JP2006232300A - 口栓付きパウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】密封機能と注出機能の両機能を有するキャップと内容物が充填し易い口内径を有するスパウトからなる口栓を備え、内面が殺菌し易いパウチを提供することにある。
【解決手段】パウチ本体部にキャップとスパウトからなる口栓を取り付けた口栓付きパウチにおいて、該パウチ本体部がガスバリア性積層材料からなり、該スパウトが少なくとも、両端に内容物を充填し易い口内径の開口部を有する中空円筒状のスパウト本体部のパウチ本体部側の外周に外側に突出するシール部を設け、反対側の外周に外側に突出する雄ネジ部を設けたものからなり、該キャップが内面に前記スパウトの雄ネジ部にねじ込む為の雌ネジ部を有する中空円筒状の螺合部と該螺合部から立ち上がって先に向かって細くなり、先端に天面部を有する形状の内容物の注出流路部を有するものからなる。
【選択図】図1

Description

本発明はキャップとスパウトからなる口栓を有する口栓付きパウチに関するものである。
口栓付きパウチはゼリー飲料、清涼飲料、練り製品などの食品分野や、トイレタリー用品分野で多く使用されている。さらに、近年、医療分野でも、ガラス瓶やプラスチックボトルの代替材として盛んに使用されており、この場合、一般的には注出口にチューブを接続して、内容物を投与する方法が採られているが、内容物が栄養剤や流動食の場合は使用時にさらに他の薬剤や水を追加して入れて使用する為にスパウトとキャップからなる注出部口栓のみを有するパウチでは、スパウトの注出口を充填口として兼用するか、パウチの一部を切断し、その切断口から他の薬剤や水を入れる必要があり、作業が繁雑になり、且つ衛生的にも種々問題があった。これらの問題を改善する為に、図5に示したような形状で、パウチ本体部(2′)に内容物を充填し易いように大きい口内径を有するスパウト(42)とそのキャップ(41)からなる充填部口栓(40)及び内容物を少しずつ注出できるように小さい口内径を有するスパウト(52)とそのキャップ(51)からなる注出部口栓(50)を備えたパウチが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−327263号公報
しかしながら、前記提案されている口栓付きパウチは、殺菌済みの内容物を事前に殺菌した容器に充填密封する無菌充填包装の用途に使用する場合は、事前に口栓付きパウチの中に過酸化水素ガスなどの殺菌性ガスを導入して、内面を殺菌するが、注出部口栓(50)の内面が殺菌不良になったり、注出部口栓(50)の内面の殺菌性ガスが十分に除去されない状態が生じ、結果的に内容物の品質に悪影響を及ぼす等の弊害があった。また、輸送時などに注出部口栓(50)が小さい為に破損するなどの問題があった。
本発明の課題は、密封機能と注出機能の両機能を有するキャップと内容物が充填し易い口内径を有するスパウトからなる口栓を備え、内面が殺菌し易いパウチを提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、パウチ本体部にキャップとスパウトからなる口栓を取り付けた口栓付きパウチにおいて、該パウチ本体部がガスバリア性積層材料からなり、該スパウトが少なくとも、両端に内容物を充填し易い口内径の開口部を有する中空円筒状のスパウト本体部のパウチ本体部側の外周に外側に突出するシール部を設け、反対側の外周に外側に突出する雄ネジ部を設けたものからなり、該キャップが内面に前記スパウトの雄ネジ部にねじ込む為の雌ネジ部を有する中空円筒状の螺合部と該螺合部から立ち上がって先に向かって細くなり、先端に天面部を有する形状の内容物の注出流路部を有するものからなることを特徴とする口栓付きパウチである。
本発明の口栓付きパウチは、パウチ本体部にキャップとスパウトからなる口栓を取り付けた口栓付きパウチにおいて、該パウチ本体部がガスバリア性積層材料からなり、該スパウトが少なくとも、両端に内容物を充填し易い口内径の開口部を有する中空円筒状のスパ
ウト本体部のパウチ本体部側の外周に外側に突出するシール部を設け、反対側の外周に外側に突出する雄ネジ部を設けたものからなり、該キャップが内面に前記スパウトの雄ネジ部にねじ込む為の雌ネジ部を有する中空円筒状の螺合部と該螺合部から立ち上がって先に向かって細くなり、先端に天面部を有する形状の内容物の注出流路部を有するものからなっているので、内容物の品質保存性が優れ、事前にキャップ、スパウト及びパウチ本体部のそれぞれの内面を十分に殺菌でき、開口部からの内容物の充填もし易く、内容物を充填、密封した後に内容物を注出する場合は、キャップの先端を切断し、小さい口内径の切断口を設けて、その切断口を介して内容物を少量ずつ注出できる。従って、無菌充填包装などの包装分野で十分に使用でき、充填する内容物としては、例えば、栄養剤や流動食品等に向いている。
本発明の口栓付きパウチを実施の形態に沿って、以下に説明する。図4は本発明の口栓付きパウチに使用するガスバリア性積層材料の一実施形態を示す側断面図であり、ガスバリア性積層材料(100)は厚み方向に順に、基材層(101)、接着剤層(104)、中間層(102)、接着剤層(105)、シーラント層(103)が順次積層された構成になっており、基材層(101)と接着剤層(104)の間に印刷層を積層した構成でも良い。
前記基材層(101)は、単層フィルム若しくは積層フィルムからなっており、使用されるフィルムとしては、例えば厚さ20〜30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ15〜25μmの二軸延伸ナイロンフィルム、厚さ6〜12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ6〜12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムに酸化珪素若しくは酸化アルミニウムなどの無機酸化物の蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を積層したガスバリアフィルムなどが使用できる。
前記中間層(102)は、ガスバリ性積層材料全体の機械的強度を向上させたり、ガスバリア性を向上させる為に積層するもので、例えば、二軸延伸ナイロンフィルム、無延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(厚さ6〜15μm)、エチレン・ビニルアルコールフィルム(厚さ6〜20μm)等が使用される。
前記シーラント層(103)は、ポリオレフィン系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂フィルムからなっており、樹脂の種類としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂、ポリプロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂などを適宜選定し、積層方法は公知の溶融押出法あるいはドライラミネーション法で積層する。
前記接着剤層(104、105)には、一般的にポリウレタン系接着剤を使用する。通常、水酸基を持った主剤とイソシアネート基を持った硬化剤とを2液混合して使用する2液型が使用される。その積層方法は公知のグラビアコート方式で積層する。塗布量は1〜5g/m2(乾燥状態)が良い。
図1は本発明の口栓付きパウチの一実施形態を示す説明図であり、口栓付きパウチ(1)は、自立性を有する底シール部(3)、サイドシール部(4、5)及び上部シール部(6)を有するパウチ本体部(2)の上辺の一方のコーナーにキャップ(10)とスパウト(20)からなる口栓(30)が取り付けられており、さらに、底シール部(3)の両側には使用時に支持具等に吊り下げる為の孔部(7a、7b)が設けられており、図2(a)は本発明の口栓付きパウチに使用するキャップの拡大断面図であり、キャップ(10)
は、開口部(25)側の内面に雌ネジ部(12a、12b)を有する中空円筒状の螺合部(11)と螺合部(11)から立ち上がって先に向かって細くなり、先端に天面部(14)を有する形状の内容物の注出流路部(13)を有するものからなっており、密封機能と注出機能の両機能を備えており、(b)は本発明の口栓付きパウチに使用するスパウトの拡大断面図であり、スパウト(20)は、両端に口内径がdの開口部(26、27)を有する中空円筒状のスパウト本体部(21)の開口部(26)側の外周に外側に突起した状態のシール部(22)を設けており、開口部(27)側の外周に雄ネジ部(23a、23b)を設けており、シール部(22)と雄ネジ部(23a、23b)との間の外周には外側に突起した状態のハンドリング部(24a、24b)を設けている。前記dは内容物を充填し易くする為に、通常20〜30mmの大きさが適切である。
なお、前記シール部(22)はパウチ本体部(2)に使用されているガスバリア性積層材料(100)のシーラント層(103)と熱融着させ易くする為に設けられており、前記ハンドリング部(24a、24b)は、パウチ本体部(2)に取り付ける際に搬送し易くする為などに設けられている。また、底シール部(3)は自立性を有しない通常の平シールの形態でも良い。
本発明の口栓付きパウチの特徴とするところは、スパウト(20)の開口部(26、27)の口内径が内容物を充填し易いように大きく設計されているので、事前にスパウト(20)をパウチ本体部(2)に取り付けた状態で、内面を殺菌性ガスで殺菌したり、内面から除菌したりすることが容易であり、また、キャップ(10)は、内容物を充填後に螺合部(11)の雌ネジ部(12a、12b)をスパウト(20)の雄ネジ部(23a、23b)に外側からねじ込んで密封する機能と、内容物を充填密封後、使用する時にキャップ(10)の先端部分を切断して、小さい口内径の切断口を設け、その切断口から内容物を少しずつ注出できる注出機能の両方を兼ね備えていることである。
図3は本発明の口栓付きパウチのスパウトとパウチ本体部との接着状態を示す説明図であり、スパウト(20)のシール部(22)の外周にパウチ本体部(2)を熱融着している。熱融着する方法は図には示していないが、ガスバリア性積層材料(100)のシーラント層(103)とスパウト(20)のシール部(22)同士を熱融着させる。
前記キャップ(10)及びスパウト(20)に使用される材料は、一般的に耐熱性を有する樹脂、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が使用される。
以下に、本発明の口栓付きパウチを具体的な実施例に沿って詳細に説明する。
ガスバリア性積層材料(100)として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に厚さ50nmの酸化珪素蒸着薄膜層を積層し、その上にテトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2 換算)の加水分解溶液とポリビニルアルコールの3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水/イソプロピルアルコールは重量%比で90/10)を重量%比で60/40に配合した塗布液を用いて、厚さ0.5μmのガスバリア性被膜層を積層したガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層面にウレタン系接着剤(塗布量5g/m2、乾燥状態)を介して厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを積層し、その上にポリウレタン系接着剤(塗布量5g/m2、乾燥状態)を介して厚さ60μm、密度0.915g/cm3のポリエチレンフィルムを積層した積層材料を作成し、スパウト(20)として図2(b)に示すような形状で、厚さ1.5mmで、口内径が22mmの中空状のポリエチレン製スパウトを作成し、キャップ(10)として、図2(a)に示すような形状で、厚さ3mmで先端方向が細くなっているポリエチレン製キャッ
プを作成し、前記の諸材料を用いて、図1に示すような形状で、内容積1000mlの本発明の口栓付きパウチを得た。
以下に、比較用の実施例を説明する。
ガスバリア性積層材料として、実施例1と同一構成の積層材料を作成し、スパウトとして、厚さ1.5mmで、口内径が22mmの中空円筒状の大きいポリエチレン製スパウトとパウチ本体部側の口内径が10mmで、先に向かって細くなっている小さいポリエチレン製スパウトを作成し、前記二つのスパウト用のポリエチレン製キャップを作成し、それらの諸材料を用いて図5に示すような形状で、内容積1000mlの比較用の口栓付きパウチを得た。
〈評価〉
本発明の実施例1の口栓付きパウチ及び比較用の実施例2の口栓付きパウチ用いて、殺菌テスト及び落下衝撃テストをそれぞれ以下に示す方法で実施し、その有為差を評価した。その結果を表1に示す。
(1)殺菌テスト方法
作成した口栓付きパウチの内面に106個/パウチの枯草菌を植菌した後に、植菌した口栓付きパウチ内に過酸化水素ガスを封入して殺菌した。殺菌後に無菌水を入れて内面を洗浄し、得られた洗浄液0.1mlを普通寒天培地に入れて混釈し、37℃、24時間培養後、生残菌数をカウントした。
(2)落下衝撃テスト方法
作成した口栓付きパウチに水を充填、密封後に、水充填済みパウチを段ボールに50個梱包し、1mの高さから10回落下させ、水漏れしたパウチの個数を目視で確認した。
Figure 2006232300
表1に示すように、本発明の実施例1の口栓付きパウチは、殺菌テスト後の生残菌数は検出されず、十分殺菌されており、一方、比較用の実施例2の口栓付きパウチは、殺菌テスト後の生残菌数が10〜100個/パウチで殺菌不良であった。また、本発明の実施例1の口栓付きパウチは、落下衝撃テスト後の水漏れしたパウチの個数は0/50であり、一方、比較用の実施例2の口栓付きパウチは、落下衝撃テスト後の水漏れしたパウチの個数は3/50で、不良であった。
本発明の口栓付きパウチの一実施形態を示す説明図である。 (a)は本発明の口栓付きパウチのキャップの一実施形態を示す拡大断面図であり、(b)は本発明の口栓付きパウチのスパウトの一実施形態を示す拡大断面図である。 本発明の口栓付きパウチのスパウトとパウチ本体部の接着状態を示す説明図である。 本発明の口栓付きパウチに使用するガスバリア性積層材料の側断面図である。 従来の口栓付きパウチの説明図である。
符号の説明
1,1′…口栓付きパウチ
2,2′…パウチ本体部
3,3′…底シール部
4,4′,5,5′…サイドシール部
6,6′…上部シール部
7a,7b…孔部
10…キャップ
11…螺合部
12a,12b…雌ネジ部
13…注出流路部
14…天面部
20…スパウト
21…スパウト本体部
22…シール部
23a,23b…雄ネジ部
24a,24b…ハンドリング部
25,26,27…開口部
30…口栓
40,50…口栓
41,51…キャップ
42,52…スパウト
60…空間
100…ガスバリア性積層材料
101…基材層
102…中間層
103…シーラント層
104,105…接着剤層
d…口内径

Claims (1)

  1. パウチ本体部にキャップとスパウトからなる口栓を取り付けた口栓付きパウチにおいて、該パウチ本体部がガスバリア性積層材料からなり、該スパウトが少なくとも、両端に内容物を充填し易い口内径の開口部を有する中空円筒状のスパウト本体部のパウチ本体部側の外周に外側に突出するシール部を設け、反対側の外周に外側に突出する雄ネジ部を設けたものからなり、該キャップが内面に前記スパウトの雄ネジ部にねじ込む為の雌ネジ部を有する中空円筒状の螺合部と該螺合部から立ち上がって先に向かって細くなり、先端に天面部を有する形状の内容物の注出流路部を有するものからなることを特徴とする口栓付きパウチ。
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