JP2000355772A - 円筒状基材の表面改質装置、および円筒状基材の表面改質方法 - Google Patents

円筒状基材の表面改質装置、および円筒状基材の表面改質方法

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JP2000355772A
JP2000355772A JP11166797A JP16679799A JP2000355772A JP 2000355772 A JP2000355772 A JP 2000355772A JP 11166797 A JP11166797 A JP 11166797A JP 16679799 A JP16679799 A JP 16679799A JP 2000355772 A JP2000355772 A JP 2000355772A
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Yoshifumi Suzaki
嘉文 須崎
Kyoichi Shikama
共一 鹿間
Hideomi Koinuma
秀臣 鯉沼
Osamu Tanaka
治 田中
Takahiro Kajitani
孝啓 梶谷
Yoshihiro Tange
善弘 丹下
Hideaki Matsuda
▲ひで▼明 松田
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Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒状基材にZnO,ITOなどの透明導電膜
をはじめ、SiOなどの保護膜等に代表される機能性
薄膜を低コストでしかも簡便に形成することができる円
筒状基材の表面改質装置、および円筒状基材の表面改質
方法を提供すること。 【解決手段】大気圧下において大気圧グロー放電を行う
ためのカソード電極とアノード電極を有するプラズマ処
理装置であって、該アノード電極はロール形状を有して
おり、しかも、円筒状基材を支持しつつ周回する機構を
有していることを特徴とする円筒状基材の表面改質装
置。および該装置を用いた円筒状基材の表面改質方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気圧下において円筒
状基材の外面の表面を改質するための装置、ならびにそ
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化社会の進展とともに複写機
ならびにプリンターなどの記録装置が広く普及し、これ
らの記録装置に対して特に小型化への要求が高まってい
る。複写機の小型化の一方法として、感光体ドラムをベ
ルト方式で使用し、薄型化をはかる試みがある。これに
より、露光方式としては従来から採用されていた感光体
ドラムの背面からの露光方式に替えて、感光体ベルトの
内部からの露光方式の採用が多くなっている。このよう
な状況から、円筒状の感光体ドラム用基材としては従来
のアルミニウムなどの金属の替わりにプラスチックを材
料とするものが用いられるようになってきている。従っ
て、プラスチックを用いる内部からの露光方式の感光体
ベルト用電極としては、透明導電性機能が付与されてい
る必要があり、このためにITO膜などの透明導電膜が
用いられており、また、ITO膜と基材との密着性をよ
くするために、SiO膜などが用いられている。この
ような機能性薄膜を形成する方法として従来真空蒸着
法、スパッタ法、CVD法などの真空薄膜形成方法、デ
ッピング法などが用いられている。
【0003】このうち真空蒸着法、スパッタ法などの真
空薄膜形成方法は、基材を真空系において膜を形成しな
ければならず、高真空排気用ポンプをはじめとする大規
模な装置ならびに周辺装置が必要であるため装置の費用
が非常に高価であり、また、デッピング法においても装
置が高価であるという不利があった。また、常圧CVD
法により酸化亜鉛薄膜を形成する方法があり有効である
と考えられるが、例えばJournal of Ame
rican Ceramic SocietyVol.
75,No12 1992 p3469〜3472なら
びにJournal of American Cer
amic Society Vol.77,No2 1
994 p505〜508に記載されている如く基材を
500℃〜600℃に加熱するという高温加熱下で行わ
れるために基材へのダメージが大きく、基材が高耐熱性
のものに限定され、プラスチックなどの低耐熱性の基材
への適用が困難であるという問題があった。
【0004】一方、円筒状基材の外面に機能性薄膜を形
成する前に、基材と機能性薄膜をなじみやすくさせるこ
とを目的として親水性付与処理が行われている。また、
基材の汚れを防止するための疎水性付与などの要求もあ
る。これらの表面処理方法としては、低圧プラズマ処理
法が特に多く用いられているが、この方法も真空系にお
いて基材を表面処理しなければならず、真空排気用ポン
プをはじめとする大規模な装置ならびに周辺装置が必要
であるため装置が非常に高価であるという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を改
善するものであり、金属、プラスチックなどの円筒状基
材を大気中で表面処理したり、該円筒状基材にZnO、
ITOなどの透明導電膜をはじめ、SiOなどの保護
膜等に代表される機能性薄膜を低コストでしかも簡便に
形成することができる円筒状基材の表面改質装置、およ
び円筒状基材の表面改質方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討を行った。この結果、大気圧
下において大気圧グロー放電を行うためのカソード電極
とロール形状を有するアノード電極からなり、円筒状基
材を周回させつつ大気圧グロー放電プラズマに晒す機構
を有する表面改質装置、および該表面改質装置を用いた
表面改質方法によって上記課題解決できることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。すなわち本発明
によれば、大気圧下において大気圧グロー放電を行うた
めのカソード電極とアノード電極を有するプラズマ処理
装置であって、該アノード電極はロール形状を有してお
り、しかも、円筒状基材を支持しつつ周回する機構を有
していることを特徴とする円筒状基材の表面改質装置が
提供される。
【0007】また、大気圧下において大気圧グロー放電
を行うためのカソード電極とアノード電極を有するプラ
ズマ処理装置であって、該アノード電極は2以上のロー
ルにより駆動される導電性ベルトからなっており、該導
電性ベルトに取り付けられた円筒状基材を周回させる機
能を有していることを特徴とする円筒状基材の表面改質
装置が提供される。
【0008】更に、上記いずれかに記載の円筒状基材の
表面改質装置のカソード電極に設けられたガス供給孔か
らメインガスである不活性ガスを供給しつつ、カソード
電極とアノード電極の間に高周波電圧を印加して大気圧
グロー放電プラズマを発生させ、円筒状基材を周回させ
つつ、該大気圧グロー放電プラズマに晒すことを特徴と
する円筒状基材の表面改質方法が提供される。
【0009】また、前記いずれかに記載の円筒状基材の
表面改質装置のカソード電極に設けられたガス供給孔か
ら、メインガスである不活性ガスと、膜形成用ガスから
なる混合ガスを供給しつつ、カソード電極とアノード電
極の間に高周波電圧を印加して大気圧グロー放電プラズ
マを発生させ、円筒状基材を周回させつつ、該大気圧グ
ロー放電プラズマに晒すことを特徴とする円筒状基材の
表面改質方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、公知の大気圧プ
ラズマ処理装置のアノード電極を、円筒状基材を支持し
つつ周回することによって、発生する大気圧グロー放電
プラズマに晒す機構を有したものとしたことにある。ま
た、該装置を用いて円筒状基材の表面を改質(表面改
質)することにある。なお、本発明でいう表面改質と
は、円筒状基材を大気圧グロー放電プラズマに晒すこと
によって、その表面に活性基を生じせしめるという意味
と、円筒状基材を膜形成用ガスが供給された大気圧グロ
ー放電プラズマに晒すことによって、その表面に膜形成
用ガスに由縁した機能性薄膜を形成するという意味を持
つ。以下本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の円筒状基材の表面改質装置のう
ち、プラズマ発生装置本体の構成は、特開平4−212
253号、特開平4−242924号公報、Appl.
Phys.Lett.60(7),17,Feb.,1
992等に開示されたプラズマトーチタイプの装置の
他、同タイプの装置に比して大面積の膜形成に適したス
リットからメインガスおよび処理ガスを供給するタイプ
の装置を基本としている。すなわち、カソード電極には
大気圧グロー放電プラズマの発生に必要な不活性ガス
(以下、メインガスと称することがある)を供給するた
めのガス供給口が設けられているとともに、カソード電
極と、アノード電極間に高周波電圧を印加して両電極間
に大気圧グロー放電プラズマを発生させることができ
る。そしてより好ましくは、メインガスに膜形成用ガス
を混合(以下、メインガスと膜形成用ガスが混合したガ
スを混合ガスと称する)させる付属機能を有している。
この付属機能を有していることにより筒状基材表面に機
能性薄膜を形成することができる。
【0012】本発明の円筒状基材の表面改質装置は、上
記したプラズマ発生装置本体の構成に加えて、アノード
電極が、円筒状基材を支持しつつ周回することによっ
て、発生する大気圧グロー放電プラズマに晒す機構を有
する。この機構を大別すると、次の、2種類である。 アノード電極がロール形状を有しており、しかも、円
筒状基材を支持しつつ周回することによって、円筒状基
材を表面改質する。 アノード電極が2以上のロールにより駆動される導電
性ベルトからなっており、該導電性ベルトに取り付けら
れた円筒状基材を周回させることによって、円筒状基材
を表面改質する。 次いで、図を用いて本発明の円筒状基材の表面改質装置
をより具体的に説明する。
【0013】図1は本発明の表面改質装置の第一実施形
態を示す模式断面図である。プラズマ発生装置本体2
は,例えば,アルミニウム製のカソード電極3、フッ素
樹脂製の筒状体4、そしてアノード電極5から構成され
る。そして、カソード電極3の先端部にはガスが供給さ
れる通気口31が備えられている。さらに、カソード電
極3は高周波電圧の調整を目的とするマッチングボック
ス8を介して高周波発振器7に連結されている。また一
方、アノード電極5は接地されている。さらに装置本体
にはメインガスを供給するための流路、また必要により
供給される膜形成用ガスを供給するための流路がそれぞ
れ連結されている。図1ではこのうち膜形成用ガスは、
キャリアガスに同伴されつつ装置本体に供給される例が
示されており、膜形成用物質が固体あるいは液体である
場合を想定してこれをガス化させるための加温手段11
が講じられている。ここにおいてアノード電極5は、円
筒状基材9を支持しつつ回転する機構を有している。こ
のような構造を有していることにより、大気圧グロー放
電プラズマに円筒状基材を周回させつつ晒すことができ
る。なお、ロール形状を有するアノード電極5の材質
は、導電性を有するものであれば特に限定されない。さ
らに、大気圧グロー放電プラズマによる表面改質時、円
筒状基材の温度上昇を防止するために、ロール形状を有
するアノード電極の内部に冷媒を循環させるのが望まし
い。
【0014】次いで図2は本発明の表面改質装置の第一
実施形態の一変形を示す模式断面図である。前記した第
一実施形態とカソード電極3の形状が異なっている。す
なわち、該カソード電極3の形状が、ロール形状を有す
るアノード電極5の表面とほぼ等距離で相対するように
曲率を有するようになっている。この実施形態は大気圧
グロー放電プラズマが安定しているという利点を有して
いる。
【0015】さらに、図3は本発明の第一実施形態に属
するものであり、図2で示した実施形態をさらに改良し
た実施形態を示す模式断面図である。すなわち、ロール
形状を有するアノード電極5と補助ロール13とによっ
て、円筒状基材9が支持されていることを特徴とする。
本実施形態は図2で示した実施形態の長所を有している
とともに、ロール形状を有するアノード電極と、補助ロ
ールの軸間距離を変えることにより、周長の異なる円筒
状基材への規格切り替えが容易であるとともに、スプリ
ング等を利用して、ロール形状を有するアノード電極
と、補助ロールを適度の力により引き離すようにしてお
けば、表面改質時の熱等により、円筒状基材にたるみが
発生するのを防止でき、表面処理をより安定的に行うこ
とができる。
【0016】次いで図4は本発明の第二実施形態を示す
模式断面図である。本実施形態は、アノード電極5が、
2以上のロールによって駆動される導電性ベルト6から
なっていることを特徴とする。ここにおいて導電性ベル
ト6の材質は、導電性を有するものであれば特に限定さ
れない。この実施形態は、大気圧グロー放電プラズマが
安定しているという利点があるとともに、比較的大口径
を有する円筒状基材の表面改質に有利である。
【0017】次いで前記した本発明の円筒状基材の表面
改質装置を用いた円筒状基材の表面改質方法について説
明する。本発明の円筒状基材の表面改質方法は、基本的
には、上記した表面改質装置により、大気圧グロー放電
プラズマを発生させ、該プラズマ中に円筒状基材を周回
させつつ晒すことにより円筒状基材表面にラジカルを発
生せしめることにより活性基を導入し、その表面を改質
するというものである。この表面改質の結果、円筒状基
材の表面への親水性の付与が行える。大気圧グロー放電
プラズマ発生のためにはメインガスとしてヘリウム、ア
ルゴン等の不活性ガスが用いられる。メインガスの供給
量はプラズマ発生装置の形状やプラズマ炎の大きさ、メ
インガスの種類によって異なるが、幅2mm、奥行き5
0mmのスリットから放出されて発生するプラズマ炎に
対しては通常1000〜5000cc/minの範囲が
好ましい。
【0018】カソード電極と、アノード電極間に印加さ
れる高周波発振器の出力はプラズマトーチの形状やプラ
ズマ炎の大きさ、メインガスの種類によって異なるが、
幅2mm、奥行き50mmのプラズマ炎に対して約30
〜100Wの範囲で行うことが望ましい。これより低い
場合にはプラズマが発生せず、高い場合は不経済である
ばかりでなく、電極の損傷を招くおそれがある。
【0019】このようにして発生した大気圧グロー放電
プラズマに円筒状基材を周回させつつ晒すことにより、
円筒状基材の表面が改質される。この際のカソード電極
と、円筒状基材の間隙は最短部で0.2〜5mmとする
ことが望ましい。また、円筒状基材の周回速度、およ
び、表面改質時間は所望とする表面改質の程度により適
宜設定される。
【0020】また、基材に親水性をより効果的に付与す
る目的で、メインガスに、空気、酸素、水、一酸化炭
素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素などをはじめ
メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン系化合
物、エチレン、プロピレン、ブテン等のアルケン系化合
物、ペンタジエン、ブタンジエン等のアルカジエン系化
合物、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系化
合物、ベンゼン、トルエン、ナフタレン等の芳香族炭化
水素系化合物、シクロプロパン、シクロヘキセン等のシ
クロアルカン系化合物、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン等のシクロアルケン系化合物、メタノール、エタノー
ル等のアルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン系化合物、メタナール、エタナール等の
アルデヒド系化合物等を混入することもできる。
【0021】一方、メインガスに4弗化エチレン、6弗
化プロピレン等のフッ化エチレン列炭化水素化合物、4
弗化メタン、6弗化エタン等のフッ素化メタン列炭化水
素化合物、またはフッ素原子を含む側鎖のついた鎖状炭
化水素、あるいはフッ素化芳香族炭化水素などの官能基
を有する有機化合物を混入すれば円筒状基材の表面に疎
水性を付与することができる。
【0022】また、本発明によれば、円筒状基材の表面
にSiO2、TiO2、SnO2、ZnO、ITO等の機
能性薄膜を形成させることができる。具体的には、これ
ら金属元素を含み、しかも蒸気圧を有する化合物、すな
わち膜形成用物質をメインガスと混合して混合ガスとな
し、プラズマ発生装置へ供給した後、カソード電極に設
けられたガス供給孔から大気圧グロー放電プラズマ中に
導入すればよい。なお、膜形成用物質が操作雰囲気温度
で液体、あるいは固体である場合は、図1〜4に示した
ごとく、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスからなる
キャリアーガスに同伴させつつメインガスと混合して混
合ガスとするのが膜形成用ガスの供給量を調節しやすい
ために好ましく、さらには、適度に加温するのが好まし
い。なお、この表面改質は、これのみを円筒状基材に施
してもよいし、前記した親水性付与あるいは疎水性付与
を目的とした表面改質の後に行っても良く、前に行って
もよい。前記した親水性付与を目的とした表面改質の後
でこの機能性薄膜を目的とした表面改質を行うと円筒状
基材と機能性薄膜との接着性が向上し好ましい。
【0023】本発明に従って表面改質できる円筒状基材
の材質は、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチル
セルロースをはじめポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタンな
どの有機樹脂やガラスなどが挙げられる。これらの中で
も、光学特性に優れるポリエステル、ポリアミド、ポリ
イミド、アクリルが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0025】[実施例1] 〔円筒状ポリエステルフイルムの表面処理〕円筒状ポリ
エステルフイルム(厚み:50μm、直径:60mm、
長さ60mm、水接触角:73°)に親水性を付与する
ことを目的にプラズマ処理を行った。プラズマ処理に
は、図2に示す外径59.5mmのロール形状を有する
アノード電極、及び通気孔として幅2mm、長さ50m
mのスリットを9条有するカソード電極からなる装置を
使用した。この場合、薄膜形成用のガス導入ラインは、
閉じた状態とした。円筒状ポリエステルフイルムを円筒
状のアノード電極に取り付け、該円筒状ポリエステルフ
イルム表面とカソード電極下部との間隙が1.5mmに
なるように調整した、次いで、プラズマ発生装置2にヘ
リウムガスを2000cc/minの流量で供給した後
に、高周波発振器(13.56MHz)7の電源に50
wの電力を供給し、プラズマを発生させると同時にアノ
ード電極を20rpmで回転させつつ、2分間保った。
この処理後の円筒状ポリエステルフイルムの水接触角は
50°まで低減し、ぬれ性が改善された。
【0026】〔円筒状ポリエステルフイルムへの酸化亜
鉛薄膜形成〕実施例1と同様にロール形状を有するアノ
ード電極に円筒状ポリエステルフイルムを取り付け、カ
ソード電極下部と円筒状ポリエステルフイルム表面の間
隙が0.5mmになるように調整した、プラズマ発生装
置2にアルゴンガス(メインガス)をアルゴンボンベか
ら2000cc/minの流量で流すとともに、ビスジ
ピバロイルメタナート亜鉛の入った容器に、Heガスボ
ンベから50cc/minのHeガスを通気することに
よって発生したビスジピバロイルメタナート亜鉛の蒸気
を含む混合ガスを供給してスリットから放出させ、次い
で高周波発振器(13.56MHz)7の電源に通電し
て50Wに調整し、プラズマを発生させると同時にアノ
ードを20rpmで回転させて、30分間酸化亜鉛薄膜
を堆積させた。
【0027】円筒状ポリエステルフイルム表面に堆積し
た酸化亜鉛薄膜を表面粗さ計で測定したところ、800
オングストロームであった。また、酸化亜鉛薄膜は、表
面抵抗が16kΩ、可視光線透過率が78%であり、電
子写真感光体用透明導電膜として使用できるものであっ
た。また、円筒状ポリエステルフイルム表面に堆積した
酸化亜鉛薄膜は、密着性がよく、容易に剥がすことはで
きなかった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
気中で円筒状基材の表面を表面改質できる表面改質装置
が提供される。この装置は簡易的であるとともに、比較
的低温での操作が可能であるため、種々広範な基材を選
択することができる。さら本発明によれば、前記装置を
用いた円筒状基材の表面改質方法が提供される。この方
法は、極めて高い生産性をもつという特長を有し、連続
処理も可能である。このように、本発明は電子機器分野
等において用いられる円筒状の感光体ドラム基材を低価
格で提供するに有用であり、産業に利するところ大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、円筒状基材の表面改質装置の第一実
施形態を示す模式断面図である。
【図2】本発明の、円筒状基材の表面改質装置の第一実
施形態を示す模式断面図である。
【図3】本発明の、円筒状基材の表面改質装置の第一実
施形態を示す模式断面図である。
【図4】本発明の、円筒状基材の表面改質装置の第二実
施形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1.円筒状基材の表面改質装置 2.プラズマ発生装置本体 3.カソード電極 31.通気孔 4.筒状体 5.アノード電極 6.導電性ベルト 7.高周波発振器 8.マッチングボックス 9.円筒状基材 10.膜形成用物質 11.加温手段 12.流量計 13.補助ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 治 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 梶谷 孝啓 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 丹下 善弘 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 松田 ▲ひで▼明 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA42 AA45 AA54 CA06 CA22 CA37 CA40 EA05 EA24 EA30 4F073 AA01 BA02 BA07 BA08 BA18 BA23 BA26 BA29 BA31 BB02 BB09 CA01 CA07 CA09 CA65 4K030 AA11 AA16 BA47 CA06 CA07 CA16 DA02 FA03 GA05 GA07 JA09 KA16 LA01 LA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧下において大気圧グロー放電を行
    うためのカソード電極とアノード電極を有するプラズマ
    処理装置であって、該アノード電極はロール形状を有し
    ており、しかも、円筒状基材を支持しつつ周回する機構
    を有していることを特徴とする円筒状基材の表面改質装
    置。
  2. 【請求項2】 大気圧下において大気圧グロー放電を行
    うためのカソード電極とアノード電極を有するプラズマ
    処理装置であって、該アノード電極は2以上のロールに
    より駆動される導電性ベルトからなっており、該導電性
    ベルトに取り付けられた円筒状基材を周回させる機能を
    有していることを特徴とする円筒状基材の表面改質装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の、円筒状基材
    の表面改質装置のカソード電極に設けられたガス供給孔
    からメインガスである不活性ガスを供給しつつ、カソー
    ド電極とアノード電極の間に高周波電圧を印加して大気
    圧グロー放電プラズマを発生させ、円筒状基材を周回さ
    せつつ、該大気圧グロー放電プラズマに晒すことを特徴
    とする円筒状基材の表面改質方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の円筒状基材の
    表面改質装置のカソード電極に設けられたガス供給孔か
    ら、メインガスである不活性ガスと、膜形成用ガスから
    なる混合ガスを供給しつつ、カソード電極とアノード電
    極の間に高周波電圧を印加して大気圧グロー放電プラズ
    マを発生させ、円筒状基材を周回させつつ、該大気圧グ
    ロー放電プラズマに晒すことを特徴とする円筒状基材の
    表面改質方法。
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