JP2006233331A - 鉄基焼結合金およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度および靱性に優れた鉄基焼結合金およびその製造方法を提供する。
【解決手段】鉄基焼結合金3を、粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末10、20を含む原料粉末1を加圧成形して粉末成形体2とし、粉末成形体2を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させて製造する。これにより、残留空孔は小さくなり、ネック部の強度が向上する。また、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化することができ、強度および靱性の高い鉄基焼結合金が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、強度および靱性に優れた鉄基焼結合金およびその製造方法に関する。
機械部品等の構造部材の製造コストを削減するため、鉄を主成分とする原料粉末を加圧成形して粉末成形体とし、その粉末成形体を加熱し焼結させた鉄基焼結合金の利用が考えられる。鉄基焼結合金を用いれば、最終形状に近い製品を得ることが可能となり、機械加工削減や歩留り向上等によって、構造部材の製造コストや材料コストを低減することができる。このためには、鉄基焼結合金の強度、靱性等の機械的特性を向上させることが重要となる。
例えば、特許文献1には、同一組成で平均粒径の異なる二種類のステンレス鋼粉末を用いることで、粉末成形体の強度を高め、高密度の焼結体を製造する試みが開示されている。
特開2001−98301号公報
上記特許文献1の試みは、焼結体の高強度化を狙ったものではない。平均粒径の異なる粉末を用いるだけでは、鉄基焼結合金の強度向上を図ることは難しい。鉄基焼結合金の強度を向上させるためには、まず粒子の結合部であるネック部の強度を確保することが必要となる。これには、例えば、部分拡散接合粉末の利用が挙げられる。部分拡散接合粉末は、純鉄や鉄合金のベース粒子表面に、10μm以下のNi、Mo、Cu等の微粒子を拡散接合させたものである。部分拡散接合粉末を用いれば、ネック部周辺にNi、Mo、Cu等の元素を分布させることができ、ネック部の高強度化に有効であると考えられる。しかし、焼結時にNi、Mo、Cu等の元素がベース粒子中に拡散すると、各々の原子の拡散速度の差から空孔が生じる。空孔は破壊の起点となる。これより、部分拡散接合粉末を利用しても、鉄基焼結合金を高強度化することはできない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、強度および靱性に優れた鉄基焼結合金およびその製造方法を提供することを課題とする。
(1)本発明の鉄基焼結合金は、粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を含む原料粉末を加圧成形した粉末成形体を焼結させてなることを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明の鉄基焼結合金では、原料粉末として粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を用いる。以下、本発明の鉄基焼結合金を、模式図を用いて説明する。図1に、本発明の鉄基焼結合金の一態様の製造過程を模式的に示す。
図1(a)に示すように、本態様の原料粉末1は、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末10、20と、黒鉛粉末30とからなる。鉄系粉末10は、粒径の小さな粒子100から構成される。鉄系粉末20は、粒子100よりも粒径の大きな粒子200から構成される。原料粉末1を混合、加圧成形して、同(b)に示すような粉末成形体2を得る。粉末成形体2は、鉄系粉末20を構成する粒径の大きな粒子200間に、鉄系粉末10を構成する粒径の小さな粒子100、および黒鉛粒子300が充填された状態となる。粉末成形体2を焼結し、必要に応じて熱処理すると、同(c)に示すような鉄基焼結合金3を得る。なお、黒鉛は拡散速度が速く、均一に分散されるため、ここでは図示していない。鉄基焼結合金3では、鉄系粉末20の粒子200間の結合部(ネック部)が、鉄系粉末10の粒子100により構成される。
通常の焼結体では、粒子間に空孔が残留している。この残留空孔の存在により、ネック部の強度は低い。本発明の鉄基焼結合金では、粒度の異なる二種類以上の鉄系粉末が使用されるため、相対的に粒径の大きな粒子間に粒径の小さな粒子が充填される。このため残留空孔は小さくなり、ネック部の強度は高くなる。また、相対的に粒径の小さな粒子からなる鉄系粉末は、比表面積が大きい。このため、焼結時の元素拡散を促進する効果も期待できる。焼結反応が促進されることで、ネック部の強度はより向上する。
また、鉄基焼結合金の高強度化のためには、ネック部の強度を向上させるとともに、それに見合うよう、粒子内部の強度を確保することも重要となる。本発明の鉄基焼結合金に用いられる二種類以上の鉄系粉末は、粒度に加えて組成も異なる。このため、ネック部と粒子内部との組成を任意に調整することができる。つまり、本発明の鉄基焼結合金は、合金全体で組成が均一ではなく、ネック部と粒子内部とで、硬さや延性等の機械的性質が異なる。よって、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスを最適化することにより、強度および靱性の極めて高い鉄基焼結合金を得ることができる。
本明細書でいう「強度」や「靱性」は、原料粉末の組成、成形圧力(または成形体密度)、焼結条件(温度、時間、雰囲気等)等によって異なる。従って、「強度」や「靱性」を一概に特定することはできない。敢えていうならば、強度は、抗折力で3000MPa以上であると好ましい。靱性は、例えば後述する抗折試験でのたわみ量が0.9mm以上であると好ましい。
また、本明細書でいう「鉄基焼結合金」はその形態を問わない。例えば、インゴット状、棒状、管状、板状等の素材であってもよいし、最終的な形状またはそれに近い構造部材(鉄基焼結合金部材)であってもよい。
(2)また、本発明は、上記本発明の鉄基焼結合金の製造方法としても把握することができる。すなわち、本発明は、粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を含む原料粉末を加圧成形して粉末成形体とする成形工程と、該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程と、を備える鉄基焼結合金の製造方法としてもよい(請求項14に対応)。
次に、実施形態を挙げて、本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明に係る鉄基焼結合金のみならずその製造方法にも、適宜適用することができる。また、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
(1)原料粉末
本発明の鉄基焼結合金の原料粉末は、粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を含む。鉄系粉末としては、純鉄粉、鉄合金粉、またはこれらの混合粉を用いればよい。「粒度が異なる」とは、各々の鉄系粉末の平均粒径が異なることを意味する。使用する鉄系粉末は、二種類でも、それ以上でもよいが、例えば、鉄系粉末を、相対的に粒径の大きな粒子からなる粗粉末と、粒径の小さな粒子からなる微粉末と、の二種類とするとよい。なお、「相対的に」とは、粗粉末が微粉末に比べて粒径の大きな粒子からなることを意味する。この場合、粗粉末および微粉末の各々を構成する粒子の粒径は、特に限定されるものではない。例えば、篩い分けにより特定される粒径で、100μm、63μm、45μm、25μm等を基準にして、粗粉末と微粉末とを分ければよい。容易に入手でき、取り扱いも容易であるという観点では、粗粉末の粒径を63μm以上とし、微粉末の粒径を63μm未満とするとよい。
粗粉末と微粉末との配合割合は、成形条件や焼結条件の他、後述する強化粉末の有無等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、成形圧力を高くすれば、微粉末の配合割合を小さくしても高強度が得られる。鉄基焼結合金の高強度化のためには、微粉末の配合割合を、鉄系粉末全体を100質量%としたときの20質量%以上とすることが望ましい。30質量%以上とするとより好適である。また、成形時の粉末の流動性、焼結時の寸法変化や膨れ等を考慮すると、微粉末の配合割合を75質量%以下とすることが望ましい。60質量%以下とするとより好適である。
鉄系粉末の組成は、特に限定されるものではない。例えば、鉄系粉末に鉄合金粉を用いる場合、それに含まれる合金元素としては、Cr、Mo、V、Ti、Nb、Ni等が挙げられる。これらの合金元素は、鉄基焼結合金の熱処理性を向上させ、鉄基焼結合金を強化するために有効である。これらの合金元素を含む場合には、鉄系粉末全体を100質量%としたときに、Cr:0.25〜15.0質量%さらには0.5〜10.0質量%、Mo:0.2〜3.0質量%さらには0.2〜2.0質量%、V:0.01〜0.6質量%さらには0.1〜0.5質量%、Ti:0.01〜0.5質量%さらには0.05〜0.3質量%、Nb:0.01〜0.5質量%さらには0.05〜0.3質量%、Ni:0.01〜2.0質量%さらには0.05〜1.5質量%、とするとよい。
例えば、鉄系粉末として上記粗粉末および微粉末を使用する場合、粗粉末を、粗粉末全体を100質量%として0.25〜2.0質量%のCrおよび0.2〜3.0質量%のMoの少なくとも一方を含み、残部が鉄である鉄合金粉、または純鉄粉とし、微粉末を、微粉末全体を100質量%として、Crが1.0〜15.0質量%、残部が鉄の鉄合金粉、またはCrが1.0〜15.0質量%、Moが0.2〜1.0質量%、残部が鉄の鉄合金粉とすると好適である。この組成は、微粉末からなる部分をCrリッチとすることができ、ネック部の強化に有効である。また、粗粉末の組成が上記範囲であれば、ネック部と粒子内部との硬さおよび延性のバランスが最適化される。
合金元素としては、さらに、C、Mn、Si、P、S等が挙げられる。Cは後述する黒鉛粉末や浸炭により、また、MnおよびSiは後述する強化粉末としても添加されるが、鉄系粉末中に少量含まれていてもよい。但し、C、Mn、Si等の含有量が増加すると、鉄系粉末が硬質となって成形性が低下する。よって、鉄合金粉としてこれらの元素を含む場合には、C:0.02質量%以下、Mn:0.5質量%以下、Si:0.5質量%以下とするとよい。また、鉄合金粉としてPやSを含む場合には、P:0.05質量%以下、S:0.05質量%以下とするとよい。
原料粉末は、V、Mn、Si、Ti、Nb、Ni、Cuから選ばれる一種以上の強化元素を粉末全体として含有する強化粉末を含んでいてもよい。強化粉末は、二種類以上の粉末からなる原料粉末全体として強化元素を含む限り、その存在形態を問わない。各々の強化元素単体、複数の強化元素の化合物、強化元素と鉄との化合物(フェロアロイ)等の粉末が挙げられる。強化元素が強化元素単体または複数の強化元素の化合物であれば、原料粉末は、鉄系粉末に加えて強化粉末を含有する。強化粉末が強化元素と鉄との化合物粉末である場合には、その化合物粉末を鉄系粉末(すなわち、強化元素を含む鉄系粉末)と見なすこともできる。
強化元素の含有割合は、原料粉末全体を100質量%としたときに、V:0.01〜1.0質量%さらには0.05〜0.75質量%、Mn:0.01〜1.5質量%さらには0.01〜1.0質量%、Si:0.01〜1.5質量%さらには0.01〜1.0質量%、Ti:0.01〜1.0質量%さらには0.05〜0.75質量%、Nb:0.01〜1.0質量%さらには0.05〜0.75質量%、Ni:0.01〜5.0質量%さらには1.0〜4.5質量%、Cu:0.01〜2.5質量%さらには1.0〜2.0質量%、とするとよい。
例えば、MnおよびSiの合金または化合物からなるMn−Si系粉末は、強化粉末として好適である。なかでも、鉄基焼結合金の主成分であるFeとMnおよびSiとの合金または金属間化合物からなるFe−Mn−Si粉末(以下、適宜「FMS粉末」と称す。)は、比較的安価に製造したり、入手することが可能であり好適である。
FMS粉末は、FMS粉末全体を100質量%として、Mnが15〜75質量%、Siが15〜75質量%、MnとSiとの合計が35〜95質量%であり、主な残部がFeであるとよい。MnやSiが過少だと、延性のある鉄合金となり、それを微粉に粉砕するのが困難となる。また、FMS粉末の原料粉末中における添加量も多くなり、鉄基焼結合金のコストを上昇させてしまう。一方、MnやSiが過多だと、成分調整のためコストが上昇するので好ましくない。Mnが20〜65質量%、Siが20〜65質量%、MnとSiとの合計が50〜90質量%であるとより好適である。
また、FMS粉末は、含有するO量が0.4質量%以下さらには0.3質量%以下であるとよい。原料粉末中のO量が多くなると、焼結体の膨れの発生原因となるCOガス等が増加するからである。また、焼結体中の酸化物の増加にもつながり、鉄基焼結合金の機械的特性が劣化し得るからである。
強化粉末の割合は、使用する粉末組成や鉄基焼結合金の所望特性(鉄基焼結合金中のMnやSiの組成)に応じて異なる。例えば、強化粉末としてFMS粉末(Mnが15〜75質量%、Siが15〜75質量%、MnとSiとの合計が35〜95質量%)を使用する場合、原料粉末全体を100質量%としたときに、0.01〜5質量%さらには0.1〜5質量%配合するとよい。
強化粉末の粒径が小さい程、高密度で、成分変動や偏析等の少ない均質な鉄基焼結合金が得られ易い。しかし、粒径が過小な粉末は入手が困難でコスト高である。また、凝集等も生じ易く取扱性が悪い。例えば、篩い分けにより特定される粒径が100μm以下、63μm以下、45μm以下さらには25μm以下であると、均一分散し易い。そこで、この範囲で入手容易な強化粉末を使用すればよい。
鉄基焼結合金は、さらにCを含有することにより、一層の強度向上が図れるので好ましい。Cは、焼結後の鉄基焼結合金に浸炭などの方法により導入する他、原料粉末として、あらかじめ黒鉛粉末を含む原料粉末を調製してもよい。原料粉末がさらに黒鉛粉末を含むことで、焼結中にCが拡散して鉄基焼結合金が固溶強化される。加えて、Cを適量含む鉄基焼結合金には、焼入、焼戻といった熱処理を施すことが可能であり、それによって鉄基焼結合金の機械的特性を一層大きく向上させることができる。なお、鉄基焼結合金へのCの導入には、Cを含む鉄系粉末を使用することも考えられる。しかし、原料粉末の成形性やC量の調整の容易性等から、原料粉末中に黒鉛粉末等として混在させるのがよい。鉄基焼結合金中のC量は、0.2〜0.8量%程度にするとよい。具体的には、黒鉛粉末を含む原料粉末を成形して焼結する場合には、原料粉末を100質量%としたときに、黒鉛粉末を0.2質量%以上さらには0.3質量%以上とするのが好ましい。0.2質量%以上であれば、Cを導入することによる強度向上の効果が良好に発揮される。また、黒鉛粉末を1.0質量%以下さらには0.6質量%以下とするのが好ましい。1.0質量%を超えると延性が大幅に低下し、強度が低下することがある。
(2)組織等
焼結後に熱処理を行った場合、本発明の鉄基焼結合金は、鉄系粉末の種類により硬さの異なる焼き戻しマルテンサイトからなる組織を持つ。つまり、本発明の鉄基焼結合金は、合金全体で組成が均一ではなく、鉄系粉末の組成等により、硬さや延性等の機械的性質が異なる。例えば、鉄系粉末として前述した粗粉末および微粉末を使用する場合、ネック部の強度を向上させるという観点から、微粉末からなる部分の硬さを粗粉末からなる部分の硬さより大きくすることが望ましい。具体的には、微粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(A)とし、粗粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(B)としたとき、次式(1)および(2)さらには(1)および(3)を満たすことが望ましい。
15≦{Hv(A)−Hv(B)}≦100 ・・・(1)
450≦Hv(B)≦630 ・・・(2)
450≦Hv(B)≦530 ・・・(3)
また、焼結後の密度は7.5g/cm3 以上であることが望ましい。本発明者は、後述するように、高密度な粉末成形体を得ることのできる工業的な方法を確立している。その成形方法によれば、成形体密度比(焼結体の理論密度に対する成形体の嵩密度の比)が96%以上さらには97%以上という超高密度な粉末成形体が得られる。そして、その超高密度な粉末成形体を焼結させることで、7.5g/cm3 以上という超高密度な焼結体(鉄基焼結合金)を得ることができる。
本発明者は、成形体密度比または焼結体密度比(理論密度に対する嵩密度の比)が96%〜97%程度の高密度になると、粉末成形体または焼結体のあらゆる特性が急激に変化することを確認している。例えば、粉末成形体の場合、密度比が95%程度までなら、その密度比の増加と共にその強度も増加するが、密度比が96%〜97%程度を超えるとその強度は指数関数的に増加するようになる。その他の機械的性質(特に延性や疲労特性等)や磁気特性等も同様の傾向を示す。
(3)製造方法
本発明の鉄基焼結合金の製造方法は、主に成形工程と焼結工程とからなる。以下、各工程について詳しく説明する。
(3−1)成形工程
本工程は、前述した二種類以上の鉄系粉末等を含む原料粉末を加圧成形して粉末成形体とする工程である。この際の成形圧力、粉末成形体の密度(または成形体密度比)、粉末成形体の形状等は問わない。但し、成形圧力および成形体密度は、粉末成形体のハンドリング性を考慮して、少なくとも容易に崩壊しない程度がよい。また、成形工程は、冷間成形でも温間成形でも良く、原料粉末中に内部潤滑剤を添加してもよい。内部潤滑剤を添加する場合は、内部潤滑剤をも含めて原料粉末と考える。
ところで、本発明者は、工業レベルで従来の一般的な成形圧力を超越した超高圧成形を可能とする粉末成形体の成形方法を確立している(特許3309970号参照。)。この成形方法によれば、1000MPa以上、1200MPa以上、1500MPa以上さらには約2000MPaといった超高圧での粉末成形も可能である。これにより得られる粉末成形体の密度は96%以上、97%以上、98%以上さらには99%までにも到達し得る。この優れた成形方法(以下、適宜「金型潤滑温間加圧成形法」と称す。)は、高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された金型へ原料粉末を充填する充填工程と、この金型内の原料粉末を温間で加圧して金型内面に接する原料粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる温間加圧成形工程と、からなる。
この成形方法に依れば、成形圧力を相当大きくしても、一般的な成形方法で生じるような不具合を生じない。具体的には、原料粉末と金型の内面との間のかじり、抜圧の過大化、金型寿命の低下等が抑止される。以下、この成形方法の充填工程および温間加圧成形工程について詳細に説明する。
(a)充填工程
原料粉末を金型(キャビティ)へ充填する前に、金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布しておく(塗布工程)。ここで使用する高級脂肪酸系潤滑剤は、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であってもよい。高級脂肪酸の金属塩には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。この他、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等を用いることもできる。
塗布工程は、例えば、加熱された金型内に水、水溶液またはアルコール溶液等に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧して行う。高級脂肪酸系潤滑剤が水等に分散していると、金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に噴霧し易い。加熱された金型内にそれを噴霧すると、水分等が素早く蒸発して、金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤が均一に付着する。金型の加熱温度は、後述する温間加圧成形工程の温度を考慮すると好ましいが、例えば、100℃以上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満にすると好ましい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、その加熱温度を220℃未満とするとよい。
なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系潤滑剤が0.1〜5質量%、さらには、0.5〜2質量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤滑膜が金型の内面に形成されて好ましい。
また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散させる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができる。これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。この場合、それらの一種のみを添加した場合に較べて、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性化されるからである。また、噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体積%として、界面活性剤の割合を1.5〜15体積%とすると好ましい。
この他、少量の消泡剤(例えば、シリコン系の消泡剤等)を添加してもよい。水溶液の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに金型の内面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の皮膜が形成され難いからである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程度であればよい。
水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。最大粒径が30μm以上になると、高級脂肪酸系潤滑剤の粒子が水溶液中に沈殿し易く、金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるからである。
高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布には、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用いて行うことができる。なお、本発明者が高級脂肪酸系潤滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出圧力との関係を実験により調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となるように高級脂肪酸系潤滑剤を金型の内面に付着させると好ましい。
(b)温間加圧成形工程
高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された金型に充填された原料粉末を温間で加圧成形すると、金型内面に接する原料粉末(または粉末成形体)の表面に金属石鹸皮膜が生成され、この金属石鹸皮膜の存在によって工業レベルでの超高圧成形が可能になったと考えられる。この金属石鹸皮膜は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、金型の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙かに優れた潤滑性能を発揮する。その結果、金型の内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力を著しく低減させ、高圧成形にも拘らず、かじり等を生じさせない。また、非常に低い抜圧で粉末成形体を金型から取出せ、金型寿命の極端な短縮もない。
金属石鹸皮膜は、例えば、高級脂肪酸系潤滑剤と原料粉末中のFeとが温間高圧下でメカノケミカル反応を生じて形成された、高級脂肪酸の鉄塩皮膜である。この代表例は、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウムまたはステアリン酸亜鉛と、Feとが反応して生成されたステアリン酸鉄皮膜である。
本工程でいう「温間」は、原料粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反応が促進される程度の加熱状態であればよい。概していえば、成形温度を100℃以上とすればよい。但し、高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防止する観点から、成形温度を200℃以下とするのがよい。成形温度を120〜180℃とするとより好適である。
本工程でいう「加圧」は、鉄基焼結合金の仕様を考慮しつつ、金属石鹸皮膜が形成される範囲内で適宜決定されればよい。金型寿命や生産性を考慮して、その成形圧力の上限を2000MPaとすると好ましい。成形圧力が1500MPa程度になると、得られる粉末成形体の密度も真密度に近付き(成形体密度比で98〜99%となり)、2000MPa以上に加圧してもさらなる高密度化は望めない。
なお、この金型潤滑温間加圧成形法を用いると、内部潤滑剤を使用する必要がなく、より高密度な粉末成形体が得られる。また、その粉末成形体を焼結させたときに、内部潤滑剤の分解、放出等に伴って炉内が汚染されることもない。但し、本発明では、内部潤滑剤の使用を排除するものではないことを断っておく。
(4)焼結工程
焼結工程は、成形工程で得られた粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱して焼結させる工程である。
焼結温度および焼結時間は、鉄基焼結合金の所望特性、生産性等を考慮して適宜選択される。焼結温度は高い程、短時間で高強度な鉄基焼結合金が得られる。もっとも、焼結温度が高すぎると液相が発生したり、寸法収縮が大きくなって好ましくない。焼結温度が低すぎると強化元素の拡散が不十分となり好ましくない。また、焼結時間が長くなって、鉄基焼結合金の生産性が低下する。焼結温度は、1100〜1400℃がよい。また、焼結時間は、焼結温度、鉄基焼結合金の仕様、生産性、コスト等を考慮しつつ0.1〜3時間さらには0.1〜2時間とするのがよい。
焼結雰囲気は酸化防止雰囲気がよい。例えば、強化粉末に含まれるMn、Siは、Oとの親和力が極めて強く非常に酸化され易い元素である。特に、FMS粉末を使用すると、Mn、Siの単体よりも酸化物生成自由エネルギーが低いため、加熱炉内の僅かなOとも結合して、焼結体内部にMn、Siの酸化物を形成するおそれがある。このような酸化物の介在は、鉄基焼結合金の機械的性質を劣化させるので好ましくない。そこで、焼結雰囲気は、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素雰囲気等の酸化防止雰囲気が好ましい。このような雰囲気であっても、その中の残留酸素(酸素分圧)がさらに問題となるときは、窒素ガスに水素ガス(低い露点(例えば、−30℃以下)に精製された高純度水素ガス)を数体積%(例えば、5〜10%)混合した還元雰囲気を採用してもよい。
もっとも、水素ガスの使用は工業上あまり好ましくないので、本発明の焼結工程を、酸素分圧が10-19 Pa以下(CO濃度で100ppm以下)に相当する極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気内で行うとより好ましい。このような極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気下では、焼結中にFMS粉末と原料粉末に付着等したOとが反応して複合酸化物などが形成されても、それがさらに分解される。その結果、酸化物等の介在物のない健全な組織の鉄基焼結合金が得られる。なお、極低酸素分圧の不活性ガス(N2ガス)雰囲気を実現する連続焼結炉は市販されている(関東冶金工業株式会社製オキシノン炉)。
(5)その他
本発明の鉄基焼結合金はその仕様に応じて、さらに、焼鈍、焼準、時効、調質(焼き入れ、焼き戻し)、浸炭、窒化等の熱処理工程が施されてもよい。勿論、鉄基焼結合金は、熱処理の種類に応じた組成(C、Mo、Cr等)であることが好ましい。
本発明の鉄基焼結合金の形態や用途は問わない。本発明の鉄基焼結合金が使用され得る鉄基焼結合金部材の一例を挙げると、自動車分野では、各種プーリー、変速機のシンクロハブ、エンジンのコンロッド、ハブスリーブ、スプロケット、リングギヤ、パーキングギヤ、ピニオンギヤ等がある。その他、サンギヤ、ドライブギヤ、ドリブンギヤ、リダクションギヤ等もある。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
〈試験片の製造〉
(1)原料粉末の調製
鉄系粉末として、ヘガネス社製のAstaloy Mo(Fe−1.5Mo、粒径20〜180μm)、同社製のAstaloy CrL(Fe−1.5Cr−0.2Mo、粒径20〜180μm)、および同社製のAstaloy CrM(Fe−3Cr−0.5Mo、粒径20〜180μm)を用意した。また、強化元素を含む鉄系粉末として、JFEスチール社製のJIP30CRV(Fe−3Cr−0.3Mo−0.3V)、ヘガネス社製のDistaloyHP1(Fe−4Ni−2Cu−1.5Mo)を用意した。組成の単位は質量%である(特に断らない限り以下同様である。)。これらの鉄系粉末を、#250の篩いを用いて、それぞれ63μm以上の粗粉末と63μm未満の微粉末とに分離した。
強化粉末として、組成の異なる2種類のFe−Mn−Si粉末(FMS粉末)を用意した。このFMS粉末は、Arガス雰囲気中で溶製した組成I(Fe−22Mn−44Si)または組成II(Fe−50Mn−33Si)の鋳塊(インゴット)を大気中で粉砕し、粒径が25μm以下(−500mesh)の粉末に篩い分けしたものである。また、黒鉛(Gr)粉末(日本黒鉛社製JCPB)も用意した。Gr粉末の粒径は45μm以下であった。
上記鉄系粉末から選んだ粒度および組成の異なる二種類の粉末と、FMS粉末および/またはGr粉末と、を所望組成となるよう配合し、ボールミル式回転混合を充分に行って、各試料ごとに均一な混合粉末からなる原料粉末を調製した。
(2)成形工程
調製した原料粉末の成形は、金型潤滑温間加圧成形法により行った。具体的には以下の通りである。
φ23mmの円柱型キャビティと、10×55mmの抗折試験片型キャビティと、をそれぞれ有する二種の超硬製金型を用意した。各金型の内周面には予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを十点平均粗さで0.4Zとした。各金型はバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。加熱した金型の内周面に、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウム(LiSt)を分散させた水溶液をスプレーガンにて1cm3 /秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。これより、各金型の内周面には、約1μm程度のLiStの皮膜が形成された。
ここで用いた水溶液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものにLiStを分散させたものである。界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80を用いて、それぞれを水溶液全体(100体積%)に対して1体積%づつ添加した。消泡剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体(100体積%)に対して0.2体積%添加した。LiStには、融点が約225℃で、平均粒径が20μmのものを用いた。その分散量は上記水溶液100cm3 に対して25gとした。LiStを分散させた水溶液をさらにボールミル式粉砕装置で微細化処理(テフロンコート鋼球:100時間)した。こうして得られた原液を20倍に希釈して、最終濃度1%の水溶液を上記塗布工程に供した。
LiStの均一な皮膜が内面に形成された各金型のキャビティへ前述した各種原料粉末を自然充填した(充填工程)。原料粉末は、金型と同温の150℃に乾燥機で予め加熱しておいた。
金型に充填された各原料粉末を、784MPaまたは1568MPaの圧力で成形して粉末成形体を得た(温間加圧成形工程)。いずれの成形圧力の場合であっても、金型の内面にかじり等を生じることはなく、低い抜出力で粉末成形体を金型から容易に取出すことができた。
(3)焼結工程
得られた各粉末成形体を、連続焼結炉(関東冶金工業製オキシノン炉)を用いて、1350℃の窒素雰囲気中でそれぞれ焼結させた(焼結工程)。均熱保持時間は30分とし、焼結後の冷却速度は40℃/minであった。なお、焼結炉内は、CO濃度で50〜100ppm(酸素分圧に換算で10-19 〜10-21 Pa相当)の極低酸素分圧雰囲気とした。こうして各種の鉄基焼結合金からなる、φ23mmの円柱型試験片と、10×55mmの板状試験片とを得た。板状試験片については、焼結後に焼入れ、焼戻しの熱処理を行った。焼入れは、窒素雰囲気中で860℃×45分間加熱した後、60℃の油中で急冷して行った。その後の焼戻しは、大気中で190℃×1時間加熱して行った。
〈測定〉
(1)上記円柱型試験片を用いて、焼結前後の寸法変化(高さ変化ΔTおよび外径変化ΔD)を求めた。
(2)上記板状試験片を用いて、支点間距離40mmの三点曲げにより抗折試験を行った。これにより、各板状試験片が折断するまでの強度(抗折力)およびたわみ量を求めた。
〈各実施例の内容と評価〉
(1)実施例1
63μm以上のAstaloy Mo粉末(粗粉末)、および63μm未満のAstaloy CrM粉末(微粉末)と、FMS粉末(組成I)と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。微粉末の配合割合(X)は、鉄系粉末全体を100質量%として、0質量%(微粉末なし)、25質量%、50質量%、75質量%、100質量%(粗粉末なし)の五種類とした。また、FMS粉末の配合割合は、原料粉末全体を100質量%として0.1質量%、Gr粉末の配合割合は、原料粉末全体を100質量%として0.4質量%とした。
これら五種類の原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力784MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる板状試験片を得た。得られた各試験片について組織観察を行うとともに、抗折試験により抗折力を求めた。図2(a)〜(e)に、微粉末の配合割合(X)の異なる各試験片の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図2(a)〜(e)より、微粉末の配合量が増加するにつれ、残留空孔が小さくなることがわかる。また、粗粉末と微粉末とを混合した場合、微粉末の配合量が増加するにつれ、抗折力も大きくなった。
(2)実施例2
前述した鉄系粉末から選んだ組成の異なる粗粉末(+63um)および微粉末(−63um)と、FMS粉末(組成I)と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。粗粉末と微粉末との組み合せは、下記表1に示すNo.1〜No.3の三種類とした。微粉末の配合割合は、鉄系粉末全体を100質量%として、25質量%、50質量%の二種類とした。また、上記実施例1と同様に、FMS粉末の配合割合を0.1質量%、Gr粉末の配合割合を0.4質量%とした。
これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる円柱型試験片と板状試験片とを得た。得られた各板状試験片の抗折力およびたわみ量を、抗折試験により求めた。表1に、鉄系粉末の組み合せとともに、各試験片の密度、抗折力およびたわみ量を示す。また、微粉末の配合割合に対する抗折力、たわみ量の変化を、それぞれ図3、図4に示す。なお、比較のため、No.1〜No.3の組み合わせにおいて用いられた三種類の鉄系粉末(ベース粉末)をそれぞれ分級せずに用い、上記同様に成形、焼結して板状試験片(ベース粉末材)を製造した。それら試験片の密度、抗折力およびたわみ量を、表2に示す。
Figure 2006233331
Figure 2006233331
まず、抗折力について説明する。表1、表2および図3に示すように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末を組み合わせることにより、ベース粉末材を上回る抗折力を得ることができた。なお、No.1の組み合せ(Astaloy CrL+Astaloy CrM)を用いた試験片の抗折力は、微粉末の配合割合が25質量%の場合に、ベース粉末材の抗折力よりも若干低くなった。しかし、同配合割合を50質量%に増加させると、抗折力はベース粉末材のそれよりも高くなった。
次に、たわみ量について説明する。表1、表2および図4に示すように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末を組み合わせた場合、たわみ量は、ベース粉末材のたわみ量の上限値に近い値となった。なお、No.1の組み合せ(Astaloy CrL+Astaloy CrM)を用いた試験片のたわみ量は、微粉末の配合割合が25質量%の場合に、ベース粉末材のたわみ量の下限値を下回った。しかし、同配合割合を50質量%に増加させると、たわみ量はベース粉末材のそれの上限値近くまで増加した。
このように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末を組み合わせることにより、強度および靱性の高い鉄基焼結合金を得ることができた。また、得られた鉄基焼結合金の密度は、7.5g/cm3 以上と超高密度であった。
(3)実施例3−1
上記実施例2のNo.3の組み合せである、63μm以上のAstaloy Mo粉末(粗粉末)および63μm未満のAstaloy CrM粉末(微粉末)と、FMS粉末(組成I)と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。微粉末の配合割合は、鉄系粉末全体を100質量%として、25質量%とした。また、FMS粉末の配合割合を0.1質量%とし、Gr粉末の配合割合を0.3質量%、0.4質量%、0.5質量%の三種類とした。
これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる板状試験片を得た。得られた各試験片の抗折力およびたわみ量を、抗折試験により求めた。表3に、Gr粉末の配合割合の異なる各試験片の密度、抗折力およびたわみ量を示す。また、図5に、Gr粉末の配合割合に対する抗折力、たわみ量の変化を示す。なお、表3および図5には、粗粉末と微粉末との各ベース粉末を、上記同様に成形、焼結して製造した板状試験片(ベース粉末材)の密度(表3のみ)、抗折力およびたわみ量をも併せて示す。
Figure 2006233331
表3および図5に示すように、抗折力が最高となるGr粉末の配合割合は、各試験片ごとに異なる結果となった。粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末からなるNo.3の組み合わせを用いた試験片の場合、抗折力はGr粉末の配合割合が0.4質量%で最高値となり、両ベース粉末材を上回る値となった。また、No.3の組み合わせを用いた試験片のたわみ量は、Gr粉末の配合割合が0.3質量%、0.4質量%で、ベース粉末材の上限値と同等レベルとなった。また、Gr粉末の配合割合に関わらず、No.3の組み合わせを用いた試験片の密度は、7.5g/cm3 以上となった。
(4)実施例3−2
上記実施例2のNo.1〜No.3と同様の組み合せである粗粉末および微粉末と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。微粉末の配合割合は、鉄系粉末全体を100質量%として、50質量%とした。また、Gr粉末の配合割合を0.3質量%、0.35質量%、0.4質量%、0.45質量%、0.5質量%、0.55質量%、0.6質量%のいずれかとした。
これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる板状試験片を得た。得られた各試験片の抗折力を、抗折試験により求めた。表4に、Gr粉末の配合割合の異なる各試験片の抗折力を示す。また、図6〜図8に、Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示す。なお、表4および図6〜図8には、粗粉末と微粉末との各ベース粉末をGr粉末とともに混合し、上記同様に成形、焼結して製造した板状試験片(ベース粉末材)の抗折力も併せて示す。
Figure 2006233331
表4および図6、図7、図8に示すように、抗折力が最高となるGr粉末の配合割合は、各試験片ごとに異なる結果となった。粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末からなる試験片の場合、抗折力はGr粉末の配合割合が0.4質量%で最高値となり、各ベース粉末材を上回る値となった。また、No.1の組み合わせを用いた試験片では0.3〜0.4質量%、No.2、No.3の組み合わせを用いた試験片では0.3〜0.5質量%、のGr粉末の配合割合で、抗折力は、各ベース粉末の上限値近くまたはそれ以上まで向上した。
(5)実施例4−1
本実施例は、実施例3−2で示したNo.3の組み合わせを用いた試験片に対し、さらに強化粉末として強化元素Mn、Siを多く含む組成IIのFMS粉末を用いた実施例である。
No.3の組み合せである、63μm以上のAstaloy Mo粉末(粗粉末)および63μm未満のAstaloy CrM粉末(微粉末)と、FMS粉末(組成II)と、Gr粉末とを適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。微粉末の配合割合は、鉄系粉末全体を100質量%として、50質量%とした。また、原料粉末全体を100質量%としたときに、FMS粉末の配合割合を0.5質量%とし、Gr粉末の配合割合を0.3質量%、0.35質量%、0.4質量%、0.45質量%、0.5質量%、0.55質量%、0.6質量%のいずれかとした。
これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる板状試験片を得た。得られた各試験片の抗折力およびたわみ量を、抗折試験により求めた。表5に、Gr粉末の配合割合の異なる各試験片の密度、抗折力およびたわみ量を示す。また、図9に、Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示す。なお、表5および図9には、粗粉末と微粉末との各ベース粉末を、上記同様に成形、焼結して製造した板状試験片(ベース粉末材)の抗折力も併せて示す。
Figure 2006233331
表5および図9に示すように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末を組み合わせた場合、抗折力は、Gr粉末の配合割合が0.3〜0.45質量%で両ベース粉末材の抗折力の上限近くまたはそれ以上まで向上した。このとき抗折力は、Gr粉末の配合割合が0.4質量%で最高値となり、3403MPaとなった。この値は、強化粉末を含まない実施例3−2のNo.3の組み合わせを用いた試験片よりも僅かではあるが高い値であった。
(6)実施例4−2
本実施例は、実施例3−2で示したNo.3の組み合わせを用いた試験片において、強化元素としてV、Ni、Cuのうちの一種以上を含む鉄系粉末を粗粉末または微粉末として用いた実施例である。
前述した鉄系粉末から選んだ組成の異なる粗粉末および微粉末と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。粗粉末と微粉末との組み合せは、下記表6に示すNo.11とNo.12の二種類とした。微粉末の配合割合は、鉄系粉末全体を100質量%として、50質量%とした。また、原料粉末全体を100質量%としたときに、Gr粉末の配合割合を0.3質量%、0.35質量%、0.4質量%、0.45質量%、0.5質量%、0.55質量%、0.6質量%のいずれかとした。
これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる板状試験片を得た。得られた各試験片の抗折力を、抗折試験により求めた。表6に、Gr粉末の配合割合の異なる各試験片の抗折力を示す。また、図10および図11に、Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示す。なお、表6および図10、図11には、粗粉末と微粉末との各ベース粉末を、上記同様に成形、焼結して製造した板状試験片(ベース粉末材)の抗折力も併せて示す。
Figure 2006233331
表6および図10、図11に示すように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末を組み合わせた場合、抗折力はGr粉末の配合割合が0.4質量%で最高値となり、両ベース粉末材を上回る値となった。また、その場合の抗折力は、Gr粉末の配合割合が0.4質量%で3400MPaを上回り、大変優れた強度を示した。この値は、強化元素を含まない実施例3−2のNo.3の組み合わせを用いた試験片よりも高い値であった。
(7)実施例5
Astaloy Mo、Astaloy CrLまたはAstaloy CrM(ベース粉末)を分級せずに単独で用い、各粉末に、上記同様、FMS粉末(組成I)と、Gr粉末と、を適宜配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。FMS粉末の配合割合は0.1質量%とし、Gr粉末の配合割合は0.3質量%、0.4質量%、0.5質量%の三種類とした。これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、板状試験片(ベース粉末材)を製造した。そして、得られた板状試験片の側面の硬さを、ビッカース硬さ計により荷重30kgで測定した。Gr粉末の配合割合に対するベース粉末材の硬さを表7に示す。
Figure 2006233331
先の実施例3−1の結果より、No.3の組み合せ(Astaloy Mo+Astaloy CrM)では、Gr粉末の配合割合が0.4質量%で、抗折力が最高値となった。この結果と、先の実施例2に示したNo.1〜No.3の三種類の組み合せ(Gr量0.4質量%)とを併せて考えると、表7より、粗粉末からなる部分の好適なビッカース硬さは、499〜516MPaであり、微粉末からなる部分の好適なビッカース硬さは、516〜547MPaであるといえる。つまり、微粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(A)とし、粗粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(B)とすると、以下の式をともに満たすことが確認された。
15≦{Hv(A)−Hv(B)}≦100
450≦Hv(B)≦530
(8)実施例6
先の実施例で示したNo.1〜No.3の三種類の組み合せに加えて、さらに「63μm以上のAstaloy CrL粉末(粗粉末)、および63μm未満のAstaloy Mo粉末(微粉末):No.4」、「63μm以上のAstaloy CrM粉末(粗粉末)、および63μm未満のAstaloy Mo粉末(微粉末):No.5」の二種類の組み合せの鉄系粉末を用いて、上記と同様にして原料粉末を調製した。粗粉末と微粉末との組み合せを、下記表8に示す。これらの原料粉末を、上述した金型潤滑温間加圧成形法により圧力1568MPaで成形し、得られた各粉末成形体を焼結後、熱処理して、各種鉄基焼結合金からなる円柱型試験片を得た。
得られた各円柱型試験片について、焼結前後の寸法変化(高さ変化ΔTおよび外径変化ΔD)を求めた。微粉末の配合割合に対するΔD、ΔTの変化を、それぞれ図12、図13に示す。なお、比較のため、前述した三種類の鉄系粉末(ベース粉末)から製造された円柱型試験片(ベース粉末材)の寸法変化を、表9に示す。なお、表9において、「分級前」とは分級せずに単独で用いた粉末、「+63um」とは粗粉末のみ、「−63um」とは微粉末のみ、からなる原料粉末を示す。
Figure 2006233331
Figure 2006233331
表9および図12に示すように、粒度および組成の異なる二種類の鉄系粉末からなるNo.1〜5の組み合わせを用いた試験片の外径変化ΔDは、各ベース粉末材のΔDと同等、若しくはそれより小さくなった。また、表9および図13に示すように、No.1〜5の組み合わせを用いた試験片の高さ変化ΔTは、各ベース粉末材のΔTよりも大きくなった。ここで、ΔD、ΔTのマイナス値は、焼結体が粉末成形体から収縮していることを意味する。ΔD、ΔTがマイナスとなる焼結体であれば、膨れが発生しておらず、鉄基焼結合金として実用上問題はない。
本発明の鉄基焼結合金の一態様の製造過程を模式的に示した説明図である。 微粉末を配合しない(X=0%)試験片断面の光学顕微鏡写真である。 微粉末を25質量%配合した(X=25%)試験片断面の光学顕微鏡写真である。 微粉末を50質量%配合した(X=50%)試験片断面の光学顕微鏡写真である。 微粉末を75質量%配合した(X=75%)試験片断面の光学顕微鏡写真である。 粗粉末を配合しない(X=100%)試験片断面の光学顕微鏡写真である。 微粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 微粉末の配合割合に対するたわみ量の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力、たわみ量の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 Gr粉末の配合割合に対する抗折力の変化を示すグラフである。 微粉末の配合割合に対するΔDの変化を示すグラフである。 微粉末の配合割合に対するΔTの変化を示すグラフである。
符号の説明
1:原料粉末
2:粉末成形体
3:鉄基焼結合金
10,20:鉄系粉末
100,200:粒子
30:黒鉛粉末
300:黒鉛粒子

Claims (16)

  1. 粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を含む原料粉末を加圧成形した粉末成形体を焼結させてなる鉄基焼結合金。
  2. 前記鉄系粉末は、純鉄粉、鉄合金粉、およびこれらの混合粉のいずれかである請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  3. 前記鉄系粉末は、相対的に粒径の大きな粒子からなる粗粉末と粒径の小さな粒子からなる微粉末との二種類である請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  4. 前記粗粉末を構成する粒子の粒径は63μm以上であり、
    前記微粉末を構成する粒子の粒径は63μm未満である請求項3に記載の鉄基焼結合金。
  5. 前記微粉末の配合割合は、前記鉄系粉末全体を100質量%としたときの20質量%以上75質量%以下である請求項3に記載の鉄基焼結合金。
  6. 前記粗粉末は、該粗粉末全体を100質量%として0.25〜2.0質量%のCrおよび0.2〜3.0質量%のMoの少なくとも一方を含み残部が鉄である鉄合金粉、または純鉄粉からなり、
    前記微粉末は、該微粉末全体を100質量%として、Crが1.0〜15.0質量%、残部が鉄の鉄合金粉、またはCrが1.0〜15.0質量%、Moが0.2〜1.0質量%、残部が鉄の鉄合金粉からなる請求項3に記載の鉄基焼結合金。
  7. 前記原料粉末は、V、Mn、Si、Ti、Nb、Ni、Cuから選ばれる一種以上の強化元素を粉末全体として含有する強化粉末を含む請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  8. 前記原料粉末は、さらに黒鉛粉末を含む請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  9. 前記黒鉛粉末は、前記原料粉末を100質量%として0.2〜1.0質量%である請求項8に記載の鉄基焼結合金。
  10. 前記黒鉛粉末は、前記原料粉末を100質量%として0.3〜0.6質量%である請求項8に記載の鉄基焼結合金。
  11. 焼結後に熱処理が施され、前記鉄系粉末の種類により硬さの異なる焼き戻しマルテンサイトからなる組織を持つ請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  12. 焼結後に熱処理が施され、前記微粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(A)とし、前記粗粉末からなる部分のビッカース硬さをHv(B)としたとき、次式(1)および(2)を満たす請求項3に記載の鉄基焼結合金。
    15≦{Hv(A)−Hv(B)}≦100 ・・・(1)
    450≦Hv(B)≦630 ・・・(2)
  13. 焼結後の密度が7.5g/cm3 以上である請求項1に記載の鉄基焼結合金。
  14. 粒度および組成の異なる二種類以上の鉄系粉末を含む原料粉末を加圧成形して粉末成形体とする成形工程と、
    該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程と、
    を備える鉄基焼結合金の製造方法。
  15. 前記成形工程は、高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された金型へ前記原料粉末を充填する充填工程と、
    該金型内の原料粉末を温間で加圧して該金型内面に接する該原料粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる温間加圧成形工程と、を含む請求項14に記載の鉄基焼結合金の製造方法。
  16. 前記焼結工程は、酸素分圧が10-19 Pa以下に相当する極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気内で行う工程である請求項14に記載の鉄基焼結合金の製造方法。
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