JP2006231924A - 画像形成装置並びに打滴制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドットが重なることによる画像乱れを防止すると共に、記録時間がかからない画像形成装置及び記録制御方法を提供する。
【解決手段】第1のドット102と第2のドット112とは重なるように形成される。まず、第1のドット102を形成する直径D1aのインク滴100が打滴され、所定の時間が経過するとインク滴100が記録紙に浸透して記録紙表面の直径はD1bになる。この状態で、第2のドット112を形成するインク滴110を打滴すると、インク滴100とインク滴110とが混合せず、また、記録紙16内に浸透したインクは記録紙内の受像層にほじされるので記録紙内でもインクの混合が起こらない。したがって、所望のドット形状をえることができる。更に、インク滴100の完全浸透を待たずにインク滴110を打滴できるので印字速度を落とさずに済む。
【選択図】 図9

Description

本発明は画像形成装置並びに打滴制御方法に係り、特に被記録媒体上に形成されたドットにより画像を形成する画像形成装置における記録制御技術に関する。
近年、デジタルスチルカメラにより撮影された画像などを印刷記録する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)が普及している。インクジェット記録装置はヘッドに複数の記録素子(ノズル)を備え、この記録素子からインクの液滴を被記録媒体に吐出しながら記録ヘッドを走査させ、被記録媒体上に画像を1ライン分記録すると被記録媒体を1ライン分搬送し、この工程を繰り返すことにより記録紙上に画像を形成するものである。
インクジェットプリンターには、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うものや、被記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるものがある。ラインヘッドを用いたものでは、記録素子の配列方向と直交する方向に被記録媒体を走査させることで被記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。ラインヘッドを用いたプリンターでは短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となり、また、キャリッジの移動と被記録媒体との複雑な走査制御が不要になる。また、被記録媒体だけが移動するのでシリアルヘッドを用いたプリンターに比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットプリンターでは、記録素子(ノズル)から吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることにより1つの画像が表現されている。これらドットのサイズを小さくし、1画像あたりの画素数を多くすることによって高画質が実現されている。ドットのサイズを小さくすることはインクの吐出量を少なくすることによって実現できるので、インクの吐出量を細かく正確に制御する必要がある。また、隣り合うドットが所定の打滴位置に打滴されるように、被記録媒体と記録ヘッドとの相対速度とインクの吐出タイミングが制御される。
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置は、インクの吸収特性、インクの浸透特性、インク(ドット)の密度、インクの体積、インクの蒸発特性、環境温度から、画像乱れを起こさない時間を算出する技術が提案されている。即ち、上述したパラメータからインクの乾燥時間等を推定し、記録と記録との間隔を調整する。
また、特許文献2に記載されたインクジェットプリンター用の記録ヘッドを製造する方法及び印刷方法は、インクの乾燥時間を考慮してノズル間の距離を決めて印字ヘッドを製造する方法と、該印字ヘッドを用いた印字方法が提案されている。
特開平3−247450号公報 特開平10−250059号公報
しかしながら、複数のドットを重ねて被記録媒体上に着弾させると、インク液滴が混合し、本来のドット形状である円形状が崩れてしまい、所望の画像を形成させることが困難であった。
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置では、画像乱れを起こさない時間をパラメータごとに求めているが、種々のドット配列パターンに対して画像乱れを起こさない時間を求めることは非常に困難である。また、1つの画像内にドット間ピッチ及びドット径が異なる混在パターンを形成する場合の記録方法が十分に開示されていない。
特許文献2に記載されたインクジェットプリンター用の記録ヘッドを製造する方法及び印刷方法では、第1のドットの乾燥時間が経過した後に第2のドットを着弾させることは開示されているが、用紙表面のドットが完全に乾燥するまで隣接ドットを着弾させることができず、印字の際に非常に時間を要してしまう。また、1つの条件に基づいた乾燥時間を想定してノズル間の距離を決め、これを固定値としているので、インクや用紙が変わった場合には対応できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ドットが重なることによる画像乱れを防止すると共に、記録時間がかからない画像形成装置及び打滴制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、被記録媒体に液滴を打滴する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、前記被記録媒体と前記記録ヘッドとを前記被記録媒体と相対移動させる搬送手段と、を備えた画像形成装置であって、前記被記録媒体に形成される第1のドットと前記第1のドットを形成する第1の液滴を打滴した後に前記第1のドットと重なるように形成される第2のドットとの間隔Pt 、前記第2のドットを形成する第2の液滴の前記被記録媒体着弾時における前記被記録媒体表面の直径D2a、前記第2の液滴が前記被記録媒体に着弾したときの前記被記録媒体表面における前記第1の液滴の直径D1bとするとき前記打滴制御手段は、D1b>0の状態において次式D1b<2×Pt −D2aを満足する前記第1の液滴の直径D1bになるまでの液滴径変化時間を前記第1の液滴の打滴から前記第2の液滴の打滴までの打滴インターバルとして打滴タイミングを制御することを特徴としている。
即ち、先に被記録媒体上に着弾した第1の液滴が被記録媒体へ完全に保持されるまで待たずに第2の液滴を被記録媒体上に着弾させても、被記録媒体表面でインクの混合が起こらない。したがって、印字速度を落とすことなく、第1の液滴と第2の液滴との混合によるにじみを防止でき、所望のドット形状を得ることができる。
例えば、液滴が被記録媒体へ浸透が進行する過程では、被記録媒体表面の液滴は外側(外周部)から内側に向かって小さくなる。なお、被記録媒体へ着弾したときの液滴サイズと形成されるドットのサイズは略同一である。
第1のドットと第2のドットとの間隔(ドットピッチ間隔)Ptは、記録ヘッドから正常に吐出 (記録)された液滴の間隔と略同一である。
また、第1の液滴の浸透、固化等が完全に終了するとD1b=0になるので、第1のインク滴が完全に浸透しない状態は、D1b>0を満足する。
第1のドットと第2のドットとが重なる場合には、第1のドットの半径(D1a/2)と第2のドットの半径(D2a/2)との合計が、第1のドットと第2のドットとの間隔Ptよりも大きくなる場合であり、これは、Pt <(D1a/2)+(D2a/2)の関係を満足する。
記録ヘッドは、搬送手段の相対搬送方向に略直交する方向に使用する被記録媒体の印字可能領域の全域にわたってインク吐出孔などの記録素子が配置されているフルライン型の
記録ヘッドでもよいし、短尺の記録ヘッドを搬送手段の相対搬送方向に略直交する方向に移動しながらインク滴を吐出させるシリアル型 (シャトルスキャン型)記録ヘッドでもよい。
被記録媒体は、記録ヘッドによって印字を受ける媒体(被画像形成媒体)であり、具体的には連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
被記録媒体と記録ヘッドとを相対移動させる態様は、固定された記録ヘッドに対して被記録媒体を移動させてもよいし、被記録媒体を固定させて記録ヘッドを移動させてもよい。また、被記録媒体と記録ヘッドとを両方とも移動させてもよい。被記録媒体の搬送手段には搬送ベルトや搬送ドラム等が適用される。
請求項2に示すように請求項1に記載された発明において、前記第1のドットと第2のドットとの間隔Pt 及び、第2の液滴の前記被記録媒体着弾時における前記被記録媒体表面の直径D2aが次式、D1b<2×Pt −D2aを満足する前記第1の液滴の直径D1bを求める打滴条件算出手段と、前記第1の液滴が前記被記録媒体へ着弾してから前記第1の液滴の直径がD1bになるまでの液滴径変化時間を求める液滴径変化時間算出手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、第2の液滴を打滴することができる第1の液滴の条件を求める打滴条件算出手段と、該第1の液滴がこの条件を満足するまでの時間を求める液滴径変化時間算出手段を備えたので、装置内において打滴インターバルを求めることができる。
また、1つの画像内に前記ドット間隔、前記第1ドットの直径、前記第2のドットの直径の組み合わせを複数有する混在パターンを形成する場合、前記液滴径変化時間を複数算出し、前記打滴制御手段は、算出された複数の前記液滴径変化時間の代表値を用いて当該画像の記録タイミングを制御する態様も好ましい。
かかる態様によれば、ドット間隔(ドットピッチ)、各ドットの直径が異なるような混在パターンを含む画像にも対応可能であり、画像ごとに打滴タイミングを最適化することができる。
混在パターンには、ドット間隔が複数あるもの、ドット直径が複数あるもの、及びドット間隔、ドット直径とも複数あるものがあり、何れにも対応可能である。
代表値には、最大値、最小値、平均値、最も使用頻度が高い値などがあり、画像品質や記録制御に応じて適宜使い分けてもよい。該代表値は1画像に1つでもよいし、1画像に複数求められてもよい。
また、前記液滴径変化時間の代表値は、少なくとも前記液滴径変化時間算出手段において算出された複数の前記液滴径変化時間の最大値以上の値を含んでいる態様も好ましい。
かかる態様によれば、最も液滴径変化時間が長いパターンに合わせて当該画像内の打滴タイミングの制御が行なわれるので、ドットの滲みを確実に防止でき、制御系もシンプルな制御となり制御系の負担が低減する。
液滴径変化時間は、各パターンから求められた最大値でもよいし、安全を見越して該最大値にマージンを加えた時間でもよい。但し、液滴径変化時間は液滴の浸透或いは固化が完全に終了する時間未満である。
また、請求項3に示すように請求項1又は2記載の発明において、前記打滴制御手段は、1画像内は1つの打滴インターバルにより打滴タイミングを制御することを特徴としている。
即ち、1画像内は1つの打滴インターバルにより打滴制御が行われるので、画像ごとに打滴インターバルを持つことができる。
また、請求項4に示すように請求項2又は3記載の発明において、液種類情報或いは前記被記録媒体種類情報のうち少なくとも何れか1つの情報が含まれる情報を提供する情報提供手段を備え、前記液滴径変化時間算出手段は、前記情報提供手段によって提供される情報に基づいて前記液滴径変化時間を算出することを特徴としている。
即ち、液の種類や被記録媒体(記録用紙)の種類が変わっても、最適な打滴タイミングにより記録(画像形成)が行なわれるので、印字速度が速いだけでなく所望のドット形状を得ることができる。
該情報には、インクの種類、被記録媒体の種類の他に、温度、湿度等の環境条件、インクの浸透速度に影響を与え得る要因が含まれていてもよい。これらの条件をデータテーブル化して、液滴径変化時間を求める際に該データテーブルを参照するように構成する態様が好ましい。
また、前記液滴変化時間算出手段は、前記搬送手段の相対搬送方向に略直交する方向のドットピッチ及び前記搬送手段の相対搬送方向のドットピッチから、前記搬送手段の相対搬送方向に略直交する方向における第1の液滴径変化時間及び前記搬送手段の相対搬送方向における第2の液滴径変化時間を求め、前記打滴制御手段は、前記第1の液滴径変化時間及び前記第2の液滴径変化時間をそれぞれ前記搬送手段の相対搬送方向に略直交する方向の打滴インターバル及び前記搬送手段の相対搬送方向である副走査方向の打滴インターバルとして、打滴タイミングを制御する態様も好ましい。
かかる態様によれば、前記搬送手段の相対搬送に略直交する方向(主走査方向)と前記搬送手段の相対搬送方向 (副走査方向)との打滴タイミングをそれぞれ制御可能である。
また、請求項5に示すように請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたラインヘッドであることを特徴としている。
ラインヘッドは、該ヘッドの長手方向について複数のヘッドに分割されている分割ヘッドでもよい。また、該ヘッドには、ノズル列を1列備えてもよいし、複数のノズル列を備えてもよい。
また、請求項6に示すように請求項5記載の発明において、前記記録ヘッドは、前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向に沿って形成されるドットのうち奇数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第1のノズル列と、偶数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第2のノズル列と、を有し、前記搬送手段の相対搬送方向の打滴制御に応じて前記第1のノズル列と前記第2のノズル列との間隔を可変させる間隔可変手段を備えたことを特徴としている。
即ち、ラインヘッドにおいて、被記録媒体に略直交する方向の記録タイミングを効率よく制御可能である。
また、請求項7に示すように請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の全幅よりも短い長さにわたって複数の前記ノズルが配列され、前記ノズルの配列方向に沿って前記記録ヘッドと前記被記録媒体とを相対移動させる移動手段を備えたシリアルヘッドであることを特徴としている。
また、請求項8に示すように請求項7記載の発明において、前記記録ヘッドは、前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向に沿って形成されるドットのうち奇数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第1のノズル列と、偶数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第2のノズル列と、を有し、前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向の打滴制御に応じて前記第1のノズル列と前記第2のノズル列との間隔を可変させる間隔可変手段を備えたことを特徴としている。
即ち、搬送速度や記録周波数を変えることなく、被記録媒体と略直交する方向の記録タイミングを制御することが可能である。
また、本発明は前記目的を達成する方法発明を提供する。即ち、請求項9に係る発明は、被記録媒体に液滴を打滴する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、を備えた画像形成装置の打滴制御方法であって、前記被記録媒体に第1の液滴により第1のドットを形成する第1のドット形成工程と、前記第1の液滴を打滴した後に、前記第1のドットと重なる第2のドットを形成する第2の液滴を打滴する第2のドット打滴工程と、前記第2の液滴を打滴する際に、前記被記録媒体表面において前記第1の液滴と前記第2の液滴とが重ならないような前記第1の液滴の直径を求める打滴条件算出工程と、前記第1の液滴の直径D1bが前記被記録媒体に着弾したときの値から前記被記録媒体表面において前記第1の液滴の直径D1b>0の状態で前記第2の液滴と重ならないような値になるまでの時間を求める液滴径変化時間算出工程と、を含むことを特徴としている。
上記各工程を実現するソフトウエア(プログラム)を構成し、CPU (中央演算装置)等の制御手段を用いて該プログラムを実行可能である。更に、該プログラムを記録媒体に記憶することも可能である。
本発明によれば、先に打滴される第1のインク滴の完全浸透を待たずに、第2のインク滴を打滴しても、被記録媒体上で第1のインク滴と第2のインク滴とが混合しないので、所望のドット形状を得ることができる。また、第1のインク滴の完全浸透を待たずに第2のインク滴を打滴することができるので、印字速度が速い。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図6中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。また、印字検出部24には、打滴されたドットに光を照射させる光源を備えている。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。なお、大きめの用紙に本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(b) 中の4−4線に沿う断面図)である。
本例の印字ヘッド50は、印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bを有し、印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bは記録紙搬送方向に沿って相対的に移動可能に構成され、各印字ヘッドの間隔(記録紙搬送方向のノズルピッチ)を可変させることができる。
例えば、印字ヘッド50Aには、モータ、ボールネジやスライドレール等の搬送機構、ガイド部材を含んだ不図示のヘッド移動機構を備え、固定された第2の印字ヘッドに対して、印字ヘッド50Aを移動させる態様や、印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bの両方に前述したヘッド移動機構を備え、それぞれを移動可能に構成する態様がある。もちろん、印字ヘッド50Aを固定し、印字ヘッド50Bを移動させてもよい。
また、図3(a) に示すように、印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bには、記録紙搬送方向と略直交する方向に沿って複数のノズルが1列配列されている。印字ヘッド50Aに設けられたノズル51Aの間隔(ノズルピッチ)と印字ヘッド50Bに設けられたノズル51Bのノズルピッチとは同一である。
更に、印字ヘッド50A内において隣り合うノズル51Aの略中間位置に、第2の印字ヘッド内のノズル51Bが位置するように、印字ヘッド50Aと第2の印字ヘッドの記録紙搬送方向と略直交する方向の位置が決められている。
言い換えると、第1の印字ヘッド内のノズル51Aと印字ヘッド50B内のノズル51Bとは、1/2ピッチずれた千鳥配置になっており、記録紙搬送方向に略直交する方向には各印字ヘッド50内のノズルピッチの1/2ピッチで直線状に配列されているものと等価である。
なお、本例では、印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bには、ノズル列が一列設けられた態様を例示したが、ノズルが2次元にマトリクス状に配列されていてもよい。
ここで、便宜上、記録紙搬送方向を副走査方向、記録紙搬送方向と略直交する方向を主走査方向と記載することがある。
更に、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
なお、用紙(記録紙16)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るラインを印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
図3(a) に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51A、51B、51A、…、のように、記録紙16の搬送速度に応じてノズル51A及びノズル51Bを異なるタイミングで駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るラインの印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されている。本発明の実施に際して、アクチュエータ58にはピエゾ素子以外の他のアクチュエータを適用できる。
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル51面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル51面(インク吐出面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
〔打滴タイミングの制御〕
図7乃至図12を用いて、本インクジェット記録装置10の打滴タイミングの制御(打滴制御)を説明する。インクジェット記録装置10では、記録紙16上に形成されるドットが重なり合う場合に、先に打滴されたインク滴100が記録紙16に浸透が終了する前に次に打滴されるインク滴110(図9に図示)の打滴を行うように打滴(記録)タイミングが制御される。
図7には、先に打滴されたインク滴100が示されている。インク滴100の記録紙16表面上の液滴直径はD1aである。
染料系インクを浸透系の記録紙16(記録媒体)に打滴すると、記録紙16の表面に着弾したインク滴100は、時間の経過と共に記録紙16の受像層 (不図示)内に浸透し、その浸透はインク滴100の外側から内側に向かって完了するのでインク滴の直径は中心に向かって徐々に小さくなる。
所定の時間Tが経過すると、記録紙16表面の溶媒がなくなり、インク滴100は記録紙16に完全に浸透される。ここで、所定の大きさ(本実施形態では、着弾時のインク滴直径と同じ直径)を有するドットが形成される。この時間Tを完全浸透時間とする。
図8は、図7中8−8線に沿う断面図であり、記録紙16にインク滴100が着弾した直後の状態を示している。
図9には、インク滴100が記録紙16に着弾した後、完全浸透時間T未満の所定の時間が経過して記録紙16表面のインク滴100の直径がD1bになった状態を示している。
なお、図9中破線で示した円は、インク滴100によって形成されるドット102を示し、その大きさはインク滴100が記録紙16に着弾したときのインク滴の大きさとほぼ同一である。即ち、インク滴100により直径D1aのドット102が形成される。
また、図9には直径D2aのインク滴110を打滴して、ドット102との間隔(ドットピッチ間隔)Pt で、ドット直径D2aであるドット112を形成させる様子を示している。
先に打滴されたインク滴100が記録紙16に着弾してからの時間δTが経過した後の直径D1bと、記録紙16に着弾したときのインク滴110の直径D2a、インク滴100とインク滴110との間隔(インク滴100及びインク滴110より形成されるドットのピッチに相当)Ptの関係が次式〔数1〕を満たす場合には、記録紙16の表面においてインク滴100とインク滴110とは混合しないので、インク滴100及びインク滴110から形成されるドット102及びドット112(図9ではインク滴110と同じ大きさで同じ位置に形成)の形状が崩れない。したがって、所望のドット形状を得ることができる。
〔数1〕
D1b<2×Pt −D2a
ここで、ドット102とドット112とが重なる条件は、Pt <(D1a/2)+(D2a/2)で表される。言い換えると、ドット102とドット112とが重なる条件は、ドット102の半径とドット112の半径との合計がドットピッチPt より大きい場合である。
図9に示したドット102は、インク滴100が記録紙16に浸透していない領域(インク滴100として示されている領域)と、インク滴100の記録紙16への浸透が終了し、記録紙16の受像層内部にインク色素(溶質)が保持されている領域(破線で示されたドット102の領域からインク滴100として示した領域を除いた領域)と、が存在し、上述した2つの領域のうち、インク滴100の記録紙16への浸透が終了した領域には、他のインク滴110を着弾させることができる。
図10はインク滴100及びインク滴110の断面を示す断面図(図8に相当)である。インク滴110が記録紙16へ浸透する際に、ドット102とインク滴110が重なる部分では、記録紙16の受像層内においてインク滴100とインク滴110との混合が発生しても、インク滴100は既に受像層内に浸透しておりインク色素(溶質)が受像層内で保持されているので、受像層内部でのドット102の形状はほとんど変化することがない。
インク滴110が記録紙16へ着弾してから前述した完全浸透時間Tが経過すると、インク滴110の記録紙16への浸透が終了し、図11に示すように、直径D1aのドット102と直径D2aのドット112が形成される。
図12は、図11に示したドット102及びドット112の断面を示す断面図である。
したがって、2つのドットが重なる場合に、先に打滴されたインク滴の浸透が終了する完全浸透時間Tを待たずに(D1b>0の状態において)、次のインクを打滴することができる。
即ち、先に着弾したインク滴100と次に着弾するインク滴110との間隔Pt 、インク滴110の着弾時の直径D2a、からインク滴110着弾時に〔数1〕を満足するインク滴100の直径D1bを求め、求められたインク滴100の直径D1bと、インク滴100の着弾時の直径D1aと、から浸透時間δTが求められる。このように求められた浸透時間δTを打滴インターバルとしてインク滴100とインク滴110との打滴タイミングが制御される。
なお、上述した実施形態では、浸透系の記録紙16の受像層内に浸透によりインク色素が保持される染料系インクについて説明したが、本発明は非浸透系の記録紙16にインク色素の多くが記録紙16表面で固化する顔料系インクまたは、紫外線硬化型インク(UV硬化型インク)にも適用可能である。
インク色素の分子構造が大きく、溶媒に溶解しないで溶媒中に混合される(顔料系の多くはこのタイプ)インクの場合、記録紙16の表面にインク滴が着弾すると溶媒が受像層内へ浸透し、色素は一部受像層内部へ浸透するものがあるものの、色素の多くは用紙表面上で固化する。また、UV硬化型インクの場合にも、記録紙16の表面に着弾したインク滴は紫外線を照射されることでその大半は記録紙16の表面で固化(硬化)する。
その際、着弾した記録紙16上のインクのうち液滴として存在する部分は、固化(硬化)の進行に伴い、外側から内側に向かって小さくなっていく。したがって、記録紙16表面上のインク滴どうしの混合を防止するために、本発明を適用可能である。
図13は、上述した打滴制御を実行させる打滴制御部200の詳細を示すブロック図である。なお、該打滴制御部200は図6に示したシステム(プリント制御部80)に含まれている。
図6に示したホストコンピュータ86から画像データ202を取得すると、ドットデータ生成部210において、RGBデータからCMYデータへの変換、濃淡インクの振り分け、CMYKドットデータの生成が行なわれる。
次に、不等式演算部212において、2つのドット(例えば、図11に示したインク滴100及びインク滴110)のピッチPt 、後に打滴されるインク滴(図11のインク滴110)の直径D2aから、先に打滴されたインク滴 (図11のインク滴100)の直径がD1b求められる。
一方、ドット径演算・記憶部214に記憶されている使用するインク滴サイズの時間変化に関する情報が参照され、タイミング演算部216において、先に打滴されるドットを形成するインク滴における着弾時の液滴直径D1aから前述したD1bになるまでの浸透時間δT(打滴インターバル)が求められる。更に、該浸透時間δTから副走査方向のタイミング制御パラメータ(記録紙搬送速度等)、主走査方向のタイミング制御パラメータ(印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔L等)が決定される。
なお、ドット径が異なるドットが存在する混在パターンでは、代表値演算部217において、該混在パターンにおける該浸透時間δTの代表値及び、副走査方向のタイミング制御パラメータ(記録紙搬送速度等)、主走査方向のタイミング制御パラメータ(印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔L等)の代表値が求められる。
この代表値には、浸透時間δT、主走査方向の制御パラメータ、副走査方向の制御パラメータの最大値を適用してもよいし、最小値、平均値、最も頻度が高い値などを適宜適用可能である。
このようにして求められた浸透時間δT、副走査方向のタイミング制御パラメータ、主走査方向のタイミング制御パラメータに基づいて、ノズル駆動信号生成部218において、各ノズルの駆動信号220が生成される。
ここで、インク滴が記録紙16へ浸透する速さは、主としてインクの種類、記録紙16の種類、環境温度、湿度などに依存する。
ドット径演算・記憶部214ではこれらの情報をデータテーブル化して記憶すると共に、演算により算出された浸透時間δTを求める際のパラメータをタイミング演算部216に提供している。
なお、前記直径D1a及び前記直径D2a及びドット間隔Ptより前記直径D1bが予め計算され登録されているデータベースから前記直径D1bのデータを参照して浸透時間δTを求めてもよい。該データベースは、インクジェット記録装置10内部に備えられてもよいし、外部に備えられてもよい。
例えば、インクカートリッジ装填時にインク種類情報230を読み込み、インク種類情報230を記憶しておき、印字実行時に該インク情報をタイミング演算部216に提供してもよい。同様に、記録紙16を装填時する際に用紙種類情報232を読み込み、これを記憶することも可能である。
インク種類情報230及び用紙種類情報はインクカートリッジや用紙トレイ等に取り付けられた無線タグやバーコードから装填時に自動で読み込んでもよいし、オペレータによってキーボードやタッチパネルを介して入力してもよい。
図14及び図15を用いて、インク種類及び用紙種類ごとの時間経過によるインク滴直径の変化について説明する。
図14はインクA1と用紙B1を用いた場合の時間経過によるインク滴直径の変化を示したグラフ300である。グラフ300中、曲線302は着弾時におけるインク滴の直径が100μmの場合を示し、曲線304及び曲線306はそれぞれ、着弾時におけるインク滴の直径が60μm、30μmの場合を示している。
例えば、曲線302において、インク滴の直径が着弾時の100μmから40μmになるまでの時間が略3.9msecであることが分かる。一方、曲線304において、イン
ク滴の直径が着弾時の60μmから0μm(即ち、浸透終了)までの時間は7.0msecであり、曲線302を用いて説明した場合とインク滴直径の変化量は同じ60μmであるが、それに要する時間は着弾時のインク滴直径に依存して異なる。
したがって、グラフ300では、曲線302、曲線304及び曲線306以外にも、着弾時のインク滴直径ごとに曲線を備えることが好ましい。
図15は、3種類のインク及び用紙における、着弾時のインク滴直径が100μmの場合の時間経過によるインク滴直径の変化を示したグラフ320である。グラフ320中、曲線321はインクA1と用紙B1との組み合わせ、曲線322はインクA2と用紙B2との組み合わせ、曲線323はインクA3と用紙B3との組み合わせにおける特性が示されている。
このように、複数のインク種類と複数の記録用紙材質との組み合わせに対して、着弾したインク滴が、浸透系の記録紙16を用いる場合に記録紙16内の受像層への浸透や、非浸透系の記録紙16を用いる場合に記録紙16表面での固化(硬化)に伴うインク滴サイズ変化に必要な時間(即ち、浸透時間、固化時間、硬化時間δT)を予め実験やシミュレーション等で求めて、ドット径演算・記憶部214に記憶させる。
なお、記憶の形態はグラフ(曲線ごとの近似式等による演算式)でもよいが、各曲線をデータテーブル化して記憶させる態様が好ましい。
インク種類及び用紙種類以外にも、環境温度や湿度などに応じて、いくつかの条件で代表値を持ち、補完により実際の環境条件に相当するものを推測するようにしてもよい。
更に、記憶されていない種類のインク又は用紙がセットされた場合には、実際に着弾されたインク滴の変化を撮像手段等により撮像して実測し、その都度浸透時間δTを求めてもよい。該撮像手段には、ラインセンサやエリアセンサ等を用いるとよく、図1に示した印字検出部24と兼用可能である。
本例では、図16に示すように、必要に応じて記録紙搬送方向(副走査方向)におけるドットピッチPtsと、記録紙搬送方向に略直交する方向(主走査方向)におけるドットピッチPtmを区別して取り扱うことが可能である。これにより、打滴タイミングも[数1]を適用することで得られたD1bから求められるδTに関して主走査方向の打滴インターバルδTm と副走査方向の打滴インターバルδTs とを区別して取り扱うことができる。
また、例えば、図16におけるドット250とドット256のように、主走査方向及び副走査方向に共に隣接しない斜めの方向に隣接するドットの打滴タイミングについても、本発明を適用可能である。
本インクジェット記録装置10では、図3(a) に示すように、副走査方向に沿って並べられた印字ヘッド50A及び印字ヘッド50Bを有し、印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔Lは可変可能である。したがって、印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔Lと記録紙16の搬送速度とを調整して、ラインヘッドにおいて主走査方向に隣り合うドットの打滴インターバルδTm を制御することができる。
即ち、印字ヘッド50Aから打滴されるドット250に隣接するドット252を印字ヘッド50Bから打滴する場合、記録紙16の搬送速度Vs と印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの距離Lから、主走査方向の打滴インターバルδTm は、次式〔数2〕によって求められる。
〔数2〕
δTm =L/Vs
一方、副走査方向の打滴インターバルδTs は、記録紙搬送速度Vs と副走査方向の打滴間隔Ptsから次式〔数3〕によって求められる。
〔数3〕
δTs =Pts/Vs
本例では、フルライン型のラインヘッドについて説明したが、本発明は、シリアルヘッド(シャトルスキャン型ヘッド)にも適用可能である。該シリアルヘッドでは、副走査方向に2列(2列間の列中心間距離:Ls)のノズル列を有し、一方のノズル列ともう一方のノズル列とは千鳥状に半ピッチずらして配置されている。更に、ノズル列の間隔を可変させることができる。
主走査方向の打滴インターバルδTm は、印字ヘッドの主走査方向速度(走査速度)Vm と主走査方向のドットピッチPtmとから次式〔数4〕によって求められる。
〔数4〕
δTm =Ptm/Vm
上記[数4]を満足するように、ドット250に対してドット252が打滴され、同様にドット254に対してドット256が打滴される。
同様に、副走査方向の打滴インターバルδTs は、記録紙搬送速度Vs とノズル列の副走査方向の間隔Ls とから次式〔数5〕によって求められる。
〔数5〕
δTs =Ls /Vs
上記〔数5〕を満足するように、ドット250に対してドット254が打滴され、同様にドット252に対してドット256が打滴される。
本発明は1枚の画像内でドット間ピッチ、ドット径が異なる混在パターンを形成する場合にも適用可能である。該混在パターンでは、ドット間ピッチ及びドット径のすべての組み合わせにおいてそれぞれ主走査方向の打滴インターバルδTm 、副走査方向の打滴インターバルδTs を求めて、求められた打滴インターバルδTm 、δTsの最大値δTmax-m 、δTmax-s を該画像の打滴インターバル代表値とすると制御動作を簡単にすることができる。
即ち、該画像内で最も打滴インターバルが長いパターンに合わせて該画像の打滴インターバルを設定する。最も滲みの厳しい条件の重なり部分のインク滴の打滴タイミングを基準として、他の領域もその打滴タイミングで統一する。
更に、安全を考慮して、該画像の打滴インターバルを前記最大値δTmax-m 、δTmax-s より大きい値としてもよい。
図17は、上述した打滴タイミング制御の流れを示したフローチャートである。
画像データが入力され印字制御が開始されると(ステップS10)、第1のドット(例えば、図11のドット102)及び第2のドット(例えば、図11のドット112)のドット間ピッチPt と、第2のドットの直径D2aと、から前述した〔数1〕を用いて、第1のドット102を形成するインク滴100の直径D1bが算出される(図17のステップS12)。
次に、インク種類、用紙種類に応じて(図13に示したドット径演算・記憶部214に記憶されているデータテーブルやグラフ300、グラフ320を参照して)、第1のドットを形成するインク滴 (先に着弾したインク滴) の着弾時の直径D1aとステップS12にて求められたD1bとから、第1のドットと第2のドットとの着弾時間の差となる浸透時間δTを決定する(ステップS14)。
ステップS14に続いて、副走査方向のタイミング制御が実行される。浸透時間δTが求められると、図13に示したタイミング演算部216において上述した〔数3〕により副走査方向速度(記録紙搬送速度)Vs が求められる(ステップS16)。
続いて、主走査方向のタイミング制御が実行される。上述した〔数2〕により、図16に示した印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔Lが求められ、これに調整される(ステップS18)。
上述したように、副走査方向及び主走査方向のタイミング制御が行なわれ、1つの画像が形成されると、該印字制御は終了する(ステップS20)
なお、印字ヘッド50Aと印字ヘッド50Bとの間隔Lは、余裕を見て少し大き目に設定し、記録紙搬送速度をインク種類、用紙種類に応じて設定変更してもよい。
本発明の適用範囲は、後に着弾するインク滴により形成されたドットが(図11のドット112)、先に着弾したインク滴により形成されたドット(図11のドット102)の中心より重なる量が少ない範囲であり、これは次式〔数6〕を満足する。
〔数6〕
D2a/2<Pt
上述した打滴制御を実現するプログラム(ソフトウエア)を構成し、インクジェット記録装置10に該プログラムをインストールすることが可能である。また、該プログラムは、記録媒体(磁気記録媒体、光記録媒体等)に記録し、配布したり、該記録媒体を用いた装置にインストールしたりすることもできる。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、重なり合うドットを形成する場合に、ドット間ピッチPt と後に吐出されるインクの着弾時の液滴の直径D2aから、先に吐出されたインク滴と後に吐出されたインク滴とが、記録紙16の表面で混合しないような、先に吐出されたインク滴の直径D1bを求める。
更に、先に吐出されたインク滴の直径が着弾時の直径D1aからD1bになるまでの浸透時間δTを求め、この浸透時間δTを、先に吐出されるインク滴と、後に吐出されるインク滴との打滴インターバルとする打滴制御を行う。
先に打滴されたインク滴の記録紙16への浸透が終了する完全浸透時間Tを待たずに、次の打滴を行うことができ、印字時間を短縮することができる。また、記録紙16表面では、先に打滴されたインク滴と次に打滴されたインク滴とが混合せず、更に、記録紙16の受像層内でも、先に打滴されたインク滴と次に打滴されたインク滴とが混合しないので、ドット径が崩れることなく、所望のドット形状を得ることができる。
打滴インターバルは、インク種類、用紙種類や温度、湿度等の環境条件に依存するので、これらの条件に応じて算出される。また、打滴インターバルは、主走査方向、副走査方向についてそれぞれ求めることができ、主走査方向及び副走査方向ついてそれぞれ制御可能である。したがって、印字ヘッドにはラインヘッドもシリアルヘッドも適用可能である。
ドット径、ドット間ピッチが異なる混在パターンでは、各パターンにおいて打滴インターバルを求め、打滴インターバルの最大値を当該画像の打滴インターバルとしてもよいし、安全を考慮して該最大値にマージンを加えた値としてもよい。
上記実施の形態では画像記録装置の一例としてインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。被吐出媒体に水、薬液、処理液等の液類を吐出させるディスペンサー、塗布装置などの液吐出装置全般にも本発明を適用することが可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a) の要部拡大図 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図3(b) 中の4−4線に沿う断面図 図1に示したインクジェット記録装置のインク供給部のブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の打滴制御を説明する図 図7中の8−8線に沿う断面図 図7に示した打滴制御の要部を説明する図 図9の断面図 図7に示した打滴制御の結果を説明する図 図11の断面図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の打滴制御部のブロック図 着弾後の経過時間とインク滴の直径との関係を示したグラフ 図14に示したグラフの変形例 主走査方向と副走査方向との打滴インターバルを説明する図 本発明に係るインクジェット記録装置の打滴制御の流れを示したフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置、16…記録紙、50,50A,50B…印字ヘッド、51,51A,51B…ノズル、72…システムコントローラ、80…プリント制御部、100,110…インク滴、102,112,250,252,254,256…ドット、200…打滴制御部、212…不等式演算部、214…ドット径演算・記憶部、21
6…タイミング演算部、230…インク種類情報、232…用紙種類情報、D1a,D1b,D2a,D2b…ドット直径、δT…浸透時間

Claims (9)

  1. 被記録媒体に液滴を打滴する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、前記被記録媒体と前記記録ヘッドとを前記被記録媒体と相対移動させる搬送手段と、を備えた画像形成装置であって、
    前記被記録媒体に形成される第1のドットと前記第1のドットを形成する第1の液滴を打滴した後に前記第1のドットと重なるように形成される第2のドットとの間隔Pt 、前記第2のドットを形成する第2の液滴の前記被記録媒体着弾時における前記被記録媒体表面の直径D2a、前記第2の液滴が前記被記録媒体に着弾したときの前記被記録媒体表面における前記第1の液滴の直径D1bとするとき前記打滴制御手段は、D1b>0の状態において次式
    D1b<2×Pt −D2a
    を満足する前記第1の液滴の直径D1bになるまでの液滴径変化時間を前記第1の液滴の打滴から前記第2の液滴の打滴までの打滴インターバルとして打滴タイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1のドットと第2のドットとの間隔Pt 及び、第2の液滴の前記被記録媒体着弾時における前記被記録媒体表面の直径D2aが、次式
    D1b<2×Pt −D2a
    を満足する前記第1の液滴の直径D1bを求める打滴条件算出手段と、
    前記第1の液滴が前記被記録媒体へ着弾してから前記第1の液滴の直径がD1bになるまでの液滴径変化時間を求める液滴径変化時間算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記打滴制御手段は、1画像内は1つの打滴インターバルにより打滴タイミングを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 液種類情報或いは前記被記録媒体種類情報のうち少なくとも何れか1つの情報が含まれる情報を提供する情報提供手段を備え、
    前記液滴径変化時間算出手段は、前記情報提供手段によって提供される情報に基づいて前記液滴径変化時間を算出することを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたラインヘッドであることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記記録ヘッドは、前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向に沿って形成されるドットのうち奇数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第1のノズル列と、偶数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第2のノズル列と、を有し、
    前記搬送手段の相対搬送方向の打滴制御に応じて前記第1のノズル列と前記第2のノズル列との間隔を可変させる間隔可変手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記記録ヘッドは、前記被記録媒体の全幅よりも短い長さにわたって複数の前記ノズルが配列され、前記ノズルの配列方向に沿って前記記録ヘッドと前記被記録媒体とを相対移動させる移動手段を備えたシリアルヘッドであることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記記録ヘッドは、前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向に沿って形成されるドットのうち奇数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第1のノズル列と、偶数番目のドットを形成する液滴を打滴するノズルを有する第2のノズル列と、を有し、
    前記搬送手段の相対搬送方向と略直交する方向の打滴制御に応じて前記第1のノズル列と前記第2のノズル列との間隔を可変させる間隔可変手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 被記録媒体に液滴を打滴する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、を備えた画像形成装置の打滴制御方法であって、
    前記被記録媒体に第1の液滴により第1のドットを形成する第1のドット形成工程と、
    前記第1の液滴を打滴した後に、前記第1のドットと重なる第2のドットを形成する第2の液滴を打滴する第2のドット打滴工程と、
    前記第2の液滴を打滴する際に、前記被記録媒体表面において前記第1の液滴と前記第2の液滴とが重ならないような前記第1の液滴の直径を求める打滴条件算出工程と、
    前記第1の液滴の直径D1bが前記被記録媒体に着弾したときの値から前記被記録媒体表面において前記第1の液滴の直径D1b>0の状態で前記第2の液滴と重ならないような値になるまでの時間を求める液滴径変化時間算出工程と、
    を含むことを特徴とする打滴制御方法。

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