JP2006233593A - 低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法 - Google Patents

低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シングル配筋RC基礎に爾後的に開口を設け、この中に配管や配線を通すために空間を残したままとしても、貫通孔なし基礎と同等もしくはそれを越える曲げ耐力や剪断耐力を生じさせることができる補強を可能にする。
【解決手段】 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋6とその主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋7とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎1に貫通孔2を穿設する。水平に対して約45度に傾斜した付加補強筋4により貫通孔2の開口部周囲を取り巻き、その補強筋が露出しないようにポリマーセメントモルタル5を基礎立ち上がり面3に塗着する。施工が極めて簡単かつ短期に済ませられ、工事の低廉化が促進される。
【選択図】 図1

Description

本発明は低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法に係り、詳しくは、シングル配筋の既設RC基礎に貫通孔を爾後的に設けるにあたり、その周囲を簡便かつ容易に補強して、貫通孔が設けられていないRC基礎と同等もしくはそれ以上の剪断耐力を発現させることができるようにしたシングル配筋基礎の補強方法に関するものである。
建物の基礎を補強する鉄筋構造は、大きく分けるとダブル配筋とシングル配筋がある。前者の一例としては、図12に示すごとく、上下方向に間隔をおいて二垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる例えば各4本の主筋21,22と、その主筋を矩形で囲むようにつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶフープ筋23とによって形成される。後者は、図13のように、上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる3本の主筋25と、その主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋26とによって形成される。
このようなRC基礎24,27においては、主筋21,22,25が曲げに対抗し、ダブル配筋ではフープ筋23の縦部分、シングル配筋では縦筋26が剪断力に対抗するが、実質的に上下方向および長手方向に延びる筋が多いダブル配筋の方が、シングル配筋よりも曲げ耐力ならびに剪断耐力は大きい。その反面、前者は後者に比べて鉄筋の消費量が格段に多くなり、中層住宅や高層建物の梁や柱では不可欠であっても、木造の三階建てまでや軽量鉄骨の三階建てまでといった低層住宅における基礎としては過剰品質となることが往々にして起こる。
シングル配筋基礎27を採用しても曲げと剪断に所定の耐力が得られれば、工事費が増大するダブル配筋を採用しなくてもよいわけであるが、地震などにより曲げや剪断を繰り返し受けまたその荷重が大きいと、基礎は損壊する。すなわち、図14中の影の施された矢印28により基礎が降伏するまで荷重を加え、降伏後に白い矢印29により逆方向の荷重を与えると、剪断応力はほぼ45度に傾斜した面で最大となり、斜めのひび割れ30が発生する。
このようなひび割れはよほど酷い地震でないかぎり発生しはしないが、そのシングル配筋RC基礎27に貫通孔31を爾後的に設けた場合、その貫通孔の開口周囲に応力が集中しやすくなる。すなわち、築後に空調や給湯設備の導入・拡充のために配管用の貫通孔をRC基礎に設け、そのままにしておくと、中規模な地震による外力を受けても、また加振周期によって住宅自体が共鳴を起こすなどしたときも、結果としてRC基礎に掛かる負担は増大し、図14に示すように貫通孔31の周囲を起点にしたひび割れ32が頻発して基礎の耐力を大きく損なう。
ましてや、低層住宅とはいえ三階建てともなると、貫通孔の放置は建物の基礎として不安を残す。パッチワーク的に脆弱化した部分を補強するにしても、アンカーを打って基礎内の既設補強筋との一体化を図りこれをモルタルで被覆したところで、剪断耐力の回復はさしたるものが得られない。補強効果が出ないわけではないが作業量の割りには効果が薄く、結局は補強面を拡げたり増し打ち層を厚くするなどしなければならなくなる。
RC基礎ではないが、建物の開口部を補強する技術が例えば特開2004−36347に記載されている。また、特開2001−32532には、構造物の側面にひび割れ抑止部材を張りつけてポリマーセメントモルタルによって被覆することも開示され、爾後的に補強して耐力の回復を図る提案がなされている。
また、特開2003−20755には、鉄筋コンクリート有孔梁の補強金具が開示されている。一筆書き的に折り曲げられた鉄筋を枠状にして爾後的に孔をあけるであろう部位に予め設置すべくダブル配筋に組み込み、これらを覆うようにコンクリートを打設し、鉄筋枠状体とコンクリートを一体にしてRC基礎を形成するようにしている。
鉄筋枠状体の中心にカッタを位置させ鉄筋枠状体内を孔状にくり抜けば、孔の周囲は自ずと補強されていることになる。枠状体を多角形に折り曲げているから、いずれかの辺が水平に対して45度をなすように配置することもでき、孔周囲において最大となる剪断応力に基づくひび割れの発生を抑えておくことができる。
貫通孔を設ける位置が基礎形成時に分かっている場合には、予めその部位を補強しておくことができるが、築後に孔をあけたい場合には、手間を要する。すなわち、枠状体の厚みより少し深い凹みが生じるようにコンクリートを剥がし、その凹みに枠状体を納めた後例えばポリマーセメントモルタルで凹みを埋める。固化した時期を見計らって貫通孔を枠状体の中に形成すれば、枠状体で補強された貫通孔を得ることができる。
このような作業ができるのは基礎の外面においてであり、内面でのコンクリートの表層剥がしとモルタル打設は基礎によって画成された狭い家屋下の空間での作業となり、簡単なことでない。この一連の施工は時間と手間を要して、補強工事の高騰をきたす。ちなみに、中高層ビルなどにおいて梁の側面に鉄筋を爾後的に配置してコンクリートモルタルを増し打ちすれば、その梁の耐力向上が図られることは既に知られている。
ところが、低層住宅用シングル配筋基礎に対して、この種の対策が採られた例はほとんどない。それは、シングル配筋のRC基礎に増し打ちするという思想自体が、建築業界に存在しないからである。なぜなら、一戸建て住宅を次から次へと補修していくことは工事の小規模さに加えて、膨大な件数をこなさなければ仕事として成立しないことによる。
特開2004−36347 特開2001−32532 特開2003−20755
本発明は上記した問題に鑑みなされたもので、シングル配筋RC基礎に爾後的に開口を設け、この中に配管や配線を通すために空間を残したままとしても、貫通孔なし基礎と同等もしくはそれを越える曲げ耐力や剪断耐力を生じさせることができること、施工が極めて簡単かつ短期に済ませられ、工事の低廉化を促すことができる低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法を提供することである。
本発明は、図1に示すように、上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋6とその主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋7とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎1に貫通孔2を穿設し、水平に対して約45度に傾斜した付加補強筋4により貫通孔2の開口部の少なくとも一方の周囲を取り巻き、その補強筋が露出しないようにポリマーセメントモルタル5を基礎立ち上がり面3に塗着するようにしたことである。
図4のように、貫通孔2を穿設した後、その孔径と略同等の外径を持ったスリーブ9を挿入し、貫通孔2の開口部から出ているスリーブの周囲を取り巻くように付加補強筋4を配置するようにしてもよい。
図5に示すように、貫通孔2の開口部の少なくとも一方の周囲の立ち上がり面3に熱硬化性樹脂11を塗布し、その塗布面に貫通孔2の開口部を除いて強化繊維シート10を付着させて補強することもできる。この場合も、図6のように、スリーブを挿入し、貫通孔2の開口部から出ているスリーブの周囲の立ち上がり面3に樹脂を塗布する。図7のごとく、強化繊維シート10の繊維を水平に対して約45度傾斜するように配置することも差し支えない。
図8に示すように、FRP製格子12で貫通孔2の開口部の少なくとも一方の周囲を取り巻き、格子が露出しないようにポリマーセメントモルタル5を基礎立ち上がり面3に塗着して補強する。この場合、スリーブを挿入してその周囲を取り巻くようにFRP製格子12を配置することもできる。図9のように、約45度傾斜するように配置するようにしてもよい。
図10に示すように、シングル配筋既設RC基礎の立ち上がり面の少なくとも一方に熱硬化性樹脂11を塗布し、その塗布面に強化繊維シート10を付着させ、その養生後に強化繊維シートで補強された部位の立ち上がり面3に貫通孔2を穿設する。図11に示すように、FRP製格子12をポリマーセメントモルタル5で付着させてもよい。
本発明は、低層住宅用シングル配筋既設RC基礎に設けられた貫通孔の開口周囲を、水平に対して約45度に傾斜した付加補強筋で取り巻き、その補強筋が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着するようにしたので、貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づいたひび割れの発生を抑制することができる。これによって、オール電化設備等の導入を目的とした内外装工事に孔周り補強操作を、その一環として簡単に組み入れることができる。
鉄筋がひび割れの進行を阻止することは言うまでもないが、ポリマーセメントモルタルの付着力は通常セメントに比して格段に大きいことが知られており、付加補強筋を傾斜した姿勢に保ちながら基礎立ち上がり面にあてがいモルタルの付着力で固定することができる。塗着操作もこて塗りといった手作業での塗着でよく、塗りむらを監視しつつ簡素な作業工程によって補強することができる。付加補強筋はRC基礎内の既設補強筋と繋がりを持たせる必要はなく、ポリマーセメントの付着力に頼るだけで付加補強筋によるRC基礎の補強効果を発揮させることができる。
この作業は、基礎の配筋がシングルであれダブルであれ適用することができるのものであるが、ダブル配筋に比べて耐力の低いシングル配筋を対象とすれば、その補強効果は倍加する。工期が短いうえに施工上の手間の負担軽減がなされ、これらに基因するコストの低減はもちろんのこと、熟練者でなくても補強品質を高く維持した工事をすることができる。
付加補強筋の量は、周囲の状況すなわち近隣に他の孔があるかどうかを勘案して決めることができるので、補強に過不足が出るのを避けやすくなる。また、基礎内に存する既設の配筋との結合性を図る必要もないから、作業量の大幅な低減が図られる。ちなみに、基礎の内面すなわち建物の直下で施工するにしても、埋め込み式に比べれば作業負担は極めて少なくて済む。このように基礎を両面から補強すれば、その耐力は全体的に均質に向上することになり、補強の確実性が高まる。
貫通孔を穿設した後に、貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ている部分の周囲を取り巻くように付加補強筋を配置すれば、孔開口縁にポリマーセメントモルタルが付着したり孔径を狭めることはなくなる。孔の周囲にポリマーセメントモルタルの下地層を形成し、これに付加補強筋を付着させてからポリマーセメントモルタルを上塗りするような場合には、付加補強筋の背後にセメントを介在させることにより付加補強筋の担持効果が向上する。スリーブを使用すれば、付加補強筋で押さえられて迫り出したモルタルの所望外の部位への垂れを回避しておくことができる。
シングル配筋既設RC基礎に貫通孔を穿設し、強化繊維シートで貫通孔の開口部周囲の立ち上がり面に熱硬化性樹脂を塗布し、その樹脂塗布面に貫通孔の開口部を除いて強化繊維シートを付着させるようにしておけば、極めて簡単な操作によって孔周囲の補強がなされる。強化繊維シートは例えば一方向炭素繊維であっても、塗布樹脂に密着させることにより繊維の目間で硬化した樹脂はCFRP状態となるから、面当て補強が達成される。面剛性が高くなればひび割れが生じようとしてもそれを拘束するように機能する。これも、空調設備の拡充等の内外装工事に伴わせたり、含ませるかたちで施工が可能となる。
貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブ周囲の立ち上がり面に樹脂を塗布するようにすれば、接着用の樹脂が付着したり孔に進入することはなくなる。ましてや孔周囲の基礎立ち上がり面に熱硬化性樹脂を塗布して下地を形成することになるので、強化繊維シートに樹脂を含浸させる作業中のトラブルを少なくすることができる。
前記強化繊維シートの繊維方向を水平に対して約45度傾斜して配置すれば、貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づいたひび割れの発生を抑制しやすくなる。強化繊維シートは鋏等によって工事現場で簡単に裁断でき、重ね張りすることも問題はないから、積層枚数や繊維方向を層ごとに変えることも適宜行い得る。それゆえ、補強作業には幾つもの自由度が与えられ、しかも基礎の局部的な拡幅もさして目立たない程度に留めることができる。
シングル配筋RC基礎に穿設された貫通孔の開口部周囲をFRP製格子で取り巻き、その格子が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着すれば、格子の中にポリマーセメントモルタルが進入してFRP製格子とモルタルとの一体化が図られると共に、RC基礎に対するFRP製格子の付着性も向上する。FRP製格子は数ミリメートルの厚さであるから、ポリマーセメントモルタルによる被覆層は例えば20ミリメートルもあればよく、高価なポリマーセメントの消費量を抑制することができる。
スリーブを貫通孔に挿入し、その周囲を取り巻くようにFRP製格子を配置することもできる。孔開口縁に吹きつけられたポリマーセメントモルタルが付着したり孔径を狭めるようなこともなくなる。孔の周囲にモルタルの下地層を形成し、これにFRP製格子を付着させてからポリマーセメントモルタルを上塗りすれば、FRP製格子によって補強された剛性の高いセメント板により、RC基礎の強化が図られる。その際、スリーブを使用しておけば、FRP製格子で押さえられて迫り出たモルタルの所望外部位への垂れ落ちを防止しやすくなる。
前記FRP製格子は経部と緯部がともに水平に対して約45度傾斜するように配置されるなら、貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づいたひび割れの発生はより一層抑えられる。FRP製格子は厚くなると鋏等によって工事現場で簡単に切断できるというものではないが、薄いFRP製格子を使用する限りは現場での臨機応変な対処は可能となる。
シングル配筋既設RC基礎の立ち上がり面に熱硬化性樹脂を塗布し、その樹脂塗布面に強化繊維シートを付着させ、その養生後に強化繊維シートで補強された部位の立ち上がり面に貫通孔を穿設するようにすれば、くり抜かれた孔の周囲はすでに補強済み状態になっているわけであるから、補強作業の単純化が図られる。すなわち、貫通孔の所望位置が定まった時点で養生期間を見越してRC基礎の該当部に樹脂塗着と強化繊維シートの貼着作業をしておき、穿孔作業は配管工事に組み込むことにしておけば、配管工事段階における待機時間は必要でなくなり、設備導入等の工事の円滑な進行が実現される。強化繊維シートと熱硬化性樹脂に代えてFRP製格子およびポリマーセメントモルタルとしてもほぼ同じように当てはまる。
以下に、本発明に係る低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法を、その実施の態様を表した幾つかの図面をもとにして、詳細に説明する。図1は主筋6と縦筋7によって補強された低層住宅用のシングル配筋既設RC基礎1に適用した場合を示し、シングル配筋RC基礎に爾後的に開口を設けても、開口なし基礎と同等もしくはそれを越える曲げ耐力や剪断耐力を発現させると共に、施工の簡便化や工期短縮化を促すことができるようにしたものである。
図1において、シングル配筋既設RC基礎1には、空調設備の導入や拡充を目的とした配管工事等のため、屋内と屋外をつなぐ意味での例えば125ミリメートル直径の貫通孔2が基礎立ち上がり面3を水平に貫くようにして、ダイヤモッドカッタなどの工具を用いて基礎幅一杯の例えば150ミリメートルくり抜かれる。後は、穿孔後の粉塵や元来付着していたごみや土等を除去して簡単な水洗いをしておく。
簡単な下地処理がなされた立ち上がり面3には、水平に対して約45度に傾斜した付加補強筋4が貫通孔2の開口部周囲を取り巻くように配置される。この例の場合、付加補強筋は何本かの中折れ鉄筋バー4A,4B,4C,4Dからなり、それぞれが独立して立ち上がり面3に配置され、最終的には使用本全部で貫通孔2の開口を取り囲む。
各中折れ鉄筋バーはポリマーセメントモルタルの付着力を利用して立ち上がり面3に仮付けされる。その中折れ鉄筋バーは単なる斜め棒であってもよいが、図に示したように折れ角45度の全長800ミリメートル程度のZ形とし、水平となるその両端部分4aを利用して仮止めすれば、後続の中折れ鉄筋バー4B,4C,4Dを仮付けしていくうえで邪魔になることも少なくなる。
全ての中折れ鉄筋バーの配置がなされ、若干の手直しするなどした後、その付加補強筋4の全体が露出しないようにポリマーセメントモルタル5が、基礎立ち上がり面3にこて塗りされる。中折れ鉄筋バーが10ミリメートル径であるとすれば、モルタルの被り量は例えば40ミリメートルとされる。なお、モルタルを吹きつけるようにしてもよいが、孔径が125ミリメートルであると大凡400×800ミリメートル角のエリヤを打設すれば十分であるから、手塗りの方が却って正確で速いと言える。
ところで、RC基礎1には、上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋6と、その主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋7とによって組み上げられた既設補強筋8が入っている。しかし、付加補強筋4はそれと接続されることはないから、ポリマーセメントモルタル5を介してRC基礎1と一体化されるにすぎない。RC基礎には縦筋7なる剪断補強筋があるものの、後述するように、付加補強筋4の一体化によるシングル配筋RC基礎1の剪断耐力は目ざましく向上する。
本発明は、梁等で公知である鉄筋付加増し打ちによる強化と同じ要領ではシングル配筋基礎を強化することはできず、如何なる配慮を施すべきかを鋭意研究した結果完成したもので、またその補強による耐力回復は孔なしシングル配筋基礎を上回ることを見い出したことにより、技術的向上を図ったものである。これによって、シングル配筋RC基礎1を低層とは言っても三階建て住宅の基礎として供するおいての不安はなくなり、それに爾後的に孔をあけた場合でも強度低下をきたさない信頼性の高い爾後補強RC基礎を提供できるようになった。
なお、中折れ鉄筋バーを予め針金で縛ったり、点溶接するなどして一体品としておくこともできる。その場合に基礎立ち上がり面にあてがった位置での仮止めが重みの点で容易でなければ、立ち上がり面に約15ミリメートル厚さのポリマーセメント粘着層を形成しておき、これに一体化した付加補強筋を強く押しつけるようにして立ち上がり面に可及的に近接した状態で付着させ、それに上塗りするというかたちを採ればよい。いずれにしても下塗りは付加補強筋の背後へのモルタル充填を確実なものにする。付加補強筋が立ち上がり面に近ければ、開口縁からのひび割れの進行を抑止する作用は、より一層効果的となる。
ところで、ポリマーセメントは、その代表的な例として、ポルトランドセメントに、その改質材としてのエポキシ樹脂を混ぜたものなどであるが、今日では公知であるのでその詳しい説明を省く。なお、例えば特開平7−315907号公報をはじめとして、幾つもの特許文献に多種多様なポリマーセメントモルタルが開示されている。もちろん、早硬剤や早強剤を適宜添加することも行われる。また、防錆剤を混入させておくことも可能であり、その場合には上記したセメント被り量は例えば20ミリメートル程度と薄くすることもできなくはない。上塗りにより基礎立ち上がり面に色むらが生じることを嫌うなら、層厚を変えるなどしながら貫通孔のある一面全部を被覆するようにしてもよい。
ちなみに、上記した付加補強筋に相当するものとして、従来の技術の項でも触れたが、特開2003−20755に提案されている一筆書き的に折り曲げられた鉄筋枠状体やその同等品を使用することもできる。いずれにしても孔径との関連や近隣の孔の有無やサイズ等を勘案して選択すればよい。
ところで、本発明による補強効果について、特開2003−20755で提案の有孔梁補強金具を使用し、孔径125ミリメートルを持つ150ミリメートル幅のRC基礎を例にして述べる。孔なしシングル配筋RC基礎が90kNの剪断耐力を有している場合、貫通孔を設けるが補強しない場合には82.9kNに落ちる。しかし、有孔梁補強金具をポリマーセメントモルタルによって付着させた場合には94.9kNにまで達し、補強による耐力回復は12kNにも及ぶ。これは孔あけ前のRC基礎よりも高い耐力を発現している。結果的には、過剰補強と言えるほどの補強がなされるということになる。従って、付加補強筋の径や長さにもよるが、RC基礎の少なくとも一方の面に補強を施すだけでよいことも多い。
もちろん、図2のように、内外両面を付加補強筋4M,4Nで補強するなら、基礎の内面すなわち建物の直下でも施工することになるが、表面張りつけ式であるから作業負担は大きくなく、両面補強によりその耐力は全体的に均質に向上する。これは、補強というよりは基礎の大幅な改質さえ可能であることを示唆する(図2では、既存補強筋は略されている)。
以上の説明から分かるように、鉄筋がひび割れの進行を阻止することは言うまでもないが、ポリマーセメントモルタルの付着力は通常セメントに比して格段に大きいことが知られているから、付加補強筋を基礎に対してある姿勢に保ちながら粘着力の高いモルタルで固定することができる。塗着操作もこて塗りといった手作業による塗着としても塗りむらを注視しつつ行うなら熟練技能を要することなく簡易な作業工程によって補強することができる。それは、付加補強筋をRC基礎内の既設補強筋と繋がりを持った構造とする必要がないからでもあり、ポリマーセメントの付着力に頼るだけとはいえ、その技術的進歩にも負うところが大きい。
この作業は、ダブル配筋に比べて耐力の低いシングル配筋を対象としており、その補強効果は目を見張るものがある。工期が短いうえに施工上の労力負担の軽減がなされ、コストの低減はもちろんのこと通常作業員でも補強品質を高く維持した仕上げを可能にする。ちなみに、当初の計画を急遽変更したとき、すなわち、孔あけ位置を変えなければならない事情が爾後的に発生しても、作業箇所の変更のための融通もつけやすい。
付加補強筋の量も周囲の状況すなわち近隣に孔があるかどうかによっても、補強程度の多少を調整できる。また、基礎内に存する既設の配筋との結合性を得る必要もないから、作業量の大幅な低減が図られる。ちなみに、基礎の内面すなわち建物の直下で施工するにしても、埋め込み式に比べれば作業負担は極めて少なくて済む。このように基礎を両面から補強すれば、その耐力は全体的に均質に向上することになり、補強の実効はさらに高まる。
ところで、付加補強筋を構成する中折れ鉄筋バーは同じ形状・寸法である必要はなく、図3に示すように、2本はく字形材4E,4Fを用いた付加補強筋4Pとしておくこともできる。要するに貫通孔2の補強がなされれば十分である。
図4は、貫通孔2を穿設した後、その貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブ9を挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブの周囲を取り巻くように、付加補強筋4を配置するようにした例である。スリーブをそのまま残す場合には例えば塩ビパイプとすればよいし、作業後には切除したい場合には紙製のものとしておくこともできる。いずれにしても、貫通孔2の開口へポリマーセメントモルタルが進入するのを防ぐことができればよい。
このようにしておけば、孔開口縁にポリマーセメントモルタルが付着したり孔径を狭めることはなくなる。孔の周囲にポリマーセメントモルタルの下地層を形成し、これに付加補強筋を付着させてからポリマーセメントモルタルを上塗りするような場合には、付加補強筋の背後にセメントを介在させることにより付加補強筋の担持効果が向上させることができる。スリーブを使用すれば、付加補強筋で押さえられて迫り出したモルタルの所望外の部位への垂れを回避しておくことができるのは言うまでもない。しかし、モルタルの下塗りの有無に関係なくスリーブを使用することは何ら差し支えない。
図5は、シングル配筋既設RC基礎1に貫通孔2を穿設し、強化繊維シート10で貫通孔の開口部周囲の立ち上がり面3に熱硬化性樹脂11を塗布し、その樹脂塗布面に貫通孔の開口部を除いて強化繊維シート10を付着させるようにした例である。この場合も、穿孔後の立ち上がり面は簡単な清掃がなされるが、その後、粘着力の強いエポキシ樹脂が孔周囲の例えば400ミリメートル角のエリヤに塗着される。
強化繊維シートは厚みが0.3ないし0.6ミリメートル程度のもので、一方向に延びる炭素繊維が細い横糸を介して簾のように並べられたものである。これは、立ち上がり面に張りつけられるまでは剛性が全くといってよいほどないものであるが、下塗りされているエポキシ樹脂に押しつけられ、さらに上塗りして含浸されるなどすれば、樹脂の硬化後は面板を形成することになり、これでもって周囲が補強された貫通孔の開口部近傍は、その変形が拘束され、ひび割れの発生を抑える。なお、炭素繊維に限ることなく、例えばアラミド繊維とすることもできるし、一方向繊維ではなくクロスやマット状のものであってもよい。このような強化繊維シートを熱硬化性樹脂で基礎梁立ち上がり面に接着する。
上で述べた90kNの耐力を持つRC基礎に125ミリメートル径の孔をあけ、その周囲に強化繊維シートを接着すると、97.0kN、両面に張れば102.1kNなる耐力を発揮させることができた。これは想像を絶する補強効果が出たと言えるが、強化繊維シート自体は鋏で裁断したり孔部相当部位を切除することは簡単になされるから、作業性の良さも抜きん出ていることが理解される。
この強化繊維シートによる補強固化樹脂板により立ち上がり面の面変形拘束作用が得られるのであるから、炭素繊維の方向を敢えて特定しておく必要はない。しかし、図7のように45度配置としておくなら、貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づくひび割れの発生はますます少なくすることができる。強化繊維シートは鋏等によって工事現場で簡単に裁断でき、重ね張りすることも問題ないから、積層枚数や繊維方向を層ごとに変えることも適宜行い得る。それゆえ、補強作業には幾つもの自由度があり、しかも基礎の局部的な拡幅は目立たない程度に留められることも注目すべきである。
いずれにしても、繊維の目間で硬化した樹脂はCFRP状態となるから、面当て補強として機能する。面剛性が高ければひび割れが生じようとしてもそれを拘束することは言うまでもなく、これも、空調設備の拡充等の内外装工事に随伴させたり、含ませるかたちで施工することができる。ちなみに、強化繊維シートが張りつけられているのをマスキングしたい場合には、モルタルを上塗りしたり、ペンキ塗りするなどすればよい。
この例においても、図6のようにスリーブ9を貫通孔2に挿入し、その開口部から出ているスリーブの周囲の立ち上がり面3に樹脂11を塗布するようにしておけば、接着のための樹脂が付着したり貫通孔に入ることはなくなる。ましてや孔周囲の基礎立ち上がり面に樹脂を塗布して下地を形成しやすくできるので、強化繊維シートに樹脂を含浸させる作業中の垂れ落ちのトラブルを少なくすることにもなる。
図8は、FRP製格子12を使用して立ち上がり面を補強しようとするものである。貫通孔2の開口部の周囲を取り巻き、その格子が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に吹きつけまたは手塗りにより塗着するものである。なお、FRP製格子は特開2002−129753に詳しく説明されているので、ここではその説明を省く。その使途は市販の溶接金網と類似と思えばよいが、その強度は鉄材を遙に越える優れものゆえ、本発明における補強材としては、極めて好適な面材であると言える。
格子の中にポリマーセメントモルタル5が進入してFRP製格子12とモルタルとの一体化が図られると共に、RC基礎1に対するFRP製格子の付着性も向上する。FRP製格子12は数ミリメートルの厚さで、ポリマーセメントモルタルによる被覆は付加補強筋を使用する場合の約半分の例えば20ミリメートルもあればよい。これによって、高価なポリマーセメントの消費量が抑制される。
先の例と同じく、スリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブの周囲を取り巻くようにFRP製格子を配置することにすれば、孔開口縁に吹きつけられたポリマーセメントモルタルが付着したり孔径を狭めるようなことはなく、孔の周囲にポリマーセメントモルタルの下地層を形成し、これにFRP製格子を付着させてからポリマーセメントモルタルを上塗りすることができる。FRP製格子によって補強された剛性の高いセメント板により、RC基礎の強化が図られたかっこうとなる。スリーブを使用しておけば、FRP製格子で押さえられて迫り出たモルタルの所望外部位への垂れ落ちも防止される。
図9はFRP製格子12の経部と緯部がともに水平に対して約45度傾斜するように配置させた例である。貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づいたひび割れの発生はより一層抑えられる。FRP製格子は厚くなると鋏等によって工事現場で簡単に切断できるというものではないが、薄いFRP製格子を使用する限りは現場での臨機応変な対処は可能となる。
図10および図11は、貫通孔の穿設作業を補強工事後に行う例である。上記の例の説明から分かることであるので、詳しい説明は省くが、図10はRC基礎1の立ち上がり面3に熱硬化性樹脂11を塗布し、その塗布面に強化繊維シート10を付着させたものである。そして、その養生後に強化繊維シートで補強された部位の立ち上がり面に貫通孔2をダイヤモンドカッタ等によって穿設するというものである。図11は強化繊維シートに代えてFRP製格子12としたもので、ポリマーセメントモルタル5は下塗り、上塗り適宜に行うことによって強化板を形成させている。
いずれにしても、くり抜かれた孔の周囲はすでに補強済み状態にある。貫通孔の所望位置が定まった時点で養生期間を見越してRC基礎の該当部に上記の処理を施し、穿孔作業は配管工事に組み入れることにしておけば、配管工事段階における待機時間は必要でないことになり、設備導入等の工事の円滑な進行が実現され、事前補強作業の単純化も推進される。
本発明は以上の詳しい説明から分かるように、低層住宅用シングル配筋既設RC基礎に設けられた貫通孔の開口周囲を、付加補強筋や強化繊維シート等で補強するようにしたので、貫通孔の周縁部に集中する剪断応力に基づいたひび割れの発生を抑制することができる。これによって、住宅へのオール電化設備等の導入を目的とした内外装工事に孔周り補強操作を簡単に組み入れ、建築上の問題も簡単に排除することができるようになる。
本発明に係る低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法の一つを示したもので、中折れ鉄筋バーからなる付加補強筋により爾後補強されたRC基礎の斜視図。 補強がRC基礎の内外面に施されている例の斜視図。 異なる構成の付加補強筋を使用したRC基礎の斜視図。 スリーブを用いて作業の円滑化を図っている様子の斜視図。 強化繊維シートを樹脂付けして補強したRC基礎の斜視図。 スリーブを用いて樹脂塗り作業の円滑化を図った例の斜視図。 強化繊維シートを45度に貼着した補強例。 FRP製格子をポリマーセメントモルタルで付着させて補強したRC基礎の斜視図。 FRP製格子を45度にあてがった補強例。 強化繊維シートを立ち上がり面に貼着してから穿孔作業に入る例のRC基礎の斜視図。 FRP製格子を立ち上がり面に付着させてから穿孔する例の斜視図。 ダブル配筋により補強されたRC基礎の斜視図。 シングル配筋により補強されたRC基礎の斜視図。 シングル配筋により補強されたRC基礎に貫通孔を形成し、それを剪断耐力試験した後のひび割れ状態の斜視図。
符号の説明
1…シングル配筋既設RC基礎、2…貫通孔、3…立ち上がり面、4,4N,4M,4P…付加補強筋、5…ポリマーセメントモルタル、6…主筋、7…縦筋、9…スリーブ、10…強化繊維シート、11…熱硬化性樹脂、12…FRP製格子。

Claims (10)

  1. 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋と該主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎に貫通孔を穿設し、水平に対して約45度に傾斜した付加補強筋で前記貫通孔の開口部の少なくとも一方の周囲を取り巻き、該補強筋が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着することを特徴とする低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  2. 前記貫通孔を穿設した後、該貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブの周囲を取り巻くように前記付加補強筋を配置することを特徴とする請求項1に記載された低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  3. 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋と該主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎に貫通孔を穿設し、該貫通孔の開口部の少なくとも一方の周囲の立ち上がり面に熱硬化性樹脂を塗布し、該樹脂塗布面に貫通孔の開口部を除いて強化繊維シートを付着させることを特徴とする低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  4. 前記貫通孔を穿設した後、該貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブの周囲の立ち上がり面に樹脂を塗布するようにしたことを特徴とする請求項3に記載された低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  5. 前記強化繊維シートの繊維は水平に対して約45度傾斜するように配置されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  6. 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋と該主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎に貫通孔を穿設し、FRP製格子で前記貫通孔の開口部の少なくとも一方の周囲を取り巻き、該格子が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着することを特徴とする低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  7. 前記貫通孔を穿設した後、該貫通孔に内径と略同等の外径を持ったスリーブを挿入し、貫通孔の開口部から出ているスリーブの周囲を取り巻くように前記FRP製格子を配置することを特徴とする請求項6に記載された低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  8. 前記FRP製格子は経部と緯部がともに水平に対して約45度傾斜するように配置されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載された低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  9. 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋と該主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎の立ち上がり面の少なくとも一方に熱硬化性樹脂を塗布し、該樹脂塗布面に強化繊維シートを付着させ、その養生後に強化繊維シートで補強された部位の立ち上がり面に貫通孔を穿設することを特徴とする低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
  10. 上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋と該主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎の立ち上がり面の少なくとも一方にFRP製格子を配置し、該格子が露出しないようにポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着し、その養生後にFRP製格子で補強された部位の立ち上がり面に貫通孔を穿設することを特徴とする低層住宅用シングル配筋基礎の築後穿孔部周囲の補強工法。
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