表示させることができる。なお、第5画面を表示中に上下スイッチ21を3秒以上ダウン側に押す(長押しする)ことにより、ホールド機能を設定する画面(図示せず)に遷移させることができる。第5画面の第1、第2ホールド値を余裕度(%表示)で表示するのが第6画面である。
第7画面の時間幅表示は、例えば出力ON区間、出力OFF区間、出力ON/OFF又は出力OFF/ONの1サイクルの時間幅の4種類から選択可能である。この第7画面の時間幅表示中に、上下スイッチ21を3秒以上ダウン側に押す(長押しする)ことにより、時間幅を設定する画面(図示せず)に遷移させることができる。なお、初期の時間幅表示は、第1時間幅が出力ON区間の時間幅、第2時間幅が出力OFF区間の時間幅が設定されている。
第8画面の「動作モード」とは現在設定されている動作モード、例えばウルトラターボモードが現在設定されているのであれば、「ULtr」の文字が表示される。後に図10を参照して説明するが、動作モードとして設定可能なモードは、ファインモード、ターボモード、スーパーモード、スーパーターボモード、ウルトラターボモード、ハイスピードモードがあり、その表示は、ファインモードは「FinE」に対応し、ターボモードは「turb」に対応し、スーパーターボモードは「SuPr」に対応し、ウルトラターボモードは「ULtr」に対応し、ハイスピードモードは「HSP」に対応する。
上述した運用モードでの第1、第2表示部17、18での第1〜第8画面のうち任意の画面をユーザによってこれを省くことができる。すなわち、運用モードで第1、第2表示部17、18で表示する第1〜第8画面はユーザによってその一部を省くカスタマイズが可能である。
運用モードでは、後に説明する拡張設定(図7のSTG3-3-2)により、第1、第2の表示部17、18を一体に使って4桁を超える数値を表示させる拡張表示を行うことができる。例えば、ウルトラターボモードでは、受光量が4桁表示の上限値である「9999」を超える場合がある。この場合には、第1、第2表示部17、18を連結した態様の拡張表示で「8桁」表示が可能な表示を行うことができる。拡張表示の態様では、これを明示するための第1表示部17の左端に拡張(Extended)を意味する「E」の文字を表示するのが好ましい。拡張表示を行った場合には、受光量(現在値)以外の表示(しきい値)が見えなくなるが、拡張表示中、上下スイッチ21のアップ側又はダウン側を短押しすると、画面の表示が「現在値」から「しきい値」に切り替わり、好ましくは、この「しきい値」が点滅表示される。「しきい値」の表示の間、何も操作されない状態で所定時間(例えば3秒間)が経過したときには、「しきい値」表示から拡張表示の現在値に戻るようにしてもよい。このような最大8桁までの拡張表示は、上述した第1〜第8画面で行わないで、追加の画面で拡張表示を行うようにしてもよい。なお、「しきい値」が点滅表示中に上下スイッチ21を操作することで「しきい値」を変更できるようにしてもよい。
前述したように、運用モードでは、モードボタン(Mキースイッチ)20を短押しすることにより、第1画面から順に第8画面まで切り替えることができ、ユーザが好ましいと思う画面を表示させることができる。そして、運用モードでMキースイッチ20を長押しすると次に説明する設定モードに切り替わる。
設定モード:
図6〜図8は設定モードに関し、表示画面の変遷を説明するための図である。設定モードは、第1〜第4のステージにグループ分けされている。第1ステージ(STG1)は基本機能の設定に関するものであり、第2ステージ(STG2)は拡張機能の設定に関するものであり、第3ステージ(STG3)は表示設定に関するものであり、最終の第4ステージ(STG4)はシステム設定に関するものである。各ステージでは、Mキースイッチ20を短押しすることで表示画面が切り替わる。そして、各ステージに含まれる各種の画面が表示されているときにMキースイッチ20を長押しすることで設定モードから脱出して運用モードに戻すことができる。また、Mキースイッチ20を押しながら上下スイッチ21のアップ側を押すとことにより、1つ前の設定画面に戻ることができる。
第1ステージ:
図6を参照して、第1ステージの第1番目に表示される運用モード設定画面STG1-1は、動作モードセレクタスイッチ22の第2接点に割り付ける動作モードを設定するために用いられる。動作モード設定画面STG1-1では、第1表示部17に動作モードが表示され、第2表示部18に、その動作モードに対応した現在値(受光量)が表示される。図9は、動作モード設定画面STG1-1であり、上下スイッチ21を操作することにより変遷する態様を示している。すなわち、上下スイッチ21を操作すると、第1表示部17に「ULtr」(ウルトラターボモード)、FinE」(ファインモード)、「turb」(ターボモード)、「SuPr」(スーパーターボモード)、「HSP」(ハイスピードモード)が表示され、第2表示部18には、各動作モードに対応した受光量が、夫々、表示される。この表示の切り替えは、上下スイッチ21のアップ又はダウン操作をするとリアルタイムに表示の動作モードが切り替わり、所望の選択肢である動作モードが表示されたときに、Mキースイッチ20を短押しすることで確定して、当該動作モードが動作モードセレクタスイッチ22の第2接点に割り付けられると共に、第1、第2表示部17、18は次のティーチング設定画面STG1-2(図6)に切り替わる。
なお、動作モードセレクタスイッチ22の第1接点についても、これに割り付ける動作モードをユーザの選択に委ねるようにしてもよく、これをユーザが設定できるようにするのに、上述した運用モード設定画面STG1-1に類した第1接点用の設定画面を追加してもよい。
図6のティーチング設定画面STG1-2は、図10に示すように、第1表示部17にティーチング設定を意味する「tunE」の文字が表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21をアップ操作又はダウン操作することにより、「Std」又は「Ptun」が表示される。「Std」は標準(スタンダード)を意味し、これを選択したときには、運用モードでセットキースイッチ23の操作によりティーチングが行われる。「Ptun」は余裕度チューニングを意味し、これを選択してMキースイッチ20を短押しすると、図11に示すように、第1表示部17が「Ptun」の文字が表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21をアップ操作又はダウン操作することで「−99P」〜「99P」までの任意の数値を設定することができる。この設定は、上下スイッチ21の操作を止めた時点で確定(設定)するようになっており、また、Mキースイッチ20を短押しすることで第1、第2表示部17、18は第1回目のエスケープを含むステージ選択メニュー画面STG1-3(図6)に切り替わる。
図6のエスケープを含むステージ選択メニュー画面STG1-3では、図12に示すように、上下キースイッチ21を操作することにより、「End」、「StG2」、「StG3」、「StG4」の4つのメニューが第1表示画面17又は第2表示画面18に表示される。ここに、「End」は、設定モードからの脱出つまり運用モードへの復帰を意味し、「StG2」は第2ステージを意味し、「StG3」は第3ステージを意味し、「StG4」は第4ステージを意味する。すわなち、第1ステージの最後に表示されるステージ選択メニュー画面STG1-3では、これによりも後段のステージつまり第2ステージ以降のステージを特定するメニューが上下キースイッチ21を操作することにより次々と表示され、所望のステージが表示されているときにMキースイッチ20を短押しすることで、運用モードに復帰又は所望のステージに移行させることができる。
また、このステージ選択メニュー画面STG1-3を表示するときに、前回、例えば第4ステージが選択されたときには、これを記憶しておき、次回ステージ選択メニュー画面STG1-3を表示するときに、前回選択されたステージ、上記の例で言えば、第4ステージ「StG4」を先頭画面として表示するようにしてもよい。
第2ステージ:
今、第2ステージ「StG2」を選択したとすると、第2ステージの第1番目に表示される設定画面STG2-1はDSCに関するものである(図6)。DSCは、自動感度補正に関するものであり、DSC設定画面は、図13に示すように、先ず、DSCを意味する「dSc」の文字が第1表示部17に表示され、第2表示部18には「oFF」の文字が表示される。ユーザがMキースイッチ20を短押しすることで「oFF」を設定すると、自動感度補正をキャンセルする設定が行われ、後に説明する第2ステージの第2番目の設定画面STG2-2であるエリア設定画面に切り替わる(図6)。他方、上下スイッチ21をアップ操作することで、第2表示部18は、順に、「OdSc」、「PdSc」の文字に切り替わる。「OdSc」はゼロ自動感度補正であり、「PdSc」はパーセント自動感度補正である。ユーザがMキースイッチ20を短押しすることで「OdSc」又は「PdSc」を選択すると、図14に示すように、第1、第2表示部17、18は、第1表示部17に「dSc」の文字が表示され、第2表示部18は、レベルを意味する「LEv」に付記する形で「1」〜「5」のメニューが上下スイッチ21を操作することにより表示される。
「OdSc」のレベル1〜5は補正時定数の大小によって次のように設定されている。
(1)レベル1:5000ms;
(2)レベル2:500ms;
(3)レベル3:50ms;
(4)レベル4:5ms;
(5)レベル5:0.5ms
「PdSc」のレベル1〜5は補正時定数の大小によって次のように設定されている。
(1)レベル1:5000ms;
(2)レベル2:500ms;
(3)レベル3:50ms;
(4)レベル4:5ms;
(5)レベル5:0.5ms
Mキースイッチ20を短押しすることで、第1、第2表示部17、18は、第3番目のタイマ設定画面STG2-3に切り替わる(図6)。
前述した第2番目のエリア設定画面STG2-2では、図15に示すように、当該画面がエリア設定画面であることを表す「ArEA」の文字が第1表示部17に表示され、第2表示部18には、「oFF」又は「on」の文字が上下スイッチ21を操作することにより順次表示される。「oFF」はエリア検出をキャンセルすることを意味し、「on」はエリア検出をオンすることを意味する。エリア検出とは、上下2つのしきい値を使って検出するときに、2つのしきい値の間ではON、上限しきい値よりも大又は下限しきい値よりも小のときにはOFFする検出方法である。Mキースイッチ20を短押しすることで、第1、第2表示部17、18は、第3番目のタイマ設定画面ST2-3に切り替わる(図6)。
タイマ設定画面STG2-3は、(1)検出物Tの存在を検出した後、所定時間経過した後にON信号を出力するオンディレーの設定、(2)検出物Tの存在が無くなったことを検出した後、所定時間経過した後にOFF信号を出力するオフディレーの設定、(3)ワンショット制御の設定とを含む。ワンショット制御とは、判定がOFFからONに変わったときに、所定時間だけ出力する制御である。
タイマ設定画面STG2-3は、図16に示すように、(i)「toFF」(第2表示部18はブランク)、(ii)「oFFd」(第2表示部18はブランク)、(iii)「on−d」(第2表示部18はブランク)、(iv)「Shot」(第2表示部18はブランク)、(v)「on−d」(第1表示部17)と「oFFd」(第2表示部18)との組み合わせ、(vi)「on−d」(第1表示部17)と「Shot」(第2表示部18)との組み合わせの6つのメニューから選択可能であり、上下スイッチ21を操作することでタイマ設定画面STG2-3を遷移させることができる。ここに、(i)の「toFF」はタイマ設定をキャンセルすることを意味する。タイマ設定をキャンセルされると、光電センサ100が検出物Tの存在を検出すると直ちに検出信号を出力し、検出物Tの存在を検出している間、検出信号を出力し続ける。(ii)の「oFFd」はオフディレーを意味し、判定がONからOFFに変わったとしても、設定したディレー時間が経過した後に出力がオフする。(iii)の「on-d」はオンディレーを意味し、判定がOFFからONに変わったとしても、設定したディレー時間が経過した後に出力がオンする。(iv)の「Shot」はワンショット制御を意味する。
(i)の「toFF」が表示されているときにMキースイッチ20を短押しすると、第2ステージの第4番目のAPC設定画面(図6のSTG2-4)に切り替わる。(ii)〜(iv)の「oFFd」、「on−d」、「Shot」が表示されているときに、Mキースイッチ20を短押しすると、図17に示すように、夫々のタイマ時間を設定する画面に切り替わり、表示されているタイマ時間は上下スイッチ21を操作することにより数値を増減することができる。そして、更に、Mキースイッチ20を短押しするとAPC設定画面(STG2-4)に切り替わる。(v)「on−d」/「oFFd」、(vi)「on−d」/「Shot」が表示されているときに、Mキースイッチ20を短押しすると、図18に示すように第1タイマ時間(T1)つまり第1表示部17に表示されている項目(オンディレー時間)を設定する画面に切り替わり、表示されているタイマ時間は上下スイッチ21を操作することにより数値を増減することができる。更に、Mキースイッチ20を短押しすると、図18に示すように第2タイマ時間(T2)つまり第1表示部17に表示されている項目(オフディレー時間又はワンショット時間)を設定する画面に切り替わり、表示されているタイマ時間は上下スイッチ21を操作することにより数値を増減することができる。そして、更にMキースイッチ20を短押しするとAPC設定画面(STG2-4)に切り替わる。
図6のAPC設定画面(STG2-4)は、既知のように、発光素子12の発光量を一定に維持するための機能であり、図19に示すように、上下スイッチ21を操作することによりAPC機能の「oFF」又は「on」を設定することができる。尚、図19の第1表示部17に表示されている「APC」はAPC機能の設定であることを意味し、「oFF」を設定するとAPC機能がキャンセルされ、「on」を設定するとAPC機能のオンが設定される。
Mキースイッチ20を短押しして、APC設定画面(STG2-4)の設定が終わると、第2ステージの最後の画面であるエスケープを含むステージ選択画面STG2-5に切り替わる(図6)。すなわち、図20に示すように第1表示部17や第2表示部18に、「End」、「StG3」又は「StG4」が表示される。Mキースイッチ20を短押しすることにより「End」を選択すると運用モードに戻ることができる。また、Mキースイッチ20を短押しすることで、「StG3」又は「StG4」を選択したときには、選択した次のステージ3又はこのステージ3をジャンプしてステージ4に移行させることができる。
第2ステージの最後の画面であるステージ選択画面STG2-5を表示するときに、前回、エスケープつまり「End」が選択されたときには、これを記憶しておき、次回ステージ選択メニュー画面STG1-3を表示するときに、前回選択されたステージとして上記の例で言えば、「End」を先頭画面として表示するようにしてもよい。
第3ステージ:
第3ステージでは、最初に表示シフトの設定に関する画面STG3-1が表示される(図7)。表示シフト設定画面STG3-1は、図21に例示するように、第1表示部17に表示シフトを意味する「ShFt」の文字が表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21を操作することにより「−1999」〜「9999」までの数値を表示させることができる。第2表示部18の数値は「0」(ゼロ)であればシフト無しであり、運用モードでは、実際の受光量やしきい値を表示させることができる。第2表示部18の数値が1以上であれば、運用モードで、この数値に従ってシフトした受光量やしきい値を表示させることができる。上下スイッチ21を操作して、ユーザが所望の数値を第2表示部18に表示させた後にMキースイッチ20を短押しすることでシフト量を設定することができ、第1、第2表示部17、18は、次の表示反転設定画面STG3-2に切り替わる(図7)。
表示反転設定画面STG3-2は、図22に例示するように、第1表示部17に「display」を意味する「diSP」の文字が表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21を操作することにより「Std」、「rEv」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「Std」(standard)を設定したときには、順方向の表示態様に設定することができる。他方、「rEv」(reverse)を設定したときには、例えば「123」が順方向の表示であるとすると、これを「321」を上下に逆さまに表示する逆方向の表示態様に設定することができる。
第3ステージの第3番目の設定画面STG3-3は表示カスタマイズに関する(図7)。表示カスタマイズ設定画面STG3-3は、図23に示すように、表示カスタマイズを意味する「dcSt」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「no」と「YES」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「YES」を選択したときには、表示に関する種々の設定STG3-3-1〜STG3-3-9を行うことができる(図7)。表示カスタマイズに関する第1番目の項目STG3-3-1は、標準態様の表示を選択するか否かに関するものであり、図24に示すように、標準を意味する「Std」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「on」と「oFF」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードで標準の表示で選択できるようになる。他方、「oFF」を設定すると運用モードで標準の表示が選択できなくなる。
すなわち、図7の表示カスタマイズに関する設定画面STG3-3-1乃至STG3-3-9は、運用モードでMキースイッチ20を短押しすることにより選択表示可能な画面を設定するメニューである。運用モードに関する図4において、Mキースイッチ20を短押しすることにより画面(I)〜(VII)が順次切り替わるが、設定画面STG3-3-1乃至STG3-3-9で「oFF」を選択された画面は、図4の遷移において表示されることなくスキップされる。例えば、STG3-3-1で「on」に設定し、STG3-3-3乃至STG3-3-9の全てを「oFF」に設定すると、運用モードでは第1画面(I)だけが表示され、Mキースイッチ20を短押ししても第2画面などは表示されない。
表示のカスタマイズに関する第2番目の項目は拡張設定STG3-3-2に関するものであり、図25に示すように、拡張を意味する「StdE」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、先に説明したように運用モードで受光量を第1、第2表示部17、18を一体的に使用した形式で表示することができる。他方、「oFF」を設定すると、この拡張設定がキャンセルされ、数値は個々の表示部17又は18を使って行われる。
表示のカスタマイズに関する第3番目の項目は余裕度STG3-3-3に関するものであり、図26に示すように、余裕度を意味する「StdP」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードでの表示画面のうち図4に図示の画面(II)を表示させることができ、他方、「oFF」を設定すると、運転モードでは、図4の画面(II)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の画面(II)を除いた形式で画面が変遷される。
表示のカスタマイズに関する第4番目の項目は余裕度のバー表示STG3-3-4に関するものであり、図27に示すように、バーを意味する「bAr」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運転モードでの表示画面のうち図4に図示の画面(III)を表示させることができ、他方、「oFF」を設定すると、運用モードでは、図4の画面(III)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の画面(III)を除いた形式で画面が変遷される。
第5番目のカスタマイズ項目はスケーリング表示STG3-3-5に関するものであり、図28に示すように、スケーリングを意味する「ScAL」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードでの第4画面(IV)において、スケーリングしきい値及びスケーリング受光量が表示され、「oFF」を設定すると、運用モードでは図4の画面(IV)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4のシフト後のしきい値、受光量に関する画面(IV)を除いた形式で画面が変遷される。
第6番目のカスタマイズ項目は受光量のホールド値の表示STG3-3-6に関するものであり、図29に示すように、ホールド値を意味する「HLd」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運転モードでの第5画面(V)において、受光量の最大ホールド値及び最小ホールド値が表示され、「oFF」を設定すると、運用モードでは図4の画面(V)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の受光量のホールド値に関する画面(V)を除いた形式で画面が変遷される。
第7番目のカスタマイズ項目は余裕度のホールド値の表示STG3-3-7に関するものであり、図30に示すように、余裕度のホールド値を意味する「HLdP」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードでの第6画面(VI)において、余裕度の最大ホールド値及び最小ホールド値が表示され、「oFF」を設定すると、運用モードでは図4の画面(VI)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の余裕度のホールド値に関する画面(VI)を除いた形式で画面が変遷される。
第8番目のカスタマイズ項目は時間幅の表示STG3-3-8に関するものであり、図31に示すように、時間幅を意味する「timE」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードでの第7画面(VII)において、第1時間幅及び第2時間幅が表示され、「oFF」を設定すると、運用モードでは図4の時間幅に関する画面(VII)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の時間幅に関する画面(VII)を除いた形式で画面が変遷される。
第9番目のカスタマイズ項目は運用モードの表示STG3-3-9に関するものであり、図32に示すように、動作モードを意味する「Pow」の文字が第1表示部17に表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18に「oFF」と「on」のメニューを表示させることができる。Mキースイッチ20を短押しすることにより「on」を設定すると、運用モードでの第8画面(VIII)において、動作モードに関する表示を行うことができ、「oFF」を設定すると、運用モードでは図4の動作モードに関する画面(VIII)の表示が省かれる。したがって、運用モードでは、図4の動作モードに関する画面(VIII)を除いた形式で画面が変遷される。
第3ステージの最後の画面はステージ選択画面STG3-4である(図7)。この第3ステージの最後に表示されるステージ選択画面STG3-4では、第1表示部17にステージ選択画面STG2-5又はエスケープを意味する「End」又は「StG」などの文字が表示され、第2表示部18に「StG4」が表示される(図33)。Mキースイッチ20を短押しすることで、次の最終ステージ4に移行することができる。また、Mキースイッチ20を長押しすることで設定モードを終了して運用モードに戻すことができる。変形例として、第3ステージと最終の第4ステージとの間のステージ選択画面STG3-4を省いてもよい
第4ステージ:
最終の第4ステージはシステム設定に関するものであり、項目として、図8に例示するように、パワーセーブ設定画面STG4-1、キーロックレベル設定画面STG4-2、保存設定画面STG4-3、干渉防止台数設定画面STG4-4を含む。
パワーセーブ設定画面STG4-1は、図34に例示するように、パワーセーブを意味する「Eco」の文字が第1表示部17に表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21を操作することにより、「oFF」、「on」、「ALL」の3つのメニューが表示される。ユーザがMキースイッチ20を短押しして「oFF」を設定すると、光電センサ100の運用モードでの表示は通常の表示態様で動作する。また、「on」を設定すると運用モードでの数値などが単に例えば赤又は緑の小さなランプ状の表示態様になり、この省エネルギ表示態様では、何らかのキーを押すと、所定時間、通常の表示つまり数値又は文字に戻る。また、「ALL」を設定すると、運用モードでは、数値などが完全に消灯した状態となり、何らかのキーを押すと、所定時間、通常の表示態様に戻る。
ユーザが、パワーセーブ設定画面STG4-1を使ってMキースイッチ20を短押しすることにより「oFF」、「on」、「ALL」の何れかを設定すると、次のキーロックレベル設定画面STG4-2に切り替わる。キーロックレベル設定画面STG4-2は、図35に例示するように、キーロックレベルを意味する「Loc」の文字が第1表示部17に表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21を操作することにより、「LEv1」、「LEv2」、「LEv3」の3つのメニューが表示される。「LEv1」はレベル1を意味し、「LEv2」はレベル2を意味し、「LEv3」はレベル3を意味する。ユーザは、3つのメニューから任意のキーロックレベルをMキースイッチ20を短押しすることにより態様の異なるキーロックを設定することができる。これにより、運用モードで、所定のキー操作、例えばMキースイッチ20と上下スイッチ21とを一緒に長押しするとロック状態となり、同様に、ロック解除することができる。ここに、キーロックレベル1〜3は次のとおりである。
キーロックレベル1:(1)Mキースイッチ20を短押しすることで運用モードでの表示切替は可能である。(2)この表示切替え可能な画面は、設定モードの第3ステージの表示カスタマイズ設定STG3-3で「ON」に設定した画面が対象となり、「OFF」に設定された画面は対象外となる。(3)受光量及び余裕度を2つの表示部17、18の合計8つの7セグメントを使って表示する拡張表示(数値であれば8桁表示)がON設定されているときには、運用モードで拡張表示しているときに上下スイッチ21を押すことで第1、第2表示部17、18を一体的に使用して8桁でしきい値が表示される。(4)セットキースイッチ23を使ったしきい値の自動調整(しきい値の自動再調整)や上下スイッチ21を使ってしきい値の手動再設定はできない。セットキースイッチ23や上下スイッチ21を操作すると、第1又は第2表示部17又は18に「Loc」の文字が表示され、ロック状態であることを示すようにするのが好ましい。
キーロックレベル2:上記(1)〜(3)はレベル1と同じである。(5)セットキースイッチ23を使ったしきい値の自動調整(しきい値の自動再調整)は可能である。(6)上下スイッチ21を操作してしきい値の微調整(手動再設定)は可能である。なお、このレベル2では、Mキースイッチ20を長押ししても設定モードに移行することはできない。すなわち、レベル2は、上記レベル1と同様に、運用モードだけの使用態様になる。
キーロックレベル3:上記(1)〜(3)及び(5)、(6)に加えて、(7)Mキースイッチ20を短押しすることで設定モードに切り替えて設定事項を確認することができるが、設定モードで各種の設定を変更することはできない。
図35のキーロックレベル設定画面STG4-2を使って設定したレベル1〜3は、運用モードでMキースイッチ20と上下スイッチ21のダウン側とを一緒に押すことでキーロックのロック解除又はロックを切り替えることができる。キーロックを解除することで上記のレベル1〜3のキーロック設定は解除された状態になる。
上記キーロックレベル設定画面STG4-2を使ってMキースイッチ20を短押しすることにより所望のキーロックレベルを設定すると第4ステージの第3番目の設定画面STG4-3である保存設定画面(図36)に切り替わる。保存設定画面STG4-3は、DSC機能を選択している場合に有効な機能に関するものであり、第1表示部17に保存を意味する「SAvE」の文字が表示され、第2表示部18には「Auto」、「100」、「500」、「1000」、「2000」のメニューが上下スイッチ21を操作することにより表示される。ユーザはMキースイッチ20を短押しすることで所望の保存態様を設定することができる。ここに、「Auto」を選択したときには、状態に応じて自動で保存する設定となり、「100」を選択したときには、ON/OFF100回毎に保存する設定となり、「500」を選択したときには、ON/OFF500回毎に保存する設定となり、「1000」を選択したときには、ON/OFF1000回毎に保存する設定となり、「2000」を選択したときには、ON/OFF2000回毎に保存する設定となる。
第4ステージの第4番目の設定画面STG4-4は干渉防止台数に関するものであり、図37に例示するように、第1表示部17には、干渉を意味する「intr」の文字が表示され、第2表示部18には、上下スイッチ21を操作することにより、「Std」と「dobL」のメニューが表示される。ユーザがMキースイッチ20を短押しして「Std」を設定したときには標準状態に設定され、「dobL」を設定したときには干渉防止台数が標準の2倍に設定される。Mキースイッチ20を短押しすることにより干渉防止台数に関する設定が完了すると運用モードに戻る。
好ましい実施例では、複数のステージに分けた設定項目の表示の他に、ユーザが所望の設定項目を抽出してカスタマイズした表示態様を含むのがよい。便宜上、このカスタマイズした設定項目のの限定的な表示態様を「カスタムイージーメニュー」と呼ぶと、このカスタムイージーメニューは、図38に示すように、運用モードから移行する段階でユーザに選択させるのがよい。運用モードでMキースイッチ20を長押しすると、先ず、選択画面が表示され、この選択画面で、図6などで説明した設定モードの表示態様(通常メニュー表示)又はカスタムイージーメニュー表示とを選択し、通常メニュー表示を選択したときには、図6などを参照して説明した設定モードの表示態様となる。他方、カスタムイージーメニュー表示を選択したときには、ユーザが予め登録した設定項目だけを表示する表示態様となる。
すなわち、例えば、図6〜図8の通常メニュー表示(フル表示)では、設定項目が(1)「動作モード」、(2)「ティーチング」、・・・(12)「設定保存」、(13)「干渉防止台数」まで大別して13の設定項目を含み、これらを順次表示するようになっているが、限定表示であるカスタムイージーメニュー表示態様では、例えば、ユーザが(1)「動作モード」、(2)「ティーチング」など4つの設定項目を登録したときには、この4つの設定項目だけが順次表示される。カスタムイージーメニューで表示する設定項目の登録方法としては、例えば、通常メニュー表示態様で表示している最中に、所望の設定項目が表示されているときにセットキースイッチ23を押すことでカスタムイージーメニューに追加登録できるようにするのが操作の上で都合がよい。逆に、カスタムイージーメニューの表示項目から登録を削除するには、カスタムイージーメニュー表示態様で表示している最中に、削除すべき設定項目が表示されているときにセットキースイッチ23を押しながら上下スイッチ21の例えばアップ側を押すことで、当該設定項目がカスタムイージーメニューの登録から削除できるようにするのが都合がよい。
このように、設定項目を表示する設定モードの表示態様として、ユーザが選択した設定項目だけを表示するカスタムイージーメニューを追加し、運用モードから移行する第1段階で、カスタムイージーメニュー表示態様又は通常のメニュー表示態様をユーザに選択させることで、多機能化した光電センサの複雑な設定作業を簡便化することができる
好ましい実施例として、また、運用モードからキー操作により特定の設定項目の設定モードに直接的に移行することのできる機能を付加するのがよい。この機能を「ダイレクトアクセスメニュー」と呼ぶと、ダイレクトアクセスメニューは、例えば、図4の運用モードの(IV)「スケーリング」画面〜(VIII)「動作モード」画面の何れかの画面を表示している最中に、上下スイッチ21のダウン側を長押しすることにより、当該画面に表示されている情報に関連した設定モードに直接的に入ることができる。このようなダイレクトアクセスメニューを用意することにより、運用モードで表示中に、必要に応じて、当該表示中の情報に関する設定を直接的に変更することができるため都合が良く、また、設定変更に必要が操作を簡便化することができる。したがって、前述した動作モードセレクタスイッチ22の第2接点に割り付ける動作モードを変更したいときには、運用モードの表示中に、第8画面の動作モード表示画面(図4)を呼び出し、上下スイッチ21のダウン側を長押しすることで、動作モード設定画面(図9)を表示させて所望の動作モードに変更することができるため、動作モードセレクタスイッチ22の第2接点に割り付ける動作モードの変更するのに必要とされる操作が簡便になる。
図39に示すように、運用モードの第5画面「第1ホールド値」×「第2ホールド値」を表示しているときに、上下スイッチ21のダウン側を3秒以上長押しすると、ホールド機能に関する設定モードに入り、この設定モードで所望のホールド機能を設定し終わったらMキースイッチ20を短押しすることで運用モードの表示に戻ることができる。図42は、ホールド機能に関する設定モードでの画面の変遷を示す。第1表示部17には、ホールドを意味する「HLd」の文字が表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18は、「Std」、「P-P_ 」、「b-b_ 」、「P_b-」、「P-b_ 」の5種類のメニューが順次表示される。「Std」は標準の意味であり、この「Std」では、前述した所定時間の「ON→OFFエッジからON→OFFエッジ」まで及び「OFF→ONエッジからON→OFFエッジ」までの最大値、最小値をホールドして、これを第1、第2ホールド値として表示する。「P-P_ 」は、「Std」と同じ内容でホールドした「最大値」を蓄積して、この中で最も大きい数値と最も小さい数値を第1、第2ホールド値として表示する。「b-b_ 」は、「Std」と同じ内容でホールドした「最小値」を蓄積して、この中で最も大きい数値と最も小さい数値を第1、第2ホールド値として表示する。「P_b-」は、「Std」と同じ内容でホールドした「最大値」の中の最小値と、「Std」と同じ内容でホールドした「最小値」の中の最大値を第1、第2ホールド値として表示する。「P-b_ 」は、ON/OFFに関係しないで、過去の最大値、最小値を第1、第2ホールド値として表示する。
なお、上記の5つのホールド機能のうち、「Std」以外は、ホールド値が初期化されないで、常に最大又は最小が更新されていくため、任意の時点からのホールド値を表示させたいという要望に答えるために、リセット機能を追加するのが好ましい。例えば、運用モードでホールド表示を行っている最中に、所定のキー操作や外部入力により、これまでのホールド値をリセットできるようにするのが好ましい。
図41に示すように、運用モードの第7画面「第1時間幅」×「第2時間幅」を表示しているときに、上下スイッチ21のダウン側を3秒以上長押しすると、時間幅表示に関する設定モードに入り、この設定モードで所望の時間幅表示を設定し終わったらMキースイッチ20を短押しすることで運用モードの表示に戻ることができる。図42は、時間幅表示に関する設定モードでの画面の変遷を示す。第1表示部17には、時間を意味する「TimE」の文字が表示され、上下スイッチ21を操作することにより第2表示部18は、「Std」、「onP」、「oFP」、「CyP」の4種類のメニューが順次表示される。「Std」は標準の意味であり、この「Std」では、第1表示部17にON時間幅が表示され、第2表示部18にOFF時間幅が表示される。「onP」では、ON時間幅の最大値、最小値が第1、第2表示部17、18にホールドして表示される。「oFP」では、OFF時間幅の最大値、最小値が第1、第2表示部17、18にホールドして表示される。「CyP」では、ON/OFF1サイクルの時間幅の最大値、最小値が第1、第2表示部17、18にホールドして表示される。「Std」以外の時間幅表示に関し、第1、第2表示部17、18に表示されている時間幅をリセットしたいという要望に応じるには、運用モードで時間幅表示を行っている最中に、所定のキー操作や外部入力により、これまでのホールド値をリセットできるようにするのが好ましい。
以上、光ファイバ14、15を備えた反射型の光電センサ100を例示して本発明を説明したが、本発明は、特にこの形式の光電センサに限定されるものではない。例えば、図43〜図46の形式の光電センサにも適用可能である。この図43〜図46に図示の光電センサにおいて、前述した光電センサ100に含まれる要素と同様の要素には同じ参照符号を付してある。
図43に図示の光電センサ200は、ケーシング11の一端面に発光素子12と受光素子13(図44)を設け(図43には、作図の関係上、図面に現れていない)、この発光素子12から発せられた光を検出物Tに当て、反射した光を受光素子13で直接的に受ける形式の光電センサ200を示すものである。この光電センサ200は、発光素子12として半導体レーザ発光素子が採用されている。
この光電センサ200のケーシング11の上面11aには、第1表示部17と第2表示部18とが上下に隣接して配置されている。また、このケーシング11の上面11aには、バーLED表示部40と、発光インジケータ41と、第1、第2の2つのホールドモードインジケータ42、43とが設けられている。また、第1実施例に含まれる上述のスイング式しきい値調整スイッチ21は、アップキースイッチ44とダウンキースイッチ45との2つの独立したキースイッチで構成されている。
発光インジケータ41は、発光素子12から光が発せられているときに点灯され、発光素子12の発光が停止されているときに消灯される。第1のホールドモードインジケータ42は、受光素子13が受け取った受光量の最大値を保持する第1保持モードが選択されたときに点灯される。第2のホールドモードインジケータ43は、受光素子13が受け取った受光量の最小値を保持する第2保持モードが選択されたときに点灯される。
図44は、図43のレーザ式光電センサ200のブロック図である。この第2実施例の光電センサ200は、電源回路46及び可変電源回路47を備えている。
図45は、他の光電センサ300を示す。この光電センサ300は、発光素子と受光素子を備えたヘッドユニット51と、アンプやCPUなどを内蔵した本体ユニット52とを含み、これらはケーブル53によって接続されている。この反射型且つ別体型の光電センサ300にあっては、本体ユニット52に上述した第1、第2の表示部17、18や操作部36が設けられている。
図46は、図45の光電センサの変形例であり、ヘッドユニット51にも第1、第2の表示部17、18を設けた例を示すものであるが、ヘッドユニット51にも、任意であるが、操作部36を付加的に設けてもよい。
上記の実施例によれば、受光量に違いがある各種の動作モードのうち、ユーザが選択した動作モードを動作モードセレクタスイッチ22の接点に割り付けることができるため、比較的使用頻度の高い動作モードへの切り替えを容易に行うことができる。したがって、ユーザに過度の負担を強いることなく光電センサを多機能化することができる。
上記実施例では、複数の選択肢を備えた動作モードに関する機能についてマニュアル式の2接点スイッチの各接点の少なくとも一方の接点にユーザが選択した動作モードを割り付けるようにしたが、3以上の接点を備えたスイッチ、例えばプッシュプッシュ式のスイッチやロータリスイッチなどの全ての接点又はその一部の接点に対する動作モードの割り付けをユーザの選択に委ねるようにしてもよい。
また、光電センサに含まれる機能のうち、例えば、図34を参照して説明したパワーセーブ機能や、図40を参照して説明したホールド機能のように数多くの選択肢を有する特定の機能に関して、上述した動作モードセレクタスイッチ22のようにマニュアル操作可能なスイッチの接点にユーザの選択的な行為によって割り付けることができるようにしてもよい。このように特定の機能が複数の選択肢を有する場合には、この選択肢の数よりも少ない接点数のマニュアルスイッチの全ての接点又はその一部の接点にユーザの使用頻度の比較的高い選択肢を割り付けることにより、特定機能の選択肢間での切り替え操作を容易することができる。このことを適用することでユーザの操作性を向上できると想定可能な特定の機能としては、上述した動作モード、パワーセーブ機能、ホールド機能の他に、検出モードや外部入力などを例示することができる。
以上、本発明を反射型光電センサを例に説明したが、発光部と受光部とが分離され、検出物を通過した光を発光部で受光する透過型の光電センサに対しても適用可能であることは言うまでもない。この透過型光電センサにあっても、受光部ユニット及び発光部ユニットのいずれか一方に第1、第2の表示部17、18又は一つの表示部60を設けてもよく、受光部ユニット及び発光部ユニットの両者に、第1、第2の表示部17、18又は一つの表示部60を設けてもよい。また、各種スイッチからなる操作部36は、受光部ユニット及び/又は発光部ユニットに設ければよい。