JP2006232989A - インクジェットインク、インクジェットインクの製造方法、および印字方法 - Google Patents

インクジェットインク、インクジェットインクの製造方法、および印字方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 顔料粒子が良好に分散され、オンデマンドプリント用UV硬化型インクジェットインクとして好適に用い得るインクジェットインクを提供する。
【解決手段】 重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のブラック顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであり、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記ブラック顔料のゼータ電位は、−10mV以上+100mV以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェットインク、インクジェットインクの製造方法、および印字方法に関する。
インクジェット方式のプリンタに用いられるインクとしては、耐水性、対光性などの印字品質を改善するために、顔料を用いたインクが提案されている。特に、高速硬化が可能で有機溶剤の揮発も少なく、密着性に優れる紫外線硬化型のインク(UVインク)が注目されつつある。
このようなUVインクとしては、ラジカル重合性モノマーと光重合開始剤と顔料とを含有したものが代表的である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。また、カチオン重合性モノマーと光カチオン発生剤と顔料とを含有した光重合性のUVインクも提案されている(例えば、特許文献3、4、5、6、7参照)。UVインクを含有するインク層は、光照射により瞬時に非流動化することができるので、高品質の印刷物を安全に得ることができる。こうした速乾印刷用途に用いられるインクジェット記録装置では、通常、高速化を図るために印字ヘッドを線状に配列し、印字面に対して1パスで印刷が行なわれる。このため、吐出上のエラーは、印刷面の線上の印刷不良(抜け)となるので、極力低減することが必要である。すなわち、このような使途のインクには、非常に高い印字精度や吐出安定性を達成するための材料の安定性が要求されている。
カチオン重合タイプのインクは、ラジカル重合型インクの密着性と酸素による硬化阻害の理由による低感度化などを改良することができる。このインクは、反応性が高いため本質的に粘度等の物性変化が大きく不安定である。これは、何らかの要因(例えば熱など)で活性種が一旦発生すると容易に失活せず、インクの暗反応が多いことに起因している。
さらに近年の研究では、これらのインクの安定性を高めるためには、マクロだけでなくミクロにもインクの状態を安定化させる必要があることが明らかとなった。例えば、顔料の粒子径が小さく、その分散安定性が高いほど、インクの印字エラーは減少する。上述したカチオン重合系のようなインクをはじめ、イオン性物質(重合開始剤や界面活性剤など)が系中に含有されるインクは、コロイド分散系における塩析と類似した作用により、一般に従来のラジカル重合系と比較して、経時的に凝集を引き起こしやすい。その結果、保存安定性に劣るという問題があった。反応により粘性、表面張力、弾性力等が変化すると、インクの飛翔形状の乱れ、印字再現性の減少、最悪の場合には吐出不良、インクつまりなどの致命的状態に陥りやすいため、この問題は極めて深刻であった。
顔料粒子の分散安定性の指標としては、従来ゼータ電位が用いられることがあったが、これは分散媒が水系である場合に限られていた(例えば、特許文献8、9参照)。上述したような重合性モノマーを用いたUVインクの場合には、実際に粒径や粘度などの経時変化を調べることによって、分散安定性を確認する以外に方法がなかった。
特開平8−62841号公報 特開2001−272529号公報 特公平2−47510号公報(EUP−0071345−A2) 特開平9−183928号公報 特開2001−220526号公報 特開2000−44857号公報 特開平10−250052号公報 特開平11−35861号公報 特開2003−96350号公報
本発明は、顔料粒子が良好に分散され、オンデマンドプリント用UV硬化型インクジェットインクとして好適に用い得るインクジェットインクを提供することを目的とする。
また本発明は、かかるインクジェットインクを製造する方法、およびかかるインクジェットインクを用いた印字方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるインクジェットインクは、重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のブラック顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記ブラック顔料のゼータ電位は、−10mV以上+100mV以下であることを特徴とする。
本発明の他の態様にかかるインクジェットインクは、重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のシアン顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記シアン顔料のゼータ電位は、+30mV以上+100mV以下であることを特徴とする。
本発明の他の態様にかかるインクジェットインクは、重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のイエロー顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記イエロー顔料のゼータ電位は、−15mV以上+100mV以下であることを特徴とする。
本発明の他の態様にかかるインクジェットインクは、重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上50重量%以下の割合で配合された平均粒子径300nm以下のホワイト顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記ホワイト顔料のゼータ電位は、+40mV以上+100mV以下であることを特徴とする。
本発明の一態様にかかるインクジェットインクの製造方法は、重合性化合物を含む有機系分散媒、顔料、および第1の樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物と、第2の樹脂分散剤としての樹脂系高分子分散剤とを含有し、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記顔料のゼータ電位が正の値であるインクジェットインクの製造方法であって、
前記第1の樹脂分散剤により、前記顔料を前記有機系分散媒に分散させて顔料分散体を得る工程と、
前記顔料分散体にイオン性化合物を添加する工程と、
前記第2の樹脂分散剤を加える工程とを具備し、
さらにこれらの混合物をエージングする工程を具備することを特徴とする。
本発明の一態様にかかる印字方法は、インク供給路に、前述のインクジェットインクを供給する工程と、
前記インクジェットインクをインクジェットヘッドから媒体に吐出する工程と、
前記媒体に吐出された前記インクジェットインクに放射線を照射して、硬化させる工程とを具備し、
前記インクジェットインクは、前記インク供給路および前記インクジェットヘッドの少なくとも一方において、電極により電場を与えられることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、顔料粒子が良好に分散され、オンデマンドプリント用UV硬化型インクジェットインクとして好適に用い得るインクジェットインクが提供される。また本発明によれば、かかるインクジェットインクを製造する方法、およびかかるインクジェットインクを用いた印字方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクは、顔料を有機系分散媒に分散してなる顔料分散体を、希釈溶媒で希釈することによって調製されたインクである。より具体的には、インクジェット方式によって記録装置の印刷ヘッドから吐出されることが意図されるインクジェット用インクである。
着色顔料としては、所望される光学的な発色・着色機能を有し、平均粒子径が200nm以下であれば特に限定されず、任意のものを用いることができる。平均粒子径が200nmを越えると、インクジェットヘッドからの吐出の際に吐出不良が多く発生してしまうことから、インク中における顔料の平均粒子径は200nm以下に規定される。顔料の平均粒子径は、好ましくは180nm以下である。顔料の粒子径は、例えば以下のような手法により求めることができる。まず、インク試料を500倍程度に溶媒に希釈し、この希釈した試料について動的光散乱法による粒子径測定を行ない、キュムラント解析によりキュムラント平均粒子径を算出する。こうして得られた値を、顔料の平均粒子径とする。
使用可能な顔料としては、例えば、光吸収性の顔料を挙げることができる。具体的には、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、ならびにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末からなる顔料が挙げられる。
また、例えば、染料キレート、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、ならびにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
黒インクで使用可能な顔料としては、例えば、コロンビア社製のRaven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、およびSpecial Black 4などのようなカーボンブラックを挙げることができる。
また、シアンインクで使用可能な顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:34、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Vat Blue 4、およびC.I.Vat Blue 60等が挙げられる。
イエローインクで使用可能な顔料としては、例えば、Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14C、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow95、C.I.Pigment Yellow97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150およびPigment Yellow 180等が挙げられる。特にこれらの黄色顔料の中で、酸に対する色劣化が少ないPigment Yellow 180が望ましい。
また、天然クレイ、鉛白や亜鉛華や炭酸マグネシウムなどの金属炭酸化物、バリウムやチタンなどの金属酸化物のような白色顔料も有用である。白色顔料を含有したインクジェット用インクは、白色印刷に使用可能なだけでなく、重ね書きによる印刷訂正や下地補正に使用することができる。ただし、白色顔料では平均粒子径が小さすぎると十分な発色が得られず、また平均粒子径が300nmを越えるとインクジェットヘッドからの吐出の際に吐出不良が多く発生してしまうことから、白色顔料の平均粒子径は300nm以下に規定される。
ここで使用される顔料は、発色・着色性に加えて、磁性、蛍光性、導電性、あるいは誘電性等のような他の性質をさらに示すものであってもよい。この場合には、画像に様々な機能を付与することができる。また、耐熱性や物理的強度を向上させ得る粉体を加えてもよい。
蛍光性を示す顔料としては、無機蛍光体および有機蛍光体の何れを使用してもよい。無機蛍光体の材料としては、例えば、MgWO4、CaWO4、(Ca,Zn)(PO42:Ti+、Ba227:Ti、BaSi25:Pb2+、Sr227:Sn2+、SrFB23.5:Eu2+、MgAl1627:Eu2+、タングステン酸塩、イオウ酸塩のような無機酸塩類を挙げることができる。また、有機蛍光体の材料としては、例えば、アクリジンオレンジ、アミノアクリジン、キナクリン、アニリノナフタレンスルホン酸誘導体、アンスロイルオキシステアリン酸、オーラミンO、クロロテトラサイクリン、メロシアニン、1,1'−ジヘキシル−2,2'−オキサカルボシアニンのようなシアニン系色素、ダンシルスルホアミド、ダンシルコリン、ダンシルガラクシド、ダンシルトリジン、ダンシルクロリドのようなダンシルクロライド誘導体、ジフェニルヘキサトリエン、エオシン、ε−アデノシン、エチジウムブロミド、フルオレセイン、フォーマイシン、4−ベンゾイルアミド−4'−アミノスチルベン−2,2'−スルホン酸、β−ナフチル3リン酸、オキソノール色素、パリナリン酸誘導体、ペリレン、N−フェニルナフチルアミン、ピレン、サフラニンO、フルオレスカミン、フルオレセインイソシアネート、7−クロロニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾル、ダンシルアジリジン、5−(ヨードアセトアミドエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸、5−ヨードアセトアミドフルオレセイン、N−(1−アニリノナフチル4)マレイミド、N−(7−ジメチル−4−メチルクマニル)マレイミド、N−(3−ピレン)マレイミド、エオシン−5−ヨードアセトアミド、フルオレセインマーキュリーアセテート、2−(4'−(2''−ヨードアセトアミド))アミノナフタレン−6−スルホン酸、エオシン、ローダミン誘導体、有機EL色素、有機ELポリマーや結晶、デンドリマー等を挙げることができる。
また、本発明の実施形態にかかる顔料分散体においては、色彩調整に、顔料の補助成分として染料を添加することが可能である。例えば、アゾイック染料、硫化(建材)染料、分散染料、蛍光増白剤、油溶染料のような、酸性または塩基性が低く、溶媒に対して溶解性の高い染料が通常用いられる。なかでもアゾ系、トリアリールメタン系、アントラキノン系、アジン系などの油溶染料が好適に用いられる。例えば、C.I.Slovent Yellow−2、6、14、15、16、19、21、33,56,61,80など、Diaresin Yellow−A、F、GRN、GGなど、C.I.Solvent Violet−8,13,14,21,27など,C.I.Disperse Violet−1、Sumiplast Violet RR、C.I.Solvent Blue−2、11、12、25、35など、Diresin Blue−J、A、K、Nなど、Orient Oil Blue−IIN、#603など、Sumiplast Blue BGなどを挙げることができる。
上述した顔料(および染料)は、吸光性、彩度、色感などを高めるために、単独であるいは2種以上の混合物として使用することができる。
着色顔料成分は、有機系分散媒に対して、2重量%以上30重量%以下の量で配合される。2重量%未満の場合には、その後の加工で色材とした場合に充分な色濃度を確保することが困難となる。一方、30重量%を越えると、安定性が低下する場合がある。より好ましくは、着色顔料成分の含有量は、有機系分散媒に対して3重量%から27重量%の範囲である。白色顔料の場合は、有機系分散媒に対して2重量%以上50重量%以下の量で配合される。2重量%未満の場合には、その後の加工で色材とした場合に充分な色濃度を確保することが困難となる。一方、50重量%を越えると、安定性が低下するといった不都合が生じる。より好ましくは、白色顔料の含有量は、有機系分散媒に対して5重量%から30重量%の範囲である。
上述した顔料粒子の平均粒径は、インクジェット吐出可能で、その機能を発現可能な限り小さいことが望ましい。こうした顔料粒子の粒径は、通常、インクジェットインクを吐出するノズルの開口径の1/3以下であり、より好ましくは1/10程度である。なお、このサイズは典型的には10μm以下であり、好ましくは5μm以下である。印刷用インクジェットインクとして好適な粒子径は0.3μm以下の大きさであり、通常は0.05〜0.2μmの間の平均粒子径を有する。
本発明の実施形態においては、顔料粒子を有機系分散媒中に均一に分散させるために樹脂分散剤が用いられる。この樹脂分散剤は、顔料粒子と有機系散媒の間に入り込んで顔料粒子の凝集を妨げる。さらに、分散媒への親和力を高めて、顔料粒子が沈降することを阻害するといった作用を有する。基本的には、分散媒に対する親和性が良好で、顔料同士の凝集を阻止する立体的分離性を有する任意の樹脂を、樹脂分散剤として使用することができる。例えば、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂等の一種以上を主成分とするものが挙げられる。以下、こうした樹脂系分散剤を第1の樹脂分散剤と称する。
顔料粒子の分散性を高める分散剤として作用するために、上述したようなポリマーにおいては、ポリマー末端は、顔料に対する結合性や親和力を有することが好ましい。一方のポリマー主鎖は、分散媒への親和性、さらには、他の顔料粒子との再凝縮を阻害する物理的斥力または静電的斥力を備えていることが望まれる。例えば、分散媒と同等の(±5MPa1/2程度)溶解度パラメ−ターを有し、分子量数百〜数万、重合度10〜200程度であって、摂氏10℃以上200℃以下のTgを有するポリマーが好ましい。さらに、比較的強い化学結合(共有結合、静電力等)を末端に有することによって、顔料に対する親和力を有するポリマーが望ましい。通常、2種ないし数種のモノマーを含む共重合体とすることによって、このような複合機能を付与することができる。かかるポリマーとしては、ブロック共重合体も好適に用いることができる。
上述したようなポリマーの末端は、必ずしも単一である必要はないが、一般にグラフト共重合した先端部や、櫛形ポリマーの先端部などに導入することができる。こうしたポリマーは、結合が強固なうえに、顔料粒子同士の再凝集が抑えられる立体障害を形成しやすい。
このようなポリマーを合成するためのモノマーとしては、例えば、スチレンおよび置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミド類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、イタコン酸およびそのエステル化合物、ヒドロキシスチレンおよびその水素原子置換誘導体などが挙げられる。また、長鎖のアルキルや、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル鎖などをエステル側鎖に有するモノマーは、前述の櫛型ポリマーを形成するうえで有利である。
ポリマーとしては、次のものを用いることもできる。例えば、poly(oxyphthaloyloxymethylene-1,4-phenylenemethylene)、poly(1,4-cyclohexylenedimethylene succinate)のようなジヒドロキシ化合物とジカルボン酸との脱水縮合によるポリエステル化合物;アジピン酸とヘキサメチレンジアミンのようなジアミンとジカルボン酸との縮合によって得られるポリアミド類;ε−カプロラクタムのような環状ラクトンの開環によって得られるポリアミド類;ピロメリット酸などのテトラカルボン酸と脂肪族ジアミンとが縮合してなるポリアミド類のうち比較的Tgの低いポリマー;イソフォロンジシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートとジヒドロキシ化合物とが反応したポリウレタン系樹脂;ポリビニルピリジン系化合物;ポリジメチルシロキサンおよびそのラダー形ポリマー;ポリビニルアルコールやビニルエーテル化合物;および比較的リジッドな骨格を有するオキシラン化合物が重合したポリエーテル系重合体などである。これらのポリマーの末端は、顔料に対して親和力のある官能基を有する化合物でキャップされていてもよい。使用し得る官能基としては、例えばアミノ基やリン酸基などが挙げられる。
さらに、重合性基および両親媒性を有する重合性界面活性剤と、架橋性モノマーおよび/または単官能モノマーとを重合させて得られる高分子化合物もまた、第1の樹脂分散剤として好ましく用いられる。重合性界面活性剤における重合性基としては、不飽和炭化水素基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、およびビニレン基などが挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。重合性界面活性剤における親水性基は、分散媒に応じて選択することができる。分散媒が水系の場合には、スルホン基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基およびこれらの塩等の一種以上が好ましく用いられる。一方、分散媒が油性の場合には、カルボキシル基やそのエステル、ラクトン系化合物、カルボニル基、およびヒドロキシル基などが挙げられる。
顔料粒子の分散安定性を高めるために、顔料の表面修飾を行なうことも有効である。表面修飾を行なうことによって、第1の樹脂系分散剤と顔料粒子との結合性が高められる。例えば、代表的な分散剤末端であるアミノ基との結合が強いカルボキシル基や、スルホン酸基を顔料粒子の表面に部分的に形成した場合には、顔料の分散安定性を飛躍的に高めることが可能となる。こうした官能基で顔料表面を修飾するためには、例えば顔料粒子の表面を適当な酸化剤によって酸化するといった手法を採用することができる。あるいは、スルホン化剤などを作用させてもよい。スルホン化剤としては、硫酸、発煙硫酸、SO2、SO3単独もしくはおよびハロゲン化スルホン酸などの誘導体、さらには希土類との触媒の組み合わせが挙げられる。さらに、スルホン酸基を有するオルガノメタリックあるいはビニル化合物などのような反応性に富んだ化合物などを、スルホン化剤として用いることもできる。
またさらに、Strecker's Reactionなども、顔料粒子の表面修飾に好適に用いることができる。この反応においては、ハロゲン化処理が施された顔料粒子に、ソジウムサルファイドのような塩を作用させることによって、表面修飾が施される。一般に、顔料に対して物理的吸着力の高いスルホン修飾顔料(シナジスト)を顔料表面に吸着させた場合も、同様の効果が得られることがある。通常、スルホン化剤で表面が直接修飾された表面修飾顔料は、シナジストと比較して顔料とスルホン酸基との結合力に優れており、分散安定性が良好である。したがって、スルホン化剤を用いるのが好適である。ただし、取り扱いの容易さやコストの面から、シナジストを用いても、その安定性が維持できていれば問題がない。
さらに強力な表面修飾とするには、上述した樹脂分散剤と顔料粒子との共有結合形成に加えて、マイクロカプセル化処理などを施すことがより好ましい。マイクロカプセル化顔料は、公知の手法により製造することができる。例えば、相分離法(コアセルベーション)、液中乾燥法(界面沈殿法)、スプレードライング法、パンコーティング法、液中硬化被覆法、界面重合法、in situ法、および超音波法等といった手法などが挙げられる。より具体的には、特開平9−151342号公報に記載されているアニオン性マイクロカプセル化顔料の製法や、特開平10−316909号公報に記載されている方法を採用することができる。
官能基による修飾率は、例えば修飾元素が硫黄原子やリンなどを含む場合、EDXなどの表面分光分析法などによって直接的に測定することができる。この場合、対象となる元素含有量が、顔料粒子の表面組成の0.1%程度以上であることが望まれる。修飾率が大きすぎる場合には、顔料の酸性度が強くなりすぎて分散媒と反応し、顔料粒子の凝集や分散体の増粘が加速されるおそれがある。こうした不都合を避けるために、修飾率は最大でも30%程度にとどめておくことが望まれる。EDXなどにより求めにくいカルボン酸や、樹脂による被覆率などの修飾率は、吸着法などにより定量した表面積と、滴定法などから見積もった修飾基の数により概算することができる。あるいは、顔料粒子が分解しない程度までの熱重量分析等を行なって、修飾率を概算することも可能である。
第1の樹脂分散剤の適切な添加量は、顔料の種類に応じて異なる。例えば、ブラック顔料およびシアン顔料であれば、顔料重量に対して10%以上30%以下の割合で添加し、イエロー顔料の場合には、第1の樹脂分散剤の添加量は、顔料重量に対して10%以上60%以下である。また、白色顔料であれば、第1の樹脂分散剤の添加量は、顔料重量に対して5%以上30%以下である。いずれの顔料の場合も、第1の樹脂分散剤の添加量が少なすぎる場合には、十分な効果を得るのが困難となる。一方、第1の樹脂分散剤の添加量が多すぎる場合には、インクジェット用分散体としての粘度が著しく上昇したり、分散体の安定性が低下して凝集を生じやすくなるといった不都合が生じる。
適切な範囲の添加量で第1の樹脂分散剤を用いることによって、樹脂被覆された顔料が製造される。こうした樹脂被覆顔料を、所定の割合で有機系分散媒に分散させることによって、本発明の実施形態にかかるインクジェットインクを製造するための顔料分散体が得られる。
本発明の実施形態において用いられる有機系分散媒は、酸もしくはラジカルの存在下で重合する特性を有する重合性化合物から実質的になるものである。「分散媒は重合性化合物から実質的になる」ことは、「分散媒が重合性化合物のみからなる」ことと、「重合性化合物と不可避的に混入した微量の不純物とからなる」こととを包含する。また、「不可避的に混入した微量の不純物」は、全分散媒中に最大で10重量%以下の濃度で存在することができる。好ましくは通常5重量%以下である。これを越えると、実質的に残りの溶剤が空気中に飛散し、安全上の問題が低下したり、硬化物内部に残存したりして、硬化性能が低下するおそれがある。本発明の実施形態における分散媒としては、光カチオン硬化型インクジェットインクで用いられる酸の存在下で重合する化合物のとき、光酸発生剤とイオン性化合物とが兼用されるので最も好適であるが、他の光硬化型インクジェットインクで用いられる重合性化合物においても効果がある。なお、酸重合性化合物は、光カチオン重合性化合物とも称される。
有機系分散媒は、顔料分散体において顔料を分散するための分散媒として用いられる。同様の有機系分散媒を溶媒として用いて、顔料分散体を希釈することによって、本発明の実施形態にかかるインクジェットインクが得られる。以下においては、基本的には顔料分散体の分散媒について説明するが、インクジェットインク用の溶媒としての説明も記載する。
酸の存在下で架橋する重合性化合物は、単独で50℃以下において粘度100cp(=mPa・s)以下程度の流動性を有していることが望ましい。そのような化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタン基、オキソラン基などのような環状エーテル基を有する分子量1000以下の化合物が挙げられる。また、こうした置換基を側鎖に有するアクリルまたはビニル化合物、カーボネート系化合物、低分子量のメラミン化合物、ビニルエーテル類やビニルカルバゾール類、スチレン誘導体、アルファ−メチルスチレン誘導体、ビニルアルコールとアクリル、メタクリルなどのエステル化合物をはじめとするビニルアルコールエステル類など、カチオン重合可能なビニル結合を有するモノマー類を併せて使用することが挙げられる。
本発明の実施形態における顔料分散体は、特にインクジェット用途へ適用するために、25℃における粘度が100mPa・s以下(通常、分散媒の粘度は最大で30mPa・s程度である。)であることが望まれる。こうした範囲の粘度となるよう、上述した顔料は、所定の分散媒に分散される。本発明の実施形態においては、分散媒としては、25℃における粘度が30mPa・s以下であり、1気圧で150℃以上の沸点を有する化合物が望ましく、光硬化性を考慮すると、カチオン重合性化合物を主成分とする分散媒が特に好ましい。分散媒の粘度の上限を規定したことによって、顔料粒子の分散性が向上するとともに十分な流動性を付与することができる。また、沸点の下限を規定したことによって、分散体に含有される有害な揮発性分を極力低減することが可能となった。分散媒の粘度が30mPa・secを越えると、特にインクジェットインクとして加工する場合、正常なインク吐出が困難になる。
酸の存在下で重合する重合性化合物が脂肪族骨格や脂環式骨格を有する場合には、上述した他の成分とともに用いると、露光時のインクジェットインクの透明度が高められる。その結果、硬化後のインク層に適切な熱可塑性や再溶解性を付与することができる。そのため、感度、定着性、転写性、およびメンテナンス性といった性能が向上する。特に、重合性化合物が脂環式骨格を有するエポキシ化合物である場合には、反応性に加えて、ある程度の高沸点と低粘度とを両立させることができる。
少量であれば、比較的分子量が高く、例えば常温で固体のような粘性が高い化合物が、分散媒中に含有されて分散媒の一部を構成してもよい。こうした成分が含有されることによって、顔料粒子の分散性をさらに高めるとともに、硬化後のインク層の可撓性を向上させることが可能となる。さらに価数の大きな反応性の高い化合物を用いた場合には、硬化物の硬度や溶媒耐性が高められる。そのような化合物としては、例えば、長鎖アルキレン基などによって結合されたエポキシ基、オキセタン基、オキソラン基などのような環状エーテル基を有する分子量5000以下の化合物;上述したような置換基を側鎖に有するアクリルまたはビニル化合物;カーボネート系化合物;低分子量のメラニン化合物;ビニルエーテル類やビニルカルバゾール類、スチレン誘導体、アルファ−メチルスチレン誘導体、ビニルアルコールとアクリル、メタクリルなどとのエステル化合物をはじめとするビニルアルコールエステル類など;カチオン重合可能なビニル結合を有するモノマーおよびそのモノマー1種以上が重合したオリゴマーが挙げられる。
また、分散媒には、上述した成分に加えて、次のような化合物が含有されていてもよい。例えば、ビニルアルコールの単独もしくは共重合体;カゼイン、セルロースのように酸反応性・脱水縮合性のOH基、COOH基、アセタール基等を有する分子量5000以下の樹脂;分子量5000以下のポリカーボネート樹脂;ポリアミック酸、ポリアミノ酸もしくはアクリル酸と側鎖に酸重合性二重結合を有するビニル化合物との共重合体;ビニルアルコールと側鎖に酸重合性二重結合を有するビニル化合物との共重合体;およびメチロール化されたメラミン化合物からなる群から選択される化合物などが挙げられる。
特に、次のような組成のインクジェットインクを調製する場合には、溶媒の少なくとも50重量部は、常温常圧で50mPa・s以下の粘度、摂氏150℃以上の沸点を有する脂環式骨格および/または脂肪族骨格を有する酸重合性化合物であることが好ましい。インク中の光酸発生剤の含有量が、酸重合性化合物100重量部に対して1重量部以上10重量部以下であり、色成分として顔料が用いられる場合である。
脂環式骨格および/または脂肪族骨格を有する酸重合性化合物を用いることによって、露光時のインクジェットインクの透明性を高めることができる。その結果、硬化後のインク層に適切な熱硬化性や再溶解性を付与することができる。そのため、感度、定着性、転写性、メンテナンス性が向上する。特に、脂環式骨格を有するエポキシ化合物の場合には、反応性に加えて、ある程度の高沸点と低粘度とを両立することができる。
酸重合性化合物の常温常圧における粘度が50mPa・s以下であることによって、インクジェットインクに充分な流動性を付与することができる。また、沸点が150℃以上であることによって、インクジェットインクに含有される揮発性分を極力低減することが可能となる。
エポキシ基を有する酸重合性化合物としては、例えば、炭素数1乃至15程度の2価の脂肪族骨格または脂環式骨格を有する炭化水素基の少なくとも一方の末端に、エポキシ基または脂環式エポキシ基を有する化合物が挙げられる。また、脂肪族鎖または脂環式骨格を一部に有する2価の基の少なくとも一方の末端に、エポキシ基または脂環式エポキシ基を有する化合物も用いることができる。
こうした条件を備えたエポキシ化合物を溶媒として用いる場合には、インクジェットインクの溶媒中に少なくとも50重量部含有されていれば、その効果を発揮することができる。なお、エポキシ化合物のみで溶媒を構成する場合には、その含有量はインクジェットインク全体に対して30重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましい。30重量%未満の場合には、ノズルつまりが生じたり、熱可塑性が低下するおそれがある。
化合物の分子骨格に導入されるエポキシ基の数は特に制限されないが、硬化後のインク層に可撓性や再溶解性を付与するには、多くとも2乃至3程度の価数とすることが望ましい。通常、これらは、粘度が1mPa・sないし30mPa・s程度である低粘度の化合物と同等かそれ以上の粘度を有する化合物の混合体である。ただし、低粘度化合物が過剰に含有されると、インクジェットの吐出が乱れたり、揮発性が増大するおそれがあるので、その化合物の含有量の上限は90重量部にとどめることが望まれる。
下記一般式(3)で表わされるエポキシ化合物を脂環式エポキシ化合物と併用して用いた場合には、印字物の密着性および硬化性を特に向上させることができる。
Figure 2006232989
上記一般式(3)中、R11はグリシジルエーテル基、R12は炭素数1ないし6のアルキレン基または水酸基置換アルキレン基、または炭素数6ないし15の脂環式骨格または水酸基置換の脂環式骨格を有するアルキレン基であり、jは1ないし3である。上記一般式(3)で表わされる化合物の中でも、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルは、酸に対して高い活性を有するため望ましい。
脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、ダイセル化学社製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000に例示される脂環式エポキシ、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物であるサイクロマーA200、サイクロマーM100、MGMAのようなメチルグリシジル基を有するメタクリレート、低分子エポキシ化合物であるグリシドール、β−メチルエピコロルヒドリン、α−ピネンオキサイド、C12〜C14のα−オレフィンモノエポキシド、C16〜C18のα−オレフィンモノエポキシド、ダイマックS−300Kのようなエポキシ化大豆油、ダイマックL−500のようなエポキシ化亜麻仁油、エポリードGT301、およびエポリードGT401のような多官能エポキシなどを挙げることができる。さらに、サイラキュア(米国ダウケミカル社製、脂環式エポキシ化合物)や、水素添加し且つ脂肪族化した低分子フェノール化合物の水酸基末端をエポキシを有する基で置換した化合物、エチレングリコールやグリセリン、ネオペンチルアルコールやヘキサンジオール、トリメチロールプロパンなどの多価脂肪族アルコール/脂環アルコールなどのグリシジルエーテル化合物、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステル、および水添芳香族の多価カルボン酸のグリシジルエステルなどを使用することができる。
また、画像の耐薬品性などを向上させるために、高耐候性および高Tgを有する透明液状エポキシ樹脂等を添加してもよい。こうした樹脂としては、例えば、ダイセル化学社製エポリードPB3600、PB3600Mなどのエポキシ化ポリブタジエン、EHPE3150、EHPE3150CEなどが挙げられる。あるいは、これらに加え、ラクトン変性脂環エポキシ樹脂を併用しても構わない。例えば、ダイセル社製プラクセルGL61、GL62、G101、G102、G105、G401、G402、およびG403Xなどである。
なかでも、セロキサイド2000、セロキサイド3000、α−ピネンオキサイドエチレングリコールやグリセリン、ネオペンチルアルコールやヘキサンジオールのアルコールをグリシジルエーテルに変性した化合物は、粘度および揮発性の観点から望ましい。特に、天然物を出発原料としたリモネンジオキサイド(製品名:セロキサイド3000)は、粘度や反応性の観点で望ましいものとなる。
溶媒(酸重合性化合物)として、脂環式エポキシ化合物と脂肪族エポキシ化合物とを組み合わせて用い、以下のような組成で調製されたインクジェットインクは、感光性能に加えて、硬化後のインク層の硬度、密着性、および転写性も申し分ないものとなる。具体的には、酸重合性化合物としては、テルペノイド骨格またはノルボルナン骨格を有する脂環エポキシ化合物を30重量部乃至70重量部、および2個以上のグリシジルエーテル基が炭素数6以内の脂肪族骨格を有するエポキシ化合物を30重量部乃至70重量部、光酸発生剤として、フェニルスルフォニウム骨格を有するヘキサフルオロフォスフェート化合物を1重量部乃至6重量部、および色成分として顔料を1重量部乃至10重量部の割合で配合したインクジェットインクである。
脂環エポキシ化合物としては、例えば、リモネン(ジ)オキサイド、(ジ)オキサビシクロヘプタンおよびその置換化合物が挙げられ、炭素数6以内の脂肪族骨格を有するエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジジルエーテル、グリセロールジ(トリ)グリシジルエーテル、および1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのなかでも、リモネンジオキサイドとネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルとの組み合わせが最も好適である。なお、炭素数が6を越えた場合には、硬化後のインク層の硬度や密着性、転写性が低下するおそれがある。炭素数が6を越えた場合であっても、脂環式骨格を構造内に有していれば、硬化後のインクの硬度を維持することが可能である。最大炭素数が15程度までであれば、同様な性状が得られる。このような化合物としては、例えば、水添ビスフェノールAや、ビフェノールのグリシジルエーテル化化合物などが挙げられる。ただし、こうした化合物は一般に粘度が高いため、炭素数6以下のエポキシ化合物を用いることが望まれる。
酸重合性化合物(光カチオン重合性化合物)としては、リモネンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ビニルエーテル構造を含む置換基を有する環状エーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの化合物を用いることによって、インクの硬化性能が高められる。
上述したようにエポキシ化合物を組み合わせて酸重合性化合物とした場合、硬化後のインク層は、最低50℃、好ましくは80℃程度の温度で再流動化するため、定着や転写を良好に行なうことができる。さらに、この場合には、硬化後のインク層がインクジェットインク中に再溶解することが可能となり、あるいは、比較的安全なエタノールなどの低級アルコールやアイソパーなどの低沸点石油成分からなる有機溶媒にも可溶性を呈する。したがって、ノズルつまりが発生するのを抑制することができる。仮にノズルのつまりを生じたとしても、容易に解消することが可能であり、ヘッドメンテナンス性が格段に向上する。
なお、印刷物に要求される特性は、その用途に応じて異なる。例えば、印刷物を缶やペットボトルの外装や油性材料からなる容器の外装などに使用する場合には、印字画像の溶剤耐性が要求される。さらに、より高速な印字にも対応するため、高い硬化速度が要求される場合がある。
そのような場合には、上述してきた脂環式エポキシ化合物や脂肪族エポキシ化合物に加えて、フェノール性水酸基を有する化合物、例えばビスフェノールAのグリシジルエーテル化合物や、フェノールノボラックやポリヒドロキシスチレンをはじめとするフェノール系オリゴマーのグリシジルエーテル化合物や、スチレンオキサイドのような一般の芳香族エポキシ化合物を添加してもよい。
さらに、例えば数十m毎分という高速な印字が求められる場合や、溶剤への耐性が要求される場合には、酸で重合する溶媒として、芳香族オキセタン化合物を使用することによりこれを達成することができる。しかしながら、こうした芳香族オキセタン化合物が溶媒の主成分として用いられると、インクジェットインクの粘度が著しく上昇してしまう。これを避けるため、脂環式または脂肪族エポキシ化合物および/または2価以上の脂肪族または脂環式オキセタン化合物を、さらに添加することが望ましい。かかる脂肪族オキセタンは、その脂肪族構造内の一部にエーテル結合を含有したポリアルキレンオキシド構造であっても構わない。転写性能および粘度適性を考慮すると、芳香族または脂肪族オキセタン化合物の含有量は、0〜40重量部の範囲であることが好ましい。一方、溶剤耐性を考慮すると、脂環式または脂肪族骨格を有するエポキシ化合物の含有量は、50重量部以下が好ましい。また、硬化促進の観点からは、かかるインク内のオキセタン化合物の総添加量は少なくとも40重量部以上であることが望ましく、また、硬化硬度の観点から脂環式骨格と芳香族骨格を有する化合物の総量が、少なくとも30重量部以上であることが望まれる。
これらの範囲を逸脱すると、硬化速度、転写性能、吐出性能、および溶剤耐性の全ての特性を満足することが困難になるおそれがある。
さらに溶解性の高い溶剤への耐性が印刷物に求められる場合は、上述した範囲を越えて、芳香族オキセタン化合物の含有量を増加することができる。これによって粘度の上昇が引き起こされるため、アクリル側鎖にオキセタンを有する化合物や、ビニルエーテル化合物のような低粘度化合物を組み合わせて用いることが望ましい。
2価以上の脂肪族または脂環式オキセタン化合物としては、例えば、(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]シクロヘキサン、ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]シクロヘキサンや、ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ノルボルナンなどの脂環に1以上のオキセタン含有基が導入された化合物が挙げられる。また、エチレングリコールやプロピレングリコール、ネオペンチルアルコールなどの脂肪族多価アルコールに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのようなオキセタン含有アルコールを脱水縮合させたエーテル化合物なども用いることができる。
また、芳香族骨格を含むオキセタン化合物としては、例えば、1,4−ビス((1−エチル−3オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、1,3−ビス((1−エチル−3オキセタニル)メトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス((3−エチル−3オキセタニル)メトキシ)ビフェニル、およびフェノールノボラックオキセタン類が挙げられる。
これらの化合物のなかでも、粘度が低いため[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルが好適に用いられる。オキセタン基を側鎖に有するアクリル化合物またはメタクリル化合物などを用いた場合も、粘度の上昇を抑制できるのに加えて、オキセタン化合物と同様に硬化加速効果を得ることができる。
硬化速度の向上や印字画像の溶剤耐性に加えて、さらなる粘度の低下と硬化硬度の向上が要求される場合には、下記一般式(4)で表わされるビニルエーテル化合物をインクジェットインク中に配合することが好ましい。かかるビニルエーテル化合物は、単独または組み合わせて用いることができる。
脂肪族グリコール誘導体やシクロヘキサンジメタノールなどのメチレン基に結合したビニルエーテル化合物は、通常よく知られている。そうしたビニルエーテル化合物の重合反応は、顔料によって顕著に阻害されるため、インク成分として配合することが従来は困難であった。これに対して、下記一般式(4)で表わされるビニルエーテル化合物においては、脂環式骨格、テルペノイド骨格あるいは芳香族骨格に、ビニルエーテル基が直接結合している。こうした構造のため、かかるビニルエーテル化合物は、顔料と同時に含有されても優れた硬化性能を示す。
上述したビニルエーテル化合物の配合量は、熱可塑性を維持するためには、インクジェットインク全体に対して50重量部以下の割合とすることが望まれる。ただし、熱可塑性が多少損なわれても、より高い溶剤耐性および硬度が要求される場合には、溶媒としての酸重合性化合物の全量を、このビニルエーテル化合物で構成しても構わない。
Figure 2006232989
上記一般式(4)中、R13は少なくともひとつはビニルエーテル骨格を有する基であり、ビニルエーテル基、水酸基から選択される置換基を示す。R14は脂環式骨格あるいは環状エーテル化合物、または芳香環を有する骨格から選択されるp+1価の基であり、pは0を含む正の整数である。
(p+1)価の有機基R14としては、例えば、ベンゼン環やナフタレン環、ビフェニル環を含む(p+1)価の基、シクロアルカン骨格や、ノルボルナン骨格、アダマンタン骨格、トリシクロデンカン骨格、テトラシクロドデカン骨格、テルペノイド骨格、およびコレステロール骨格などの橋かけ脂環化合物から誘導される(p+1)価の基などが挙げられる。
より具体的には、シクロヘキサン(ポリ)オール、ノルボルナン(ポリ)オール、トリシクロデカン(ポリ)オール、アダマンタン(ポリ)オール、ベンゼン(ポリ)オール、ナフタレン(ポリ)オール、アントラセン(ポリ)オール、ビフェニル(ポリ)オールなどの脂環ポリオールやフェノール誘導体おける水酸基の水素原子が、ビニル基に置換された化合物などが挙げられる。また、ポリビニルフェノールやフェノールノボラックなどのポリフェノール化合物における水酸基の水素原子が、ビニル基に置換された化合物などを用いることもできる。上述したような化合物は、水酸基の一部が残留していても、あるいは、脂環式骨格の一部のメチレン原子がケトン基などに置換されていても問題ない。こうした場合には、揮発性が低減するため望ましいものとなる。
特に、シクロヘキシルモノビニルエーテル化合物は揮発性に富むため、シクロヘキシルモノビニルエーテル化合物が用いられる場合は、シクロヘキサン環は少なくともシクロヘキサノン環に酸化されていることが望ましい。
かかる化合物のなかでも、ビニルエーテル構造を含む置換基を有する環状エーテル化合物がより好ましく、硬化性の面では、酸素原子を含む歪んだ5員環骨格と、橋かけ構造とを同時に有する環状エーテル骨格が最も好適である。かかるビニルエーテル化合物は、相当するアルコール化合物と酢酸ビニルのようなビニルエーテル源を出発原料とし、例えば、塩化イリジウムのような触媒を用いて、アルコールをビニルエーテルに置換するような方法(J.Am.Chem.Soc.Vol124,No8,1590−1591(2002))を用いて、合成することができる。
上述した化合物のなかでも、テルペノイド骨格やノルボルナン骨格のような天然に多く存在する骨格を有するエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物は、コストの面で良好である。
本発明の実施形態における分散媒としては、光カチオン重合性化合物のほか、ラジカル重合性化合物を用いることもできる。ラジカル重合性化合物は、光ラジカル発生剤を配合して、光硬化型インクジェットインクの溶媒として適用することもできる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、一般に知られているモノ〜ポリオールのアクリルまたはメタクリルエステル化合物などが挙げられる。モノアクリレートとしては安全性が高いため、テルペノイド骨格をエステル側鎖に有するアクリレートまたはメタクリレート化合物が好適に用いられる。例えば特開平08−82925号公報に開示されたようなアクリル系化合物が、モノマーとして好適に用いられる。例えば、ミルセン,カレン,オシメン,ピネン,リモネン,カンフェン,テルピノレン,トリシクレン,テルピネン,フェンチェン,フェランドレン,シルベストレン,サビネン,ジペンテン、ボルネン、イソプレゴール、またはカルボンなどの不飽和結合を有するテルペンの2重結合をエポキシ化し、アクリル酸またはメタクリル酸を付加させたエステル化合物が挙げられる。あるいは、シトロネロール,ピノカンフェオール,ゲラニオール,フェンチルアルコール,ネロール,ボルネオール,イソボルネオール、リナロール,メントール,テルピネオール,ツイルアルコール,シトロネラール,ヨノン,イロン,シネロール,シトラール,ピノール,シクロシトラール,カルボメントン,アスカリドール,サフラナール,ピペリトール、メンテンモノオール、ジヒドロカルボン、カルベオール、スクラレオール,マノール,ヒノキオール,フェルギノール,トタロール,スギオール、ファルネソール,パチュリアルコール,ネロリドール,カロトール,カジノール,ランセオール,オイデスモール、またはフィトールなどのテルペン由来アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル化合物を用いてもよい。これに加えて、密着性などの改善のためにアルキルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、脂環エポキシを側鎖に有するアクリレートなどの一般のアクリレートやメタクリレート化合物を例示することができる。
また、上述したモノマーの反応性を高めるために、多官能アクリレート類も用いることができる。例えば、多価アルコール化合物のポリアクリレート化合物、多価芳香族アルコールのポリアクリレート化合物、多価脂環アルコールのポリアクリレート化合物、および置換基を有するスチレン系化合物などが挙げられる。かかるモノマーとして、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチルアルコール、トリメチロールプロパンやペンタエリスト−ル、ビニルアルコール系オリゴマーなどのジ〜ポリアクリレート化合物、ウレタンアクリレート系化合物、フェノールやクレゾール、ナフトール、ビスフェノール、およびそれらのノボラック系縮合化合物やビニルフェノール系オリゴマーのジ〜ポリアクリレート化合物など、およびそれらが水添された、シクロヘキサン、水添ビスフェノール、デカヒドロナフタレン脂環や、テルペン系脂環、ジシクロペンタンやトリシクロデカン系脂環のジ〜ポリヒドロキシ化合物のジ〜ポリアクリレート化合物などが例示される。こうした化合物のアクリレート部位を、ビニルエーテルを含む基に置換した化合物もまた、好適に用いることができる。
2価以上のアクリレートの具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる。例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールアクリレートと1,9−ノナンジオールジアクリレート混合物、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加物トリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンPO付加トリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびウレタンアクリレート類などである。
さらに、商品名として大阪有機化学工業(株)のV#195、V#230、V#260、V#265、V#310HP、V#335HP、V#295、V#300、V#360、V#GPT、V#3PA、V#400、ダイセルUCB社のHDODA、DPGDA、TPGDA、PEG300DA、PEG400DA、Ebecryl11、IRR214、TMPTA、PETIA、Ebecryl160、Ebecryl2047、OTA480,Ebecryl53、Ebecryl40、共栄社化学(株)のライトアクリレート1.6HX−A、ライトアクリレート1.9ND−A、ライトアクリレートBEPG−A、ライトアクリレート3EG−A、ライトアクリレート4EG−A、ライトアクリレート9EG−A、ライトアクリレート14EG−A、ライトアクリレートNP−A、ライトアクリレートMPD−A、ライトアクリレートMOD−A、ライトアクリレートDCP−A、ライトアクリレートHPP−A、ライトアクリレートPTMGA−250、ライトアクリレートTMP−A、ライトアクリレートPE−3A、ライトアクリレートTMP−3EO−A、ライトアクリレートTMP−6EO−A、およびライトアクリレートPE−4Aなどが例示される。
上述した化合物に加えて、オレフィン構造を置換基に有する化合物をラジカル重合性化合物として用いることもできる。一般に、オレフィンを構造内に有する脂肪族系化合物は、重合性に乏しく、5員環などの歪みの高い環構造を有するオレフィン骨格やスチレン骨格を置換基として有する場合に、特に好適に用いられる。例えば、上述した一連のアルコールとマレイン酸やノルボルネン骨格を有するモノマー化合物や、スチレンやヒドロキシスチレンの一部の水素原子がテルペノイド骨格など、他の脂肪族系炭化水素を有する置換基に変換されたモノマーなどが望ましい。
上述したようなラジカル重合性化合物が溶媒として用いられる場合には、インクジェットインク中には、光ラジカル発生剤がさらに含有されることが望ましい。光ラジカル発生剤としては、例えば、商品名イルガキュアーやダロキュア(長瀬産業)で知られるミヒラーケトンやベンゾフェノンのような光ラジカル重合開始剤を用いることができる。より具体的には、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシ−もしくは、α−アミノセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンジルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインn−プロピルなどのベンゾインアルキルエ−テルやエステル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンモノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシドまたはチタノセン、フルオレセン、アントラキノン、チオキサントンまたはキサントン、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物またはジハロメチル化合物、活性エステル化合物、および有機ホウ素化合物などが挙げられる。
具体的な商品名としては、例えば、チバガイギー社のIRGACURE379、IRGACURE127、IRGACURE369、およびIRGACURE907などが挙げられる。これらの化合物に加えて、ジエタノールアミン類などの重合促進添加剤を含有させてもかまわない。
上述したような顔料分散体は、イオン性化合物を添加し、希釈溶媒で希釈することによって、本発明の実施形態にかかるインクジェットインクが得られる。
希釈溶媒としては、すでに説明したような有機系分散媒を用いることができる。また、イオン性化合物としては、インクの安定化や、増粘剤、液だれ防止剤、消泡剤などに含まれる炭酸塩などの可溶性塩や有機塩類、界面活性剤や分散助剤としての金属石鹸など有機−無機塩類を用いることができる。イオン性化合物の濃度は、通常、インクジェットインク全体に対して0.01重量%〜20重量%程度である。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクは、光硬化型液体インクということができ、このインクにおいては、光照射により酸を発生する光酸発生剤として、オニウム塩化合物が最も好適に用いられる。オニウム塩化合物には、比較的多量の有機塩類が含まれるため、本発明の実施形態におけるイオン性化合物として好適に用いることができる。イオン性化合物は、光カチオン重合開始剤として作用する。
使用し得るオニウム塩としては、例えば、フルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パラトルエンスルホネートアニオン、あるいはパラニトロトルエンスルホネートアニオンを対イオンとするジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、およびイオドニウム塩などが挙げられる。
より具体的には、オニウム塩としては、例えば、下記化学式で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2006232989
Figure 2006232989
Figure 2006232989
Figure 2006232989
市販のオニウム塩化合物としては、例えば、みどり化学社製MPI−103(CAS.NO.(87709−41−9))、みどり化学社製BDS−105(CAS.NO.(145612−66−4))、みどり化学社製NDS−103(CAS.NO.(110098−97−0))、みどり化学社製MDS−203(CAS.NO.(127855−15−5))、みどり化学社製DTS−102(CAS.NO.(75482−18−7))、みどり化学社製DTS−103(CAS.NO.(71449−78−0))、みどり化学社製MDS−103(CAS.NO.(127279−74−7))、みどり化学社製MDS−105(CAS.NO.(116808−67−4))、みどり化学社製MDS−205(CAS.NO.(81416−37−7))、みどり化学社製BMS−105(CAS.NO.(149934−68−9))、みどり化学社製TMS−105(CAS.NO.(127820−38−6))、ダイセルUCB社製UVACURE1591、ダウケミカル社製UVI-6992や6976、ランバーティ社ESACURE−1064、およびチバガイギー社のIRGACURE250などを挙げることができる。
スルフォニウムやイオドニウム塩は、上述したオニウム塩のなかでも安定性に優れている。しかしながら、その製造過程に起因して、通常、不可避的に1価の塩(1価のカチオンと1個のアニオンとの塩)と、75%程度まで2価以上の塩(例えば2価のカチオンと2個のアニオンとの塩)の混合物からなることが知られており、市販品もこうした混合物の状態である。多価の塩がインク中に含有されると、感光波長が長波長側にシフトして、一般に高感度となることが知られている。こうした利点を確保するために、2価以上の塩が意図的に混入される場合もある。例えば、ダイセルUCB社製UVACURE1591、ダウケミカル社製UVI-6992や6976、ランバーティ社ESACURE−1064等などの市販品がそれらに該当する。しかしながら多価の塩は、特に微小粒子を必要とするインクジェットインク用の顔料分散体の凝集安定性を、大きく低減するおそれがある。具体的には、多価の塩は、顔料粒子と分散剤との間に弱い結合を生じさせて、ゲルまたは凝集体を引き起こすといった欠点も有する。このため、通常、これら多価の塩の存在を極力抑えることが、顔料粒子の分散安定性およびインクジェットの吐出性能の向上に繋がる。
多価のオニウム塩の含有率は、通常、全オニウム塩総量の20重量部以下であることが望ましい。多価のオニウム塩の含有率は、より好ましくは5重量部以下であり、含まれないことが最も好ましい。
上述したオニウム塩化合物の中でも、着色顔料の凝集安定性に格段に優れることから、アリールスルフォニウムのフルオロフォスフェート塩、あるいはアリールイオドニウムのフルオロフォスフェート塩が望ましい。1価のオニウム塩であっても、分散剤が不足した場合、分散剤である末端アミン樹脂を経時的に徐々に置換する作用を有する。そのため、オニウム塩は、顔料表面と分散剤末端との結合部分に極力近づきにくい構造をとることが望ましい。比較的大きな置換基を構造内に有するオニウム塩化合物を用いることによって、これが可能となる。さらに、顔料表面へのイオン吸着が立体障害により低減されるために、オニウム塩中のベンゼン環は、炭素数1以上20以下の有機基を有することが好ましい。ベンゼン環の50モル%以上が、炭素数4以上20以下の有機基を有することがより好ましい。この場合には、分散安定性に加えて、光反応時の空気中への分解物の飛散が抑制されるために安全性が高められる。かかる化合物は、溶媒に対する溶解性が高くなるため、インク中での塩の析出といった現象も抑えることができる。ひいては、吐出不良の原因となりやすい数ミクロンサイズの粒子生成も低減され、大変望ましいものとなる。
1価のオニウム塩が用いられると、その感光波長が短波長側にシフトするため、感度が低下する傾向がある。VI元素である硫黄や酸素を複素環内や連結基として有する芳香族置換基が構造内に含まれると、こうした不都合を回避することができるため望ましいものとなる。
さらに、下記一般式(1)または(2)に示されるように、比較的大きな有機基を構造内に含むオニウム塩の場合には、溶解安定性が高く、分散安定性も良好であるという利点を有する。
Figure 2006232989
ここで、A-はフルオロフォスフェートアニオンであり、R1、R2、およびR3は少なくとも1つは炭素数4乃至20の有機基であり、残りは水素原子を含む炭素数1乃至20の有機基である。R4は、2価の芳香族置換基あるいはVI原子を構造内に含む2価の芳香族置換基を示す。
1ないしR3として導入されうる有機基としては、例えば、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基などの炭素数4乃至20のアルキル基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デカニルオキシ基などの炭素数4乃至20のアルキルオキシ基、およびエチレングリコールが脱水縮合したポリエチレンオキシド骨格を有する炭素数4乃至20の置換基等が挙げられる。
また、R4として導入され得る2価の芳香族置換基としては、例えば、フェニレンやビフェニレンなどのフェニレンを有する基;フェニレンサルファイド、フェニレンジサルファイドなど、フェニレンサルファイド骨格を有する基;ベンゾチオフェニレン、チオフェニレン、ビチオフェニレン基などのチオフェン骨格を有する基;およびフラニレン、ベンゾフラニレンなどのフラン骨格を有する基等が挙げられる。
上述したオニウム塩は、光反応の過程で、有害なベンゼンなどの副生成物の生成が抑制されることも知られている。こうしたオニウム塩を含有する分散体を、インクジェットインクとして用いることで、環境面・安全面の効果が高く望ましいものとなりうる。
インクジェットインク中における光酸発生剤(イオン性化合物)の含有量は、使用される光酸発生剤の酸発生効率や添加する色成分の量などに応じて設定することができる。本発明の実施形態においては、感度の観点から、インクジェット中の酸で重合する全溶媒に100重量%に対して、通常、1重量%乃至10重量%、好ましくは2重量%乃至8重量%、より好ましくは2重量%乃至6重量%の割合で添加される。しかしながら、特に、顔料の分散安定性や、配管、ヘッド部材の腐食性も低減するために、増感剤を同時に含有することによって、光酸発生剤の添加量を2重量%乃至4重量%程度にまで低減することができるため、より望ましいものとなる。
増感剤としては、例えば、アクリジン化合物、ベンゾフラビン類、ペリレン類、アントラセン類、チオキサントン化合物類、およびレーザ色素類などを挙げることができる。なかでも、ジヒドロキシアントラセンの水素原子を有機基で置換した化合物やチオキサントン誘導体などは、高い効果が得られる。こうした増感色素の添加量は、光酸発生剤に対して通常20重量%乃至100重量%であり、より好ましくは30重量%乃至60重量%である。
光酸発生剤の溶媒100重量%に対する割合が2重量%未満である場合には、インクジェットインクの感度が低くなる。一方、10重量%を越えると、分散の劣化や分散媒の暗重合のため、インクの経時間的増粘が激しくなり塗膜性や光硬化後のインク膜の硬度が低下する。また、記録装置の配管やヘッド部材の腐食が生じることもある。
上述したようなオニウム塩化合物は、比較的強力な他の酸を発生する非極性光酸発生物とともに、用いることができる。この場合には、オニウム塩の添加量を低減して、顔料粒子の経時的な凝集をさらに抑制することが可能となる。こうした化合物としては、スルホニル化合物、スルホネート化合物、スルファミド化合物、および有機ハロゲン化合物からなる群から選択される光酸発生剤を含有することが望ましい。なかでも、強力なフルオロメタンスルホン酸や、塩酸、臭素酸を発生するような化合物がかかる光酸発生剤として望ましい。
具体的には、N−ヒドロキシナフタルイミドのトリフルオロメタンスルホン酸イミドのようなスルファミド化合物、ハロゲン化トリアジン化合物などの有機ハロゲン化化合物などが挙げられる。かかるオニウム塩化合物と非極性光酸発生剤の重量比率は、溶媒100重量%に対して0.3乃至2重量%のオニウム塩系化合物と、2乃至10重量%で配合されることが望ましい。
なお、本発明におけるインクジェットインクには、アミンやアニリン誘導体などの塩基性化合物を粘度安定化剤としてさらに添加することができる。また、顔料などの分散性を高めるために、少量のノニオン系またはイオン系界面活性剤や帯電剤などを添加してもよい。また、例えばメチルエチルケトン、プロピレングリコール系溶媒、乳酸エチル、キシレンなどのように、原材料の調製時に使用する有機溶剤は微量であれば混入していてもよく、さらに所望の印刷物を得る目的などで、少量の有機溶媒を含有させることも可能である。この場合、安全性の観点からは、水、アルコール類、アイソパーやテルペンのような石油成分を使用することが望ましい。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクに含有される顔料分散体においては、顔料粒子のゼータ電位は、顔料の種類によって異なる値に規定される。ブラック顔料では−10mV以上、シアン顔料では+30mV以上であり、イエロー顔料では−15mV以上、ホワイト顔料では+40mV以上である。より好ましくは、ブラック顔料では正の値、シアン顔料では+40mV以上、イエロー顔料では−5mV以上、ホワイト顔料では+ 50mV以上である。こうしたゼータ電位の値は、有機系分散媒もしくは有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する値である。また、ゼータ電位の上限は、顔料の種類によらず100mV以下に規定される。ゼータ電位の上限は、80mV以下であることがより好ましい。ゼータ電位がこの範囲を逸脱すると、高温条件下での保存試験を行なった場合、粒子径および粘度の増加が起こりインクの保存性が著しく悪化することが本発明者により見出された。
ゼータ電位の測定には、電気泳動レーザードップラー法により大塚電子製ELS−8000で非水溶媒用測定セルを用いることができるが、その他の電気泳動法、超音波電位法、動電音響法(ESA法)などで測定してもよい。なお、非水溶媒系での測定であるため電気泳動移動度からゼータ電位を求めるのには、Huckelの式を利用することができる。
また、ゼータ電位測定に使用する溶媒は、顔料分散体に使用されている分散媒もしくはその主成分であることが望ましい。具体的には、上述した重合性化合物を単独で、もしくは複数の混合物の場合にはインクにおける混合比で混合したものを用いるのがよい。
ゼータ電位の測定は、化合物を混合してインクを製造した後、少なくとも24時間以上、好ましくは3日以上後に行なうことが望まれる。材料を混合した後、顔料への分散剤やその他のイオン成分の吸着が平衡状態となりゼータ電位が安定するまでに、通常3日程度を要するためである。
上述した顔料分散体中の顔料粒子のゼータ電位は、使用する顔料によって異なるが、これらの成分のみでは−20mV乃至−5mVである。より具体的にはブラック顔料では−30mV程度乃至−5mV程度、シアン顔料では−20mV程度乃至+20mV程度、イエロー顔料では−30mV程度乃至−15mV程度である。インクのゼータ電位を適正な値にするためには、インクに添加物を加えることが望まれる。
インクのゼータ電位を上述した適正な範囲に調整するためには、塩基性末端を有する樹脂系高分子分散剤を、第2の樹脂分散剤としてインク中に添加することが有効である。ここで用いる第2の樹脂分散剤としての高分子分散剤は、アミノ基などの塩基性基を末端に有する樹脂であり、第1の樹脂分散剤に対してある程度の親和力を有することが好ましい。第2の樹脂分散剤としては、後述するイオン性化合物との吸着あるいは相互作用によって、顔料粒子とそれをとりまく第1の樹脂分散剤との全体にわたって、斥力などの分散安定性を発生できるものがより望ましい。
こうした条件を備えた第2の樹脂分散剤としては、第1の樹脂分散剤との組み合わせにより一概に規定できないが、通常、アミノ末端を有するポリオレフィン、ポリエステルやエポキシ樹脂などが挙げられる。より詳細には、数平均分子量が500〜50,000の片末端にカルボキシル基を有する線状ポリマーと、二級アミノ基を1個有する有機アミノ化合物とを反応させて得られ、アミン価が5〜200mgKOH/gで数平均分子量が1,000〜100,000の範囲にあるポリエポキシ化合物が挙げられる。また、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミドとアミドとの共縮合物(ポリエステルアミド)、およびエステルとアミドとの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物を、ポリアリルアミンと反応させて得られるポリアリルアミン誘導体を、第2の樹脂分散剤として用いることもできる。
さらに、次のような化合物も挙げられる。数平均分子量が500〜50000の片末端にカルボキシル基を有する化合物と、2級アミノ基を1個有する化合物とを反応させて得られるアミン価が5〜200mgKOH/g、数平均分子量が1000〜100000の範囲にあるアミノ基を有するポリエステル系高分子;3級アミノ基および/または塩基性を示す含窒素複素環を有するアクリルポリマーとポリエステルとを反応させて得られるアミン価が10〜200mgKOH/g、数平均分子量1000〜100000の範囲であるアミノ基を有するポリエステル系高分子などである。
こうした分散剤のアミン価が小さすぎる場合には、顔料に対する吸着力を十分に確保することができない。一方、アミン価が大きすぎる場合には、顔料粒子同士の凝集が生じて分散性を高めることが困難となる。
ポリエポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。さらに、グリシジル(メタ)アクリレートとそれ以外の重合性ビニル単量体との共重合により得られるグリシジルエステル基含有アクリルポリマー等が挙げられる。この場合、重合性ビニル単量体としては、メチルメタクリレート、およびスチレン等を用いることができる。
上述したような第2の樹脂分散剤の例としては、市販されているものではアジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPN411(味の素ファインテクノ)、PLAAD−ED221(楠本化成)、およびSolspers32000(Avecia)などが挙げられる。
かかる第2の樹脂分散剤の添加量は、顔料重量の2%以上60%以下であることが好ましい。この範囲を逸脱した場合には、安定した分散状態で適切な粘度の分散体を得ることが困難となる。樹脂の含有量が少ない場合には、分散安定性が著しく損なわれるおそれがある。一方、樹脂が多すぎる場合には分散体が粘稠になって、特にインクジェット用途では吐出安定性が損なわれる。ゼータ電位を適正な範囲にするための樹脂重量のより好ましい範囲は、顔料種類によって異なる。
例えばカーボンブラックの場合には、顔料重量に対して5%以上40%以下であることが望ましい。カラー顔料では、イエロー顔料の場合には、顔料重量に対して15%以上60%以下が望ましく、シアン顔料の場合には、顔料重量に対して20%以上60%以下が望ましい。これらの添加量の分散剤を加えることによって、インクのゼータ電位は上述した適正な値に保つことができる。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクの製造に当たっては、各成分を混合する順番に留意すべきである。通常、イオン性成分、特に多価の塩を含むイオン性化合物は、コロイド分散系の安定性を低下させる作用を有しており、塩析や凝集の原因となる。第2の樹脂分散剤を配合することによって、イオン性化合物は、この第2の樹脂分散剤と作用して顔料粒子の表面に安定な電荷を発生せしめる。その結果、安定な顔料分散体を得ることが可能となる。よって、第2の樹脂分散剤の効力を発揮させるためには、イオン性化合物が必要とされる。イオン性化合物を添加しない状態で、第2樹脂の分散剤を顔料分散系に添加した場合には、分散系は逆に不安定となるおそれがある。最悪の場合には、凝集して液全体がゲル状に固まってしまうこともある。
第1の樹脂分散剤で顔料粒子を被覆した後、イオン性化合物のみを添加したところで、十分に安定な分散状態を得ることはできない。顔料粒子を第1の樹脂分散剤で被覆した後、第2の樹脂分散剤のみを添加しても、同様に、十分に安定な分散状態を得ることは困難である。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクの製造においては、第1の樹脂分散剤を用いて顔料粒子を分散させてなる顔料分散体に、第2の樹脂系高分子分散剤および光カチオン重合開始剤を同時に添加することが望ましい。これによって、顔料粒子の分散安定性を十分に高めることができる。第2の樹脂系高分子分散剤と光カチオン重合開始剤とが同時に存在しない場合でも、分散不安定に起因した顔料粒子の凝集は短時間で生ずるわけではない。したがって、第2の樹脂系高分子分散剤および光カチオン重合開始剤は、必ずしも同時に添加しなくても、前後して短時間のうちに添加すればよい。具体的には、これらの成分を添加する際の時間差が24時間以内程度であれば、顔料粒子の凝集が生じるおそれはない。
上述したように、インクの配合後、イオン成分の吸着状態の平衡に達した状態でのゼータ電位を好適な範囲に調整することによって、インクの安定性を大幅に高めることができる。さらに、65℃保存における平衡状態においても、ゼータ電位の値を調整することにより安定性を高めることができる。本発明者らは、65℃加熱条件で10日間保存することによって、常温1年間保存に相当する加速試験を行なえることを見出している。この条件での安定性を確保することによって、インクの分散安定性を高めることができるものと推測される。通常、65℃でエージングを行なった場合には、イオン成分の吸着状態の平衡は24時間以内に達せられると考えられるため、24時間後のゼータ電位が正の値であることが望ましい。これは、次のような理由による。すなわち、本発明の実施形態にかかるインクジェットインクにおけるイオン成分の吸着によって、表面の電位は正の方向に変化する。その結果、平衡状態においても負もしくはゼロの電位であるならば、イオン成分の吸着による斥力の効果が発揮されないことになる。
このようなゼータ電位の調整は、上述したように第2の樹脂系高分子分散剤の添加を行なうことによって達成することができる。
なお、顔料粒子の表面電位は、インク中のイオン成分の吸着により影響されることから、光カチオン重合開始剤などのイオン性化合物の種類や添加量によっても、ゼータ電位を調整することが可能である。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクは、インクジェット印刷用ヘッドを用い、印刷ヘッドからインク液滴を基材に飛翔させて画像を記録するために使用される。印刷ヘッドの構造は特に限定されるものではないが、ヘッドの吐出部分もしくはインク供給系におけるインク流路の内壁に電極が存在し、インクに電場がかかる構造の場合、特に効果は大きくなる。
電極にかかる電圧は高速で繰り返し変化しており、その速度は数kHzから数百kHzである。このため、表面電位をもつ顔料粒子は、インクに与えられる電場によって振動を与えられることになる。有機溶媒中においても、顔料粒子が表面電位を持つことにより与えられた電場に起因して泳動が生じる。その結果、電場の振動により顔料粒子にも振動が生じ、この効果により顔料粒子の凝集が抑えられることになる。
本発明の実施形態にかかるインクジェットインクでは、インクの顔料表面に電位を持つように調整することが好ましい。ヘッドの吐出部分もしくはインク供給系におけるインク流路の内壁に電極が存在し、インクに電場がかかる構造の場合、特に吐出安定性を保つ効果は高められる。
ここで、本発明の実施形態に用いられるインクジェットヘッドについて説明する。
図1には、本発明の実施形態において用いるインクジェット記録装置の要部構成を示す。この図1におけるA−A断面図を、図2に示す。
図1に示されるように、インクジェットヘッド1は、インクを収容する複数の圧力室11を隔壁12で仕切って形成し、各圧力室11にはインク滴を吐出するノズル13が設けられている。各圧力室11の底面は振動板14によって形成され、その振動板14の下面側に各圧力室11に対応して、複数の圧電部材15が固定されている。振動板14および圧電部材15はアクチュエータを構成し、圧電部材15は、駆動信号発生手段2の出力端子に電気的に接続されている。
インクジェットヘッド1には、また、各圧力室11に連通する共通圧力室16が形成されている。インク供給口17を経由して、インク供給手段(図示せず)から共通圧力室16にインクを注入し、共通圧力室16、各圧力室11およびノズル13にインクを満たすようになっている。圧力室11およびノズル13内にインクが満たされることによって、ノズル13内にはインクのメニスカスが形成される。
また、共通圧力室16の背面には、温度検出手段である温度センサ18が取付けられ、ヘッド内のインクの温度を検出するようになっている。温度センサ18が検出した温度情報は、駆動信号発生手段2に供給される。
図示するインクジェットヘッド1においては、駆動信号発生手段2から駆動信号を発生して圧電部材15に印加すると、まず、この圧電部材15が振動板14を変位させ圧力室11の容積が変化する。その結果、圧力室11内に圧力波を発生してノズル13からインク滴が吐出される。ノズル13内のインクのメニスカスの共振周期は、圧力室11内のインクのヘルムホルツ共振周期と同じになる。
インクの小液滴の吐出回数により階調印字を行なう場合には、高い印字品質を得るためには、1回の動作で吐出するインクの小液滴の体積は小さいことが望ましい。また、圧力室11内のインクのヘルムホルツ共振周期は短いほど、インク滴を高速で吐出させることができる。
圧力室11内のインクのヘルムホルツ共振周期は、圧力室11の容積を小さくすることによって高くすることができるので、圧力室11の容積は十分に小さくすることが望ましい。
図3は、駆動信号発生手段2から発生する駆動信号の一例を示す波形図である。この駆動信号は、圧力室11の容積を拡張させる拡張パルスp1、待ち時間t、圧力室11の容積を収縮させる収縮パルスp2を1つの駆動パルスとし、この駆動パルスの数によってノズル13から吐出するインク滴の数を制御して、階調印字を行なう。そして、各駆動パルス間で一定の遅延時間を設定している。
上述したような印字ヘッドにおいて印字が行なわれる際、ヘッドの吐出部分ではインクに対して等電位となっている。インク室に流入する過程においては、インクに対して等電位でない部分も存在し、電場によって振動が与えられる。吐出安定性を調べるために印字テストを行なった。テストに当たっては、ノズル径40μmのノズルを約300個備え付けた吐出ヘッドを用いて、1時間あたり5.5×109ドットの吐出による印刷を行なった。ヘッドの駆動周波数は4.8kHzとして印刷し、印字エラーの発生頻度を調べた。この結果、印字エラーの発生頻度は1時間あたり2回程度と安定であった。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
以下のような処方により、ブラック顔料分散体を作製した。
ブラック顔料(PBK−7) 10重量%
第1の樹脂分散剤(アビシア・ソルスパース32000) 3重量%
分散媒(阪本薬品・SR−NPG) 87重量%
循環式のサンドミルに0.3mm径のビーズを充填して、これらの材料を1時間分散処理して顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を用い、以下の処方により顔料濃度4重量%となるようにインク化した。
顔料分散体 35重量%
溶媒(阪本薬品・SR−NPG) 13重量%
溶媒(東亞合成・OXT221) 43重量%
増感剤(川崎化成・UVS1331) 2重量%
重合開始剤(ダイセル化学・UVACURE1591) 7重量%
第2の樹脂分散剤(味の素ファインテクノ・PB711)
顔料重量に対し0〜35重量%
混合に当たっては、分散体に溶剤および増感剤を加え、撹拌機で2時間撹拌した。増感剤が完全に溶解した後、第2の樹脂分散剤を添加し、その後直ちに重合開始剤を添加して撹拌した。これを、1μmのメンブランフィルターにてろ過処理してインクジェットインクを製造した。第2の樹脂分散剤の添加量を変更して複数のインクジェットインクを調製し、得られたインクを所定の条件で保存してゼータ電位、HPPS平均粒子径、および粘度を測定し、保存安定性を評価した。
ゼータ電位は、次のような手法により求めた。まず、常温で5日間放置後のインクについて非水溶媒用測定セルを用い、電気泳動レーザードップラー法により大塚電子製ELS−8000で電気泳動移動度を測定した。Huckelの式を利用して、この電気泳動移動度からゼータ電位を求めた。ここで、ゼータ電位測定に使用した溶媒は、SR−NPGである。第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を、図4のグラフに示す。第2の樹脂分散剤を添加することによって、ゼータ電位を調整可能であることが、図4に示されている。
第2の樹脂分散剤の添加量とHPPS平均粒子径との関係を図5のグラフに示し、図6のグラフには、第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を示す。第2の樹脂分散剤を添加しない場合には、65℃での保存後に平均粒子径および粘度が大きく上昇しており、保存性安定性が乏しいことがわかる。このときのゼータ電位は、図4のグラフから−13mVである。5重量%以上の添加量で第2の樹脂分散剤を添加することによって、平均粒子径および粘度は安定している。このときのゼータ電位は、−10mV以上であった。
(実施例2)
前述の実施例1と同様の顔料分散体を用いて、以下の処方により顔料濃度4重量%のインクジェットインクを調製した。
顔料分散体 36重量%
溶媒(阪本薬品・SR−NPG) 14重量%
溶媒(ダイセル化学・セロキサイド3000) 44重量%
増感剤(川崎化成・UVS1331) 1重量%
重合開始剤(ダイセル化学・UVACURE1591) 5重量%
第2の樹脂分散剤(味の素ファインテクノ・PB711)
顔料重量に対し0〜35重量%
混合に当たっては、分散体に溶剤および増感剤を加え、撹拌機で2時間撹拌した。増感剤が完全に溶解した後、第2の樹脂分散剤を添加し、その後直ちに重合開始剤を添加して撹拌した。これを、1μmのメンブランフィルターにてろ過処理してインクジェットインクを製造した。第2の樹脂分散剤の添加量を変更して複数のインクジェットインクを調製し、得られたインクを所定の条件で保存してゼータ電位、HPPS平均粒子径、および粘度を測定し、保存安定性を評価した。
第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を、図7のグラフに示す。第2の樹脂分散剤を添加することによって、ゼータ電位を調整可能であることが図7に示されている。
図8には、第2の樹脂分散剤の添加量とHPPS平均粒子径との関係を示し、図9には、第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を示す。第2の樹脂分散剤を添加しない場合には、65℃での保存後に平均粒子径および粘度が若干上昇しているが、20%以下の増加は許容範囲内である。5重量%以上の添加量で第2の樹脂分散剤を添加することによって、平均粒子径および粘度はさらに安定となった。このときのゼータ電位は、−10mV以上であった。
(実施例3)
以下のような処方により、シアン顔料分散体を作製した。
シアン顔料(PB15:3) 10重量%
第1の樹脂分散剤(アビシア・ソルスパース32000) 3重量%
分散媒(阪本薬品・SR−NPG) 87重量%
循環式のサンドミルに0.3mm径のビーズを充填して、これらの材料を1時間分散処理して顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を用い、以下の処方により顔料濃度5重量%となるようにインク化した。
顔料分散体 44重量%
溶剤(阪本薬品・SR−NPG) 6重量%
溶剤(ダイセル化学・セロキサイド3000) 44重量%
増感剤(川崎化成・UVS1331) 1重量%
重合開始剤(ダイセル化学・UVACURE1591) 5重量%
第2の樹脂分散剤(味の素ファインテクノ・PB711)
顔料重量に対し0〜55重量%
混合に当たっては、分散体に溶剤および増感剤を加え、撹拌機で2時間撹拌した。増感剤が完全に溶解した後、第2の樹脂分散剤を添加し、その後直ちに重合開始剤を添加して撹拌した。これを、1μmのメンブランフィルターにてろ過処理してインクジェットインクを製造した。第2の樹脂分散剤の添加量を変更して複数のインクジェットインクを調製し、得られたインクを所定の条件で保存してゼータ電位、HPPS平均粒子径、および粘度を測定し、保存安定性を評価した。
第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を、図10のグラフに示す。第2の樹脂分散剤を添加することによって、ゼータ電位を調整可能であることが、図10に示されている。
図11には、第2の樹脂分散剤の添加量とHPPS平均粒子径との関係を示し、図12には、第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を示す。第2の樹脂分散剤の添加量が0〜10重量%の場合には、65℃での保存後に平均粒子径および粘度は大きく上昇しており、保存安定性が乏しいことがわかる。このときのゼータ電位は、図10のグラフから−3mV〜21mVである。35重量%以上の添加量で第2の樹脂分散剤を添加することによって、平均粒子径および粘度は、いずれも安定となっている。このときのゼータ電位は、45mV以上であった。
(実施例4)
以下のような処方により、イエロー顔料分散体を作製した。
イエロー顔料(PY−150) 10重量%
第1の樹脂分散剤(アビシア・ソルスパース32000) 3重量%
第1の樹脂分散剤(アビシア・ソルスパース22000) 0.3重量%
分散媒(阪本薬品・SR−NPG) 86.7重量%
循環式のサンドミルに0.3mm径のビーズを充填して、これらの材料を1時間分散処理して顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を用い、以下の処方により顔料濃度5重量%となるようにインク化した。
顔料分散体 43重量%
溶剤(阪本薬品・SR−NPG) 6重量%
溶剤(東亞合成・OXT221) 43重量%
増感剤(川崎化成・UVS1331) 2重量%
重合開始剤(ダイセル化学・UVACURE1591) 6重量%
第2の樹脂分散剤(味の素ファインテクノ・PB711)
顔料重量に対し0〜55重量%
混合に当たっては、分散液に溶剤および増感剤を加え、撹拌機で2時間撹拌した。増感剤が完全に溶解した後、第2の樹脂分散剤を添加し、その後直ちに重合開始剤を添加して撹拌した。これを、1μmのメンブランフィルターにてろ過処理してインクジェットインクを製造した。第2の樹脂分散剤の添加量を変更して複数のインクジェットインクを調製し、得られたインクを所定の条件で保存してゼータ電位、HPPS平均粒子径、および粘度を測定し、保存安定性を評価した。
第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を、図13のグラフに示す。第2の樹脂分散剤を添加することによって、ゼータ電位を調整可能であることが、図13に示されている。
図14には、第2の樹脂分散剤の添加量とHPPS平均粒子径との関係を示し、図15には、第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を示す。第2の樹脂分散剤の添加量が0〜7重量%の場合には、65℃での保存後に平均粒子径および粘度は大きく上昇しており、保存安定性が乏しいことがわかる。このときのゼータ電位は、図13のグラフから−18mV〜−15mVである。第2の樹脂分散剤の添加量が15重量%でゼータ電位−8mVの場合には、平均粒子径および粘度は、65℃保存後に若干上昇しているが許容範囲内である。35重量%以上の添加量で第2の樹脂分散剤を添加することによって、平均粒子径および粘度はいずれも安定となった。このときのゼータ電位は0mV以上であり、また65℃保存後におけるゼータ電位も0mV以上であった。
(実施例5)
第2の樹脂分散剤の種類を変更した以外は、実施例3と同様の手法により4種類のシアンインクを作製した。なお、第2の樹脂分散剤の添加量は35重量%とした。得られたインクを65℃で10日間保存してゼータ電位および粒径増加率を求めた。その結果を下記表1にまとめる。
Figure 2006232989
なお、使用した第2の樹脂分散剤のうち、PLAAD−ED221は、高分子分散剤(楠本化成製)である。PB821およびPB822は、高分子分散剤(味の素ファインテクノ製)である。
表1の結果から、各分散剤ともある程度の効果はみられたが、味の素ファインテクノ製PB711において最も大きな効果がみられることがわかる。
(実施例6)
重合開始剤を添加しない以外は実施例3と同様の処方により、シアンインクを作製した。第2の樹脂分散剤の添加量は35重量%とした。得られたインクを24時間65℃で保存したところ、分散体はゲル状に固まってしまった。常温で1週間保存した後、重合開始剤を5重量%添加した場合には、粒径増加率は1.6倍以上であった。
(実施例7)
以下のような処方により、ホワイト顔料分散体を作製した。
ホワイト顔料(石原産業・酸化チタン) 40重量%
第1の樹脂分散剤(アビシア・ソルスパース21000) 4重量%
分散媒(阪本薬品・SR−NPG) 56重量%
超音波ホモジナイザー(日本精機US−300T、20kHz、300W)により、これらの材料を20分間分散処理して顔料分散体を作製した。得られた顔料分散体を用い、以下の処方により顔料濃度28重量%となるようにインク化した。
顔料分散体 46重量%
溶剤(阪本薬品・SR−NPG) 8重量%
溶剤(東亞合成・OXT221) 34重量%
増感剤(川崎化成・UVS1331) 2重量%
重合開始剤(ダイセル化学・UVACURE1591) 5重量%
第2の樹脂分散剤(味の素ファインテクノ・PB711)
顔料重量に対し0〜40重量%
混合に当たっては、分散液に溶剤および増感剤を加え、撹拌機で2時間撹拌した。増感剤が完全に溶解した後、第2の樹脂分散剤を添加し、その後直ちに重合開始剤を添加して撹拌した。これを、1μmのメンブランフィルターにてろ過処理してインクジェットインクを製造した。第2の樹脂分散剤の添加量を変更して複数のインクジェットインクを調製し、得られたインクを所定の条件で保存してゼータ電位、HPPS平均粒子径、および粘度を測定し、保存安定性を評価した。
第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を、図16のグラフに示す。第2の樹脂分散剤を添加することによって、ゼータ電位を調整可能であることが、図16に示されている。
図17には、第2の樹脂分散剤の添加量とHPPS平均粒子径との関係を示し、図18には、第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を示す。第2の樹脂分散剤の添加量が0〜10重量%の場合には、65℃での保存後に平均粒子径および粘度大きく上昇しており、保存安定性が乏しいことがわかる。このときのゼータ電位は、図16のグラフから−4mV〜36mVである。20重量%以上の添加量で第2の樹脂分散剤を添加することによって、平均粒子径および粘度はいずれも安定となった。このときのゼータ電位は、+50mV以上である。
本発明の実施形態にかかる印字方法に用いうるインクジェット記録装置の要部構成を表わす図。 図1におけるA−A断面図。 駆動信号発生手段から発生する駆動信号の一例を示す波形図。 実施例1のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を表わすグラフ図。 実施例1のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と平均粒径との関係を表わすグラフ図。 実施例1のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を表わすグラフ図。 実施例2のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を表わすグラフ図。 実施例2のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と平均粒径との関係を表わすグラフ図。 実施例2のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を表わすグラフ図。 実施例3のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を表わすグラフ図。 実施例3のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と平均粒径との関係を表わすグラフ図。 実施例3のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を表わすグラフ図。 実施例4のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を表わすグラフ図。 実施例4のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と平均粒径との関係を表わすグラフ図。 実施例4のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を表わすグラフ図。 実施例7のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量とゼータ電位との関係を表わすグラフ図。 実施例7のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と平均粒径との関係を表わすグラフ図。 実施例7のインクジェットインクにおける第2の樹脂分散剤の添加量と粘度との関係を表わすグラフ図。
符号の説明
1…インクジェットヘッド; 2…駆動信号発生手段: 11…圧力室
13…ノズル; 14…振動板; 15…圧電部材: 18…温度センサ。

Claims (12)

  1. 重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のブラック顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、
    前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記ブラック顔料のゼータ電位は、−10mV以上+100mV以下であることを特徴とするインクジェットインク。
  2. 重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のシアン顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、
    前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記シアン顔料のゼータ電位は、+30mV以上+100mV以下であることを特徴とするインクジェットインク。
  3. 重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上30重量%以下の割合で配合された平均粒子径200nm以下のイエロー顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、
    前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記イエロー顔料のゼータ電位は、−15mV以上+100mV以下であることを特徴とするインクジェットインク。
  4. 重合性化合物を含む有機系分散媒、前記有機系分散媒に対して2重量%以上50重量%以下の割合で配合された平均粒子径300nm以下のホワイト顔料、および樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物とを含有するインクジェットインクであって、
    前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記ホワイト顔料のゼータ電位は、+40mV以上+100mV以下であることを特徴とするインクジェットインク。
  5. 前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記顔料のゼータ電位は、正の値であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記樹脂分散剤として少なくとも異なる2種を含有し、そのうち1種は前記顔料に対して2重量%以上60重量%以下の割合で配合され、塩基性末端を有する樹脂系高分子分散剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  7. 前記樹脂系高分子分散剤のアミン価は5〜200mgKOH/gであり、数平均分子量は1,000〜100,000の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットインク。
  8. 前記有機系分散媒は、少なくとも1種の光カチオン重合性化合物を含み、前記有機系分散媒の粘度は25℃で30mPa・s以下であり、前記イオン性化合物は光カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  9. 前記光カチオン重合開始剤は、オニウム塩系光酸発生剤であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットインク。
  10. 前記光カチオン重合性化合物は、リモネンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ビニルエーテル構造を含む置換基を有する環状エーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェットインク。
  11. 重合性化合物を含む有機系分散媒、顔料、および第1の樹脂分散剤を含有する顔料分散体と、イオン性化合物と、第2の樹脂分散剤としての樹脂系高分子分散剤とを含有し、前記有機系分散媒もしくは前記有機系分散媒のうち少なくとも1成分に対する前記顔料のゼータ電位が正の値であるインクジェットインクの製造方法であって、
    前記第1の樹脂分散剤により、前記顔料を前記有機系分散媒に分散させて顔料分散体を得る工程と、
    前記顔料分散体にイオン性化合物を添加する工程と、
    前記第2の樹脂分散剤を加える工程とを具備し、
    さらにこれらの混合物をエージングする工程を具備することを特徴とするインクジェットインクの製造方法。
  12. インク供給路に、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェットインクを供給する工程と、
    前記インクジェットインクをインクジェットヘッドから媒体に吐出する工程と、
    前記媒体に吐出された前記インクジェットインクに放射線を照射して、硬化させる工程とを具備し、
    前記インクジェットインクは、前記インク供給路および前記インクジェットヘッドの少なくとも一方において、電極により電場を与えられることを特徴とする印字方法。
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