JP2006231668A - 凹版及び凹版の製造方法 - Google Patents

凹版及び凹版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 その製造工程で6価クロムを用いない、ミクロン及びミクロン単位以下の薄い、耐刷性の高い皮膜を有する凹版を提供することを目的とする。
【解決手段】 版画像に応じてインクの収容最小単位の凹部であるセルが形成された凹版基材上に少なくとも1層の構成層を有する凹版において、
前記構成層のうち最表層が防汚層であることを特徴とする凹版。
【選択図】 図1

Description

本発明はグラビア印刷に係る凹版、或いは精密電子部品等の微細な構造物の製造工程において用いられる、レジスト、導電性パターンやカラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ等の精細パターンを形成するための凹版、及びその製造方法に関するものである。
従来のグラビア印刷のグラビア版(グラビアロール)、或いは精密電子部品製造等の微細な構造物用の凹版は、鉄等の金属製のロール状或いは板状の基材上に銅等よりなるパターン形成層を少なくとも含む1層以上の金属メッキ層を積層してなるものであって、前記パターン形成層の表面をフォトエッチング法等の加工法により処理してインキセル部となる凹部を形成し、通例耐刷性向上の目的で表面に硬質クロムメッキを施して、凹版として印刷に用いており、かかる硬質メッキは一般的に6価クロム浴により行われている。
例えば版形成面に感光膜を形成し、感光膜をデジタル版画像に基づいて露光・現像し、エッチングを行い、エッチングした版面に硬質クロムメッキを行うグラビア版が知られている(例えば特許文献1参照。)。また、同様にエッチングした版面に硬質クロムメッキを行う精密電子部品製造等の微細な構造物用の凹版が知られている(例えば特許文献2参照。)。
また、硬質メッキを使用しない技術として高速ガス溶射法が知られている(例えば特許文献3参照。)。
特開2003−72251号公報 特開平7−96683号公報 特開平11−293334号公報
しかし、硬質クロムメッキを行う時に用いる6価クロムは皮膚に長時間接触すると、クロムアレルギーや潰瘍の原因となるだけでなく、発ガン性の疑いがあること、また、メッキ後の廃液処理時に6価クロムが流出し土壌に浸透したような場合地下水が汚染されて、環境汚染となり人体への悪影響が心配されるという問題点がある。
また、上述した環境面から欧米では6価クロムの使用禁止の動きがあり代替材料が検討されている。このような6価クロムを必要としない被膜形成技術として高速ガス溶射法があるが、凹版に必要なミクロン単位またはそれ以下の薄い皮膜の形成ができないという問題点がある。
本発明は係る問題点に鑑み、その製造工程で6価クロムを用いない、ミクロン及びミクロン単位以下の薄い、耐刷性の高い皮膜を有する凹版を提供することを目的とする。
上記目的は下記の発明により達成される。
(1)版画像に応じてインクの収容最小単位の凹部であるセルが形成された凹版基材上に少なくとも1層の構成層を有する凹版において、
前記構成層のうち最表層が防汚層であることを特徴とする凹版。
(2)前記構成層が複数層からなり、前記防汚層以外の層が、無機酸化物層であることを特徴とする(1)に記載の凹版。
(3)前記無機酸化物層及び/または前記防汚層は大気圧プラズマCVD方式により形成された層であることを特徴とする(2)に記載の凹版。
(4)前記無機酸化物層は酸化ケイ素層であることを特徴とする(2)または(3)に記載の凹版。
(5)グラビア印刷用のグラビアロールであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の凹版。
(6)版画像に応じてインクの収容最小単位の凹部であるセルが形成された凹版基材上に少なくとも防汚層を形成することを特徴とする凹版の製造方法。
(7)前記凹版基材上に少なくとも1層の無機酸化物層を形成し、前記無機酸化物層上に防汚層を形成することを特徴とする(6)に記載の凹版の製造方法。
(8)前記無機酸化物層及び/または前記防汚層は大気圧プラズマCVD方式により形成することを特徴とする(7)に記載の凹版の製造方法。
(1)または(3)に記載の発明により、防汚性を有する層を最表層に有する凹版にでき、高品質の印刷を可能とする凹版を提供することが可能となる。
(2)及び(3)及び(4)のいずれか1に記載の発明により、防汚層に加え高硬度の版面を有する凹版にでき、高耐刷性を有する長期的に高品質の印刷を可能とする凹版を提供することが可能となる。
を簡便かつ安定的に製造できる。
(5)項記載の発明により、前述した効果を奏するグラビア印刷用のグラビアロールの提供が可能となり、効率的な印刷が可能となる。
(6)項記載の発明により、防汚性を有する凹版を製造可能な製造方法を提供できる。
(7)及び(8)のいずれか1に記載の発明により、更に、凹版の微細な凹凸に対し高硬度の皮膜を均一な厚さで被覆した凹版を、簡便かつ安定的に製造可能な製造方法を提供できる。
本発明の凹版は、グラビア印刷に係る凹版、或いは精密電子部品等精細パターンを形成するための凹版等に適用することができるが、以下グラビア印刷に係る凹版についてグラビアロールを例に取って説明する。
以下、グラビアロールについて各図面を参照して説明するが、同一構成・機能を持つ部材については同一の番号を記した。このため同一番号を有する部材については同じ説明の重複を防止するため一部説明を省略した。
図1はグラビアロールの1例を示す概略図である。
図1(a)に示すグラビアロールにおいて、グラビアロール1は鉄或いはアルミニウム等の金属材料よりなる円筒または円柱のグラビアロールの基材2と、基材2の表面に被覆された版画像を形成する銅よりなるパタン形成層3と、版画像が形成されたパタン形成層3の表面に形成され、少なくとも1層の構成層である耐刷性を向上する酸化ケイ素層、窒化チタン層、或いはDLC(ダイアモンドライクカーボン)層等の無機層4と、無機層4の上側最表層にグラビアロール1の表面の汚れを防止するフッ素含有樹脂或いはアルキル基を含有する樹脂の防汚層5を有している。
図1(b)のグラビアロールの層構成概念図において、上述したように基材2の上にパタン形成層3、無機層4、防汚層5がその順で形成されている。
基材2は鉄、ステンレススチール、アルミニウム及びその合金等よりなる円柱または円筒状のロールで、版面の凹凸を取るために円周面を砥石で粗研磨後、遊離砥粒として酸化アルミニウム、エッチング液として硝酸ナトリウム水溶液、研磨布としてフエルトを用いる遊離砥粒を分散したエッチング液と研磨布による公知の化学物理研磨により鏡面状の平滑な表面に仕上げてある。
パタン形成層3は版画像が形成される厚さ50〜150μmの銅メッキ層であり、公知の銅メッキ法による層形成後、版面の凹凸を取るために前述した公知の化学物理研磨によりその表面を数μm〜数十μm研磨して平坦化・平滑化し、鏡面状の平滑な表面に仕上げてある。
そして鏡面状のパタン形成層3の表面に、フォトレジスト膜を塗布し、版画像の原板フォトマスクを押し当て露光し、現像・エッチングする公知の製版方法、或いはレーザービームによる公知のレーザー製版等で、深さ約10μmのインクの収容最小単位の凹部であるセル6が版画像に応じて形成された凹版基材7を得る。
本発明においては、上記したように、基材或いは基材上に形成された構成層表面に、例えばレーザービームによる公知のレーザー製版等で、インクの収容最小単位の凹部であるセルが版画像に応じて形成された基材を凹版基材と称する。
なお、本発明は硬質クロム層及びそのメッキを不要としたため、硬質クロム層の下地となる銅メッキ等で構成されたパタン形成層3を形成しないことも可能で、この場合は図2(c)に示すように基材2の表面を前述した公知の化学物理研磨により鏡面状の平滑な表面に仕上げた後、フォトレジスト膜を塗布し、版画像の原板フォトマスクを押し当て露光し、現像・エッチングする公知の製版方法、或いはレーザービームによる公知のレーザー製版等で、基材2表面に直接インクの収容最小単位の凹部であるセル6を版画像に応じて形成させ、パタン形成層3のない凹版基材70を得るようにしても良い。パタン形成層3を形成しないことにより構成層数が少なく製造工程が簡略化できる。
無機層4は銅メッキ層であるパタン形成層3の表面或いは基材2の表面を、印刷時のドクターブレードの摺擦等から保護するための耐刷層であり大気圧プラズマCVD方式により形成される。
また図2(b)は、基材2表面にパタン形成層3が形成され、次いでレーザー製版等でインクの収容最小単位の凹部であるセル6がパターン形成層3の表面に版画像に応じて形成された凹版基材7を得、更にその表面に上述した無機層4が形成され、無機層4の上に防汚層5が形成された状態を示している。
図示したように版画像を形成する個々のセル6は例えば深さDが約10μm、直径が約約10μmと非常に小さいものもあるため、セル6を無機層4及び防汚層5で埋めないため、また、セルのエッジがダレないように無機層4及び防汚層5はミクロンオーダー好ましくはミクロンオーダー以下の非常に薄い膜であることが必要となる。
なお、セル6は版によっては直径及び深さが1mm程度のものもある。
また、図1(a)、(b)において、完成したグラビアロール1で用紙に印刷する時は、グラビアロール周面に印刷インクを塗布し、ドクターブレードによりグラビアロール周面を摺擦し、塗布したインクのセル6以外の凸部のインクを掻き落とし、グラビアロールに用紙を圧着してセル6内に貯留したインクを用紙に転写することにより印刷が行われる。
以下に無機層4及び防汚層5の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置と各層の形成に必要な材料について説明する。
図2は無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態の1例の説明図である。
本大気圧プラズマCVD装置10は無機層及び/又は防汚層の形成に好適に用いられる。
図2において、第1の形態である大気圧プラズマCVD装置10は、電極間(放電空間)8でプラズマ放電を行わせ薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ、励起した混合ガスG’を放電空間外9に放出し、放電空間外9で被薄膜形成物に励起した混合ガスG’を晒し、被薄膜形成物表面に薄膜を堆積・形成するもので、
例えば無機層の形成においては、電極間(放電空間)8でプラズマ放電を行わせ、少なくとも無機層4を形成する薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ、励起した混合ガスG’を放電空間外9に放出し、放出たれた励起した混合ガスG’に図2で説明した凹版基材7表面を晒すことにより、凹版基材7表面に無機層4を堆積・形成するものである。
大気圧プラズマCVD装置10は、放電空間外9に放出されと励起した混合ガスG’に凹版基材7の円周面を晒すために凹版基材7を所定の周速度で矢印方向に回転させる基材回転手段11と、プラズマによりガスを励起するプラズマ放電処理手段12と、2つの高周波電源を有する電界印加手段13と、少なくとも薄膜形成ガスと放電ガスの混合ガスを供給するガス供給手段14とを有している。
なお凹版基材7を固定してその周囲にプラズマ放電処理手段12等を回転させるようにしても良い。
プラズマ放電処理手段12は、第1電極121と第2電極122から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極121からは第1電源131からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、また第2電極122からは第2電源132からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。
ここで、前記第1の高周波電界の周波数ω1より前記第2の高周波電界の周波数ω2が高く、前記第1の高周波電界の強さV1前記第2の高周波電界の強さV2および放電開始電界の強さIVとの関係が、V1≧IV>V2、または、V1>IV≧V2を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が1W/cm2以上となっている。
また、上述した本発明の大気圧プラズマCVD放電処理装置に利用可能な第1電源131(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
また、第2電源132(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明において、第1及び第2電源から対向する電極間に供給する電力は、第2電極122に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、薄膜を形成する。第2電極122に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm2、より好ましくは20W/cm2である。下限値は、好ましくは1.2W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、第1電極121にも、1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm2以上である。第1電極121に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cm2である。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極122に供給する高周波は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
また、第1電極121と第1電源131との間には、第1フィルタ134が設置されており、第1電源131から第1電極121への電流を通過しやすくし、第2電源132からの電流をアースして、第2電源132から第1電源131への電流が通過しにくくなるように設計されており、第2電極122と第2電源132との間には、第2フィルター135が設置されており、第2電源132から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源131からの電流をアースして、第1電源131から第2電源132への電流を通過しにくくするように設計されている。
電極には前述したような強い電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来る電極を採用することが好ましく、第1電極121と第2電極122には強い電界による放電に耐えるため少なくとも一方の電極表面には後述する誘電体が被覆されている。
所定の間隙を隔てた第1電極121と第2電極122との電極間(放電空間)8に、ガス供給手段14から所定の薄膜(例えば無機層4)を形成するための薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを導入し、第1電極121と第2電極122からそれぞれ上述した異なる周波数の高周波電界を印加して放電を発生させ、混合ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、放電空間外9である対向電極下面と凹版基材7とで作る処理空間15をプラズマ状態のガスG°で満たし、所定の間隙を隔てて回転する被薄膜形成物(例えば凹版基材7、或いは凹版基材7上に形成された構成層)の表面に例えば無機層4を形成させる。
ここで、無機層4は10〜5000nm、好ましくは10〜100nmの厚さを有している。
厚さが厚く1回の薄膜形成では所定の厚さとならない場合は、1の大気圧プラズマCVD装置10に凹版基材7を複数回回転させ回転毎に順次薄膜形成を行わせて所定の厚さとするか、大気圧プラズマCVD装置10を直列に複数設け、各大気圧プラズマCVD装置10で1層ごと順次複数層の薄膜形成を行わせ所定の厚さとすることにより可能となる。また、プラズマ放電処理手段12と、2つの高周波電源を有する電界印加手段13と、少なくとも薄膜形成ガスと放電ガスの混合ガスを供給するガス供給手段14とを凹版基材7を囲むように同心円上に複数設け、複数層の薄膜を順次設け所定の厚さとするようにしても良い。
図3は、無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態の他の1例の形態の例の説明図である。
本大気圧プラズマCVD装置101は無機層及び/又は防汚層の形成に好適に用いられる。
放電ガスに放電開始電界強度が低い水素ガス等を用いる場合は、大気圧プラズマCVD装置101は2の電極のうち例えば第1電極121をアースし、第2電極122に上述した第2電源132を接続するようにしても良い。
1は水素等の放電開始電界強度が低い放電ガスを混合した混合ガスで、G’1は混合ガスG1が励起した混合ガスである。この場合は電源が1つなのでフィルターは不要となる。
その他は図2で説明した大気圧プラズマCVD装置10と同様なので説明を省略する。
図4は、無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第2の形態の1例の形態の例の説明図である。
本大気圧プラズマCVD装置102は無機層及び/又は防汚層の形成に好適に用いられる。
固定電極でもある第1電極121及び第2電極122と、凹版基材7との対向面を放電空間16としてプラズマを発生させる大気圧プラズマCVD装置102は、
第1電極121及び第2電極122に上述した第2電源132を接続し、凹版基材7に上述した第1電源131を接続して、第1電極121及び第2電極122と凹版基材7との対向面間に周波数ω1と周波数ω2とを重畳した波形の高周波電界を発生させ、
第1電極121と第2電極122との対向面の間隙17を通して放電空間16に混合ガスGを放出させ、放出した混合ガスGを放電空間16で周波数ω1と周波数ω2とを重畳した波形の高周波電界で励起し、凹版基材7上に薄膜を形成する。
その他は図3で説明した大気圧プラズマCVD装置10と同様なので説明を省略する。
図5は、無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第2の形態の他の1例を示す説明図である。
本大気圧プラズマCVD装置30は無機層及び/又は防汚層の形成に好適に用いられる。
大気圧プラズマCVD装置30は、電極間(放電空間)20でプラズマ放電を行わせ薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ、放電空間20で被薄膜形成物(例えば凹版基材7)に励起した混合ガスG’を晒し、凹版基材7の表面に薄膜を堆積・形成するもので、
例えば無機層の形成においては、電極間(放電空間)20でプラズマ放電を行わせ、少なくとも無機層4を形成する薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを励起させ、励起した混合ガスG’に図1で説明した凹版基材7の表面を晒すことにより、凹版基材7表面に無機層を堆積・形成するものであります。
大気圧プラズマCVD装置30は、凹版基材7と第2電源32との放電空間20で励起した混合ガスG’に被薄膜形成物表面(例えば凹版基材7円周)を晒すために凹版基材7を円筒状の第2電極32内部に矢印方向に挿抜する基材挿抜手段(不図示)と、プラズマによりガスを励起するプラズマ放電処理手段31と、2つの高周波電源を有する電界印加手段13と、少なくとも薄膜形成ガスと放電ガスの混合ガスを供給するガス供給手段14とを有している。
なお、凹版基材7の表面に励起した混合ガスG’均一に晒すため、凹版基材7を第2電源32内に挿入した状態で回転させても良い。
プラズマ放電処理手段31は、図2の第1電極121に相当する凹版基材7と第2電極32から構成される対向電極構造を有しており、該対向電極構造である、
凹版基材7からは第1電源131からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、また第2電極32からは第2電源132からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。
所定の間隙を隔てた凹版基材7と第2電極32との電極間(放電空間)20に、ガス供給手段14から所定の薄膜(例えば無機層4)を形成するための薄膜形成ガスと放電ガスを混合した混合ガスGを導入し、凹版基材7と第2電極122との間に上述した異なる周波数が重畳された高周波電界を印加して放電を発生させ、混合ガスGをプラズマ状態にして、放電空間外20である凹版基材7外周面と第2電極122の内周面とで作る放電空間20をプラズマ状態のガスG0で満たし、凹版基材7の表面に所定の薄膜(例えば無機層4)を形成させる。
図6は、電極の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図6(a)は前述した、図2、3、及び図4の大気圧プラズマCVD装置10、101、及び102の第1電極121と第2電極122の概念を示したもので、電極(例えば第1電極121或いは第2電極122)は、角筒状をした導電性の金属質母材123に対し外周面に誘電体124が被覆されたものである。そして、金属質母材123に接続されたケーブル(不図示)が前述の高周波電源(不図示)に接続されている。
図6(b)は前述した、図5の大気圧プラズマCVD装置30の第2電極32の概念を示したもので、電極32は円筒状をした導電性の金属質母材123に対し、少なくともその内周面に誘電体124が被覆されたものである。そして、金属質母材123に接続されたケーブル(不図示)が前述の高周波電源(不図示)に接続されている。
導電性の金属質母材123としては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、チタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
また、金属質母材123に被覆した誘電体124は、誘電体としてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。
誘電体124は片肉で1mm程度被覆されていればよく、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化ケイ素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
更に詳細に説明すると、誘電体を被覆する電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜が特に好ましく、他に、金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング、金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜、金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング、金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜、金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング、等があり、
使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
放電に係る対向する電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言い、また、双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。
電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から第1電極11と第2電極12との間隙、及び、凹版基材7と第2電源32との間隙は0.2〜2mmが良く、第1電極11と第2電極12と凹版基材7との対向面の間隙は0.2〜2mmが良い。
次に、大気圧プラズマ放電処理装置の無機層を形成する薄膜形成ガスについて説明する。
無機層を構成する薄膜材料として、無機酸化物或いは窒化物が好ましく、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、窒化チタン、又はそれらの混合物を挙げることができる。
また、無機層の厚さは、用いられる材料の種類、構成により最適条件が異なり、適宜選択されるが、5〜2000nmの範囲内であることが好ましい。無機層の厚さが、上記の範囲より薄い場合には、均一な膜が得られず、また厚い場合にはセル6の穴を埋めてしまい印刷品質を下げてしまう可能性がある。
前記プラズマCVD法を用いた無機層の形成条件として、原材料(原料ともいう)である有機金属化合物、及び分解ガス、及び分解温度、及び投入電力などを選ぶことで、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、またこれらの混合物(金属酸窒化物、金属酸化ハロゲン化物、金属窒化炭化物など)を形成することができる。
例えば、本発明に好ましく用いられるケイ素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、ケイ素酸化物が生成する、また、チタン化合物を原料化合物として用い、分解ガスに窒素を用いれば窒化チタンが生成する。これはプラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような有機金属化合物としては、例えばケイ素化合物として、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して無機化合物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、亜酸化窒素ガス、酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、酸素ガス、水蒸気、フッ素ガス、フッ化水素、トリフルオロアルコール、トリフルオロトルエン、硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、塩素ガスなどが挙げられる。
これらの薄膜形成ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。
このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
上記放電ガスと薄膜形成ガスを混合し、混合ガスとして大気圧プラズマ放電処理装置に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
以上のように無機層を酸化ケイ素層或いは窒化チタン層とすることで、600程度のビッカース硬度とし良好な耐刷性を得ることが可能となる。
また、より硬度を上げるためにDLC(ダイアモンドライクカーボン/硬質炭素)を用いて無機層としても良く、この場合無機層である硬質炭素含有層の膜厚は、50Å〜1μm好ましくは1nm〜100nmであることが好ましく、また硬質炭素含有層は、その組成として、炭素55〜75モル%、水素が25〜45モル%であることが好ましい。
硬質炭素含有層を形成するには、例えば図2を参照して説明した無機層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置10と同様な装置を用いて得ることが好ましく、プラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンとに分解され反応することによって、基板上に炭素原子Cと水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微結晶質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少くとも一方を含む硬質炭素含有層が堆積する。
硬質炭素含有層を形成するための原料ガスとしては、常温で気体または液体の有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いられる。これら原料における相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例えば、CH4、C26、C38、C410等のパラフィン系炭化水素、C22、C24等のアセチレン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さらには芳香族炭化水素などすベての炭化水素を少なくとも含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、CO、CO2等少なくとも炭素元素を含む化合物であれば使用可能である。特に、この原料ガスには、炭素数が6以上のベンゼン、n−ヘキサン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、シクロヘキサン等が望ましい。また、これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の成分を混合して使用するようにしても良い。
以上のように無機層をDLC層とすることで、ビッカース硬度1000以上とすることができ良好な耐刷性を得ることが可能となる。
従って、凹版基材の表面に無機層4(酸化ケイ素層或いはDLC層)を形成することにより、凹版の見掛け上の表面硬度を上げることができ、印刷時のドクターブレードの摺擦等による版面の摩耗を軽減し、グラビアロールの耐久性(耐刷性)を向上させ、長期間にわたり高品質な印刷を行うことが可能となる。
次に、防汚層5の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置と防汚層の形成に必要な薄膜形成ガス等について説明する。
防汚層を形成するには、例えば公知のディップ塗布、スロット塗布、及びスプレー塗布等により形成することも可能であるが、下記の厚さの防汚層を均一に形成可能な、図2を参照して説明した無機層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置10と同様な装置を好適に用いることができ、防汚層5の膜厚は、50Å〜1μm好ましくは1nm〜100nmであることが好ましい。
放電ガスである窒素またはアルゴンと、還元性ガスと、アルキル基を有する有機ケイ素化合物を含有する薄膜形成ガスの混合ガスを、大気圧プラズマCVD装置10の電極間に供給し、該混合ガスの該有機ケイ素化合物の供給量Yが0.1≦Y<20(mg/min・cm2)、前記電極間に印加する高周波電圧の電力密度Xが0.5≦X<5.0(W/cm2)である条件で、防汚層であるケイ素化合物層を形成する。
ケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)の比率(Si:O:C)が1.0:(1.0〜1.5):(1.1〜20)であり、かつ静的二次イオン質量分析法による表面の質量分析によるI43.00/I44.98が4.5を超える防汚層により、撥水性のみならず優れた汚れ防止性、汚れ除去容易性に優れた防汚層を実現する。
薄膜形成ガスとしての金属化合物の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。大気圧プラズマCVD処理では、原料ガスにフッ素含有有機化合物を用いることでフッ素含有樹脂層を形成することもできる。
フッ素含有有機化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましい。具体的には、フッ素含有有機化合物としては、例えば、四フッ化炭素、六フッ化炭素、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等のフッ化炭素化合物;二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物;更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物、アルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体等を挙げることができる。
これらは単独でも混合して用いてもよい。上記のフッ化炭化水素ガスとしては、二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化プロピレン等の各ガスを挙げることができる。更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることができるが、本発明はこれらに限定されない。
均一な薄膜を形成する観点から、薄膜形成ガスの原料ガスとしてのフッ素含有有機化合物の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいく、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
防汚性を発現するためには、特に膜の最表面にアルキル基を存在させることが有効であり、原材料にアルキル基を含有したものを使用すると良い。アルキル基としては、フルオロアルキル基もしくは炭素と水素のみで構成されたアルキル基いずれでもよいが、分解後の環境適性から炭素と水素のみで構成されたアルキル基が好ましい。またアルキル基については、低価であること、膜の硬度を保ち得ることが重要であり、この意味で好ましくはエチル基またはメチル基、さらにはメチル基であることが好ましい。また、上記の官能基が付与されていれば、化合物中にケイ素原子が複数含まれていてもよい。
また、より好ましくは、加水分解性基とアルキル基を共に有する有機ケイ素化合物を用いることである。該加水分解性基とは、水と水素を添加することによって重合を行うことのできる官能基のことをいい、本発明においては特に限定されないが、好ましくはアルコキシ基、アセチル基が挙げられる。この有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリキドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリキドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオキシシラン、トリフェノキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシレン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン、ジフェノキシシラン、ジアシルオキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、フルオロアルキルシラン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、単独で使用しても異なる2種以上を同時に使用することもできる。上記化合物の中でも、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなど好ましく、更にはケイ素に対してアルキル基を2つ有する化合物が好ましく、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが、特に好ましい例として挙げられる。
グラビアロールの1例を示す概略図である。 無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態の1例の説明図である。 無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第1の形態の他の1例の形態の例の説明図である。 無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第2の形態の1例の形態の例の説明図である。 無機層及び防汚層の形成に好適に用いられる大気圧プラズマCVD装置の第2の形態の他の1例を示す説明図である。 電極の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 グラビアロール
2 基材
3 パタン形成層
4 無機層(酸化ケイ素層)
5 防汚層
6 セル
7 凹版基材
8 放電空間
10、101、102、30 大気圧プラズマCVD装置
12 プラズマ放電処理手段
13 電界印加手段
14 ガス供給手段
15 処理空間
121 第1電極
122 第2電極
123 金属質母材
124 誘電体
131 第1電源
132 第2電源
G 混合ガス
G’ 励起した混合ガス

Claims (8)

  1. 版画像に応じてインクの収容最小単位の凹部であるセルが形成された凹版基材上に少なくとも1層の構成層を有する凹版において、
    前記構成層のうち最表層が防汚層であることを特徴とする凹版。
  2. 前記構成層が複数層からなり、前記防汚層以外の層が、無機酸化物層であることを特徴とする請求項1に記載の凹版。
  3. 前記無機酸化物層及び/または前記防汚層は大気圧プラズマCVD方式により形成された層であることを特徴とする請求項2に記載の凹版。
  4. 前記無機酸化物層は酸化ケイ素層であることを特徴とする請求項2または3に記載の凹版。
  5. グラビア印刷用のグラビアロールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹版。
  6. 版画像に応じてインクの収容最小単位の凹部であるセルが形成された凹版基材上に少なくとも防汚層を形成することを特徴とする凹版の製造方法。
  7. 前記凹版基材上に少なくとも1層の無機酸化物層を形成し、前記無機酸化物層上に防汚層を形成することを特徴とする請求項6に記載の凹版の製造方法。
  8. 前記無機酸化物層及び/または前記防汚層は大気圧プラズマCVD方式により形成することを特徴とする請求項7に記載の凹版の製造方法。
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