JP2006328135A - 天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチ - Google Patents

天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチ Download PDF

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Abstract

【課題】天然ゴムの重量平均分子量の低下を抑制し、補強性、耐摩耗性及びスチールコードとの接着性等が改良された天然ゴム組成物に有用な天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチを提供すること。
【解決手段】天然ゴムラテックスとカーボンブラックスラリ−を液相で混合する工程及び凝固する工程を有し、かつ、該凝固工程における液相のpHが8〜10である天然ゴムマスターバッチの製造方法であって、凝固物中の天然ゴムの重量平均分子量が8.0×105以上である天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、天然ゴムカーボンマスターバッチ製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチに関し、詳しくは、天然ゴムの重量平均分子量の低下を抑制し、補強性、耐摩耗性及びスチールコードとの接着性等が改良された天然ゴム組成物に有用な天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチに関する。
一般に、天然ゴムは、機械的特性、低発熱性、耐摩耗性に優れたゴムとして知られている。また、環境にやさしい素材としても注目されている。この天然ゴム中にはアミド結合(タンパク質)を含有する非ゴム成分が存在する。天然ゴム中の非ゴム成分は、老化防止あるいは加硫促進作用を有することが知られているが、他方アミド結合の水素結合性によって分子同士が絡み合い、ゴムの粘度上昇をもたらすため、合成ゴムに比較して加工性に劣る欠点がある。
こうした欠点に対し、加工性に優れたゴムの製造方法としてウェットマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラック、シリカ等の充填材と水とをあらかじめ一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を水中に微分散させたスラリーと、ゴムラテックスを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させたものを、回収、乾燥するものである(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。ウェットマスターバッチを用いることでカーボンブラック等の充填材の分散性に優れ、加工性・補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。こうしたゴム組成物を使用することによって耐摩耗性の優れたゴム製品を製造することができる。
従来、凝固剤として用いる酸、例えば蟻酸、硫酸等によるラテックスの凝固はラテックスのpHを3〜6にコントロールすることでコロイドを不安定化させて凝固させている。したがって、得られた天然ゴムカーボンマスターバッチでは、天然ゴム分子鎖末端にあるタンパク質同士の結合が弱められたり、リン脂質が加水分解することで、カーボンブラックとのバウンドラバーの形成が阻害され、破断強力や耐摩耗性が劣る場合がある。
また、凝固に使用される酸が凝固物中に残留する可能性があり、該マスターバッチをスチールコーテイングゴムに適用した場合スチールコードとの接着が低下する可能性がある。しかし、凝固物中に残留する酸を取り除くためには水洗、脱水の回数を増やすことが必要であるが、天然ゴムラテックス中に含まれるイノシノール、炭水化物、α−グロブリン等のタンパク質、糖類、アンモニア源、ミネラル、グルタチオン、酵素、核酸などのゴム成分に対して有用な成分も洗い流すことになり耐熱老化性が悪化する場合がある。
さらに、酸による凝固は、低分子量の天然ゴムも凝固してしまうために、マスターバッチ中の天然ゴムの分子量が低くなる可能性があり、耐摩耗性の低下するという問題がある。
特公昭51−43851号公報 特開2004−99625号公報
本発明は、このような状況下で、天然ゴムの重量平均分子量の低下を抑制し、補強性、耐摩耗性及びスチールコードとの接着性等が改良された天然ゴム組成物に有用な天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムラテックスとカーボンブラックのスラリーを混合、凝固するにあたって、凝固工程における液相のpHを特定の値に維持し、天然ゴムの分子量を特定の値以上にすることによって、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成された発明である。
すなわち、本発明は、
(1)天然ゴムラテックスとカーボンブラックスラリ−を液相で混合する工程及び凝固する工程を有し、かつ、該凝固工程における液相のpHが8〜10である天然ゴムマスターバッチの製造方法であって、凝固物中の天然ゴムの重量平均分子量が8.0×105以上であることを特徴とする天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法、
(2)凝固工程が、攪拌下に温度を制御することにより、凝固させる工程であり、且つ該工程における攪拌せん断力が10〜1000kPaで、液相の温度が20〜
80℃である上記(1)の天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法、及び
(3)上記(1)、(2)の製造方法によって得られる天然ゴムカーボンマスターバッチ、
を提供するものである。
本発明によれば、マスターバッチ中の天然ゴムの重量平均分子量の低下を抑制し、補強性、耐摩耗性及びスチールコードとの接着性等が改良された天然ゴム組成物に有用な天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法及びそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチを得ることができる。
本発明の製造方法は、天然ゴムラテックスとカーボンブラックスラリ−を液相で混合する工程及び凝固する工程を有し、かつ、該凝固工程における液相のpHが8〜10であることを要する。
天然ゴムラテックスは、ゴムの樹よりタッピングにより採取されたフィールドラテックス(F/L)および、フィールドラックスを遠心分離機などで分離濃縮された濃縮ラテックス(LC)の2種に分類される。濃縮ラテックスはゴム分が約60質量%に濃縮されている。新鮮なフィールドラテックス及び濃縮ラテックスのpHは6.8〜7.0であるが、共にバクテリアなどの作用により不安定となり、自然凝固しやすいため、一般に安定剤としてアンモニアその他のアルカリを加えてpH9〜10程度で保存することでバクテリアなどの侵入を防止し、かつ、ラテックス粒子を電気的に負に帯電させることで安定をはかっている。アンモニアはラテックス中のリン脂質の酵素による加水分解を防ぐために用いられる。
工業的に利用されているゴムの樹は、非ゴム質含有量が低く、ゴム炭化水素、すなわちシス−1,4−ポリイソプレン収量が高いヘベア・ブラジリエンスである。
本発明の製造方法において、凝固工程における液相中のpHを8〜10のアルカリ性に維持することを要する。液相中のpHを上記範囲にすることによって、従来の酸を用いた凝固に比べ、天然ゴムラテックスがゆっくりと凝固し、低分子天然ゴムの凝固を抑制し、高分子量の天然ゴムを得ることができる。
さらに、得られた天然ゴムの重量平均分子量が、8.0×105以上であることを要する。重量平均分子量を上記範囲にすることによって、耐摩耗性の優れた天然ゴム組成物を得ることができる。
天然ゴムの重量平均分子量の上限については特に制限はないが、生産地、ゴムの樹の樹齢、栽培方法によっておのずと限定されるが、通常、2.3×106程度である。
また、本発明の製造方法においては、天然ゴムラテックスのゲル化を防止するために、ラテックス中に恒粘度剤を含有させることが好ましい。恒粘度剤としては、下記一般式(I)で示される芳香族カルボン酸の中から選択されるものが好ましい。
Figure 2006328135
上記式(I)中、mおよびkはそれぞれ1〜3の整数、pは1〜4の整数で、m+k+p=6であり、m≧2の場合、カルボキシル基の一部または全部が分子内で無水化されていてもよい。Xは、酸素、NR3(R3は水素または炭素数1〜24のアルキル基)または−O(R4O)q(R4は炭素数1〜4のアルキレン基、qは1〜5の整数)である。R1は、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基または炭素数6〜24のアリール基、R2は、水素、−OH、アルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、R1およびR2は共に一部または全部の水素がハロゲンで置換されていてもよい。
本発明においては、上記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体のうち、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびその無水物のいずれかの誘導体が好ましく、具体的には、フタル酸モノステアリル、フタル酸モノデシル、フタル酸モノオクチルアミド、フタル酸ポリオキシエチレンラウリルエステル、トリメリット酸モノデシル、トリメリット酸モノステアリル、ピロメリット酸モノステアリル、ピロメリット酸ジステアリル等が挙げられる。
恒粘度剤の配合量は天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.001質量部以上、好ましくは、0.01〜3質量部である。恒粘度剤の配合量を0.001質量部以上にすることによって、恒粘度効果を発揮することができる。
次に、本発明で用いられるカーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。例えば、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックなどがあるが、いずれのものも使用することができ、また、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独にまたは混合して使用することができる。
カーボンブラックスラリーは、あらかじめ、水中にカーボンブラックを分散させたもので、製造は公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等が用いられる。より具体的には、例えば、コロイドミルに所定量のカーボンブラックと水を入れ、高速で一定時間攪拌することで、当該スラリーを調製することができる。
カーボンブラックスラリー中のカーボンブラックの粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であることが好ましい。粒度がこれらの条件を満たすと、ゴム中のカーボンブラックの分散が良好であり、補強性、耐摩耗性が向上する。以上の観点から、体積平均粒子径(mv)が20μm以下、かつ90体積%粒径(D90)が25μm以下であることがさらに好ましい。
また、カーボンブラックスラリーから乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましい。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO 6894に準拠して測定される値である。さらに好ましくは96%以上である。
カーボンブラックスラリー中のカーボンブラック濃度は、スラリーに対して0.5〜60質量%が好ましく、特に好ましい範囲は1〜30質量%である。また、カーボンブラックは、本発明におけるマスターバッチのゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部添加されるのが好ましい。カーボンブラックの含有量が5質量部以上であると充分な補強性が得られ、100質量部以下であると加工性に悪影響を及ぼすことがない。以上の観点から、カーボンブラックの含有量はゴム成分100質量部に対して、10〜70質量部の範囲であることが好ましい。
また、マスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラック以外に、シリカ等の無機充填材、界面活性剤、加硫剤、老化防止剤、着色剤、分散剤等の薬品など種々の添加剤を加えることができる。
カーボンブラックスラリーと天然ゴムラテックスの混合方法方法としては例えば、ホモミキサー中に該スラリーを入れ、攪拌しながら、あらかじめ混合された天然ゴムラテックスを滴下する方法や、逆に該混合ラテックスを攪拌しながら、これに該スラリーを滴下する方法がある。
次に、本発明の製造方法は、天然ゴムラテックスとカーボンブラックスラリーを混合した液相のpHを8〜10に維持した状態で凝固する工程を有する。
この凝固工程では通常は凝固剤が用いられるが、本発明においては、天然ゴムラテックスと前記スラリーとを混合したのち、凝固剤を添加することなしに、凝固がなされる。
本発明における凝固工程においては、攪拌下に温度を制御することにより凝固が行なわれている。この際せん断力は10〜1000kPaで行なわれ、好ましくは200〜800kPaかつ、混合された液相の温度は、20〜80℃の範囲で行なうことが好ましい。
せん断力を上記範囲にすることで機械的にコロイドの安定性を低下させ凝固させ、低分子成分の凝固を抑制し、目的とする重量平均分子量の天然ゴムを得ることができる。せん断力が上記範囲を超えると低分子成分の凝固が起こり結果として目的の分子量のものが得られない。また、液相の温度を20〜80℃、好ましくは40〜70℃にすることによって凝固を促進させることができる。
マスターバッチ製造の最終工程として、乾燥が通常行われる。本発明においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらにカーボンブラックの分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行なうことが好ましい。
せん断力をかけながらの乾燥により、加工性、補強性、低燃費性がさらに優れた天然ゴムカーボンマスターバッチを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行なうことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機を用いることがより好ましい。
また、上記のせん断力をかけながら乾燥を行う工程においては、乾燥工程前のマスターバッチ中の水分は10質量%以上であることが好ましい。この水分が10質量%以上であると、乾燥工程でのカーボンブラックの分散の改良幅が充分に得られる。
前記ほうほうによるマスターバッチを用いて得られるゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを添加することができる。
本発明はまた、前記の方法で得られた天然ゴムカーボンマスターバッチも提供する。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における物性評価は、下記の方法により行った。
(1)凝固粒中の水分のpH測定
凝固粒(含水率約40質量%)約50g程度から含有水を採取し、その水のpHをpHメーターで測定した。
(2)カーボンゲルの測定
天然ゴムゴムのカーボンマスターバッチを細断し、その重量を測定後、風袋重量既知の金網(150メッシュ)製の試料カゴに入れ、カゴごとトルエン中に24時間浸漬する。その後、カゴを取り出し、トルエン不溶分(カーボンゲル)を充分乾燥し、その重量を測定した。カーボンマスターバッチ重量中の天然ゴムの重量(カーボンマスターバッチ重量に天然ゴム含有率を乗じた重量)に対する不溶分中の天然ゴム重量(不溶分からカーボンブラック等のトルエン不溶分を除いた重量)の割合(%)を求めた。
(3)天然ゴムの重量平均分子量の測定
ゲル透過クロマトグラフィー法により天然ゴムの重量平均分子量を測定した。測定装置には、東ソー社製のゲルパーミエイションクロマトグラフHCL−8020、カラムには東ソー社製のGMHXL、校正には東ソー社製の標準ポリスチレン、溶媒にはTHF、溶液には0.01gサンプル/30cm3のTHFを用いた。
(4)破壊強力
JIS K6251−1993に準拠し、23℃で測定した時の引張強さを求めた。比較例1を100とする指数で示した。値が大きいほど補強性が高い。
(5)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%で摩耗量を測定し、その逆数を、比較例1を100とする指数で表示した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(6)スチールコード接着試験
ゴム−コード複合体サンプル(CRA試験サンプル)を、150℃で、30分間加硫した。コードをゴムから引き剥がし、その際の剥離抗力を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、剥離抗力に優れる。
実施例1〜3及び比較例1、2
A.ラテックスの調製
「天然ゴムラテックス」
天然ゴムのフィールドラテックス(ゴム分24.2質量%)を脱イオン水で希釈し、ゴム分20質量%のものにした。
B.充填材の水分散スラリーの調製
「スラリー1」
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラック(N110)の75gを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
「スラリー2」
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラック(N550)の75gを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
C.凝固工程
「トレッドゴム用」
ホモミキサー中に、上記により調製された天然ゴムラテックスとスラリー1を、天然ゴム分100質量部に対して、カーボンブラックを50質量部になるよう添加し、第1表に示す実施例1〜3、比較例1〜2の条件に従って凝固を行なった。凝固したマスターバッチを回収、水洗し、水分が約40質量%になるまで脱水を行った。
「スチールコーテイングゴム用」
スラリー1に替えてスラリー2を用い、天然ゴム分100質量部に対して、カーボンブラックを55質量部になるよう添加した以外は、トレッドゴム用と同じように凝固工程をおこなった。
D.乾燥工程
「D−1:トレッドゴム用」
神戸製鋼製2軸混練押出機(同方向回転スクリュー径 30mm、L/D=35、ベントホール3ヶ所)を用いて、バレル温度120℃、回転数100rpmで乾燥する2軸混練押出機法の方法により行なった。
上記により得られたマスターバッチ中のカーボンブラック量はいずれも、天然ゴム100質量部に対して、約50質量部であった。このマスターバッチを用いてマスターバッチの収率(%)、カーボンゲル(%)及び天然ゴムの重量平均分子量の測定をおこなった。
「D−2:スチールコーテイングゴム用」
乾燥工程については、トレッドゴム用と同じ方法でおこなった。
上記により得られたマスターバッチ中のカーボンブラック量はいずれも、天然ゴム及びポリブタジエンゴムの合計100質量部に対して、約55質量部であった。このマスターバッチを用いてカーボンゲル及び天然ゴムの重量平均分子量の測定を行なった。結果を第1表に示す。
E.ゴム組成物の調製
「E−1.トレッドゴム用」
上記のマスターバッチにより得られたカーボンブラック配合ゴム(天然ゴム100質量部とカーボンブラック(N110)約50質量部)に対して、酸化亜鉛3質量部、硫黄1.2質量部、ステアリン酸2質量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〔大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクセラーNS〕1質量部およびN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン〔大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック6C〕1質量部を配合し、プラストミルで混練してゴム組成物を得た。尚、天然ゴム100質量部に対してカーボンブラック量が50質量部になるように天然ゴム又はカーボンブラックを追加した。
このゴム組成物を150℃で30分間加硫し、得たゴムについて、破壊強力(引張強さ)と耐摩耗性とを測定した。結果を第1表に示す。
「E−2.スチールコーテイングゴム用」
上記のマスターバッチにより得られたカーボンブラック配合ゴム(天然ゴム100質量部とカーボンブラック(N550)55質量部)に対して、軟化剤1.0質量部、ナフテン酸コバルト2.0質量部、酸化亜鉛6質量部、老化防止剤N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン〔大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラック6C〕2質量部、硫黄5質量部,加硫促進剤N,N'−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〔大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクセラーDZ〕0.8質量部を配合し、プラストミルで混練してゴム組成物を得た。尚、天然ゴム100質量部に対してカーボンブラック量が55質量部になるように天然ゴム又はカーボンブラックを追加した。
このゴム組成物とスチールコードの複合体を150℃で30分間加硫し、複合体について接着試験を行なった。結果を第1表に示す。
Figure 2006328135
本発明の製造方法によれば、マスターバッチ中の天然ゴムの分子量の低下を抑制し、補強性、耐摩耗性及びスチールコードとの接着性等が改良された天然ゴム組成物に有用な天然ゴムカーボンマスターバッチを製造することができる。またそれから得られた天然ゴムカーボンマスターバッチを用いて調製されるゴム組成物は、タイヤ用途をはじめベルト、ホース、防振ゴムその他のゴム製品に適用可能であり、特にタイヤの用途に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 天然ゴムラテックスとカーボンブラックスラリ−を液相で混合する工程及び凝固する工程を有し、かつ、該凝固工程における液相のpHが8〜10である天然ゴムマスターバッチの製造方法であって、凝固物中の天然ゴムの重量平均分子量が8.0×105以上であることを特徴とする天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法。
  2. 凝固工程が、攪拌下に温度を制御することにより、凝固させる工程であり、且つ該工程における攪拌せん断力が10〜1000kPaで、液相の温度が20〜80℃である請求項1に記載の天然ゴムカーボンマスターバッチの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られる天然ゴムカーボンマスターバッチ。

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