JP3518977B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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JP3518977B2
JP3518977B2 JP22159397A JP22159397A JP3518977B2 JP 3518977 B2 JP3518977 B2 JP 3518977B2 JP 22159397 A JP22159397 A JP 22159397A JP 22159397 A JP22159397 A JP 22159397A JP 3518977 B2 JP3518977 B2 JP 3518977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気記録媒
体や他の各種機能性薄膜の製造などに使用される連続プ
ラズマCVD装置に係り、さらに詳しくは、損傷のない
高品質のCVD薄膜を広幅で均一に高速度で成膜するの
に好適な連続プラズマCVD装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアラミド、ポリイミドなどの絶縁性を有するフィルム
を用いた薄膜磁気記録媒体や各種の機能性媒体の広範な
分野において、これらの長尺基体上にさらに保護膜、潤
滑膜、防湿膜などのプラズマCVD膜を設ける試みがな
されている。
【0003】このような長尺状のフレキシブル基体にC
VD成膜を行なえば、多量生産が可能となり、大幅なコ
スト低減が見込まれる。そしてより生産性を向上させる
には高速、広幅成膜の技術が重要となる。
【0004】成膜速度を高める最も重要な要件は、プラ
ズマに多量のエネルギーを供給して活性なイオンやラジ
カルなどの分子種を高密度に生成し、これらを有効に基
体に入射させることである。また、高品質な膜を得るた
めには基体に入射するイオンに所定の運動エネルギーを
与える必要があり、このためプラズマ励起部および(ま
たは)基体側にバイアス電圧を印加してイオンの加速が
行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにプラズマに
多くのエネルギーを加えれば必然的にプラズマのエネル
ギーが基体に移動し、基体が加熱される。基体が加熱さ
れれば、成膜速度が大幅に減少し、膜質が低下するとと
もに基体の変形、破壊が生じる。
【0006】基体が薄膜磁気記録媒体や各種機能性膜な
どの導電性を有する基体の場合、導電膜にイオン電流が
流れるためジュール熱による加熱が加わる。特に、成膜
速度の高速度化のためイオン入射量を増し、また膜質向
上のためイオン加速電圧を上げると著しい基体損傷を引
き起こすことは広く知られている。
【0007】また、生産性を上げるうえで高速度化とと
もに基体の広幅化を図る必要がある。成膜幅を左右する
重要な要件は、プラズマ密度とイオン加速バイアス電圧
の均一性である。プラズマ密度ならびにバイアス電圧が
不均一だと膜厚、膜質が幅方向において大きくばらつ
く。
【0008】プラズマCVD膜の高速成膜、広幅成膜は
このように非常に難しい技術であり、特に基体の少なく
とも一部が導電性を有し、電流を流すとジュール熱を発
生するような基体を用いたとき、プラズマCVD膜の高
速成膜、広幅成膜はより一層困難となり、ブレークスル
ーが必要となっている。
【0009】基体加熱の原因として多くの要因が考えら
れるが、主な要因は基体に入射する加速イオンの衝撃エ
ネルギーによる発熱とイオン電流のジュール熱による発
熱である。この中で、衝撃エネルギーによる発熱は衝撃
エネルギーが高品質な膜を得るため必要なものであり、
避けることができない。一方、イオン電流によるジュー
ル熱は不要なものであり、イオンを加速するバイアス印
加法に依存する。このイオン電流による加熱を如何に抑
制するかが、安定な高速プロセスを実現する上で最も重
要なポイントとなる。
【0010】次に従来例を比較検討した結果を述べる。
図37に、従来例の一つとして直流バイアスによるイオ
ン加速法を用いたプラズマCVD装置の概略構成を示
す。
【0011】図中の131は例えばフレキシブルな合成
樹脂フィルムなどからなる基体、132はその基体13
1を連続的に繰り出す供給ローラ、133はその供給ロ
ーラ132に接続された直流電源、134は基体131
をガイドする中間ローラ、135は回転ドラム、136
はプラズマ管、137はそのプラズマ管136に巻装さ
れた高周波コイル、138はその高周波コイル137に
高周波を印加する高周波電源、139は前記プラズマ管
136内に配置されたアノード電極、140はそのアノ
ード電極139に接続された直流電源、141は前記プ
ラズマ管136に形成されたガス導入口、142は成膜
された基体131を巻き取る巻取ローラである。
【0012】このようにプラズマ管136に巻き付けた
高周波コイル137でプラズマを励起し、導電性を有す
る基体131に直流電源133を用いてバイアス電圧を
印加する方法では、基体131の導電性部分に矢印14
3に示すようにイオン電流が流れてしまう。
【0013】また同図に示すようにバイアス電圧をプラ
ズマを挟んで基体131と反対側のアノード電極139
から印加する方法でも、基体131のイオンによる帯電
を防ぐために基体131からイオンを逃がす経路を設け
る必要があり、同じように矢印143方向にイオン電流
が流れる。
【0014】このように導電性を有する基体にイオン電
流が流れると、基体の電気抵抗が極めて小さいか反対に
極めて大きい場合を除き、イオン電流により多量のジュ
ール熱が発生し、そのために成膜速度の低下と基体の損
傷が起こる。
【0015】このイオン電流による基体の加熱を低減す
るため、図38に示すように冷却された回転ドラム上の
フィルムに単数または複数の電位ローラを設けて、イオ
ン電流を冷却された回転ドラム上のみに局限し、また電
流の分流を図る手段が提案されている(特公平7−10
5037号公報参照)。
【0016】同図においては151は合成樹脂フィルム
などからなる基体、152は基体151を連続的に繰り
出す供給ローラ、153はその基体151をガイドする
中間ローラ、154は回転ドラム、155は複数のプラ
ズマ管、156は各プラズマ管155に巻装された高周
波コイル、157は各プラズマ管155内に配置された
アノード電極、158はそのアノード電極157に接続
された直流電源、159は各プラズマ管155に接続さ
れたガス導入管、160は成膜された基体151を巻き
取る巻取ローラ、161はバイアス電圧を印加するため
の電位ローラである。
【0017】同図に示す装置ではイオン電流の総量は変
化しておらず、基体151に流れ込む熱量の大幅な減少
にはつながらない。このように直流電源を用いてバイア
ス電圧を印加する方法(交流であってもプラズマ的に直
流と見なせる低周波数バイアス印加法でも同様)では、
イオン入射量の多い成膜法において、イオン電流によっ
て成膜速度が制限されるという欠点はまだ解消できな
い。
【0018】このため基体の冷却効率をあげるのに、さ
らに基体と回転ドラム間に高電圧の直流電圧を印加し静
電吸着を利用して密着性を上げる手段などが提案されて
いる。
【0019】なお、この直流バイアス法では、基体15
1が移動しているため電位ローラ161の電圧はスリッ
プリングやロータリージョイントなどを介して電気導通
をとって調整する必要があるが、スリップリングなどの
接触面が汚れたり、スティックスリップが生じたりする
と電圧が変動し、生成した膜の膜質が不均質になりやす
い。
【0020】またバイアス印加アノード電極157が高
電位になるとプラズマ電位が高くなり、異常放電が起こ
り易くなる。さらにイオン加速を広い面積にわたって均
等に行うことが難しい。また、基体の帯電により塵埃が
基体に付着して、基体が汚染されやすい問題がある。
【0021】このように直流電源を用いてバイアス電圧
を印加する方法は、広幅ならびに高速成膜という観点か
らみて技術的難度が高いと言わざるを得ない。
【0022】イオン電流によるジュール熱は、周波数1
3.56MHzの高周波を基体に印加して、いわゆる自
己バイアス電圧によるイオン加速を行う高周波自己バイ
アス法を用いればほとんど避けることができる。これは
イオン電流が基体の厚さ方向に向かい、さらに絶縁性フ
ィルムの静電容量を介して変位電流として回転ドラム側
に流れ込むためである。また、この方法は基体全体に均
一なバイアス電圧を発生させることができるため広幅成
膜が容易である利点がある。
【0023】図39は、冷却ドラムと高周波電力を印加
しプラズマを励起するとともに自己バイアス電圧を発生
させるプラズマCVD装置の概略構成図である(特開平
8−41645号公報,特開平8−49076号公報参
照)。同図において171は例えばフレキシブルな合成
樹脂フィルムなどからなる基体、172はその基体17
1を連続的に繰り出す供給ローラ、173は基体171
をガイドする中間ローラ、174は回転ドラム、175
は回転ドラム174に高周波を印加する高周波電源、1
76はガス導入口、177は成膜された基体171を巻
き取る巻取ローラである。
【0024】この方法では、イオン電流によるジュール
熱はほとんど発生しないが、高周波電力による電流が基
体の導電膜を通じて、基体搬送系や真空槽壁を介してア
ース側に流れて多量のジュール熱が発生する。この高周
波電流を防止するためには徹底した高周波絶縁を行う必
要があるが、周波数が高いため極めて困難である。薄膜
とアース電位間に僅かな静電気容量があっても静電気的
につながってしまい、同図に矢印178で示す如く薄膜
中に高周波電流が流れ、多量のジュール熱が発生する。
また、この際に発生する過電流によって基体の導電膜破
壊が起こる。
【0025】また、本発明者らがさらに詳細に検討した
結果、仮に高周波的に絶縁がとれたとしても、バイアス
電圧を上げると、回転ドラムに基体が接触しはじめる近
傍およびドラムから離れ始める近傍で過電流が流れたり
異常放電が発生し、導電膜が破壊したり基体が切れると
いうトラブルが頻発することが分かった。この原因は、
その近傍で静電容量の変化量が大きいためと考えられ
る。また、さらに高周波バイアスによる絶縁性ベースフ
ィルムの誘電加熱も無視できない。
【0026】また、プラズマ励起側に直流バイアスを印
加するとともに基体側に数100kHzのパルス状の高
周波バイアスを印加する方法が提案されている(特開平
8−69622号公報参照)。この方法も直流的にバイ
アス電圧を印加するので、基体に流入するイオンをアー
スして逃がさなければならない。もし逃がさなければ、
基体が帯電してすぐにバイアス電圧が印加できなくな
る。また、基体側の接地型パルス高周波によるバイアス
印加はプラズマ密度を高める効果が認められたが、ほと
んどバイアス電圧に対する寄与は認められなかった。従
ってパルス状の高周波はバイアス的には副次的な役割し
か果たしていないものと思われる。
【0027】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、基体に損傷もしくは変質などが生じること
なく、連続的に品質の良好な成膜が可能なプラズマCV
D装置を提供することにある。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、ローラ系を介して回転ドラムなどの搬送
支持部材と共に移動する導電性を有する基体表面にプラ
ズマにより連続的に成膜するプラズマCVD装置におい
て、前記基体の供給ローラから回転ドラムなどの搬送支
持部材に至る経路の全てのローラのローラ表面とアース
電位の間のインピーダンスの合計を10kΩ以上、かつ
回転ドラムなどの搬送支持部材から巻取ローラに至る経
路の全てのローラのローラ表面とアース電位の間のイン
ピーダンスの合計を10kΩ以上とし、前記基体に高周
波を印加する高周波電源を更に有し、前記高周波電源の
周波数が50KHz〜900KHzの範囲に規制されて
いることを特徴とするものである。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】例えば表面に導電性薄膜を形成し
た合成樹脂フィルム、導電性微粉末を混入した合成樹脂
フィルムなどの導電性を有する基体表面に、プラズマに
より連続的に例えばカーボン薄膜などを成膜する連続プ
ラズマCVD装置において、本発明は前述のように従来
より大幅に低い周波数を用いた高周波自己バイアス発生
機構および前記基体とアース電位間のインピーダンスを
大幅に上げた基体搬送系を有することを特徴とする連続
プラズマCVD装置である。
【0037】前述の目的を達するためには、まず第1に
イオン電流によるジュール熱を避けることが必要であ
る。そこで本発明者らは、従来の高周波自己バイアス法
における基体の損傷発生状況を詳細に検討した。この結
果、基体搬送系の高周波絶縁をかなり徹底した後でも、
損傷が起こることが分かった。特に、冷却された回転ド
ラムとこれに近い中間ロールの間で損傷を受けやすく、
損傷は一般に直流バイアス法の場合よりも著しい。
【0038】バイアス電力を上げるとバイアスを印加し
た瞬間に導電膜が破断する場合がある。また、低バイア
ス電力で損傷がほぼ認められない場合でも回転ドラム上
でしわが発生し、成膜時にしわ部分の熱負けが生じる。
【0039】前記の損傷やしわ発生を防止する条件を検
討した結果、中間ロール間の基体における高周波電流に
よる単位面積当たりの発熱量を150mW/cm2
下、好ましくは50mW/cm2 以下に抑制しなければ
ならないことが分かった。また、この条件を満たすため
には、バイアスの周波数を大幅に下げるとともに基体搬
送系の高周波絶縁性(インピーダンス)を所定の値以上
に高めなければならないことが分かった。
【0040】そこでバイアス周波数を下げることを検討
した。通常、高周波が1MHz以下になると、基体に帯
電が生じて自己バイアス電圧が有効にかからなくなるこ
とが知られている(Diamond and Diamond-Like Films a
nd Coatings Edited by R.E.Ciausing et al.,Plenum P
ress,New York,1991,p247 参照) 。
【0041】そこで1MHzから10MHzの範囲を検
討したが、損傷の発生しない十分な条件を見い出すこと
ができなかった。また、回転ドラムに基体が接触しはじ
める近傍および基体が回転ドラムから離れ始める近傍で
過電流が流れたり異常放電が発生するトラブルも周波数
を下げることによって減少することが判明したが、完全
に抑制することができなかった。従って損傷を避けるた
めにはさらに周波数を下げなければならないことが分か
った。
【0042】そこで1MHz以下の自己バイアス発生機
構を実験的に、また理論的にさらに詳細に検討した。こ
の結果、この周波数領域における自己バイアス電圧は、
イオン電流、高周波電源のブロッキングコンデンサの静
電容量、基体の厚み、基体の誘電率、プラズマ密度、高
周波入力電圧などの関数であることが判明した。
【0043】イオン電流が多く、かつブロッキングコン
デンサの容量が小さく、かつ基体の厚みが厚い場合など
には、基体の帯電によると見られるバイアス波形の歪み
およびバイアス電圧の低下が顕著に認められた。しか
し、以下に述べる適切な条件を選択すれば十分なバイア
ス電圧を得ることができることを見出した。また異常放
電も確実に抑制できることが分かった。
【0044】すなわち第1の本発明は、高周波バイアス
の周波数を50KHz〜900KHzの範囲、好ましく
は150kHz〜600kHzの範囲とし、高周波電源
と導電性を有する薄膜の間に、静電容量Cと高周波周波
数fの積C・fが0.02〔F・Hz〕以上、好ましく
は0.3〔F・Hz〕以上になるようなブロッキングコ
ンデンサを介在させる。そして基体搬送系の高周波絶縁
として、基体供給ローラから回転ドラムに至る経路の全
てのローラのインピーダンスの合計を少なくとも10k
Ω以上、好ましくは20kΩ以上とし、また同様に回転
ドラムから巻取ローラに至る経路の全てのローラのイン
ピーダンスの合計を少なくとも10kΩ以上、好ましく
は20kΩ以上とすることによって所期の目的を達した
ものである。
【0045】この構成によれば十分な自己バイアス電圧
が印加されるから、直流電圧を必要としない。そのため
直流的に自己バイアス電圧を印加した場合に発生する問
題点、すなわちイオン電流によるジュール熱、バイアス
電圧の不均等性、不安定性、異常放電、基体の帯電によ
る塵埃の付着の問題を解消できる。
【0046】なお、前記インピーダンスとはローラの基
体走行面の全幅にわたって1〜2周、アルミホイルを巻
き付け、このアルミホイルとアース電位とのインピーダ
ンスをインピーダンスメータで測定した値である。
【0047】このように回転ドラムに印加されるバイア
ス電圧の安定性および均一性は前記の手段により解消さ
れるが、膜の均一性を確保するにはプラズマ密度の分布
を均一にする必要がある。このためには、プラズマの主
たる生成源としてマイクロ波を用いることが有効であ
る。マイクロ波の電界は、アンテナ形状を調整すること
により容易に均一にすることができる。
【0048】また、基体を搬送するためのローラ(供給
ローラ、巻取ローラ、中間ローラなど)の本体またはそ
の一部をセラミックや合成樹脂などの電気絶縁性の材料
で構成するか、ローラの芯材に電気絶縁材を用いるか、
あるいは導電性を有する芯材を持たない中空状のローラ
を使用する手段が有効である。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】図1は本発明の実施の形態に係るプラズマ
成膜装置の概略構成図、図2はそのプラズマ成膜装置に
用いられる供給ロ−ラならびに巻取ローラの構成を説明
するための図、図3はそのプラズマ成膜装置によって保
護膜を形成した磁気記録媒体の拡大断面図である。
【0054】以下、図面に従って実施の形態を説明す
る。長尺状で導電性を有する幅広の基体1を供給ローラ
2から連続的に繰り出し、所定の速度で回転する冷却状
態の回転ドラム3の周面を通して成膜を行い、巻取ロー
ラ4に順次巻き取る。
【0055】この供給ローラ2ならびに巻取ローラ4は
回転軸(芯材)及びローラ本体をセラミックス、合成樹
脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで形成するか、
あるいは図2に示すように、円筒状のコア14と、その
両端を支持するセラミックス製のテーパコーン15から
主に構成され、ローラ内部に回転軸を持たない中空構造
にしてもよい。同図において16はエアシリンダ、17
はモータ、18はベアリング、19はシール部材であ
る。
【0056】図1のガス導入口5,6,7,8からはメ
タン,エタン,エチレン,アセチレン,ブタン,ベンゼ
ン,ヘキサンなどの炭化水素ガスからなるモノマーガ
ス、アルゴン,ヘリウム,ネオン,クリプトン,キセノ
ン,ラドンなどの不活性なキャリヤガス、窒素,水素,
二酸化炭素,一酸化炭素,酸素などの活性なキャリヤガ
スなどが必要に応じて同時にまたは異なるガス導入口か
ら所定の割合で供給される。プラズマの安定上キャリヤ
ガスをマイクロ波導入窓近辺のガス導入口6,8から、
モノマーガスを基体の近傍にあるガス導入口5,7から
導入することが望ましい。このように導入すると、膜付
着による周囲の汚染が抑制される。
【0057】これらのガスは、マイクロ波リニアアプリ
ケータ9から印加されるマイクロ波(MW)によりプラ
ズマ状態に保たれ、搬送される基体1の外表面にプラズ
マCVD膜が連続的に形成される。
【0058】回転ドラム3にはブロッキングコンデンサ
12を介して高周波電源10によって自己バイアス電圧
が加えられ、基体1上に連続して幅広で均質なプラズマ
CVD膜が形成される。高周波電源の周波数は50KH
z〜900KHz、好ましくは150kHz〜600k
Hzとする。11は回転ドラム3の周面に沿って設けら
れてプラズマ発生領域を制限する隔壁、13はセラミッ
クス、合成樹脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで
形成したガイド用の中間ローラである。
【0059】この中間ロール13の回転軸はセラミック
ス、合成樹脂、ガラス繊維及びそれらの複合物などで形
成するか、前記供給ローラ2、巻取ローラ4と同様に回
転軸を持たない中空構造にする。なお、ローラ本体と回
転軸が一体になった構造でも何ら問題ない。
【0060】基体1の搬送系のある搬送室20と成膜を
行なう成膜室21の真空度は独立に制御が可能であり、
搬送室20はプラズマの発生しない高真空に保たれる。
【0061】本発明の連続プラズマCVD装置で磁気記
録媒体を製造する場合、図3に示すように前記基体1と
しては例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリア
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンゾオキサ
ゾールなど各種の合成樹脂フィルムが使用される。その
上に例えばCo−O、Co−Ni、Co−Cr、Co−
Fe、Co−Ni−Cr、Co−Ni−O、Co−Pt
−Crなどからなる磁性層22が、例えば蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着
法などの手段により形成され、この磁性層22により基
体1に導電性が付与されている。
【0062】この磁性層22を有する長尺状の基体1が
前記供給ローラ2から繰り出され、プラズマCVD法に
より磁性層22上に所定膜厚のプラズマCVD保護膜2
3が形成される。
【0063】図4は、ポリエチレンテレフタレート上に
厚さ0.15μmのCo−O膜を形成した基体を用い
て、マイクロ波の周波数を2.45GHz、投入電力3
kW、導入ガスとしてメタンとアルゴンを用い、メタン
とアルゴンの導入割合を3:1、搬送室20の真空度を
5×10-5Torr、成膜室21の真空度を0.07T
orrとして、Co−O膜の上に厚さ10nmのダイヤ
モンドライクカーボン膜を形成した。
【0064】そのときの高周波電源10の周波数、ブロ
ッキングコンデンサ12の静電容量C、ブロッキングコ
ンデンサ12の静電容量Cと高周波電源10の周波数f
の積C・f、供給ローラから回転ドラムに至る経路の全
てのローラのインピーダンスの合計と回転ドラムから巻
取ローラに至る経路の全てのローラのインピーダンスの
合計のうち小さい方の値、中間ローラ13の材質、回転
軸(芯材)の有無と材質、供給ローラ2ならびに巻取ロ
ーラ4の材質、回転軸の有無、薄膜の体積抵抗率(Co
−O斜め蒸着膜中のO2 含有率の抵抗値を調整)、磁気
テープを製造してそれの耐久性を評価したスチル試験結
果(40℃、80%RHの環境下において、磁気テープ
をデッキにかけて走行し、RF出力が−5dBになるま
でのスチル時間)、基体の損傷の有無などについてテス
トした結果をまとめた表である。なお、スチル試験の欄
に示している−印のものは、測定が不可能なものを示し
ている。
【0065】このテストの結果、 ○試料No.1のものは、高周波電源10の周波数が3
0KHzと低いから、膜質劣化があり、そのためスチル
試験の結果が悪い。
【0066】○試料No.2のものは、高周波電源10
の周波数は50KHzであるが、ブロッキングコンデン
サ12の静電容量Cが0.3μFと小さく、従ってC・
fの値が0.015であるから、帯電によりバイアス電
圧が十分に印加されないため、スチル試験の結果がまだ
不十分である。
【0067】○試料No.3〜9及び20〜21のもの
は、高周波電源10の周波数は50KHz〜900KH
zで、C・fの値が0.02以上(0.02〜1の範
囲)であることから、薄膜形成時に十分な自己バイアス
電圧が印加され、その結果、薄膜の損傷がなく、均質な
ダイヤモンドライクカーボン膜が形成されるため、スチ
ル試験の結果が120分以上で耐磨耗性に優れている。
【0068】○試料No.10のものは、C・fの値が
0.02であるが、高周波電源10の周波数が1000
KHzと高いから、高周波電流の低減が不十分で、その
ため高周波電流で基体が加熱されて損傷を生じ、スチル
試験が不可能であった。
【0069】○試料No.11,12のものは、高周波
電源10の周波数は600KHz,900KHzである
が、ブロッキングコンデンサ12の静電容量Cが0.0
25μF,0.015μFと小さく、従ってC・fの値
が0.015以下となり、帯電によりバイアス電圧が十
分に印加されないため、スチル試験の結果がまだ不十分
である。
【0070】○試料No.13のものは、C・fの値が
0.9であるが、高周波電源10の周波数が1000K
Hzと高いから、高周波電流の低減が不十分で、そのた
め高周波電流で基体が加熱されて損傷を生じ、スチル試
験が不可能であった。
【0071】○試料No.14〜15のものは、試料N
o.13と同様に高周波電源10の周波数が1000K
Hzと高いが、薄膜の体積抵抗率が、No.14は大き
いために、No.15は小さいために高周波電流による
基体の加熱が生じなかった。しかし、体積抵抗率を変え
るためにCo−O斜め蒸着膜中のO2 含有率 を調整し
たため、磁気特性が劣化しており、スチル試験は不可能
であった。
【0072】○試料No.16〜19のものは、C・f
の値が0.9であるが、ローラ系のインピーダンスが1
0kΩ以下と小さいため、高周波電流の低減が不十分
で、そのため高周波電流で基体が加熱されて損傷を生
じ、スチル試験の結果がまだ不十分である。
【0073】以上の結果から明らかなように、供給ロー
ラから回転ドラムに至る経路の全てのローラのローラ表
面とアース電位の間のインピーダンスの合計を10kΩ
以上、また同様に回転ドラムから巻取ローラに至る経路
の全てのローラのローラ表面とアース電位の間のインピ
ーダンスの合計を10kΩ以上とし、基体と高周波電源
の間にブロッキングコンデンサを介在させ、C・fの値
が0.02以上として、高周波電源の周波数を50kH
z〜900kHzとすることにより、成膜時における基
体の損傷がなく、しかも全幅にわたって目的にかなった
緻密で均質なプラズマCVD膜が得られる。
【0074】次に本発明に関連する技術について説明す
る。前述のような高性能な膜を製造するためのプラズマ
源の一つにマイクロ波(MW)プラズマがある。MWは
電極を放電管内に設ける必要がなく、電力を局所的に集
中することができるため、高密度のプラズマの生成が可
能である。磁界を印加してECR条件(electron cyclo
tron resonance)を付与すれば、高真空度での成膜も可
能となる。高真空度での成膜は不純物の混入が減少する
ため、膜質も改善される。
【0075】しかし、このプラズマCVD装置におい
て、MWを導入する石英などのMW透過性材料で構成し
たMW導入窓の表面もプラズマに曝されるから、プラズ
マCVD膜が導入窓に付着することが多々ある。その成
膜された膜がMWの透過する膜であればよいが、MWを
吸収したり、反射する膜であると時間と共にプラズマ状
態が変化し、そのため長時間の安定した成膜が難しくな
るという新たな問題点がある。これを解消するために頻
繁に導入窓の清掃を行わなければならず、生産性を低下
させる原因となる。
【0076】図5ならびに図6は、この問題点を解消す
るための第1ならびに第2の関連技術に係るプラズマ成
膜装置の概略構成図である。図5に示すように長尺のフ
レキシブルな基体1が供給ロール2から連続的にあるい
は間欠的に繰り出され、回転ドラム3の周面を通して成
膜を行い、巻取ロール4に巻き取られる。
【0077】基体1には、直流電源24によってバイア
ス電圧が印加さる。ガス導入口5からは、原料ガス及び
キャリアガスとしてヘキサメチルジシロキサンと酸素の
混合ガス(混合比3:7)を導入する。
【0078】MWが、真空維持用MW導入窓25からプ
ラズマ制限用MW導入窓26を通してプラズマ発生領域
27に導入される。この真空維持用MW導入窓25は真
空を維持するための窓で、プラズマ制限用MW導入窓2
6はプラズマを封じ込めるための窓で、両方の窓により
2重構造になっており、真空維持用MW導入窓25はプ
ラズマ制限用MW導入窓26の外側に配置され、プラズ
マに曝されないようになっている。真空維持用MW導入
窓25とプラズマ制限用MW導入窓26の間は高真空に
するか、あるいは両者間の間隔をプラズマのシースの厚
み以下にしてプラズマが発生しないようにする。
【0079】プラズマ制限用MW導入窓26は、例えば
厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレンなどのフッ
素樹脂、あるいはそれにガラス繊維などのフィラーを混
入したもの、またはポリプロピレンなどの長尺のMW透
過性でかつ耐熱性のフレキシブル材料でできており、時
間の経過とともに徐々に巻き取られていく。
【0080】この結果、プラズマ制限用MW導入窓26
のプラズマ発生領域27と対向した表面に付着したプラ
ズマCVD膜も窓26と一緒に移動し、プラズマ発生領
域27には常に綺麗な窓26の部分が供給されるから、
プラズマ状態が長期間安定に保たれる。
【0081】この関連技術ではプラズマ制限用MW導入
窓26にフレキシブルな材料を用いたが、板状の材料を
用いて横方向に移動させてもよい。プラズマ制限用MW
導入窓としてはMWを透明するもの(反射、吸収の少な
い材料、もしくは反射、吸収が大きくてもその厚さが薄
くて実質的にMWを透明するもの)が使用され。
【0082】図6に示す第2の関連技術では、ディスク
状の基体にMWによる成膜を行う装置を示す。ガラス製
のディスク状基体28は基体供給装置29から1枚ずつ
供給され、基体ホルダー30に支持されて循環式の搬送
系31によりプラズマ発生領域27を通過することによ
りディスク状基体28の表面にプラズマCVD膜が形成
され、その後に基体収納装置32へ運ばれる。
【0083】ディスク状基体28には直流電源24によ
ってバイアス電圧が印加される。ガス導入口5から原料
ガス及びキャリアガスとしてそれぞれメタンガスとアル
ゴンガスを1:2の割合で導入する。
【0084】MWが、真空維持用MW導入窓25からプ
ラズマ制限用MW導入窓26を通してプラズマ発生領域
27に導入される。真空維持用MW導入窓25とプラズ
マ制限用MW導入窓26の間は、高真空にするかあるい
は両者の間隔をプラズマのシースの厚み以下にしてプラ
ズマが発生しないようにする。プラズマ制限用MW導入
窓26は長尺の石英ガラス板でできており、時間の経過
とともに連続的にあるいは間欠的に横方向に移動する。
【0085】厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に厚さ0.15μmのCo−O膜
を蒸着したシート状の磁気記録媒体を基体として用い、
その表面に図5のプラズマCVD装置を使用して厚さ1
5nmのSiOx膜(x=1.7)を形成したNo.3
0の試料と、プラズマ制限用MW導入窓を用いない他は
図5と同じ構成の装置を用いて厚さ15nmのSiOx
膜(x=1.7)を形成したNo.31の試料の時間経
過に伴う膜厚の変化を図7に示す。
【0086】ガラス製のディスク上に厚さ50nmのC
r薄膜と厚さ20nmのCo−Cr薄膜を積層スパッタ
リングしたディスク状の磁気記録媒体を基体として用
い、その表面に図6のプラズマCVD装置を使用して厚
さ10nmのダイヤモンドライクカーボン膜を形成した
No.32の試料と、プラズマ制限用MW導入窓を用い
ない他は図6と同じ構成の装置を用いて厚さ10nmの
ダイヤモンドライクカーボン膜を形成したNo.33の
試料の時間経過に伴う膜厚の変化を図8に示す。
【0087】図7ならびに図8の結果から明らかなよう
に、プラズマ制限用MW導入窓を用いないで製作した試
料No.31,33のものはある時間以上成膜を行うと
膜厚のばらつきが大きくなる。これに対して図5ならび
に図6の装置を用いて成膜を行うと長時間にわたって均
一な膜厚が得られる。
【0088】連続プラズマCVD装置において、成膜中
は成膜しようとしている基体上ばかりでなく、その周辺
のプラズマに曝された部分にもプラズマCVD膜が付着
する。このプラズマCVD膜はある程度厚くなると、膜
中の内部応力によって剥離を生じる。この剥離片は塵埃
となり、基体等を汚染するという問題がある。
【0089】そのため、成膜領域(プラズマ発生領域)
を制限するフードを設けることにより、高密度プラズマ
を一定領域内で制御することが可能となる。さらにその
フードのプラズマと接する表面温度を150℃以上に維
持することにより、成膜部分以外のプラズマに曝された
部分への膜の付着を防止することができる。プラズマ中
で原料ガス成分は基体との付着、解離を繰り返してお
り、この平衡状態が付着側に傾いたときに膜形成がなさ
れる。150℃以上の加熱によりこの平衡状態が解離側
に傾くために膜がフードに付着しなくなったものと思わ
れる。
【0090】また加熱の際、水素ガスや酸素ガスなどを
導入すると、膜付着防止効果がより高くなる。この加熱
による膜付着防止効果は、前述のMW導入窓に対しても
有効であり、MW導入窓を150℃以上に加熱すること
によって、前述の二重窓構造を用いずに長時間安定な成
膜が可能となる。
【0091】しかし、この加熱により基体やプラズマに
曝されていない部分も加熱してしまう。この結果、加熱
に要する消費電力が大となり、耐熱性が劣る部分に熱損
傷を与えるなどの問題が生じる場合がある。この問題に
ついては加熱部分の固定を非常に小さな面積で、熱伝導
率の低い材料を用いて行い、更に熱を遮蔽する遮蔽板を
基体の成膜領域を遮らないように、フードの加熱部分と
回転ドラム等の非加熱部分の間に入れることにより解決
することができる。
【0092】具体的には、フードの固定部に熱伝導率5
0W/m・K以下の材料を用い、熱を遮蔽する遮蔽板を
加熱部分と非加熱部分の間に入れることにより、容易に
周囲の加熱を低減することができる。更に、フードと支
持部材の接触面積をフードの加熱部分の表面積に対し
て、1/100以下の面積比に設定することにより、周
囲の加熱を低減する効果が増す。
【0093】前記遮蔽板は冷却されていることが望まし
い。しかし、前述のように冷却した部分がプラズマに曝
されるとそこに膜が付着する。そこで冷却した遮蔽板に
膜が付着しないように、遮蔽板とフードとの間隔をプラ
ズマのシース厚さ程度に保たれるように設計する。
【0094】また、基体に自己バイアス電圧を印加する
場合、単純にフードで成膜領域を覆うと十分な自己バイ
アス電圧がかからなくなる場合が生じる。この解決手段
として、フード内部に表面積の大きな構造物を設置し、
プラズマに暴露されたアース電位部分の面積がプラズマ
に暴露され基体表面の面積の6倍以上、好ましくは9倍
以上にすることによって、自己バイアス電圧が安定して
印加されるようにした。
【0095】図9は第3の関連技術に係るプラズマCV
D装置の概略構成図、図10は図9のA部の拡大概略構
成図、図11ならびに図12はそのプラズマCVD装置
に用いられる隔壁の拡大断面図である。
【0096】以下、図面に従ってこの関連技術を説明す
る。基体1の搬送経路などは図1に示したものと同様で
あるので、それらの説明は省略する。図10に示すガス
導入口5,7からは炭化水素ガスからなるモノマーガス
が、またガス導入口6,8からはキャリヤガスが所定の
割合で供給される。これらのガスは、マイクロ波リニア
アプリケータ9から印加されるマイクロ波によりプラズ
マ状態に保たれ、搬送される基体1の外表面にプラズマ
CVD膜が連続的に形成される。
【0097】プラズマはアルミニウム製のフード33に
よって発生領域が制限される。このフード33は加熱ヒ
ータ34によりプラズマと接する表面温度が150℃以
上に維持される。フード33はセラミックスなどの熱伝
導率50W/m・K以下の材料でできた支持部材35に
よって非常に小さな接触面積で真空槽壁などのアース電
位構造材に固定され、熱伝導による熱の流出を最小限に
抑える。
【0098】加熱部分と回転ドラム3などの非加熱部分
の間に熱の遮蔽板を兼ねた隔壁11を配置して熱放射に
よる基体1の損傷を防止する。隔壁11は図11に示す
ように連続した中空部36を有し、その中を冷却水が流
通するか、あるいは図12に示すように冷却水が流通す
る冷却管37が付設されており、これらの冷却手段によ
り隔壁11は100℃以下に維持されている。
【0099】フード33内にはアース面積を増やすため
の薄板状のフィン38が配置される。この実施の形態で
は薄板状のフィン38を用いたが、これに限定されず、
例えばピンフィンやコルゲートフィンなど他のフィンを
用いることもできる。
【0100】図9に示すように、回転ドラム3にはマッ
チングボックス39を介して高周波電源10によって自
己バイアス電圧が加えられ、基体1上に連続して幅広で
均質なプラズマCVD膜が形成される。
【0101】図13はポリエチレンテレフタレート上に
厚さ0.15μmのCo−O膜を形成した基体を用い
て、下記の条件で厚さ10nmのダイヤモンドライクカ
ーボン膜を形成したときの、フードの有無ならびにフー
ドのプラズマと接する表面温度とプラズマCVD膜の付
着状態との関係をテストした結果をまとめた表である。
【0102】 マイクロ波の周波数 :2.45GHz 投入電力 :3kW 導入ガス :メタンとアルゴン(導入割合3:1) 搬送室の真空度 :5×10-5Torr 成膜室の真空度 :0.07Torr 支持部材の熱伝導率 :20W/m・K 熱遮蔽板(隔壁) :有り 基体への自己バイアス電圧:200V プラズマに暴露された基体の面積に対するフードのアース電位部分の面積比 :10倍 フードと支持部材の接触面積とフードの加熱部分の表面積の面積比 :1/150 このテストの結果、 ○試料No.41のものは、フードがないので真空槽全
体にプラズマが広がり、広範囲な面積にプラズマCVD
膜が付着した。
【0103】○試料No.42のものは、フードによっ
てプラズマをフード内に閉じ込めているが、フードを加
熱していないためにフード内面に多量のプラズマCVD
膜が付着した。
【0104】○試料No.43のものは、フードを加熱
しているが加熱が十分でないためにフード内面に少量の
プラズマCVD膜が付着した。
【0105】○試料No.44、45のものは、フード
を十分に加熱しているのでフード内にほとんどプラズマ
CVD膜が付着しなかった。
【0106】従って、成膜領域(プラズマ発生領域)を
制限するフードを設け、フードのプラズマと接する表面
温度を150℃以上に維持することにより、フードへの
膜の付着を防止することができる。
【0107】なおここで150℃以上の加熱とは、プラ
ズマを発生させていない時に熱電対で測定した値であ
る。プラズマ発生時にはプラズマの熱により、更に高温
に加熱されているものと思われる。
【0108】図14は、フードを使用して、その表面温
度を160℃に維持するように加熱するとき、フードを
支持する支持部材の熱熱伝導率(材質)を種々変えた場
合のヒータ電力との関係をテストした表である。なお、
他の条件は前述と同じにした。
【0109】このテストの結果、試料No.48のよう
に支持部材の熱伝導率が大きいと、余分にヒータ電力が
消費され、ランニングコストが高くつく。これに対して
試料No.46,47のように支持部材の熱伝導率が5
0W/m・K以下であると、装置外への熱の放出が抑制
され、少ないヒータ電力でプラズマCVD膜が有効に形
成されて、ランニングコストの低減を図ることができ
る。
【0110】図15は、フード内で基体がプラズマに曝
される面積に対するフード内のアース電位部分の面積
(フィンの表面積)の比率を種々変えた場合のバイアス
電圧との関係をテストした表である。なお、他の条件は
前述と同じにした。
【0111】このテストの結果、試料No.49のよう
にプラズマに暴露される基体の表面積に対するアース電
位部分の面積が5倍程度であれば、面積比が十分でない
ためバイアス電圧が40Vと低く、基体への自己バイア
ス電圧を十分に印加することができず、成膜状態に悪影
響を及ぼす。
【0112】これに対して試料No.50〜52のよう
にアース面積比を6倍以上、好ましくは9倍以上にする
ことにより、基体に対して自己バイアス電圧が安定して
印加され、品質ならびに効率の良い成膜が可能となる。
【0113】プラズマCVD法において、成膜速度や膜
質に影響を与える大きな要因として、基体のバイアス電
圧がある。このバイアス電圧を印加する方法として、前
述の高周波プラズマの自己バイアス電圧を利用する高周
波バイアス法があり、この方法は異常放電が起こりにく
く、安定しており、この安定性から長時間の成膜に適し
ている。
【0114】しかしこの成膜法ではイオン電流による加
熱が少なく、基体損傷はDCバイアス法よりも少ない
が、それでも成膜時にプラズマから受ける熱(加速イオ
ンによる衝撃エネルギー、中性粒子の運ぶ熱など)、あ
るいは基体に高周波電力を印加したときに基体からアー
スに向かって流れる高周波電流で発生するジュール熱に
よる基体損傷を完全に防止することは難しい。特に耐熱
性の弱い基体を用いた場合、しわ、エンボス、熱変形、
熱融解、破断などの熱損傷が発生する。また耐熱性の他
に、ローラの表面性が基体に影響を及ぼす。ローラの表
面性が悪いと、基体に変形や損傷を与える。
【0115】通常、回転ドラムは冷却するが、単に冷却
しただけでは基体走行中に回転ドラムから基体が浮き上
がり、やはり熱損傷が生じる。そこで本発明者らは、基
体の浮き上がり防止のため、回転ドラムと基体に電位差
を設けて、回転ドラムと基体を静電吸着させることによ
ってこの問題を解消できることを見い出した。
【0116】例えば表面に導電性薄膜を形成した合成樹
脂フィルムなどの導電性を有する基体に高周波自己バイ
アス電圧を印加しつつ、プラズマにより連続的に成膜す
る連続プラズマCVD装置において、回転ドラムと基体
の導電性部分に電位差が存在し、その平均電位差を20
〜1000V、好ましくは40〜600Vとすることに
より、基体と回転ドラムが静電吸着で密着して、基体の
熱による損傷が防止できることが判明した。
【0117】電位差を設けるためには、基体に印加され
る自己バイアス電圧を利用する方法、それに加えて回転
ドラムに直流電圧を印加する方法が有効である。なお、
基体と回転ドラム(ローラ系)間は電気絶縁されていな
ければならない。当然、基体と回転ドラムの間でプラズ
マが発生してはならない。
【0118】通常、プラズマの回り込みは、プラズマの
シースの厚さよりも薄いアースシールドを設けることに
よって防ぐ。しかし高成膜速度で、プラズマ密度を高く
するほどプラズマのシース厚さが薄くなり、間隔が1〜
2mmの非常に狭い空間でもプラズマが発生し、こうな
るとアース膜担持での絶縁は困難となる。そこで回転ド
ラムの少なくともプラズマと接触する部分を電気絶縁物
で覆うことにより、基体と回転ドラム間の電気絶縁を確
実なものとした。もちろんプラズマ密度が小さくプラズ
マのシース厚さが十分に厚い部分ではアースシールドで
絶縁しても何ら問題ない。
【0119】また、ローラ系の表面性は基体の平滑性を
保つために必要である。前述のように各ローラの表面性
が悪いと、基体に微少な変形を与える。そこで本発明者
等は、基体とアース間に十分なインピーダンスを保持す
るため、ローラの回転軸(芯材)を電気絶縁物(アルミ
ナ、ジルコニアなどのセラミックス、硬質ガラス等)で
構成し、ローラ表面がビッカース硬度500以上、表面
粗度が0.2S以下の部材で覆うことにより、ローラ表
面による、基体の損傷を殆ど抑えられることを見出し
た。
【0120】表面粗度を0.2S以下に抑えただけで
は、成膜時における基体との摺接によって、次第にその
表面性が損なわれ、基体に微少な変形、損傷が生じる。
そこで、ローラ表面の硬度を強くする必要がある。
【0121】そこで本発明では、ローラ本体を鏡面研磨
可能な材質で構成するか、ローラ本体を鏡面研磨できな
い電気絶縁物で構成し、その上を鏡面研磨可能な材質で
覆うなどの手段を施した後、この表面を研磨することで
表面性を確保し、前記鏡面研磨可能な材料をビッカース
硬度500以上のものから選択することにより、前記問
題点を解決した。
【0122】また、ローラ本体の硬度を調整する代わり
に、ローラ本体表面にビッカース硬度500以上の耐摺
動用の保護膜(硬質クロムメッキ、プラズマCVD膜、
スパッタリング膜、イオンプレーティング膜、蒸着膜
等)を設けても同様な効果が得られる。
【0123】図16は第4の関連技術に係るプラズマC
VD装置の概略構成図、図17はそのプラズマCVD装
置に使用する回転ドラムの側面図、図18は図17B−
B線上の断面略図、図19はそのプラズマCVD装置に
使用する中間ローラの斜視図である。
【0124】図16に示すように、長尺状で導電性を有
する幅広の基体1を電気的にアース電位と絶縁された供
給ローラ2から連続的に繰り出し、所定の速度で回転す
る冷却状態の回転ドラム3の周面を通して成膜を行い、
同じく電気的にアース電位と絶縁された巻取ローラ4に
順次巻き取る。供給ローラ2、回転ドラム3、巻取ロー
ラ4の間には、アース電位と電気絶縁された数本の中間
ロール13が設けられている。
【0125】ガス導入口5,7からは炭化水素ガスから
なるモノマーガスが、ガス導入口6,8からはキャリヤ
ガスが所定の割合で供給される。これらのガスは、マイ
クロ波リニアアプリケータ9から印加されるマイクロ波
によりプラズマ状態に保たれ、搬送される基体1の外表
面にプラズマCVD膜が連続的に形成される。
【0126】図示していないが回転ドラム3にはマッチ
ングボックスを介して高周波電源によって自己バイアス
電圧が加えられ、基体1上に連続して幅広で均質なプラ
ズマCVD膜が形成される。また回転ドラム3には直流
電源によって直流電圧が印加され、回転ドラム3と基体
1に電位差が設けられる。自己バイアス電圧のみで電位
差を設ける場合、この直流電源は必要ない。
【0127】図18に示すように、回転ドラム3の側面
にはポリテトラフルオロエチレン(商品名 テフロン
(登録商標))などのフッ素樹脂膜40で、フィルム走
行面の両端はアルミナプラズマ溶射膜41で覆われてい
る。ここでは絶縁材料としてフッ素樹脂膜40とアルミ
ナプラズマ溶射41を用いたが、特にこれに限定され
ることなく、電気絶縁材料なら何ら問題ない。また、フ
ィルム走行面は本関連技術では両端のみ覆っているが、
走行面全体を覆っても何ら問題ない。
【0128】また、基体とアース間に十分なインピーダ
ンスを保持するために中間ローラ13は図19に示すよ
うに、アルミナなどのセラミックス材料、ガラス、高分
子材料もしくはそれらの複合材料を主体とする電気絶縁
材からなるローラ芯材42と、ステンレス鋼(SUS)
などからなるローラ本体43と、ローラ本体43の表面
を覆う硬質Crメッキ、セラミックス材料、硬質ガラ
ス、カーボン膜、ボロン膜、金属炭化膜、金属酸化膜、
金属窒化膜などからなるローラ表層44とから構成され
ている。
【0129】図20は、ベースフィルム上に厚さ0.1
5μmのCo−O膜を形成した基体を用いて、下記の条
件で厚さ10nmのダイヤモンドライクカーボン膜を形
成したときの、ベースフィルムの構成、回転ドラム側面
の構成、フィルム走行面の構成、基体と回転ドラムの電
位差と基体損傷の有無との関係をテストした結果をまと
めた表である。
【0130】 マイクロ波の周波数 :2.45GHz 投入電力 :3kW 導入ガス :メタンとアルゴン(導入割合3:1) 搬送室の真空度 :5×10-5Torr 成膜室の真空度 :0.07Torr このテストの結果、 ○試料No.61のものは、回転ドラム側面及び走行面
端部にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶縁が
とれず、電位差が設けられないために、基体が浮き上が
り、耐熱性の高いアラミドフィルムでも熱損傷が生じ
た。
【0131】○試料No.62のものは、回転ドラム走
行面端部にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶
縁が十分にとれず、電位差が不十分なために、基体が浮
き上がり、耐熱性の高いアラミドフィルムでも損傷生じ
た。
【0132】○試料No.63のものは、回転ドラム側
面にプラズマが回り込み、基体と回転ドラムの絶縁が十
分にとれず、電位差が不十分なために、基体が浮き上が
ってしまい、耐熱性の高いアラミドフィルムでも損傷が
生じる。
【0133】○試料No.64〜69のもののように、
回転ドラム側面にテフロン膜を形成し、フィルム走行面
端部にアルミナのプラズマ溶着膜を設ければ、回転ドラ
ム側面及び走行面端部にプラズマが回り込むことがな
く、基体と回転ドラムの絶縁が十分にとれ、しかも基体
と回転ドラムの間に20〜1000Vの電位差が存在す
ると、基体の熱損傷が生じない。
【0134】○試料No.70のものは、基体と回転ド
ラムに十分な電位差が存在するものの、電位差が大きす
ぎてフィルムの絶縁破壊強度を越えてしまい、異常放電
が起こり、そのために基体に損傷が生じる。
【0135】図20の試料No.67のものにおいて、
中間ローラのローラ芯材の材質(軸材質)、ローラ本体
の材質(ローラ材質)、ローラ表層の材質(ローラ表
面)、ローラの表面粗度、ローラ表面とアースのインピ
ーダンス、及び同電位板の有無と基体の損傷の有無との
関係についてテストした結果を、図21に示す。
【0136】このテストの結果、 ○試料No.71のものは、中間ローラ全体が金属でで
きているため、ローラとアースの間のインピーダンスが
0に近く、高周波電流が流れ、そのジュール熱によって
基体の損傷が生じる。
【0137】○試料No.72のものは、ローラとアー
スの間のインピーダンスが800Ωと小さいため、この
場合も高周波電流が流れ、そのジュール熱によって基体
の損傷が生じる。
【0138】○試料No.73のものは、ローラとアー
スの間のインピーダンスは大きいが、ローラの表面性が
粗いため(表面粗度0.3S)、基体に若干の変形、損
傷が生じる。
【0139】○試料No.74のものは、ローラとアー
スの間のインピーダンスは大きく、ローラの表面粗度も
0.15Sと小さいが、ローラ硬度が低いため、基体と
の摺接により次第にその表面性が損なわれ、基体に微少
の変形、損傷が生じる。
【0140】○試料No.75,76のものは、ローラ
とアースの間のインピーダンスが十分に大きく、ローラ
表面性、硬度も十分であるため、基体の損傷を生じな
い。
【0141】前記図20ならびに図21の結果から明ら
かなように、回転ドラムと基体の導電性部分に電位差が
存在し、その平均電位差が20〜1000V、好ましく
は40〜600Vの範囲、更にガイドローラ表面とアー
ス間のインピーダンスを1KΩ以上、ガイドローラ表面
の表面粗度を0.2S以下、ビッカース硬度を500以
上にすることにより、成膜時における基体の損傷がな
い、目的に適った薄膜が得られる。
【0142】図22は第5の関連技術に係る中間ローラ
の拡大断面図、図23はその中間ローラのローラ本体の
拡大平面図である。この関連技術に係る中間ローラ13
のローラ芯材42は例えばアルミナやSUSなどの硬質
材料からなり、ローラ本体43はゴムや軟質の合成樹脂
など比較的弾性のある電気絶縁材料からなる。
【0143】このローラ本体43の周面には図23に示
すように、ローラ本体43の中央部から両側端部に向け
て開くように延びた山形の傾斜溝46が多数平行に形成
され、かつこの傾斜溝46は図22に示すようにその溝
の底部がローラ本体43の中央部に向けて傾斜している
とともに、中央部の傾斜溝46よりも両側端部の傾斜溝
46の方が溝が徐々に深くなっている。
【0144】このローラ本体43の外周には、傾斜溝4
6の後述する機能を損なわないような柔らかくて比較的
薄いゴムまたは合成樹脂からなるローラ表層44が被着
されている。なお、この実施の形態ではローラ表層44
を用いたが、必ずしも必要ではない。
【0145】図24は、第6の関連技術に係る中間ロー
ラの拡大断面図である。この関連技術に係る中間ローラ
13の場合、ローラ本体43は硬質ゴムや硬質合成樹脂
など比較的硬い電気絶縁材料からなり、前記第5の関連
技術と同様に傾斜溝46が多数形成され、その傾斜溝4
6には軟質ゴムなどからなる軟質材料47が充填されて
いる。
【0146】図25は第7の関連技術に係る中間ローラ
の拡大側面図で、この中間ローラ13はローラの中央部
から両端部側にかけてローラの径が徐々に小さくなって
おり、中脹らみのローラ(クラウンローラ)になってい
る。
【0147】図26は第8の関連技術に係る中間ローラ
の拡大側面図で、この中間ローラ13はローラの中央部
から両端部側にかけて湾曲してバナナ状をしている。
【0148】以上説明した第5〜8の関連技術に係る中
間ローラ13を基体1の搬送系に使用することにより、
基体1の高速搬送時にも基体1が搬送経路の中心からず
れることなく、しかも基体1の幅方向に適度の緊張を与
えて、しわの発生を有効に防止することができる。
【0149】図27および図28は、第9および第10
の関連技術に係る供給ローラならびに(または)巻取ロ
ーラの拡大断面図である。図27に示す第9の関連技術
の場合、供給ローラ2ならびに(または)巻取ローラ4
は、円筒状の絶縁コア14aと、その両端を支持するセ
ラミック製のテーパーコーン15a,15bとから主に
構成されている。そしてテーパーコーン15の一方また
は両方(本関連技術では一方)が点線の位置まで後退可
能になっており、それにより絶縁コア14aの交換を容
易にしている。同図に示すように絶縁コア14aの両端
面には、テーパーコーン15a,15bと同じ角度のテ
ーパが付けられ、絶縁コア14aが安定して支持される
ようになっている。
【0150】図28に示す第10の関連技術の場合、絶
縁コア14aの外周にそれよりも軸方向の長さが短い円
筒状の金属コア14bが一体に設けられ、金属コア14
bの基体1と接する表面は鏡面加工されて高い表面性を
確保している。他の構成は前記第9の関連技術と同様で
ある。
【0151】図29は、第11の関連技術に係る供給ロ
ーラならびに(または)巻取ローラの拡大断面図であ
る。この例の場合、絶縁コア14aの両端部近くの周面
にネジ47が形成され、そのネジ47に2つのコア固定
リング48a,48bが螺合されている。このコア固定
リング48aとコア固定リング48bの対向する側に傾
斜面が設けられ、コア固定リング48aとコア固定リン
グ48bの間に金属コア14bが介在されて、コア固定
リング48a,48bを回して金属コア14bを固定し
ている。
【0152】前述のようにプラズマCVD装置を用いて
長時間成膜を行うと、基体以外の周辺部にも大量のプラ
ズマCVD膜が形成される。この膜は非常にもろく、成
膜中に剥離し、その一部が基体などに付着して汚染等の
種々の不利益を生み出す。例えば、付着物がそのまま巻
き取られると、付着物上に巻き取られたフレキシブルな
フィルムなどからなる基体は図30に示すように変形し
てしまう。
【0153】図中の1はフレキシブルなフィルムなどか
らなる基体、4は巻取ローラ、51は基体1に付着して
巻き取られた付着物、52はその付着物51によって変
形した基体1の変形部である。
【0154】これが磁気記録媒体や太陽電池などの機能
性薄膜の場合、その機能の信頼性が低下することにな
る。また、付着物が付着したまま出荷されると、これを
食品用包装フィルムに用いた場合、内部の食品が付着物
によって汚染されるなどの問題を有している。
【0155】本発明者らの広範な検討の結果、基体の汚
染は基体以外の部分で成膜されたプラズマCVD膜があ
る程度以上の膜厚になると、内部応力によって剥離し、
これが基体に付着することが原因と判明した。そこでこ
れを防止するためには、基体近傍以外での成膜を少なく
するか、成膜されたとしてもこれが基体に被着しないよ
うにすることが必要である。
【0156】第11の関連技術はこのような考察に基づ
き、原料ガスや不活性ガスなどの導入ガスを基体表面に
沿って流すことにより、塵埃が基体表面に付着するのを
防止したものである。
【0157】図31は、第12の関連技術に係るプラズ
マCVD装置の概略構成図である。厚さ6μmのPET
フィルム上に厚さ0.15μmのCo−O斜め蒸着膜を
設けたフィルム状の基体1は、供給ロール2から回転ド
ラム3を通して巻取ローラ4に巻き取られる。ガス導入
口53からメタン10体積%、水素9体積%の混合ガス
を140sccmプラズマ管54中に導入し、回転ドラ
ム3の周面近くに設けられたガス導入口55からはメタ
ン100%ガスを基体1の表面に沿って流れるように4
0sccm吹き付けて、成膜と基体表面の清掃を行な
う。反応に寄与しなかった余剰のガスは、ガス導入口5
5と対向する位置に設けられたガス排出口60から装置
外に排出される。
【0158】プラズマ管54に巻き付けた高周波コイル
56に高周波電源57で13.56MHz、800Wの
高周波を印加することにより、前記導入ガスがプラズマ
状態に保たれる。加速電極58に定電圧電源59で+3
000Vの電圧を印加することによりバイアスが与えら
れ、基体1上にダイヤモンドライクカーボン膜が形成さ
れる。
【0159】このように導入ガスで基体表面の清掃を行
なう技術は、例えば図1、図16に示すようなプラズマ
CVD装置でも可能である。この図1のプラズマCVD
装置を使用し、ガス導入口5,7からヘキサメチルジシ
ロキサン30体積%、酸素70体積%の混合ガスを基体
(厚さ10μmのポリエステルフィルム)1の表面に沿
って流れるように120sccm吹き付け、ガス導入口
6,8からヘリウム100%ガスを基体1に向けて60
sccm吹き付ける。
【0160】これらのガスはマイクロ波リニアアプリケ
ータ9から印加される2.45GHz、1500Wのマ
イクロ波によってプラズマ状態に保たれる。回転ドラム
3には高周波電源10によって300Vの自己バイアス
が加えられ、基体1上にSiOx膜(x=1.7)が形
成される。
【0161】図32は、図30で製造されたダイヤモン
ドライクカーボン膜付きの磁気記録媒体〔参考例
(1)〕と比較例(1)のスチル耐久テストを行なった
結果を示す表である。なお、比較例(1)は、図30に
おいてガス導入口53からメタン30体積%、水素70
体積%の混合ガスを170sccmプラズマ管54中に
導入し、ガス導入口55からのガス吹き付けは行わない
他は参考例(1)と同様にして製造したダイヤモンドラ
イクカーボン膜付きの磁気記録媒体である。
【0162】これら磁気記録媒体はデジタルVTR用磁
気テープで、それぞれ10本製造して(試料No.81
〜90)、全数についてスチル耐久テストを行なった。
このテスト結果、参考例(1)の磁気テープは、全て6
0分以上のスチル耐久性があるのに対して、比較例
(1)の磁気テープは塵埃の付着によってスチル耐久性
が大きくばらついていることが分かる。
【0163】図33は、図1で製造されたSiOx膜付
きフィルム〔参考例(2)〕と比較例(2)のフィルム
で30cm×30cmの袋をそれぞれ10000枚作成
し、袋の中への塵埃の混入状況を調べた表である。な
お、比較例(2)は、図1においてガス導入口5、7か
らガス吹き付けは行わず、ガス導入口6,8からヘキサ
メチルジシロキサン25体積%、酸素50体積%、ヘリ
ウム25体積%の混合ガスを基体1に向けて1800s
ccm吹き付けた他は参考例(2)と同様にしてポリエ
ステルフィルム上にSiOx(x=1.7)膜を形成し
たものである。このテスト結果から明らかなように、
考例(2)に係る袋への塵埃の混入が比較例より極端に
減少していることが分かる。
【0164】図34は、第13の関連技術に係るプラズ
マCVD装置の概略構成図である。この関連技術の場
合、プラズマ管54における回転ドラム3側の開口部付
近の両側に、例えば厚さ30μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムからなるフレキシブルな膜担持フィル
ム61と、それを供給する供給ローラ62と、膜担持フ
ィルム61を巻取る巻取ローラ63が配置され、膜担持
フィルム61の一部が供給ローラ62と巻取ローラ63
の間において露呈している。
【0165】そして成膜時、露呈している膜担持フィル
ム61の表面にもプラズマCVD膜が付着するが、膜が
剥離を生じる厚さになる前に、すなわち成膜して所定時
間が経過すると、膜担持フィルム61は巻取ローラ63
に自動的に巻き取られ、塵埃の発生を防止している。
【0166】図35は、第14の関連技術に係るプラズ
マCVD装置の概略構成図である。この関連技術の場
合、供給ローラ62と巻取ローラ63の間でかつ回転ド
ラム3の近傍に中間ローラ64が配置され、供給ローラ
62から繰り出された膜担持フィルム61は膜の剥離を
生じる厚さになる前に中間ローラ64を経て巻取ローラ
63に自動的に巻き取ることによって、塵埃の発生を防
止している。
【0167】図36は、図35で製造されたSiOx膜
付きフィルム〔参考例(3)〕と比較例(3)のフィル
ムで30cm×30cmの袋をそれぞれ10000枚作
成し、袋の中への塵埃の混入状況を調べた表である。な
お、比較例(3)は、図35において膜担持フィルム6
1、供給ローラ62、巻取ローラ63、中間ローラ64
を設けない他は参考例(3)と同様にして基体1上にS
iOx(x=1.7)膜を形成したものである。このテ
スト結果から明らかなように、参考例(3)に係る袋へ
の塵埃の混入が比較例より極端に減少していることが分
かる。
【0168】前記関連技術では強磁性金属膜を有する磁
気記録媒体の場合について説明したが、例えば基体上に
Mn−Znフェライト膜など各種の機能膜を形成する場
合にも適用可能である。また回転ドラムを介して基体に
高周波電圧を印加したが、基体に直接高周波電圧を印加
することも可能である。
【0169】
【発明の効果】発明は前述のように、基体の供給ロー
ラから回転ドラムなどの搬送支持部材に至る経路の全て
のローラのローラ表面とアース電位の間のインピーダン
スの合計を10kΩ以上、かつ回転ドラムなどの搬送支
持部材から巻取ローラに至る経路の全てのローラのロー
ラ表面とアース電位の間のインピーダンスの合計を10
kΩ以上とし、前記基体に高周波を印加する高周波電源
を更に有し、前記高周波電源の周波数が50KHz〜9
00KHzの範囲に規制することにより、十分な自己バ
イアス電圧が印加されるから、直流電圧を必要としな
い。そのため直流的に自己バイアス電圧を印加した場合
に発生する問題点、すなわちイオン電流によるジュール
熱、バイアス電圧の不均等性、不安定性、異常放電、基
体の帯電による塵埃の付着などがすべて解消できる。
【0170】このような効果は、高周波電源と導電性を
有する基体の間に、静電容量Cと高周波電源の周波数f
の積C・fが0.02〔F・Hz〕以上、好ましくは
0.3〔F・Hz〕以上になるようなブロッキングコン
デンサを介在させることにより、さらに確実に発揮する
ことができる。
【0171】また、膜の均一性を確保するにはプラズマ
密度の分布を均一にする必要があり、このためには、プ
ラズマの主たる生成源としてマイクロ波を用いることが
有効である。マイクロ波の電界は、アンテナ形状を調整
することにより容易に均一にすることができる。
【0172】さらに、基体を搬送するためのローラ(供
給ローラ、巻取ローラ、ガイドローラなど)またはその
一部をセラミックや合成樹脂などの電気絶縁性の材料で
構成するか、ローラの芯材に電気絶縁材を用いるか、あ
るいは導電性を有する芯材を持たない中空状のローラを
使用する手段が有効である。
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る連続プラズマCVD
装置の概略構成図である。
【図2】この連続プラズマCVD装置に用いられる供給
ローラ、巻取ローラの構成図である。
【図3】この連続プラズマCVD装置で製造された磁気
記録媒体の拡大断面図である。
【図4】連続プラズマCVD装置の構成と性能をまとめ
た図表である。
【図5】第1の関連技術に係る連続プラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図6】第2の関連技術に係る連続プラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図7】時間経過とプラズマCVD膜の膜厚分布との関
係を示す特性図である。
【図8】時間経過とプラズマCVD膜の膜厚分布との関
係を示す特性図である。
【図9】第3の関連技術に係る連続プラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図10】図9のA部の拡大概略構成図である。
【図11】そのプラズマCVD装置に用いられる隔壁の
拡大断面図である。
【図12】そのプラズマCVD装置に用いられる隔壁の
拡大断面図である。
【図13】そのプラズマCVD装置におけるフードの有
無ならびにその表面温度とプラズマCVD膜の付着状態
との関係を示す図表である。
【図14】そのプラズマCVD装置におけるフード支持
部材の熱伝導率とヒータの消費電力との関係を示す図表
である。
【図15】そのプラズマCVD装置におけるフードの基
体に対するアース電位部分の面積比と基体への自己バイ
アス電圧との関係を示す図表である。
【図16】第4の関連技術に係るプラズマCVD装置の
概略構成図である。
【図17】そのプラズマCVD装置に使用する回転ドラ
ムの側面図である。
【図18】図17B−B線上の断面略図である。
【図19】そのプラズマCVD装置に使用する中間ロー
ラの斜視図である。
【図20】ベースフィルムの種類、回転ドラムの側面な
らびに基体走行面の状態、基体と回転ドラムの電位差と
基体の損傷の有無との関係を示す図表である。
【図21】ローラの状態、ローラ表面とアースのインピ
ーダンス、同電位板の有無と基体の損傷の有無との関係
を示す図表である。
【図22】第5の関連技術に係る中間ローラの断面図で
ある。
【図23】その中間ローラのローラ本体の平面図であ
る。
【図24】第6の関連技術に係る中間ローラの断面図で
ある。
【図25】第7の関連技術に係る中間ローラの平面図で
ある。
【図26】第8の関連技術に係る中間ローラの平面図で
ある。
【図27】第9の関連技術に係る供給ローラ(巻取ロー
ラ)の断面図である。
【図28】第10の関連技術に係る供給ローラ(巻取ロ
ーラ)の断面図である。
【図29】第11の関連技術に係る供給ローラ(巻取ロ
ーラ)の断面図である。
【図30】基体に付着物が付着した状態を示す拡大断面
図である。
【図31】第12の関連技術に係るプラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図32】そのプラズマCVD装置で得られたデジタル
VTR用磁気テープと比較例のスチル耐久性テストの結
果を示す図表である。
【図33】図1のプラズマCVD装置で得られた袋と比
較例の塵埃混入状況の結果を示す図表である。
【図34】第13の関連技術に係るプラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図35】第14の関連技術に係るプラズマCVD装置
の概略構成図である。
【図36】図35のプラズマCVD装置で得られた袋と
比較例の塵埃混入状況の結果を示す図表である。
【図37】従来のプラズマCVD装置の概略構成図であ
る。
【図38】従来の他のプラズマCVD装置の概略構成図
である。
【図39】従来のさらに他のプラズマCVD装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
1 基体 2 供給ローラ 3 回転ドラム 4 巻取ローラ 5,6,7,8 ガス導入口 9 マイクロ波リニアアプリケータ 10 高周波電源 11 隔壁 12 ブロッキングコンデンサ 13 中間ローラ 14 コア 15 テーパコーン 22 磁性層 23 保護膜 25 真空維持用MW導入窓 26 プラズマ制限用MW導入窓 27 プラズマ発生領域 28 ディスク状基体 33 フード 34 加熱ヒータ 35 支持部 38 フィン 40 フッ素樹脂膜 41 アルミナプラズマ溶射膜 42 ローラ芯体 43 ローラ本体 44 ローラ表層 45 同電位板 53a,53b,55a,55b ガス導入口 54 プラズマ管 60 ガス排出口 61 膜担持フィルム 62 供給ローラ 63 巻取ローラ 64 中間ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−42187 (32)優先日 平成9年2月26日(1997.2.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 草田 英夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (72)発明者 久保田 隆 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (72)発明者 浅野 巳知男 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (72)発明者 若居 邦夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−311666(JP,A) 特開 平7−230960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 16/56 C23F 1/00 - 1/04 H01L 21/205 H01L 21/3065 H05H 1/00 - 1/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ系を介して搬送支持部材と共に移
    動する導電性を有する基体表面にプラズマにより連続的
    に成膜するプラズマCVD装置において、 前記基体の供給ローラから搬送支持部材に至る経路の全
    てのローラのローラ表面とアース電位の間のインピーダ
    ンスの合計を10kΩ以上、かつ搬送支持部材から巻取
    ローラに至る経路の全てのローラのローラ表面とアース
    電位の間のインピーダンスの合計を10kΩ以上とし 前記基体に高周波を印加する高周波電源を更に有し、 前記高周波電源の周波数が50KHz〜900KHzの
    範囲に規制されている ことを特徴とするプラズマCVD
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記基体と高
    波電源の間にブロッキングコンデンサを介在させたこと
    を特徴とするプラズマCVD装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載において、前記ブロッキン
    グコンデンサの静電容量Cと高周波電源の周波数fの積
    C・fが0.02〔F・Hz〕以上に規制されているこ
    とを特徴とするプラズマCVD装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないしのいずれかの記載にお
    いて、前記プラズマを励起する主たる励起源がマイクロ
    波であることを特徴とするプラズマCVD装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないしのいずれかの記載にお
    いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
    ラと、その供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
    間ローラを備え、それらローラの本体の主体が電気絶縁
    材で構成されていることを特徴とするプラズマCVD装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないしのいずれかの記載にお
    いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
    ラと、前記供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
    間ローラを備え、少なくともそれらのうちの1本のロー
    ラの芯体の主体が電気絶縁材で構成されていることを特
    徴とするプラズマCVD装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないしのいずれかの記載にお
    いて、前記基体の搬送系が前記供給ローラと、巻取ロー
    ラと、前記供給ローラと巻取ローラの間に配置された中
    間ローラを備え、少なくともそれらのうちの1本のロー
    ラが導電性の芯体を持たない中空体で構成されているこ
    とを特徴とするプラズマCVD装置。
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