JP2006236081A - 非接触icタグと非接触icタグの装着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の非接触ICタグ1は、基材11面にアンテナパターン2を形成してICチップ3を装着し、それらを被覆する保護部材を有する非接触ICタグ1において、少なくともICチップ3部分を貫通する抜き穴103を有し、ICチップ3を包囲する大きさの薄層の構造体10を、ICチップ3が当該抜き穴の中心に位置するように、基材11と保護部材の間に挿入したことを特徴とする。なお、非接触ICタグ1は、基材のアンテナパターン2とは反対側の面に粘着剤層を有していてもよい。
本発明の非接触ICタグの装着方法は、従来型の非接触ICタグを被着体に装着する際に、ICチップ部の抜き穴を有する薄層の構造体を、当該被着体に接着してから非接触ICタグを貼着することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明の非接触ICタグは、非接触ICタグラベルや荷物、ケース等に取り付けする荷札、伝票等に用いられる。したがって、本発明の主要な利用分野は、運送や流通、在庫管理、工場工程管理等の分野となる。
しかし、非接触型ICタグを物流ラベルとして利用する場合、物流の際に外部から不可避的な応力が加えられる場合が多い。特にICチップ部分が衝撃を受けると致命的な損傷を受けてしまう。そこで、従来からICチップ部分を保護する構造が考えられているが、複雑な構造となり安価に非接触ICタグを製造できなくなるという問題を生じている。
特に、従来は表面状態がフラット(平面)な非接触ICタグ構造が求められており、その実現のため製造負荷が大きくなる問題が顕著である。
その他の原因として、硬質の被着体に貼着されたICタグが硬質の他の物体に衝突する場合にも、突出しているICチップ部分が最も衝撃を受け易い問題がある。
ICチップに不具合を生じる原因は、これらの原因のみではないが、厚みのあるICチップ3が金属等の堅い構造材料に接触または衝突した際に破損しやすいのは事実と考えられる。
特許文献3は、ICタグラベルの製造方法に関するが、フラット(平面)なICタグラベルの実現を課題としている。
本発明の非接触ICタグの装着方法は、ICチップの破損防止を考慮した装着方法を採用しているので、従来型の非接触ICタグを使用してもICタグの不具合を生じることが少ない。
図1は、本発明の非接触ICタグの例を示す概略平面図、図2は、同断面図、図3は、非接触ICタグに使用する構造体の各種例を説明する図、図4は、本発明の非接触ICタグの装着方法を説明する図、である。
当該構造体10によりICチップ3が他のICタグのICチップ3と接触した際、または他の硬質の物体に衝突した際の衝撃または応力を緩和するものである。構造体10自体も後に詳述するが、矩形状に限らず円形であってもその他の形状であってもよい。
ICタグはラベル体に限らず、基材と上記保護部材に代替する表示体を本来的に接着したカード状のものもある。このものは貼着して使用するものではないので粘着剤層を持たない。このようなものはラミカードとも呼ばれるが、本発明はいずれの形態のICタグにも実用できるものである。
構造体10の厚みは、ICチップ3と同等の厚みが有れば完全であるが、平滑性はやや低下する。ICチップ3と同等の厚みでなくてもICチップ3の1/10から1/2程度の厚みを有する場合にも十分な効果が得られる。したがって、ICチップの厚みが500μmであれば、50μmから250μm、好ましくは100μmから250μm程度の厚みを有すれば顕著なチップ破壊防止効果を奏することができる。構造体10がICチップと同等の厚みを持たない場合でも、他のICタグとの間には保護部材4や基材11が間に入ることになるので、ICチップ相互間が直接衝突するような衝撃を緩和できるからである。ただし、現状のICチップ3の厚みでは、50μm未満の構造体10の厚みでは顕著なICチップ破損防止効果は得られない。
図3(A)は、平面矩形状の構造体10であって円形の抜き穴103が形成されている例である。断面は中央列のように均一厚みの薄層であってもよいが、右列のように被着体側を平面とし、上面周囲をより薄肉化した形状であってもよい。後者の場合は構造体10の周囲を平坦にできるので外観性の向上を図れる。
図3(B)は、平面円形状の構造体10であって円形の抜き穴103が形成されている例である。断面形状は、図3(A)の場合と同様になる。
図3(C)は、平面矩形状の構造体10であって鍵穴状の抜き穴103が形成されている例である。この抜き穴形状は、中心のICチップ3から外方向に向かう開口部分に配線を配置する場合に好都合と考えられる。断面形状は、図3(A)の場合と同様になる。
図3(E)は、2片に分離した形状の構造体10の中央分離溝の抜き穴103の外側部分がより薄肉の連結部材105で結合した形状のものである。このような構造体10は、アンテナコイルを中央部分にして跨いでICチップ3を装着する場合であって、中央分離溝部分にアンテナコイルを通過させる目的に好適である。当該形状は紙基材では実現が困難であるがプラスチック成型体や積層フィルム等では容易に形成できる。
なお、使用上は取り扱い難いが、連結部材105を備えないで、単に2片に分離した構造体をICチップ3の両辺に並列して配置する場合であってもよい。
構造体10の材質には、以下に挙げる紙基材やプラスチックフィルムの単体または複合体、あるいはプラスチック成型体や金属材料等、各種の材質を使用することができる。金属材料の場合は、アンテナに接する面を絶縁処理する必要がある。
上質紙やコート紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙やラテックスまたはメラミン樹脂含浸紙を使用できる。
(2)プラスチックフィルムは幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの復号フィルムを、打ち抜き等して使用できる。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。
上記したプラスチック材料の射出成型品や圧縮成型品等を使用できる。
(4)金属材料
ステンレスやアルミニウム、銅、真鍮、鉄等の金属材料をプレス成型し絶縁処理して使用することができる。この場合はワッシャーと同様の形態となるが、ICタグの使用環境が劣悪で激しい衝撃を受けるような状態でも耐久性を備えさせることができる。
図4は、本発明の非接触ICタグの装着方法を説明する図である。
この非接触ICタグの装着方法では、まず、図4(A)のように、ICタグ1Lを被着する被着体8のICタグ1Lを装着する部分に、接着剤付きの構造体10を貼着する。
構造体10は上記した非接触ICタグに用いるもののいずれかと同一の構成のものであればよい。次いで、粘着剤付きのICタグ1LをICチップ3が構造体10の抜き穴103の中心に位置するようにして貼着する(図4(B))。ICタグ1Lの装着後は、ICチップ3が構造体10の抜き穴103の中に納まるので、上部から硬質の物体で押圧されてもICチップ3が破損することが少なくなる。
本発明の非接触ICタグの装着方法は、以上のような簡単な方法ではあるが、その後のICタグの使用工程において、ICチップの破損を招くことを少なくする顕著な効果を発揮するものである。
ICタグの基材(ベースフィルム)として、厚み38μmの透明2軸延伸ポリエステルフィルムに25μm厚のアルミニュウム箔をドライラミネートした基材を使用し、これに感光性レジストを塗布した後、アンテナパターンを有するフォトマスクを露光して感光させた。露光現像後、フォトエッチングして図5のようなアンテナパターン2を有するインレットベースフィルムが完成した。なお、アンテナパターン2は外形が、ほぼ45mm×76mmの大きさとなるようにした。
その他の工程、材料は実施例1と同一にして、剥離紙付き非接触ICタグラベルを完成した。
その他の工程、材料は実施例1と同一にして、剥離紙付き非接触ICタグラベルを完成した。
ICタグの基材(ベースフィルム)として、厚み38μmの透明2軸延伸ポリエステルフィルムに25μm厚のアルミニュウム箔をドライラミネートした基材を使用し、これを実施例1と同様の工程で、フォトエッチングして図5のようなアンテナパターン2を有するインレットベースフィルムが完成した。なお、アンテナパターンは外形が、ほぼ45mm×76mmの大きさとなるようにした。
また、上記実施例5で被着体8に装着した非接触ICタグは、従来型であってもICチップ3の破損に起因する不具合が生じることが減少することが認められた。
2 アンテナパターン
3 ICチップ
4 保護部材
5 粘着剤層
6 剥離紙
7 導通回路
8 被着体
10 構造体
11 基材
Claims (7)
- 基材面にアンテナパターンを形成してICチップを装着し、それらを被覆する保護部材を有し、基材のアンテナパターンとは反対側の面に粘着剤層を有する非接触ICタグにおいて、少なくともICチップ部分を貫通する抜き穴を有し、ICチップを包囲する大きさの薄層の構造体を、ICチップが当該抜き穴の中心に位置するように、基材と保護部材の間に挿入したことを特徴とする非接触ICタグ。
- 基材面にアンテナパターンを形成してICチップを装着し、それらを被覆する保護部材を有する非接触ICタグにおいて、少なくともICチップ部分を貫通する抜き穴を有し、ICチップを包囲する大きさの薄層の構造体を、ICチップが当該抜き穴の中心に位置するように、基材と保護部材の間に挿入したことを特徴とする非接触ICタグ。
- 薄層の構造体が50μmから250μm均一の厚みを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の非接触ICタグ。
- 薄層の構造体が抜き穴の周囲で50μmから250μmの均一な厚みを有し、装着した際の被着体側が平面で被着体とは反対側の面が構造体の周囲でより薄肉にされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非接触ICタグ。
- 基材面にアンテナパターンを形成してICチップを装着し、その全体を被覆する保護部材を有する非接触ICタグを被着体に装着する際に、少なくともICチップ部分を貫通する抜き穴を有し、ICチップを包囲する大きさの薄層の構造体を、当該被着体に接着した後に、非接触ICタグのICチップが当該抜き穴の中心に位置するように位置合わせしてから非接触ICタグを貼着することを特徴とする非接触ICタグの装着方法。
- 薄層の構造体が50μmから250μm均一の厚みを有することを特徴とする請求項5記載の非接触ICタグの装着方法。
- 薄層の構造体が抜き穴の周囲で50μmから250μmの均一な厚みを有し、装着した際の被着体側が平面で被着体とは反対側の面が構造体の周囲でより薄層にされていることを特徴とする請求項5記載の非接触ICタグの装着方法。
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