JP2006232880A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴミ分が少なく、また凝固後にゲル化が進展せずに粘度に安定性のある天然ゴムを含み、更にゴムタイヤ等に必要とされる加硫促進剤の活性化等の物性を十分に有するゴム組成物を提供するもの。
【解決手段】 ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を添加し、凝固・乾燥させた天然ゴムを含むゴム組成物であって、該天然ゴム100質量部に対して脂肪酸0.5〜2.0質量部の範囲で配合してなるゴム組成物であり、ゴムの木から採取した天然ゴムラテックスを直接凝固するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関するものであり、ゴミ成分(以下、ゴミ分という。)が少なく、粘度が安定している天然ゴムを含み、タイヤ工場等でのゴム加工性及び加工における経済性に優れているゴム組成物に関するものである。
一般に、天然ゴムの製造工程は、下記の2つの方法が代表的である。天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準(通称グリーンブック)における格付けによるリブド・スモーク・シート(RSS)では、タッピング後、採取した天然ゴムラテックスを酸等によりゴム成分を凝固(USS)せしめて、ゴム成分(固形ゴム)、非ゴム成分(天然ゴム漿液)、沈積物とに分離し、固形ゴムを水洗し、脱水後、この固形ゴムを約60℃で5〜7日間の乾燥(スモーキング)を行なっている。
また、技術的格付けゴム(TSR)では、大別してウェットプロセス、ドライプロセスの2種があり、天然ゴムラテックス採取工程、カップランプ作製(ラテックスのカップの中に予めギ酸を入れておいて自然に固める様にしたもの)工程までが共通工程となっており、このカップランプ、USS/RSS等を適宜選択し混合して、これらの原料固形ゴムをウェットプロセス又はドライプロセスによりクラム化(粉砕、水洗、脱水)してバケットに移動し、乾燥機で乾燥させる。
これらの天然ゴムは、加工工場でプレス成形してブロックとし、パッキングして市場に出荷される。
天然ゴムはその優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイヤ産業界において幅広く、かつ、大量に使用されている。上述のRSSにおいては、加工工場でゴミ分の少ないUSSを高価なプライスで購入し、燻煙処理した後にタイヤ工場に出荷するが、輸送中に温度履歴にともないゲル化が進展して高粘度化する。このため、タイヤ工場では所定配合物を配合して素練りを実施してタイヤに適合させたゴム組成物を生産する。また元原料USSは流通市場を形成しているため、ディーラーでの貯蔵期間が長くなることがある。貯蔵期間中にゲル化が進展してディーラーからの原料は、加工処理が困難となると共に、粘度の安定性が極めて悪くなる。
TSRおいては、ゴミ分の少ないカップランプを高価なプライスで購入し、機械的洗浄を繰り返し実施してタイヤゴムに使用している。ここで、安価なカップランプを購入した場合、ゴミ分を顧客要求レベルまでに到達するには、その機械的な洗浄処理は困難を極め、返ってコストアップとなる。また、一般にこれらも貯蔵期間中にゲル化が進展すると共に、直射日光下に放置した場合には、酸化劣化(主鎖切断)が顕著に進み物性低下をもたらす。従って、カップランプを適用した天然ゴムについても、海上輸送中にゲル化が進展し、タイヤ工場では、素練りを実施してタイヤ工場用にゴム組成物を提供している。
天然ゴムの収穫後、貯蔵・輸送される数カ月の間に粘度が上昇してしまう(所謂、貯蔵硬化(ストレンジ・ハーデイング)という)原因として、イソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)が天然ゴム中のタンパク質、アミノ酸と反応することによって架橋しゲル化(ゲル量の増加)が起こるとされている(文献等でもそのメカニズムははっきりと解明されていない)。天然ゴムにおけるゲル化は、上述のように加工性を悪化させる。このためタイヤ等に適用する天然ゴムに恒粘度剤を乾燥工程後に付与することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、天然ゴムに恒粘度剤を乾燥工程後に付与する方法は、乾燥中の熱履歴によってゲル化が市場放置中と同様、且つ高温のため促進される傾向にあり、乾燥後に恒粘度剤を付与することは、ゲル化が進展した後に恒粘度剤を入れることになり、タイヤ工場内での素練り工程を除くことには至らない。
よって、ゴムの木から採取した天然ゴムラテックスを直接凝固すると共に、凝固前にヒドラジド化合物などからなる恒粘度剤を配合することにより、ゲル化、及び酸化の進展がなく、ゴミ分が混入されない天然ゴムを得ることができる。
一方、上記の工程で恒粘度剤を配合した場合、天然ゴム中に存在する脂肪酸のゴム中濃度が低くなることが種々の分析から見出され、このゴム中の加硫促進活性が従来の恒粘度剤を乾燥工程後に付与したゴムに比較して大きく劣る結果、目的とするゴム物性が得られないという課題がある。
特開2001−354704号公報
本発明は、上記の課題に鑑み、ゴミ分が少なく、また凝固後にゲル化が進展せずに粘度に安定性のある天然ゴムを含み、更にゴムタイヤ等に必要とされる物性が十分に表れるゴム組成物を提供するものである。
本発明者は、ゴムの木から採取した天然ゴムラテックスを直接凝固すると共に、凝固前にヒドラジド化合物等からなる恒粘度剤を配合することにより、ゲル化、及び酸化の進展がなく、ゴミ分が混入されない天然ゴムが得られること、所定量の脂肪酸を天然ゴムに適宜の段階で追加配合することによって優れたタイヤ用のゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明のゴム組成物は、以下の構成又は構造を有することを特徴とするものである。
(1)ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を添加し、凝固・乾燥させた天然ゴムを含むゴム組成物であって、該天然ゴム100質量部に対して脂肪酸0.5〜2.0質量部の範囲で配合してなるゴム組成物。
(2)前記恒粘度剤は、下記一般式で表されるヒドラジン化合物である上記(1)に記載のゴム組成物。
一般式:R−CONHNH2(ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基を示す。)
(3)前記ヒドラジド化合物がプロピオン酸ヒドラジドである上記(2)記載のゴム組成物。
(4)前記天然ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を配合する上記(1)〜(3)の何れかに記載のゴム組成物。
(5)前記天然ゴムラテックスに恒粘度剤を配合した後、少なくとも3時間以上熟成した後に凝固処理してなる上記(4)記載のゴム組成物。
(6)前記天然ゴムは、ゴム成分全体に対して、5質量%以上で含まれる上記(1)〜(5)の何れかに記載のゴム組成物。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムラテックスを原料とし、凝固前に恒粘度剤を配合した天然ゴムを含み、且つ脂肪酸を特定量補っているので、天然ゴム由来のゴミ分の混入が少ない、また凝固後にゲル化が進展せず、粘度安定性があり、ゴムタイヤ等に必要される物性も十分に維持することができる。
以下、本発明のゴム組成物に係る実施の形態を説明する。尚、本発明のゴム組成物は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のゴム組成物は、ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を添加し、凝固・乾燥させた天然ゴムを含むゴム組成物であって、該天然ゴム100質量部に対して脂肪酸0.5〜2.0質量部の範囲で配合してなることを特徴とする。
通常、天然ゴムは2つの製造方法が代表的であり、天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準(通称グリーンブック)における格付けによるリブド・スモークド・シート(RSS)では、タッピング後、採取した天然ゴムラテックスを酸等によりゴム成分を凝固(USS)せしめて、固形ゴムをロールにより水溶性の非ゴム成分から分離し、この固形ゴムを約60℃で5〜7日間の乾燥(スモーキング)を行なう。また、技術的格付けゴム(TSR)では、タッピング後、天然ゴムラテックスのゴム成分を自然凝固(カップランプ)せしめて、固形ゴムを粉砕し、水洗し、脱水後、この固形ゴムを110℃〜140℃で数時間の熱風乾燥を行なう。
本発明にあっては、通常のTSR10及び20の物性を維持、改善して、ゴミ分を大幅に減少させた高生産・高品質の天然ゴムを含むゴム組成物を得ることを目的としている。このため、基本的にはTRSの製造方法を基本とし、以下の天然ゴムラテックスを出発物質とするものである。
<天然ゴムラテックス>
天然ゴムのラテックスとしては、ゴミ分の少ないラテックスが選ばれ、例えば、天然ゴム木からタッピングして3時間以内に使用するタッピング後のフレッシュラテックス、タッピング後のラテックスにアンモニア処理等で安定化してなる安定化剤を加えた、好ましくはpH7.0〜11.0程度のラテックス、またこれらのラテックスを遠心分離機により遠心分離した遠心分離ラテックスの少なくとも1種(各単独又は2種以上の組合わせ使用)を挙げることができる。
<天然ゴムラテックスの凝固処理>
凝固処理には、自然凝固によって得ることもできるが、以下の凝固酸等による化学的な処理によって行う。
化学的処理における凝固酸は、有機酸又は無機酸でもよく、例えば、ギ酸、クエン酸、燐酸、硫酸等を代表として挙げることができ、処理するラテックスのpHが5.0以下、特に3.0〜4.2の範囲になるように酸を加えることが好ましい。
従来のpH4.7での凝固反応に比べて、処理ラテックスのpHを4.2以下とすると、後述する乾燥後のゴム粘度を、タイヤ工場でそのまま加工できる程度までに加工性を確保することができる。尚、凝固熟成時間は天然ゴムの原料種に応じて必要な時間を選択する。
<クラム化処理>
本発明では、凝固処理した凝固物を乾燥する前にクラム化処理することが好ましい。クラム化処理は必ずしも必要としないが、均一な乾燥のために行うものであり、例えば、クレーパー工程及び/又はシュレッダー工程を経ることによりクラム化することができる。クレーパー工程としては、例えば、SPHERE社製のCreper Model CRC 14/28に凝固物を3回通してクレーパーシートを得ることができ、また、シュレッダー工程としては、例えば、SPHERE社製のShvedder Model CRC 14/28にこのクレーパーシートを投入しクラムを得ることができる。
<乾燥工程>
上記凝固物の乾燥処理は、以下の方法に限ることはないが、例えば、バケット式乾燥機又はベルト式乾燥機を用いて行なうことができる。バケット式乾燥機としては、例えば、通常のTSR製造に使用する乾燥機、具体的には、SHERE社製のSingle Box Dryer ModelCRDSが挙げられる。また、ベルト式乾燥機としては、コンベア式ドライヤ、例えば、遠赤外線装置、または、マイクロウェィブ装置を備えたものが挙げられる。上記凝固物の乾燥は、配合ゴムの練り安定性、物資安定性の点から天然ゴム混合物の水分率が好ましくは、1.5%以下、更に好ましくは、0.8%以下となるまで乾燥することが望ましい。
<恒粘度剤の添加工程>
本発明にあっては、凝固前に恒粘度剤をゴムラテックスに加えてなる。このように凝固前の配合では、乾燥工程前と工程中の粘度の上昇を抑えるとともに、その後の工程での粘度の上昇を抑えることができ、結果として、常に均質な天然ゴム原料が得られることとなる。このため、タイヤ工場等で、乾燥後に素練り工程等の混練機を必ずしも必要としない場合がある。
尚、凝固前とは、ゴムラテックスが凝固状態にある前であり、例えば、ゴムラテックス状態にある限り、恒粘度剤は上述の凝固酸と同時にゴムラテックスに配合しても良く、また、凝固酸等の添加の後でも良い。しかしながら、好ましくは恒粘度剤をゴムラテックスに投入混合して所定時間熟成させた後に凝固処理(その他の凝固処理を含む。)を開始することが好ましい。好ましい熟成時間は3時間以上である。
本発明に用いる恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、二官能性、かつ、ジメドン(1,1−ジメチルシクロヘキサン−3,5−ジオン)、トリアゾール化合物、ヒドラジド化合物などが挙げられる。中でも、下記一般式(1)で表されるヒドラジド化合物が好ましい。
一般式(1):R−CONHNH2
(ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数3〜30のアリール基のいずれかを示す。)
上記一般式(1)で表されるヒドラジド化合物としては、例えば、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、シクロプロピルヒドラジド、シクロヘキシルヒドラジド、シクロヘプチルヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、o−,m−,p−トリルヒドラジド、p−メトキシフェニルヒドラジド、3,5−キシリルヒドラジド、1−ナフチルヒドラジドからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、トリアゾール化合物としては、下記一般式(2)で表されるトリアゾール化合物が好ましい。
一般式(2):R−C223
但し、一般式(2)中のRは水素基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示す。また、トリアゾール骨格にアミノ基、メルカプト基、水酸基、カルボニル基、ベンゾ基を付与してもよい。
具体的なトリアゾール化合物としては、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1水和物)などがトリアゾール化合物として挙げられる。
また、天然ゴム(生ゴム)に対する恒粘度剤の添加量は、天然ゴム(生ゴム)全量に対して、0.001〜3質量%、好ましくは、0.03〜2.5質量%である。恒粘度剤の添加量が0.001質量%未満であると、目的の恒粘度効果が発揮することができないことがあり、また、3質量%を超えると、ゴム組成物中に残留し、ゴム組成物の低発熱性及び耐久性を低下させることがあり、また、カーボンブラック等の他の配合薬品の分散性を低下させることがあり、好ましくない。
本発明のゴム組成物中に配合される天然ゴム100質量部に対して脂肪酸を0.5〜2.0質量部の範囲で追加配合する。特に、好ましく0.8〜1.5質量部の範囲である。ゴム組成物の天然ゴムに、その相当量の脂肪酸を配合することにより、恒粘度剤によって生成が阻害された脂肪酸を補うことができ、ゴム組成物中の加硫促進剤の活性を十分に高め、ゴムタイヤなどに必要とされる物性を維持する。脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸等を挙げることができる。
脂肪酸は、凝固槽に液状(脂肪酸が固体であれば溶媒に溶解させる)で添加しても良く、また、ウェット上のシュレッダープール等の最終洗浄工程で添加しても良く、また、乾燥工程前に固体又は液体の脂肪酸を均一散布或いは噴霧しても良く、また、乾燥後のドライプリブレーカーで脂肪酸を混練りしても良い。特に、好ましくは、乾燥工程前に固体又は液体の脂肪酸を均一散布或いは噴霧することである。
また、天然ゴムの物性を確保するために、天然ゴム100質量部に対して硫黄を0.5〜1.5質量部の範囲で追加配合することも好ましい。更に、加硫促進剤として、ジチオカルバミン酸塩、キサントゲン酸塩等をゴムラテックスに追加配合することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記天然ゴムをゴム成分全体の5質量%以上含むことが好ましく、特に好ましくは、30〜100質量%である。かかるゴム組成物には、上記天然ゴムの他に、通常の素練り天然ゴム、及び各種の合成ゴムを用いることができる。上記天然ゴムの配合量が5質量%未満では、タイヤ用ゴム組成物に天然ゴムが不足して好ましくない。
各種の合成ゴムとしては、好ましくは、ポリマー相溶性(均一分散)の点からジェン系合成ゴムを用いることが好ましい。ジェン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一種が挙げられ、特に、耐熱性の点から、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴムから選ばれる少なくとも一種が望ましい。また、本発明の天然ゴムを含むゴム組成物には、必要に応じて、充填剤、補強剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等の任意成分を含有させることができる。
このように構成される本発明のゴム組成物では、上記天然ゴムには上述した恒粘度剤が加えられており、ゲル化が進行せず、経時的に粘度が安定している。天然ゴムはラテックスから製造され、ゴム成分中のゴミ分レベルを少なく抑えることができる。このため、天然ゴム工場での素原料コスト及び加工コストを低くする。また、タイヤ工場でゴム組成物にかかる原料コストは低くなり、加工コストも素練り不要なことから低くなる。更に、天然ゴムのTRS10及び20以上の物性レベルが得られる。
従って、本発明の天然ゴムを含むゴム組成物はその優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイヤ産業界において幅広く使用でき、特にタイヤゴムに使用することが好ましい。
以下に、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
天然ゴムラテックス、USS、及びカップランプを原料として、天然ゴムを製造し、そのムーニー粘度、分子量のゲル%、素練りの要否の測定評価、及び経済コストの評価を行った。また、実施例1にあっては、製造した天然ゴム100質量部に対して脂肪酸(ステアリン酸)1.0質量部、硫黄0.5質量部、追加配合した後、タイヤ工場での経済コスト及び物性レベル(モジュラス及びレジリエンス、総合的な評価)を調べた。その結果を表1に示した。
<天然ゴムラテックス>
アンモニア0.4質量%を添加した天然ゴムラテックス(ゴム濃度(DRC)30%のもの)を使用した。
<凝固工程>
ゴムラテックスに、下記表1に示す凝固酸を添加して、表1に示すpHに調整して、天然ゴムラテックスの凝固処理を行った。
<クラム化工程>
凝固物をクラッシャー、クレーパー3回、シュレッダーに通してクラム化した。
<乾燥工程>
バケット乾燥機で110℃、300分乾燥した。
<恒粘度剤>
プロピオン酸ヒドラジドの50質量%水溶液を添加し、3時間熟成して凝固酸を添加して8時間放置した。なお、表1における恒粘度剤の配合量は、天然ゴム(生ゴム)に対する質量%である。また、比較例4にあって恒粘度剤は乾燥工程後に投入したものである。
(ムーニー粘度の測定方法)
JIS K 6300−1994に準拠して、島津製作所社製自動ムーニービスコメーターSMV−202を使用して、製造直後の100℃におけるムーニー粘度:ML1+4を評価した。
(ポリマーゲル量の評価法)
ゴム0.2gをトルエンに一晩膨潤させ、遠心分離機で25000rpmで2.5時間処理し、沈降したゲルを70℃×24時間乾燥して秤量し、ポリマーゲルとしてオリジナル全体重量で割た値(%)で評価した。
(モジュラスの評価法)
JIS K 6251−1993に準拠して300%伸長時の引張応力を測定し、比較例4を100として指数表示した。数値が高いほど剛性が高い。
(発熱指数の測定方法)
室温(25℃)でのレジリエンスをとり、比較例4を100にした時を指数表時した。数値が大きいほど、低発熱性を意味する。
Figure 2006232880
本発明のゴム組成物は、ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を添加し、凝固・乾燥させた天然ゴムを含み、また天然ゴムラテックスに脂肪酸を配合してなるので、ゴミ分が少なく、また凝固後にゲル化が進展せずに粘度に安定性のある天然ゴムを含み、更にゴムタイヤ等に必要とされる物性を十分に有する産業上の利用性の高いものである。

Claims (6)

  1. ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を添加し、凝固・乾燥させた天然ゴムを含むゴム組成物であって、該天然ゴム100質量部に対して脂肪酸0.5〜2.0質量部の範囲で配合してなるゴム組成物。
  2. 前記恒粘度剤は、下記一般式で表されるヒドラジン化合物である請求項1に記載のゴム組成物。
    一般式:R−CONHNH2(ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基を示す。)
  3. 前記ヒドラジド化合物がプロピオン酸ヒドラジドである請求項2記載のゴム組成物。
  4. 天然ゴムラテックスの凝固時に恒粘度剤を配合する請求項1〜4の何れかに記載のゴム組成物。
  5. 天然ゴムラテックスに恒粘度剤を配合した後、少なくとも3時間以上熟成した後に凝固処理してなる請求項4記載のゴム組成物。
  6. 前記天然ゴムは、ゴム成分全体に対して、5質量%以上で含まれる請求項1〜5の何れかに記載のゴム組成物。

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